JP2710052B2 - コードファクター関連化合物及びその製造法並びに該化合物を含有する免疫増強剤 - Google Patents

コードファクター関連化合物及びその製造法並びに該化合物を含有する免疫増強剤

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コードファクター関連化合物及びその製造
法並びに該化合物を含有する免疫増強剤に関する。
(従来の技術) 本発明の化合物は、文献未記載の新規化合物である。
コードファクターと呼称されるトレハロースのミコー
ル酸エステル(α,α−トレハロース−6,6′−ジミコ
レート)には、マウスに対する致死毒性の他に、免疫増
強活性、抗腫瘍活性、感染に対する宿主抵抗性の増強活
性などがあることが知られている。
このα,α−トレハロース−6,6′−ジミコレート
(以下単にTDMということがある)の化学合成について
は、既に報告されている〔I.アズマら、ケミカル・アン
ド・ファーマシューティカル・プレティン(Chemical
& Pharmaceutical Bulletin),33,(1985)4544〜45
55〕。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、腫瘍の免疫療法に使用する免疫増強剤
としてTDMを考えた場合、その強い毒性が問題となるた
めに、TDMの構造変換による毒性の消失もしくは軽減が
望まれていた。
(課題を解決するための手段) そこで本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研
究を重ねた結果、TDMの糖骨格をβ,β−トレハロース
もしくはα,β−トレハロースに換えたものを化学合成
することに成功し、更に免疫増強活性の指標となるマク
ロファージ活性化能及び毒性の測定を行ったところ、良
好な結果を得るに至り、本発明を完成させた。
即ち、本発明の新規なコードファクター関連化合物
は、下記の一般式(I)又は(II)で表される化合物で
ある。
式(I) 〔式中、R1はベンジル基を示し、且つR2はトリチル基、
水素原子、トシル基又はアシル基(ミコロイル基をも含
む。本出願明細書中では単にアシル基ということがあ
る)を示すか、あるいはR1は水素原子を示し、且つR2
アシル基を示す。〕 式(II) (式中、R1はベンジル基を示し、R2はベンジリデン基又
は水素原子を示し、且つR3はベンジリデン基、水素原
子、トシル基、又はアシル基を示すか、あるいはR1及び
R2は水素原子を示し、且つR3はアシル基を示す。) 以下に本発明の内容を詳細に説明する。
(a) 一般式(I)の化合物の合成 一般式(I)で表される化合物(11)は、後述のスキ
ーム1に示すように、公知化合物のβ,β−トレハロー
ス(10)〔E.フィッシャー(E.Fischer)ら、ベリヒテ
(Berichte),42(1909)2776の方法により合成でき
る。〕とトリチル化後、ベンジル化することによって合
成することができる。上記化合物(10)のトリチル化
は、塩化トリチル/ピリジンで処理することによって実
施できるが、このトリチル化反応は、例えば10〜100℃
の温度で、1分〜100時間撹拌することによって実施す
ることができる。
また、トリチル化後のベンジル化は、トリチル化物を
例えばN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFということ
がある。)このような溶媒中、水素化ナトリウム(Na
H)と臭化ベンジルで処理することによって実施するこ
とができる。
更に、化合物(12)は、化合物(11)を脱トリチル化
することによって合成することができる。この脱トリチ
ル化は、例えば濃度80%の酢酸水溶液のような溶媒中で
10〜100℃の温度で、1分〜24時間撹拌することによっ
て実施することができる。
化合物(13)は、化合物(12)をトシル化することに
より合成することができる。このトシル化は例えば化合
物(12)を塩化トシル/ピリジンで処理することによっ
て実施することができる。
更に、化合物(14)は、化合物(13)をアシル化する
ことによって合成することができるが、このアシル化
は、例えばトルエンのような溶媒中で、18−クラウン−
6の存在下、ミコール酸カリウムで処理することによっ
て実施することができる。
化合物(15)は化合物(14)を脱ベンジル化すること
によって合成することができるが、この脱ベンジル化
は、例えばテトラヒドロフラン(以下THFということが
ある。)−エタノール−水系の溶媒中でパラジウム−炭
素(Pd−C)のような触媒の存在下で水素還元すること
によって実施することができる。
(b) 一般式(II)の化合物の合成 一般式(II)で表される化合物(17)は、後述のスキ
ーム2に示すように、公知化合物のα,β−トレハロー
ス(16)〔W.N.Haworthら、ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサイエティー(Journal of Chemical Societ
y),(1931)2847の方法により製造することができ
る。〕をベンジリデン化後、ベンジル化することによっ
て合成することができるが、この化合物(16)のベンジ
リデン化は、例えばDMFのような溶媒中で、p−トルエ
ンスルホン酸の存在下でα,α−ジメトキシトルエンで
処理することによって実施することができる。また、ベ
ンジリデン化後のベンジル化は、例えばDMFのような溶
媒中で水素化ナトリウムと臭化ベンジルで処理すること
によって実施することができる。
更に、化合物(18)は、化合物(17)を脱ベンジリデ
ン化することによって合成することができるが、この脱
ベンジリデン化は、例えば濃度80%の酢酸水溶液のよう
な溶媒中で10〜100℃の温度で、1分〜24時間撹拌する
ことによって実施することができる。
化合物(19)は、化合物(18)をトシル化することに
よって合成することができるが、このトシル化は、例え
ば化合物(18)を塩化トシル/ピリジンで処理すること
によって実施することができる。
更に、化合物(20)は、化合物(19)をアシル化する
ことによって合成することができるが、このアシル化
は、例えばトルエンのような溶媒中で18−クラウン−6
の存在下でミコール酸カリウムで処理することによって
実施することができる。
化合物(21)は、化合物(20)を脱ベンジル化するこ
とによって合成することができるが、この脱ベンジル化
は、例えばCHCl3−THF系の溶媒中でパラジウムブラック
のような触媒の存在下で水素還元することによって実施
することができる。
尚、前記工程において合成される化合物(11),(1
2),(13),(14),(15),(17),(18),(1
9),(20),(21)は何れも新規化合物である。
(10) R1=R2=H (11) R1=Bn,R2=Tr (12) R1=Bn,R2=H (13) R1=Bn,R2=Ts (14) R1=Bn,R2=ミコロイル基 (15) R1=H,R2=ミコロイル基 〔H:水素原子,Bn:ベンジル基,Tr:トリチル基,Ts:トシル
基;いずれも以下同様〕 (16) R1=R2=R3=H (17) R1=Bn,R2=R3=ベンジリデン基 (18) R1=Bn,R2=R3=H (19) R1=Bn,R2=H,R3=Ts (20) R1=Bn,R2=H,R3=ミコロイル基 (21) R1=R2=H,R3=ミコロイル基 (実施例) 以下に実施例を挙げて本発明の内容を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるも
のではない。
実施例−1〔化合物(10)→化合物(11)〕 化合物(10)304.0mg(0.89ミリモル)をピリジン6ml
に溶解し、塩化トリチル594.0mg(2.13ミリモル)を加
えて、50℃で39時間撹拌後、更に、塩化トリチル148.5m
g(0.53ミリモル)を加えて50℃で23時間撹拌した。こ
の反応液を減圧濃縮して、残渣を80gのシリカゲルを詰
めたカラムに流し込み、溶出液〔CHCl3:CH3OH=10:1,
(CH3CH23N1%含有〕にて溶出して精製し、得られた
ジトリチル化物(Rf=0.53,CHCl3:CH3OH=5:1)をDMF20
mlに溶解し、60%NaH320mg(8.0ミリモル)を加えて水
冷しながら30分間撹拌した。次に、臭化ベンジル0.95ml
(8.0ミリモル)を滴下し、水冷しながら17時間撹拌し
た。反応終了後、CH3OH2mlを加えて水冷しながら30分間
撹拌して減圧濃縮し、残渣を80gのシリカゲルを詰めた
カラムに流し込み、溶出液〔トルエン,(CH3CH23 N1
%含有〕にて溶出して精製し、化合物(11)998.6mgを
得た(収率82.2%)。
〔化合物(11)の性質〕 TLC(薄層クロマトグラフィー)Rf=0.32(溶出液
トルエン) 元素分析 C92H86O11・H2Oとして 計算値 C,79.74;H,6.40 測定値 C,79.74;H,6.36 比旋光度▲〔α〕25 D▼=−12.4゜(C=1.17,CHCl3) 実施例−2〔化合物(11)→化合物(12)〕 化合物(11)939.0mgを濃度80%の酢酸水溶液25mlに
溶解し、80℃で2時間撹拌後、THF10mlを加えて、更に8
0℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して、残渣を8
0gのシリカゲルを詰めたカラムに流し込み、溶出液(ト
ルエン:酢酸エチル=2:1)にて溶出・精製し、化合物
(12)314.2mgを得た(収率51.8%)。
〔化合物(12)の性質〕 TLC,Rf=0.49(溶出液 トルエン:酢酸エチル=1:
1) 元素分析 C54H58O11として 計算値 C,73.45;H,6.62 測定値 C,73.28;H,6.63 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+10.1゜(C=0.55,CHCl313 C−NMR(CDCl3) 100.1(C−1,1JCH162.4Hz),84.4(C−3),82.1
(C−2),77.3(C−4),75.2(C−5),61.7(C
−6) 実施例−3〔化合物(12)→化合物(13)〕 化合物(12)223.6mg(0.25ミリモル)をピリジン2ml
に溶解し、氷冷後、塩化トシル144.8mg(0.76ミリモ
ル)を加えて、0℃で1時間撹拌し、更に室温で19時間
撹拌した。反応終了後、酢酸エチル50ml、氷水20mlを加
えて抽出を行ない、有機物層を5%塩酸、飽和食塩水、
飽和重曹水、飽和食塩水の順に処理して、MgSO4で乾燥
した。ろ過後、減圧濃縮して、残渣を25gのシリカゲル
を詰めたカラムに流し込み、溶出液(トルエン:酢酸エ
チル=10:1)にて溶出・精製し、化合物(13)260.1mg
を得た(収率86.2%)。
〔化合物(13)の性質〕 TLC Rf=0.57(溶出液 トルエン:酢酸エチル=6:
1) 元素分析 C68H70O15S2として 計算値 C,68.55:H,5.92 測定値 C,68.47;H,5.96 比旋光度▲〔α〕25 D▼=−4.1゜(C=0.20,CHCl3) 実施例−4〔化合物(13)→化合物(14)〕 化合物(13)116.7mg(0.10ミリモル)をトルエン10m
lに溶解し、ミコール酸カリウム(平均組成C80H157O3.5
K,Aoyama B)240.9mg(0.20ミリモル)と18−クラウン
−6 31.7mg(0.12ミリモル)を加えて、100℃で16時
間撹拌した。反応液を減圧濃縮して、残渣をヘキサン5m
lに溶解し、ろ過後、減圧濃縮して、その残渣を30gのシ
リカゲルを詰めたカラムに流し込み、溶出液(ヘキサ
ン:エーテル=7:4)にて溶出・精製し、化合物(14)1
93.0mgを得た(収率61.6%)。
〔化合物(14)の性質〕 TLC Rf=0.41(溶出液 トルエン:酢酸エチル=10:
1) 元素分析 C214H370O16として 計算値 C,80.34;H,11.66 測定値 C,80.10;H,11.64 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+2.2゜(C=0.36,CHCl3) 実施例−5〔化合物(14)→化合物(15)〕 化合物(14)154.6mgをTHF10mlに溶解し、水0.5mlに
懸濁させた10%パラジウム−炭素触媒150mgとエタノー
ル10mlを加えてH2を封入し、50゜で21時間撹拌後、触媒
をろ過して除去してから減圧濃縮して、残渣を再度THF1
5mlに溶解し、水0.5mlに懸濁させた10%パラジウム−炭
素触媒140mgとエタノール15mlを加えてH2を封入し、50
℃で19時間撹拌した。触媒をろ過して除去した後、減圧
濃縮して、その残渣を10gのシリカゲルを詰めたカラム
に流し込み、溶出液(CHCl3:CH3OH=25:1)にて溶出・
精製し、得られたワックス状の化合物(15)をエーテル
1mlに溶解し、0℃のCH3OH20mlに滴下して析出させ、遠
心分離後、減圧乾燥して、化合物(15)48.0mgを白色粉
末状で得た(収率38.0%)。
〔化合物(15)の性質〕 TLC Rf=0.46(溶出液 CHCl3:CH3OH=15:1) 元素分析 C172H334O16として 計算値 C,77.71;H,12.66 測定値 C,77.40;H,12.39 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+32.0゜(C=0.36,CHCl31 H−NMR(CDCl3:CD3OD=30:1) 4.546(d,J9.2Hz,H−1) 実施例−6〔化合物(16)→化合物(17)〕 化合物(16)262.7mg(0.77ミリモル)をDMF5mlに溶
解し、トルエン5mlを加えて減圧下50℃で共沸処理後、
α,α−ジメトキシトルエン255μ(1.7ミリモル)と
p−トルエンスルホン酸10mgを加えて、減圧下60℃で1
時間撹拌した。冷却後、60%NaH148mg(3.7ミリモル)
を加えて水冷しながら15分間撹拌し、臭化ベンジル0.44
ml(3.7ミリモル)を滴下して水冷しながら23時間撹拌
した。更に、60%NaH74mgと臭化ベンジル0.22mlを加え
て水冷しながら1時間撹拌した。反応終了後、CH3OH2ml
を加えて水冷しながら30分間撹拌し、減圧濃縮して、そ
の残渣を50gのシリカゲルを詰めたカラムに流し込み、
溶出液〔トルエン:酢酸エチル=10:1,(CH3CH23N1%
含有〕にて溶出・精製し、化合物(17)602.0mgを得た
(収率89.2%)。
〔化合物(17)の性質〕 TLC Rf=0.32(溶出液 トルエン:酢酸エチル=10:
1) 元素分析 C54H54O11として 計算値 C,73.78;H,6.19 測定値 C,73.75;H,6.21 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+10.0゜(C=0.63,CHCl31 H−NMR(CDCl3) 7.52−7.16(30H,aromatic protons),5.553(s,2H, 実施例−7〔化合物(17)→化合物(18)〕 化合物(17)562.4mgを80%酢酸水溶液15mlに溶解
し、80℃で1時間撹拌した。反応液を減圧下30℃,10分
間で濃縮して、残渣を50gのシリカゲルを詰めたカラム
に流し込み、溶出液(CHCl3:CH3OH=10:1)にて溶出・
精製し、化合物(18)294.0mgを得た(収率65.4%)。
〔化合物(18)の性質〕 TLC Rf=0.32(溶出液 CHCl3:CH3OH=10:1) 元素分析 C40H46O11として 計算値 C,68.36;H,6.60 測定値 C,67.93;H,6.59 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+13.2゜(C=0.34,CHCl313 C−NMR(CDCl3) 104.6(C−1′,1JCH158.5Hz),99.3(C−1,1JCH16
8.2Hz) 実施例−8〔化合物(18)→化合物(19)〕 化合物(18)124.4mg(0.18ミリモル)をピリジン
(ドライ)2mlに溶解し、氷冷後、塩化トシル79.7mg
(0.42ミリモル)を加えて、0℃から室温まで温度を上
げながら21時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル50m
l、氷水20mlを加えて抽出を行ない、有機物層を5%塩
酸、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順に処理し
て、MgSO4で乾燥した。ろ過後、減圧濃縮して、残渣を1
2gのシリカゲルを詰めたカラムに流し込み、溶出液(ト
ルエン:酢酸エチル=4:1)にて溶出・精製し、化合物
(19)121.1mgを得た(収率67.7%)。
〔化合物(19)の性質〕 TLC Rf=0.50(溶出液 トルエン:酢酸エチル=3:
1) 元素分析 C54H58O15S2・1/3C6H5CH3として 計算値 C,64.94;H,5.87 測定値 C,65.11;H,5.82 比旋光度▲〔α〕25 D▼=−44.0゜(C=0.20,CHCl31 H−NMR(CDCl3) 7.80−7.71(4H,aromatic protons),7.35−7.16(24
H,aromatic protons)13 C−NMR(CDCl3) 103.5(C−1′、1JCH161.4Hz),99.3(C−1,1JCH1
70.2Hz) 実施例−9〔化合物(19)→化合物(20)〕 化合物(19)109.9mg(0.11ミリモル)をトルエン10m
lに溶解し、ミコール酸カリウム267.1mg(0.22ミリモ
ル)と18−クラウン−6 34.4mg(0.13ミリモル)を加
えて、100℃で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し
て、残渣をCHCl35mlに溶解し、ろ過後、減圧濃縮して、
その残渣を35gのシリカゲルを詰めたカラムに流し込
み、溶出液(トルエン:酢酸エチル=6:1)にて溶出・
精製し、化合物(20)197.2mgを得た(収率60.1%)。
〔化合物(20)の性質〕 TLC Rf=0.54(溶出液 トルエン:酢酸エチル=4:
1) 元素分析 C200H358O16として 計算値 C,79.57;H,11.95 測定値 C,79.63;H,11.76 比旋光度▲〔α〕25 D▼=+18.6゜(C=0.43,CHCl3,42
時間後) 実施例−10〔化合物(29)→化合物(21)〕 化合物(20)174.8mgをCHCl35mlに溶解し、パラジウ
ムブラック触媒35mgとTHF5mlを加えてH2を封入し、50℃
で4時間撹拌後、触媒をろ過して除去してから減圧濃縮
して、残渣を12gのシリカゲルを詰めたカラムに流し込
み、溶出液(CHCl3:CH3OH=10:1)にて溶出・精製し、
得られたワックス状の化合物(21)をエーテル1mlに溶
解し、0℃のCH3OH20mlに滴下して析出させ、遠心分離
後、減圧乾燥して、化合物(21)123.12mgを白色粉末状
で得た(収率80.1%)。
〔化合物(21)の性質〕 TLC Rf=0.38(溶出液 CHCl3:CH3OH=10:1) 元素分析 C172H334O16として 計算値 C,77.71;H,12.66 測定値 C,77.49;H,12.51 比旋光度▲〔α〕25 D▼=−19.8゜(C=0.33,CHCl3) (実験例) 本発明化合物は予想通り毒性が大幅に軽減されたが、
以下にその薬理活性に関して行った実験の例を挙げて述
べる。
実験例−1(毒性試験) ヤルコニーの方法〔E.Yarkoniら,infect.Immun.,18
(1977)552〕に従い、TDM関連化合物2mgとドラケオー
ル6VR(Drakeol,鉱物油)45mgをホモジナイズした後、
更に1.1%ツイーン(Tween)80を含む生理食塩水455μ
を加えてホモジナイズして得た水中油型エマルジョン
を7〜9週令のC57BL/6(メス)マウス5匹に0.1mlずつ
静脈注射し、体重変化と生死を観察した。その結果を第
1図及び第1表に示す。比較として公知のTDM(α,
α)を用い、対照としてTDM未添加の系を用いた。
第1図及び第1表から、公知のTDM(α,α)の系で
は、3週間後の生存数が0であるのに対し、本発明化合
物であるTDM(α,β)及びTDM(β,β)の系では、一
時的な体重減少は見られるもののすぐに回復し、毒性に
関して大幅な改善がなされたことがわかる。
実験例2(腹腔マクロファージ活性化試験) 加藤の方法〔Arch.Biochem.Biophys.,140(1970)37
9〕により作製したTDM関連化合物の水サスペンジョンを
PBSで100μg/mlに希釈し、0.5mlずつ7〜9週令のC57BL
/6(メス)マウスの腹腔内に投与(各グループ2匹ず
つ)した。5日後マウスの腹腔内滲出細胞を集め、96穴
プレートにガラス付着性細胞が105個/穴ずつ入る様に
蒔いた。次に125I−UdRでラベルされたB16−BL6細胞
(マウスメラノーマ)を標的細胞として104個/穴ずつ
上から加え、3日間37℃ CO2インキュベーターで培養し
た。対照としてPBSのみ投与したマウスの腹腔内滲出細
胞を用いた。
3日目に37℃に温めたPBSで各穴を2回洗浄し、残っ
た生存標的細胞を70μの0.1N−NaOHで破壊し、綿棒で
ふき取り、綿棒の放射線量をガンマーカウンターで測定
した。その結果を第2表に示す。
第2表から、本発明化合物であるTDM(α,β)及びT
DM(β,β)は公知のTDM(α,α)とほぼ同等の腹腔
マクロファージ活性化能を有していることがわかる。
(発明の効果) 以上の実験例からも明らかなように、本発明化合物は
各種免疫療法の免疫増強剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、TDM関連化合物を静脈注射したマウスの体重
の経日的変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和昭 埼玉県北葛飾郡吉川町中曽根477

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表される化合物。 式(I) (式中、R1はベンジル基を示し、且つR2はトリチル基、
    水素原子、トシル基又はアシル基を示すか、あるいはR1
    は水素原子を示し、且つR2はミコロイル基を示す。)
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で表される化合物。 式(II) (式中、R1はベンジル基を示し、R2とR3は共同して一つ
    のベンジリデン基又はそれぞれ水素原子を示すか、また
    はR2は水素原子を示し且つR3はトシル基又はアシル基を
    示し、あるいはR1及びR2は水素原子を示し、且つR3はア
    シル基を示す。)
  3. 【請求項3】一般式(II)のR1及びR2が水素原子であ
    り、R3がミコロイル基である請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】(a)β,β−トレハロース[化合物(1
    0)]をトリチル化後、ベンジル化し、一般式(I)で
    表される化合物(11)[一般式(I)中、R1はベンジル
    基を示し、R2はトリチル基を示す。]を製造する工程、 (b)化合物(11)を脱トリチル化し、一般式(I)で
    表される化合物(12)[一般式(I)中、R1はベンジル
    基を示し、R2は水素原子を示す。]を製造する工程、 (c)化合物(12)をトシル化し、一般式(I)で表さ
    れる化合物(13)[一般式(I)中、R1はベンジル基を
    示し、R2はトシル基を示す。]を製造する工程、 (d)化合物(13)をアシル化し、一般式(I)で表さ
    れる化合物(14)[一般式(I)中、R1はベンジル基を
    示し、R2はミコロイル基を示す。]を製造する工程、 (e)化合物(14)を脱ベンジル化し、一般式(I)で
    表される化合物(15)[一般式(I)中、R1は水素原子
    を示し、R2はミコロイル基を示す。]を製造する工程、 の諸工程からなることを特徴とするコードファクター関
    連化合物である化合物(15)の製造方法。
  5. 【請求項5】(a)α,β−トレハロース[化合物(1
    6)]をベンジリデン化後、ベンジル化し、一般式(I
    I)で表される化合物(17)[一般式(II)中、R1はベ
    ンジル基を示し、R2及びR3はベンジリデン基を示す。]
    を製造する工程、 (b)化合物(17)を脱ベンジリデン化し、一般式(I
    I)で表される化合物(18)[一般式(II)中、R1はベ
    ンジル基を示し、R2及びR3は水素原子を示す。]を製造
    する工程、 (c)化合物(18)をトシル化し、一般式(II)で表さ
    れる化合物(19)[一般式(II)中、R1はベンジル基を
    示し、R2は水素原子を示し、R3はトシル基を示す。]を
    製造する工程、 (d)化合物(19)をアシル化し、一般式(II)で表さ
    れる化合物(20)[一般式(II)中、R1はベンジル基を
    示し、R2は水素原子を示し、R3はミコロイル基を示
    す。]を製造する工程、 (e)化合物(20)を脱ベンジル化し、一般式(II)で
    表される化合物(21)[一般式(II)中、R1及びR2は水
    素原子を示し、R3はミコロイル基を示す。]を製造する
    工程、 の諸工程からなることを特徴とするコードファクター関
    連化合物である化合物(21)の製造方法。
  6. 【請求項6】下記一般式(I)で表される化合物を有効
    成分として含有することを特徴とする免疫増強剤。 式(I) (式中、R1はベンジル基を示し、且つR2はトリチル基、
    水素原子、トシル基又はアシル基を示すか、あるいはR1
    は水素原子を示し、且つR2はアシル基を示す。)
  7. 【請求項7】下記一般式(II)で表される化合物を有効
    成分として含有することを特徴とする免疫増強剤。 式(II) (式中、R1はベンジル基を示し、R2とR3は共同して一つ
    のベンジリデン基又はそれぞれ水素原子を示すか、また
    はR2は水素原子を示し且つR3はトシル基又はアシル基を
    示し、あるいはR1及びR2は水素原子を示し、且つR3はア
    シル基を示す。)
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