JPH10283007A - 加工装置 - Google Patents

加工装置

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Publication number
JPH10283007A
JPH10283007A JP9981597A JP9981597A JPH10283007A JP H10283007 A JPH10283007 A JP H10283007A JP 9981597 A JP9981597 A JP 9981597A JP 9981597 A JP9981597 A JP 9981597A JP H10283007 A JPH10283007 A JP H10283007A
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JP
Japan
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movement
angle
axis
program
moving
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JP9981597A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Oki
隆一 沖
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Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪郭加工を行う場合、平面方向の相対移動に
同期させて回転軸の位置を割り出し回転移動させるため
のNCプログラムを作成する作業が煩雑で、作業時間を
要した。 【解決手段】 制御装置8は、相対移動指令部81、主
記憶部82、電源制御部83、解読部84、及びサーボ
制御部85を含んで構成され、放電加工機の各移動装置
2〜5が同期して駆動するように制御する。回転移動演
算部811は、XY軸方向の相対移動に関するNCプロ
グラムの解読データに基づいて、円弧補間及びコーナに
おける電極Eの回転移動角度と回転角度位置を演算す
る。移動量演算部812は、解読データからXYZ軸の
移動量を算出するとともに、回転移動角度と回転角度位
置からC軸の回転移動量を算出し、それらの移動量から
移動指令値を求める。出力部813は、所定の同期の方
式に従って、移動指令値をモータ制御パルスに変換し、
各軸のモータドライバ24、34、44、及び53に分
配出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予めNCプログラ
ムにプログラムされた相対移動経路に沿って工具と被加
工物とを相対移動させるとともに、その相対移動に同期
させて工具または被加工物を加工深さ方向の軸を中心と
して回転移動させ位置決め制御することにより、所望の
形状を加工するように構成された加工装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】上記態様の加工装置として、対向配置さ
れた工具電極と被加工物との間隙に所定のパルス状の電
圧を印加して被加工物を所望の形状に放電加工する放電
加工装置が知られている。放電加工の一つの加工形態と
して、予めプログラムされた所望の形状の軌跡に沿って
加工されるように、電極と被加工物とを相対移動させる
ながら被加工物を放電加工する方法がある。具体的に
は、円柱状のようないわゆる単純電極や左右非対称の電
極を用いて被加工物に溝を加工したり、あるいは被加工
物の端面に沿って被加工物の側面に溝や切込みを加工す
る形態がある。ここでは、これらの放電加工を「輪郭加
工」と総称する。
【0003】図5は輪郭加工の一例を示す図である。図
5に示されるような輪郭加工においては、一点鎖線で表
された加工深さ方向の軸を中心として回転角度を割り出
して工具電極Eまたは被加工物Wの回転方向の位置を制
御する必要がある。例えば、コーナ部分では、所望の溝
を被加工物Wの側面に形成するために、輪郭加工方向に
おける電極Eと被加工物Wとの相対移動に同期して被加
工物Wに対する電極Eの回転位置または電極Eに対する
被加工物Wの回転位置を順次変更させなければならない
ことがわかる。なお、回転位置の位置制御を平面座標で
はなく角度で行うとき、その位置を回転角度位置として
説明する。
【0004】この加工を実施するために、所定の平面方
向に電極または被加工物を移動させるXY軸移動装置、
その平面方向にほぼ垂直な方向、すなわち加工深さ方向
に電極または被加工物を移動させるZ軸移動装置、電極
または被加工物を加工深さ方向を回転軸として回転移動
させて位置決めさせる角度割出し可能なC軸移動装置を
備えた装置が必要である。一般に、これらの各移動装置
はNC装置(数値制御装置)に接続されている。NC装
置は、予め相対移動経路をプログラムしたNCプログラ
ムを解読して移動量を求めて移動指令値を演算し、この
移動指令値をモータ制御パルスに変換して各モータドラ
イバに分配出力する。これにより、各方向の移動装置が
同期して駆動される。
【0005】
【発明が解決するべき課題】このような構成の加工装置
にあって、XY軸方向への電極と被加工物との相対移動
に同期させてC軸の移動と位置決めを制御する必要があ
る場合は、作業者は、XY軸ないしはZ軸と同期するよ
うにC軸の相対移動に関してもNCプログラムに予めプ
ログラムしておかなければならない。作業者にとって、
このようなNCプログラムの作成は非常に煩雑な作業で
ある。
【0006】本発明は、工具と被加工物とを予めNCプ
ログラムにプログラムされた少なくとも1軸方向に相対
移動させるとともに、NCプログラムにプログラムする
ことなく、それに同期させて工具または被加工物を回転
移動させ位置決めすることができる加工装置を提供する
ことを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決する手段として、数値制御装置を備えた加工装置
において、工具と被加工物との少なくとも一方を所定の
平面方向に相対移動させるXY軸移動装置のような相対
移動手段と、その平面方向に垂直な軸を中心として工具
または被加工物を相対的に回転移動させるC軸装置のよ
うな回転移動手段と、予めプログラムされた上記平面方
向の相対移動に関するNCプログラムのデータに基づい
てその平面方向の移動量と上記回転移動の移動量とを演
算する手段と、回転移動手段が上記相対移動手段と同期
して駆動するように演算された移動量に基づく移動指令
値を出力する手段とを設けたものである。
【0008】詳しくは、NCプログラムのデータに基づ
いて回転移動の回転移動角度を演算する手段を含んで構
成する。そして、その回転移動角度を演算する手段は、
NCプログラムのプログラムブロックでプログラムされ
る2つの上記平面方向の相対移動経路のベクトルが形成
する角度に基づいて回転移動角度を演算するように構成
される。
【0009】好ましくは、NCプログラムのプログラム
ブロックでプログラムされる隣接する2つの上記平面方
向の相対移動経路の接続点における回転移動角度を予め
設定された所定の角度と比較する手段を設け、その比較
する手段の比較結果に応じて上記移動指令値を出力する
手段が所定の方式にしたがって同期して駆動するように
移動指令値を出力するように構成される。より好ましく
は、加工形態に関するデータを入力する手段と、その入
力されたデータに基づいて上記相対移動手段と上記回転
移動手段とを同期させる制御のモードを設定する手段
と、上記移動指令値を出力する手段を上記回転移動手段
が上記相対移動手段と同期して駆動するように上記移動
指令値を出力するように構成される。
【0010】
【作用】移動量を演算する手段により、NCプログラム
に予めプログラムされた平面方向の相対移動に関する解
読データに基づきその平面方向の相対移動の移動量が演
算される。また、解読データに基づき回転移動角度と回
転位置が求められ、その求められたデータから上記平面
方向に垂直な軸を中心とする回転移動の移動量が演算さ
れる。移動する方向に関する情報も含んだこれら移動量
のデータに基づいて移動指令値が求められる。移動指令
値を出力する手段により、この移動指令値がモータの指
令値に変換され、所定の比率とタイミングで各軸のモー
タドライバに分配出力される。これにより、回転移動に
関するデータがNCプログラムにプログラムされていな
くても、平面方向の相対移動に同期して工具が相対的に
回転移動される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の装置に係る形彫
放電加工装置の構成図である。以下、この形彫放電加工
装置を例に本発明の加工装置の構成を説明する。このと
き、平面方向の2軸をX軸とY軸、加工深さ方向をZ
軸、加工深さ方向と同方向の一軸線を中心とする回転方
向をC軸としている。
【0012】Eは、2つの平行な溝を同時に加工するた
めにU字形に分岐して2つの加工部分を備えた形状の工
具電極である。Wは電極Eに図示しない定盤を介して加
工槽1内に配置された被加工物である。加工槽1には放
電加工用の加工液が供給され、被加工物Wは加工液に浸
漬されている。
【0013】2及び3は、それぞれ加工深さ方向に対し
て垂直な平面方向に電極Eと前記被加工物Wとを相対移
動させる相対移動装置である。X軸方向の相対移動装置
2は、X軸方向に移動可能なXテーブル21と、Xテー
ブル21を移動させるサーボモータ22と、X軸方向の
位置を検出する位置検出器23、サーボモータ22を制
御するモータドライバ24を含んで構成されている。ま
た、Y軸方向の相対移動装置3は、Y軸方向に移動可能
なYテーブル31と、Yテーブル31を移動するサーボ
モータ32と、Y軸方向の位置を検出する位置検出器3
3と、サーボモータ32を制御するモータドライバ34
を含んで構成されている。加工槽1はXテーブル21上
に設けられ、さらにXテーブル21はYテーブル31に
搭載されている。
【0014】4は加工深さ方向に電極Eと被加工物Wと
を相対移動させるZ軸方向の相対移動装置であり、Z軸
方向に昇降可能なヘッド41と、ヘッド41を移動させ
るサーボモータ42と、Z軸方向の位置を検出する位置
検出器43と、サーボモータ42を制御するモータドラ
イバ44を含んで構成されている。ヘッド41には電極
取付部45を介して電極Eが取り付けられ、ヘッド41
の移動により電極Eが被加工物Wに対して上下に移動す
る。
【0015】ヘッド41と電極取付部45との間には、
電極Eを被加工物Wに対して相対的に回転移動させる回
転移動装置5の本体部が設けられている。回転駆動装置
5は、回転角度位置の割出しが可能な同期モータ51
と、回転角度位置を検出する検出器52と、モータ51
を制御するモータドライバ53を有し、Z軸を中心に電
極Eを回転させることができる。また、加工液噴射ノズ
ル6が着脱可能に取り付けられていて、図示しない加工
液供給装置より加工液噴流が供給され、加工溝付近の加
工屑やタールなどの加工による生成物が適宜除去でき
る。
【0016】上述した各軸の移動装置は、それぞれ位置
検出器23、33、43、52からの位置検出信号を得
て各モータドライバ24、34、44、53に位置検出
信号をフィードバックしクローズドループ制御で位置決
めを行う。したがって、各軸の移動装置は、制御装置か
ら出力される移動指令値に基づいて移動しながら位置決
めを行っている。
【0017】7は放電加工用の電源装置であり、図示し
ない電源の各端子が電極Eと被加工物Wとにそれぞれ接
続されている。電源装置7の中には、電源回路をオンオ
フする少なくとも1つのスイッチング素子が設けられて
いて、設定された電気的な加工条件に基づくパルス状の
電圧を電極Eと被加工物Wとで形成される間隙に所定の
周期で間欠的に供給する。この電源装置7は、様々な態
様を有する放電加工のための公知の電源装置を利用する
ことができる。
【0018】8は制御装置であり、少なくとも、電極E
と被加工物Wとの相対移動を制御する相対移動制御部8
1と、種々のデータを一時保存する主記憶部82と、設
定された電気的な加工条件に基づいて所定のパルス状の
電圧を間隙に供給するように電源装置7を制御する電源
制御部83と、NCプログラムを解読する解読部84
と、サーボ指令信号を出力するサーボ制御部85とを有
する。
【0019】9は入力装置であり、スイッチやキーボー
ド、タッチセンサの他、フロッピーディスクなどの記録
媒体に記録されたNCデータを制御装置8内に入力する
装置を含む。NCデータには、少なくともNCコードと
それに伴う数値データが含まれている。入力装置9から
読み取られるNCプログラムは、一旦、主記憶部82に
保存され、解読部84はそれらNCデータをプログラム
された順番に解読する。さらに、輪郭加工の種類を工具
の形状や加工条件のデータなどで表した加工形態に関す
るデータが入力される。
【0020】10は極間検出装置であり、加工間隙の電
圧を電気的に検出して信号化し、この検出信号を電源制
御部83とサーボ制御部85に出力する。このとき、極
間検出装置10は、例えば電源回路に流れる電流値を検
出して加工電流を間接的に検出する構成を含ませること
ができ、電源制御部83におけるパルス状の電圧を供給
する制御に利用される。
【0021】電源制御部83は、解読されたNCプログ
ラムの内の電気的な加工条件に関するNCデータに基づ
いて、予め主記憶部82に記憶されているデータ群の中
から所定の加工条件データを入力し、これらの選択され
た加工条件データにしたがって電源装置7の図示しない
例えばスイッチング素子や可変抵抗器を制御するための
制御信号を電源装置7に出力する。また、間隙の状態に
応じて、設定された電気的な加工条件を適宜変更して電
源装置7を制御し、変更されたパルス状の電圧を供給す
る。
【0022】サーボ制御部85は、極間検出装置10か
らの検出信号を得て、間隙の状態に応じて少なくとも1
軸方向に電極Eまたは被加工物Wを進めたり戻したりす
るためのサーボ指令値を出力する。サーボによる電極E
と被加工物Wとの相対移動の方式は予め制御のパラメー
タとして設定されていて、Z軸方向のみならず、XY軸
方向、あるいはXYZ軸の三次元方向に行うことができ
る。
【0023】相対移動制御部81は、C軸の回転移動角
度と回転角度位置を演算する回転移動演算部811、各
軸の相対移動の移動量とを演算してそれらに基づく移動
指令値を出力する移動量演算部812、移動量演算部8
12からの移動指令値とサーボ制御部85からのサーボ
指令値とをモータ制御パルスのパルス数に変換し所定の
比率とタイミングでそれら一連のモータ制御パルスを分
配出力する出力部813を含んで構成されている。
【0024】回転移動演算部811は、解読部84で解
読されたNCプログラムのプログラムブロックに基づく
相対移動経路に関する移動指令データや座標データから
それぞれのベクトルを演算し、それら演算されたベクト
ルから回転移動角度を求める。そして、その回転移動角
度から各コーナにおける回転角度位置を求める。また、
プログラムブロックにプログラムされた相対移動が円弧
補間であるときには、その円弧を形成する扇形の中心角
が回転移動角度であることから、その中心角を求めて、
その中心角から各コーナ及び円弧補間における回転角度
位置を演算する。
【0025】移動量演算部812は、解読部84で解読
された相対移動に関するデータを得て、XY軸の移動量
を算出するとともに、回転移動演算部811で演算され
た回転角度位置からC軸の移動方向と移動量を算出す
る。そして、XY軸における直線移動または円弧移動と
C軸における回転移動とがプログラムされた通りに行わ
れるように移動指令値を求めて出力部813に出力す
る。
【0026】出力部813は、移動量演算部812から
の移動指令値を各々モータ制御パルスのパルス数に変換
し、モータ制御パルス信号をモータドライバ24、3
4、44、及び53の各々に分配出力する。また、サー
ボ制御部85からのサーボ指令値を各軸に分配出力す
る。このとき、この出力部813からの各軸の移動指令
値とサーボ指令値の分配された出力は、主記憶部82に
設けられた計数用の一記憶領域中に計数値として記憶さ
れる。したがって、相対移動制御装置81は、常時、各
軸における現在位置を認識している。なお、この移動指
令値の加減算は、記憶部を利用しないで、アップダウン
カウンタなどの装置により行うことができる。
【0027】このようにして、NCプログラムにプログ
ラムされたXY軸方向の相対移動と、演算されたC軸方
向の回転移動と、サーボ制御部からのサーボ指令値に基
づくZ軸方向、XY軸方向、あるいはXYZ軸方向の相
対移動とが合成される。その結果、適時電極Eと被加工
物Wとの間隙を調整されながら、所定の相対移動経路に
沿って電極Eと被加工物Wとが相対移動され、被加工物
Wが放電加工される。
【0028】また、移動量演算部812は、回転移動演
算部811で求められた回転移動角度と予め設定されて
いる所定の角度とを比較する比較部814を含んで構成
されている。そして、この比較手段の比較結果に基づい
て、XY軸方向の相対移動装置2および3とC軸の回転
移動装置5とを同時あるいは交互に駆動するような移動
指令値を出力部813に出力する。XY軸方向の移動と
C軸の移動の同期させる場合に、1つは、XY軸とC軸
とが同時に移動するように移動指令値を分配出力する方
式が考えられる。また1つは、電極EをXY軸方向の2
つのプログラムブロックで規定される経路の接続点(コ
ーナ)まで到達させた後に、C軸を回転移動させて電極
Eが方向を転換してから、再びXY軸を移動させてその
コーナから抜けていくように、各移動指令値を分配出力
する方式が考えられる。
【0029】さらに、移動量演算部812は、主記憶部
XY軸とC軸との同期の制御のモードを選択的に設定で
きるモード設定部815を有する。入力装置9から入力
された加工形態に関するデータは、モード設定部815
を介して主記憶部82に一旦記憶される。設定データ
は、移動量などを演算する前に読み出されて、その演算
の方法を加工形態に対応して変更することができる。し
たがって、移動指令値の出力に際し、その加工形態や加
工の目的に合致した各軸を同期させる方法やエラーの発
生の方法をのさせた方に関して、その加工の形態や加工
の目的に合致した様式が採用される。移動指令値の出力
や加工形態に関するデータが入力されないときは、所定
の基本の様式が採用される。
【0030】加工形態とは、ここでは種々の加工形態の
中でも、特に輪郭加工の種類として、いくつかの加工の
類型を表す。入力装置9で作業者が入力する加工形態に
関するデータとしては、電極Eの形状データや加工条件
としての予め識別能力を具備させた数値データを用いる
ことができる。例えば、電極Eの形状データであるなら
ば、その形状のいくつかを割り振られた識別番号ととも
に図示しない表示装置上に表示させ、使用する電極Eの
形状の番号を入力することで加工形態が設定される。
【0031】次に、上述した本発明の装置の動作につい
て説明する。図2は、本発明の装置の動作について説明
するためのフローチャートである。図3は、輪郭加工に
おけるXY軸平面上の電極の相対移動経路と加工軌跡の
例を示す図であり、図3Aは回転移動角度が所定値以下
の例、図3Bは回転移動角度が所定値以上の例を表して
いる。また、図4は2つの相対移動経路に基づく線分H
IとJKのベクトルを仮想座標上に示した図である。な
お、図4における仮想座標のXY軸とその原点は、XY
軸平面のNCプログラムにおけるXY座標とその原点と
は一致していない。また、このときの加工形態の例とし
て、図5に示されている電極と被加工物、及び加工形状
を採用する。
【0032】入力装置9により読み取られて主記憶部8
2に記憶されたNCプログラムのNCデータは、プログ
ラムされた順番に解読部84で解読される。そして、解
読されたデータが相対移動に関する場合には、移動量演
算部812にその解読データが出力される(S1)。こ
のとき、C軸の原点が設定される。また、XY軸の原点
は、NCプログラムで設定されている。なお、解読され
たデータが電気的な加工条件に関する場合には、そのデ
ータは電源制御部83に出力され、さらに別のデータ、
例えば加工液噴流の制御に関するデータであったとした
ら、そのデータは図示しない加工液制御装置へ出力され
る。
【0033】移動量演算部812で、解読された座標に
関するデータに基づいて各プログラムブロックにプログ
ラムされたXY軸方向の相対移動経路の移動量を演算す
る。ここでは、XY軸の相対移動装置は、X軸の相対移
動装置2とY軸の相対移動装置3との2つの相対移動装
置で構成されているから、X軸の移動量dXとY軸の移
動量dXをそれぞれ算出する(S2)。このとき、Z軸
など他の軸の移動がプログラムされている場合は、XY
軸と同様に移動量を演算する。なお、NCプログラムの
解読とデータの出力、およびこれらのデータに基づく必
要値の演算は、実際上は、現に相対移動している地点に
先だって行われているので、所定の箇所の加工が演算の
ために中断されることはない。
【0034】図3Aに示された点Hから点Jまでの例を
用いて具体的に説明すると、XY各軸の点H、点I、及
び点Jにおける座標データ(XH,YH)、(XI,Y
I)、(XJ,YJ)からXY各軸の点HI間の移動量
dXHI=XI−XHとdYHI=YI−YH、及び点
IJ間の移動量dXIJ=XJ−XIとdYIJ=YJ
−YIが算出される。
【0035】ここで、回転移動演算部811では、相対
移動をプログラムした最初のNCプログラムブロックの
解読データから、図4に示されるようなそのプログラム
ブロックの仮想座標上のベクトルuが演算される(S
3)。このベクトルuのデータは、主記憶部82に記憶
される。このとき、同時に、このベクトルの方向を原点
0°として設定できる。
【0036】相対移動に関するプログラムブロックが円
弧補間である場合は、XY軸に対してC軸を同期させて
移動させる必要があるので、プログラムブロックが直線
であるか円弧であるかを分別する(S4)。一般に、N
Cプログラムでは、直線補間の場合はG01、円弧補間
の場合はG02やG03のようにNCコードがプログラ
ムされているので、NCコードを判断のデータとして利
用できる。
【0037】そのプログラムブロックが直線補間の場合
は、移動量演算部812で先に算出されているXY軸方
向の移動量に基づく移動指令値は、出力部813を介し
てモータ制御パルスに変換されて、各モータドライバに
分配出力される(S5)。このとき、演算される移動量
は、正負の値をとることにより移動方向の情報も含んで
いる。したがって、出力される移動指令値もまた、移動
する長さとともにその方向の指令を含んでいる。
【0038】そのプログラムブロックが円弧補間の場合
には、円弧補間を行いながらC軸の補間を行う。回転移
動演算部811で、その円弧補間中のC軸の回転移動角
度θを算出して、その値を主記憶部82に記憶させる
(S6)。その回転移動角度θと現在の角度位置から回
転角度位置CPを算出するとともに(S7)、その回転
移動位置CPによりC軸の回転移動量dCを算出する
(S8)。このとき、回転移動角度θは、その円弧形状
を形成する扇形の中心角と円弧補間の方向で算出され
る。
【0039】以上のようにして、出力部813からは、
このプログラムブロックで規定される移動量dX、dY
のXY軸方向の相対移動が完了する地点でC軸における
移動量dCの回転移動がちょうど完了するように、各軸
モータドライバにモータ制御パルスが分配出力される
(S9)。なお、XYZ方向のみならず、C軸について
も、モータ制御パルスを分配出力する比率とタイミング
の演算については、従来の技術を利用している。
【0040】C軸を同期して回転移動させるケースとし
て、上述した円弧補間のとき以外に、2つのプログラム
ブロックで形成される接続点(コーナ)で回転移動する
ケースがある。以下では、相対移動をプログラムした一
連のNCプログラム中、最初のプログラムブロックとそ
れに続くプログラムブロックとで形成されるコーナにつ
いて説明する。まず、回転移動演算部811において、
解読データに基づいて、仮想座標上の次のプログラムブ
ロックの線分のベクトルvとその座標値が演算される
(S10)。例えば、図3に示されるコーナIの場合
は、図4に示されるように線分IJの仮想座標上のベク
トルとその座標値を演算する。
【0041】そして、最初のプログラムブロックの仮想
座標上のベクトルuが既に求められているので(S
3)、主記憶部82からこのデータを読み出して、これ
ら2つのベクトルが形成する角度を求める。具体的に
は、2つの線分HIとIJの始点HとIをそれぞれ仮想
座標上の原点Oに仮におき、その2つの線分HIとIJ
のベクトルをそれぞれベクトルu=(u1,u2)、ベ
クトルv=(v1,v2)とする。このとき、次のプロ
グラムロックが円弧である場合には、その円弧の中心と
接続点とを結ぶ直線に対して直交しかつその円弧に接す
る接線を所定距離延長してベクトルを作る。
【0042】次に、ベクトルuが仮想座標上のX軸線の
正方向に位置するような1次変換を求める(S11)。
図4に示されるように、ベクトルuの仮想座標上のX軸
に対する角度をθ’とすると、cosθ’は数1、si
nθ’は数2の通りである。したがって、ベクトルvに
対して、この求められた1次変換を使って1次変換を行
うと、数3によりベクトルv’=(v’1,v’2)が
求められる(S12)。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】そして、回転移動演算部811では、この
求められたベクトルv’の座標値を用いて2つの線分が
形成する角度を求める(S13)。最初のプログラムブ
ロックと次のプログラムブロックに関する場合、この角
度が回転移動角度θである。例えば、先に説明した2つ
の線分HIとIJが形成するコーナにおける回転移動で
は、図3及び図4に示されるように、先に算出したベク
トルv’=(v’1,v’2)と仮想座標上X軸線の正
方向とで形成される角度θが、先の2つの線分で形成さ
れる回転移動角度θと一致している。したがって、この
場合の回転移動角度θは、数4で算出される。
【0047】
【数4】
【0048】以上の一連の演算は、最初のプログラムブ
ロックを含む相対移動経路におけるコーナ、すなわち最
初のコーナであるので、数4で求められる角度が回転移
動角度θであったが、それ以降のコーナの場合は(実際
には殆どこのケースであるが)、ベクトルuとベクトル
vとで形成される角度は、回転移動角度θと一致しな
い。このときのベクトルuとベクトルvとで形成される
角度を最初のプログラムブロックからいくつかの回転移
動を行ったトータルの回転移動角度である。したがっ
て、回転移動角度θは、ベクトルuとベクトルvとで形
成される角度をαとして数1ないし数4に代入して算出
し、その角度αからこれまで回転移動した回転移動角度
の総和を減算して算出される。
【0049】このとき、これまで回転移動した角度は、
回転移動角度θを算出する毎に主記憶部82に記憶させ
ておけばよい。また、既述した通り、各軸の分配出力さ
れた移動指令値が加減算されて現在位置を認識できるよ
うにされているので、このデータを利用することもでき
る。
【0050】ところで、この回転移動角度θは、隣接す
る2つのプログラムブロックで表される2つの線分のベ
クトルでも求められる。この場合は、最初のプログラム
ブロックを含むか否かに関わらず、正に2つのベクトル
で形成される角度が回転移動角度θである。しかしなが
ら、この演算の方法は、コンピュータ上では誤差が生じ
るので、精密な制御には向かない。したがって、好まし
くは、最初のプログラムブロックのベクトルを基準に回
転移動角度θを算出する方がよい。
【0051】次に、回転移動前の回転角度位置C0とし
て、回転角度位置C0における角度に回転移動角度θを
加算することにより回転移動後の回転角度位置C1にお
ける角度を算出し、回転角度位置C1の値を求める(S
14)。例えば、図3Aに示される接続点Iにおける回
転移動の場合は、接続点Iにおける回転角度位置CIの
角度にベクトルHIとベクトルIJで形成される回転移
動角度θを加算することにより、点Jにおける回転角度
位置CJの角度が求められる。
【0052】そして、このようにして求められた回転角
度位置C1から回転角度位置C0を減算することによ
り、C軸の移動量dCが算出される(S15)。例え
ば、図3Aに示される接続点Iから接続点Iから点Jま
でにC軸が回転される移動量は、dCIJ=CJ−CI
である。このとき、C軸の回転移動方向は、コーナを形
成する2つの相対移動経路のベクトル方向で識別され
る。なお、図3Aに示されるように、回転移動角度と回
転移動量とを、角度の値としては実質的に同じものであ
るときは、回転移動角度により回転移動量を求めること
もできる。
【0053】回転移動量dCにしたがって工具電極Eを
回転移動させる前に、まず、あるプログラムブロックの
次のプログラムブロックが直線補間であるかどうかを判
別する(S16)。これは、円弧補間の場合には、その
移動中にC軸は必ず同期させて回転させるために、直線
補間の場合と若干異なるからである。
【0054】次に、XY軸とC軸との同期の方式を選択
して実施する。この実施例では、コーナが“滑らかであ
る”接続か“滑らかでない”接続かにより、同期の方式
が異なるように構成されている。したがって、まず、回
転移動演算部811で得られた回転移動角度θと予め設
定された角度θrと比較する(S17)。そして、回転
移動角度θが角度θrよりも大きいときは、コーナが
“滑らかである”とし、一方、回転移動角度θが角度θ
rより小さいときは、“滑らかでない”とする。このと
き、滑らかであるか滑らかでないかの基準となる角度θ
rは、加工の形態などにもよるが、この種の輪郭加工に
おいて実際上適当な値として、1°〜2°程度以下であ
る。なお、この比較演算の際には、コーナの方向が異な
ると値が異なるので、比較対象となる回転移動角度θは
絶対値とする。
【0055】コーナが滑らであるとした場合、コーナ到
達後に、先に算出されているその接続点に続く次の相対
移動経路のX軸とY軸の移動量をモータ制御パルスのパ
ルス数に変換するとともに、C軸の移動量dCを同様に
モータ制御パルスのパルス数に変換して、モータドライ
バ24、34、及び53に制御パルスを分配出力する
(S18)。例えば、点IJ間では、先に算出されてい
るXY各軸の移動量dXIJ及びdYIJと、先に算出
されているC軸の移動量dCIJとが分配出力される。
したがって、そのコーナに到達してから次のコーナまで
の間は、工具電極Eは、XY軸方向に相対移動しながら
回転する。なお、既述したように、適当な間隔でサーボ
制御部85よりサーボ指令信号が入力されるが、サーボ
については従来公知の方式を組み合わせて行うことがで
きる。
【0056】このようにして、例えば図3Aに示される
ように、隣接する2つの相対移動経路HIとIJとの接
続点Iでの回転移動の移動角度が滑らかであると判断さ
れた場合、点HI間ではXY軸方向に点Iに向かってC
軸方向に回転移動しないで電極Eが相対移動され、点I
J間ではXY軸方向に点Jに向かって電極が相対移動し
ている間に、数5で示されるように、同時に電極Eが回
転位置CJまで回転移動する。また、XY軸方向の移動
がX軸とY軸との合成動作であるが、XY軸の移動量
は、例えば点IJ間では数6のように表される。
【0057】
【数5】
【0058】
【数6】
【0059】このようにして、円弧補間における回転移
動に準ずる相対移動動作により、きわめて緩い角度のコ
ーナ部分で溝を滑らかに接続するようにすることができ
る。放電間隙の距離だけオフセットされて放電により加
工する放電加工においては、緩いコーナでXY軸方向の
送りを停止させると、その間発生している放電により、
コーナ部分が過剰に加工される。したがって、これまで
説明した放電加工においては、特に有効である。
【0060】一方、コーナが滑らかでないとした場合
は、そのコーナで先にC軸の回転移動のみを行う(S1
9)。そして、C軸の回転移動が完了した後に、そのコ
ーナから次のプログラムブロックのXY軸方向の直線補
間を行う(S4)。例えば図3Bに示す点Iにおいて
は、先に算出されているC軸の移動量dCIJに基づく
移動指令値が出力される。したがって、工具電極EはX
Y軸方向に相対移動していない状態で電極EがdCIJ
だけ回転する。このとき、電極Eが方向を変換している
最中にサーボが働くことによりかえって加工を不安定に
しないために、C軸の回転移動中はサーボを解除してお
くことができる。そして、点IJ間では、先に算出され
ているXY各軸の移動量dXIJとdYIJに基づく移
動指令値が出力されて、工具電極Eは、C軸の回転移動
なしにXY軸方向に相対移動する。
【0061】このようにして、コーナにおける回転移動
の移動角度が滑らかでないとした場合は、XY軸の相対
移動とC軸の回転移動とは同時に行わないようにXY軸
とC軸とを同期させる。この結果、例えば図5に示す形
状の加工において、コーナ部分で溝幅が変化してしまう
ことが防止できる。
【0062】コーナ(接続点)を挟んで次のプログラム
ブロックが円弧補間である場合にも(S20)、先述し
た直線補間のときと同じように、そのコーナの角度が滑
らかであるか滑らかでないかを判別する(S21)。こ
のとき、予め設定されている基準となる角度θrも直線
補間のときと同じ値でよい。そして、滑らかでない場合
は、ステップS19と同様に、そのコーナで先にC軸の
回転移動のみを行う(S22)。そして、C軸の回転移
動が完了した後に、そのコーナから次のプログラムブロ
ックのXY軸方向の円弧補間を行う(S6〜S9)。
【0063】一方、回転移動角度θが予め設定された角
度θrよりも小さいと判断された場合は(S21)、滑
らかであるものとして、その次の円弧補間におけるXY
軸方向の相対移動と同時にC軸の回転移動を行う(S4
〜S9)。このとき注意しなければならないのは、その
コーナにおけるC軸の回転移動とその円弧補間中のC軸
の回転移動とが「合成」されることである。例えば、そ
のコーナにおける回転移動角度が0.5°であり、それ
に続く円弧補間の回転移動角度が45°であったとする
と、その円弧補間中にC軸が回転移動しなければならな
い角度は45.5°である。つまり、コーナにおける回
転移動角度と円弧補間中の回転移動角度とを加算した移
動角度がC軸の移動量になり、その円弧補間の終点でこ
の加算されたC軸の移動が完了するようにモータの制御
パルスが分配出力される。このようにすると、直線から
円弧、あるいは円弧から円弧での接続もスムーズであ
る。
【0064】上述した一連の移動指令値の出力は、NC
プログラムにプログラムされた加工の終了まで、プログ
ラムされた順序に従って行われる。図2では、相対移動
に関するプログラムのみを抽出して制御しているものと
しての便宜上、直線でも円弧でもないXY軸方向の相対
移動として加工の終了を判定するようにしている(S2
0)。一般にXY軸方向の相対移動で、直線でも円弧で
もないプログラムブロックが実質的に存在しないからで
ある。実際上は、加工プログラムの終了は、NCプログ
ラムにプログラムされた加工終了を示すNCコード、例
えばM02を含むプログラムブロックにより加工の終了
が識別されることが一般的である。
【0065】ここで、加工形態によっては、上述した動
作では加工できないことがあるか、あるいは不要な動作
を含んでしまうことがある。例えば、図1に示すような
電極を使用して加工する際には、コーナが鋭角の形状の
場合、言い換えればコーナが滑らかでない場合は、実加
工上加工が困難である。すなわち、この加工形態では、
実際上は、各コーナ部分がきわめて滑らかなコーナにな
るように相対移動経路がプログラムされるべきであっ
て、滑らかでないようなコーナが存在しないはずであ
る。したがって、この種の加工形態の場合は、鋭角コー
ナがプログラムされていたら、エラーを発生させるなど
して、加工を中断するべきである。
【0066】このようなことから、図2で示される一連
の装置の動作が開始される前に、作業者が入力装置9を
介して制御のモードを入力し、主記憶部82に設定され
たモードに関するデータ、例えば制御フラグを記憶させ
ておく。そして、一連の動作を開始する前に、このフラ
グを読み込んで、図2に示される上記動作とは別の複数
の種類の装置の動作を行わせる一連の演算プログラムが
選択的に採用される。
【0067】このような別の複数の種類の装置の動作と
して、例えばコーナ手前でC軸が回転移動を開始し、コ
ーナを経て次のコーナにに到達する前に回転移動を終了
させる動作がある。具体的には、点HI間のXY軸の補
間とともにC軸を例えば、点Iに到達するまでに電極E
の回転移動角度の角度位置の1/2だけ補間動作させ
る。この場合は、図2で示されるステップS4よりも前
に2つのプログラムブロックのコーナの角度を判断する
ように工程を変形し、XY軸方向の移動指令値が1/2
出力されたタイミングでC軸の補間を開始するようにす
ればよい。このように、図2に示される装置の動作を基
本として、それを適宜変形し、複数の種類の装置の動作
を用意しておけば、種々の加工形態に合わせて装置を動
作でき、それだけ汎用性のある装置が提供される。
【0068】上述した相対移動経路の形状が楕円形状の
ような特殊な曲線であった場合、正確な意味で円弧では
ない。しかし、楕円形状は円弧を所定の変化率に基づい
た関数で変化させた形状であり、最終的な移動指令値と
してのモータ制御パルスを各軸のモータドライバに分配
する方式により相対移動経路が決定されるものであるか
ら、本発明においては、円弧として含ませて考えても差
し仕えがない。
【0069】本発明における装置は、以上のように構成
されているが、例えば回転移動演算部811と移動量演
算部812とを同じ演算装置で行うようにするなど、制
御装置各部の構成を適宜設計変更することは容易であ
り、目的と効果を鑑みて、本発明の趣旨に逸脱しない範
囲で種々の構成が採用される。また、C軸の回転角度位
置を算出する演算方式やXY軸とC軸とを同期させる方
式についても、加工形状や加工の目的に合わせて、本発
明の趣旨に反しない範囲で変更可能である。
【0070】本発明は、放電加工装置以外の数値制御装
置を具備して上述した加工と同様の輪郭加工を行う工作
機械などの加工装置にも採用できることは言うまでもな
い。また、加工深さ方向と垂直な平面方向にX軸の相対
移動装置とY軸の相対移動装置を別々に設けていない構
成の装置についても、あるいは回転移動装置をターンテ
ーブルなどを用いて被加工物を回転させる構成の装置に
ついても適用できる。なお、加工形態にもよるが、基本
的にNCプログラムに従って加工できる形状でありさえ
すれば、Z軸の相対移動がNCプログラム中にプログラ
ムされている場合でも、XY軸と同様に解読して移動量
を演算し、各軸と同期して相対移動制御させることがで
きることは、既に説明した通りである。
【0071】
【効果】本発明は、以上のように構成されているので、
所定の平面方向の相対移動のNCプログラムの解読デー
タを用いて、加工深さ方向と平行な軸線を中心に回転す
る回転移動量が求められる。このため、作業者は、その
平面方向の相対移動のNCプログラムを作成するだけで
よく、回転移動に関して複雑な計算をしたり、NCプロ
グラムにプログラムしたりする必要がない。したがっ
て、この種の輪郭加工を行う放電加工装置において作業
者の負担が大幅に軽減でき、作業時間も短縮できるとい
う効果を奏する。
【0072】回転移動の回転移動角度に基づいて、平面
方向の相対移動と回転移動との同期の方式を選択可能に
構成すれば、また、加工態様に応じてその同期の制御の
モードを選択可能に構成すれば、実際の加工に適応する
より好ましい加工結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工装置を示す構成図である。
【図2】図1の装置の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図3】輪郭加工における相対移動経路と加工軌跡の一
部分を示す図である。図3Aは回転移動角度が所定値以
上の場合、図3Bは所定値以下の場合の同経路と軌跡を
示す図である。
【図4】仮想座標軸と2つの線分のベクトルを示す図で
ある。
【図5】放電加工における輪郭加工の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
2,X軸方向の相対移動装置 3,Y軸方向の相対移動装置 4,Z軸方向の相対移動装置 41,ヘッド 5,回転移動装置 7,電源装置 8,制御装置 81,相対移動制御部 811,回転移動演算部 812,移動量演算部 813,出力部 814,比較部 815,モード設定部 82,主記憶部 83,解読部 84,記憶部 85,サーボ制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値制御装置を備えた加工装置におい
    て、工具と被加工物との少なくとも一方を所定の平面方
    向に相対移動させる相対移動手段と、前記平面方向に垂
    直な軸を中心として前記工具または前記被加工物を相対
    的に回転移動させる回転移動手段と、予めプログラムさ
    れた前記平面方向の相対移動に関するNCプログラムの
    データに基づいて前記平面方向の移動量と前記回転移動
    の移動量を演算する手段と、前記回転移動手段が前記相
    対移動手段と同期して駆動するように前記移動量に基づ
    く移動指令値を出力する手段とを備えた加工装置。
  2. 【請求項2】 前記NCプログラムのデータに基づいて
    前記回転移動の回転移動角度を演算する手段を含む請求
    項1に記載の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記回転移動角度を演算する手段は、前
    記NCプログラムのプログラムブロックでプログラムさ
    れる2つの前記平面方向の相対移動経路のベクトルが形
    成する角度に基づいて前記回転移動角度を演算すること
    を特徴とする請求項2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 前記NCプログラムのプログラムブロッ
    クでプログラムされる隣接する2つの前記平面方向の相
    対移動経路の接続点における前記回転移動角度を予め設
    定された所定の角度と比較する手段と、前記比較する手
    段の比較結果に応じて前記回転移動手段が前記相対移動
    手段と同期して駆動するように前記移動量に基づく移動
    指令値を出力する手段とを含む請求項2に記載の加工装
    置。
  5. 【請求項5】 前記接続点における前記回転移動角度が
    前記所定の角度未満のときには前記相対移動手段を駆動
    させながら前記回転移動手段を駆動させ、前記所定の角
    度以上のときには前記接続点で前記回転移動手段を前記
    回転位置まで駆動してから前記相対移動手段を駆動させ
    るように同期させて移動指令値を出力する手段を含む請
    求項4に記載の加工装置。
  6. 【請求項6】 加工形態に関するデータを入力する手段
    と、該データに基づいて前記相対移動手段と前記回転移
    動手段とを同期させるための制御のモードを設定する手
    段と、前記設定された制御のモードにしたがって前記回
    転移動手段が前記相対移動手段と同期して駆動するよう
    に前記移動量に基づく移動指令値を出力する手段とを含
    む請求項1に記載の加工装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024541A1 (fr) * 1998-10-27 2000-05-04 Sodick Co., Ltd. Systeme de broche pour machine d'usinage par etincelage servant a effectuer l'alesage
US6448529B1 (en) * 1999-06-16 2002-09-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Electro discharge machining apparatus
CN108856925A (zh) * 2017-05-12 2018-11-23 发那科株式会社 线放电加工机以及显示方法

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