JP2710662B2 - レーザーを用いた炭素13の濃縮法 - Google Patents

レーザーを用いた炭素13の濃縮法

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JP2710662B2 JP1078315A JP7831589A JP2710662B2 JP 2710662 B2 JP2710662 B2 JP 2710662B2 JP 1078315 A JP1078315 A JP 1078315A JP 7831589 A JP7831589 A JP 7831589A JP 2710662 B2 JP2710662 B2 JP 2710662B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレーザーを用いた炭素13の濃縮法に関し、詳
しくは赤外多光子解離を用いたレーザー同位体分離によ
る炭素13濃縮法に関する。
〔従来技術〕
天然に存在する炭素は質量12と13との同位体から成っ
ており、一般に前者が98.9%、後者が1.1%を占める。
従来の炭素13濃縮法はCOの低温蒸留に基づいているが、
有毒ガスを大量に使用すること、装置が大型化すること
及び製造コストも高いという欠点があった。
そこで、近年のレーザー技術における大出力化、発振
波長の多様化はレーザーを光化学反応に利用しようとい
う研究を促進させてきた。
従来このようなレーザーを用いた炭素13の濃縮法とし
ては、特開昭60−132629号、同58−183932号、同63−97
217号、USP4436709号等が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、高濃度に炭素13を
濃縮するために数段のレーザー濃縮工程が必要となるた
め、反応器の台数に応じたレーザー発振器が必要であ
り、赤外多光子解離によって炭素13成分を選択的に反応
させるのに、1分子当たりの必要エネルギーは、あるし
きい値以上である。しかし、このような反応系において
は反応に寄与しないレーザーエネルギーは反応器他端か
ら散逸するため、必ずしも供給レーザーエネルギーが効
率的に利用されていないこと等により経済性を更に高め
るための障害となっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、光学的に結合された2段以上の炭素13濃縮
反応器に、1台の炭酸ガスレーザー発振器から発振され
たレーザービームを照射することによって、レーザーエ
ネルギーの有効利用、更には、レーザー使用台数及びレ
ーザー関係ユーティリティーを大幅に削減した炭素13の
濃縮法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、原料ガスが装入された複数の反応器に炭酸
ガスレーザー光を照射して炭素13を逐次濃縮する方法に
おいて、第1工程の反応器に未濃縮のフッ化炭素化合物
又はフッ化炭素化合物とそれと反応しうる化合物を含む
原料ガスを装入し、第2工程以降の反応器には前工程の
反応器から分離され、炭素13が濃縮された反応生成フッ
化炭素化合物又は反応生成フッ化炭素化合物とそれと反
応しうる化合物を含む原料ガスを装入し、少なくとも1
つの反応器には前段の反応器を透過したレーザー光を照
射する炭素13の濃縮法である。
原料ガスはフッ化炭素化合物又はフッ化炭素化合物と
それと反応しうる化合物を含むガスであり、フッ化炭素
化合物としては、CaHbXc(但し、Xはハロゲンを示しb
+c=2a+2又は2aであり、a及びcは1以上の整数で
ある。)で表わされるもので、好ましくはCHClF2又はCF
2Br2である。
フッ化炭素化合物と反応しうる化合物としては、酸
素、ハロゲン、ハロゲン化水素等がある。
また、前工程の反応器から得られるガスも当然、原料
ガスとなりうるが、このガスもフッ化炭素化合物を含有
している。その他、原料ガスには不活性なガスが混在し
ても差支えない。
反応器は少なくとも2基以上の複数用いる。本発明に
おいてはレーザー光が通過する順に第1段の反応器、第
2段の反応器、・・・・と称する。また、本発明は逐次
的に濃縮するのであるが、濃縮度が高くなるにつれて、
第1工程の反応器、第2工程の反応器、・・・・と称す
る。濃縮度が最も低い第1工程の反応器を、レーザー光
が最初に通過する第1段の反応器としてもよいし、最も
エネルギーを吸収する工程の反応器を第1段の反応器と
してもよい。反応器の数は好ましくは2基又は3基であ
る。
レーザー光としては炭酸ガスレーザー光を使用する。
レーザー発振器は複数台を並列的あるいは交互に用いて
もよいが、1台であることもできる。また、第1段の反
応器、第2段の反応器を一台のレーザー発振器とし、第
3段以降を他のレーザー発振器としてもよい。
前段の反応器を透過したレーザー光は強度が低下して
いるばかりでなく、拡散しているので、レンズにより集
光し、次段の反応器に照射する必要がある。そして、集
光度は逐次高めることが望ましい。
以下、本発明を一例である第1段の反応器と第1工程
の反応器が同じ場合について、添付の図面を参照して詳
細に説明する。
第1図に示すように、図中1は第1段の反応器、2は
第2段の反応器、3はレーザー発振器、4、5は集光レ
ンズ、6、7は分離装置、8はサージタンク、9、10は
原料気体装入口である。
そして、この各反応器1、2は光学的に結合されてい
る。
第1段の反応器1に供給する原料ガスとしては、フッ
化炭素化合物だけでもよいが、フッ化炭素化合物とそれ
と反応しうる化合物を添加したガスを使用することが好
ましい。
第2段の反応器2には、既に第1段の反応器1で得ら
れた炭素13が濃縮されたフッ化炭素化合物を使用するこ
とが好ましいが、第1段の反応器で濃縮されたフッ化炭
素化合物に新たにハロゲン化水素、ハロゲン、酸素等を
添加した混合ガスを装入することがより好ましい。
この光学的に結合された反応系の第1段目にレーザー
発振器3から発振されたレーザー光を集光レンズ4で集
光し、第1段の反応器1の照射側に設けられたNaCl窓部
材を介して照射する。このレーザー発振器3としては内
部に回折格子を組み込んだパルスTEACO2レーザーを使用
することが好ましい。
また、集光レンズ4としては、NaClあるいはBaF2から
なる長焦点の集光レンズがある。
第1段の反応器1内の原料ガスはレーザー光の照射に
よって光化学反応を受け、炭素13が濃縮されたフッ化炭
素化合物を生成し、第1段の反応器1の反対側から排出
され、2段の反応器2の原料気体装入口10へ供給され
る。
第1段の反応器1の出口と第2段の反応器2の原料気
体装入口10とは、単に導管で接続するだけでもよいが、
装入量の調節が可能なようにサージタンク8を経由して
接続することが好ましい。
第1段の反応器1に照射されたレーザー光は、第1段
の反応器1内で光化学反応するが、光化学反応に供する
レーザー光は照射されたレーザー光の一部であり、反応
に供しなかった大半のレーザー光は第1段の反応器1内
で焦点を結んだ後、反対側からNaCl窓部材を介して照射
される。
そこで、第1段の反応器1内で吸収されずに透過して
きたレーザー光を更に、集光レンズ5で集光し第2段の
反応器2にNaCl窓部材を介して照射する。ここで使用す
る集光レンズ5も前記した集光レンズ4と同様の材質を
使用することが好ましい。
第2段の反応器2においても第1段の反応器1と同様
の光化学反応を受け、炭素13が濃縮されたフッ化炭素化
合物を生成し、第2段の反応器2の反対側からNaCl窓部
材を介して射出される。
これによって、各反応器において赤外多光子解離によ
る炭素13成分選択反応が行われ、第1段から第2段の反
応器への炭素13の濃縮が達成される。
各反応器で生成された化合物、未反応物は分離装置6
又は7によって分離する。
分離装置6、7としては、蒸留、吸着、吸収、ガスク
ロマトグラフ法等によって行うことが好ましい。
本発明はバッチ式及び連続フロー法によっても行うこ
とができる。更に濃縮が必要なときは第2段の反応器2
の後に第3段、第4段と反応器を結合させることもでき
る。
〔実施例〕
直径2.5cm、長さは第1段、第2段の反応器それぞれ4
00cm、40cmの石英製ガラス管の両端にNaCl窓部材が取り
つけた反応器を使用し、第1段の反応器にCHClF2とBr2
を150torrで導入し、第2段の反応器には、第1段の反
応器の排出口と第2段の反応器の原料気体装入口をサー
ジタンクを経由して接続し、第1段の反応器において既
にレーザー法によって炭素13が約30%に濃縮されたCBr2
F2とO2を混合比1:1で10torr導入した。レーザー発振器
はTEACO2レーザーを調節し9P(28)線(1039.37cm-1)8
J/pulseの出力を発振させ、レーザー光を長焦点赤外レ
ンズBaF2で集光し第1段の反応器に照射し、更に第1段
の反応器レーザー光出口より透過してきたレーザー光
を、前出と同様なレンズで再度集光し、第2段の反応器
に照射した。第1段及び第2段の反応器における生成物
と未反応物との分離はそれぞれ分取ガスクロマトグラフ
法によって行った。又、それぞれの反応器における生成
物及び炭素13濃度はGC−MASS法にて分析した。
第1段の反応器では CHClF2+Br2+nhν→CF2Br2+HCl 2CHClF2+Br2+nhν→C2F4Br2+2HCl なる反応が起きており、各生成物・未反応生成物の収率
及び炭素13濃度を以下に示す。
化学種 収率 炭素13濃度 CHClF2 98.61% 0.59% CF2Br2 1.23% 37.2 % C2F4Br2 0.16% 43.9 % 第2段の反応器では CF2Br2+1/2・O2+nhν→CF2O+Br2 なる反応が起きており、各生成物・未反応生成物の収率
及び炭素13濃度を以下に示す。
但し、CF2Oの分析はこれを加水分解して以下の反応を
経てCO2とした。
CF2O+H2O→CO2+2HF 化学種 収率 炭素13濃度 CF2O(CO2) 14.9% 85.8% CF2Br2 85.1% 28.7% 又、反応終了後第2段反応器レーザー光出口側のレー
ザーパワーは2J/pulseと未だ充分有効活用出来る量であ
ることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明によれば、反応器を光学的に結合したため、レ
ーザーパワーを有効に利用することができ、従来のレー
ザー法炭素13濃縮必要レーザー台数を削減することがで
きることから、設備費等の固定費、電力費等の変動費を
削減を可能とする経済効果だけでなく、同一生産能力で
設備縮小化、保守操業管理省力化も可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を模式的に示す工程図である。 1……第1反応器、2……第2反応器、 3……レーザー発振器、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 巧 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第一技術研究所内 (72)発明者 藤岡 裕二 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第一技術研究所内 (72)発明者 磯村 昌平 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究 所内 (72)発明者 嘉悦 早人 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究 所内 (56)参考文献 特開 昭59−123517(JP,A) 特開 昭60−132629(JP,A) 特開 昭63−97217(JP,A) 特開 昭52−153751(JP,A) 特開 平2−258027(JP,A) 特公 昭59−5335(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料ガスが装入された複数の反応器に炭酸
    ガスレーザー光を照射して炭素13を逐次濃縮する方法に
    おいて、第1工程の反応器に未濃縮のフッ化炭素化合物
    又はフッ化炭素化合物とそれと反応しうる化合物を含む
    原料ガスを装入し、第2工程以降の反応器には前工程の
    反応器から分離され、炭素13が濃縮された反応生成フッ
    化炭素化合物又は反応生成フッ化炭素化合物とそれと反
    応しうる化合物を含む原料ガスを装入し、少なくとも1
    つの反応器には前段の反応器を透過したレーザー光を照
    射することを特徴とする炭素13の濃縮法。
  2. 【請求項2】未濃縮のフッ化炭素化合物がCHClF2であ
    り、それと反応しうる化合物が臭素であり、炭素13が濃
    縮された反応生成フッ化炭素化合物がCF2Br2であり、反
    応生成フッ化炭素化合物と反応しうる化合物が酸素であ
    る請求項1記載の炭素13の濃縮法。
  3. 【請求項3】反応器を2基用い、第1段の反応器を透過
    したレーザー光を第2段反応器 に照射する請求項1記
    載の炭素13の濃縮法。
  4. 【請求項4】反応器を3基以上用い、前段の反応器を透
    過したレーザー光を順次後段の反応器に照射する請求項
    1記載の炭素13の濃縮法。
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JPS59123517A (ja) * 1982-12-28 1984-07-17 Rikagaku Kenkyusho レ−ザ−による水素同位体分離用反応装置
JPS60132629A (ja) * 1983-12-21 1985-07-15 Rikagaku Kenkyusho レ−ザ−による炭素13の濃縮法
JPS6397217A (ja) * 1986-10-15 1988-04-27 Rikagaku Kenkyusho レ−ザ−を用いた炭素13の濃縮法

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