JP2705926B2 - 光背面記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は、感光体が透明基体と透明導電層と光導電層
とからなる画像形成装置において、光導電層を画像露光
手段の照射する光波長に感度を有する光導電層と、その
上に露光波長に無感度で除電光源の光波長に感度を有す
る光導電層とで構成し、現像の際の静電拘束力を高める
とともに、除電効果を高め品質のよい画像形成が可能と
なる。 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感光体が透明基体と透明導電層と光導電層
とからなる光背面記録装置に関するものである。 情報処理の分野で画像処理が盛んに行われている。こ
の画像処理の内で出力装置として画像形成装置がある。
この画像形成装置は、電子写真法即ち、カールソンプロ
セスを用いている。即ち記録媒体に感光体を用い、一様
にこの感光体を帯電し、画像情報に基づく画像露光を行
い、この画像露光による静電潜像にトナーを付着する現
像を行う。このトナー画像を記録紙に転写して定着を行
って所要の記録を得る。 転写後に、感光体上に残留したトナーの除電を行っ
て、感光体のクリーニングを行うと云う工程をとってい
る。上記したカールソンプロセス方式の画像形成装置は
装置が大型化すると云う欠点と、除電にコロナ放電を用
いており、耐圧の面及びオゾンの発生の面から好ましく
ないと云う問題があった。 〔従来の技術〕 上記したカールソンプロセス方式に対処するために、
第３図に示すような工程をもつ画像形成装置が用いられ
ている。第３図（ａ）に示すように、感光体１は透明基
体１−１と透明導電層１−２と光導電層１−３とで構成
されている。現像手段２は磁気ブラシ現像機２−２と２
−３とで構成されており、磁気ブラシ現像機２−２は、
電源２−１にて現像イアスが印加されており、内蔵する
トナーを搬送する。この状態で、感光体１の透明基体１
−１側から画像露光手段３を用いて、画像露光を行う。
すると、露光部の光導電層１−３では、ホトキャリアが
発生し、感光体１の表面方向に移動し、潜像電荷とな
る。 これとほぼ同時に、潜像電荷５と逆特性に帯電したト
ナーが、感光体１の表面に付着したトナー像が形成され
る。 しかし、この時、非露光部でも、磁気ブラシ現像機２
−２と透明導電層１−２の間に電界が働くため、トナー
が付着する。 この状態で、第３図（ｂ）に示すように、接地された
磁気ブラシ現像機２−３によって、光導電層１−３上の
非露光の潜像電荷５の無い個所のトナーが回収される。
従って、潜像電荷部分のトナー６が静電拘束力によって
感光体１上に画像を形成する。 しかしこの方式は、画像露光を行い現像をする工程
（第３図（ａ）の状態）及び、非露光部のトナーを除去
する工程（第３図（ｂ）の状態）で潜像電荷５とトナー
電荷６とが中和し、静電拘束力を弱められ、潜像電荷部
に付着したトナー６が磁気ブラシ現像機２−３で回収さ
れてしまい、充分な画像濃度が得られないと云う欠点が
ある。 これに対処するために、光導電層１−３上に絶縁層を
設けて中和を防止するとよいが、絶縁層を設けると、潜
像電荷５とトナー電荷６の静電拘束力が除電光源にて除
去されないと云う問題を生ずる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記した従来の画像作成装置では、印字濃度が充分で
なく、又潜像部の残留トナー除去が充分に行われないと
云う問題があった。 本発明は、このような従来の状況から、鮮明な画像の
得られる光背面記録装置の提供を目的とするものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、第１図（１）に示すように、感光体１の透
明基体１−１の上に透明導電層１−２を設け、この透明
導電層１−２上に、画像露光手段３の発光する光波長に
高感度を有する光導電層１−４を設け、更にこの光導電
層１−４の上に、画像露光手段３の露光波長に低感度で
第１図（ｃ）に示す除電光源４の光波長に高感度を有す
る光導電層１−５とで感光体１を構成する。 〔作用〕 光導電層１−５は露光の光波長に低感度であるので、
露光の際に光導電層１−５は絶縁体として作用する。従
って、潜像電荷５とトナー６の電荷は絶縁されて、潜像
電荷５とトナー６の電荷との中和を防止し、充分な静電
拘束力が得られる。感光体１上に残留したトナーを除去
するために、除電光源を照射すると、光導電層１−５は
反応して潜像電荷５を光導電層１−５にもたらし、トナ
ーと中和して除電されることとなる。従って、鮮明な画
像形成が行えることとなる。 〔実施例〕 第２図は本発明の実施例の要部模式図である。従来と
同一個所の説明は省略する。従来と異なる部分は、感光
体１と除電光源４とである。 感光体１は、100μｍ厚さのポリエチレンテレフタレ
ートからなる透明基体１−１の上に、酸化インジウム蒸
着膜の透明導電層１−２を設け、更に光波長670nmで最
大感度となる長波長に高感度を有し、厚さが10μｍ前後
のフタロシアニン系材料からなる有機光導電層１−４
と、短波長に高感度を有し厚さが１〜２μｍのPVK−TNF
からなる有機光導電層１−５とで構成されている。 なお、感光体材料は上記以外に、長波長に高感度を有
するものとして、Se・Te,SeAs,CdS,a−Si等、短波長に
高感度を有するものとして、Se、アゾ系染料等が上げら
れる。 画像露光手段として動作する画像露光装置３は、発光
波長670nmのLEDアレイとセルフォックレンズアレイの光
学系とで構成されている。 除電光源４は、有機光導電層１−４と１−５の両方に
高感度を与える光として、白色光を出力する螢光灯で構
成してある。 画像露光装置３が露光を行い潜像電荷を有機光導電層
１−４の表面に作成する際に、有機光導電層１−５は露
光の発光波長に感度が低いために、絶縁層として動作
し、潜像電荷とトナー電荷の中和を防止する。 従って静電拘束力の強いトナーが感光体１に得られ
る。非露光部分のトナーは、磁気ブラシ現像機２−３で
回収される。トナー電荷と逆極性に印加された転写ロー
ラ７によって記録紙８に転写され定着器９にて定着が行
われ記録画像が得られる。 転写の後に感光体１上に残留したトナーは、除電光源
４に至る。この除電光源４は有機光導電層１−４と１−
５に高感度をもたらせる白色光を発光するので、残留ト
ナーと潜像電荷は有機光導電層１−５を介して結合して
中和される。中和によって除電された残留トナーは、静
電拘束力を失い磁気ブラシ現像機２−２で充分な回収が
なされることとなる。 以上の説明は、画像露光と現像を同時に感光体上に一
様にトナーを付着させたのちに画像露光を行う。画像形
成装置に用いても何等支障されず同一効果を得る。 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、潜
像電荷とトナー電荷との中和が防止され、トナー像の静
電拘束力が維持され画像濃度の高い画像が得られるとと
もに、除電が光源のみで充分行われ、画像品質を向上す
る上できわめて有用である。しかも、除電装置が感光体
内部に設けられているので装置が小型にできる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の原理図、 第２図は本発明の実施例の要部模式図、 第３図は従来の画像形成装置の工程図である。 図において、１は感光体、１−１は透明基体、１−２は
透明光導電層、１−３は光導電層、１−４と１−５は有
機光導電層、２−２と２−３は磁気ブラシ現像機、３は
画像露光装置、４は除電光源を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 淳三 川崎市中原区上小田中1015番地 富士通 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−76761（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−98748（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−98749（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−91228（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−122078（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．筒状の透明基体上に形成された透明導電層と、該透
   明導電層上に形成された第一の光導電層と、該第一の光
   導電層上に形成された第二の光導電層を有する感光体： 該感光体の外側に設けられた現像手段： 該感光体を介して前記現像手段と対向するように、該感
   光体内部に設けられた画像露光手段： 該感光体内部に設けられた除電露光手段： を具備し、 前記第一の光導電層は、前記画像露光手段による露光の
   光波長と、前記除電露光手段による発光の光波長との両
   方に対して高感度であり、 前記第二の光導電層は、前記画像露光手段による露光の
   光波長に対して低感度で、前記除電露光手段による発光
   の光波長に対しては高感度であることを特徴とする光背
   面記録装置。