JP4814005B2 - 計量装置 - Google Patents

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この発明は、計量台に載置された被計量物の重量を測定するための計量装置に関し、特に例えば、トラックスケールに好適な計量装置に関する。
トラックスケールのように被計量物としてのトラックの重量が数[t(トン)]程度と比較的に大きく、併せて計量台の面積が数[m]程度と比較的に大きい計量装置においては、被計量物の荷重によって計量台に撓みが生じる。そして、この撓みによって、計量台を支持する荷重検出手段、例えばロードセル(起歪体)、の姿勢が傾斜し、これによりロードセルに印加される荷重の方向が変わり、ひいてはロードセルの出力値が変わる。さらに、計量台の撓み方は、計量台のいずれの位置に被計量物が載置されているのかによって変わる。つまり、被計量物の重量が一定であるにも拘らず、被計量物の載置位置が変わると、ロードセルの出力値が変わり、いわゆるスパン(=出力値/負荷荷重)が変化する。そして、このスパン変化によって、重量測定結果に誤差が生じる。
このような被計量物の載置位置に起因する測定誤差、いわゆる偏置誤差、を補正するべく、従来、例えば特許文献1に開示された技術がある。この従来技術によれば、事前の調整作業において、計量台(載せ台)に、複数の代表位置が設定される。そして、それぞれの代表位置に既知重量の基準分銅が個別に載置され、このときのロードセルの出力値に基づいて、代表位置ごとのスパン係数が求められる。さらに、これら各代表位置に対応するスパン係数と、各代表位置の位置関係と、に基づいて、計量台の任意の位置に対応するスパン係数を推定するための推定式が求められ、求められた推定式は、メモリ回路に記憶される。そして、実際の測定作業において、計量台に被計量物が載置されると、まず、当該計量台における被計量物の載置位置が検出される。続いて、この検出された載置位置に対応するスパン係数が、調整作業で求められた推定式に基づいて算出され、算出されたスパン係数とロードセルの出力値とに基づいて、被計量物の重量が求められる。これによって、偏置誤差が補正され、正確な重量測定結果が得られる、とされている。
特開2004−226304号公報
しかしながら、ロードセルのスパン変化について、より詳細に考察すると、当該スパン変化は、計量台における被計量物の載置位置のみならず、被計量物の重量にも起因する。つまり、計量台の載置位置が一定であるとしても、被計量物の重量が変わると、計量台の撓み方が変わり、ひいてはスパンの変化量が変わる。例えば、被計量物の重量が大きいほど、計量台が大きく撓むため、スパンの変化量は大きくなる。一方、被計量物の重量が小さいほど、計量台の撓み量が小さいので、スパンの変化量もまた小さくなる。ところが、上述の従来技術では、かかる被計量物の重量に起因するスパン変化について何ら考慮されていないので、このことによる測定誤差が生じる。そして、この測定誤差は、被計量物の重量が大きいほど、顕著になる。
さらに、従来技術では、上述の如く事前の調整作業において計量台に複数の代表位置が設定され、具体的には9つの代表位置が設定される。そして、これら9つの代表位置に個別に基準分銅が載置される。ところが、基準分銅は、被計量物と同程度の重量、つまり数[t]程度の重量、を有するので、かかる数[t]という重量の基準分銅を9つもの代表位置に載置する(積み降ろしする)には、それ相応の労力および時間が掛かる。よって、その分、作業コストが増大する。
なお、このように9つもの代表位置に基準分銅を載置するのは、上述の如く計量台の任意の位置に対応するスパン係数を求めるためであるが、かかる演算、つまり計量台全体にわたって任意の位置に対応するスパン係数を求めるという演算は、トラックスケールの性質をよくよく思慮すると、一種過剰である、と言える。
即ち、トラックスケールにおいては、一般に、計量台の形状は矩形とされる。そして、この矩形の計量台の寸法は、被計量物であるトラックの車輪の配置寸法に合わせて設計される。具体的には、計量台の短辺に沿う方向の寸法、言わば幅寸法は、トラックの左右の車輪間隔に合わせて設計される。一方、計量台の長手方向の寸法、言わば長さ寸法は、トラックの前後の車輪間隔(ホイールベース)に合わせて設計される。ただし、トラックの前後の車輪間隔は、左右の車輪間隔に比べて、車種間での差異が大きいため、様々な車種に対応可能とするべく、計量台の長さ寸法は、幅寸法に比べて、大きな余裕を持って設計される。従って、かかる計量台にトラックが載置される際、計量台の幅方向においては、トラックの載置位置は大きく変わらない、極端に言えば変わりようがないが、計量台の長手方向においては、幅方向に比べて、トラックの載置位置が大きく変わる可能性がある。このように、トラックスケールでは、計量台の長手方向においてのみ被計量物の載置位置が大きく変わる可能性があるので、この点に注目して、スパン変化に対処すれば足りる、と考えられる。つまり、計量台の長手方向においてのみ被計量物の載置位置が変わることを前提として、スパン係数を求め、ひいては誤差補正を行えば十分である。ゆえに、計量台の幅方向を含め当該計量台全体にわたって任意の位置に対応するスパン係数を求めるという上述の従来技術による演算は、一種過剰である。そして、このような過剰な演算を行うことによって、例えば当該演算を担うハードウェアやソフトウェアが大規模化する等の弊害が生じる。
そこで、この発明は、従来よりも簡素な演算によってスパン変化に起因する測定誤差をより正確に補正することができ、しかも事前の調整作業に掛かるコストを低減することができる計量装置を提供することを、目的とする。
かかる目的を達成するために、この発明の計量装置は、計量台と、この計量台を支持すると共に当該計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重を検出する荷重検出手段と、この荷重検出手段の出力値に基づいて被計量物の重量を算出する重量算出手段と、計量台における被計量物の載置位置が最も大きく変動する特定方向に関する当該被計量物の載置位置を検出する位置検出手段と、被計量物の重量および計量台における載置位置に応じて荷重検出手段のスパンが変化することに起因する当該被計量物の重量と重量算出手段による算出重量値との差を当該算出重量値および位置検出手段による検出位置に基づいて補正する補正手段と、を具備するものである。
即ち、この発明において、計量台に被計量物が載置されると、当該被計量物の重量に応じた荷重が荷重検出手段に印加される。そして、この荷重検出手段の出力値に基づいて、重量算出手段が、被計量物の重量を算出する。ここで、計量台に被計量物が載置されることによって、当該計量台に撓みが生じる。そして、この撓み方は、計量台における被計量物の載置位置によって変わる。さらに、この撓み方が変わることによって、荷重検出手段に印加される荷重の方向が変わる。この結果、荷重検出手段の出力値が変わり、いわゆるスパンが変化する。併せて、このスパンは、被計量物の重量によっても変化する。例えば、被計量物の重量が大きいほど、計量台が大きく撓むため、スパンは大きく変化する。一方、被計量物の重量が小さいほど、計量台の撓み量が小さいので、スパンの変化量もまた小さくなる。そして、このように計量台における被計量物の載置位置および当該被計量物の重量に応じて荷重検出手段のスパンが変化することによって、当該荷重検出手段の出力値に基づいて求められる重量算出手段による算出重量値と、被計量物の実際の重量と、の間に差が生じ、言わば測定誤差が生じる。かかる測定誤差を解消するべく、この発明では、さらに位置検出手段および補正手段が設けられている。
具体的には、まず、位置検出手段が、計量台における被計量物の載置位置を検出する。ただし、この発明では、計量台における被計量物の載置位置は、当該計量台の特定方向において最も大きく変動し、それ以外の方向には大きく変動しないことを、前提とする。この前提の下、位置検出手段は、当該特定方向のみに関する被計量物の載置位置を検出し、それ以外の方向については無視する。そして、この位置検出手段による検出位置と、重量算出手段による算出重量値と、に基づいて、補正手段が、上述の測定誤差、つまり計量台における被計量物の載置位置および当該被計量物の重量に応じて荷重検出手段のスパンが変化することに起因する測定誤差、を補正する。これによって、当該測定誤差が適切に補正される。
併せて、この発明では、上述の如く計量台の特定方向においてのみ被計量物の載置位置が変動することを前提として測定誤差が補正され、それ以外の方向については無視されるので、その分、当該測定誤差を補正するための演算が簡素化される。また、この演算のための式を導き出すべく、事前の調整作業も容易になる。即ち、当該演算式を導き出すには、事前の調整作業において、上述した基準分銅のような既知荷重を計量台に印加すると共に、そのときの荷重検出手段の出力値(いわゆる実測値)を得ることが、必要である。この場合、被計量物の載置位置が変動する特定方向においてのみ、当該既知荷重を印加する位置を設定すればよく、それ以外の方向については、そのような位置を設定する必要はない。よって、その分、既知荷重を印加するための労力や時間が省略され、事前の調整作業が容易になる。
なお、この発明における補正手段は、次に説明する導出手段、誤差算出手段および補正実行手段を、含むものであってもよい。即ち、導出手段は、事前の調整作業において、計量台に設定された上述の特定方向に沿う基準線上の互いに異なる複数の特定位置に個別に既知荷重が印加されたときの重量算出手段による算出重量値と、これら各特定位置の位置関係と、に基づいて、当該基準線上の任意の位置に任意の重量の被計量物が載置されたときに予想される測定誤差を推定するための誤差推定式を、導出する。そして、誤差算出手段は、実際の測定作業において、重量算出手段による算出重量値および位置検出手段による検出位置を当該誤差推定式に適用することによって、これら重量算出手段による算出重量値および位置検出手段による検出位置に対応する測定誤差を表す推定誤差を、算出する。さらに、補正実行手段は、この推定誤差に基づいて実際に補正を行い、例えば当該推定誤差を重量算出手段による算出重量値から差し引くことによって補正を行う。
また、この発明では、複数の荷重検出手段を備えてもよい。この場合、重量重量算出手段は、これら複数の荷重検出手段の出力値の合計に基づいて、被計量物の重量を算出するものとする。
そして、このように複数の荷重検出手段を備える場合には、位置検出手段は、これら複数の荷重検出手段の出力値および当該複数の荷重検出手段の相互の位置関係に基づいて、被計量物の載置位置を検出するものとしてもよい。
かかる発明は、被計量物としてトラックの重量を測定するトラックスケールに、特に好適である。
上述したように、この発明によれば、計量台における被計量物の載置位置を検出するための位置検出手段による検出位置と、被計量物の重量を算出するための重量算出手段による算出重量値と、に基づいて、荷重検出手段のスパン変化に起因する測定誤差が補正される。従って、被計量物の載置位置についてのみ考慮され、被計量物の重量については何ら考慮されずに誤差補正が行われる上述の従来技術に比べて、より正確な誤差補正を実現することができる。併せて、この発明では、その用途を、例えばトラックスケールのように、計量台における被計量物の載置位置が特定方向において大きく変わる用途に特化することで、当該特定方向においてのみ被計量物の載置位置が変わるという前提を立て、この前提の下で誤差補正を行う。従って、計量台全体にわたって被計量物の載置位置が変わることを前提として誤差補正を行うという従来技術に比べて、当該誤差補正のための演算が簡素化されると共に、その演算のための式を導き出すべく事前の調整作業が容易になる。つまり、この発明によれば、従来よりも簡素な演算であるにも拘らず、スパン変化に起因する測定誤差をより正確に補正することができ、しかも事前の調整作業に掛かるコストを低減することができる。
この発明の一実施形態について、トラックスケールを例に挙げて説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るトラックスケール10は、例えば地面に設置される計量部20と、当該計量部20を視認できる室内に設置されるデータプロセッサ30と、を備えている。このうち、計量部20は、図示しない被計量物としてのトラックが載置される計量台22と、この計量台22を支持する互いに同一規格の複数の荷重検出手段、例えば4つのディジタル式ロードセル24,24,…と、を備えている。
具体的には、計量台22は、図2に示すような矩形平板である。そして、この計量台22の下方の4隅位置に、各ロードセル24,24,…が配置されている。また、各ロードセル24,24,…には、“LCa”,“LCb”,“LCc”および“LCd”という個別の識別符号が付されている。詳しくは、図2において左下隅に配置されているロードセル24に、“LCa”という識別符号が付されており、左上隅に配置されているロードセル24に、“LCb”という識別符号が付されている。そして、右上隅に配置されているロードセル24に、“LCc”という識別符号が付されており、右下隅に配置されているロードセル24に、“LCd”という識別符号が付されている。なお、これ以降、各ロードセル24,24,…については、これら“LCa”,“LCb”,“LCc”および“LCd”という識別符号を用いて表現する。
図1に戻って、計量台22にトラックが載置されると、当該トラックの重量Wnに応じた荷重が各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdに分散して印加される。すると、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdは、それぞれに印加された荷重の大きさを表すディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWdを出力する。なお、これらのディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWdには、計量台22自体の荷重成分も含まれるが、ここでは、便宜上、当該計量台22自体の荷重成分については、初期荷重として予め除去されているものとする。そして、これらのディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWdは、データプロセッサ30に入力される。
データプロセッサ30は、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdからのディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWdの入力を受け付けるインタフェース回路32を備えている。そして、このインタフェース回路32に入力されたディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWdは、さらにCPU(Central
Processing Unit)34に入力される。CPU34は、インタフェース回路32経由で入力されたディジタル荷重検出信号Wa、Wb,WcおよびWd、換言すれば各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの出力値Wa、Wb,WcおよびWd、に基づいて、トラックの重量Wnを算出し、詳しくは、次の式1に基づいて、重量測定値Wn’を算出する。
《式1》
Wn’=(Wa+Wb+Wc+Wd)・S
この式1において、Sは、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの総合的なスパンを表すスパン係数であり、当該スパン係数Sは、後述する調整モードによる事前の調整作業において設定される。そして、この式1に基づいて重量測定値Wn’を算出した後、CPU34は、さらに、後述する補正後重量値Wn”を算出すると共に、算出した補正後重量値Wn”を、表示手段としての表示器36に表示する。
なお、表示器36は、上述のインタフェース回路32を介して、CPU34に接続されている。また、CPU34には、これに各種命令を入力するための入力手段としての入力器38も、当該インタフェース回路32を介して、接続されている。そして、このCPU34の一連の動作は、記憶手段としてのメモリ回路40に記憶されている制御プログラムによって制御される。
ところで、トラックスケール10においては、計量台22の面積が数[m]と比較的に大きく、併せて被計量物としてのトラックの重量Wnが数[t]程度と比較的に大きいため、トラックが計量台22に載置されたときに、当該計量台22の各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdによる支持部分に撓みが生じる。そして、この撓み方は、計量台22におけるトラックの載置位置によって変わる。さらに、この撓み方が変わることによって、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdに印加される荷重の方向が変わる。この結果、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの出力値Wa、Wb,WcおよびWdが変わり、つまり当該各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdのスパンが変化する。これは、上述の式1におけるスパン係数Sが変化することを意味する。しかも、このスパン係数Sは、トラックの重量Wnによっても変化する。例えば、トラックの重量Wnが大きいほど、計量台22が大きく撓むため、スパン係数Sは大きく変化する。一方、トラックの重量Wnが小さいほど、計量台22の撓み量が小さいので、スパン係数Sの変化量もまた小さくなる。そして、このようにスパン係数Sが変化することによって、式1に基づいて算出された重量測定値Wn’と実際のトラックの重量Wnとの間に差が生じ、言わば測定誤差が生じる。
そこで、この実施形態のトラックスケール10では、かかるスパン係数Sの変化に起因する測定誤差を補正するべく、次のような工夫が施されている。
即ち、図3を参照して、計量台22における各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの配置関係について改めて説明すると、当該計量台22の一方側の短辺、例えば図3において左側の短辺、に沿って配置されている2つのロードセルLCaおよびLCbは、当該短辺を二等分しかつ計量台22の長手方向(図3において左右方向)に沿って延伸する第1の中心線L1を対称軸として、互いに線対称の位置関係にある。そして、計量台22の他方側の短辺、つまり図3において右側の短辺、に沿って配置されている2つのロードセルLCcおよびLCdもまた、当該第1の中心線L1を対称軸として、互いに線対称の位置関係にある。さらに、計量台22の一方側の長辺、例えば図3において下側の長辺、に沿って配置されている2つのロードセルLCaおよびLCd間では、当該長辺を二等分しかつ計量台22の短辺と平行を成して延伸する第2の中心線L2を対称軸として、互いに線対称の位置関係にある。そして、計量台22の他方側の長辺、つまり図3において上側の長辺、に沿って配置されている2つのロードセルLCbおよびLCc間でも、当該第2の中心線L2を対称軸として、互いに線対称の位置関係にある。なお、第1の中心線L1と第2の中心線L2との交点、つまり計量台22の中心Oは、当該計量台22の後述する基準位置Oとされる。
この計量台22に対して、トラックは、図3に白抜きの矢印100で示すように、当該計量台22の一方側の短辺、例えばロードセルLCaおよびLCbが配置されている側(図3において左側)の短辺、から、前進運転または後進運転にて乗り入れられ、載置される。このため、計量台22の形状は、上述の如く矩形とされており、詳しくはトラックの前後方向に長手方向を合わせた矩形とされている。そして、計量台22の寸法は、トラックの車輪の配置寸法に合わせて次のように設計されている。
例えば、計量台22の長手方向の寸法、厳密には当該長手方向に沿って配置された2つのロードセルLCaおよびLCd間(またはLCbおよびLCc間)の寸法Aは、図4に示すトラックの前後の車輪間隔A’に合わせて設計されており、詳しくは当該前後の車輪間隔A’よりも少し大きめに設計されている。一方、図3において計量台22の短辺に沿う方向の寸法、厳密には当該短辺に沿って配置された2つのロードセルLCaおよびLCb間(またはLCcおよびLCd間)の寸法Bは、図4に示すトラックの左右の車輪間隔B’に合わせて設計されおり、詳しくは当該左右の車輪間隔B’よりも少し大きめに設計されている。ただし、トラックの前後の車輪間隔A’は、左右の車輪間隔B’に比べて、車種間での差異が大きいため、様々な車種に対応可能とするべく、計量台22の長手方向の寸法、言わば長さ寸法Aは、当該計量台22の短辺に沿う方向の寸法、言わば幅寸法Bに比べて、大きな余裕を持って設計されている。
このように計量台22の長さ寸法Aは幅寸法Bに比べて余裕を持って設計されているので、かかる計量台22に対して上述した要領でトラックが乗り入れられる際には、当該計量台22の幅方向(短辺に沿う方向)においては、トラックの載置位置は大きく変わらない、換言すれば変わりようがないが、計量台22の長さ方向(長手方向)においては、幅方向に比べて、トラックの載置位置が大きく変わる可能性がある。この点に注目すると、計量台22におけるトラックの載置位置は、当該計量台22の長さ方向においてのみ変わり、それ以外の方向には変わらない、という前提を立てることができる。別の言い方をすれば、図4に示すように、トラックの重心Gが概ね当該トラックの中心線(詳しくはトラックの左右の車輪間隔B’を二等分しかつ当該トラックの前後方向に沿って延伸する中心線)L0上にある、とすると、当該トラックの重心Gはまた計量台22の第1の中心線L1上にある、という前提を立てることができる。
この前提の下、計量台22の上面(載置面)に、図5に示すような1次元座標系が設定される。具体的には、トラックの乗り入れ側(図5において左側)に配置された2つのロードセルLCaおよびLCbを結ぶ線分と、第1の中心線L1と、の交点Zに、原点が設定される。そして、この原点Zを通り、かつ第1の中心線L1に沿って延伸するように、基準線としてのx軸が設定される。なお、このx軸は、計量台22の中心である基準位置Oをも通ることになる。
さらに、x軸上における原点Zと基準位置Oとの中間点Pに、代表位置が設定される。そして、基準位置Oを挟んで原点Zと反対側にある点、言わば当該原点Zと共役関係にある点Z’と、基準位置Oと、の中間点Qにも、代表位置が設定される。つまり、原点Zから共役点Z’に向かって、x軸上に、代表位置P,基準位置Oおよび代表位置Qが、この順番で等間隔に設定される。
ここで、基準位置Oにおけるx軸の値をxoとし、この値xoを、計量台22の長さ寸法Aを用いて表すと、xo=A/2となる。そして、原点Zに近い側の代表位置Pにおけるx軸の値をxpとすると、xp=A/4となる。さらに、原点Zから遠い側の代表位置Qにおけるx軸の値をxqとすると、xq={3/4}・Aとなる。なお、原点Zにおけるx軸の値は、言うまでもなくx=0であり、共役点Z’におけるx軸の値は、x=Aとなる。
このようにして計量台22にx軸を含む1次元座標系が設定されると共に、当該x軸上に基準位置Oと2つの代表位置PおよびQとが設定された上で、上述した入力器38の操作によって調整モードが選択され、調整作業が行われる。
この調整作業においては、まず、最初に、上述したスパン係数Sを設定するべく、既知重量Mの基準分銅が、計量台22の基準位置Oに載置される。なお、基準分銅の重量Mは、トラックスケール10の秤量にもよるが、例えば当該秤量の半分程度とされ、詳しくは5[t]〜20[t]の範囲で適宜決定される。そして、かかる基準分銅が基準位置Oに載置された状態で、上述の式1に基づいて求められる重量測定値Wn’が基準分銅の重量Mと等価になるように、つまり次の式2が成立するように、スパン係数Sが設定される。
《式2》
Wn’=(Wa+Wb+Wc+Wd)・S=M
この式2に基づいて設定されたスパン係数Sは、メモリ回路40に記憶される。
続いて、基準分銅が、基準位置Oから代表位置Pに移される。そして、この代表位置Pに基準分銅が載置されている状態で、上述の式1に基づいて重量測定値Wn’が算出される。なお、これ以降、当該式1に基づく重量測定値Wn’の算出には、上述の式2に基づいて設定されたスパン係数Sが適用される。そして、この式1に基づいて算出された重量測定値Wn’は、代表位置Pに基準分銅が載置されているときの測定値Mpとして、メモリ回路40に記憶される。
ここで、この代表位置Pに基準分銅が載置されているときの重量測定値Mpと、基準位置Oに当該基準分銅が載置されているときの重量測定値Mとは、等価ではなく、これら両者の間には、次の式3で表される誤差Epが生じる。
《式3》
Ep=Mp−M
これは、基準分銅が基準位置Oから代表位置Pに移されることによって、計量台22の撓み方が変わり、ひいては式1におけるスパン係数Sが変化するからである。つまり、基準分銅の載置位置が基準位置Oから代表位置Pに変わることによって、式1に基づいて求められる重量測定値Wn’に、式3で表される測定誤差Epが生じることになる。
さらにここで、x軸上の代表位置Pから基準位置Oまでの間の任意の位置に基準分銅が載置されたときの測定誤差をEpo(x)とし、この測定誤差Epo(x)が、当該x軸上における基準分銅の載置位置の変化に対して略直線的(略比例的)に変化する、と仮定する。すると、この測定誤差Epo(x)は、次の式4で表される。
《式4》
Epo(x)={(Mp−M)/(xp−xo)}・x−{(Mp−M)・xo/(xp−xo)}
={(Mp−M)/(xp−xo)}・(x−xo)
そしてさらに、基準分銅に代えて、任意の重量Wnのトラックが、x軸上の代表位置Pから基準位置Oまでの間の任意の位置に載置される、と仮定し、このときの測定誤差Epo(x,Wn)が、当該トラックの重量Wnと略比例関係を示す、とする。すると、この測定誤差Epo(x,Wn)は、次の式5で表される。
《式5》
Epo(x,Wn)=Epo(x)・(Wn/M)
つまり、この式5によれば、任意の重量Wnのトラックがx軸上の代表位置Pから基準位置Oまでの間の任意の位置に載置されているときに予想される測定誤差Epo(x,Wn)を、求めることができる。
ただし、この式5に含まれる重量Wnは、未知数であるため、現実には、当該式5によって真の測定誤差Epo(x,Wn)を求めることはできない。そこで、この式5に含まれる真の重量Wnに代えて、上述の式1で求められる重量測定値Wn’を適用する。これによって、次の式6が導き出される。
《式6》
Epo(x,Wn’)=Epo(x)・(Wn’/M)≒Epo(x,Wn)
このようにして導き出された式6、言わば測定誤差Epo(x,Wn)を推定するための誤差推定式は、メモリ回路40に記憶される。
次いで、今度は、代表位置Pに載置されていた基準分銅が、別の代表位置Qに移される。そして、この状態で、上述の式1に基づいて重量測定値Wn’が算出され、算出された重量測定値Wn’は、代表位置Qに基準分銅が載置されているときの測定値Mqとして、メモリ回路40に記憶される。なお、このように別の代表位置Qに基準分銅が載置されているときも、代表位置Pに当該基準分銅が載置されているときと同様に、次の式7で表される測定誤差Eqが生じる。
《式7》
Eq=Mq−M
ここで、x軸上の基準位置Oから代表位置までの間の任意の位置に基準分銅が載置されたときの測定誤差をEoq(x)とする。そして、この測定誤差Eoq(x)もまた、上述の式4で表される測定誤差Epo(x)と同様に、x軸上における基準分銅の載置位置の変化に対して略比例的に変化する、と仮定する。すると、この測定誤差Eoq(x)は、次の式8で表される。
《式8》
Eoq(x)={−(Mq−M)/(xo−xq)}・x+{(Mq−M)・xo/(xo−xq)}
={(Mq−M)/(xo−xq)}・(xo−x)
さらにここで、基準分銅に代えて、任意の重量Wnのトラックが、x軸上の基準位置Oから代表位置Qまでの間の任意の位置に載置される、と仮定し、このときの測定誤差Eoq(x,Wn)が、当該トラックの重量Wnと略比例関係を示す、とする。すると、この測定誤差Eoq(x,Wn)は、次の式9で表される。
《式9》
Eoq(x,Wn)=Eoq(x)・(Wn/M)
そして、この式9に含まれる真の重量Wnに代えて、上述の式1で求められる重量測定値Wn’を適用することによって、次の式10で表される誤差推定式が、導き出される。
《式10》
Eoq(x,Wn’)=Eoq(x)・(Wn’/M)≒Eoq(x,Wn)
この式10で表される誤差推定式もまた、メモリ回路40に記憶される。
これで、調整モードによる一連の調整作業が終了し、実際の測定作業が可能となる。なお、調整作業の終了後は、計量台22から基準分銅が降ろされる。
実際の測定作業に入るには、まず、入力器24の操作によって稼働モードが選択される。そして、図3に示した要領で、計量台22にトラックが乗り入れられ、載置される。すると、上述したように、トラックの重量Wnに応じた荷重が、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdに分散して印加される。そして、これら各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの出力値Wa,Wb,WcおよびWdを含む上述の式1に基づいて、トラックの重量測定値Wn’が求められる。
これと併せて、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの出力値Wa,Wb,WcおよびWdと、当該各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdの相互の位置関係と、に基づいて、計量台22におけるトラックの載置位置が検出される。具体的には、次の式11に基づいて、上述したx軸上におけるトラックの重心Gの座標xが求められる。
《式11》
x={(Wc+Wd)/(Wa+Wb+Wc+Wd)}・A
このようにしてトラックの重心Gの座標xが検出された後、さらに、この座標xが計量台22の基準位置Oよりも乗り入れ側(つまりロードセルLCaおよびLCb側)にあるのか、それとも降車側(つまりロードセルLCcおよびLCd側)にあるのかが、判定される。ここで、例えば、当該座標xが計量台22の基準位置Oよりも乗り入れ側にある場合、詳しくはx<A/2の場合は、上述した式6の誤差推定式に基づいて、測定誤差Epo(x,Wn)が推定され、言わば推定誤差Epo(x,Wn’)が算出される。ただし、座標xが乗り入れ側の代表位置Pよりもさらに当該乗り入れ側にある場合、つまりx<A/4の場合は、当該座標xにA/4が代入された上で、推定誤差Epo(x,Wn’)が算出される。そして、算出された推定誤差Epo(x,Wn’)を、上述の式1によって求められた重量測定値Wn’から差し引くことで、つまり次の式12に基づいて、当該推定誤差Epo(x,Wn’)分が補正された補正後重量値Wn”が求められる。
《式12》
Wn”=Wn’−Epo(x,Wn’)
なお、この式12の右辺に含まれる推定誤差Epo(x,Wn’)は、重量測定値Wn’に基づいて求められたものであり、つまり測定誤差Epo(x,Wn)成分を含む。従って、かかる測定誤差Epo(x,Wn)成分を含む式12に基づいて求められた補正後重量値Wn”は、真の重量Wnとは一致せず、これら両者Wn”およびWnの間には、次の式13で表される誤差ΔEpoが生じる。
《式13》
ΔEpo=Wn”−Wn=Epo(x,Wn)−Epo(x,Wn’)
しかしながら、測定誤差Epo(x,Wn)は、重量測定値Wn’に比べて極めて小さく、例えば最大でも当該重量測定値Wn’の0.05[%]程度である。従って、かかる極小の測定誤差Epo(x,Wn)成分を含む重量測定値Wn’に基づいて求められた推定誤差Epo(x,Wn’)と、真の測定誤差Epo(x,Wn)と、の差、つまり式13で表される誤差ΔEpoは、さらに小さくなる。ゆえに、式12に基づいて求められる補正後重量値Wn”によっても、十分に実用的な測定精度を得ることができ、例えば真の重量Wnに対する誤差ΔEpoの割合が±0.01[%]以下という高い測定精度を得ることができる。
一方、上述の式11に基づいて検出された座標xが、計量台22の基準位置Oにあるか、若しくは当該基準位置Oよりも降車側にある場合、つまりx≧A/2の場合は、上述した式10の誤差推定式に基づいて、測定誤差Eoq(x,Wn)が推定され、つまり推定誤差Eoq(x,Wn’)が算出される。ただし、座標xが降車側の代表位置Qよりもさらに当該降車側にある場合、つまりx>{3・4}・Aの場合は、当該座標xに{3・4}・Aが代入された上で、推定誤差Eoq(x,Wn’)が算出される。そして、算出された推定誤差Eoq(x,Wn’)を、式1によって求められた重量測定値Wn’から差し引くことで、つまり次の式14に基づいて、当該推定誤差Eoq(x,Wn’)分が補正された補正後重量値Wn”が求められる。
《式14》
Wn”=Wn’−Eoq(x,Wn’)
なお、この式14に基づいて求められる補正後重量値Wn”もまた、上述の式13と同様、次の式15で表される誤差ΔEoqを含むが、この誤差ΔEoqは極めて小さいので、十分な測定精度を得ることができる。
《式15》
ΔEoq=Wn”−Wn=Eoq(x,Wn)−Eoq(x,Wn’)
そして、このようにして式12または式14に基づいて求められた補正後重量値Wn”は、上述したように表示器36に表示される。
次に、図6を参照しながら、上述した調整モードによる調整作業の手順について、改めて説明する。
まず、最初のステップS1として、計量台22の基準位置Oに基準分銅が載置される。そして、この状態で、スパン調整が行われ、つまり上述の式2が成立するようにスパン係数Sが設定される。そして、設定されたスパン係数Sは、メモリ回路40に記憶される。
続いて、ステップS3において、基準位置Oに載置されている基準分銅が、代表位置Pに移される。そして、この状態で、重量測定が行われ、つまり上述の式1に基づいて重量測定値Wn’が算出される。そして、算出された重量測定値Wn’は、代表位置Pに基準分銅が載置されているときの測定値Maとして、メモリ回路40に記憶される。
さらに、続くステップS5において、上述した式6、つまりトラックの重心Gが代表位置Pから基準位置Oまでの間の任意の位置にあるときの測定誤差Epo(x,Wn)を推定するための誤差推定式が、導き出される。そして、導き出された誤差推定式は、メモリ回路40に記憶される。
このステップS5の実行後、次のステップS7において、代表位置Pに載置されている基準分銅が、別の代表位置Qに移される。そして、この状態で、重量測定が行われ、つまり式1に基づいて重量測定値Wn’が算出される。そして、算出された重量測定値Wn’は、代表位置Qに基準分銅が載置されているときの測定値Mqとして、メモリ回路40に記憶される。
次いで、ステップS9において、上述した式10、つまりトラックの重心Gが基準位置Oから代表位置Qまでの間の任意の位置にあるときの測定誤差Eoq(x,Wn)を推定するための誤差推定式が、導き出される。そして、導き出された誤差推定式は、メモリ回路40に記憶される。
このステップS9の実行をもって、一連の調整作業が終了する。そして、この調整作業の終了後、計量台12から基準分銅が取り除かれる。
続いて、図7を参照して、稼働モードにおけるCPU34の動作について、説明する。
即ち、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdからそれぞれの出力値Wa,Wb,WcおよびWdを取得するタイミングが到来すると、CPU34は、ステップS11に進み、当該出力値Wa,Wb,WcおよびWdを取得する。なお、これらの出力値Wa,Wb,WcおよびWdの取得タイミングは、各ロードセルLCa,LCb,LCcおよびLCdのサンプリング周期に合わせて到来し、例えば1[ms]周期で到来する。
そして、CPU34は、ステップS13に進み、上述した式1に基づいてトラックの重量測定値Wn’を算出した後、さらに、ステップS15に進み、上述の式11に基づいて、当該トラックの重心Gの座標xを求める。そして、ステップS17において、このトラックの重心Gの座標xが乗り入れ側の代表位置Pよりもさらに当該乗り入れ側にあるか否か、つまりx<A/4であるか否か、を判定する。
ここで、例えば、トラックの重心Gの座標xが代表位置Pよりも乗り入れ側にある場合、つまりx<A/4である場合、CPU34は、ステップS19に進む。そして、このステップS19において、当該座標xにA/4を代入した後、ステップS21に進む。
ステップS21において、CPU34は、上述した式6に基づいて、測定誤差Epo(x,Wn)を推定し、つまり推定誤差Epo(x,Wn’)を算出する。さらに、ステップS23に進み、上述した式12に基づいて、補正後重量値Wn”を算出する。そして、続くステップS25において、当該補正後重量値Wn”を表示器36に表示した後、一旦、この図7のフローチャートで示されるタスクを終了する。
一方、上述のステップS17において、トラックの重心Gの座標xが代表位置Pから降車側にあると判定した場合、つまりx≧A/4である場合、CPU34は、ステップS27に進む。そして、このステップS27において、さらに当該座標xが基準位置Oよりも乗り入れ側にあるか否か、つまりx<A/2であるか否か、を判定する。
ここで、トラックの重心Gの座標xが基準位置Oよりも乗り入れ側にある場合、つまりx<A/2である場合、CPU34は、上述のステップS21に進む。これに対して、当該座標xが基準位置Oから降車側にある場合、つまりx≧A/2である場合は、ステップS29に進む。
ステップS29において、CPU34は、トラックの重心Gの座標xが降車側の代表位置Qを含め当該代表位置Qから乗り入れ側にあるか否か、つまりx≦{3/4}・Aであるか否か、を判定する。そして、例えば、当該座標xが代表位置Qから乗り入れ側にある場合、つまりx≦{3/4}・Aである場合は、ステップS31に進む。
ステップS31において、CPU34は、上述した式10に基づいて、測定誤差Eoq(x,Wn)を推定し、つまり推定誤差Eoq(x,Wn’)を算出する。そして、ステップS33に進み、上述した式14に基づいて、補正後重量値Wn”を算出した後、ステップS25に進む。
一方、ステップS29において、トラックの重心Gの座標xが代表位置Qよりも降車側にある場合、つまりx>{3/4}・Aである場合、CPU34は、ステップS35に進む。そして、このステップS35において、当該座標xに{3/4}・Aを代入した後、ステップS31に進む。
以上のように、この実施形態のトラックスケール10によれば、計量台22におけるトラックの載置位置に起因するスパン変化のみならず、当該トラックの重量Wnに起因するスパン変化をも考慮して誤差補正が行われる。従って、被計量物の載置位置についてのみ考慮され、被計量物の重量については何ら考慮されずに誤差補正が行われる上述の従来技術に比べて、より正確な誤差補正を実現することができる。
併せて、この実施形態では、計量台22の長手方向においてのみトラックの載置位置が大きく変動するというトラックスケール10の性質に着目して、当該計量台22の長手方向に沿って設定されたx軸上にトラックの重心Gが位置するという前提を立て、この前提の下、誤差補正が行われる。詳しくは、x軸上に、基準位置Oと2つの代表位置PおよびQとが設定される。そして、事前の調整作業において、これら3箇所に個別に基準分銅が載置され、そのときに得られる重量測定値M,MpおよびMqに基づいて、上述した式6および式10で表される2つの誤差推定式が導き出される。これに対して、従来技術では、計量台全体にわたって被計量物の載置位置が変わることを前提としているがために、計量台に9つもの代表位置が言わば2次元的に設定される。そして、事前の調整作業において、これら9の代表位置に個別に基準分銅が載置され、このときに得られるロードセルの出力値に基づいて、それぞれの代表位置ごとのスパン係数、つまり9つのスパン係数、が求められ、さらに、これら9つのスパン係数に基づいて、計量台の任意の位置に対応するスパン係数を推定するための推定式が求められる。このことから明らかなように、この実施形態によれば、従来技術に比べて、事前の調整作業で基準分銅を積み降ろしする手間が大幅に軽減されると共に、誤差補正を実現するための演算も簡素化される。
即ち、この実施形態によれば、従来よりも簡素な演算であるにも拘らず、スパン変化に起因する測定誤差をより正確に補正することができ、しかも事前の調整作業に掛かるコストを大幅に低減することができる。
なお、この実施形態においては、荷重検出手段として、ディジタル式のロードセルLCa、LCb,LCcおよびLCdを採用したが、これに代えて、アナログ式のロードセルを採用してもよい。ただし、この場合は、ロードセルから出力されるアナログ荷重検出信号をディジタル荷重検出信号に変換するための変換回路が、必要になる。
また、各ロードセルLCa、LCb,LCcおよびLCdを計量台22の4隅に配置したが、これ以外の場所に適宜配置してもよい。さらに、ロードセルLCa、LCb,LCcおよびLCdの数は、4つに限らず、これ以外の複数としてもよいし、極端には1つであってもよい。
そして、上述した式11に基づいて、計量台22におけるトラックの重心Gの座標xを検出したが、これに代えて、次の式16に基づいて当該座標xを検出してもよい。
《式16》
x={1−(Wa+Wb)/(Wa+Wb+Wc+Wd)}・A
さらに、この式16と上述した式11と平均によって、当該座標xを検出してもよい。
また、これら式11および式16に基づくのではなく、つまり各ロードセルLCa、LCb,LCcおよびLCdの出力値Wa,Wb、WcおよびWdと当該各ロードセルLCa、LCb,LCcおよびLC4の相互の位置関係とに基づくのではなく、光センサ等の別の位置検出手段によって、トラックの重心Gの座標xを検出してもよい。ただし、かかる別の位置検出手段を設けることによって、その分、トラックスケール10全体の構成が複雑化し、かつ高コスト化することは、言うまでもない。
そしてさらに、この実施形態においては、上述の式5および式9で表される測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)が、トラックの重量Wnと略比例関係にあると仮定したが、計量台22の構造によっては、当該トラックの重量Wnに対して指数関数的に、例えば2乗で、変化する場合がある。このような場合は、上述した式6および式10の誤差推定式に代えて、次の式17および式18に基づいて、当該測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)を推定するのが、望ましい。
《式17》
Epo(x,Wn’)=Epo(x)・(Wn’/M)
《式18》
Eoq(x,Wn’)=Eoq(x)・(Wn’/M)
さらにまた、Wn’/M=rと置き、この言わば重量比rがトラックの重量Wnに対してどのように変化するのかを解析し、その解析結果を誤差推定式に適用してもよい。具体的には、事前の調整作業において、上述した各代表位置PおよびQのそれぞれに載置される基準分銅の重量Mをいくつか変更しながら、当該各代表位置PおよびQのそれぞれにおける重量比rの変化を調べる。そして、公知の最小自乗法またはその他の方法によって、当該各代表位置PおよびQのそれぞれにおける重量比rの変化を、fp(r)およびfq(r)という関数で表す。そして、この関数fp(r)およびfq(r)がそれぞれ適用された次の式19および式20に基づいて、測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)を推定してもよい。
《式17》
Epo(x,Wn’)=Epo(x)・fp(r)
《式18》
Eoq(x,Wn’)=Eoq(x)・fq(r)
なお、上述の如く基準分銅の重量Mをいくつか変更することによって、当該基準分銅を積み降ろしする手間が増えるのではないかと、懸念される。しかしながら、上述したように基準分銅の重量Mは数[t]程度もあるので、かかる重量Mが数[t]程度もある基準分銅が一遍に積み降ろされることはなく、通常は、何回かに分けて積み降ろしが行われる。従って、この積み降ろしの過程で上述の重量比rの変化を解析することができるので、当該解析のために余分な手間が増えることはない。
また、この実施形態においては、測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)が、トラックの重心Gの座標xの変化に対して略比例的に変化すると仮定したが、計量台22の構造によっては、当該トラックの重量Wnに対して指数関数的に、例えば2次的に、変化する場合がある。このような場合は、当該測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)を2次方程式で表してもよい。特に、代表位置PおよびQに加えて、さらに多くの代表位置を設定すると共に、これら各代表位置における測定誤差を解析すれば、より正確な誤差補正を実現することができる。
さらに、測定誤差Epo(x,Wn)およびEoq(x,Wn)という誤差の値そのものではなく、例えば真の重量Wnに対する当該誤差の比率、言わば誤差率を求め、この誤差率に基づいて補正を行ってもよい。具体的には、上述した式3および式7に代えて、それぞれの代表位置PおよびQに基準分銅が載置されているときの誤差率を、Mp/MおよびMq/Mから求める。そして、この誤差率に基づいて、上述したx軸上の任意の位置に任意の重量Wnのトラックが載置されているときに予想される誤差率を推定するための誤差率推定式を導き出し、この誤差率推定式に基づいて求められた誤差率を重量測定値Wn’に乗ずることによって、補正後重量値Wn”を求める、つまり補正を行ってもよい。
この実施形態では、トラックスケール10を例に挙げて説明したが、トラックスケール10以外の計量装置にもこの発明を適用できることは、言うまでもない。
この発明の一実施形態に係るトラックスケールの概略構成を示すブロック図である。 同実施形態における計量部の平面図である。 同計量部を構成する計量台および各ロードセルの位置関係を示す図解図である。 同実施形態における被計量物としてのトラックを下方から見た図解図である。 同実施形態における誤差補正の原理を説明するための図解図である。 同実施形態における調整モードでの作業手順を示すフローチャートである。 同実施形態における稼働モードでのCPUの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 トラックスケール
20 計量部
22 計量台
24 ロードセル
30 データプロセッサ
34 CPU

Claims (5)

  1. 計量台と、
    上記計量台を支持すると共に該計量台に被計量物が載置されることによって印加される荷重を検出する荷重検出手段と、
    上記荷重検出手段の出力値に基づいて上記被計量物の重量を算出する重量算出手段と、
    上記計量台における上記被計量物の載置位置が最も大きく変動する特定方向に関する該被計量物の載置位置を検出する位置検出手段と、
    上記被計量物の重量および上記計量台における載置位置に応じて上記荷重検出手段のスパンが変化することに起因する該被計量物の重量と上記重量算出手段による算出重量値との差を該算出重量値および上記位置検出手段による検出位置に基づいて補正する補正手段と、
    を具備する、計量装置。
  2. 上記補正手段は、
    上記計量台に設定された上記特定方向に沿う基準線上の互いに異なる複数の特定位置に個別に既知荷重が印加されたときの上記重量算出手段による算出重量値、および該複数の特定位置の位置関係、に基づいて、該基準線上の任意の位置に任意の重量の上記被計量物が載置されたときに予想される上記差を推定するための誤差推定式を導出する導出手段と、
    上記重量算出手段による算出重量値および上記位置検出手段による検出位置を上記誤差推定式に適用することによって該算出重量値および該検出位置に対応する上記差を表す推定誤差を算出する誤差算出手段と、
    上記推定誤差に基づいて補正を行う補正実行手段と、
    を含む、請求項1に記載の計量装置。
  3. 複数の上記荷重検出手段を備え、
    上記重量算出手段は上記複数の荷重検出手段の出力値の合計に基づいて算出を行う、
    請求項1または2に記載の計量装置。
  4. 上記位置検出手段は上記複数の荷重検出手段の出力値および該複数の荷重検出手段の位置関係に基づいて検出を行う、
    請求項3に記載の計量装置。
  5. 上記被計量物はトラックを含む車両である、請求項1ないし4のいずれかに記載の計量装置。
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