JP2707507B2 - 精密せん断加工法並びにその装置 - Google Patents

精密せん断加工法並びにその装置

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JP2707507B2
JP2707507B2 JP3066255A JP6625591A JP2707507B2 JP 2707507 B2 JP2707507 B2 JP 2707507B2 JP 3066255 A JP3066255 A JP 3066255A JP 6625591 A JP6625591 A JP 6625591A JP 2707507 B2 JP2707507 B2 JP 2707507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板材からせん断加工によ
って所望形状の部材を切り取るせん断加工法並びにその
装置に関し、特に、せん断分離面が平滑で部材寸法精度
の高い精密せん断加工方法並びにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる各種部材はプレス加工
によって素材である板材から切り離され、所望の形状に
加工されて使用される。即ち、これは圧延加工によって
製造され、コイル状に巻き取られた金属板がまず定尺に
切断され、次に使用に適したブランク形状に切断され
る。これらの切断分離の役割を担うのがせん断であり、
このせん断には打抜き(ブランキング)、穴あけ(ポン
チング)、縁取り(トリミング)などがある。
【0003】せん断加工法において、一般的に用いられ
るものは慣用せん断加工法であり、分離面が複雑な形状
となる。図3に慣用せん断加工法による分離面、図4に
その加工状態を示す。図3に示すように、せん断加工さ
れた板材の分離面には上部よりa:つぶれ、b:かえ
り、c:破断面、d:せん断面(平滑面)、e:だれが
形成されている。この過程は、図4において、ポンチ1
01が板材102を押すと工具正面に接する板材102
には圧縮力が働くが、ポンチ101に押されて部品部分
103が下降するため刃角に近い板材102の自由表面
には引張力が作用する。そして、ポンチ101とダイス
104の間の隙間部分で板材102は局部的に引き曲げ
られ、だれが発生する。次いで工程と共に刃角部の板材
102が降伏を起こし、切刃が板材102内に食い込
み、せん断面(平滑面)が発生する。
【0004】また、この際上下の工具101,104に
より加えられる加工力の作用線が一致しないため、板材
102は曲げモーメントを受け、部品部分103には湾
曲が、また、抜き屑部分105にははね上がりが生じ、
このとき、工具正面に接した板面部分は押しつぶされ、
つぶれが生じる。切刃の食い込みに伴い、両刃角を結ぶ
面上にせん断変形が集中し、加工硬化が生じ、板材10
2は大きなせん断変形に耐えられなくなって破断亀裂1
06が発生し、分離面が破断面となる。また、かえりの
発生は亀裂の発生に結びつくものであり、亀裂の発生位
置が刃角から側面寄りにあることによるとされている。
【0005】このように慣用せん断加工法にあって、切
り離された部材の分離面には、前述したように、つぶれ
a、かえりb、破断面c、せん断面(平滑面)d、だれ
eが形成されるため、その寸法精度がよくない。従っ
て、慣用せん断加工法による板材102の湾曲や分離面
に生ずる破断面によって悪化する要因を取り除き、素材
から一工程で精密機械部品を加工する精密せん断加工法
が考えられている。
【0006】材料を分離する立場から理想的な分離面は
板面に直角且つ平滑な面である。従って、実際に慣用せ
ん断加工法によって得られる分離面の形状のうち、だ
れ、破断面、かえり、及びつぶれをなくし、更に、製品
の全体的な湾曲を抑制し、よい平坦度を得るものが精密
せん断加工法である。
【0007】図5に精密打抜き法(Fine Blan
king)の加工原理を示す。同図に示すように、この
精密打抜き装置は所定形状の穴111が形成されたダイ
ス112に対してこのダイス112の穴111内に所定
の隙間をもって嵌合するポンチ113が昇降自在に設け
られると共に、そのポンチ113の外周辺に位置して三
角形状の環状突起114が形成された板押え115に設
けられている。また、ダイス112の穴111内には板
材116の下面を支持する逆押え117が設けられてい
る。
【0008】而して、まず、図5(A)に示すように、ダ
イス112上に板材116が載置された状態から板押え
115と共にポンチ113を下降させる。すると、図5
(B)に示すように、板押え115の環状突起114が板
材116の上面に食い込んで、この板材116を保持す
る。そして、更にポンチ113を下降させると、図5
(C)に示すように、ポンチ113によって板材116の
せん断加工が始まる。その後、図5(D)に示すように、
ポンチ113によって板材116を貫通することで板材
116から所望の形状の部材118が切り取られる。
【0009】このように板押え115に製品輪郭に沿っ
た環状突起114を設け、これを板材116に食い込ま
せて積極的にせん断輪郭断面上の静水圧力を高め、刃角
の丸みと更に小さな隙間と逆押え117による対向圧の
付加によって加工中にこの高い圧縮応力場を維持して、
破断面のない精密せん断を行う工法が精密打抜き法であ
る。なお、板材116の板厚が厚くなった場合にはダイ
ス112側に環状突起を設けてもよいものである。
【0010】また、精密せん断加工法として段付工具に
よる平滑せん断加工法がある。図6に段付工具による平
滑せん断加工法の加工原理を示す。同図に示すように、
これはポンチ121とダイス122との負の隙間条件に
せん断領域の静水圧力増強の効果があることを利用して
考えられたものである。段付ポンチ121の先端部は正
の隙間Δ、後端部は負の隙間−Δを形成している。隙間
Δは比較的大きな値とし、このような隙間Δを持った慣
用工具で打ち抜いたとした場合に破断亀裂が発生する行
程終期にはすでに段付ポンチ121の第2の刃角123
が切り込んでおり、負の隙間の特徴が発揮されて破断が
抑制される。なお、124は板押え、125は逆押えで
ある。
【0011】図7に段付工具による平滑せん断加工装置
を示す。同図に示すように、この段付工具による平滑せ
ん断加工装置は所定形状の穴131が形成されたダイス
132に対してこのダイス132の穴131内に所定の
隙間をもって嵌合する段付ポンチ133が昇降自在に設
けられ、そのポンチ133の外周部には段付部134が
形成されている。また、ダイス132の穴131内には
板材135の下面を支持する逆押え136が、ポンチ1
33の外周辺には板押え137が設けられている。
【0012】而して、まず、ダイス132上に板材13
5が載置された状態からポンチ133と共に板押え13
7を下降させると、ポンチ133によって板材135が
せん断される。このとき、板材135が段付部134に
よって保持された状態で所望形状の部材が切り取られ
る。
【0013】図8に車両のオートマチックトランスミッ
ションのパーキング機構、図9にパーキングポール、図
10に板材に対する加工位置を示す。
【0014】上述したように車両に用いられる各種部材
はコイル状に巻かれた板材から所望の形状にせん断加工
されて使用される。例えば、図8及び図9に示すよう
に、車両のオートマチックトランスミッションのパーキ
ング機構において、プレス加工によって製作されるパー
キングポール11と呼ばれる部品がある。
【0015】図8に示すように、図示しない車輪と駆動
連結されたアニュラスギアの外周部にパーキングスプラ
グ12が取付けられ、このパーキングスプラグ12の近
傍には先端部に爪部13が形成されたパーキングポール
11の基端部が枢軸14によって回動自在で、且つ、ス
プリング15によって同図時計回り方向に付勢支持され
ている。そして、このパーキングポール11の下方には
図示しないギアセレクタレバーに連結されたパーキング
スプラグロッド16のカム17が位置している。従っ
て、ギアセレクタレバーをパーキングレンジに入れると
パーキングロッド16を介してカム17が移動し、パー
キングポール11をスプリング15に抗して同図反時計
回り方向に回動させることで、爪部13がパーキングス
プラグ12に噛み込む。すると、パーキングスプラグ1
2(アニュラスギア)の回転が阻止され、車両が停止状
態に維持される。
【0016】このパーキングポール11は、図9に示す
ように、本体21に対して基端部に取付穴22が形成さ
れる一方、先端部は折れ曲がってここに爪部13が形成
されている。また、パーキングロッド16のカム17が
接触する背部23はなだらかに湾曲している。
【0017】このようなパーキングポール11は材料の
歩留り等が考慮され、図10に示すように、帯状の板材
27に対して同図に示す2個が対向する位置でこの板材
27から切り取られる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このオートマチックト
ランスミッションのパーキング機構に用いられるパーキ
ングポール11を前述した精密打抜き法によって加工す
ると爪部13にクラックが発生してしまう。パーキング
ポール11は重要部品であり、所定の強度を所持しなけ
ればならないので板厚が10mm程度の板材から加工す
る。このように厚い板材を精密打抜き法によって加工す
ると製品と抜き屑との間の加工硬化量が増え、分離面に
破断面が生じてしまう。そのため、製品精度が低下して
しまって別の機械による後加工が必要となり、作業効率
がよくないという問題がある。
【0019】また、このオートマチックトランスミッシ
ョンのパーキング機構に用いられるパーキングポール1
1を前述した段付工具による平滑せん断法によって加工
すると背部23に破断面が発生してしまう。パーキング
ポール11は、図10に示すように、材料の歩留り等か
ら帯状の板材27に対して同図に示す2個が対向する位
置で切り取られる。従って、パーキングポール11の背
部23側の抜きさん幅Lは狭くなって板材18(抜き屑
側)の拘束が十分にできず、静水圧が低下してしまう。
そのため、ポンチによって生じた余剰材料が抜き屑側の
この拘束力の弱い部分に集中して抜き屑側に流出してし
まい、分離面に破断面が生じてしまうという問題があ
る。
【0020】本発明はこのような問題点を解決するため
のものであって、被加工部材の加工精度の向上を図った
精密せん断加工法並びにその装置を提供することを目的
とする。
【0021】
【0022】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成するた
めの請求項1 の発明の精密せん断加工法は、所定形状穴
を有するダイス上に挿入された板材に対して板押えが降
下することで該板押えの前記穴の外周辺位置に形成され
た環状突起が前記板材を保持すると共に、ポンチが降下
することで所望の形状を有する部材を切り取る精密せん
断加工法において、前記切り取る部材の外形凸部の先端
角度が所定値以下の場合には、前記外形凸部に対応する
部位にのみ段付部を有する前記ポンチあるいは前記ダイ
スによって加工することを特徴とするものである。
【0023】また、請求項2の発明の精密せん断加工装
置は、所定形状穴を有し上面部に加工する板材が挿入さ
れるダイスと、前記ダイスに対して昇降自在であって前
記穴の外周辺に位置して前記板材を保持する環状突起が
形成された板押えと、前記ダイスに対して昇降自在であ
って前記ダイスの穴内に嵌合することで前記板材から所
望の形状の部材を切り取るポンチとを有する精密せん断
加工装置において、前記切り取る部材における先端角度
が所定値以下の外形凸部に対応する前記ポンチの外周部
のみあるいは前記ダイスの内周部のみに段付部を形成し
たことを特徴とするものである。
【0024】
【0025】
【作用】 従って、請求項1 の発明の精密せん断加工法に
あっては、被加工部材の外形形状が滑らかである部分に
は、所定形状穴を有するダイス上の板材に対して板押え
が降下して環状突起によってこの板材を保持した状態で
ポンチが降下することで所望の形状の部材が切り取られ
る。一方、被加工部材の外形形状がきびしく、外形凸部
の先端角度が所定値以下の部分にはポンチあるいはダイ
スの段付部を用いて加工を行う。その結果、被加工部材
の分離面に破断面が発生することが抑制される。
【0026】また、請求項2の発明の精密せん断加工装
置にあっては、被加工部材の外形形状が滑らかである部
分には、所定形状穴を有するダイス上の板材に対して板
押えが降下して環状突起によってこの板材を保持した状
態でポンチが降下することで所望の形状の部材が切り取
られる。一方、被加工部材の外形形状がきびしく、外形
凸部の先端角度が所定値以下の部分にはポンチあるいは
ダイスの段付部を用いて加工を行う。その結果、被加工
部材の分離面に破断面が発生することが抑制され、ま
た、工具の寿命が延長される。
【0027】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0028】図1に本発明の一実施例に係る精密せん断
加工装置の要部断面、図2にその精密せん断加工装置に
使用されるポンチを示す。なお、従来と同様の機能を有
する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略す
る。
【0029】本実施例の精密せん断加工法は、被加工部
材(本実施例ではパーキングポール11)の外形形状が
滑らかである部分には板材を板押えの環状突起が保持し
た状態でポンチが降下することで加工を行い、被加工部
材(パーキングポール11)の外形形状がきびしく、外
形凸部の先端角度が所定値以下の部分には段付ポンチに
よって加工を行うようにしている。
【0030】図1に示すように、本実施例の精密せん断
加工法を実施するための精密せん断加工装置31は複動
型プレスであって、図示しない装置本体には下ダイセッ
ト32が固定されており、この下ダイセット32にはダ
イス33が固定されている。このダイス33には所定形
状の穴、即ち、本実施例ではパーキングポール11(図
9参照)の外形形状と同形の穴34が形成されている。
そして、この穴34内には逆押え35が上下動自在に取
付けられている。
【0031】一方、下ダイセット32に対向してその上
方には上ダイセット36が図示しない油圧駆動源によっ
て昇降自在に取付けられている。この上ダイセット36
には連結ボルト37によって段付ポンチ38が取付けら
れている。また、上ダイセット36には吊りボルト39
によって板押え40が取付けられており、この板押え4
0は段付ポンチ38の外周部に嵌合している。そして、
板押え40とダイス33の対向面にはそれぞれ穴34の
外周辺に位置して環状突起41,42が形成されてい
る。
【0032】上ダイセット36には駆動ピン43が上下
動自在に支持されており、この駆動ピン43の上端部は
図示しない駆動源に連結される一方、下端部は板押え4
0の上面部に当接している。また、上ダイセット36と
下ダイセット32との間には簡易ポスト44が設けられ
ている。
【0033】本実施例の段付ポンチ38はせん断加工に
よって板材から切り取る部材において、その部材の外形
形状における外形凸部の先端角度が所定値以下である場
合にはその部分に対応する段付ポンチ38の外周部には
段付部が形成されている。従って、パーキングポール1
1をせん断加工する場合には、その爪部13に対応する
段付ポンチ38の部分のみ段付部が形成されている。
【0034】即ち、図2に示すように、段付ポンチ38
のパーキングポール11の爪部13に対応する部分には
段付部45が形成されている。段付部45の先端部46
はダイス33の穴34よりも若干小さく設定され、段付
部38はダイス33の穴34よりも若干大きく設定され
ている。そして、段付ポンチ38においてこの段付部4
5以外の部分は一般的な精密打抜き法(Fine Bl
anking)に使用されるポンチ形状となっている。
【0035】而して、せん断加工を行う場合には、ま
ず、図1に示すように、ダイス33上に板材47が載置
された状態から駆動ピン43を下降することで板押え1
15を押して共に下降させる。すると、板押え115が
板材47を押え、各環状突起41,42がその板材47
の上面及び下面に食い込んで、板材47を保持する。
【0036】この作動と共に上ダイセット36を下降さ
せて段付ポンチ38を下降させる。すると、段付ポンチ
38が板材47の上面に当接し、先端部46にて所望形
状の切込みを始め、次いで段付部45が切り込んで後、
部品を切り離す。このように段付ポンチ38の先端部は
正の隙間、後端部は負の隙間が形成されているので、正
の隙間を持った慣用ポンチ(慣用工具)で打ち抜いたと
した場合に破断亀裂が発生する行程にはすでに段付ポン
チ38の段付部45が切り込んでおり、負の隙間の特徴
が発揮されて破断が抑制される。また、このときに環状
突起41,42が板材47を保持しており、余剰材料の
排除抵抗を高めることでこの余剰材料が抜き屑側へ流出
するのを拘束しており、被加工部材の分離面に破断面が
発生することが抑制される。
【0037】以上のように、被加工部材の外形形状によ
って精密打抜き法と段付工具による平滑せん断法とを使
い分けたことでそれぞれの長所を十分に発揮させると共
に、精密打抜き法と平滑せん断法とを共用したことで両
者にない効果を発揮させることができる。即ち、パーキ
ングポール11の爪部13にあっては、精密打抜き法で
はこの爪部13にクラックが発生してその分離面に破断
面が生じてしまうため、この部分には段付工具による平
滑せん断法を共用する。一方、パーキングポール11の
背部23にあっては、段付工具による平滑せん断法では
この背部23に破断面が発生してしまうため、この部分
には精密打抜き法を用いる。従って、せん断加工された
製品としてのパーキングポール11には破断面が生じる
ことはない。
【0038】なお、上述の実施例において、板材からせ
ん断加工する部材として車両のオートマチックトランス
ミッションのパーキング機構に用いられるパーキングポ
ールを例にあげて説明したが、製品としてはこれに限る
ものではない。
【0039】また、板材の孔開け加工の場合には、打抜
きの場合の抜き屑側が製品となるため、本発明の精密せ
ん断加工法(精密せん断加工装置)の適用にあたって
は、内形凸部のダイス側に段付形状を持たせた段付ダイ
スを用いるものである。
【0040】
【0041】
【発明の効果】 以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに請求項1 の発明の精密せん断加工法によれば、被加
工部材の外形形状が滑らかである部分には所定形状穴を
有するダイス上に挿入された板材に対して環状突起を有
する板押えが降下することで板材を保持すると共にポン
チが降下することで所望の形状を有する部材を切り取
り、一方、その切り取る部材の外形凸部の先端角度が所
定値以下の部分にはポンチの降下、あるいはダイスの受
け止め時に段付部が作用して製品を加工するようにした
ので、被加工部材の外形形状によって精密打抜き法と段
付工具による平滑せん断法とを使い分けると共に共用す
ることでそれぞれの短所を補うと共に長所を十分に発揮
させ、且つ、両者にない作用効果を奏することができ
る。その結果、被加工部材の分離面に破断面が発生する
のを防止することで、被加工部材の加工精度の向上を図
ることができる。
【0042】また、請求項2の発明の精密せん断加工装
置によれば、切り取る部材における先端角度が所定値以
下の外形凸部に対応するポンチの外周部のみあるいはダ
イスの内周部のみに段付部を形成したので、所定形状穴
を有するダイス上に挿入された板材に対して環状突起を
有する板押えが降下することで板材を保持すると共に、
被加工部材の外形形状が滑らかである部分にはポンチが
降下することで所望の形状を有する部材を切り取り、一
方、外形凸部の先端角度が所定値以下の部分にはポンチ
の降下、あるいはダイスの受け止め時に段付部が作用し
て製品を加工することとなり、被加工部材の外形形状に
よってポンチあるいはダイス形状を変更することで、被
加工部材の分離面に破断面が発生するのを防止すること
で、被加工部材の加工精度の向上を図ることができると
共に、せん断加工時におけるポンチの食い込み量を減少
してポンチあるいはダイス等の寿命を延長することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る精密せん断加工法を実
施するための精密せん断加工装置の要部断面図である。
【図2】精密せん断加工装置に使用されるポンチの斜視
図である。
【図3】従来の慣用せん断加工法による分離面の説明図
である。
【図4】従来の慣用せん断加工法による加工状態を表す
説明図である。
【図5】精密打抜き法(Fine Blanking)の
加工原理を表す断面図である。
【図6】段付工具による平滑せん断加工法の加工原理を
表す断面図である。
【図7】段付工具による平滑せん断加工装置の断面図で
ある。
【図8】車両のオートマチックトランスミッションのパ
ーキング機構を表す正面図である。
【図9】パーキングポールの斜視図である。
【図10】板材に対する加工位置を表す平面図である。
【符号の説明】
11 パーキングポール(被加工部材) 13 爪部 23 背部 31 精密せん断加工装置 33 ダイス 34 穴 38 段付ポンチ 40 板押え 41,42 環状突起 45 段付部 46 先端部 47 板材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状穴を有するダイス上に挿入され
    た板材に対して板押えが降下することで該板押えの前記
    穴の外周辺位置に形成された環状突起が前記板材を保持
    すると共に、ポンチが降下することで所望の形状を有す
    る部材を切り取る精密せん断加工法において、前記切り
    取る部材の外形凸部の先端角度が所定値以下の場合に
    は、前記外形凸部に対応する部位にのみ段付部を有する
    前記ポンチあるいは前記ダイスによって加工することを
    特徴とする精密せん断加工法。
  2. 【請求項2】 所定形状穴を有し上面部に加工する板材
    が挿入されるダイスと、前記ダイスに対して昇降自在で
    あって前記穴の外周辺に位置して前記板材を保持する環
    状突起が形成された板押えと、前記ダイスに対して昇降
    自在であって前記ダイスの穴内に嵌合することで前記板
    材から所望の形状の部材を切り取るポンチとを有する精
    密せん断加工装置において、前記切り取る部材における
    先端角度が所定値以下の外形凸部に対応する前記ポンチ
    の外周部のみあるいは前記ダイスの内周部のみに段付部
    を形成したことを特徴とする精密せん断加工装置。
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Non-Patent Citations (1)

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高橋幸雄著「プレス打抜きと型設計」日刊工業新聞社、昭和40年1月15日発行 第2版、第183〜184頁、図164(2)

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