JP2710116B2 - 有機ケイ素組成物 - Google Patents

有機ケイ素組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プラスチック、特に屈折率1.55以上の高屈
折率樹脂や金属等の成形品表面のコーテイング剤として
好適に用いられ、耐擦傷性,耐摩耗性,染色性および透
明性に優れ、かつ密着性が良好で反射による干渉色の生
じない被膜を形成するコーテイング剤として好適に使用
し得る有機ケイ素組成物に関する。
(従来技術) 一般にプラスチック成形品やアルミニウム,亜鉛など
の金属成形品は表面硬度が低いために傷つきやすい,摩
耗しやすいなどの欠点を有する。そこで、これらの欠点
を改良する目的でプラスチック製レンズの表面には、ア
ルキルトリアルコキシシラン或いは、これにテトラアル
コキシシランやコロイドシリカを混合したシリコーン系
のコーテイング組成物を加水分解後、これを加熱硬化さ
せて被膜が形成されている。
上記のシリコーン系のコーテイング組成物をジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート樹脂のような比較
的屈折率が低い基材に適用した場合には外観上干渉色が
認められるようなことはなく良好である。しかしなが
ら、屈折率が1.55以上の高屈折率樹脂よりなる基材に適
用した場合には、干渉色が認められるという大きな問題
があった。
(発明が解決しようとする課題) 上記の問題を解決するために、最近では高屈折率の無
機金属酸化物を成分とするコーテイング用組成物が提案
されている(特開昭60−221702号公報)。
しかしながら、上記のコーテイング用組成物は塗液の
安定性が十分ではなく、液中に分散させた無機金属酸化
物が安定性を失って凝集して沈殿したり又、得られるコ
ート膜が白化又は黄変し、更には塗液自体のポットライ
フも短く、十分に満足できるものではなかった。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは、プラスチック成形品、特に高
屈折率樹脂の表面にコーテイングした場合にも干渉色が
生じることなく、形成されたコート膜の白化やはく離等
の問題もなく又、耐擦傷性,耐摩耗性,耐熱水性,耐候
性及び塗液の安定性に優れたコーテイング用組成物を開
発することを目的として鋭意研究を行なってきた。
その結果、周期律表第IV族より選ばれる金属元素のオ
キシハロゲン化物を特定の割合で部分的に加水分解した
部分加水分解物を用いることにより上記の目的を達成す
ることに成功し、本発明を提案するに至った。
即ち、本発明は、 (A) 有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解
物 及び (B) 周期律表第IV族に属する金属から選ばれた少く
とも1種のオキシハロゲン化物の加水分解率が20〜80%
である部分加水分解物 とよりなり、(A)を加水分解生成物に換算した量で10
0重量部に対して(B)を酸化物に換算した量で15〜200
重量部配合したことを特徴とする有機ケイ素組成物であ
る。
本発明において、(A)の有機ケイ素化合物は、加水
分解により重縮合する公知の有機ケイ素化合物が何ら制
限なく採用される。特にプラスチック成形品をはじめと
する基材表面に耐擦傷性及び耐摩耗性を与え、染色性に
優れたコート膜を密着性良く形成するためには、例え
ば、下記式〔I〕 で示されるシラン化合物;または下記式〔II〕 で示されるジシラン化合物が好適に用いられる。
上記の一般式〔I〕中、R1で示される炭化水素基は、
メタクリロイルオキシ基,アクリロイルオキシ基,メル
カプト基,エポキシアルキルオキシ基 但し、iは0以上の整数である。),アミノ基で置換さ
れた炭化水素基である。該炭化水素基としては、直鎖ア
ルキル基,環状アルキル基,アリール基であることが一
般的である。炭化水素基の炭素数は特に制限されない
が、得られる有機ケイ素組成物をコーテイング剤として
用いたときの耐擦傷性及び耐摩耗性の点から、炭素数は
1〜7の範囲であることが好ましい。また、上記の一般
式〔I〕及び〔II〕中、R1,R2,R3,R4,R5,R6及びR7で示
されるアルキル基の炭素数は、特に制限されるものでは
ないが、上記のR1で示される炭化水素基の炭素数の説明
における理由と同様の理由により1〜4の範囲であるこ
とが好ましい。さらに、上記の一般式〔I〕及び〔II〕
中、R3,R4及びR5で示されるアルコキシアルキル基の炭
素数も特に制限されるものではないが、上記のR1の説明
と同様の理由により特に2〜6の範囲であることが好ま
しい。また、R1で示されるアリール基としては、フエニ
ル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,ナフチル基
等の炭素数6〜10のアリール基が好適である。さらに、
一般式〔II〕中、Aで示される2価の有機基としては、
何ら制限されないが、直鎖状に結合した原子の数が4個
以上、好ましくは7個以上の2価の有機基が好ましく、
さらには、カーボネート基 を有する2価の有機基がより好ましい。Aとして好まし
く採用される2価の有機基を一般式で表わすと次のとお
りである。
上記の一般式で示される2価の有機基の具体例をあげ
ると次のとおりである。
前記一般式〔I〕で示されるシラン化合物の代表的な
ものを具体的に例示すれば、例えばメチルトリメトキシ
シラン,ジメチルジメトキシシラン,メチルトリエトキ
シシラン,エチルトリメトキシシラン,フエニルトリメ
トキシシラン,エチルトリエトキシシラン,ビニルトリ
メトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−グリ
シドキシプロピルトリメチトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン,γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエト
キシシラン,テトラプロポキシシラン,テトラブトキシ
シラン等が挙げられる。
さらに、前記一般式〔II〕で示されるジシラン化合物
の代表例を具体的に例示すると次のとおりである。
などである。
これらの有機ケイ素化合物は、夫々単独で用いること
もできるが、得られる有機ケイ素組成物をコーテイング
剤として用いる場合には、耐擦傷性及び耐摩耗性を良好
に保持するために、前記一般式〔II〕で示されるジシラ
ン化合物を有機ケイ素化合物全体に占める割合で10〜10
0重量%の範囲で使用し、残部に前記一般式〔I〕で示
されるシラン化合物を用いることが好ましい。
前記した有機ケイ素化合物はそのままでも十分に使用
可能であるが、一般には部分的に加水分解した部分加水
分解物を用いることが好ましい。有機ケイ素化合物の加
水分解は、塩酸,硫酸などの無機酸や蟻酸,酢酸などの
有機酸を含む弱酸性水溶液と有機ケイ素化合物とを混合
することによって行なわれる。
本発明の有機ケイ素組成物の他方の成分は、周期律表
第IV族に属する金属から選ばれた少くとも1種のオキシ
ハロゲン化物の加水分解率が20〜80%の部分加水分解物
である。
周期律表第IV族に属する金属のオキシハロゲン化物と
しては、公知の化合物が何ら制限なく採用される。例え
ば、オキシ塩化スズ,オキシ塩化ゲルマニウム,オキシ
塩化ハフニウム,オキシ塩化ジルコニウム,オキシ臭化
ジルコニウム及びオキシヨウ化ジルコニウム等が挙げら
れる。
上記のオキシハロゲン化物の加水分解率は、オキシハ
ロゲン化物に含有されるハロゲン原子が加水分解によっ
て水酸基に置き換えられた割合を示す。
本発明においては、周期律表第IV族に属する金属のオ
キシハロゲン化物の加水分解率が20〜80%という範囲に
おいてのみ本発明の有機ケイ素組成物はコーテイング剤
として優れた性質を発揮する。加水分解率が上記の範囲
よりも小さい場合にはオキシハロゲン化物の加水分解の
程度が低く、本発明の有機ケイ素組成物をコーテイング
剤として用いた場合に得られる被膜が白化したり剥離し
たりするために好ましくない。また、逆に加水分解率が
上記の範囲より多い場合にはオキシハロゲン化物の加水
分解が進み過ぎ、本発明の有機ケイ素組成物の保存中に
加水分解による生成物が安定性を失って凝集し、沈澱す
るために好ましくない。オキシハロゲン化物の加水分解
率は上記の範囲であれば本発明の効果は得られるが、さ
らに50〜80%の範囲である場合に、より良好な被膜を得
ることができる。
オキシハロゲン化物の加水分解は、アンモニア,水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム等の水酸化アルカリを添
加することによって容易に行なうことができ、その添加
量を調節することによって加水分解率を変化させること
ができる。
前記した本発明の有機ケイ素化合物の成分である
(A)及び(B)の組成比は、(A)を加水分解生成物
に換算した量で100重量部に対して、(B)を酸化物に
換算した量で15〜200重量部、好ましくは20〜100重量部
の範囲である。オキシハロゲン化物の配合量が上記範囲
よりも少ない場合には、得られる有機ケイ素組成物を高
屈折率樹脂表面のコーテイング剤として用いても干渉色
の生成を防止できず、一方、上記範囲よりも多い場合に
は、コーテイング剤としての他の性質、例えば耐候性,
耐温水性が低下し、さらに被膜表面がひび割れを生じる
ために好ましくない。
本発明の有機ケイ素組成物をコーテイング剤として用
いる場合には、前記した(A)成分及び(B)成分を有
機溶媒に溶解して用いることが一般的である。前記の有
機ケイ素化合物はそのまま有機溶媒に溶解すれば良く、
また、有機ケイ素化合物の部分加水分解物は、加水分解
により生成するアルコールや水を加水分解後に加熱又は
減圧により除去し、その後に有機溶媒に溶解させること
が好ましい。
上記の有機溶媒としては、炭素数1〜4のメタノー
ル,エタノール,プロパノール,ブタノール等の低級ア
ルコール類:酢酸,酢酸メチル等の低級カルボン酸類あ
るいはそのアルキルエステル:セルソルブ等のエーテル
類:アセトン等のケトン類:メチレンクロライド等のハ
ロゲン化炭化水素類:ベンゼン,トルエン等の芳香族炭
化水素類等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上
が組合せて用いられる。
有機溶媒中の上記(A)成分及び(B)成分の濃度
は、コーテイング剤として用いる場合の塗布の容易さや
安定性の点から、上記(A)を加水分解生成物に、ま
た、(B)を酸化物に換算した量の合計量(以下、換算
量という。)の濃度(以下、換算濃度という。)で20〜
40重量%の範囲から採用することが好ましい。
本発明の有機ケイ素組成物をコーテイング剤として用
いる場合には、前記した成分の他に、通常のコーテイン
グ剤の成分として用いられるものが何ら制限なく使用で
きる。例えば、得られる被膜の表面硬度を向上させるた
めに平均粒径が1〜100mμのシリカ微粉体をそのまま、
または有機溶媒に分散させて使用することができる。上
記のシリカ微粉体を用いた場合には、前記した(B)成
分と上記のシリカ微粉体との量比を変化させることによ
って、被膜の屈折率の調節が可能である。このため、基
材の屈折率に応じて被膜の屈折率を調節し、基材の屈折
率の広い範囲において干渉色をなくすることが可能とな
る。
また、本発明の有機ケイ素組成物にエポキシ基を有す
る化合物を加えることもできる。エポキシ基を有する化
合物としては、ポリオレフイン系エポキシ樹脂,脂環式
エポキシ樹脂,エポキシノボラック樹脂,多価アルコー
ルのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、本発明の有機ケイ素組成物にはコート膜の平
滑性をより向上させる目的でシリコン系やフッ素系の界
面活性剤を加えることが可能である。
また、その他の各種添加剤、例えば紫外線吸収剤,酸
化防止剤,染料や顔料も使用可能である。
本発明の有機ケイ素組成物は、前記した有機溶媒中で
のゲル化を防止し、保存安定性を向上させ、さらに、諸
特性に優れた被膜を得るために、pHを1.0〜7.5の範囲に
調節することが好適である。pHの調節は、酢酸,蟻酸,
塩酸等の酸を用いることが好ましい。
本発明の有機ケイ素組成物は、硬化温度の低下や硬化
時間の短縮を図るため、硬化触媒として公知の化合物、
例えば塩酸,硫酸,酢酸/酢酸ナトリウム混合物,塩化
スズ,過塩素酸,過塩素酸アンモニウム,アルミニウム
アセチルアセトナート,ナフテン酸金属塩,P−トルエン
スルホン酸,安息香酸,リン酸アルカリ金属塩,チオシ
アン酸ナトリウム等を使用することが好ましい。その使
用量は前記した換算量の0.01〜5重量%が好ましい。
本発明の有機ケイ素組成物による被覆の対象となる被
コート物は特に制限されない。一般には表面硬度が低く
耐擦傷性,耐摩耗性が乏しい成形品,特にプラスチック
成形品が主として対象とされるが、なかでも屈折率が1.
55以上であるプラスチック成形品が好適である。例え
ば、ポリカーボネート;エポキシ樹脂;トリブロモフエ
ニルメタクリレート,フエニルメタクリレート,ベンジ
ルメタクリレート,ジアリルフタレート,ジアリルイソ
フタレート,ビスフエノールAジメタクリレート,2,2′
−ビス〔4−(2−メタクリロイルオキシ)−エトキシ
−3,5−ジブロモフエニル〕−プロパン,スチレン等の
1種もしくは2種以上の単独重合体もしくは共重合体又
は上記単量体と他の重合性単量体との共重合体等が挙げ
られる。
本発明の有機ケイ素組成物は、すでに公知の方法でコ
ーテイングされたコート膜の上に塗布することも可能で
ある。
本発明の有機ケイ素組成物をプラスチック成形品の表
面に塗布する方法は特に制限することなく公知の方法を
使用することができる。例えば、成形品を有機ケイ素組
成物の溶液中に浸漬する方法、該溶液をスプレ,ハケ,
ローラー等で塗布する方法等が一般に採用される。塗布
を行った後、乾燥空気あるいは空気中で風乾して通常加
熱処理することによって硬化しコート膜が形成される。
加熱温度は成形品によって異なるが、50℃以上、好まし
くは70℃以上ないしは成形品が熱変化を生じない温度、
一般には150℃以下が好適である。硬化時間は、加熱温
度が130℃で約1時間、70〜80℃で約2〜4時間が一応
の目安となる。
硬化して形成されるコート膜は0.1μ〜50μ程度の厚
みとすることが可能であるが、1μ〜20μの厚みが特に
好適である。
(効 果) 本発明の有機ケイ素組成物は、プラスチック成形品上
に塗布した場合、透明性が高く、耐擦傷性,耐摩耗性及
び染色性に優れ又、耐候性,耐熱水性に対しては著しい
効果を示し、しかも基材への密着性の良好な被膜が得ら
れる。特に高屈折率樹脂にコーテイングした場合、以前
からの最大の問題点であった反射による干渉色も解決さ
れる。また、塗液の保存安定性も良好である。さらに、
本発明の有機ケイ素組成物は、周期律表第IV族より選ば
れる金属元素のオキシハロゲン化物の部分加水分解物を
用いることにより、従来の金属アルコキシドからの薄膜
化の最大の難点であった雰囲気中の湿度の影響もなく扱
い易い利点がある。
本発明の有機ケイ素組成物は、被膜形成の対象物が高
屈折率樹脂に限られることなく透過用ガラス,サングラ
スレンズ,ゴーグル,カメラレンズ,光デイスク材料あ
るいは分析機器用集光レンズ,光反射板用保護膜に応用
可能なため、幅広い分野に対して効果が期待できる。
(実施例) 以下、本発明を具体的に説明するため代表的な実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
尚、被膜の性能評価は下記の方法によって実施した。
(1) 密着性試験;先端が鋭利なカッターナイフで試
験片表面に1mm×1mmのマス目を100個つけた後、市販の
セロテープを貼り付け、すばやくはがした時に残ったマ
ス目の数で表示した。
(2) 耐擦傷性試験;福田機械工業(株)製の耐擦傷
性試験機に のスチールウールを取り付け、1Kgの荷重下で試験片表
面を10回往復させた後の表面の傷つき度合を目視により
観察し、全く傷つかなかった状態をA,そしてポリメチル
メタクリレート生地の非常に傷つき易い状態をEとして
A〜Eの5段階で評価した。
(3) 耐温水性試験;沸騰水中に試験片を2時間放置
し、被膜の外観を目視により観察した。被膜にはがれ,
ふくれ,ひび,白化等がなくて外観の良好な場合を○,
不良な場合は×とした。
(4) 染色性試験;分散染料(日本化薬(株)製、カ
ヤロン−ポリエステル,ブラウンAF)0.5重量部を水100
重量部に分散溶解させた染色浴を80℃に保ち、その中に
試験片を浸漬して10分間染色した。好染色性を示すジエ
チレングリコールビスアリルカーボネートと同程度ある
いはそれ以上に良く染色される場合をA,そして染色性に
乏しいポリメチルメタクリレートと同程度あるいはそれ
以下の染色性の場合をCとしてA〜Cの3段階で評価し
た。
(5) 屈折率測定;被膜の屈折率は分光光度計(日立
製作所2204)に5度正反射装置を固定して干渉法にて測
定した。
(6) 耐候性;スガ試験機(株)製ロングライフキセ
ノンフエードメーター(FAC−25AX−HC型)中に試験片
を設置し、100時間キセノン光を露光した後、試験片の
外観を目視で観察し、被膜にひび等がなくて外観の良好
な場合を○,不良な場合は×とした。
実施例 1 2,2′−ビス〔4−(2−メタクリロイルオキシ)−
エトキシ−3,5−ジブロモフエニル〕−プロパンとスチ
レンとの混合物(重量比3:2)の注型重合により得た板
状体を基材として用いた。(屈折率20℃ 1.595) まず、前処理として該板状体をアセトンで洗浄して充
分に風乾し清澄な状態とした後、プラズマ処理装置中
で、アルゴン/酸素混合ガス(流量30ml/min/10ml/mi
n)圧力0.7Torr,出力200W,処理時間1分の条件で処理
し、次いでアセトンを溶剤として5分間超音波洗浄機を
用いて洗浄し、再び風乾した。
その後、第1表に示した有機ケイ素組成物に板状体を
浸漬し、室温で風乾後、130℃で1時間加熱硬化させて
被膜を形成させた。
有機ケイ素組成物は第1表に示す組成のものを換算濃
度が30重量%になる様に溶媒のイソプロピルアルコール
に溶解し、次いで上記組成の有機ケイ素化合物の加水分
解に必要な量の0.05規定塩酸を室温で添加して1日放
置、熟成した後、硬化触媒として酢酸ナトリウム/酢酸
(1/10重量比)を換算量に対して2重量%を加え、さら
に、pHを3に調製した。ここで、オキシハロゲン化物
は、和光純薬工業製特級試薬のオキシ塩化ジルコニウム
を用い、これをイソプロピルアルコールに溶解させ、NH
4OH(28wt%水溶液)を徐々に滴下することで加水分解
率が60%となるように加水分解を促進させたものを用い
た。
各有機ケイ素組成物から得た被膜の評価結果を第1表
に併せて示した。また、各有機ケイ素組成物を20℃で1
カ月保存したところ、いずれも粘度の上昇はほとんどみ
られず、良好な保存安定性を示した。
尚、いずれの場合も被膜厚さは約5〜10μmであっ
た。
実施例 2 アルミニウム板をアセトンにより洗浄し、風乾して清
澄な状態にした後、実施例1のNo.9の有機ケイ素組成物
に浸漬してコーテイングし、室温で充分風乾した後、13
0℃で1時間加熱硬化した。
得られたコート膜は密着性(100/100),耐擦傷性
(A),耐温水性(O)に優れた被膜であった。
実施例 3 実施例1のNo.9の有機ケイ素組成物において、ジシラ
ン化合物として第2表に示す原子団(−A−)を有する
下記のジシラン化合物を用いた以外は同様にして有機ケ
イ素組成物を調製した。
該有機ケイ素組成物を用いて、実施例1と同様なコー
テイングを行い、コート膜を形成させた。
該コート膜の評価結果を第2表に併せて示した。ま
た、有機ケイ素組成物を20℃で2週間保存したが、いず
れも粘度の上昇はほとんどみられず、良好な保存安定性
を示した。
実施例 4 実施例1のNo.9の有機ケイ素組成物において、オキシ
塩化ジルコニウムの加水分解率を変化させた以外は同様
にして有機ケイ素組成物を調製し、実施例1と同様なコ
ーテイングを行い、コート膜を形成させた。
該コート膜の評価結果を第3表に併せて示した。ま
た、各組成物を20℃で2週間保存した結果、No.6を除い
て保存安定性は良好であった。
尚、オキシ塩化ジルコニウムの加水分解率はイオンク
ロマトアナライザModel IC 100(横河北辰電機(株))
を用い、Clイオン濃度から求めた。
実施例 5 実施例1のNo.9の有機ケイ素組成物において、コート
液のpHを変化させた以外は同様にして有機ケイ素組成物
を調製し、20℃で1ケ月間保存した後の粘度を測定し、
保存安定性試験を行なった。
該コート液の評価結果を第4表に併せて示す。尚、コ
ート液の粘度はキヤノン.フエンスケ(柴田科学器械工
業株式会社製)を用いて25℃で測定した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 有機ケイ素化合物及び/又はその
    部分加水分解物 及び (B) 周期律表第IV族に属する金属から選ばれた少く
    とも1種のオキシハロゲン化物の加水分解率が20〜80%
    である部分加水分解物 とよりなり、(A)を加水分解生成物に換算した量で10
    0重量部に対して(B)を酸化物に換算した量で15〜200
    重量部配合したことを特徴とする有機ケイ素組成物。
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