JP2710223B2 - 重心動揺計 - Google Patents

重心動揺計

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JP2710223B2
JP2710223B2 JP7029689A JP2968995A JP2710223B2 JP 2710223 B2 JP2710223 B2 JP 2710223B2 JP 7029689 A JP7029689 A JP 7029689A JP 2968995 A JP2968995 A JP 2968995A JP 2710223 B2 JP2710223 B2 JP 2710223B2
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敏仁 奥田
仁 村瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医学的平衡機能検査、
バランス機能回復訓練、運動工学、人間工学等の分野に
おいて被検体の重心を測定する場合などに用いられる重
心動揺計に関する。
【0002】
【従来の技術】めまい、平衡障害の診断において中心と
なる平衡機能検査や、リハビリテーション医学、体育・
スポーツ医学の分野では、直立姿勢に現れる身体動揺を
重心の動揺として記録する重心動揺計が用いられてい
る。
【0003】従来の重心動揺計は例えば図9に示すよう
なものである。
【0004】この重心動揺計1は、患者が両足を乗せる
検出板2及び、複数の荷重検出センサ3‥を備えた重心
動揺データ計測装置1aと、該重心動揺データ計測装置
1aの複数の荷重検出センサ3‥からの信号を基に荷重
中心を求め、これを患者の重心中心とする等の解析を行
う演算部4を備えた重心動揺データ解析装置1bと、こ
の重心動揺データ解析装置1bによって求められた重心
中心を表示するプリンター5とを有して構成されたもの
である。そして、このような構成により重心動揺計1
は、患者が検出板2に両足を乗せて立位姿勢をとると、
各荷重検出センサ3‥がそれぞれの位置にかかる荷重を
検出し、それぞれに検出された検出値から重心動揺デー
タ解析装置1bの演算部4により患者の荷重中心(重
心)を求め、さらに求められた重心をプリンター5によ
り、例えば図10に示すような重心の移動を示す軌跡K
として表示することができるようになっている。
【0005】このような重心動揺計によれば、プリンタ
ー5に表示される軌跡Kを見ることによって患者の重心
の変動の状態が分かることから、患者の平衡機能の状態
を把握することができるようになっている。すなわち、
図10中に示す軌跡Kの外形線L1によって形成される
図形より、その中心点を推定してこれを患者の見掛け上
の重心中心位置G1として特定し、この重心中心位置G
1から前後左右のいずれに多く、あるいは少なく重心が
移るかなどをみることにより、患者の平衡機能の状態が
分かるのである。
【0006】上記重心中心位置G1と軌跡Kによる評価
以外では、測定中の被検体の重心位置の軌跡の総軌跡長
L、当該軌跡によって形成された軌跡図形の最外周線L
1の内側の面積(外周面積D)等も平衡障害の病態評価
に用いられており、また、閉眼と開眼の2状態で重心動
揺測定を行い、閉眼測定における外周面積Dを開眼測定
における外周面積Dで割った値(ロンベルグ率)により
視覚性の直立姿勢制御等を評価することも行われてい
る。
【0007】最近では、測定時間中、一定のサンプリン
グ時間毎にRAM等の記憶装置に重心位置を記録してい
き、測定後その重心位置のデータを基に重心中心位置を
自動計算し(重心中心位置G0)、総軌跡長L、外周面
積D等を自動的に算出してプリンター出力する重心動揺
計も造られるようになってきており、外周面積D、総軌
跡長L、動揺平均中心偏位(足底の中心と重心中心位置
G0との隔たり)、ロンベルグ率等により平衡障害の病
態の評価が行われている。重心動揺検査における診断に
際しては、上記一連のパラメーターの測定結果を総合的
に評価する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の重心動揺計にあっては、高々、上記諸パラメータ
ーの算出結果を数字でプリンター出力するのみであるた
め、総合的診断を行うためには、その後に、各パラメー
ターの算出値が健常者の平均値と比較してどの程度のも
のか判定し、他のパラメーターの算出値の判定結果と総
合する..という2段階のプロセスが必要となるもので
あり、その出力から患者の重心動揺の特徴の全貌をダイ
レクトに把握することが容易なものではなかった。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、算出された各パラ
メーターの値の程度が明確に把握でき、且つその場で患
者の重心動揺の特徴の全貌をダイレクトに把握すること
ができる重心動揺計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の重心動揺計では、重心動揺データ計測装置(10
a)と重心動揺データ解析装置(10b)とを備えて構
成された重心動揺計であって、前記重心動揺データ解析
装置(10b)が、前記重心動揺データ計測装置(10
a)の実測に基づいて算出した各種パラメーターの算出
値と、正常範囲を示す基準値とを、放射状に設けられた
前記各種パラメーターの軸線上にプロットし、それぞれ
を角形図形的に結んでグラフ化したレーダーグラフとし
て視覚化した出力をする出力部(例えば、画像表示部1
9)を備えていることを前記課題の解決手段とした。
【0011】請求項2記載の重心動揺計では、請求項1
記載の重心動揺計において、前記各種パラメーターが、
外周面積D、単位面積軌跡長(総軌跡長L/外周面積
D)、X軸方向の動揺平均中心偏位(足底の中心と重心
中心位置G0とのX座標の隔たり)、Y軸方向の動揺平
均中心偏位(足底の中心と重心中心位置G0とのY座標
の隔たり)、ロンベルグ率(閉眼外周面積/開眼外周面
積)のうちの少なくとも2つ以上を含むことを前記課題
の解決手段とした。
【0012】請求項3記載の重心動揺計では、請求項1
又は2に記載の重心動揺計において、前記出力部が画像
表示部(19)により構成されていることを前記課題の
解決手段とした。
【0013】請求項4記載の重心動揺計では、請求項1
又は2に記載の重心動揺計において、前記出力部がプリ
ンターにより構成されていることを前記課題の解決手段
とした。
【0014】
【作用】請求項1記載の重心動揺計によれば、各パラメ
ーターの算出値が、正常範囲とともに出力されるので、
前記各算出値が、正常値と比較してどの程度の値である
かが明確にわかる。また、他のパラメーターと結んで角
形図形的にレーダーグラフとして出力されるので、その
場で患者の重心動揺の特徴の全貌をダイレクトに把握す
ることができる。
【0015】請求項2記載の重心動揺計によれば、請求
項1記載の重心動揺計の作用の他に、診断的意義の明確
になっている外周面積、単位面積軌跡長、動揺平均中心
偏位(X軸)、動揺平均中心偏位(Y軸)、ロンベルグ
率(閉眼外周面積/開眼外周面積)等の算出値を総合し
て総合的診断を下すことができる。また、疾患により特
徴的なレーダーグラフの型を明らかにすることができれ
ば、重心動揺測定を病巣診断の一助として用いることが
できるようになる。
【0016】請求項3記載の重心動揺計によれば、請求
項1又は2に記載の重心動揺計の出力が、画像表示部に
対して行われるので、画像表示部に表示されるレーダー
グラフを参照することで、請求項1又は2に記載の重心
動揺計と同様の作用が得られる。
【0017】請求項4記載の重心動揺計によれば、請求
項1又は2に記載の重心動揺計の出力が、プリンターに
対して行われるので、プリントアウトされたレーダーグ
ラフを参照することで、請求項1又は2に記載の重心動
揺計と同様の作用が得られるほか、プリントアウトされ
た結果を後に利用することもできる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0019】重心動揺の測定により算出するパラメータ
ーは目的により様々に設定できるが、本実施例の重心動
揺計としては一例として、 1.面積(外周面積D) 2.単位面積軌跡長(総軌跡長L/外周面積D) 3.動揺平均中心偏位(X軸)(足底の中心(目印2
0)と重心中心位置G0とのX座標の隔たり。G0が右
よりの場合は+、左よりの場合は−) 4.動揺平均中心偏位(Y軸)(足底の中心(目印2
0)と重心中心位置G0とのY座標の隔たり。G0が前
よりの場合は+、後ろよりの場合は−) 5.ロンベルグ率(閉眼外周面積/開眼外周面積) の各パラメーターを算出しレーダーグラフとして出力す
る重心動揺計について示すこととする。なお、本実施例
では1〜4は閉眼の測定結果を用いることとする。
【0020】なお、本実施例で算出するパラメーターの
各々の診断的意義は以下のようなものである。
【0021】面積:平衡障害の程度を示す 単位面積軌跡長:固有受容反射性の微細な姿勢制御機能
を示す 動揺平均中心偏位(X軸):迷路障害などで生じる四肢
・躯幹の筋緊張の左右差による偏倚の検査を目的とする 動揺平均中心偏位(Y軸):抗重筋緊張の亢進、低下の
検査を目的とする ロンベルグ率:視覚による直立姿勢制御、後索路・脊髄
小脳路・迷路障害を検査することを目的とする。
【0022】図1は本発明の重心動揺計の一実施例(以
下、本重心動揺計)のブロック図であり、図2は本重心
動揺計の出力例(レーダーグラフ)である。
【0023】本重心動揺計は、重心動揺データ計測装置
10aと、該重心動揺データ計測装置10aよりの重心
動揺データをもとに解析を行い、結果を出力する重心動
揺データ解析装置10bとからなっている。
【0024】前記重心動揺データ計測装置10aは、被
検者(患者)の両足が乗せられる略三角形状の検出板1
1と、該検出板11に設けられて患者の両足にかかる荷
重中心を連続的あるいは断続的に検出する3個のロード
セル12を備えており、前記重心動揺データ解析装置1
0bは、前記ロードセル12‥からの検出信号に基づ
き、患者の重心位置を算出する演算手段13と、演算手
段13によって算出された重心位置を予め設定されたX
−Y座標上の位置に変換するとともに、変換されたXY
座標位置を予め設定された単位時間毎に認識された多数
のXY座標として記憶するXY座標位置記憶手段14
と、該XY座標位置記憶手段14に測定時間中に記憶さ
れた多数のXY座標を基に、上記の面積(外周面積
D)、単位面積軌跡長(総軌跡長L/外周面積D)、動
揺平均中心偏位(X軸)、動揺平均中心偏位(Y軸)、
ロンベルグ率(閉眼外周面積/開眼外周面積)の各種パ
ラメーターを算出するパラメーター値算出手段15と、
上記各種パラメーターの性別年齢別平均値および標準偏
差を記憶する基準値記憶手段16と、被検体(患者)の
性別、年齢等を入力する入力手段17と、レーダーグラ
フを作成するレーダーグラフ作成手段18、およびレー
ダーグラフ等を表示する画像表示部19を備えている。
【0025】ここで、演算手段13、パラメーター値算
出手段15、およびレーダーグラフ作成手段18は、中
央演算処理ユニット(CPU)、およびRAM、ROM
等のメモリを備えた演算処理装置(コンピューター)で
あり、またXY座標位置記憶手段14および基準値記憶
手段16は、この演算処理装置(コンピューター)の備
えるRAM等のメモリである。また、画像表示部19と
しては液晶表示装置、CRT等の画像表示装置が用いら
れる。
【0026】ロードセル12‥は、略三角形状の検出板
11の各隅部に、正三角形の各頂点をなすようにしてそ
れぞれ配設されたものであり、これらロードセル12‥
にはそれぞれその出力を増幅するためのアンプ、不要周
波数帯域をカットするフィルタ、およびAD変換部が接
続されている。なお、検出板11の足を乗せる面には、
各ロードセル12‥の中心となる位置に点、あるいは丸
といった足の位置を合わせるための目印20が設けられ
ている。
【0027】演算手段13は、各ロードセル12‥が受
けた荷重からその重心位置を実時間、すなわちリアルタ
イムに算出するものである。なお、ロードセル12‥で
は連続的に荷重が検出されるが、演算手段13ではこれ
を50ミリ秒といったようなサンプリング時間毎に、す
なわち断続的に演算処理してその重心位置を算出してい
る。
【0028】また、XY座標位置記憶手段14は、演算
手段13によって算出された重心位置を予め設定された
X−Y座標上の位置に変換する変換機能14aと、変換
されたXY座標位置を予め設定された単位時間毎に認識
された多数のXY座標として記憶する記憶機能14bと
からなるものである。ここで、予め設定されたX−Y座
標とは、この例では、前記目印20の位置を原点とし、
ロードセル12‥が形成する正三角形の底辺(足を検出
板11に乗せた際踵が向く側の辺)がX軸と平行となる
ように設定されたものである。
【0029】また、パラメーター値算出手段15は、X
Y座標位置記憶手段14によって記憶された多数のXY
座標位置を基に、X座標位置、Y座標位置それぞれの度
数分布より、動揺平均中心偏位(X軸)および動揺平均
中心偏位(Y軸)を算出し、また、総軌跡長Lおよび面
積(外周面積D)を特定のプログラムにより算出し、単
位面積軌跡長(総軌跡長L/外周面積D)を算出するも
のである。また、開眼、閉眼の測定の終了時には閉眼の
外周面積Dを開眼の外周面積Dを割ったロンベルグ率も
算出するものである。
【0030】また、レーダーグラフ作成手段18は、前
記パラメーター値算出手段15により算出された各パラ
メーターの算出値と、入力手段17で入力された被検体
(患者)の性別、年齢、そして、基準値記憶手段16に
格納されている上記各パラメーターの性別・年代別平均
値および標準偏差を基に、後述のようにレーダーグラフ
を作成するものである。
【0031】なお、本実施例の重心動揺計10には、プ
リンター(図示略)が連携されており、これによって画
像表示部19に表示される画像と同様のデータがプリン
トアウトできるようになっている。
【0032】次に、このような構成の重心動揺計10を
用いて患者(被検体)の重心位置を測定する方法と、本
実施例の重心動揺計の動作、およびレーダーグラフの出
力について説明する。測定の手順はまず開眼での重心動
揺測定を行い次に閉眼での重心動揺測定を行うものであ
る。
【0033】まず、入力手段17において、患者の性
別、年齢等を入力し、検出板11の上に開眼の状態で患
者を乗せるとともに、図1中二点鎖線で示すようにその
両足間の中心位置を目印20に合わせ、その状態で重心
動揺計10の測定系のスイッチをオンする。すると以降
測定時間中、患者の両足にかかる荷重が三個のロードセ
ル12…によって検出されて演算手段13に送られる。
演算手段13では、送られてきた各検出信号を入力し、
従来の重心動揺計と同様の演算処理によって各ロードセ
ル12‥が受けた荷重から患者の重心位置を予め設定さ
れた単位時間毎に算出する。
【0034】また、このようにして演算手段13で算出
された重心位置は、XY座標位置記憶手段14の変換機
能14aによって予め設定されたX−Y座標上の位置に
変換され、開眼測定の単位時間毎に認識された多数のX
Y座標として記憶されるとともに、画像表示部19に送
られて表示される。したがって、画像表示部19では、
演算手段13で算出され、変換機能14aによって変換
された重心位置のXY座標が順次表示されていき、これ
により患者の測定開始後の重心の移動が図3中の軌跡K
として表示される。
【0035】そして、開眼での重心動揺測定時間が終了
すると、次に閉眼での重心動揺測定に入る。
【0036】患者に開眼測定の足位置、姿勢を保ったま
まで目を閉じさせ、その状態で重心動揺計10の測定系
のスイッチをオンする。すると、開眼測定の場合と同様
に重心位置XY座標の推移が、図3中の軌跡Kとして表
示されるとともに、XY座標記憶手段14において、閉
眼測定の単位時間毎に認識された多数のXY座標として
記憶される。
【0037】閉眼測定時間が終わると、パラメーター値
算出手段15が起動し、開眼測定での面積(外周面積
D)を算出し、また、閉眼測定での動揺平均中心偏位
(X軸)および動揺平均中心偏位(Y軸)を算出し、ま
た、総軌跡長Lおよび面積(外周面積D)を算出し、単
位面積軌跡長(総軌跡長L/外周面積D)を算出する。
そして、ロンベルグ率(閉眼外周面積D/開眼外周面積
D)を算出する。
【0038】そして最後にレーダーグラフ作成手段18
が起動して、下記に示すように、上記結果に対応したレ
ーダーグラフを作成し、画像表示部19およびプリンタ
ーに出力する。
【0039】本実施例で出力されるレーダーグラフは図
2に示すように、、面積(外周面積D)、単位面積軌跡
長、動揺平均中心偏位(X軸)、動揺平均中心偏位(Y
軸)、ロンベルグ率の5パラメーターそれぞれに対応し
た5本のパラメーター軸が中心から伸びた形のものであ
る。
【0040】レーダーグラフ作成手段18は、基準値記
憶手段16に収納されている各性別、各年代別の上記各
パラメーターの平均値、標準偏差(SD)の中から、測
定開始時に入力手段17において入力された性別、年齢
に応じた上記各パラメーターの平均値、標準偏差(S
D)を取り込み、それらと、パラメーター値算出手段1
5において算出された各パラメーターの算出値とを用い
てレーダーグラフを作成するものである。
【0041】図2に示すように、各パラメーター軸は、
最も内側が0、真ん中が5、最も外側が10に目盛ら
れ、5の点は各パラメーターの性別年代別平均値に、ま
た、6の点は平均値+2SD(標準偏差)の値に、そし
て4の点は平均値−2SD(標準偏差)の値に対応す
る。そして各パラメーター軸の4の点同士、また、6の
点同士は、点線で結ばれ、この点線の間で、平均値−2
SD〜平均値+2SDの、正常範囲を表すものである。
ちなみに、最も外側の10の点は、平均値+10SD
を、最も内側の0の点は、平均値−10SDを表す。検
査で得た値が軸目盛りの最大値を越えるときには、すべ
てのパラメーターの軸目盛りが、測定値に応じて自動的
に縮小される。
【0042】レーダーグラフ作成手段18は、まず上記
のように設定された各パラメーター軸等の背景を描き、
その上に、パラメーター値算出手段15で算出された各
パラメーターの算出値をプロットし、そして各パラメー
ターのプロット位置同士を実線で結ぶ。本実施例の重心
動揺計の出力であるレーダーグラフは以上のようにして
作成される。
【0043】次に、各種平衡障害を持つ被検体(患者)
のレーダーグラフ出力の例をいくつか示す。
【0044】図4に示すのは、右メニエール病(発作
後)39歳女性のレーダーグラフ出力である。(図示し
ないが、本患者の重心動揺軌跡Kのパターンは左右型で
ある。)面積は大きく、単位面積軌跡長は短い傾向にあ
り、動揺平均中心偏位(X軸)は右方に基準値を超えて
いる。ロンベルグ率も基準値を超えている。一側迷路障
害(急性期)の代表的な型である。
【0045】図5に示すのは、前庭型メニエール病71
歳女性のレーダーグラフ出力である。(図示しないが、
本患者の重心動揺軌跡Kのパターンは求心型である。)
面積は基準値範囲以内、単位面積軌跡長は基準値を超え
る値である。動揺平均中心偏位(X軸)は基準値範囲
内、ロンベルグ率も基準値範囲内である。一側迷路障害
(慢性期)の代表的な型である。
【0046】図6に示すのは、両側迷路反応喪失61歳
男性のレーダーグラフ出力である。(図示しないが、本
患者の重心動揺軌跡Kのパターンは前後型である。)面
積が著しく大きく、単位面積軌跡長、動揺平均中心偏位
(X軸)は基準値範囲内、ロンベルグ率は基準値の上限
に近い。
【0047】図7に示すのは脊髄小脳変性症60歳男性
のレーダーグラフ出力である。(図示しないが、本患者
の重心動揺軌跡Kのパターンは前後型である。)面積が
基準値を大きく越えており、動揺平均中心偏位(Y軸)
は前方に基準値を超えている。
【0048】図8に示すのは脳幹梗塞の疑いのある62
歳男性のレーダーグラフ出力である。(図示しないが、
本患者の重心動揺軌跡Kのパターンはびまん型であ
る。)面積は基準値を超えて著しく大きい。単位面積軌
跡長は基準値以下である。ロンベルグ率も大きい。
【0049】上述のように、本実施例に示した重心動揺
計10にあっては、画像表示部に各パラメーターの算出
値が、正常範囲とともに表示されるので、前記各算出値
が、正常値と比較してどの程度の値であるかが明確にわ
かり、各パラメーターの算出値が他のパラメーターと結
んで角形図形的にレーダーグラフとして表示されるの
で、その場で患者の重心動揺の特徴の全貌をダイレクト
に把握することができる。また、診断的意義の明確にな
っている外周面積、単位面積軌跡長、動揺平均中心偏位
(X軸)、動揺平均中心偏位(Y軸)、ロンベルグ率
(閉眼外周面積/開眼外周面積)の算出値を総合して総
合的診断を下すことができる。また、上記実施例の構成
のレーダーグラフにおいて、疾患により特徴的なレーダ
ーグラフの型を明らかにすることができれば、重心動揺
測定を病巣診断の一助として用いることができるように
なる。また、レーダーグラフの出力が、プリンターに対
しても行われるので、プリントアウトされた結果を後に
利用することもできる。
【0050】なお、上記実施例では、面積(外周面積
D)、単位面積軌跡長、動揺平均中心偏位(X軸)、動
揺平均中心偏位(Y軸)、ロンベルグ率(閉眼外周面積
/開眼外周面積)の各パラメーターを算出しレーダーグ
ラフとして出力する重心動揺計について示したが、本発
明は他のパラメーターを算出しレーダーグラフとして出
力する重心動揺計の場合にも適用できることはいうまで
もない。
【0051】また、上記実施例では5つのパラメーター
の算出値を5本のパラメーター軸上に表示する場合につ
いて示したが、表示するパラメーターの数が異なる場合
には2本以上の他の本数のパラメーター軸を持つレーダ
ーグラフとして出力するようにできることもいうまでも
ない。軸が2本の場合には、軸を放射状(軸間隔180
゜)に設けず、例えば、直交座標のように他の軸間隔で
表示するようにすることが好ましい。
【0052】また、上記実施例においては、各軸上の5
の点を各パラメーターの平均値に、4の点を平均値−2
SDに、6の点を平均値+2SDに対応させたが、必要
に応じて他の対応を持たせたりするなど、細部を変更し
てもよい。
【0053】また、出力部である画像表示部やプリンタ
ーは、重心動揺解析装置と一体に設けるようにしても、
また別体に設けるようにしてもよい。
【0054】また、上記実施例では被検体の各足にかか
る荷重中心を検出するためのロードセル12が3個備え
られている例を示したが、ロードセルを4個としてもよ
く、その場合には検出板11を矩形状にしてその四隅部
にそれぞれロードセルが配設されるように構成するのが
好ましい。また、検出板についても、一つでなく両足に
それぞれ対応するよう二つ用いてもよい。
【0055】また、上記実施例では本発明の重心動揺計
を主に平衡障害の把握を目的として使用したが、本発明
は、運動工学、人間工学等の分野において被検者の重心
を測定する場合などにも用いることができるのはもちろ
ん、人間以外の動物の重心の動揺を調べるのにも用いる
ことができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の重心動揺計によれば、各
パラメーターの算出値が、正常範囲とともに出力される
ので、前記各算出値が、正常値と比較してどの程度の値
であるかが明確にわかる。また、他のパラメーターと結
んで角形図形的にレーダーグラフとして出力されるの
で、その場で患者の重心動揺の特徴の全貌をダイレクト
に把握することができる。
【0057】請求項2記載の重心動揺計によれば、請求
項1記載の重心動揺計の効果の他に、診断的意義の明確
になっている外周面積、単位面積軌跡長、動揺平均中心
偏位(X軸)、動揺平均中心偏位(Y軸)、ロンベルグ
率(閉眼外周面積/開眼外周面積)等の算出値を総合し
て総合的診断を下すことができる。また、疾患により特
徴的なレーダーグラフの型を明らかにすることができれ
ば、重心動揺測定を病巣診断の一助として用いることが
できるようになる。
【0058】請求項3記載の重心動揺計によれば、請求
項1又は2に記載の重心動揺計の出力が、画像表示部に
対して行われるので、画像表示部に表示されるレーダー
グラフを参照することで、請求項1又は2に記載の重心
動揺計と同様の効果が得られる。
【0059】請求項4記載の重心動揺計によれば、請求
項1又は2に記載の重心動揺計の出力が、プリンターに
対して行われるので、プリントアウトされたレーダーグ
ラフを参照することで、請求項1又は2に記載の重心動
揺計と同様の効果が得られるほか、プリントアウトされ
た結果を後に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の重心動揺計のブロック図である。
【図2】本実施例の重心動揺計の出力であるレーダーグ
ラフを説明する図である。
【図3】本実施例の重心動揺計の出力(重心動揺軌跡
K)の例である。
【図4】本実施例の重心動揺計のレーダーグラフ出力の
例(右メニエール病(発作後)39歳女性)である。
【図5】本実施例の重心動揺計のレーダーグラフ出力の
例(前庭型メニエール病71歳女性)である。
【図6】本実施例の重心動揺計のレーダーグラフ出力の
例(両側迷路反応喪失61歳男性)である。
【図7】本実施例の重心動揺計のレーダーグラフ出力の
例(脊髄小脳変性症60歳男性)である。
【図8】本実施例の重心動揺計のレーダーグラフ出力の
例(脳幹梗塞の疑いのある62歳男性)である。
【図9】従来の一般的重心動揺計のブロック図である。
【図10】従来の一般的重心動揺計の出力例(重心動揺
軌跡K)である。
【符号の説明】
10 重心動揺計 10a 重心動揺データ計測装置 10b 重心動揺データ解析装置 19 画像表示部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重心動揺データ計測装置と重心動揺データ
    解析装置とを備えて構成され、前記重心動揺データ解析
    装置が、前記重心動揺データ計測装置の実測に基づいて
    算出した各種パラメーターの算出値と、正常範囲を示す
    基準値とを、放射状に設けられた前記各種パラメーター
    の軸線上にプロットし、それぞれを角形図形的に結んで
    グラフ化したレーダーグラフとして視覚化した出力をす
    る出力部を備えていることを特徴とする重心動揺計。
  2. 【請求項2】前記各種パラメーターが、外周面積、単位
    面積軌跡長、X軸方向の動揺平均中心偏位、Y軸方向の
    動揺平均中心偏位、ロンベルグ率のうちの少なくとも2
    つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載の重心動揺
    計。
  3. 【請求項3】前記出力部が画像表示部により構成されて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の重心動揺
    計。
  4. 【請求項4】前記出力部がプリンターにより構成されて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の重心動揺
    計。
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