JP2707446B2 - スチレン系重合体繊維状成形品 - Google Patents

スチレン系重合体繊維状成形品

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JP2707446B2 JP63004922A JP492288A JP2707446B2 JP 2707446 B2 JP2707446 B2 JP 2707446B2 JP 63004922 A JP63004922 A JP 63004922A JP 492288 A JP492288 A JP 492288A JP 2707446 B2 JP2707446 B2 JP 2707446B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はスチレン系重合体繊維状成形品に関し、詳し
くは耐熱性,耐薬品性等に優れた新しいスチレン系重合
体繊維状成形品に関するものであって、耐熱性繊維,海
洋用資材,薬品使用機器部材などとして有効に利用する
ことができる。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 従来、熱可塑性樹脂において、その成形品として繊維
状のものが開発されている。このような熱可塑性樹脂と
してはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリアミド等があるが、いずれも耐熱性
や耐薬品性等の点で不十分であり、また水蒸気の影響な
しで使用できるものは少なく、かつ高価であるという欠
点があった。
近時開発されたシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体はポリマー原料が安価で、しかも融点が高
く、かつ耐薬品性に優れたポリマーである。
しかしながら、この優れた性質をもつシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体の成形体および成形
方法において、これまでに繊維状の成形体は得られてい
ない。
本出願人は先般、マット、ストランドを主とする成形
品の延伸物を提案した(特願昭61−222092号明細書)
が、繊維としては十分な検討がなされていなかった。
本発明者は、酸化防止剤を含むシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体を種々の紡糸方法を用いて
得られた繊維が、目的とする耐熱性,耐薬品性に優れた
性質をもっていることを見出し、この知見に基いて本発
明を完成した。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体100重量部に対し、酸化防止
剤0.0001〜1重量部を配合してなる組成物を紡糸してな
るスチレン系重合体繊維状成形品を提供するものであ
る。
本発明の繊維状成形品の主たる材料は、主としてシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である
が、このスチレン系重合体の主としてシンジオタクチッ
ク構造とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチッ
ク構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対し
て側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対
方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタク
ティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−N
MR法)により定量される。13C−NMR法により測定される
タクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在
割合は、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はト
リアッド,5個の場合はペンタッドによって示すことがで
きるが、本発明に言う主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体は、通常はダイアッドで75%
以上、好ましくは85%以上、若しくはペンタッド(ラセ
ミペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(ア
ルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分と
する共重合体を指称する。なお、ここでポリ(アルキル
スチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ
(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),
ポリ(ターシャリーブチルスチレン)などがあり、ポリ
(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(アルコキシスチレン)と
しては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシス
チレン)などがある。これらのうち特に好ましいスチレ
ン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチル
スチレン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−
ターシャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチ
レン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フル
オロスチレン)、更にはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体をあげることができる。
また、本発明に用いるスチレン系重合体は、分子量に
ついては制限はないが、重量平均分子量が10,000以上の
ものが好ましく、とりわけ50,000以上のものが最適であ
る。ここで重量平均分子量が10,000未満のものでは、均
一な繊維が得られず、また耐熱性も低下する。さらに、
分子量分布についてもその広狭は制約がなく、様々なも
のを充当することが可能である。この主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体は、融点が16
0〜310℃であって、従来のアタクチック構造のスチレン
系重合体に比べて耐熱性が格段に優れている。
このような主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物、及び水とトリアル
キルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン
系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を
重合することにより製造することができる(特開昭62−
187708号公報)。
次に本発明においては、上記のシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体に酸化防止剤を配合した組
成物を用いる。
ここで酸化防止剤としては様々なものがあるが、特に
リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤が好ま
しい。
リン系酸化防止剤としては、 一般式 [式中、R1,R2は同一でも異なっていてもよく、それぞ
れ炭素数1〜20のアルキル基,炭素数3〜20のシクロア
ルキル基,炭素数6〜20のアリール基を示す。] で表わされるリン系化合物を用いることが好ましい。上
記一般式で表わされるリン系化合物の具体例としては、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト,ジ
オクチルペンタエリスリトールジホスファイト,ジフェ
ニルペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト,ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ジシ
クロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなど
が挙げられる。
また、フェノール系酸化防止剤としては既知のものを
使用することができ、具体例としては、2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール,2,6−ジフェニル−4−
メトキシフェノール,2,2′−メチレンビス−(6−t−
ブチル−4−メチルフェノール),2,2′−メチレンビス
−(6−t−ブチル−4−エチルフェノール),2,2′−
メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘ
キシル)フェノール],1,1−ビス(5−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン,2,2′−メ
チレンビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル−フェ
ノール),2,2′−メチレンビス−(4−メチル−6−ノ
ニルフェノール),1,1,3−トリス−(5−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン,2,2−ビ
ス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフ
ェニル)−4−n−ドデシルメルカプト−ブタン,エチ
レングリコール−ビス−[3,3−ビス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート],1−1−ビス
−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−3−
(n−ドデシルチオ)−ブタン,4,4′−チオビス(6−
t−ブチル−3−メチルフェノール),1,3,5−トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−
2,4,6−トリメチルベンゼン,2,2−ビス−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロン酸ジオクタ
デシルエステル,n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート,
テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)]メタンなどが挙げら
れる。
上記の酸化防止剤は、前記のシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体100重量部に対し、0.0001〜
1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部の割合で配合さ
れる。ここで酸化防止剤の配合割合が0.0001重量部未満
であると分子量低下が著しく、一方、1重量部を超える
と機械的強度に影響があるため、いずれも好ましくな
い。
本発明の繊維状成形品のもととなる樹脂組成物は基本
的には上記の如く、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体と酸化防止剤からなるが、必要に応じて
他の熱可塑性樹脂や各種添加剤を配合しても良い。
このような熱可塑性樹脂としては、組成物の用途等に
より様々なものが選定され、特に制限はない。例えば低
分子量のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体,
アタクチック構造のポリスチレン,アイソタクチック構
造のポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂などのスチレン系重
合体をはじめ、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル,ポリカーボネート,オリフェニレンオキサイ
ド,ポリスルホン,ポリエーテルスルホンなどのポリエ
ーテル,ポリアミド,ポリフェニレンスルフィド(PP
S),ポリオキシメチレンなどの縮合系重合体、ポリア
クリル酸,ポリアクリル酸エステル,ポリメチルメタク
リレートなどのアクリル系重合体、ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリブテン,ポリ4−メチルペンテン−1,
エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、
あるいはポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリ弗
化ビニリデンなどの含ハロゲンビニル化合物重合体など
が挙げられる。
また、添加剤として紡糸性,安定性,機械的強度の向
上のために、従来から用いられている滑剤,酸化安定
剤,無機充填剤などを配合することもできる。
本発明の繊維状成形品は、叙上の如き組成物を紡糸し
てなるものである。ここで紡糸方法としては溶融紡糸,
湿式紡糸のいずれの方法でも良い。
溶融紡糸の場合には、叙上の如き組成物を融点以上、
好ましくは融点以上分解温度以下に加熱溶融して、細い
ノズルより押出せばよい。
また、湿式紡糸の場合には、叙上の如き組成物を溶媒
に溶解し、ノズル先端でゲル化させて押出せばよい。こ
こで湿式紡糸を行なう場合には溶媒としてベンゼン,ト
ルエン,キシレン,エチルベンゼン,シクロヘキサン,
デカリン,N−メチルピロリドン,テトラヒドロフラン,
四塩化炭素,1,1,2,2−テトラクロロエタン,クロロホル
ム,ジクロロメタン,モノクロロベンゼン,ジクロロベ
ンゼン,トリクロロベンゼン,トリクレンなどを用いれ
ばよい。
以上の如くして、本発明のスチレン系重合体繊維状成
形品(以下、単に繊維と称することがある。)が得られ
るが、必要に応じてさらに延伸処理,熱処理を行なって
も良い。
ここで延伸処理は特に限定されないが、例えば溶融紡
糸により得られた繊維は、巻き取り速度とガイドローラ
ー,押出速度を調節することにより延伸することができ
る。
一方、湿式紡糸により得られた繊維は、湿潤状態で溶
融紡糸と同様にして延伸することができる。
また、これらの方法により得られた繊維は再度加熱し
て延伸することもできる。
このような延伸処理を行なうことにより、一層力学物
性,熱的性質にすぐれた繊維が得られる。
延伸倍率は特に制限はないが、通常2倍以上、特に3
倍以上が好適である。
さらにまた、このようにして得られた繊維を、それぞ
れの繊維のガラス転移温度以上であって、融点以下の温
度で、好ましくはガラス転移温度よりも20℃高い温度乃
至融点の温度範囲で熱処理(熱固定)を行なうこともで
きる。この熱処理を行なうことにより、繊維の耐熱性,
耐薬品性が一層向上する。
このようにして得られたスチレン系重合体繊維状成形
品は、直径(幅)が0.0001〜2mm、好ましくは0.0001〜
0.5mmのものである。
[実施例] 次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明するが、本発明の範囲を超えない限り、これに限定
されるものではない。
実施例1 (1)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体の製造 反応容器に溶媒としてトルエン2と、触媒成分であ
るシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド1ミ
リモル、およびメチルアルミノキサンをアルミニウム原
子として0.8モル加え、20℃においてスチレン3.6を加
えて1時間重合反応を行なった。反応終了後、生成物を
塩酸−メタノール混合液で洗浄し、触媒成分を分解除去
した。ついで乾燥し重合体330gを得た。つぎに、この重
合体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー抽
出し、抽出残分95重量%を得た。この重合体は重量平均
分子量が290,000,数平均分子量158,000であり、融点は2
70℃であった。また、この重合体は同位体炭素の核磁気
共鳴(13C−NMR)による分析からシンジオタクチック構
造に基因する145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク
面積から算出したペンタッドでのシンジオタクティシテ
ィーは96%のものであった。
(2)繊維状成形品の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体の粉末20gとビス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト14
0mg,2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール20mg
を窒素雰囲気下で撹拌混合した。この粉末混合物を底部
に細孔を有する金属製シリンダーに入れ、300℃に加熱
し、溶融させ撹拌した後、ピストンで押し出し、底部の
細孔より押し出された繊維を得た、この繊維を210℃で1
5分間熱処理した。
得られた繊維の直径は0.1mmで、引張強度,引張弾性
率はそれぞれ0.8GPa,5GPaであり、融点は270℃であっ
た。また、この繊維は硫酸,硫酸水溶液(5重量%),
水酸化ナトリウム水溶液(10重量%)等の酸,アルカリ
及びその水溶液、ガソリン,ヘプタン,エタノール,ベ
ンズアルデヒド等の有無溶剤中に侵しても冒されず、そ
の融点及び力学物性に変化はなかった。
実施例2 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体を用い、実施例1の(2)と同様に
して繊維を製造し、150℃で3倍に延伸して延伸繊維を
得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例3 (1)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体の製造 反応容器に、溶媒としてトルエン180mlと触媒成分と
してテトラエトキシチタニウム0.15ミリモルおよびメチ
ルアルミノキサンをアルミニウム原子として15ミリモル
加え、30℃においてこれにスチレン145ミリモルとp−
メチルスチンレン15ミルモルの混合物を加え2時間重合
反応を行なった。反応終了後生成物を塩酸−メタノール
混合液で洗浄し、触媒成分を分解除去した。ついで乾燥
し、スチレン系重合体22gを得た。つぎにこの重合体を
メチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー抽出し、
抽出残分99重量%を得た。このものの重量平均分子量は
960,000,数平均分子量460,000であり融点は225℃であっ
た。また、p−メチルスチレン含量は23モル%で、13C
−NMRによる分析から、特願昭62−017973に示した共重
合体と同様に145.11ppm,145.22ppm,142.09ppmに吸収が
みられ、共シンジオタクチック構造であることがわかっ
た。
(2)繊維状成形品の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体を250℃に加熱して、溶融押し出し
した他は実施例2の(2)と同様にして3倍延伸繊維を
得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例4 実施例1の(1)で得られたシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体18gにアタクチックポリスチ
レン(商品名:出光スチロールUS300,重量平均分子量37
0,000,MI2g/10分,出光石油化学(株)製)2gを混合し
て用いた他は実施例2の(2)と同様にして延伸繊維を
得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例5 実施例1の(1)で得られたシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体18gにポリカーボネート(商
品名:出光ポリカーボネートA3000,粘度平均分子量28,5
00〜30,500,出光石油化学(株)製)2gを混合して用い
た他は実施例2の(2)と同様にして延伸繊維を得た。
得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例6 実施例1の(1)で得られたシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体20gにタルク(商品名:タル
クFFR,平均粒径0.6μm,浅田製粉(株)製)0.1gを混合
して用いた他は実施例2の(2)と同様にして延伸繊維
を得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例7 (1)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体の製造 反応容器に、溶媒としてトルエン20mlと触媒成分とし
てテトラエトキシチタニウム0.05ミリモルおよびメチル
アルミノキサンをアルミニウム原子として5ミリモル加
え、40℃においてこれにスチレン150mlを加え、4時間
重合反応を行なった。反応終了後、生成物を塩酸−メタ
ノール混合液で洗浄し、触媒成分を分解除去した。つい
で乾燥し、スチレン系重合体(ポリスチレン)25gを得
た。つぎに、この重合体をメチルエチルケトンを溶媒と
してソックスレー抽出し、抽出残分(以下MIPとい
う。)95重量%を得た。このものの重量平均分子量は1,
350,000、数平均分子量は480,000であり、融点は270℃
であった。また、13C−NMRによる分析から、シンジオタ
クチック構造に基因する145.35ppmに吸収が認められ、
そのピーク面積から算出したラセミペンタッドでのシン
ジオタクティシティーは96%であった。
(2)繊維状成形品の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体6gと2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール0.01gを金属製圧力容器に入れ、200gの
パラキシレンを入れ窒素雰囲気下125℃で撹拌溶解し
た。溶解後、圧力容器にノズルを取りつけ窒素圧によっ
てノズルからゲル状の糸を押し出した。このゲル状の糸
をアセトン中に15分間浸した後3分間風乾した。この湿
潤状態の繊維を室温で2倍に引張延伸して延伸繊維を得
た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例8 (1)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体の製造 反応容器に、溶媒としてトルエン80mlと触媒成分とし
てテトラエトキシチタニウム0.178ミリモルおよびメチ
ルアルミノキサンをアルミニウム原子として17.8ミリモ
ルを加え、20℃においてこれにスチレン440mlを加え、
7時間重合反応を行なった。反応終了後、生成物を塩酸
−メタノール混合液で洗浄し、触媒成分を分解除去し
た。ついで乾燥し、スチレン系重合体(ポリスチレン)
6.8gを得た。つぎに、この重合体をメチルエチルケトン
を溶媒としてソックスレー抽出し、抽出残分98重量%を
得た。このものの重量平均分子量は3,040,000、数平均
分子量は1,220,000であり、融点は270℃であった。ま
た、13C−NMRによる分析から、シンジオタクチック構造
に基因する145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面
積から算出したラセミペンタッドでのシンジオタクティ
シティーは99%であった。
(2)繊維状成形品の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体を用いて、室温で3倍に引張延伸し
た他は実施例7の(2)と同様にして延伸繊維を得た。
得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例9 実施例8で得られた延伸繊維をさらに150℃で5倍に
延伸した。得られた繊維の性質を第1表に示す。
比較例1 高密度ポリエチレン(商品名:出光ポリエチレン540
E,MI 0.14g/10分,出光石油化学(株)製)を、180℃に
溶融して用いた他は実施例1の(2)と同様にして繊維
を得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
比較例2 高密度ポリエチレン(商品名:ハイゼックスミリオン
240M,三井石油化学(株)製,重量平均分子量2,000,00
0)を用いた他は実施例8の(2)と同様にして繊維を
得た。得られた繊維の性質を第1表に示す。
比較例3 ナイロン6(商品名:UBEナイロン1013B,宇部興産
(株)製)を230℃で溶融して用いた他は実施例1の
(2)と同様にして繊維を得た。得られた繊維を水,水
蒸気,希アルカリ水,希硫酸水に浸漬したところ、引張
強度は0.075GPaから0.05GPaへと約30%低下し、引張弾
性率は2.4GPaから0.75GPaへと約60%低下した。
実施例10 (1) シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体の製造 反応容器に、反応溶媒としてトルエン2と触媒成分
としてテトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルア
ルミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル入
れ、55℃においてスチレン15を加え、4時間重合反応
を行った。
反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液で
洗浄して、触媒反応を分解除去した。次いで乾燥するこ
とにより、スチレン系重合体(ポリスチレン)2.5kgを
得た。次に、この重合体を、メチルエチルケトンを溶媒
としてソックスレー抽出し、抽出残分97重量%を得た。
この抽出残分の重量平均分子量は400,000であった。ま
た、この重合体は13C−NMRによる分析(溶媒:1,2−ジク
ロロベンゼン)から、シンジオタクチック構造に基因す
る145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から算
出したラセミペンタッドでのシンジオタクティシティー
は98%であった。
(2) 繊維状成形品の製造 上記(1)の様にして得られたスチレン系重合体100
重量部に対し、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ペンタエリストールジホスファイト0.7重量部、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1重量部を撹拌
混合し、樹脂温度300℃でペレット化した。
このペレットを用いて、メルトテンションテスター
(MT)TYPE II型(東洋精機(株)製)にて300℃で繊維
状成形品を製造した。このときの引取速度は9.8m/minで
あり、ドラフト比38であった。得られた繊維状成形品は
直径350μmで、複屈折率(Δn)は0.824×12-3であっ
た。結果を第1表に示す。
実施例11 引取速度を39.3m/min(ドラフト比152)としたこと以
外は実施例10の(2)と同様にして繊維状成形品を得
た。この繊維状成形品の直径は164μmで、複屈折率
(Δn)は3.31×10-3であった。結果を第1表に示す。
実施例12 引取速度を98m/min(ドラフト比380)としたこと以外
は実施例10の(2)と同様にして繊維状成形品を得た。
この繊維状成形品の直径は100μmで、複屈折率(Δ
n)は8.4×10-3であった。結果を第1表に示す。
実施例13 (1) シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体の製造 反応容器に、反応溶媒としてトルエン2と触媒成分
としてテトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルア
ルミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル入
れ、50℃においてスチレン15を加え、4時間重合反応
を行った。
反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液で
洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥するこ
とにより、スチレン系重合体(ポリスチレン)2.5kgを
得た。次に、この重合体を、メチルエチルケトンを溶媒
としてソックスレー抽出し、抽出残分97重量%を得た。
この抽出残分の重量平均分子量は800,000であった。ま
た、この重合体は13C−NMRによる分析(溶媒:1,2−ジク
ロロベンゼン)から、シンジオタクチック構造に基因す
る145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から算
出したラセミペンタッドでのシンジオタクティシティー
は96%であった。
(2) 繊維状成形品の製造 上記(1)で得られたスチレン系重合体を用い、実施
例10の(2)と同様にしてペレット化した。
このペレットより実施例10と同様にして繊維状成形品
を得た。この繊維状成形品の直径は340μmで、複屈折
率(Δn)は0.52×10-3であった。結果を第1表に示
す。
実施例14 実施例13の様にして得られたペレットを用いて、実施
例11と同様にして直径170μm、複屈折率1.38×10-3
繊維状成形品を得た。結果を第1表に示す。
製造例A(シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体の製造) 反応容器に、精製スチレン1500ml、トルエン1500ml、
メチルアルミノキサンをアルミニウム原子として90ミリ
モル、トリイソブチルアルミニウム90ミリモル、テトラ
エトキシチタン0.90ミリモルを加えて70℃で4時間重合
反応を行なった。反応が終了した後、生成物を水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液で触媒成分を分解後、メタノ
ールで繰り返し洗浄し、乾燥して、重合体550gを得た。
1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として、135℃でゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにて測定したこの
重合体の重量平均分子量は、248,000、数平均分子量
は、102,000であった。また、DSC(示差走査熱量計)に
より測定した融点は267℃であった。重合体は、13C−NM
Rによる分析から、シンジオタクチック構造に起因する1
45.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から算出し
たラセミペンタッドでのシンジオタクシティシティーは
94%であった。
製造例B 製造例Aで得られたシンジオタクチック構造ポリスチ
レン(SPS)(重量平均分子量248,000)2kgに、酸化防
止剤としてビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト4g及び2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール4gをブレンドした。この
混合物を300℃に設定した押出機でペレタイズしてペレ
ットを作成した。
実施例A 製造例Bで得られたペレット900gとポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)(PPE,商品名:HPX−1
00L,三菱瓦斯化学(株)製)100gをブレンドし、この混
合物を300℃に設定した押出機でペレタイズしてペレッ
トを作成した。スクリュー径250mmφの押出機の先端に
ギアポンプ、ダイ(スピナレット径0.3mmφ、24個のス
ピナレットが同一円周上に配置)を装着した溶融紡糸機
を用いて紡糸を行なった。このとき、一つのスピナレッ
ト当たりの樹脂の吐出量は0.43g/minであり、ダイの温
度は305℃であった。また、紡糸速度は500m/minであっ
た。得られた繊維の物性値を第2表に示す。
実施例B 実施例Aで得られた繊維を180℃に設定した熱板上で
連続的に3倍に延伸し、延伸機能を作製した。このと
き、繊維の繰り出し速度は3m/minであり、引き取り速度
は9m/minであった。得られた繊維の物性値を第2表に示
す。
実施例C 製造例Bで得られたペレット800gとポリプロピレン
(PP)(商品名:出光ポリプロF−200S,出光石油化学
(株)製)200gとをブレンドし、この混合物を300℃に
設定した押出機でペレタイズしてペレットを作製した。
以下、実施例Aと同一の溶融紡糸装置を用いて紡糸を行
なった。このとき、一つのスピナレット当たりの樹脂の
吐出量は0.43g/minであり、ダイの温度は305℃であっ
た。また、紡糸速度は1000m/minであった。得られた繊
維の物性値を第2表に示す。
実施例D 実施例Cで得られた繊維を160℃に設定した熱板上で
連続的に4倍に延伸し、延伸繊維を作製した。このと
き、繊維の繰り出し速度は3m/minであり、引き取り速度
は12m/minであった。得られた繊維の物性値を第2表に
示す。
実施例E 製造例Bで得られたペレット900gとポリエチレン(HD
PE)(商品名:出光ポリエチレン440M,出光石油化学
(株)製)100gをブレンドし、この混合物を300℃に設
定した押出機でペレタイズしてペレットを作製した。以
下、実施例Aと同一の溶融紡糸装置を用いて紡糸を行な
った。このとき、一つのスピナレット当たりの樹脂の吐
出量は0.43g/minであり、ダイの温度は290℃であった。
また、紡糸速度は500m/minであった。得られた繊維の物
性値を第2表に示す。
実施例F 製造例Bで得られたペレット800gとポリアミド6,6(P
A66)(商品名:宇部ナイロン2020B,宇部興産(株)
製)200gとをブレンドし、この混合物を300℃に設定し
た押出機でペレタイズしてペレットを作製した。以下、
実施例Aと同一の溶融紡糸装置を用いて紡糸を行なっ
た。このとき、一つのスピナレット当たりの樹脂の吐出
量は0.43g/minであり、ダイの温度は290℃であった。ま
た、紡糸速度は500m/minであった。得られた繊維の物性
値を第2表に示す。
実施例G 製造例Bで得られたペレット900gとポリエチレンテレ
フタレート(PET)(商品名:ダイヤナイトMA−523,三
菱レイヨン(株)製)100gとをブレンドし、この混合物
を300℃に設定した押出機でペレタイズしてペレットを
作製した。以下、実施例Aと同一の溶融紡糸装置を用い
て紡糸を行なった。このとき、一つのスピナレット当た
りの樹脂の吐出量は0.50g/minであり、ダイの温度は300
℃であった。また、紡糸速度は500m/minであった。得ら
れた繊維の物性値を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明のスチレン系重合体繊維状成形品は、シンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体の属性である
耐熱性を維持しつつ、酸,アルカリ,有機溶媒の主たる
ものに不溶であって、耐薬品性が著しく改善されたもの
である。
したがって、本発明のスチレン系重合体繊維状成形品
は、耐熱性繊維をはじめとして、各種用途に幅広く、か
つ有効に利用される。また、本発明のスチレン系重合体
繊維状成形品は、防縮性,耐水性,耐薬品性,軽量,通
気性良好な不織布の材料して利用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体100重量部に対し、酸化防止剤0.0001
    〜1重量部を配合してなる組成物を紡糸してなるスチレ
    ン系重合体繊維状成形品。
  2. 【請求項2】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂100重
    量部に対し、酸化防止剤0.0001〜1重量部を配合してな
    る組成物を紡糸してなるスチレン系重合体繊維状成形
    品。
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