JP2704124B2 - ワイヤ放電加工方法および装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工方法および装置

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JP2704124B2
JP2704124B2 JP6259927A JP25992794A JP2704124B2 JP 2704124 B2 JP2704124 B2 JP 2704124B2 JP 6259927 A JP6259927 A JP 6259927A JP 25992794 A JP25992794 A JP 25992794A JP 2704124 B2 JP2704124 B2 JP 2704124B2
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努 菅原
守 広野
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Makino Milling Machine Co Ltd
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Makino Milling Machine Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工プログラムによっ
て定義される移動指令にしたがって、ワイヤ電極と被加
工物とを相対的に移動させながら、ワイヤ電極と被加工
物との間に放電を発生させて、その被加工物に対して切
断、切り抜きおよび輪郭等の加工を行うワイヤ放電加工
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なワイヤ放電加工装置は、ワイヤ
電極とワークとの間に、加工電源によって電圧パルスを
印加してその間に放電を発生させることで、ワークに対
して切断、切抜きおよび輪郭等の加工を行うものであ
る。
【0003】図9は、一般的なワイヤ放電加工装置の構
成を示す図であり、図示せぬワイヤ供給ボビンから供給
されるワイヤ電極100は、複数のプーリ101、10
2およびワイヤガイド103、104に架設されてワイ
ヤ走行経路を形成している。移動機構105は、クロス
テーブル107をX−Y平面内で移動させることがで
き、このクロステーブル107上にはワーク108が設
置されている。移動機構106は、ワイヤガイド103
をU−V平面内で移動させることによって、ワイヤ電極
100を傾かせることができる。これらの移動機構10
5および106は、制御装置900から出力される移動
指令にしたがって駆動される。そして、制御装置900
からの移動指令にしたがって移動機構105および10
6がワイヤ電極100とワーク108とを相対的に移動
させながら、加工電源110により、ワイヤ電極100
とワーク108との間に電圧パルスを印加して、この間
に放電を発生させて、ワーク108に対して切断切抜き
および輪郭等の加工を行っていく。ここで、以下の説明
では、X−Y平面およびU−V平面に平行な平面、つま
り、ワイヤ電極100とワーク108とが相対的に移動
する平面に平行な平面を駆動平面として表現する。
【0004】次に、従来の制御装置について図10を参
照して説明する。
【0005】図10は、従来の制御装置の構成を示すブ
ロック図であり、制御装置900は、外部から入力され
る加工プログラム1000をモータ406〜409を回
転させるための移動指令に変換するものである。ここ
で、モータ406〜409は、移動機構105および1
06の一実施例である。
【0006】また、加工プログラム1000は、ワイヤ
電極の移動指令、つまり、移動機構105および106
への移動指令の規定および拡大・縮小、座標回転、ワイ
ヤ径補正およびテーパ加工といった各種の補正機能等の
規定を行うプログラムであり、前述のX−Y平面に平行
な平面に定義されるものである。移動指令は、移動機構
の移動始点および移動終点の座標や、移動機構の送り速
度等の情報を含むものである。また、通常、移動指令
は、線分や円弧といった基本形状単位の移動指令やそれ
らを組み合わせたものとして表現される。
【0007】キーボード等の入力手段401から入力さ
れる加工プログラム1000は、記憶手段402に格納
された後、加工指令処理手段403に送られる。また、
加工プログラム400は必ずしも記憶手段402に格納
する必要はなく、入力手段401により入力された後、
直接、加工指令処理手段403に送ってもかまわない。
加工指令処理手段403では、加工プログラムが解析さ
れ、解析された移動指令に対して前述のワイヤ径補正等
の各種補正が施される。この各種の補正が施された後の
線分、円弧といった基本形状単位またはそれらの基本形
状を組合せた移動指令が補間手段807に送られる。補
間手段807は、加工指令処理手段403から送られた
移動指令に基づいて、微小時間周期ごとに、その周期で
のモータ406〜409の移動量をサーボ制御手段40
5に指令する。サーボ制御手段405は、補間手段80
7から指令される微小時間周期ごとの移動量にしたがっ
てモータ406〜409を追従させるべくサーボ制御を
行う。
【0008】このような構成を備える従来のワイヤ放電
加工装置を用い、ワイヤ電極を傾かせることによって実
現できる加工技術として、例えば、テーパ加工および上
下任意形状加工等がある。
【0009】図11に示すように、テーパ加工は、駆動
平面に平行な形状入力平面1100上に加工プログラム
によって定義された加工形状に対して、駆動平面に垂直
な直線に対して所定角度だけ傾けた状態にワイヤ電極を
保持しながら放電加工を施すものである。
【0010】また、図12に示すように、上下任意形状
加工は、駆動平面に平行な上下2平面(プログラム面1
200およびサブプログラム面1201)に加工プログ
ラムによって定義された加工形状に対して、その上下2
平面上の加工形状における対応する2点を直線で結んだ
状態にワイヤ電極を保持して放電加工を施すものであ
る。
【0011】また、図13に示すように、駆動平面に平
行な平面に加工プログラムによって定義された加工形状
1300を、同一平面内で回転中心1301を中心とし
て回転させた座標系における加工形状1302に変換
し、その変換された加工形状に対して放電加工を施す加
工技術もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】近年、ワイヤ放電によ
って加工されるワークの輪郭等はより複雑な形状が要求
されるようになってきている。例えば、図14に示すよ
うに、複数のパーツ1400および1401からなる型
を作成する場合に、パーツ1400、1401同士を差
し込み1403によって結合するものであって、その差
し込み1403部分を傾斜させて加工して、それら複数
のパーツ1400、1401を斜めにはめ込むことによ
って結合強度および安定性を向上させるというものがあ
る。
【0013】上述の加工を従来のワイヤ放電加工装置で
行う場合には、パーツ1400および1401の駆動平
面1404上の加工形状が楕円1405となっているた
めに、楕円補間を行うことができる補間演算装置を必要
とするなどコストの増加を招いていた。
【0014】しかしながら、図14に示す加工の場合、
ワイヤ電極によるパーツ1400、1401の駆動平面
1404上の加工形状は楕円1405であるが、差し込
み1403部分の傾斜に対応して駆動平面1404に対
して所定角度だけ傾斜した傾斜平面1406上では、加
工形状は円形1407をしている。このように駆動平面
上に定義した場合では、楕円補間演算を必要とする、ま
たは、形状が複雑で加工が困難な加工形状であっても、
その駆動平面に対して所定の角度だけ傾斜した傾斜平面
上に定義すると直線や円弧、または、それらを組み合わ
せた形状といった基本的な加工形状として定義すること
ができるような加工は、従来のワイヤ放電加工装置で
は、容易に行うことができなかった。
【0015】また、特公昭61−49052号公報に
は、図15に示すように、ワイヤ放電加工装置によるテ
ーパ加工であって、2つのテーパ面1501、1502
によって構成されるコーナ弧状部1503、1504
に、それぞれのテーパ面1501、1502に接する円
柱1505を定義し、この円柱1505と被加工物の上
面1507および下面1506によって形成される楕円
形状1508に基づいて、ワイヤ電極の軌跡を制御する
技術が開示されている。
【0016】このワイヤ放電加工方法は、テーパ面15
01、1502の傾斜角に対応して傾斜した円柱150
5を定義することによって、被加工物の上面1507に
おけるワイヤ電極の軌跡と下面1506におけるワイヤ
電極の軌跡とを同一とするものであり、コーナ弧状部1
503、1504における楕円軌跡1508を算出する
過程で、円柱1505を定義するものであって、被加工
物の駆動平面(下面1506や上面1507に平行な平
面)に対して所定の角度だけ傾斜した平面上に加工形状
を定義するものではない。したがって、この特公昭61
−49052号公報に開示された技術でも、依然とし
て、駆動平面上に定義すると特殊な補間演算を行わなけ
ればならない、または、形状が複雑で加工困難な加工形
状であっても、その駆動平面に対して所定の角度だけ傾
斜した平面上に定義すれば簡単な加工形状であるような
加工を容易に行うことはできないという問題点があっ
た。
【0017】このように、従来のワイヤ放電加工方法お
よび装置では、駆動平面に対して所定の角度だけ傾斜し
た平面上に加工形状を定義するものではなかったため
に、実現できるワークの輪郭等に制限があり、ワイヤ放
電加工の用途を狭いものとしていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のワイヤ放電加工方法は、ワイヤ電極がワ
ークに対して相対的に移動する第1の平面に対して所定
の角度だけ傾斜した第2の平面と平行な平面上に定義さ
れる加工プログラムによって決められる第1の移動指令
を、前記ワイヤ電極が前記第2の平面に対して垂直に保
った加工軌跡が前記ワーク上に描けるように、前記ワイ
ヤ電極を前記第1の平面上で前記ワークに対して相対的
に移動させるための第2の移動指令に変換することによ
って、ワイヤ電極をワークに対して相対的に移動させ、
ワイヤ電極とワークとの間に発生させる放電によってそ
のワークを加工するものである。
【0019】また、本発明のワイヤ放電加工装置は、加
工プログラムによって決められる第1の移動指令にした
がって、ワイヤ電極をワークに対して相対的に移動さ
せ、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間に発生させる放
電によってそのワークを加工するワイヤ放電加工装置に
おいて、前記加工プログラムは、前記ワイヤ電極が前記
ワークに対して相対的に移動する第1の平面に対して所
定の角度だけ傾斜した第2の平面と平行な平面上に定義
されるものである。
【0020】
【実施例】次に、本発明のワイヤ放電加工装置の一実施
例について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】本発明では、ワイヤ電極がワークに対して
相対的に移動する駆動平面に対して所定の角度だけ傾斜
した平面上の加工プログラムによって定義される加工軌
跡にしたがって、ワイヤ電極をワークに対して相対的に
移動させて、放電加工を行っている。したがって、空間
の座標系、平面および座標について予め明確に定義づけ
ておくことが本発明の一実施例を説明する上で必要であ
る。
【0022】ここで、まず、図1、図2および図3を参
照して、本実施例で用いられる座標系について説明す
る。図1は、本発明のワイヤ放電加工装置の構成を示す
図であり、図2は、3次元空間における平面の回転状態
の定義方法を説明する図であり、図3は、本発明で用い
る駆動平面と加工プログラムによって加工形状が定義さ
れる平面との関係を説明する図である。
【0023】一般に、直交する3つの座標軸(X軸、Y
軸およびZ軸)を中心とする平面の回転状態を規定する
ことによって、3次元の空間XYZ内のあらゆる平面の
回転状態を表現することができる。この3つの座標軸を
中心とする回転のうちZ軸を中心とする回転、すなわ
ち、X−Y平面上の回転については、前述の従来技術の
欄で説明したように、従来から行われている技術であ
り、その説明を省略する。
【0024】図2(a)において、座標系01は、図1
におけるワイヤ電極100がワーク108に対して相対
的に移動する駆動平面(X−Y平面)に平行な平面、つ
まり、従来のワイヤ放電加工装置において加工プログラ
ムによって加工形状が定義される平面である。また、座
標系02は、座標系01を座標系01のY軸を中心とし
て、Z−X平面において所定角θ1だけ回転させた平面
である。また、図2(b)において、座標系03は、座
標系02を座標系02のX’軸を中心として、Y−Z’
平面において所定角θ2だけ回転させた平面である。以
降の説明では、この傾斜平面の定義方法を用いるものと
する。
【0025】ただし、この平面の回転状態の定義方法
は、一つの例であって、平面を回転させる際の中心軸の
選び方および平面の回転順序を変えることによって、種
々の定義方法が考えられ、本発明では、傾斜した平面を
明確に特定できればどのような傾斜の定義方法を用いて
もよいことは言うまでもない。
【0026】さらに、本発明を説明する上で必要な平面
および座標について定義しておく。
【0027】図3において、加工形状定義平面300
は、加工プログラムによって加工形状が定義される平面
であり、図2(b)に示す座標系03のX’−Y’平面
に平行でZ”軸(Z軸)の高さが0の平面である。下ガ
イド平面301は、ワイヤガイド104がワーク108
に対して相対的に移動する(実際には、ワーク108が
移動機構105によって移動する)平面であって、座標
系01のX−Y平面に平行でZ軸の高さがZ1の平面で
ある。上ガイド平面302は、ワイヤガイド103がワ
ーク108に対して相対的に移動する平面であって、座
標系01のX−Y平面に平行でZ軸の高さがZ2の平面
である。
【0028】また、点P1は、加工プログラムによって
加工形状が定義される加工形状定義平面300上の点で
あり、点P2および点P3は、点P1に対して所定の座
標変換を行った場合のそれぞれ下ガイド平面301およ
び上ガイド平面302上の点である。
【0029】以上説明した平面(座標系)等の定義に基
づいて、本発明の第1の実施例について図1および図3
から図7を参照して説明する。
【0030】本実施例は、ワイヤ電極100がワーク1
08に対して相対的に移動する駆動平面に対して所定の
角度だけ傾斜した平面(以下、この平面を加工形状定義
平面とする)上に加工プログラムによって定義される加
工形状を規定する移動指令を、この加工形状定義平面に
対してワイヤ電極100を垂直に保ったまま加工軌跡が
得られるように、駆動平面上の加工形状を規定する移動
指令に変換し、その変換された移動指令にしたがって放
電加工を行うというものである。
【0031】そして、本実施例の構成は、前述の図9に
示す一般的なワイヤ放電加工装置の構成と比較して、制
御装置109だけが異なるだけであるため、重複部分の
説明は省略する。また、本実施例における制御装置10
9の構成のほとんどが図に示す従来のワイヤ放電加工装
置における制御装置と同様であるため、重複部分の構成
は同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとす
る。
【0032】図4は、本実施例のワイヤ放電加工装置に
おける制御装置の構成を示すブロック図であり、制御装
置109は、前述の従来のワイヤ放電加工装置の場合と
同様に、外部から入力される加工プログラム400をモ
ータ406〜409を回転させるための移動指令に変換
するものである。そして、図10で示した従来のワイヤ
放電加工装置における制御装置とは補間手段における処
理が異なる。
【0033】ここで、加工プログラム400は、ワイヤ
電極100の移動指令、つまり、移動機構105および
106への移動指令の規定および拡大・縮小、座標回
転、ワイヤ径補正およびテーパ加工といった各種の補正
機能等の規定を行うプログラムである。本実施例では、
ワイヤ電極100がワーク108に対して相対的に移動
する駆動平面に対して所定の角度だけ傾斜した加工形状
定義平面300(図3参照)上に加工プログラム400
が定義される。
【0034】そして、キーボード等の入力手段401か
ら入力される加工プログラム400は、記憶手段402
に格納された後、加工指令処理手段403に送られる。
また、加工プログラム400は必ずしも記憶手段402
に格納する必要はなく、入力手段401により入力され
た後、直接、加工指令処理手段403に送ってもかまわ
ない。加工指令処理手段403では、加工プログラム4
00が解析されるとともに、前述のワイヤ径補正等の各
種補正が施される。この各種の補正が施された後の線
分、円弧といった基本形状単位またはそれらの基本形状
を組合せの移動指令410が補間手段404に送られ
る。補間手段404は、加工指令処理手段403から送
られた移動指令410を、微小時間周期ごとに、加工形
状定義平面300に対してワイヤ電極100を垂直に保
ったまま加工軌跡が得られるように、駆動平面上の加工
形状を規定する移動指令に変換する。そして、微小時間
周期でのモータ406〜409の移動量411をサーボ
制御手段405に指令する。サーボ制御手段405は、
補間手段404から指令される移動量411にしたがっ
てモータ406〜409を追従させるべくサーボ制御を
行う。
【0035】次に、本実施例における補間手段について
図5および図6を参照して説明する。
【0036】図5は、補間手段の構成を示すブロック図
であり、補間手段404は、前述の通り、加工指令処理
手段403から送られる移動指令410を入力し、微小
時間周期毎のモータ406〜409の移動量411をサ
ーボ制御手段405に出力するものである。まず、加工
指令処理手段403からの移動指令410は、格納手段
500に格納される。そして、座標値算出手段501で
は、微小時間周期毎に、格納手段500に格納される移
動指令410にしたがって、ワイヤ電極100の中心位
置の座標値が算出される。座標変換手段502では、微
小時間周期毎のワイヤ電極100の中心位置の座標値
が、加工形状定義平面300に対してワイヤ電極100
を垂直に保ったまま加工軌跡が得られるように、駆動平
面上の座標値に変換される。
【0037】ここで、座標変換手段について図6を参照
して説明する。
【0038】図6は、座標変換手段における座標変換方
法を説明する図であり、座標変換手段502には、座標
値算出部501から微小時間周期ごとに時刻tにおける
ワイヤ電極100の中心座標値600(x1(t)、y
1(t))が入力されるとともに、加工形状定義平面3
00の駆動平面に対する定義601が入力される。この
加工形状定義平面300の定義601は、図3を参照し
て説明した平面の定義方法が用いられ、駆動平面に対す
る加工形状定義平面300の傾斜角度:θ1、θ2およ
び下ガイド平面301の高さZ1、上ガイド平面302
の高さZ2のことである。そして、これら座標値600
および平面定義601に基づいて、次式により、加工形
状定義平面300上の座標値600が駆動平面上の座標
値603に変換される。
【0039】
【0040】ここで、(X(t)、Y(t))は、下ガ
イド平面301上の時刻tにおけるワイヤ電極100の
中心の座標値を示し、(U(t)、V(t))は、上ガ
イド平面302上の時刻tにおけるワイヤ電極100の
中心の座標値を示す。
【0041】図5に戻って説明を続けると、差分算出部
503では、前周期でのワイヤ電極100の中心の座標
値(座標変換手段502で前周期に求められた座標値)
と今回の周期でのワイヤ電極100の中心の座標値(座
標変換手段502で今回の周期に求められた座標値)と
の差分値が算出され、この差分値が微小時間周期ごとの
移動量411としてサーボ制御手段405に出力され
る。例えば、前周期(t=t0)でのワイヤ電極100
の中心の座標値を(X(t0)、Y(t0))および
(U(t0)、V(t0))とし、今回の周期(t=t
1)でのワイヤ電極100の中心の座標値を(X(t
1)、Y(t1))および(U(t1)、V(t1))
とすると、差分算出手段503では、(X(t1)−X
(t0)、Y(t1)−Y(t0))および(U(t
1)−U(t0)、V(t1)−V(t0))が算出さ
れ、この値が今回の周期における移動量411としてサ
ーボ制御手段405に出力される。
【0042】このように、本実施例においては、図7
(a)に示すように駆動平面に対して所定の角度だけ傾
斜した加工形状定義平面300にワイヤ電極の中心位置
の加工軌跡700を規定する移動指令を加工プログラム
によって定義し、その移動指令が、駆動平面に平行な平
面における移動指令に変換される。そして、その変換さ
れた移動指令にしたがって、クロステーブルおよびワイ
ヤガイドが移動機構によって駆動されて、図7(b)に
示すような加工切削形状が得られる。その結果、図7
(c)に示すような形状にワーク108を仕上げること
ができる。
【0043】本実施例では、加工形状定義平面には加工
プログラムによって円弧の移動指令を定義した場合につ
いて説明したが、直線や円弧といった基本形状の移動指
令を組み合わせたものを定義することによって、より複
雑な加工形状にワークを仕上げることができることは言
うまでもない。
【0044】次に、本発明の第2の実施例について図
1、図3、図4および図8を参照して説明する。
【0045】本実施例では、前述の第1の実施例のよう
に補間手段において微小時間周期ごとに座標値を変換し
ていくのではなく、加工指令処理手段において、移動指
令を微小周期ごとの座標値に分割することなく変換する
というものであり、処理時間の大幅な短縮を実現でき
る。そして、図10で示した従来のワイヤ放電加工装置
における制御装置とは、加工指令処理手段における処理
が異なる。
【0046】図8は、加工指令処理手段の構成を示すブ
ロック図であり、入力手段401または記憶手段402
から、加工プログラム読み出し手段801により、加工
プログラム400を読み出す。ここで、加工プログラム
400も前述の第1の実施例と同様に駆動平面に対して
所定の角度だけ傾斜した加工形状定義平面300上に加
工形状を定義するものである。そして、読み出された加
工プログラム400は、加工プログラム解析・補正手段
802において解析され、さらに、各種の補正処理(図
形の拡大・縮小処理、回転処理、ワイヤ径補正処理およ
びテーパ処理等)が施され、移動指令410として座標
変換手段803に送られる。座標変換手段803に送ら
れる移動指令410は、直線、円弧といった基本形状単
位の移動指令である。
【0047】座標変換手段803において、加工プログ
ラム400で定義された移動指令410によって指定さ
れるワイヤ電極の中心の座標値の移動始点および移動終
点等の複数の特徴点(x1(n)、y1(n))(nは
任意の数)を以下の式によって駆動平面上の座標値80
5に変換する。
【0048】
【0049】ここで、(X(n)、Y(n))は、X−
Y平面上の座標値を示し、(U(n)、V(n))は、
U−V平面上の座標値を示す。
【0050】移動生成手段804では、変換された座標
値805にしたがって、加工プログラム400で定義さ
れた移動指令410が駆動平面上における移動指令80
6(直線移動だけではなく楕円を用いた移動指令も含
む)に変換される。ただし、この場合には、補間手段8
07で楕円補間を処理することができることが前提であ
る。
【0051】そして、この変換された移動指令806が
補間手段807に送られ、補間手段807では、その変
換された移動指令806に基づいて、微小時間周期ごと
に、その周期でのモータの移動量をサーボ制御手段に指
令する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤ電極とワークとが相対的に移動する駆動平面上に
定義した場合では、楕円補間演算を必要とする、また
は、形状が複雑で加工困難な加工形状であっても、その
駆動平面に対して所定の角度だけ傾斜した傾斜平面上に
定義すると簡単な加工形状として定義することができる
ような加工を容易に行うことができる。したがって、従
来は加工困難であったワークの輪郭等も容易に加工する
ことができるために、ワイヤ放電加工の用途をより幅広
いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤ放電加工装置の構成を示す図で
ある。
【図2】本発明における座標系および平面の回転状態の
定義を説明する図である。
【図3】本発明における平面の定義を説明する図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施例における制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図5】図4における補間手段の構成を示すブロック図
である。
【図6】図5における座標変換手段における処理を説明
する図である。
【図7】第1の実施例における加工手順を説明する図で
ある。
【図8】本発明の第2の実施例における加工指令処理手
段の構成を示すブロック図である。
【図9】一般的なワイヤ放電加工装置の構成を示す図で
ある。
【図10】従来のワイヤ放電加工装置における制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図11】テーパ加工を説明する斜視図である。
【図12】上下任意形状加工を説明する斜視図である。
【図13】同一平面内において加工形状を回転変換させ
て加工させる例を説明する図である。
【図14】本発明によって容易に加工できる加工形状の
一例を示す斜視図である。
【図15】従来のワイヤ放電加工装置による加工例を説
明する斜視図である。
【符号の説明】
100 ワイヤ電極 101、102 プーリ 103、104 ワイヤガイド 105、106 移動機構 107 クロステーブル 108 ワーク 109 制御装置 110 加工電源 400 加工プログラム 401 入力手段 402 記憶手段 403 加工指令処理手段 404 補間手段 405 サーボ制御手段 500 格納手段 501 座標値算出手段 502 座標変換手段 503 差分算出手段 800 加工指令処理手段 801 加工プログラム読み出し手段 802 加工プログラム解析・補正手段 803 座標変換手段 804 移動生成手段 807 補間手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 努 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目4番 18号 日本電気ロボットエンジニアリン グ株式会社内 (72)発明者 広野 守 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目4番 18号 日本電気ロボットエンジニアリン グ株式会社内 (72)発明者 藤井 章 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 三宅 健治 神奈川県愛甲郡愛川町三増359番地の3 株式会社牧野フライス製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−81023(JP,A) 特開 平4−372312(JP,A) 特開 昭60−259324(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工プログラムによって決められる第1
    の移動指令にしたがって、ワイヤ電極をワークに対して
    相対的に移動させ、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間
    に発生させる放電によってそのワークを加工するワイヤ
    放電加工方法において、 前記加工プログラムは、前記ワイヤ電極が前記ワークに
    対して相対的に移動する第1の平面に対して所定の角度
    だけ傾斜した第2の平面と平行な平面上に定義され 前記ワイヤ電極が前記第2の平面に対して垂直を保った
    加工軌跡が前記ワーク上に描けるように、前記第1の移
    動指令を、前記ワイヤ電極を前記第1の平面上で前記ワ
    ークに対して相対的に移動させるための第2の移動指令
    に変換する ことを特徴とするワイヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加工プログラムを解析することによ
    って、前記第1の平面上における第1の移動指令を求め
    る第1のステップと、 前記第1の移動指令によって指定される前記ワイヤ電極
    の中心の座標値を所定の周期ごとに算出する第2のステ
    ップと、 前記座標値を前記周期ごとに前記第2の平面上における
    座標値に変換する第3のステップと、 変換された座標値にしたがって前記ワイヤ電極を前記ワ
    ークに対して相対的に移動させる第4のステップとを含
    ことを特徴とする前記請求項1に記載のワイヤ放電加
    工方法。
  3. 【請求項3】 加工プログラムによって決められる第1
    の移動指令にしたがって、ワイヤ電極をワークに対して
    相対的に移動させ、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間
    に発生させる放電によってそのワークを加工するワイヤ
    放電加工装置において、 前記加工プログラムは、前記ワイヤ電極が前記ワークに
    対して相対的に移動する第1の平面に対して所定の角度
    だけ傾斜した第2の平面と平行な平面上に定義されるこ
    とを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤ電極を前記第2の平面に対し
    て垂直に保っ た加工軌跡が前記ワーク上に描けるよう
    に、前記第1の移動指令を、前記ワイヤ電極を前記第1
    の平面上で前記ワークに対して相対的に移動させるため
    の第2の移動指令に変換する手段を備えることを特徴と
    する前記請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 【請求項5】 前記加工プログラムを入力する手段と、 入力された加工プログラムを解析することによって、前
    記第1の平面上における第1の移動指令を求める手段
    と、 前記第1の移動指令によって指定される前記ワイヤ電極
    の中心の座標値を所定の周期ごとに算出する手段と、 前記座標値を前記周期ごとに前記第2の平面上における
    座標値に変換する手段と、 変換された座標値による第2の移動指令にしたがって前
    記ワイヤ電極を前記ワークに対して相対的に移動させる
    手段とを備えることを特徴とする前記請求項3に記載の
    ワイヤ放電加工装置。
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JPS60259324A (ja) * 1984-06-06 1985-12-21 Mitsubishi Electric Corp ワイヤ放電加工装置
JPH04372312A (ja) * 1991-06-24 1992-12-25 Amada Washino Co Ltd ワイヤカット放電加工機のテーパ形状の加工方法

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