JP2705028B2 - 厨芥処理装置及び厨芥粉砕用コマ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、厨芥を粉砕してから圧搾する厨芥処理装置
と、厨芥を粉砕する際に用いて好適な厨芥粉砕用コマと
に関する。

〔従来の技術〕

家庭用の厨芥の処理については、欧米ではデイスポー
ザが使用されているが、日本では下水処理の点よりして
使用が禁止されている。

そこで、実開昭61-29843号公報の如くに、厨芥を圧搾
して脱水した後に破断して脱水し、次いで圧縮して固形
化する方式等が提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、この厨芥処理にあっては、厨芥を直ちに圧
搾しているので脱水の効率が悪く、その後該圧搾に基づ
きつつ破断して更に圧搾するものであるから、２重の圧
搾処理を必要とし、また装置も大型化する欠点を有して
いる。

また、特開昭62-23454号公報には、厨芥を筒体内で先
に破断しその後に破断された厨芥を別の筒体の中で圧搾
する厨芥処理機が開示されているが、この厨芥処理機で
は厨芥の破断と圧搾とが別々の筒内で行われるため、装
置が大掛かりとなり流し台の下部に大きな収容スペース
を確保しなければならないという欠点を有している。

さらに、特開昭63-37003号公報には、筒内の底部と回
転板との間に収容した厨芥を回転板の回転中に筒底部側
の回転板部分に設けた切削刃により厨芥を裁断し、その
後、回転板を筒底部側に移動させて裁断後の厨芥を筒底
部と回転板との間で圧搾する小型厨芥処理装置が開示さ
れている。

しかし、この小型厨芥処理装置では、切削刃が回転板
の筒底部側部分にあるため、回転板を筒底部に近づける
にしても切削刃の分だけ回転板を筒底部から離さなけれ
ばならず、その分、裁断後の厨芥の圧搾効率が低くなっ
てしまい、しかも、圧搾後の厨芥を筒から外に排出する
ために、筒底部を円板形開閉ゲートにより開閉しなけれ
ばならないので、その分、部品点数が増加し構造が複雑
になってしまうという欠点を有している。

その上、従来の筒体内で回転する回転板の刃により厨
芥を破断、裁断する構成のデイスポーザは、厨芥の大き
さにばらつきがあると、回転板の刃と筒体の内壁との間
に厨芥が入り込めず破断、裁断できなかったり、刃と内
壁との間に厨芥が挟まって回転板の回転が止まってしま
う場合があるという欠点を有している。

本発明は上記した点に着目して為されたものであり、
本発明の第１の目的は、大きな収容スペースを確保しな
くても流し台の内部に確実に収容でき、しかも、厨芥を
先に粉砕し且つ粉砕後の厨芥を十分に圧搾した上で排出
することができる簡単な構成の厨芥処理装置をを提供す
ることにあり、本発明の第２の目的は、筒体内で回転す
る回転板の刃により厨芥を粉砕する場合に、厨芥の大き
さにばらつきがあっても回転板の回転を妨げず確実に粉
砕することができる厨芥粉砕用コマとを提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記第１の目的を達成する請求項１に記載した本発明
は厨芥処理装置に関するものであり、上記第２の目的を
達成する請求項２に記載した本発明は厨芥粉砕用コマに
関するものである。

そして、請求項１に記載した本発明の厨芥処理装置
は、一端が開放され他端が閉塞された筒体内において、
前記一端から前記筒体内に投入された厨芥を処理する装
置であって、前記筒体内に回転可能に配設されて該筒体
内を前記一端側と前記他端側とに区画する回転板と、前
記回転板であって前記筒体の前記一端に臨む回転板部分
に配設され、該回転板の回転中に前記厨芥を粉砕する粉
砕手段と、前記回転板に形成され、該回転板を挟んで前
記筒体内の前記一端側と前記他端側とを連通して、前記
粉砕手段により粉砕された粉砕後の前記厨芥の通過を可
能とする連通孔と、前記回転板であって前記筒体の前記
他端に臨む回転板部分に配設され、該回転板の径方向に
対して傾斜して延在する払出し羽根と、前記筒体の前記
他端寄りの周壁部分に形成された厨芥排出孔とを備え、
前記筒体は、前記回転板の回転軸方向に沿い該回転板に
対して前記筒体の他端が離間接近する方向に移動可能に
構成されていることを特徴とする。

また、請求項２に記載した本発明の厨芥処理用コマ
は、厨芥が投入される筒体の内部に回転可能に配設され
た回転板に設けられ、該回転板の回転中に前記厨芥の粉
砕する厨芥粉砕用コマであって、前記回転板から立設さ
れた支軸により該回転板に沿って前記支軸の径方向に移
動可能に、且つ、前記支軸の周方向に回転可能に一端側
が支持されたコマ本体と、前記コマ本体の前記一端側か
ら前記支軸の径方向に間隔をおいた該コマ本体の他端側
に形成された破断刃とを備えることを特徴とする。

請求項１に記載した本発明の厨芥処理装置によれば、
回転板よりも一端側の筒体内において、回転板の回転中
に粉砕手段による厨芥の粉砕処理が行われ、この回転板
の連通孔を通過して回転板よりも筒体の他端側に移動し
た粉砕後の厨芥が、筒体の他端が回転板に近づく向きに
この筒体が移動することにより圧搾され、その後、回転
板の径方向に対して、回転板の回転中心寄りの払出し羽
根部分の方が回転板の外縁寄りの払出し羽根部分よりも
遅れる向きに回転板を回転させることで、圧搾後の厨芥
が払出し羽根により回転板の回転中心側から外縁側に移
動されて、筒体の他端寄りの周壁部分の厨芥排出孔から
筒体の外方に排出される。

また、請求項２に記載した本発明の厨芥粉砕用コマに
よれば、回転板の回転中にコマ本体が回転板から立設さ
れた支軸の径方向に移動し、或は、この支軸の周方向に
回転することにより、筒体の内壁と切断刃との間隔が変
わる。

〔実施例〕

第１図及び第７図において、厨芥の流し台Ａの底面開
口部Ａ₁の裏面に対して厨芥処理機Ｂが垂下して設けら
れている。

厨芥処理機Ｂは、上部開口1aを形成した外筒１の中間
部に仕切板２を有し、下底部1bにおいて水圧を利用した
駆動用シリンダ３を有している。

シリンダ３のピストンには押し板４が結合され、該押
し板４の外周部に立設された複数の支持杆５が仕切板２
の摺動孔2aを貫通して上方に延長し、上端部には厨芥処
理容器としての内筒６（筒体に相当）が固着されてい
る。

仕切板２の裏面には正逆転用モータ７が固定され、該
モータ７の回転軸８が仕切板２の孔2b及び内筒６におけ
る圧搾板としての底板部６′の孔6aを貫通して上方に延
長し、上端部には内筒６内に位置する回転板９が固着さ
れている。

即ち、本実施例においては、内筒６の底板部６′が請
求項中の筒体の他端に相当し、外筒１の上部開口1a側に
位置する内筒６の上部開口が請求項中の筒体の一端に相
当している。

回転板９は内筒６と同心状に設けられていて、その外
周部９′が内筒６の周壁6bと小間隔を存して近接してお
り、回転板９の表面（筒体の一端側に臨む回転板部分に
相当）には複数の粉砕用コマ10（粉砕手段、厨芥粉砕用
コマに相当）が設けられている。第４図乃至第６図にお
いて、粉砕用コマ10は遊動軸支孔10aを有する基盤部10b
の長手方向の一側に隆起台部10cを有し、該隆起台部10c
の外側部上端において長手方向に対して斜状に形成され
た相対向する尖鋭破断刃10d（破断刃に相当）を有して
いる。粉砕用コマ10は支軸11により遊動軸支孔10aを介
して回転板９に対しその平面に沿って遊動自在に支持さ
れる。

即ち、本実施例においては、粉砕用コマ10の基盤部10
bが請求項中のコマ本体の一端側に相当し、粉砕用コマ1
0の隆起台部10cが請求項中のコマ本体の他端側に相当
し、これら基盤部10bと隆起台部10cとで請求項中のコマ
本体が構成されている。

回転板９の外周部９′には一対の切起片9aと切下片9b
が放射方向線ｒに対して鋭角αをもって複数組折曲形成
され、内部には粉砕された厨芥の落下孔9c（連通孔に相
当）が穿設されている。

第１図及び第６図において、回転板９の裏面（筒体の
他端側に臨む回転板部分に相当）には、回転板９の逆回
転方向に対して弧状に突出した、つまり、回転板９の内
外方向（支軸の径方向に相当）に対して、回転軸８寄り
部分の方が回転板９の外縁寄り部分よりも遅れる傾斜と
なるような円弧状を呈する、厨芥の払出し羽根12が取付
孔12aを介して複数個設けられている。

内筒６の周壁6bには複数の水抜き用スリット6cが形成
され、また、この周壁6bの底板部６′寄り部分には厨芥
排出孔6dが形成され、該厨芥排出孔6dは外筒１の厨芥排
出孔1cと軸方向において一致した位置に設けられてい
る。

仕切板２には水抜き孔2cが形成され、該水抜き孔2cに
は排水管13が接続される。駆動用シリンダ３には電磁弁
14を介設した水道管15が接続される。

厨芥処理機Ｂの流し台Ａに対する取付は、第７図に示
すように、取付鍔部16aを有する取付座16、取付座16の
周面に形成した係止用突部16′の通過用切欠17aを形成
した第１支持環17、外筒１の周面に形成した係止用突部
１′の通過用切欠18aを形成した支持板部18bを有する第
２支持環18を用い、流し台Ａの上面側より開口部Ａ₁に
挿入されて裏面側に突出する取付座16に対して係止用突
部16′を介して第１支持環17を係合させ、厨芥処理機Ｂ
を支持板部18bにより支持している第２支持環18を第１
支持環17に対して取付ボルト19により固定する。

取付座16の開口部にはロックピン20aを有する蓋20が
着脱自在に設けられ、該ロックピン20aは取付座16のガ
イド溝16bに係合し、装着時にロックピン20aにより安全
スイッチ21を作動させて厨芥処理機の電源回路を閉じ
る。

次に主に第１図乃至第３図を参照しながら使用方法を
説明する。

厨芥を外筒１の開口1aから厨芥処理容器としての内筒
６内の回転板９上に投入し、第７図に示すように、蓋20
を取付座16に装着して安全スイッチ21を入れる。

この場合に、厨芥処理機Ｂは第２図の状態にあり、モ
ータ７を正回転させて回転板９を上方から見て時計針方
向へ回転させる。第５図に示すように、回転板９の回転
により粉砕用コマ10は遊動軸支孔10aを介して回転板９
の内外方向へ移動しながら回転し、尖鋭破断部10dによ
り回転板９上の厨芥を均一に粉砕するもので、外周部の
切起片9aは遠心力により内筒６の周壁6b部分に滞留する
傾向にある厨芥をはね上げて粉砕の均一化を助長する。
この際に、第７図に示すように、取付座16の細孔16cよ
り水を導入して粉砕の効率を上げるようにする。粉砕さ
れた厨芥は落下孔9cより内筒６の底板部６′上に落下す
る。粉砕により流出する水分等はスリット6c及び回転板
９と内筒６の周壁6bとの隙間より仕切板２上に落下し、
水抜き孔2cより排出される。

次に、電磁弁14を切り替えて駆動用シリンダ３を作動
させ、第３図に示すように、押し板４を上昇させて内筒
６を上昇させ、圧搾板としての底板部６′と回転板９間
において粉砕された厨芥を圧搾して固形化する。

次に、この状態より内筒６を若干下降させて回転板９
に対する押圧ロック力を解き、モータ７を逆転させて回
転板９を上方から見て反時計針方向へ回動させ、払出し
羽根12により固形化された厨芥を掻き取りつつ一致した
状態にある厨芥排出孔6d,1cより外部へ排出するもの
で、切下片9bは排出を助長する。この際において、底板
部６′は回転板９方向に漸次移動される。厨芥の排出が
終った段階で、内筒６は第２図の状態に戻されて次の厨
芥処理の待機をする。

〔発明の効果〕

以上に説明したように請求項１に記載した本発明の厨
芥処理装置によれば、一端が開放され他端が閉塞された
筒体内において、前記一端から前記筒体内に投入された
厨芥を処理する装置であって、前記筒体内に回転可能に
配設されて該筒体内を前記一端側と前記他端側とに区画
する回転板と、前記回転板であって前記筒体の前記一端
に臨む回転板部分に配設され、該回転板の回転中に前記
厨芥を粉砕する粉砕手段と、前記回転板に形成され、該
回転板を挟んで前記筒体内の前記一端側と前記他端側と
を連通して、前記粉砕手段により粉砕された粉砕後の前
記厨芥の通過を可能とする連通孔と、前記回転板であっ
て前記筒体の前記他端に臨む回転板部分に配設され、該
回転板の径方向に対して傾斜して延在する払出し羽根
と、前記筒体の前記他端寄りの周壁部分に形成された厨
芥排出孔とを備え、前記筒体は、前記回転板の回転軸方
向に沿い該回転板に対して前記筒体の他端が離間接近す
る方向に移動可能に構成されている構成とした。

このため、回転板よりも一端側の筒体内において、回
転板の回転中に粉砕手段による厨芥の粉砕処理が行わ
れ、この回転板の連通孔を通過して回転板よりも筒体の
他端側に移動した粉砕後の厨芥が、筒体の他端が回転板
に近づく向きにこの筒体が移動することにより圧搾さ
れ、その後、回転板の径方向に対して、回転板の回転中
心寄りの払出し羽根部分の方が回転板の外縁寄りの払出
し羽根部分よりも遅れる向きに回転板を回動させること
で、圧搾後の厨芥が払出し羽根により回転板の回転中心
側から外縁側に移動されて、筒体の他端寄りの周壁部分
の厨芥排出孔から筒体の外方に排出される。

従って、厨芥の粉砕と粉砕後の厨芥の圧搾とを１つの
筒体の内部で行うことが可能となり、これにより、大き
な収容スペースを確保しなくても流し台の内部に確実に
収容できるように、厨芥の粉砕用と圧搾用との２つの筒
体を設ける従来の構成に比べて装置を小型化することが
できる。

しかも、粉砕後の厨芥が回転板との間で圧搾された状
態で位置する、筒体の閉塞された他端寄りの周壁部分に
設けた厨芥排出孔においてのみ、この圧搾後の厨芥を、
回転中の回転板に設けた払出し羽根により筒体の外方に
排出することが可能となるので、従来のように筒体の底
部を開閉させる等のための複雑な構造を設けずに、しか
も、筒体から回転板を取り外さないまま、粉砕後の厨芥
を確実に圧搾した後で筒体の外部に排出させることがで
きる。

また、請求項２に記載した本発明の厨芥処理用コマに
よれば、厨芥が投入される筒体の内部に回転可能に配設
された回転板に設けられ、該回転板の回転中に前記厨芥
を粉砕する厨芥粉砕用コマであって、前記回転板から立
設された支軸により該回転板に沿って前記支軸の径方向
に移動可能に、且つ、前記支軸の周方向に回転可能に一
端側が支持されたコマ本体と、前記コマ本体の前記一端
側から前記支軸の径方向に間隔をおいた該コマ本体の他
端側に形成された破断刃とを備える構成とした。

このため、回転板の回転中にコマ本体が回転板から立
設された支軸の径方向に移動し、或は、この支軸の周方
向に回転することにより、筒体の内壁と切断刃との間隔
が変わる。

従って、粉砕する厨芥の大きさにばらつきがあって
も、回転板の回転を妨げずに筒体の内壁と切断刃との間
に厨芥を挟み込ませて確実に粉砕することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる厨芥処理装置の斜視図、 第２図及び第３図は同上の作動状態を示す要部の斜視
図、 第４図は回転板の斜視図、 第５図（イ）（ロ）（ハ）は粉砕用コマを示し、（イ）
は斜視図、（ロ）は平面図、（ハ）は側面図である。 第６図は払出し羽根の斜視図、 第７図は取付機構の分解斜視図である。 Ａ……流し台、Ｂ……厨芥処理機、１……外筒、６……
内筒（筒体）、６′……底板部（筒体他端）、6b……周
壁、6d……厨芥排出孔、９……回転板、9c……落下孔
（連通孔）、10……粉砕用コマ（粉砕手段、厨芥粉砕用
コマ）、10b……基盤部（コマ本体一端側）、10c……隆
起台部（コマ本体他端側）、10d……尖鋭破断刃（破断
刃）、11……支軸、12……払出し羽根。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−106201（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−37003（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−23454（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端が開放され他端が閉塞された筒体内に
   おいて、前記一端から前記筒体内に投入された厨芥を処
   理する装置であって、 前記筒体内に回転可能に配設されて該筒体内を前記一端
   側と前記他端側とに区画する回転板と、 前記回転板であって前記筒体の前記一端に臨む回転板部
   分に配設され、該回転板の回転中に前記厨芥を粉砕する
   粉砕手段と、 前記回転板に形成され、該回転板を挟んで前記筒体内の
   前記一端側と前記他端側とを連通して、前記粉砕手段に
   より粉砕された粉砕後の前記厨芥の通過を可能とする連
   通孔と、 前記回転板であって前記筒体の前記他端に臨む回転板部
   分に配設され、該回転板の径方向に対して傾斜して延在
   する払出し羽根と、 前記筒体の前記他端寄りの周壁部分に形成された厨芥排
   出孔とを備え、 前記筒体は、前記回転板の回転軸方向に沿い該回転板に
   対して前記筒体の他端が離間接近する方向に移動可能に
   構成されている、 ことを特徴とする厨芥処理装置。
2. 【請求項２】厨芥が投入される筒体の内部に回転可能に
   配設された回転板に設けられ、該回転板の回転中に前記
   厨芥を粉砕する厨芥粉砕用コマであって、 前記回転板から立設された支軸により該回転板に沿って
   前記支軸の径方向に移動可能に、且つ、前記支軸の周方
   向に回転可能に一端側が支持されたコマ本体と、 前記コマ本体の前記一端側から前記支軸の径方向に間隔
   をおいた該コマ本体の他端側に形成された破断刃と、 を備えることを特徴とする厨芥粉砕用コマ。