JP2703315B2 - 用紙綴じ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ステイプラ、詳しくは複写機、印刷機等に
付設し、搬入される複写又は印刷された用紙を綴じる用
紙綴じ装置に関するものである。

〔従来技術〕

複写機により複写された用紙や印刷機により印刷され
た用紙を付属のステイプラにより綴じることは従来行わ
れている。

従来のステイプラは第６図に示すようにステイプル針
を押し出す押出部51と、ステイプル針の先端を曲げるク
ランチ部52とが回転支点53により互いに揺動可能に枢着
されているか、押出部とクランチ部とが一体に形成され
ている。従来のステイプラでは用紙を挿入する深さが限
定されるため、用紙に対する綴じ位置が限定され、例え
ば第７図ａに示すように用紙54の１つの縁からある限定
された距離の間の位置で、その縁に沿って複数個所綴じ
たり、第７図ｂに示すように用紙のコーナー部分を綴じ
ることはできるが用紙の中程では綴じることは出来な
い。

従って複写機や印刷機から排出される用紙とステイプ
ラの相対位置関係によっては、用紙を綴じようとする位
置から遠く離れた縁にステイプラが対向するような場合
が生じ、このような場合は用紙を左右反転しなければ綴
じられないという不便さがあった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、従来の上記の問題点を解消し、いつでもど
の位置にでも簡単な操作で用紙を綴じることができる用
紙綴じ装置を提供することを課題としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記の課題を、ステイプル針を収容する収
容部と、ステイプル針を１本宛押し出す押出部と、ステ
イプル針の先端を曲げるクランチ部とを有する用紙綴じ
装置において、記収容部と押出部とを有するステイプラ
本体と、前記クランチ部とが夫々別個の部材として形成
され、且つ用紙送り方向に直交する方向で摺動可能なよ
うに平行案内軸に夫々個別に支持されていることを特徴
とする用紙綴じ装置により解決した。

〔作用〕

本発明により、ステイプル針を収容する収容部とステ
イプル針を押出す押出部とを有するステイプラ本体がス
テイプル針の先端を曲げるクランチ部とは別個に形成さ
れ、且つ別個に互に平行な案内棒により支持され、別個
に移動可能である。

別個に移動されるステイプラ本体とクランチ部とは用
紙に対する綴じ位置では位置決め部材、例えばストッパ
等の機械的位置決め部材や、発光部と受光部とよりなる
光学的位置決め部材等により相対位置合わせが行われ
る。

用紙の送り方向における送り調節により、用紙の端縁
から綴じ位置までの距離が調節され、ステイプラ本体と
クランチ部の案内棒に沿っての移動により用紙の送り方
向に対して直交する方向の綴じ位置の調節を行うことが
できる。

本発明により、用紙のステイプラ本体に対する相対位
置は自由にどこにでも設定することができ、用紙の送り
量とステイプラ本体及びクランチ部の移動量を制御する
ことにより任意の位置に自由に綴じを行うことが可能に
なり、用紙を左右反転したりする作業が不要である。

〔実施例〕

本発明の詳細を図に示す実施例に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、用紙綴じ装置たるステイ
プラ１はステイプラ本体２とクランチ部３とを有し、ス
テイプラ本体２とクランチ部３とは別個の部材として形
成される。ステイプラ本体２は第１案内棒４に、クラン
チ部３は第２案内棒５に摺動可能に支持され、第１案内
棒４と第２案内棒５は互いに平行に配置される。したが
ってステイプラ本体２とクランチ部３は互いに平行に相
対移動する。

ステイプラ１により綴じるべき用紙６は、クランチ部
３とステイプラ本体２との間を送り移動され、然も案内
棒４、５に沿ったステイプラ本体２とクランチ部３の移
動方向とは直交する方向に送り移動されることができ
る。

ステイプラ本体２とクランチ部３とは別個の部材とし
て形成され、別個に移動可能であるので、用紙に対する
綴じ位置ではステイプラ本体２とクランチ部３とは相対
位置合わせをしなければならない。このため位置決め部
材７が設けられる。第１図及び第２図では位置決め部材
はステイプラ本体２に取付けられた受光部7aとクランチ
部３に取付けられた発光部7bとにより構成される光学的
位置決め部材よりなる。しかし位置決め部材は必要によ
っては衝当面とストッパレバのような機械的位置決め部
材として構成されることもできる。

ステイプラ１を、複写機より送り出される複写紙を綴
じる場合等の具体的な例を第３図により説明する。

ステイプラ本体２は支軸８によりブラケット９に上下
揺動自在に支持され、ブラケット９は機枠43に固定され
た２本の第１案内棒４により矢印Ａの方向に摺動自在に
支持される。ブラケット９にはカム10を固定したカム軸
11が回転自在に支持され、該カム軸11の一端には歯車12
が固定され、該歯車12はカム用モータ13の軸に固定され
た歯車14にかみあい、カム10は減速駆動される。

ブラケット９とステイプラ本体２との間にはばね44が
張設され、ステイプラ本体２はカム10に押圧される。カ
ム10の回転によりステイプラ本体２は動かされ、用紙を
綴じるときは用紙に向かって下降される。

カム軸11の他端にはエンコーダ15が固定され、該エン
コーダの動きをブラケット９に固定したセンサ16により
検出して１回転制御を行う。

ブラケット９にはワイヤ17の一端が直接固定され、他
端がばね18を介して取付られている。ワイヤ17は機枠43
に回転支持される駆動プーリー19と従動プーリー20に巻
掛けられる。駆動プーリー19は機枠43に固定されたブラ
ケット21に回転支持される軸22に固定され、該軸22には
ウォーム車等の歯車23が固定される。歯車23はブラケッ
ト21に固定された第１モータ24の出力軸に固定されるウ
ォーム等の歯車25とかみあう。駆動プーリー19は第１モ
ータ24により減速駆動され、駆動プーリー19によりワイ
ヤ17が動かされてブラケット９が移動される。ワイヤ17
は一端がばね18を介してブラケット９に取付けられるた
め、駆動用プーリー19とワイヤ17との間にスリップを防
止するに十分な張力がワイヤ17に与えられる。第１モー
タ24はステッピングモータとして形成される。

クランチ部３の駆動機構もステイプラ本体２と同様に
構成される。例えば機枠43に固定された２本の第２案内
棒26に摺動案内されるブラケット27にクランチ部３が固
定され、必要によっては一体形成することもできる。ブ
ラケット27にはワイヤ28の一端が固定され、ワイヤ28の
他端はばね29を介してブラケット27に固定される。ワイ
ヤ28は機枠43に回転支持される駆動プーリー30と従動プ
ーリー31に巻掛けられる。駆動プーリー30は第２モータ
32に減速機33を介して駆動される。減速機は歯車35及び
歯車37を有し、歯車35は例えばウォーム車よりなり、機
枠43に固定されるブラケット34に回転支持される軸36に
固定される。軸36には駆動プーリー30が固定される。歯
車35にかみあう歯車37は例えばウォームとして形成さ
れ、ブラケット34に固定される第２モータ32の駆動軸に
固定される。

第２モータ32はステッピングモータとして形成され
る。

クランチ部３は第２モータ32の駆動により矢印Ｂの方
向に案内軸26に沿って往復駆動される。

ステイプラ本体２を案内する２本の第１案内棒４及び
クランチ部３を案内する２本の第２案内棒26は夫々互い
に平行であり、更に第１案内棒４と第２案内棒26も互い
に平行である。

ステイプラ本体２とクランチ部３が個別に移動される
ので、希望する綴じ位置ではステイプラ本体２とクラン
チ部３とが位置合わせられないとステイプラ針が綴じ不
良を起こしたりする。ステイプラ本体２とクランチ部３
との位置合わせはステイプラ本体２に固定された受光部
7aとクランチ部３に固定された発光部7bとよりなる位置
合わせ部材により行う。

ステイプラ１の用紙に対する綴じ位置の設定は、例え
ば、第１モータ24によりステイプラ本体２を図の左方向
に先ず移動し、ホームポジションセンサ38により検知す
るホームポジションに移動し、その後ステッピングモー
タ24に対するパルス信号のパルス数等により制御されて
指定された位置に移動を停止する。次いで又はステイプ
ラ本体２の移動と若干遅れて第２モータ32によりクラン
チ部３が図の左方に移動され、ホームポジションセンサ
29により検知するホームポジションに移動し、その後反
転してクランチ部３に設けた発光部材7bよりの光をステ
イプラ本体２に設けた受光部7aが受光検知するまで移動
し、検出位置で停止する。

制御装置によっては、上記の如く一旦ホームポジショ
ンに戻って後指令位置に移動するのに対し、前回の位置
を記憶しておき、次回の指令と位置のずれを演算して、
直接その位置へ移動するように構成することも可能であ
る。

ステイプラ本体２とクランチ部３との間の位置合わせ
が終了後別の用紙検知センサにより、又は用紙検知と兼
用する場合には前記発光部7aと受光部7bによる検知セン
サにより用紙の存在を確認して後、カム用モータ13を駆
動する。カム用モータ13の駆動によりカム10を１回転す
ることにより、ステイプラ本体２がクランチ部３に向か
って下傾動し、当接してステイプル針を打ち込む。ステ
イプル針はクランチ部３により先端を曲げられ、用紙の
綴じが行われる。ステイプル針の打ち込み後ステイプラ
本体２は元の位置に上昇復帰し停止する。

用紙の他の位置にステイプル綴じを行うときはステイ
プラ本体２及びクランチ部３の移動と、その移動方向と
直交する方向の用紙の移動により用紙の所望の位置にス
テイプラ１を移動してステイプル針による綴じを行う。

クランチ部３を一体形成したブラケット27を第４図に
示すようにステイプル針の先端を案内するクランチ凹部
が異なった種類の２組のクランチ凹部40aと40bを有し、
第１のクランチ凹部40aを有するクランチ部のための発
光部7bとしての第１発光部材41と第２のクランチ凹部40
bを有するクランチ部のための発光部7bとしての第２発
光部材42とを有するクランチ部３′を形成したブラケッ
ト27′を用いると、どちらのクランチ部にステイプル本
体２を位置合わせするかによりステイプル針の綴じ状態
を簡単に変更することができる。

ステイプル針による綴じ状態としては例えば第５図
ａ、ｂ、ｃに示すような種々の状態がある。夫々の綴じ
状態に応じてクランチ凹部の形が変わってくる。第５図
ａは用紙６をステイプル針45の先端が内側に曲線状に曲
がり込んで綴じる普通の綴じ状態を示し、第５図ｂはス
テイプル針45の先端が外側に曲線状に曲がって綴じ、第
５図ｃはステイプル針45の先端が内側に直角に折れ曲が
って綴じる状態を示す。

第４図の１つのクランチ部に２種類又は多種類のクラ
ンチ凹部を設け、ステイプラ本体２の位置を切換えて使
い分けるようにした例に対し、クランチ部には１種類の
クランチ凹部しか形成されないが、異なった種類のクラ
ンチ凹部を有するクランチ部を複数個変換可能にブラケ
ット27に取付るようにして、使用しようとする綴じ状態
に応じてクランチ部のみを交換するように形成すること
もできる。

〔効果〕

本発明により、ステイプラの間を、つまりステイプラ
本体とクランチ部との間を用紙が通過できるので、用紙
のどの位置でも、用紙の送りとステイプラの移動をする
だけで簡単にステイプルすることができ、用紙の送り方
向を切換えたりしないですむので作業が簡単で、時間も
短縮できた。

本発明により、クランチ部を複数個交換することによ
り、又は複数の種類のクランチ凹部を有するクランチ部
を用いることにより、簡単に、幾つかのステイプル針の
先端折り曲げ形状を切換え利用することが可能になっ
た。

本発明により、ステイプル本体とクランチ部との間の
位置決めを一度行えば、ステイプル位置の変更がない限
り位置決め部材を使用することがないので、用紙有無の
検出のセンサーとして位置決め部材を兼用することが可
能になり装置のコストの低減に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るステイプラの略説明正面図、第２
図は略説明側面図、第３図は本発明に係るステイプラの
斜視図、第４図はクランチ部の変形例の斜視図、第５図
はステイプル針の先端の折り曲げ状態を示す図で、
（ａ）は曲線状に内側に、（ｂ）は曲線状に外側に、
（ｃ）は直角に内側に折り曲げる状態を示す図、第６図
は従来のステイプラの正面図、第７図は従来の用紙のス
テイプル位置を示す図で、（ａ）は１つの縁に沿って２
ケ所に、（ｂ）は１つき隅部にステイプル位置がある場
合を示す平面図である。 １…ステイプラ、２…ステイプラ本体 ３…クランチ部、４…案内棒 26…案内棒

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ステイプル針を収容する収容部と、ステイ
   プル針を１本宛押し出す押出部と、ステイプル針の先端
   を曲げるクランチ部とを有する用紙綴じ装置において、 前記収容部と押出部とを有するステイプラ本体と、前記
   クランチ部とが夫々別個の部材として形成され、且つ用
   紙送り方向に直交する方向で摺動可能なように平行案内
   軸に夫々個別に支持されていることを特徴とする用紙綴
   じ装置。
2. 【請求項２】前記ステイプラ本体と前記クランチ部と
   に、前記平行案内軸に沿って移動するための駆動手段が
   設けられていること、及びステイプラ本体とクランチ部
   に相対位置決めのための位置決め部材が設けられている
   ことを特徴とする請求項１に記載の用紙綴じ装置。
3. 【請求項３】前記位置決め部材が発光部と受光部により
   形成され、用紙綴じ装置内に紙が挿入されたことを検知
   するための用紙検知センサとしても兼用されることを特
   徴とする請求項２に記載の用紙綴じ装置。