JP2711000B2 - 板ガラスの曲げ成形方法 - Google Patents

板ガラスの曲げ成形方法

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    • C03B29/06—Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a continuous way with horizontal displacement of the products
    • C03B29/08—Glass sheets

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は加熱炉内に板ガラスを搬入して加熱した後、
この板ガラスを炉外に搬出して曲げ成形する方法に関す
る。
（従来の技術） 板ガラスを曲げ成型する方法として、炉内で行なう方
法と炉外で行なう方法があり、炉外で行なう方法は、ト
ンネル型の加熱炉の出口に曲げ成形装置を設置し、加熱
炉内を通過せしめることで加熱された板ガラスを水平状
態のまま加熱炉から搬出して成型装置の上下の型間に臨
ませ、プレス成型するようにしたものである。
（発明が解決しようとする課題） 上述したような炉の外で曲げ成形する方法にあって
は、板ガラスを炉内で均一に加熱したとしても、加熱炉
から搬出して成形装置の位置まで搬送する間に板ガラス
の前部と後部とでは冷却される時間が異なることとな
る。そして例えば、650℃の板ガラスにおいて、厚さが
3.5mmの場合には冷却速度は6.2〔deg/s〕、厚さが3.1mm
の場合には冷却速度は6.6〔deg/s〕であるので、周囲の
条件にもよるが、成形時には板ガラスの前部と後部の温
度が異なり、これが大きな粘性の違いになって現れ、プ
レス割れ、冷却割れ或いは不正確な成形形状の原因とな
っている。
（課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本発明は出炉後の板ガラスの前
部と後部の温度差を小さくすることを目的とし、このた
めに第１発明は、加熱炉の出口付近に配置した冷却装置
によって、搬送方向を基準として前部に比較して後部を
より冷却し、第２発明は、板ガラスの加熱炉への搬入速
度を遅く、搬出速度を早くし、第３発明は、加熱炉の入
口又は出口付近に配置した加熱装置によって、搬送方向
を基準として板ガラスの前部を後部より加熱するように
した。
（作用） 上記の構成によれば、成形の際に板ガラスの温度が全
面に亘って均一になるので、正確に且つプレス割れや冷
却割れを生じることなく曲げ成形を行なえる。
（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第１図は本発明方法を実施する装置の概略図、第２図
は第１図の要部拡大図、第３図Ａ及びＢは冷却装置の斜
視図、第４図及び第５図は別実施例を示す図である。
板ガラスを曲げ成形する装置は、加熱炉１に隣接して
成形装置２を配設して構成され、加熱炉１内には板ガラ
スＧを水平状態で搬送する炉内搬送ロール３を設け、成
形装置２は昇降可能な上型４及び下型５を備え、これら
上型４と下型５との間に昇降可能なプレスロール６を配
置し、このプレスロール６が下降するか下型５が上昇し
た場合にプレスロール６が入り込む凹部７を下型５に形
成している。
また、加熱炉１の出口近傍には炉内搬送ロール３によ
って搬送されてきた板ガラスＧをプレスロール６に受け
わたす受渡しロール８を設けるとともに、この受渡しロ
ール８にとって搬送される板ガラスＧの上方及び下方に
冷却装置９を配置している。この冷却装置９は第３図Ａ
に示すように、エアー源につながる中空パイプ10に複数
のノズル11…を植設してなり、その配置方向は第２図に
示すように板ガラスＧの搬送方向に対して後方に傾け、
板ガラスの前方が冷却されないようにし、或いはこの代
りにノズルの搬送方向前方に邪魔板13を配置してもよ
い。尚、冷却装置としては、第３図Ｂに示すようなスリ
ット状のノズル11としてもよく、更に板ガラスＧの上方
又は下方の一方に冷却装置を配置してもよい。また、ノ
ズルの列の数は１列でも多数列でもよいが、多数列の方
が効果が大であり、更に出炉後の搬送ロールが予備成形
を行うロール、即ち弓形等の予備成形形状に湾曲した芯
材の周囲にスリーブを芯廻りに回転自在に外挿したロー
ルであるときには、ノズルパイプ及び邪魔板も上記予備
成形ロールに合せた形状とするのが好ましい。
以上において、板ガラスＧを曲げ成形するには、軟化
点近くまで加熱された板ガラスＧを加熱炉１から搬出し
て成形装置２の上型４と下型５間まで板ガラスＧを搬送
するにあたり、前記冷却装置９のノズル11から噴出する
エア圧を変化せしめることで、搬送方向を基準として板
ガラスの後部を前部に比較してより冷却し、出炉後の板
ガラスの前部と後部の温度差を無くすか少なくする。そ
して、このように略全面が均一な温度の板ガラスを成形
装置２の上型４と下型５間でプレス成形する。
第４図は第２発明を実施する装置の断面図であり、第
２発明にあっては加熱炉１内への板ガラスＧの搬入速度
V1を搬出速度V2よりも遅くし、結果的に板ガラスＧの前
部の方が後部よりも加熱炉１内に滞在する時間が長くな
るようにし、出炉後に板ガラスＧの前部の方が後部より
も冷却されても成形時には板ガラスの全面が略均一な温
度となるようにしている。
ここで上記搬入速度V1及び搬出速度V2としては、例え
ば搬入速度V1については50mm/S〜120mm/S、搬出速度V2
については500mm/S〜1200mm/Sとし、速度コントロール
する区間の長さは1000mm程度とする。また第２発明のよ
うに通常の搬出速度よりも速く搬出するようにすれば、
高温状態のガラスが搬送ロールに接触している時間が短
くなるのでロールウェーブと称する筋状の歪の発生も少
なくなる。
第５図は第３発明を実施する装置の断面図であり、第
３発明にあっては加熱炉１の入口近傍に加熱装置12を配
置し、この加熱装置によって、搬入前の板ガラスの前部
を後部より加熱することで、出炉後に板ガラスの前部が
後部よりも多量に冷却されても成形時には板ガラスの全
面が略等しい温度となるようにしている。
尚、加熱装置としては板ガラスの上方又は下方の一方
に配置してもよいが、図示例の如く上下双方に配置すれ
ば加熱量が等しくなり、入炉前と入炉直後の板ガラスの
加熱反りを防止することができる。ここで加熱装置12の
数は例えば上下に２〜５本程度とする。
また、加熱装置12としては加熱炉１の出口近傍に配置
してもよい。このようにすると、高温状態の板ガラスを
更に加熱するため、加熱割れのおそれがなく、また加熱
反りの心配もないので上下一方のみに加熱装置を配置し
てもよく、更に加熱装置12としては、ガスの面ヒータ、
空気ヒータ或いはホットエア吐出タイプ等任意である。
更に前記した第１発明乃至第３発明を組合せてもよ
い。
（発明の効果） 以上に説明したように本発明によれば、加熱炉から搬
出された板ガラスの搬送方向を基準とした前部が後部よ
り冷却されることを見越して、加熱炉から搬出された直
後の板ガラスの前部の温度が後部の温度よりも若干高く
なるようにしたので、成形時には板ガラスの全面が均一
な温度となっており、このため、目的の形状通りにプレ
ス割れや冷却割れを生じることなく成形できる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明方法を実施する装置の概略図、第２図は
第１図の要部拡大図、第３図Ａ及びＢは冷却装置の斜視
図、第４図及び第５図は別実施例を示す図である。 尚、図面中１は加熱炉、２は成形装置、3,6,8は搬送ロ
ール、９は冷却装置、12は加熱装置、Ｇは板ガラス。
フロントページの続き (72)発明者 東出 法彦 大阪府大阪市中央区道修町３丁目５番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−230637（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−56210（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−54607（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−307833（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−75032（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−154636（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−133571（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−53723（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】加熱炉内に板ガラスを搬入し、加熱された
    板ガラスを搬出して曲げ成形する方法において、前記加
    熱炉から搬出した板ガラスを、加熱炉の出口付近に配置
    した冷却装置によって、搬送方向を基準として前部に比
    較して後部をより冷却して出炉後の板ガラスの前部と後
    部の温度差を小さくするようにしたことを特徴とする板
    ガラスの曲げ成形方法。
  2. 【請求項２】加熱炉内に板ガラスを搬入し、加熱された
    板ガラスを搬出して曲げ成形する方法において、前記板
    ガラスの加熱炉への搬入速度を遅く、搬出速度を早くし
    て、搬送方向を基準として出炉後の板ガラスの前部と後
    部の温度差を小さくするようにしたことを特徴とする板
    ガラスの曲げ成形方法。
  3. 【請求項３】加熱炉内に板ガラスを搬入し、加熱された
    板ガラスを搬出して曲げ成形する方法において、加熱炉
    の入口又は出口付近に配置した加熱装置によって、搬送
    方向を基準として板ガラスの前部を後部より加熱して出
    炉後の板ガラスの前部と後部の温度差を小さくするよう
    にしたことを特徴とする板ガラスの曲げ成形方法。
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