JP2705345B2 - 配線形成方法 - Google Patents

配線形成方法

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JP2705345B2
JP2705345B2 JP8126191A JP8126191A JP2705345B2 JP 2705345 B2 JP2705345 B2 JP 2705345B2 JP 8126191 A JP8126191 A JP 8126191A JP 8126191 A JP8126191 A JP 8126191A JP 2705345 B2 JP2705345 B2 JP 2705345B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レ―ザ光を利用する半
導体製造プロセスの一つであるレ−ザCVD反応を利用
する配線形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】レ−ザCVD直描配線形
成法による配線修正技術は、LSI等の多層配線構造基
板への適用が可能であり、LSIの開発期間の短縮等に
大きく貢献している。また装置としての操作性、安全性
にも優れているため、あらゆるLSIの生産現場への導
入が期待されている。しかし上部に絶縁保護膜を有さな
い段階で配線を修正する場合、基板表面の既存配線を横
切って直描配線を形成する必要が生じ、横切る既存配線
と直描配線間を所要箇所で絶縁することが要求される。
このように特定箇所に絶縁膜を形成する手段としてレ−
ザCVDによる局所絶縁技術が有望であることが198
8年秋期応用物理学会学術講演会講演予稿集534頁の
樋浦等の論文に提案されている。この方法は、紫外光に
よる光化学反応でシリコン酸化膜を形成するジシラン、
亜酸化窒素ガスの雰囲気中で、局所的な絶縁を所望する
箇所にArFエキシマレ−ザ光を照射して局所的に絶縁
膜を形成するものである。この方法では、通常配線直描
用のレ−ザCVDに用いる可視光源とは別に、高価でラ
ンニングコストの高いArFエキシマレ−ザを必要とす
るので、装置が大がかりで複雑となり、実用性に劣る欠
点がある。またジシランガスは空気中で自然発火するな
ど危険性の高いガスであるため取り扱いにも注意が必要
である。このように、従来の配線形成方法では、導電性
薄膜を堆積するレ−ザ直描CVDによる配線修正装置に
大きな変更を加えず、かつ安全性等のランニングコスト
や装置コストの増大を招くことなく、基板上の配線とC
VD配線間を絶縁する機能を付与することは困難であっ
た。本発明の目的は、以上のような従来の方法の欠点を
解決し、安価で安全性に優れ、かつ簡便に絶縁機能を付
与する配線形成方法を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱分解反応に
より導電性物質を析出する原料ガスの雰囲気中に設置し
た基板の表面に、レ―ザ光を用いて配線を描画する配線
形成方法において、基板上にカリックスアレ―ン薄膜を
塗布形成する工程と、該カリックスアレ―ン薄膜が形成
された基板上に集光させたレ―ザ光を照射し、前記基板
に対して相対的に走査して配線を描画する工程とを備え
てなることを特徴とする配線形成方法である。また、本
発明の配線形成方法は、配線描画後の基板を有機溶媒で
洗浄することにより、描画配線下のカリックスアレ―ン
薄膜のみを残して他の部分のカリックスアレ―ン薄膜を
除去する工程を加えること、あるいは配線描画後の基板
を有機溶媒で洗浄することにより、カリックスアレ―ン
薄膜を全て除去する工程を加えることを含めることがで
きる。さらに、本発明の方法で用いられるカリックスア
レ―ンは、5,11,17,23,29,35ヘキサメ
チル37,38,39,40,41,42ヘキサアセト
キシカリックス[6]アレ―ンであることを好適とす
る。
【0004】
【作用】レ−ザ直描熱CVD法では、光照射により起こ
る局所的な温度上昇を利用し、CVD原料ガスを分解し
て、基板上に導電性物質を堆積させる。CVD温度は、
原料ガスの種類や、CVD条件に依存するが、一般的に
は、300℃から1500℃程度の高温で行われること
が知られている。基板上の配線と直描CVD配線との間
に絶縁層を形成する手段としては、絶縁体となる材料を
基板上に塗布して、その上に直描CVD配線を形成する
方法が最も簡便であると考えられる。しかし、局所的な
絶縁を施したい場所以外にも絶縁膜層が残る場合、電気
的特性評価用のプロ―ビング針を、基板の所望の配線箇
所に立てて電気的コンタクトを取れなくなるので、絶縁
を施したい部分以外の絶縁層を簡便に除去するか、もし
くは、絶縁層がプロ―ビング針の針圧で簡単にはがれる
ことが実用的な方法を得るために必要である。他の必要
条件も加えて、レ−ザCVD配線形成方法で局所的な絶
縁機能を持たせるうえの条件をまとめて、以下に示す。
数1000オングストロ―ムから数μmの厚みの絶縁
膜を基板上に均一に塗布できること。十分な絶縁性が
あること。LSI応用を考えると、絶縁抵抗としては、
数10MΩ以上の値が要求される。CVD時に加わる
高温に対する耐熱性があること。局所的な絶縁を施し
た部分以外の絶縁膜を簡単に除去できるか、もしくは電
気的プロ―ビングに支障がないこと。
【0005】このような条件を満たす局所絶縁用の材料
の検討を進めたところ、有機膜の一種であるカリックス
アレ―ンが上記の条件を満たし、さらに他材料にない優
位性を持つことを実験的に初めて明らかにした。使用し
たカリックスアレ―ンは、多くの有機溶媒に高い溶解性
を示す5,11,17,23,29,35ヘキサメチル
37,38,39,40,41,42ヘキサアセトキシ
カリックス[6]アレ―ンである。一般にカリックスア
レ―ンは、400℃程度の高い耐熱性を持つものが多い
が、有機溶媒には、ほとんど溶けないことが知られてい
る。我々は、有機溶媒に易溶な上記のカリックスアレ―
ンを開発し、かつ基板にスピンコ−トすることで均一な
薄膜を形成できることをすでに見い出している(特願平
2−249151号)。さらに本発明の目的である絶縁
膜としての特性も優れていることが判明し、本発明を成
すに至った。
【0006】絶縁特性は、むき出しのAl配線を有する
LSI相当の基板に、カリックスアレ―ンを2000オ
ングストロ―ム厚形成した後、W(CO)6をCVDガ
スとして、光源にArレ−ザを用い、カリックスアレ―
ン上にW配線を直描し、基板のAl配線とCVDによる
W配線の間の抵抗を測定して評価した。その結果、絶縁
抵抗としては、再現性よく10V印加電圧時にも100
MΩ以上あることを確認した。また、CVD温度に関連
するレ−ザ照射パワ―や、描画速度等のCVD条件を選
択すると、基板上のカリックスアレ―ン上にWを堆積す
ることの他に、カリックスアレ―ン膜に溝を掘った状態
で基板表面に接触させてW線を堆積できることもわかっ
た。これらのことは、基板上の配線と直描線の間を必要
に応じて絶縁させたり、導通させることが、CVD条件
により選択できることを意味し、応用上の利点が大きい
と考えられる。また、カリックスアレ―ン膜の熱伝導率
が、通常の酸化シリコン膜等に比べ一桁程度低いため
に、カリックスアレ―ン層が、熱的な絶縁層としても機
能する結果、基板の局所的な熱伝導性の違いがCVD配
線の形状に影響を与えにくく、直描CVD特性の制御性
も大きく向上することがわかった。また、局所的な絶縁
を施した部分以外のカリックスアレ―ン膜は、エチルア
ルコ−ルに10秒程度浸しただけで、簡単に除去でき
た。局所的な絶縁を施した場所は、CVDしたW配線が
マスクとして作用するために、短時間では除去されない
ため洗浄後も十分な絶縁性を維持していることを確認し
た。また、有機溶媒中にさらに長く浸すことにより、W
配線下のカリックスアレ−ン膜も含めてすべて除去する
ことができる。そのほか、カリックスアレ―ンを通して
基板上の配線にプロ―ビング針を立てると針圧により、
簡単にカリックスアレ―ン層がはがれて、下層の配線に
電気的コンタクトをとることができた。以上述べたよう
に、従来のレ−ザCVDによる配線修正方法において、
基板上に薄いカリックスアレ―ン層を形成した後にレ−
ザCVD配線形成を行うことで、直描配線と基板上の既
存配線の間を、CVD条件により絶縁もしくは導通のい
ずれかの状態にしながら、CVD配線を形成することが
可能となる。また、CVD配線形成後の基板上の不要な
カリックスアレ―ン層は、安全な有機溶媒で容易に除去
することができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の配線形成方法の一実施例
の構成図である。CVDチェンバ−10内のX−Yステ
−ジ7上には5,11,17,23,29,35ヘキサ
メチル37,38,39,40,41,42ヘキサアセ
トキシカリックス[6]アレ―ン8を2000オングス
トロ―ム塗布した基板9を保持する。X−Yステ−ジ7
は、基板9を照射レ―ザ光に対し相対的に走査して、C
VDによるW配線5を直描するために用いる。基板9
は、Al配線がむき出しとなっている保護膜なしLSI
である。Arレ−ザからなるレ−ザ光源1の出射光は、
顕微レ−ザ照射光学系2、およびCVDチェンバ−10
の窓4を順次通過して基板9に照射される。基板9上の
レ−ザビ−ム径は2μmである。レ―ザ光照射部近傍の
状況はモニタカメラ3でモニタできる構成になってい
る。1 TorrのW(CO)6と大気圧のArキャリア
ガスからなるCVD原料ガスは、CVD原料ガス供給ユ
ニット6からCVDチェンバ−10に供給される。
【0008】次に実験結果を述べる。上記のカリックス
アレ―ンを塗布した基板9上で、基板上のむき出しAl
配線を越えて、レ―ザ光照射強度100mW、描画速度
0.5μm/sでCVDによるW配線を形成したとこ
ろ、この条件では、W配線は、カリックスアレ―ン層に
食い込むことなくカリックスアレ―ンの上に形成でき
た。堆積させたW配線と、基板上のAl配線の絶縁抵抗
は、10V印加時に100MΩ以上あり、LSI応用に
十分な耐圧が得られた。また、レ−ザ照射強度を300
mW、描画速度を0.5μm/sとして、W配線を堆積
させた場合には、Al配線と堆積させたW配線の抵抗
は、3Ωと十分に低い値で導通させることができた。照
射強度に対する絶縁と導通のしきい値は200mW付近
にあり、このしきい値から20mW程度以上離れた照射
強度に設定することで、絶縁,導通の状態を再現性よく
選択することができた。またCVDによるW配線を直描
した後、電気特性測定用のプロ―ビング針を基板上のA
l配線に立てて、導通をとることは容易であった。これ
は、カリックスアレ―ン8と基板9との付着力があまり
強くなく、かつ堅くて脆い性質があるために、プロ―ビ
ング針の針圧で容易にカリックスアレ―ン層がはがれる
ためと推定される。また、W配線形成をした基板上のカ
リックスアレ―ン8はエチルアルコ−ルに10秒程度浸
すだけで、除去することができた。この除去処理をした
後もCVDによるW配線5がマスクとして作用するため
にW配線下のカリックスアレ―ン8は除去されず、下地
Al配線とCVDによるW配線との間に十分な絶縁性が
保たれていた。
【0009】次に別の実施例として、塗布するカリック
スアレ―ン8の厚みを1μm程度に厚くし、配線を直描
後、カリックスアレ―ン8をエチルアルコ―ルに2分間
浸した場合について述べる。2分程度浸すことにより、
基板上のカリックスアレ―ン8は、直描配線下も含めす
べてエチルアルコ―ルに溶解するため、洗浄後は、直描
配線と既存配線間は、空気層を介して絶縁することがで
きた。この場合には直描配線を支えるために直描配線の
一部は、カリックスアレ―ン8に食い込ませて、基板上
に直接付着させる必要があるが、エアブリッジ構造は、
上下の配線間の容量的な結合を最小限にできる利点があ
る。
【0010】
【発明の効果】以上述べたように本発明においては、従
来のレ−ザCVDによる配線形成方法を適用した装置
に、改良を施すことなく、局所的な絶縁機能を付与する
ことが可能となり、従来方法に比べ、配線形成の適用領
域を格段に拡大させることが可能となる。この絶縁機能
付与のためのコストは、従来の配線修正装置の価格、お
よびランニングコストに比べ無視できる程度に小さく、
しかも安全で実用性の高い配線形成方法を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配線形成方法の一実施例の構成図
である。
【符号の説明】
1 レ−ザ光源 2 顕微レ−ザ
照射光学系 3 モニタカメラ 4 窓 5 W配線 6 CVD原料
ガス供給ユニット 7 X−Yステ−ジ 8 カリックス
アレ―ン 9 基板 10 CVDチ
ェンバ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 良武 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−355913(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解反応により導電性物質を析出する
    原料ガスの雰囲気中に設置した基板の表面に、レ―ザ光
    を用いて配線を描画する配線形成方法において、基板上
    にカリックスアレ―ン薄膜を塗布形成する工程と、該カ
    リックスアレ―ン薄膜が形成された基板上に集光させた
    レ―ザ光を照射し、前記基板に対して相対的に走査して
    配線を描画する工程とを備えてなることを特徴とする配
    線形成方法。
  2. 【請求項2】 配線描画後の基板を有機溶媒で洗浄する
    ことにより、描画配線下のカリックスアレ―ン薄膜のみ
    を残して他の部分のカリックスアレ―ン薄膜を除去する
    工程を加えることを特徴とする請求項1記載の配線形成
    方法。
  3. 【請求項3】 配線描画後の基板を有機溶媒で洗浄する
    ことにより、カリックスアレ―ン薄膜を全て除去する工
    程を加えることを特徴とする請求項1記載の配線形成方
    法。
  4. 【請求項4】 カリックスアレ―ンは、5,11,1
    7,23,29,35ヘキサメチル37,38,39,
    40,41,42ヘキサアセトキシカリックス[6]ア
    レ―ンである請求項1記載の配線形成方法。
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IT1282709B1 (it) * 1996-02-28 1998-03-31 Nec Corp Procedimento di formazione di configurazione ultrafine e procedimento di incisione ultrafine utilizzando derivato di

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