JP2705179B2 - 内燃機関のブローバイガス処理装置 - Google Patents

内燃機関のブローバイガス処理装置

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JP2705179B2 JP1008058A JP805889A JP2705179B2 JP 2705179 B2 JP2705179 B2 JP 2705179B2 JP 1008058 A JP1008058 A JP 1008058A JP 805889 A JP805889 A JP 805889A JP 2705179 B2 JP2705179 B2 JP 2705179B2
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    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、内燃機関のブローバイガス処理装置に関
し、特にその通路構造の改良に関する。
従来の技術 第7図は一例として特開昭61-277814号公報に記載の
ブローバイガス処理装置を示している。このブローバイ
ガス処理装置は、シリンダブロック31下部のクランクケ
ース32内に漏出したブローバイガスを、クランクケース
32内側面に開口させたブローバイガス取出口33からオイ
ルセパレータ34に導き、かつPCVバルブ35が介装された
ブローバイガス通路36を介して吸気通路37に還流するよ
うにしたものである。また、シリンダヘッド38内のブロ
ーバイガスは、新気導入通路39から導入される新気によ
ってクランクケース32内に押し出されるようになってい
る。ここで、上記セパレータ34やブローバイガス通路36
は、シリンダブロック31とは別体の所謂外付け部品とな
っている。またブローバイガス取出口33は、通常、隣接
した2つのバルク部の中間位置つまりクランクピン40a
の側方に開口している。
発明が解決しようとする課題 上記のように、クランクピン40aの側方位置にブロー
バイガス取出口33を開口させた従来の構成では、クラン
ク軸40のカウンタウェイト40bやコネクティングロッド4
1によってかき上げられた飛散オイルがブローバイガス
取出口33に流入し易いため、クランクケース32内からブ
ローバイガスを効率良く取り出すことができない。換言
すれば新気との置換率が悪い。
またブローバイガス取出口33を出たブローバイガスが
直ちに冷却されてしまうので、ブローバイガス中の水分
が凝縮し、NOx成分の溶解によって硝酸が生成されてオ
イル劣化を著しく促進する欠点がある。
しかも、上記構成では部品点数も多く、かつ配管が複
雑になるという不具合もある。
課題を解決するための手段 そこで、この発明は、シリンダブロックと一体にブロ
ーバイガス通路を形成するとともに、その先端を、気筒
間のバルク部に開口させたものである。すなわち、この
発明は、シリンダヘッドに導入された新気が、シリンダ
ブロックに形成されたオイルリターン通路を介してシリ
ンダブロックのクランクケース内に導入され、この新気
とともにブローバイガスがブローバイガス通路を介して
クランクケースから排出されるように構成された内燃機
関のブローバイガス処理装置において、上記ブローバイ
ガス通路は、シリンダブロックのクランクケースのバル
ク部に開口した複数の第1ブローバイガス通路と、シリ
ンダブロックのスカート部に一体に鋳造形成された膨出
部の内部に形成され、かつ気筒列方向に延びて各第1ブ
ローバイガス通路と連通した第2ブローバイガス通路
と、シリンダブロック壁部に直接に形成され、かつ上下
方向に延びて下端部が上記第2ブローバイガス通路と連
通した第3ブローバイガス通路と、を備えていることを
特徴としている。
作用 上記のブローバイガス処理装置では、例えばスロット
ル弁の上流側からシリンダヘッド内に新気が導入され、
該シリンダヘッド内が掃気されるとともに、この新気の
一部がシリンダブロックのオイルリターン通路を介して
クランクケース内に導入され、これによってブローバイ
ガスが押し出される。第1ブローバイガス通路の先端開
口から取り出されたブローバイガスは、第2ブローバイ
ガス通路および第3ブローバイガス通路を通り、かつ第
3ブローバイガス通路上端部から適宜な配管を介して吸
気系に還流される。ここで、第1ブローバイガス通路
は、気筒間のバルク部に開口しているので、カウンタウ
ェイト等によってかき上げられたオイルが流入しにく
い。また、各通路は、シリンダブロックの壁部に直接に
機械加工等によって形成されているため、ブローバイガ
スが冷却されにくく、水分の凝縮が防止される。そし
て、上記第2ブローバイガス通路を構成する膨出部は、
スカート部を補強する補強リブとしても機能し、スカー
ト部の剛性を高める。
実施例 以下、この発明の一実施例を第1図〜第3図に基づい
て詳細に説明する。
この実施例は、ディープスカートを有する直列4気筒
内燃機関のブローバイガス処理装置に本発明を適用した
ものである。
第3図は、この内燃機関全体の外観を示しており、一
体鋳造されたシリンダブロック1の上部にシリンダヘッ
ド2が載置固定されているとともに、シリンダブロック
1下部にオイルパン3が固定されている。またシリンダ
ヘッド2の上面開口をシリンダヘッドカバー4が覆って
おり、かつシリンダヘッド2両側面には、吸気マニホル
ド(図示せず)および排気マニホルド5がそれぞれ取り
付けられている。
第1図は、#1気筒と#2気筒との間のバルク部6に
沿ったシリンダブロック1の断面を示している。この第
1図に示すように、シリンダブロック1は、クランク軸
(図示せず)よりも下方に延びた左右一対のスカート部
7を有し、かつ排気側のスカート部7を略貫通するよう
に第1ブローバイガス通路8が形成されている。この第
1ブローバイガス通路8の先端8aは、バルク部6に沿っ
た位置に、詳しくはメインベアリングキャップ9に対向
するように開口している。また一対のキャップボルト10
によって上記メインベアリングキャップ9と一体に結合
されるベアリングビーム11の一方の側縁11aが、第1ブ
ローバイガス通路8側に延長形成されており、この延長
部11aによって第1ブローバイガス通路8の先端開口8a
が覆われている。
また#3気筒と#4気筒との間のバルク部6において
も、同様に第1ブローバイガス通路8が形成されてい
る。
一方、排気側のスカート部7の外側面に、略水平に気
筒列方向に沿って延びたリブ状の膨出部12が一体に鋳造
成形されており、かつその内部に第2ブローバイガス通
路13が形成されている。詳しくは上記膨出部12は、シリ
ンダブロック1後端面から#1,#2気筒間のバルク部6
にまで形成されている(第2図参照)ものであり、シリ
ンダブロック1後端面からドリル加工するとともにその
開口端に盲栓(図示せず)を打ち込むことによって、上
記第2ブローバイガス通路13が形成されている。この第
2ブローバイガス通路13は、各第1ブローバイガス通路
8に連通しており、それぞれから取り出されたブローバ
イガスを集合させている。
尚、図示例のようにディープスカート形式のもので
は、一般にスカート部7の振動が問題となるが、スカー
ト部7外側面に形成された膨出部12が同時に補強リブと
して機能し、スカート部7の剛性を高めることができ
る。従って、吸気側のスカート部7外側面に略水平方向
に沿った補強リブ24が設けられているのに対し、排気側
のスカート部7では補強リブが省略されている。
また第3図に示すように、シリンダブロック1の#4
気筒の側方位置に、上下方向に沿って第3ブローバイガ
ス通路15が形成されている。この第3ブローバイガス通
路15は、第2ブローバイガス通路13と同様に、シリンダ
ブロック1壁部に一体に膨出部14を形成し、その内部に
上方からドリル加工することによって形成されている。
そして、この第3ブローバイガス通路15の下端部が上記
第2ブローバイガス通路13の端部に交差して互いに連通
しており、かつ第3ブローバイガス通路15上端部に、ブ
ローバイガス中間パイプ16が接続されている。
上記ブローバイガス中間パイプ16の先端は、シリンダ
ヘッドカバー4内部に隔成された第1オイルセパレータ
室17に接続されている。この第1オイルセパレータ室17
は、開口部18を介してシリンダヘッド2内部の空間と連
通しているとともに、ブローバイガス導出パイプ19を介
して機関吸気通路、詳しくはスロットル弁(図示せず)
下流側に連通している。尚、図示せぬPCVバルブが上記
ブローバイガス導出パイプ19に介装されている。またシ
リンダヘッドカバー4の他の部位に第2オイルセパレー
タ室20が隔成されており、ここに新気導入パイプ21を介
してスロットル弁上流側から新気が導入されるようにな
っている。上記第2オイルセパレータ室20も、第1オイ
ルセパレータ室17と同様に、開口部22を介してシリンダ
ヘッド2内部の空間と連通している。すなわち、導入さ
れた新気はシリンダブロック1に設けられたオイルリタ
ーン通路(図示せず)等を通って、クランクケース23内
に流入する。
さて、上記の構成において、クランクケース23内のブ
ローバイガスは、図中の矢印に示すように、一対の第1
ブローバイガス通路8から取り出された後に、第2ブロ
ーバイガス通路13および第3ブローバイガス通路15、更
にはブローバイガス中間パイプ16を通って第1オイルセ
パレータ室17に流入し、ここで潤滑オイルが分離され
る。そして、開口部18を通って出てきたシリンダヘッド
2側のブローバイガスとともに、ブローバイガス導出パ
イプ19を通して機関吸気系に還流される。また第2オイ
ルセパレータ室20から導入された新気は、開口部22から
シリンダヘッド2内に流入し、該シリンダヘッド2内を
掃気するとともに、一部がオイルリターン通路(図示せ
ず)を通してクランクケース23内に流入し、同様に該ク
ランクケース23内を掃気する。尚、ブローバイガス発生
量が増大する高速高負荷時には、新気導入パイプ21から
も機関吸気系へブローバイガスが還流されるが、その際
のオイル分離が第2オイルセパレータ室20によって行わ
れる。
ここで上記構成では、第1ブローバイガス通路8がバ
ルク部6に開口しており、かつメインベアリングキャッ
プ9やベアリングビーム11によって覆われた形となって
いるので、図示せぬクランク軸の回転に伴いカウンタウ
ェイトやコネクティングロッドがオイルをかき上げて飛
散させても、オイル飛沫が第1ブローバイガス通路8に
流入する可能性が少なく、従ってブローバイガスの取り
出しをオイルに阻害されずに効率良く行うことができ
る。特に、クランク軸が第1図の矢印ω方向に回転する
のに対し、油面の上流となる排気側に第1ブローバイガ
ス通路8が開口しているので、オイル飛沫の流入が一層
抑制される。また第1ブローバイガス通路8は、2気筒
に1個づつ設けられており、これがそれぞれ2つの気筒
の中間に開口しているため、4気筒のそれぞれで発生し
たブローバイガスを均等にかつ効率良く排出することが
できる。
また第1ブローバイガス通路8に流入したブローバイ
ガスは、第2ブローバイガス通路13および第3ブローバ
イガス通路15を通るが、これらは何れもシリンダブロッ
ク1の壁部に直接に加工形成されているので、外気によ
る冷却作用を受けることが少なく、ブローバイガスを比
較的高温に保ったまま機関吸気系に還流させることがで
きる。特に上記実施例では、これらの通路が排気側に設
けられており、排気系の熱を受けるので、ブローバイガ
ス温度の低下を一層抑制できる。従って、ブローバイガ
ス中の水分の凝縮が防止され、オイルの劣化を抑制でき
る。
次に、第4図〜第6図は、この発明の異なる実施例を
示している。
この実施例では、多量のブローバイガスを処理できる
ように第2ブローバイガス通路13が上下に2本設けられ
ており、かつそれぞれに連通するように、第1ブローバ
イガス通路8が#1,#2気筒間のバルク部6に2個、ま
た#3,#4気筒のバルク部6に同じく2個設けられてい
る。尚、このように第2ブローバイガス通路13を2本設
けるためにスカート部7外側面に2本の膨出部12が形成
されているので、その補強リブとしての作用によってス
カート部7の剛性を一層高く確保することができる(第
5図参照)。
また上記第2ブローバイガス通路13は、第6図に示す
ように、#4気筒の側方に上下に沿って形成された第3
ブローバイガス通路15に連通しているが、この実施例で
は、第3ブローバイガス通路15上端部が、シリンダブロ
ック1側面に設けたオイルセパレータ室25に連通してお
り、このオイルセパレータ室25を介してブローバイガス
中間パイプ16に接続されている。また上記オイルセパレ
ータ室25の下部はクランクケース23に開放されていて#
4気筒下部からブローバイガスが直接流入し得るように
なっているが、このクランクケース23から直接流入しよ
うとするブローバイガス中からオイルを分離させるため
に、2枚の仕切板26a,26bを上下に配置してなるバッフ
ルプレート26が両者の連通部に配設されている。詳しく
は、バッフルプレート26は#4気筒のロアデッキ下面に
ボルト27にて固定されている。
尚、第3ブローバイガス通路15は第6図に示すよう
に、上下方向および水平方向に沿ってドリル加工を施す
ことによって形成されており、不要な開口端は盲栓28に
よって閉塞されている。
上記構成では、第3ブローバイガス通路15を通って流
れてきたブローバイガスが、オイルセパレータ室25で急
激に拡張することによってオイルが分離される。そし
て、ここからシリンダヘッドカバー4の第1オイルセパ
レータ室17に流入し、ここで再びオイル分離作用を受け
る。従って、ブローバイガスによる機関吸気系へのオイ
ルの持ち出しを一層確実に防止することができる。
尚、第6図に示すように、シリンダブロック1側のオ
イルセパレータ室25がシリンダボア周囲のウォータジャ
ケット29に隣接して形成されており、冷却水による保温
作用を受けるので、この部分でもブローバイガスの温度
低下を低減できる。
また、本発明の構造はそのままで、新気とブローバイ
ガスの流れを逆にしてもよい。つまり、新気をパイプ19
から導入し、第1オイルセパレータ室17,第3ブローバ
イガス通路15,第2ブローバイガス通路12,第1ブローバ
イガス通路8を経てクランクケース23内に流入させ、ブ
ローバイガスをクランクケース23からシリンダブロック
1に設けたオイルリターン通路(図示せず),第2オイ
ルセパレータ室20,パイプ21を経て、スロットル弁(図
示せず)下流側に還流させる。こうすることにより、ク
ランクケース23内に、確実に新気を導入することがで
き、ブローバイガスと新気との置換率を大幅に向上する
ことができる。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明に係る内燃機
関のブローバイガス処理装置によれば、ブローバイガス
通路先端をクランクケースのバルク部に開口させるよう
にしたので、カウンタウェイトやコネクティングロッド
によってかき上げられたオイルのブローバイガス通路へ
の流入を抑制でき、ブローバイガスを新気と効率良く置
換して吸気系へ排出することができる。またブローバイ
ガスがシリンダブロックの壁部内を通過するため、その
温度低下が抑制され、水分の凝縮を防止できる。従っ
て、硝酸の生成,混入によるオイル劣化を防止できる。
しかも、ブローバイガス通路をシリンダブロックに直
接に形成することで外部の配管を削減でき、部品点数の
減少、配管の簡素化が図れ、更に、ブローバイガス通路
が補強リブとして機能し、スカート部の剛性を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すバルク部に沿った断
面図、第2図は第1図のII-II線に沿った断面図、第3
図は内燃機関全体の外観を示す斜視図、第4図はこの発
明の異なる実施例を示す内燃機関全体の外観斜視図、第
5図はそのバルク部に沿った断面図、第6図は第3ブロ
ーバイガス通路に沿った断面図、第7図は従来のブロー
バイガス処理装置の一例を示す断面図である。 1……シリンダブロック、6……バルク部、7……スカ
ート部、8……第1ブローバイガス通路、12……膨出
部、13……第2ブローバイガス通路、15……第3ブロー
バイガス通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 秀治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 藤澤 英市 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 実公 昭62−44082(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッドに導入された新気が、シリ
    ンダブロックに形成されたオイルリターン通路を介して
    シリンダブロックのクランクケース内に導入され、この
    新気とともにブローバイガスがブローバイガス通路を介
    してクランクケースから排出されるように構成された内
    燃機関のブローバイガス処理装置において、 上記ブローバイガス通路は、シリンダブロックのクラン
    クケースのバルク部に開口した複数の第1ブローバイガ
    ス通路と、シリンダブロックのスカート部に一体に鋳造
    形成された膨出部の内部に形成され、かつ気筒列方向に
    延びて各第1ブローバイガス通路と連通した第2ブロー
    バイガス通路と、シリンダブロック壁部に直接に形成さ
    れ、かつ上下方向に延びて下端部が上記第2ブローバイ
    ガス通路と連通した第3ブローバイガス通路と、を備え
    ていることを特徴とする内燃機関のブローバイガス処理
    装置。
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