JPH048379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車用ウインドガラスの如き湾曲し
た板ガラスを成形する装置に関する。

（従来の技術） 湾曲した板ガラスを成形する装置を大別する
と、軟化点近くまで加熱された板ガラスを水平状
態で上型と下型間に臨ませるものと、垂直状態で
左右の型間に臨ませるものがあり、前者の装置と
しては以下の如きものが知られている。

例えば特公昭46−13272号に開示される装置は、
軟化点近くまで加熱した板ガラスを搬送ローラに
てリングモールド上方まで搬送し、この後、リン
グモールドを搬送ローラよりも上方へ上昇せし
め、搬送ローラから板ガラスを持ち上げ、持ち上
げる際の重力及び慣性力によつて板ガラスを曲げ
成形するようにしたものであり、また特公昭53−
12931号に開示される装置は、特公昭46−13272号
に開示された装置に急冷装置を付加し、曲げ成形
と同時に急冷強化を行うようにしたものであり、
更に特公昭59−3939号に開示される装置は板ガラ
スの支承枠型リングを二重とし、外側リング上に
断熱材を被服し内側リングは櫛歯形状とし、最初
に外側リングで板ガラスを受け、その後内側リン
グにて板ガラスを受けとり上昇せしめるようにし
たものである。

（発明が解決しようとする問題点） ところで自動車用ウインドガラス等にあつて
は、その曲率は周縁部において大で中央部におい
て小であるように、各部毎に曲率が異なる。そし
て曲率が大きい部分、つまりアール部において光
学歪が発生し易い。

しかしながら、前記した各成形装置にあつては
曲率の大なる部分も小なる部分も何ら区別なく同
時にプレス成形しているため、曲率の大なる部分
での光学歪が目立つこととなる。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、加熱炉にて
軟化点近くまで加熱された板ガラスを搬送ローラ
によつて水平状態のままで上型と下型との間まで
移送し、これら上型と下型でプレス成形するよう
にした成形装置において、この成形装置の上型
は、成形される湾曲ガラスの曲率が大なる部分に
倣う形状の昇降自在な帯状の補助プレスと、この
補助プレスが上昇した際に入り込む凹部とを備
え、補助プレスが凹部に入り込んだとき、上型の
成形面と補助プレス下面とが面一となるようにし
た。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明に係る板ガラスのプレス曲げ成
形装置の正面図、第２図は同成形装置の側面図で
あり、成形装置１は加熱炉２に隣接し、この加熱
炉２にて軟化点近くまで板ガラスＧを加熱し、搬
送ローラ３…によつて板ガラスＧを水平状態で成
形装置１内に搬入する。

一方、成形装置１は枠状フレーム４の上部にシ
リンダユニツト５によつて昇降動せしめられる上
型６を設け、この上型６の下方にシリンダユニツ
ト７によつて昇降動せしめられる下型８を設け、
更に枠状フレーム４の中間部に水平方向に架設し
た横フレーム９に搬送ローラ１０…を設け、これ
ら搬送ローラ１０…により成形装置１内に搬入し
た板ガラスＧを上型６と下型８間まで移送するよ
うにしている。

また、下型８には上昇した際に搬送ローラ１０
…と干渉しないための凹部８ａ…が形成され、こ
の下型８の周囲にはリングモールド１１が配設さ
れている。

リングモールド１１はシリンダユニツト１２に
よつて下型８とは別個に昇降動をなし、上昇した
際に搬送ローラ１０…との干渉を避けるための逃
げ部１１ａが形成されている。そしてリングモー
ルド１１が上昇することで、搬送ローラ１０…上
の板ガラスＧを受け取り、上型６との間で板ガラ
スＧの周縁部を曲げ成形する。

一方、上型６の側面にはリリーフ弁付きのシリ
ンダユニツト１３…を取付け、このシリンダユニ
ツト１３の下方に伸びるロツド下端に補助プレス
１４を固着している。この補助プレス１４は帯状
をなし、その形状は成形される湾曲ガラスの曲率
が大なる部分の形状に倣うものとし、補助プレス
１４の位置も板ガラスＧがリングモールド１１に
より持ち上げられた際に板ガラスＧの曲率が大と
なる部分が当たる位置とする。

ここで成形装置１はプレス成形と急冷強化を行
うものとする。即ち、上型６及び下型８は内部を
空洞とし、それぞれの内部に圧縮エアーが導入さ
れ、また上型６の成形面（下面）及び下型８の成
形面（上面）には成形後の板ガラス表面に圧縮エ
アーを吹き付けて急冷するためのノズル孔が形成
され、このノズル孔を避けて各成形面にはガラス
繊維を基材としたフエルト状の断熱材を貼設して
いる。そして上型６の成形面には補助プレス１４
が上昇した際に入り込む凹部１５が形成され、補
助プレス１４が凹部１５に入り込んだ状態で上型
６の成形面と補助プレス１４下面とが面一となる
ようにしている。

尚、補助プレス１４下面にもフエルト状断熱材
を貼着するようにしてもよい。

以上の如き構成からなる成形装置１の作用を第
３図乃至第５図に基づいて説明する。尚、第３図
及び第５図においてＡは成形装置の概略側面図、
Ｂは概略正面図を示す。

先ず、前記加熱炉２において軟化点近くまで加
熱した板ガラスＧを搬送ローラ３，１０によつて
第３図Ａ及びＢに示す如く、上型６と下型８間ま
で移送する。次いで第４図Ａ及びＢに示す如く、
リングモールド１１を上昇せしめ、板ガラスＧの
下面周縁部を支持し、リングモールド１１の更な
る上昇で板ガラスＧは搬送ローラ１０から持ち上
げられ、且つ板ガラスＧのうち曲率が大となる部
分が補助プレス１４に当接し、補助プレス１４の
形状に倣つて予備成形される。この場合、下型８
はリングモールド１１とは別に、リングモールド
１１の上昇から若干遅らせて上昇せしめる。

そして、補助プレス１４はリリーフ弁付きのシ
リンダユニツト１３に取付けられており、リング
モールド１１の更なる上昇に伴ない板ガラスＧの
表面を一定圧で押圧しつつ上昇し、最終的には第
５図Ａ及びＢに示す如く、上型６の凹部１５内に
面一に嵌り込む。そしてこのとき板ガラスＧの周
縁部は上型６とリングモールド１１によつて成形
され、板ガラスＧの中央部は上型６と下型８によ
つて成形される。

この後、下型８を下降させ、リングモールド１
１を上型６と下型８の中間位置まで下降させ、リ
ングモールド１１にて成形された湾曲ガラスの周
縁部を支持した状態で、上型６及び下型８の成形
面に設けたノズルから湾曲ガラス表面に向けてエ
アーを噴出し、湾曲ガラスを急冷強化する。

尚、実施例にあつては、搬送ローラ１０は昇降
動しないものを示したが、搬送ローラ１０が下降
することでリングモールド１１上に板ガラスＧを
受け渡すようにしてもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、板ガラスを上型と下型との間
でプレス曲げ成形するのに先立ち、板ガラスの深
曲げ部分等の曲率が大となる部分を予め補助プレ
スで予備成形するようにしたので、後に上型と下
型で板ガラスの全面成形を行う場合に、板ガラス
と上型及び下型との成形面とが片当りせず、部分
的に接触圧が大となることがなく、その結果光学
歪の発生を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る成形装置の正面図、第２
図は同成形装置の側面図、第３図Ａ，Ｂ乃至第５
図Ａ，Ｂはそれぞれ成形装置の作用を示す概略側
面図、及び概略正面図である。 尚、図面中１は成形装置、２は加熱炉、６は上
型、８は下型、１０は搬送ローラ、１１はリング
モールド、１４は補助プレス、Ｇは板ガラスであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱炉にて軟化点近くまで加熱された板ガラ
   スを搬送ローラによつて水平状態のまま上型と下
   型との間まで移送し、これら上型と下型でプレス
   成形するようにした成形装置において、この成形
   装置の上型は、成形される湾曲ガラスの曲率が大
   なる部分に倣う形状の昇降自在な帯状の補助プレ
   スと、この補助プレスが上昇した際に入り込む凹
   部とを備え、補助プレスが凹部に入り込んだと
   き、上型の成形面と補助プレス下面とが面一とな
   るようにしたことを特徴とする板ガラスのプレス
   曲げ成形装置。