JP2004275280A - 重心位置測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷重受け板で受けた荷重を選択切替手段によって2つのセンサ(第1センサ5と第3センサ7)と2つのセンサ(第2センサ6と第4センサ8)とを各組合せに順次選択切替し、出力差変換手段14においてこの選択切替手段25で順次選択切替した各組合せの出力差を求め、記憶部23においてこの出力差変換手段14で求めた各組合せの出力差を記憶し、重心位置演算部21においてこの記憶部23に記憶した各組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置(座標y軸に対する位置Gy)と第2方向位置(座標x軸に対する位置Gx)とを求め、出力手段24において出力する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重受け板に荷重が働いた際にその荷重の重心位置を測定する重心位置測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷重受け板に荷重が働いた際にその荷重の重心位置を測定する重心位置測定装置は、図7(a)の装置外観を表す平面図、図7(b)の装置外観を表す正面図に示すように、荷重受け板100から荷重が伝達するように複数のセンサ101、102、103、104を配置(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)、(x4、y4)し、これら複数のセンサ101、102、103、104の出力w1、w2、w3、w4を個別に順次増幅し、次の数3、数4の式を用いて、荷重受け板100に荷重を及ぼした際のその荷重の重心位置(Gx、Gy)を算出している。
【0003】
【数3】
【数4】
【0004】
例えば、重心位置測定装置の一種として、特許文献1や特許文献2に見られるような重心動揺計は、重心位置の算出にあたって、上記のように行われることが一般的である。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−250822号公報
【特許文献2】
特開平7−250823号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した重心位置測定装置は、複数のセンサ101、102、103、104からの出力w1、w2、w3、w4を個別に順次増幅する際に、荷重受け板100に及ぼす荷重の重心位置が移動すると、この移動によって生じる複数のセンサからの出力変化分がすべて、座標x軸に対する重心位置Gx及び座標y軸に対する重心位置Gyのそれぞれに影響し、正確な重心位置の算出に至らないという問題があった。
【0007】
また、精度向上のため高い分解能を得ようとする場合には、高出力のセンサを用いたり、個々のセンサからのそれぞれの出力をそれぞれ高増幅する増幅器を用いたりしなければならなかった。このようなセンサや増幅器は、高度な働きを有するが故にコストも高価であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題点を解決することを目的とするもので、重心位置を正確に測定すると共に廉価である重心位置測定装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の重心位置測定装置は、荷重を受ける荷重受け板と、前記荷重受け板から荷重が伝達するように四方の対角に配置して正の出力をする第1センサ及び第3センサと、前記荷重受け板から荷重が伝達するように四方の対角に配置して負の出力をする第2センサ及び第4センサと、前記各センサからの各出力を、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに選択切替する選択切替手段と、前記選択切替手段で選択切替した前記各組合せの出力差を求める出力差変換手段と、前記出力差変換手段で求めた前記各組合せの出力差を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せの出力差及び前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置を求め、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せの出力差及び前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せの出力差の比較に基づいて前記第1方向位置と直交する第2方向位置を求める重心位置演算部と、前記重心位置演算部で求めた前記第1方向位置と前記第2方向位置とを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記選択切替手段は、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに順次選択切替することを特徴とする。
【0011】
また、前記選択切替手段は、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに順次選択切替することを特徴とする。
【0012】
また、前記重心位置演算部は、座標x、y軸に対する前記第1センサの位置を(x1、y1)とし、座標x、y軸に対する前記第2センサの位置を(x2、y2)とし、座標x、y軸に対する前記第3センサの位置を(x3、y3)とし、座標x、y軸に対する前記第4センサの位置を(x4、y4)とし、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せの出力差をwM1とし、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せの出力差をwM2とし、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せの出力差をwM3とし、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せの出力差をwM4とし、座標x、y軸に対する重心位置を(Gx、Gy)とし、
【数5】
で表す式と、
【数6】
で表す式とを用いて、座標x、y軸に対する重心位置(Gx、Gy)を演算することを特徴とする。
【0013】
また、前記記憶部に記憶した前記各組合せの出力差をすべて合算し総荷重を求める総荷重演算部を更に備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明に係わる重心位置測定装置の構成について、図1の電気系統各部を表すブロック図、図2(a)の装置外観を表す平面図、図2(b)の装置外観を表す正面図を参照して詳述する。
【0016】
本発明の重心位置測定装置は、本体1と、表示ボックス2と、本体1と表示ボックス2とを接続するコード3とにより構成する。
【0017】
本体1は、荷重を受ける荷重受け板4と、この荷重受け板4の四隅付近に設けた4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)と、この荷重受け板4の一測辺付近に設けた基板ユニット9とから成る。
【0018】
4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)は、いずれもがハーフブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する。この4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)のうち、対角して位置する一方の2つのセンサ(第1センサ5と第3センサ7)は、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な正の出力にする。一方、対角して位置する他方の2つのセンサ(第2センサ6と第4センサ8)は、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な負の出力にする。
【0019】
基板ユニット9は、4つのセンサと接続し、この4つのセンサからの出力を取込み、切替部10・差動増幅部11・A−D変換部12を有する電子基板で処理をした後、コード3にデータを出力する。
【0020】
切替部10は、後述する選択制御部13からの信号に基づいて、SW1、SW2、SW3、SW4を入切して、4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)からの各出力を、第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せ、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せ、第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せ、第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せに順次切替し出力する。
【0021】
差動増幅部11は、切替部10で組合せた2つの出力に基づいてこの2つの出力の組合せの出力差を求める。A−D変換部12は、差動増幅部11で求めた2つの出力の組合せの出力差(アナログ)をデジタル変換する。なお、差動増幅部11とA−D変換部12とによって出力差変換手段14を構成する。
【0022】
表示ボックス2は、電源スイッチ15と、表示部16と、データ出力端子部17とを筐体18の外表に備え、電源19と、CPU(選択制御部13、重心位置演算部21、総荷重演算部22を含む)20・記憶部23を有する電子基板とを筐体18の内部に備える。
【0023】
電源スイッチ15は、電気系統各部に対して電力を供給又は停止するための切替えをする。電源19は、電源スイッチ15がオン状態に切替わると電気系統各部に電力を供給する。
【0024】
表示部16は、測定した重心位置や総荷重の結果等を表示する。データ出力端子部17は、パソコン等の外部機器にデータを出力する。なお、表示部16とデータ出力端子部17とによって出力手段24を構成する。
【0025】
CPU20は、選択制御部13、重心位置演算部21、総荷重演算部22として各種機能すると共に、公知の如き電気系統各部の制御や演算を行う。
【0026】
選択制御部13は、切替部10に対して、第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せ、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せ、第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せ、第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せを順次選択して切替えるように制御する。なお、切替部10と選択制御部13とによって選択切替手段25を構成する。
【0027】
重心位置演算部21は、記憶部23に記憶した第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せの出力差及び第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置(座標y軸に対する位置Gy)を求める。また、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せの出力差及び第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置と直交する第2方向位置(座標x軸に対する位置Gx)を求める。
【0028】
総荷重演算部22は、記憶部23に記憶した各組合せの出力差を合算する。
【0029】
記憶部23は、複数の格納部(M1、M2、M3、M4等)を有し、A−D変換部12でデジタル化した各組合せの出力差、及び公知の如く各種処理時におけるデータを記憶する。
【0030】
次に、本発明に係わる重心位置測定装置の動作(体重計や重心動揺計の如く荷重受け板4に被測定者が乗った際における重心位置の測定動作)について、図3の各部の動作処理の流れを表すフローチャートを参照して詳述する。
【0031】
電源スイッチ15をオンすると、電源19が電気系統各部に電力を供給し、装置各部が作動状態となる(ステップS1)。
【0032】
続いて、荷重受け板4に被測定者が乗って、荷重受け板4に荷重が作用すると、4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)において、荷重の伝達を受ける。そして、第1センサ5と第3センサ7では、それぞれが受けた荷重に応じた電気的な正の出力(電圧)に変換し、第2センサ6と第4センサ8では、それぞれが受けた荷重に応じた電気的な負の出力(電圧)に変換する(ステップS2)。
【0033】
続いて、選択制御部13において、切替部10に対して、SW1とSW2とを入れの状態、SW3とSW4とを切りの状態にするように信号を送る。次いで、切替部10において、この信号を受けて、SW1とSW2とを入れの状態、SW3とSW4とを切りの状態にする。次いで、差動増幅部11において、このSW1とSW2とが入れの状態となったことにより接続状態となった第1センサ5の正の出力と第2センサ6の負の出力とを差動増幅し、第1センサ5の正の出力と第2センサ6の負の出力との出力差を出力する。次いで、A−D変換部12において、この第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せの出力差(アナログ)をデジタル変換する。次いで、記憶部23において、このデジタル化した第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM1をM1に記憶する(ステップS3)。
【0034】
続いて、選択制御部13において、切替部10に対して、SW3とSW2とを入れの状態、SW1とSW4とを切りの状態にするように信号を送る。次いで、切替部10において、この信号を受けて、SW3とSW2とを入れの状態、SW1とSW4とを切りの状態にする。次いで、差動増幅部11において、このSW3とSW2とが入れの状態となったことにより接続状態となった第3センサ7の正の出力と第2センサ6の負の出力とを差動増幅し、第3センサ7の正の出力と第2センサ6の負の出力との出力差を出力する。次いで、A−D変換部12において、この第3センサ7と第2センサ6との出力の組合せの出力差(アナログ)をデジタル変換する。次いで、記憶部23において、このデジタル化した第3センサ7と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM2をM2に記憶する(ステップS4)。
【0035】
続いて、選択制御部13において、切替部10に対して、SW3とSW4とを入れの状態、SW1とSW2とを切りの状態にするように信号を送る。次いで、切替部10において、この信号を受けて、SW3とSW4とを入れの状態、SW1とSW2とを切りの状態にする。次いで、差動増幅部11において、このSW3とSW4とが入れの状態となったことにより接続状態となった第3センサ7の正の出力と第4センサ8の負の出力とを差動増幅し、第3センサ7の正の出力と第4センサ8の負の出力との出力差を出力する。次いで、A−D変換部12において、この第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せの出力差(アナログ)をデジタル変換する。次いで、記憶部23において、このデジタル化した第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM3をM3に記憶する(ステップS5)。
【0036】
続いて、選択制御部13において、切替部10に対して、SW1とSW4とを入れの状態、SW3とSW2とを切りの状態にするように信号を送る。次いで、切替部10において、この信号を受けて、SW1とSW4とを入れの状態、SW3とSW2とを切りの状態にする。次いで、差動増幅部11において、このSW1とSW4とが入れの状態となったことにより接続状態となった第1センサ5の正の出力と第4センサ8の負の出力とを差動増幅し、第1センサ5の正の出力と第4センサ8の負の出力との出力差を出力する。次いで、A−D変換部12において、この第1センサ5と第4センサ8との出力の組合せの出力差(アナログ)をデジタル変換する。次いで、記憶部23において、このデジタル化した第1センサ5と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM4をM4に記憶する(ステップS6)。
【0037】
続いて、重心位置演算部21において、記憶部23のM2に記憶している第3センサ7と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM2と、M4に記憶している第1センサ5と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM4と、座標x軸に対する各センサの位置(x1、x2、x3、x4)とを、次の数7の式に代入して、座標x軸に対する重心位置Gxを演算する。また、記憶部23のM1に記憶している第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM1と、M3に記憶している第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM3と、座標y軸に対する各センサの位置(y1、y2、y3、y4)とを、次の数8の式に代入して、座標y軸に対する重心位置Gyを演算する。
【0038】
【数7】
【数8】
【0039】
次いで、総荷重演算部22において、記憶部23のM1に記憶している第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM1と、記憶部23のM2に記憶している第3センサ7と第2センサ6との出力の組合せの出力差wM2と、M3に記憶している第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM3と、M4に記憶している第1センサ5と第4センサ8との出力の組合せの出力差wM4とをすべて合算して、荷重受け板4に働いた総荷重Wtを演算する。
【0040】
次いで、表示部16において、重心位置演算部21で演算した重心位置Gx、Gyと、総荷重演算部22で演算した総荷重Wtとを表示する。また、データ出力端子部17において、重心位置演算部21で演算した重心位置Gx、Gyと、総荷重演算部22で演算した総荷重Wtとを信号化出力する(ステップS7)。
【0041】
続いて、ステップS3と同様な処理をし、第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せの出力差を記憶部23のM1に上書きして記憶する(ステップS8)。
【0042】
続いて、ステップS7と同様な処理をし、重心位置Gx、Gy及び総荷重Wtを演算し、表示及び信号化出力する(ステップS9)。
【0043】
続いて、ステップS4と同様な処理をし、第2センサ6と第3センサ7との出力の組合せの出力差を記憶部23のM2に上書きして記憶する(ステップS10)。
【0044】
続いて、ステップS7と同様な処理をし、重心位置Gx、Gy及び総荷重Wtを演算し、表示及び信号化出力する(ステップS11)。
【0045】
続いて、ステップS5と同様な処理をし、第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せの出力差を記憶部23のM3に上書きして記憶する(ステップS12)。
【0046】
続いて、ステップS7と同様な処理をし、重心位置Gx、Gy及び総荷重Wtを演算し、表示及び信号化出力する(ステップS13)。
【0047】
続いて、ステップS6と同様な処理をし、第4センサ8と第1センサ5との出力の組合せの出力差を記憶部23のM4に上書きして記憶する(ステップS14)。
【0048】
続いて、ステップS7と同様な処理をし、重心位置Gx、Gy及び総荷重Wtを演算し、表示及び信号化出力する(ステップS15)。
【0049】
続いて、ステップS8に戻り、電源スイッチ15をオフするまでそれ以降の処理を繰り返す。
【0050】
上述したように、本発明の重心位置測定装置は、荷重受け板4において荷重を受け、荷重受け板4の四隅付近に設けた2つのセンサ(第1センサ5と第3センサ7)においてこの荷重受け板4から伝達される荷重に基づいて正の出力をし、荷重受け板4の四隅付近に設けた2つのセンサ(第2センサ6と第4センサ8)においてこの荷重受け板4から伝達される荷重に基づいて負の出力をし、選択切替手段25においてこれらの各センサからの各出力を、第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せ、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せ、第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せ、第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せに順次選択切替し、出力差変換手段14においてこの選択切替手段25で順次選択切替した各組合せの出力差を求め、記憶部23においてこの出力差変換手段14で求めた各組合せの出力差を記憶し、重心位置演算部21においてこの記憶部23に記憶した第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せの出力差及び第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置(座標y軸に対する位置Gy)を求め、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せの出力差及び第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置と直交する第2方向位置(座標x軸に対する位置Gx)を求め、総荷重演算部22において記憶部23に記憶した各組合せの出力差をすべて合算し総荷重を求め、出力手段24においてこの重心位置演算部21で求めた第1方向位置及び第2方向位置、総荷重演算部22で求めた総荷重を出力する。
【0051】
これによると、2つのセンサの出力を常に同時にサンプリングし、各組合せの出力差のうちの2つでもって、座標x軸に対する重心位置Gx又は座標y軸に対する重心位置Gyを求める。したがって、荷重受け板4に働く荷重の重心位置の移動によって生じた際のセンサからの出力変化分の影響を従来技術と比較すると半減するので、正確な重心位置の算出が可能となる。また、2つのセンサからの出力の組合せの出力差を正の出力と負の出力とから求める。したがって、特段に各センサを高出力のものとしたり、高増幅する増幅部品を用いないで高出力(高分解能)を得ることができるので、重心位置や総荷重の算出の精度を高めることが可能となる。
【0052】
なお、上述した実施の形態においては、選択切替手段25による選択切替を、第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せ、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せ、第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せ、第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せの順に行った。これによると、切替部10のSW1、SW2、SW3、SW4の内の一つだけを順次切替えるだけでよいので、速度の早い切替ができるという利点を有する。
【0053】
しかしながら、第1センサ5からの正の出力と第2センサ6からの負の出力との組合せ、第3センサ7からの正の出力と第4センサ8からの負の出力との組合せ、第2センサ6からの負の出力と第3センサ7からの正の出力との組合せ、第4センサ8からの負の出力と第1センサ5からの正の出力との組合せの順に行っても実施可能である。この場合には、図3に変わり、図6のフローチャートの如く重心位置測定装置の各部の動作処理の流れとなる。これによると、座標y軸方向位置に係わるセンサからの出力の組合せ同士(第1センサ5と第2センサ6との出力の組合せ、及び第3センサ7と第4センサ8との出力の組合せ)を次順で切替えることができ、一方、座標x軸方向位置に係わるセンサからの出力の組合せ同士(第2センサ6と第3センサ7との出力の組合せ、及び第4センサ8と第1センサ5との出力の組合せ)を次順で切替えることができるので、荷重受け板4に働く荷重の重心位置の移動によって生ずるセンサの出力誤差の影響を小さくできるという利点を有する。
【0054】
また、上述した実施の形態においては、ハーフブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)を用いたが、フルブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ、第2センサ、第3センサ、第4センサ)を用いても実施可能である。
【0055】
この場合の構成の一例を図4のブロック図に示す。図1のハーフブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)に変わり、フルブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ51、第2センサ52、第3センサ53、第4センサ54)と、これら各センサからの各出力を差動増幅する差動増幅部55、56、57、58とを切替部10の前段に備える。
【0056】
そして、フルブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ51、第2センサ52、第3センサ53、第4センサ54)のうち、対角して位置する一方の2つのセンサ(第1センサ51と第3センサ53)では、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な正の出力にし、一方、対角して位置する他方の2つのセンサ(第2センサ52と第4センサ54)では、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な負の出力にする。そして、各差動増幅部55、56、57、58においてこれら各センサからの各出力を差動増幅して切替部10に出力し、以降については、図1と同様の動作を行う。
【0057】
また、この場合の構成の別の一例を図5のブロック図に示す。図1のハーフブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ5、第2センサ6、第3センサ7、第4センサ8)に変わり、フルブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ51、第2センサ52、第3センサ53、第4センサ54)を切替部10の前段に備える。また、出力差変換手段14では、センサからの出力を差動増幅する差動増幅部59、60をこの切替部10の後段に備える。なお、この場合の出力変換手段61は、これらの差動増幅部59、60を含めたものとなる。
【0058】
そして、フルブリッジのストレインゲージを荷重−電気変換素子として有する4つのセンサ(第1センサ51、第2センサ52、第3センサ53、第4センサ54)のうち、対角して位置する一方の2つのセンサ(第1センサ51と第3センサ53)では、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な正の出力にし、一方、対角して位置する他方の2つのセンサ(第2センサ52と第4センサ54)では、荷重受け板4が荷重を受ける(荷重受け板4に正の荷重が働く)と、この荷重受け板4から伝達する正の荷重を変換して電気的な負の出力にする。そして、切替部10において各センサからの出力を組合せ、差動増幅部59、60においてセンサからの出力を差動増幅し、以降については、図1と同様の動作を行う。
【0059】
また、上述した実施の形態においては、荷重受け板4の四隅付近に4つのセンサを設けたが、配置位置は、これに限られるものではない。荷重受け板4から伝達するように四方に設ければ実施可能である。
【0060】
また、本発明の重心位置測定装置は、重心動揺計に限らず、荷重受け板に当てたボールの位置を判定する的当て装置のようなものに用いることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の重心位置測定装置は、上述したような荷重受け板、4つのセンサ、選択切替手段、出力差変換手段、記憶部、重心位置演算部及び出力手段で構成するので、荷重受け板に働く荷重の出力を特別の部品を使用することなく大きくできると共に、荷重受け板に働く荷重の重心位置の移動によって生じた際のセンサからの出力変化分の影響を少なくできる。よって、重心位置を正確に測定すると共に廉価なものとして提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる重心位置測定装置の電気系統各部を表すブロック図である。
【図2】本発明に係わる重心位置測定装置の外観を表し、(a)は、平面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明に係わる重心位置測定装置の各部の動作処理の流れを表すフローチャートである。
【図4】別の一例として電気系統各部を表すブロック図である。
【図5】別の一例として電気系統各部を表すブロック図である。
【図6】別の一例として各部の動作処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】従来の重心位置測定装置の外観を表し、(a)は、平面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 表示ボックス
3 コード
4 荷重受け板
5、51 第1センサ
6、52 第2センサ
7、53 第3センサ
8、54 第4センサ
9 基板ユニット
10 切替部
11、55、56、57、58、59、60 差動増幅部
12 A−D変換部
13 選択制御部
14、61 出力差変換手段
15 電源スイッチ
16 表示部
17 データ出力端子部
18 筐体
19 電源
20 CPU
21 重心位置演算部
22 総荷重演算部
23 記憶部
24 出力手段
25 選択切替手段
Claims (5)
- 荷重を受ける荷重受け板と、
前記荷重受け板から荷重が伝達するように四方の対角に配置して正の出力をする第1センサ及び第3センサと、
前記荷重受け板から荷重が伝達するように四方の対角に配置して負の出力をする第2センサ及び第4センサと、
前記各センサからの各出力を、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに選択切替する選択切替手段と、
前記選択切替手段で選択切替した前記各組合せの出力差を求める出力差変換手段と、
前記出力差変換手段で求めた前記各組合せの出力差を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せの出力差及び前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せの出力差の比較に基づいて第1方向位置を求め、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せの出力差及び前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せの出力差の比較に基づいて前記第1方向位置と直交する第2方向位置を求める重心位置演算部と、
前記重心位置演算部で求めた前記第1方向位置と前記第2方向位置とを出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする重心位置測定装置。 - 前記選択切替手段は、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに順次選択切替することを特徴とする請求項1記載の重心位置測定装置。
- 前記選択切替手段は、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せ、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せ、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せ、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せに順次選択切替することを特徴とする請求項1記載の重心位置測定装置。
- 前記重心位置演算部は、座標x、y軸に対する前記第1センサの位置を(x1、y1)とし、座標x、y軸に対する前記第2センサの位置を(x2、y2)とし、座標x、y軸に対する前記第3センサの位置を(x3、y3)とし、座標x、y軸に対する前記第4センサの位置を(x4、y4)とし、前記第1センサからの正の出力と前記第2センサからの負の出力との組合せの出力差をwM1とし、前記第2センサからの負の出力と前記第3センサからの正の出力との組合せの出力差をwM2とし、前記第3センサからの正の出力と前記第4センサからの負の出力との組合せの出力差をwM3とし、前記第4センサからの負の出力と前記第1センサからの正の出力との組合せの出力差をwM4とし、座標x、y軸に対する重心位置を(Gx、Gy)とし、
- 前記記憶部に記憶した前記各組合せの出力差をすべて合算し総荷重を求める総荷重演算部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の重心位置測定装置。
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