JP2710621B2 - 不つりあい修正装置 - Google Patents

不つりあい修正装置

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、回転体の不つりあいを修正する装置およ
びその修正方法に関し、特に、ミリングによって回転体
の不つりあいを取除くようにした不つりあい修正装置に
関するものである。
<従来の技術> 回転体の不つりあいを取除いて所望のつりあい状態に
する不つりあい修正装置には、種々の方式のものが知ら
れている(たとえば、計量管理協会編明石和彦および浅
羽正三の共著「動つりあい試験」コロナ社発行の第20〜
27頁を参照)。
従来の不つりあい修正装置の内、本願発明にとって興
味のあるミリングを用いた修正装置として、たとえば、
特公昭57−8408号公報の第6図にみられるスロットミリ
ングカッタを備えた装置がある。この装置では、回転体
の一部をスロット状にミリングすることによって、回転
体の不つりあいを修正することができ、不つりあい修正
のための切削量を細く調整することができる。
また、ミリングを用いた他の修正装置として、特公昭
61−9573号公報の第4図にみられるプロファイルミリン
グカッタを備えた装置である。この装置では、プロファ
イルミリングカッタにより回転体周面を広くミリングす
ることができ、切削量が大きく、不つりあい量が大きい
場合でもその修正が可能である。
このような従来装置におけるスロットミリングカッタ
およびプロファイルミリングカッタを、不つりあいの修
正という観点から検討すると、両ミリングカッタは、そ
れぞれ互いに相反する利点を持っている。それは、総切
削深さおよび総切削量である。より詳しく言えば、スロ
ットミリングカッタを用いた装置では、回転体の切削深
さを相対的に深くすることができ、一般に修正制御精度
が高いとされている深さ制御方式によって、回転体に対
する切削量を微妙にコントロールして精度の高い不つり
あい修正をすることができる。
一方、プロファイルミリングカッタを用いた装置で
は、その切削深さは相対的に浅いが、切削面積および切
削量が大きいので、初期不つりあい量が大きい回転体に
対しても修正を施すことができる。
そして、従来は、1台の修正装置には、唯一の形状の
カッタが備えられているだけであった。
<発明が解決とする課題> ところで、最近の回転体を有する装置(たとえばモー
タ等)における全体的な傾向として、装置の小型化およ
び回転体の高速化が進んでおり、それに伴なって回転体
の不つりあい許容範囲も次第に狭く厳しいものになって
きている。しかしながら、製造された回転体の初期不つ
りあい量は、従来のものと大差ないのが現状である。し
たがって、不つりあい修正装置によって、初期不つりあ
い量の大きい回転体を修正すると共に、要求の厳しくな
ってきた許容範囲内になるように、回転体をつりあわせ
る必要がある。
従来の不つりあい修正装置によって上述の要件を満足
する修正を行なおうとすれば、少なくとも2台の不つり
あい修正装置を用い、まず、プロファイルミリングカッ
タを有する修正装置で回転体の不つりあいについて粗修
正を行ない、次にスロットミリングカッタを有する修正
装置で精度の高い不つりあい修正を行なわなければなら
なかった。このため、修正作業時に修正装置が複数台必
要であったり、または、回転体の形状によりあるいは初
期不つりあい量に応じて所定のカッタに交換する必要が
あったりし、作業の段取り換えが多く、作業能率が良く
ないという問題点があった。
また、最近の回転体は、その形状および構造が多様化
しているので、1台の不つりあい修正装置を複数種類の
回転体の不つりあい修正に兼用したい旨の要求が増えて
いる。しかし、従来のミリングによる不つりあい修正装
置では、上述の要求に答えられなかった。
それ故、この発明は、従来装置における欠点を解消
し、多種類の回転体に対して良好な不つりあい修正が可
能な不つりあい修正装置を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> この発明は、回転体の不つりあいをミリングにより修
正する不つりあい修正装置であって、回転軸と、回転軸
に連結され、該回転軸を回転させる駆動手段と、回転軸
に取り付けられた複数種類のミリングカッタとを有し、
複数種類のミリングカッタにはプロファイルミリングカ
ッタおよびスロットミリングカッタが含まれており、さ
らに、前記回転体とミリングカッタとの相対的な位置関
係を変化させ、回転体に対してプロファイルミリングカ
ッタおよびスロットミリングカッタを選択的に適用させ
るための移動手段とを含むことを特徴とする不つりあい
修正装置である。
また、この発明は、回転体の不つりあいをミリングに
より修正する不つりあい修正装置であって、回転軸と、
回転軸に連結され、該回転軸を回転させる駆動手段と、
回転軸に取り付けられた複数種類のミリングカッタとを
有し、複数種類のミリングカッタには第1ミリングカッ
タおよび第2ミリングカッタが含まれており、第1ミリ
ングカッタは、回転体の修正面の予め定められた範囲内
の任意の角位置をスロット状にミリングして、その角位
置における不つりあいを修正できるカッタであり、第2
ミリングカッタは、回転体の修正面の一定間隔を隔てた
2つの角位置をそれぞれ同時にスロット状にミリングし
て、それら2つの角位置の間に位置する任意の角位置で
あって、前記予め定められた範囲とは別の範囲内におけ
る不つりあいを修正できるカッタであり、前記第1ミリ
ングカッタと第2ミリングカッタとを選択的に使用する
ことによって、回転体の修正面の全角位置の不つりあい
を修正できるように、回転体とミリングカッタとの相対
的な位置を変化させることのできる移動手段とを含むこ
とを特徴とする不つりあい修正装置である。
さらにまた、この発明は、上述の不つりあい修正装置
に、さらに、不つりあい修正の為にミリングした角位置
とミリング量とを記憶する記憶手段、回転体がさらに不
つりあい修正を必要することを判別する判別手段、およ
び判別手段の出力に応答して、記憶手段に記憶されてい
る先にミリングした角位置とを基準として、新たにミリ
ングすべき角位置と量とを算出する手段を含む不つりあ
い修正装置である。
<作用> 移動手段によって回転体とミリングカッタとの相対的
な位置関係を変化させ、複数のミリングカッタのいずれ
かを回転体に適用することによって、最適なミリングカ
ッタによって回転体の不つりあいをミリングにより修正
することができる。
複数種類のミリングカッタが、プロファイルミリング
カッタおよびスロットミリングカッタを含む場合、プロ
ファイルミリングカッタによりまず回転体の粗修正(一
次修正)を行い、スロットミリングカッタにより精度の
高い修正(二次修正)を行なうことができる。
複数のミリングカッタが、スロットミリングできる第
1ミリングカッタと、同時に2個所をスロットミリング
できる第2ミリングカッタとを含む場合、両ミリングカ
ッタを選択的に用いることによって、回転体の不つりあ
いが修正面のいかなる角位置に存在していても、修正面
の全角位置にわたって不つりあい修正を可能にできる。
より詳しく言えば、たとえば巻線形のモータアーマチュ
アのごとく回転体の修正面に修正不能な角位置が存在す
る場合、その修正不能角位置に不つりあい修正箇所が位
置する場合は、同時に2個所をスロットミリングできる
第2ミリングカッタを適用して、修正不能な角位置を修
正可能な2つの角位置に分解して修正し、他の角位置に
不つりあい箇所がある場合は、第1ミリングカッタによ
ってその角位置を修正すればよい。
先にミリングした箇所およびミリング量を記憶し、そ
の記憶内容を基準にして再度ミリングを行なうようにす
れば、不つりあい修正におけるミリング量を段階的に増
加でき、回転体の初期不つりあい量にばらつきがある場
合等に能率よく修正作業ができる。
<実施例> 以下には、図面を参照して、この発明の好ましい実施
例について詳細に説明をする。
なお、以下の各実施例の説明では、不つりあいを修正
する回転体として、修正不能な角位置がある巻線型のモ
ータのアーマチュアを主として説明するが、通常の回転
体(回転不能な角位置のない回転体)の修正にも、各実
施例は、当然、適用できる。
第1図は、この発明の一実施例に係る不つりあい修正
装置の斜視図である。第1図を参照して説明すると、カ
ッタアーバ1には、その軸方向に互いに干渉しないよう
適宜間隔を隔てて複数個(この実施例では2個)のミリ
ングカッタ2および3が取付けられている。ミリングカ
ッタ2と3とは、後述するように、互いに異なる形状の
カッタである。
カッタアーバ1の一端はスピンドルユニット4の先端
に連結されている。スピンドルユニット4はカッタアー
バ1を回転させると共に、カッタアーバ1全体を矢印X
方向へスライドさせることのできるユニットである。
スピンドルユニット4にはモータ5が並列して配置さ
れており、モータ5の回転軸に備えられたプーリ6mとス
ピンドルユニット4の後端に設けられたプーリ6sとの間
はテンションベルト7によって連結されている。したが
って、モータ5の回転力がプーリ6m、テンションベルト
7およびプーリ6sを介してスピンドルユニット4に与え
られ、スピンドルユニット4内のスピンドル(図示せ
ず)が回転され、カッタアーバ1を回転させる仕組みに
なっている。
なお、このような構造にかえて、モータ5をスピンド
ルユニット4内に組込み、モータ5によってスピンドル
をダイレクトに回転させるようにしてもよい。
スピンドルユニット4およびモータ5は、ベース8に
取付けられている。そして、ベース8にはスライド機構
9が連結されており、このスライド機構9によってベー
ス8は矢印Y方向および矢印Z方向にスライド可能にさ
れている。
スライド機構9は、たとえばカム機構、ギア機構、油
圧シリンダユニット、またはモータユニットその他の公
知の機械的な機構によって構成されている。
ここで、矢印X方向と矢印Y方向と矢印Z方向とは、
互いに直交方向に設定されている。この結果、ベース8
の外部からカッタアーバ1を見ると、カッタアーバ1は
互いに直交するX,YおよびZ方向にスライドすることが
できる。よって、カッタアーバ1に取付けられた2個の
ミリングカッタ2および3は、それぞれ、スピンドルユ
ニット4およびベース8のスライド範囲内で、三次元的
に任意の位置に動くことができる。
この不つりあい修正装置には、さらに、クランプ機構
10が備えられている。クランプ機構10は、不つりあいを
修正する回転体(たとえばモータのアーマチュア)11を
保持するためのもので、ベース8の外部に備えられてい
る。したがって、ベース8に備えられたスピンドルユニ
ット4によってカッタアーバ1を矢印X方向にスライド
させることにより、クランプ機構10で保持された回転体
11とカッタアーバ1に備えられたミリングカッタ2また
は3との相対的な位置関係を変化させることができる。
また、ミリング作業時においては、スライド機構9に
よってベース8を矢印Yまたは矢印Z方向に移動させる
ことによって、ミリングカッタ2または3によるミリン
グの長さまたはミリングの深さを制御することができ
る。
この実施例では、スピンドルユニット4でカッタアー
バ1を矢印X方向へ移動できるようにしているが、スラ
イド機構9によりベース8全体を矢印X方向へ移動可能
な構造としてもよい。
なお、回転体11を含めたクランプ機構10をベース8に
対して独立的に移動可能にし、クランプ機構10を移動さ
せることによって、回転体11とミリングカッタ2または
3との相対的な位置関係を変化させることができるよう
にしてもよい。
第2図は、第1図の線II−IIに沿う切断面の部分断面
図である。
カッタアーバ1に備えられたミリングカッタ2は、図
示のように、プロファイルミリングカッタであり、切削
方向(回転方向)に見た刃先12はコンケーブした円弧状
になっていて、回転体11の周面13に当接するようにされ
ている。したがって、このプロファイルミリングカッタ
2を用いることにより、回転体11の周面の一部14をミリ
ングすることができる。このカッタ2によるミリング
は、あまり深くすることはできないが、刃先12は回転体
11の周面13に広く当接するので、ミリン量は相対的に大
きくなる。それ故、プロファイルミリングカッタ2は、
初期不つりあい量の大きな回転体11を粗修正(1次修
正)する場合等に適している。
カッタアーバ1に備えられた他方のミリングカッタ3
は、図示のように、スロットミリングカッタ3であり、
切削方向(回転方向)に見た刃先15は鋭角状に尖ってい
る。よってこのスロットミリングカッタ3によって回転
体11をミリングすると、回転体11には、第3図に示され
るように、スロット16が形成される。そして、スロット
ミリングカッタ3によるミリングでは、形成されるスロ
16の深さを調整することによって、ミリング量を微妙に
コントロールして精度の高い不つりあい修正ができる。
それ故、スロットミリングカッタ3は、初期不つりあい
量の小さな回転体11や、プロファイルミリングカッタ2
によって粗修正(1次修正)を行なったが不つりあい量
を許容範囲内にすることができなかった回転体11に対す
る再修正に適している。
第2図をさらに参照して説明すると、プロファイルミ
リングカッタ2とスロットミリングカッタ3との間隙は
「l」に設定され、その間隔lを保つために両ミリング
カッタ2および3の間にはスペーサ17aが嵌入されてい
る。また、プロファイルミリングカッタ2およびスロッ
トミリングカッタ3がカッタアーバ1の軸方向にずれな
いように、プロファイルミリングカッタ2とカッタアー
バ1の根元部の間にスペーサ17bが、スロットミリング
カッタ3とカッタアーバ1の先端のナット18との間にス
ペーサ17cが嵌入されている。これにより、プロファイ
ルミリングカッタ2およびスロットミリングカッタ3
は、カッタアーバ1に対して定位置に取付けられてい
る。
なお、プロファイルミリングカッタ2とスロットミリ
ングカッタ3との間隔lは、両ミリングカッタ2,3がミ
リングする回転体11の大きさに応じて決められている。
すなわち、プロファイルミリングカッタ2およびスロッ
トミリングカッタ2を選択的に回転体11に適用するのに
必要十分な間隔lにされている。
このように、カッタアーバ1に互いに種類の異なる2
個のミリングカッタ2,3を取付ければ、ミリング修正に
際し、最適なミリングカッタを選択的に用いることがで
きる。よって、作業能率の良い不つりあい修正を行なう
ことができる。
とくに、この実施例のように、プロファイルミリング
カッタ2およびスロットミリングカッタ3を含む構成と
した場合、初期不つりあい量の大きな回転体11に対して
プロファイルミリングカッタ2を適用して1次修正を行
なうことができる。また、その1次修正によって不つり
あい量が許容範囲内にならなかった回転体11または初期
不つりあい量が小さな回転体11に対しては、スロットミ
リングカッタ3を用いて精度の高い2次修正を行なえ、
1台の不つりあい修正装置による不つりあい量の修正幅
を広げることができると共に、精度の高い不つりあい修
正が可能となる。
また、この実施例に係る不つりあい修正装置を用いて
回転体11の不つりあいを修正をする場合において、次の
またはいずれの方法(手法)を採ってもよい。すな
わち、 第2図に示されるように、プロファイルミリングカ
ッタ2によって回転体11の周面の一部14をミリングする
1次修正を行ない、その時のミリングの箇所およびミリ
ング量を記憶しておく。そして、回転体11の不つりあい
量が許容範囲内になく、1次修正した角位置に残留不つ
りあいがある場合は、記憶内容を基準として、スロット
ミリングカッタ3を用い、第3図に示されるように、先
にプロファイルミリングカッタ2でミリングした場所14
と異なる複数の場所16,16′をミリングして、1次修正
した角位置の残留不つりあいを別の複数の角位置に分解
して不つりあい修正を行なう。
プロファイルミリングカッタ2によって回転体11の
周面の一部14をミリングする1次修正を行ない、その時
のミリングの箇所およびミリング量を記憶しておく。こ
こまでは上述のの方法と同じである。次に、回転体11
の不つりあい量が許容範囲内になっておらず残留不つり
あいがある場合は、記憶内容を基準として、スロットミ
リングカッタ3によってミリングするが、ミリングする
場所16は、第4図に示されるように、先にプロファイル
ミリングカッタ2でミリングしたのと同じ場所14にす
る。
この方法によれば、プロファイルミリングカッタ2に
よる粗修正(1次修正)した角位置にスロットミリング
カッタ3で補うことができ、従来のプロファイルミリン
グカッタ2だけでは不可能であった精度の高いミリング
修正が可能である。
上述の実施例では、カッタアーバ1にプロプァイルミ
リングカッタ2およびスロットミリングカッタ3の2個
のミリングカッタを取付けた構成としたが、これ以外
に、たとえば、相対的に刃先12の幅が広いプロファイル
ミリングカッタと刃先12の幅の狭いプロファイルミリン
グカッタとをカッタアーバ1に装着してもよい。また、
カッタアーバ1に互いに種類の異なる3個以上のミリン
グカッタを取付けてもよい。
第5図は、この発明の他の実施例に係る不つりあい修
正装置の要部(カッタアーバ1の部分)を示す図であ
る。
この実施例では、第5図に示されるように、カッタア
ーバ1に、形状の異なる2種類のカッタ、つまり第1ス
ロットミリングカッタ21および第2スロットミリングカ
ッタ20が備えられている。
この内、第2のスロットミリングカッタ20は、カッタ
アーバ1の軸方向に一定の間隔mを有する2つの刃先22
aおよび22bを有しており、これら2つの刃先22a,22bに
よって、回転体の修正面における2つの角位置を、それ
ぞれ同時にスロット状にミリングすることができるよう
にされている。
ここで、2つの角位置に同時にそれぞれスロットを形
成する修正の仕方について簡単に説明をしておく。
第6図を参照して説明すると、回転体における不つり
あいを取除く平面(回転軸23に直角な平面)24を「修正
面」と言い、回転体の不つりあいは、修正面24のθの角
位置にwgの不つりあいが存在するというように測定され
る。よって、修正すべき不つりあい量は、角位置θと重
量wgとからなるベクトル量Uoで表わすことができる。
ところで、不つりあいを修正する回転体がモータのア
ーマチュアであり、巻線が納められた巻線溝25が存在し
ているため修正面24の角度範囲αが修正不能であり、か
つ、この角度範囲α内にベクトルUoの不つりあい量があ
る場合を想定する。この場合、ベクトルUoを、角度範囲
α以外の2つのベクトルU1とベクトルU2とに分解して、
これら2つのベクトルU1およびベクトルU2で表わされる
不つりあい量を取除くように、修正面24表面をミリング
すればよいことが分かる。
このように、所定の角位置のベクトルUoを、他の角位
置の2つのベクトルU1,U2に分け、分けた2つのベクト
ルU1,U2に基ずいて修正するのに、2つの刃先22a,22bを
有する第2スロットミリングカッタ20を用いるのが好適
である。
この場合、第5図のごとく、2つの刃先22a,22bを等
しい形状(中心に対して対称形状)にすれば、ベクトル
U1=U2の場合に対処できる。また、第7図のスロットミ
リングカッタ50または51のごとく、2つの刃先22a,22b
を異なる形状(中心に対して非対称形状)とすれば、ベ
クトルU1>U2またはU1<U2の場合に対処できる。そし
て、このように刃先22a,22bの形状を変化させることに
よって、不つりあいベクトルUoの角位置の変化に対処で
きる。つまり、回転体の形状により、2つの刃先22a,22
bが等しい形状では、全角位置を修正できない場合があ
るが、このような場合には、刃先22a,22bの形状を非対
称とした別のミリングカッタを設けることにより、全角
位置を修正可能とすることができる。第7図は、そのよ
うな実施例を示すものである。
なお、不つりあい量が角度範囲β内にある場合は、修
正面24の表面を直接ミリングすることができるので、通
常のスロットミリングカッタ21による修正が可能であ
る。
よって、この実施例に係る第2スロットミリングカッ
タ20(第5図参照)を用いれば、第8図に示されるよう
に、不つりあいが修正面24における角度範囲α内にある
場合、その不つりあい量を分解して修正できる。また、
修正面24における不つりあいが角度範囲β内にある場合
は、第1スロットミリングミリングカッタ21を用いるこ
とにより修正ができる。
したがって、この実施例によれば、第1スロットミリ
ングカッタ21および第2スロットミリングカッタ20を選
択的に使用することにより、不つりあいが回転体の修正
面のどのような角位置に存在していたとしても、全て、
精度の高いスロットミリングによって修正することがで
きるわけである。
また、不つりあい量を2つの角位置に分解して修正を
行なう場合、第2スロットミリングカッタ20で2つの角
位置を同時にスロット状にミリングすることができるの
で、2つの角位置へのスロットミリングのを1回で行な
え、修正作業が飛躍的に簡単になりかつ修正時間も短く
て済む。
なお、第2スロットミリングカッタ20の刃先22aおよ
び22bの間隔mならびに2つの刃先22aおよび22bの形状
をどのようにするかは、不つりあいを修正する回転体の
径や回転体における修正不能な角位置との関係で、適当
な寸法に設定される。
また、第2スロットミリングカッタ20は、刃先22aを
有するものと、刃先22bを有するものを別体で作り、両
者の間にスペーサを挿入して構成してもよい。
さらに、この実施例において、第1スロットミリング
カッタ21および第2スロットミリングカッタ20に加え
て、さらに、プロファイルミリングカッタ2を追加すれ
ば、より適用範囲の広い不つりあい修正装置とすること
ができる。
第9図、第10図および第11図は、それぞれ、この発明
のさらに他の実施例に係る装置の要部(カッタアーバ1
の部分)を示す図である。
このうち、第9図は、カッタアーバ1に、コンケーブ
された刃先12の曲率半径が互いに異なる3つのプロファ
イルミリングカッタ30,31,32を設けた例である。つま
り、プロファイルミリングカッタ30の刃先12aは、曲率
半径D1、プロファイルミリングカッタ31の刃先12bは、
曲率半径がD2、プロファイルミリングカッタ32の刃先12
cは、曲率半径がD3とされている。この実施例によれ
ば、修正する回転体の径が種々異なる場合でも、回転体
の径に合ったプロファイルミリングカッタ30,31または3
2を選択的に使用することができ、修正する回転体の種
類が変るごとにカッタを取替えずともよく、適用範囲の
広い不つりあい修正装置とすることができる。
さらに、第9図の実施例では、カッタアーバ1の軸芯
から各プロファイルミリングカッタ30,31,32の刃先12a,
12b,12cまでの寸法(カッタの径R)が等しくされてい
る。
また、複数のプロファイルミリングカッタを設け、互
いのカッタを巾の違うカッタとしてもよい。
第10図は、カッタアーバ1に2種類のプロファイルミ
リングカッタ33および34を設けると共に、1つのスロッ
トミリングカッタ35を設けた例である。この実施例に示
されるように、プロファイルミリングカッタ33および34
は、直径の異なるカッタとしてもよい。
第11図は、カッタアーバ1に3種類のミリングカッタ
36,37および38を設けた例である。図示のような形状の
ミリングカッタ36,37,38の場合、モータのアーマチュア
などの他、たとえばターボファン40等の不つりあい修正
にも適用できる。
以上の各実施例においても、前述した実施例と同様
に、所望のミリングカッタを選択して1次修正を行な
い、1次修正した箇所およびその時のミリング量を記憶
し、さらに不つりあい修正が必要な場合、1次修正の時
に記憶した記憶内容を基準として2次修正を行なうのが
好ましい。
<発明の効果> 以上のように、この発明は、互いに異なる形状をした
複数のミリングカッタを設け、回転体に対して複数のミ
リングカッタを選択的に適用できるようにしたので、回
転体の不つりあいの修正に際し、最適なミリングカッタ
によって迅速にかつ精度のよい不つりあい修正が可能で
ある。
また、不つりあいを修正する回転体の種類が多くなっ
ても、1台の不つりあい修正装置によって不つりあい修
正を行なうことができる。
複数種類のミリングカッタが、プロファイルミリング
カッタおよびスロットミリングカッタを含む場合、プロ
ファイルミリングカッタにより回転体の粗修正(一次修
正)を行い、スロットミリングカッタにより精度の高い
修正(二次修正)を行なうことができる。従って不つり
あい修正を効率良く行なえる。
さらにまた、複数のミリングカッタが、修正面の任意
の角位置にスロットを形成して修正ができるカッタと、
修正面の予め定められた間隔の2つの角位置に、それぞ
れスロットを同時に形成して不つりあいを2つの角位置
に分解して修正できるカッタとを含む場合、間欠的に修
正不能角位置を有する回転体に対しても、すべての角位
置の不つりあいをスロットミリングカッタによって精度
よく修正できる。
また、複数のミリングカッタが、プロファイルミリン
グカッタを含む場合、このプロファイルミリングカッタ
を用いて粗修正(1次修正)が行なえるので、初期不つ
りあい量にばらつきがある回転体に対しても、能率よく
不つりあい修正を行なえる。
さらに、複数のミリングカッタを選択的に用いて、不
つりあい修正を複数段階で行なう場合、先に修正した内
容(ミリング箇所およびミリング量)を記憶し、その記
憶内容に基ずいて次の修正を行なうようにすれば、修正
作業が能率よくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る不つりあい修正装
置の斜視図である。 第2図は、第1図の線II−IIに沿う部分断面図で、不つ
りあい修正装置の要部を示す図である。 第3図および第4図は、回転体に対するミリングの仕方
を説明するための図である。 第5図は、この発明の他の実施例に係る不つりあい修正
装置の要部を示す図である。 第6図は、ある角位置の不つりあいを2つの角位置に分
解して修正する仕方を説明するための図である。 第7図は、この発明の他の実施例に係る不つりあい修正
装置(第5図)で、間欠的に修正不能角位置がある回転
体に対して、すべての角位置の不つりあいを修正できる
様子を説明する図である。 第8図は、第5図に示すカッタアーバ部の変形例を示す
図である。 第9図、第10図および第11図は、それぞれ、この発明の
さらに他の実施例に係る不つりあい修正装置の要部を表
わす図である。 図において、1はカッタアーバ、2,30,31,32,33,34はプ
ロファイルミリングカッタ、3,35はスロットミリングカ
ッタ、4はスピンドルユニット、5はモータ、9はスラ
イド機構、10はクランプ機構11は、回転体(モータのア
ーマチュア)、12,15は刃先、20は第2スロットミリン
グカッタ、21は第1スロットミリングカッタを示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の不つりあいをミリングにより修正
    する不つりあい修正装置であって、 回転軸と、 回転軸に連結され、該回転軸を回転させる駆動手段と、 回転軸に取り付けられた複数種類のミリングカッタとを
    有し、 複数種類のミリングカッタには、プロファイルミリング
    カッタおよびスロットミリングカッタが含まれており、 さらに、前記回転体とミリングカッタとの相対的な位置
    関係を変化させ、回転体に対してプロファイルミリング
    カッタおよびスロットミリングカッタを選択的に適用さ
    せるための移動手段とを含むことを特徴とする不つりあ
    い修正装置。
  2. 【請求項2】回転体の不つりあいをミリングにより修正
    する不つりあい修正装置であって、 回転軸と、 回転軸に連結され、該回転軸を回転させる駆動手段と、 回転軸に取り付けられた複数種類のミリングカッタとを
    有し、 複数種類のミリングカッタには、第1ミリングカッタお
    よび第2ミリングカッタが含まれており、 第1ミリングカッタは、回転体の修正面の予め定められ
    た範囲内の任意の角位置をスロット状にミリングして、
    その角位置における不つりあいを修正できるカッタであ
    り、 第2ミリングカッタは、回転体の修正面の一定間隔を隔
    てた2つの角位置をそれぞれ同時にスロット状にミリン
    グして、それら2つの角位置の間に位置する任意の角位
    置であって、前記予め定められた範囲とは別の範囲内に
    おける不つりあいを修正できるカッタであり、 前記第1ミリングカッタと第2ミリングカッタとを選択
    的に使用することによって、回転体の修正面の全角位置
    の不つりあいを修正できるように、回転体とミリングカ
    ッタとの相対的な位置を変化させることのできる移動手
    段とを含むことを特徴とする不つりあい修正装置。
  3. 【請求項3】請求項第1項または第2項記載の不つりあ
    い修正装置において、 不つりあい修正の為にミリングした角位置とミリング量
    とを記憶する記憶手段、 回転体がさらに不つりあい修正を必要とすることを判別
    する判別手段、および 前記判別手段の出力に応答して、前記記憶手段に記憶さ
    れている先にミリングした角位置と量とを基準として、
    新たにミリングすべき角位置と量とを算出する手段、を
    含むことを特徴とする不つりあい修正装置。
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