JP2703082B2 - 衛生混合弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、温度自動調節と、作動素子と、静止弁座円
板と、流れを制御するよう弁座円板上で変位可能な円板
パケットと、温度依存型制御素子とを備え、該弁座円板
は冷水入口ポート及び温水入口ポートを有し、該円板パ
ケットは下部案内円板と、上部案内円板及び下部案内円
板及び上部案内円板間に設けられた制御円板とからな
り、該下部案内円板及び制御円板は弁座円板の冷水入口
ポート及び温水入口ポートと連通する通路を有し、該上
部案内円板は制御円板の通路と連通する圧力補償室を有
し、該制御円板は、温度調節の目的の為、案内円板に関
連する作動素子により温度を決める開始位置に設定さ
れ、温度調節の目的の為、温度依存型制御素子により制
御されうる衛生混合弁に係る。

本発明が基になる公知の衛生混合弁（西独特許明細書
第3525052号参照）において、それが円板パケットの案
内円板間に位置したスプリング制御円板上で作用し、円
板パケットを有する機能的及び構造的ユニットを形成す
ることとはいえ、出てくる混合水用の水室における流
れ、温度制御及び調整を行なう温度依存型制御素子が円
板パケットの外部に本質的に位置する。これは温度依存
型制御素子を介する温度調節が比較的遅いことを証明す
る。

従って、本発明の目的は、制御円板が温度依存型制御
素子を介してより素速く、敏感に制御され、それにより
予め決められた混合水温度が知覚される変動なしに一定
に保たれるような方法で本発明が基になる公知の衛生混
合弁を改良することである。

本発明による衛生混合弁は、上述の目的が達せられる
該弁において、制御円板において、下部案内円板の通路
及び／又は、上部案内円板の圧力補償室に連通する少な
くとも一つの混合室が設けられ、温度依存型制御素子
が、制御円板の混合室及び／又は混合室に連通する制御
円板の空洞に位置されること及び冷水及び温水の一部の
流れは混合室に入り、混合水は制御素子の周囲を流れる
ことを特徴とする。

望ましくは、下部案内円板の通路に連通する一つの混
合室及び上部案内円板に圧力補償室に連通する一つの混
合室が制御円板内に設けられ、該２つの混合室は制御円
板の空洞に導びかれ、温度依存型制御素子は混合室に及
び／又は制御円板の空洞に位置する。

本発明による衛生混合弁において、冷水及び温水の少
なくとも一部の流れは制御円板自体により混合され、混
合水は短かい通路を通って温度依存型制御素子に直接に
送られ、これにより予め決定された混合水温度からの混
合水温度の偏差がある場合において、２つの案内円板に
対する制御円板の制御は制御素子で直ちになされ始めら
れる。

以下図面と共に本発明による実施例に関連して本発明
の利点を説明する。

第１図は本発明による衛生混合弁の望ましい実施例の
長手方向の断面図、 第1a図は第１図による衛生混合弁の静止弁座円板、下
部案内円板、制御円板、温度依存型制御素子、及び上部
案内円板の分解図、 第２図は第１図による衛生混合弁のII−II線に沿った
断面図、 第3a図は第１図による衛生混合弁の弁座円板、下部案
内円板、制御円板及び上部案内円板をそれぞれ上から見
た図で、制御円板は第1a図に比較してほんの少し異なっ
ている図、 第3b図は、弁座円板、下部案内円板、制御円板及び上
部案内円板の全てが、第3a図では上から見た図である
が、ここではそれぞれ下から見た図、 第４図は概略的に実際の水路を有し下部案内円板、制
御円板及び上部案内円板からなる円板パケットの図であ
る。

先ず、第1,2図に示す衛生混合弁は、水出口11を有す
る弁本体10と、作動レバー12を有する作動素子と、作動
レバー12に取付け可能な作動ハンドル（図示せず）とを
有する。カートンリッジ筐体13は弁本体10内に挿入され
る。カートリッジ筐体13上に、保持リング15により弁本
体10内に固定される弁本体カバー14がある。弁本体カバ
ー14は作動レバー12が貫通する作動開口部16を有する。
Ｏリング17は作動レバーが密閉にて動くよう作動開口部
16の底部に設けられる。温水入口18と冷水入口19は弁本
体10の底に取付けられる。カートリッジ筐体13の底部の
通路は温水入口18及び冷水入口19を受ける弁本体10の底
部の通路に相当する。シール18′及び19′はカートリッ
ジ筐体13の底部に設けられた通路に挿入される。

温水入口ポート21及び冷水入口ポート22を有する弁座
円板20が先ずカートリッジ筐体13の底に固定される。円
板パケットは弁座円板20上に置かれ、該円板パケットは
流れ制御の為に作動素子により、即ち作動レバー12によ
り弁座円板20に関して全体的に変位可能である。円板パ
ケットは、下部案内円板23と、上部案内円板と、下部案
内円板23及び上部案内円板24間に位置する制御円板25と
からなる。下部案内円板23は弁座円板20の温水入口ポー
ト21及び冷水入口ポート22と連通する通路28,29を有
し、制御円板25において通路33,34が関連し、これによ
り、弁座円板20に関して円板パケットの位置に依存する
制御円板25の通路33,34が、弁座円板20における温水入
口ポート21及び冷水入口ポート22に連通しうる。更に、
上部案内円板24は制御円板25の通路33,34に関連する圧
力補償室36を有する。上部案内円板24の圧力補償室36
は、制御円板の位置に依存し、制御円板25の通路33,34
及び下部案内円板23の通路28,29と連通しえ、弁座円板2
0に関して円板パケットの位置に依存し、弁座円板20の
温水入口ポート21及び冷水入口ポート22に連通しうる。
最後に温度依存型制御素子39は作動に必要な別な構造素
子として設けられる。

上述の如く、制御円板25は温度制御の為、案内円板2
3,24に関する作動素子により即ち作動レバー12により温
度を決める開始位置にセットされうる。更に、制御円板
25は温度調節の為、案内円板23,24に対する温度依存型
制御素子39により制御されうる。

従って、流れ制御及び温度制御及び調節の双方が本衛
生混合弁でなされる。流れ制御は、弁円板20に対する全
円板パケットの直線変位により、即ち作動素子即ち作動
レバー12によりなされる。温度制御も直線変位即ち案内
円板23,24に対する制御円板25の変位により、又、作動
素子即ち作動レバー12によりなされる。最後に、温度調
節も直線変位即ち案内円板23,24に対する制御円板25の
直線変位による温度制御の場合の如く、しかし、温度依
存型制御素子39によりなされる。

本発明によると、下部案内円板の通路及び／又は上部
案内円板の圧力補償室に連通する少なくとも１つの混合
室が制御円板内に設けられ、温度依存型制御素子が混合
室に連通する制御円板の混合室内及び／又は制御円板の
空洞内に位置する。特に第1,1a,3a及び3b図で示す如き
本実施例の場合には、下部案内円板23の通路28,29に連
通する混合室35と、上部案内円板24の圧力補償室36に連
通する混合室35は制御円板25内に設けられ、２つの混合
室35は制御円板25の空洞32内に通じ、温度依存型制御素
子39は制御円板25の空洞32内に位置する。その他に関し
ては、第２図のみに示される繊維材料が一方で冷水と温
水を良く混合させるのに役立ち、他方で雑音低下ももた
らす混合室35内に挿入される。

図示の実施例では、下部案内円板23及び制御円板25の
それぞれは、夫々符号28/29及び33/34で示された４つの
通路を有し、下部案内円板23の２つの通路28,29の各グ
ループは夫々弁座円板20の温水入口ポート21及び冷水入
口ポート22に連通している。特に、下部案内円板23は弁
座円板20に面した側で、弁座円板20の温水入口ポート21
及び冷水入口ポート22に関連した入口溝26,27を有し、
各入口溝26,27の外端から夫々通路28,29を出る（第3b図
参照）。下部案内円板23の通路28,29は、制御円板25に
面した側で、制御円板25の下部混合室35に連通する拡長
部30（第3c図参照）を有する。本実施例では、下部案内
円板23及び制御円板25は夫々４つの通路28/29及び33/34
を有する。従って、上部案内円板24は、制御円板25に面
した側に、４つの圧力補償室36,即ち制御円板25の４つ
の通路33,34に関連した圧力補償室36を有する（第3b図
参照）。

更に、本発明による衛生混合弁の本実施例において、
下部案内円板23及び上部案内円板24は、夫々制御円板25
に面した側で、冷水及び温水の一部の流れの為の別な圧
力補償室37を更に有し、該圧力補償室37は下部案内円板
23及び上部案内円板24の外部仕切り縁に設けられ、外側
に開口している。

図示の実施例において、特に第１及び1a図に示す如
く、温度依存型制御素子39は、円筒形であり、ピストン
40を有し、第1a,3a及び3b図に示す如く、制御円板25
は、Ｕ字縁どりのアーム31でＵ字形状をしており、混合
室35と同様に空洞32及び通路33,34はＵ字形のアーム31
内に形成される。

本発明による衛生混合弁では下部案内円板23,上部案
内円板24及び制御円板25が円板パケットを形成すること
を先ず説明した。第1a図に示す如く、下部案内円板23及
び上部案内円板24は案内円板23,24内の通路50を通るボ
ルト51により共に挟持され、介挿するスペーサスリーブ
52を用いて、スペーサスリーブ52の長さで、下部案内円
板23及び上部案内円板24間の空間を確保し、その空間は
制御円板25の変位自在値に必要である。

温度依存型制御素子39に関して、第1,2図に示す如
く、円板パケットをオーバラップするシャックル41が設
けられ、シャックルの２つのアーム42,43間でリターン
スプリング44,制御円板25及び温度依存型制御素子39が
クランプされることが指摘される。詳細には、リターン
スプリング44は、一方でシャックルのアーム42に対して
押し、制御円板25はリターンスプリング44に抗して温度
依存型制御素子39は制御円板25に抗して押し、他方でそ
のピストン40でシャックルのアーム43を押し、シャック
ルのアーム43に設けられた調整ネジに抗してより精密で
ありうる。シャックル41は、円板パケットと摩擦的に係
合したユニットを形成する制御ゲージ45上で変位されう
る。この為に、作動レバー12の制御カム46は、偏心要素
を有する作動レバー12の制御カム46でシャックル41にお
ける対応する凹部に係合し、これにより作動レバー12の
回転動作及び制御カム46の回転動作はシャックル41の直
線変位に変換される。作動レバー12の制御カム46及びシ
ャックル41における関連した凹部は、いわゆる「適合
機」が作られるようにされており、これにより作動レバ
ー12の比較的に大きい回転はシャークル41の単に小さい
変位及び温度設定での小さい変化を生じる。

本発明による衛生混合弁において、冷水及び温水の一
部の流れは、混合室35でより正確であるよう制御円板25
それ自体で混合され、混合された水は短かい通路を通っ
て温度依存型制御素子に直接に送られ、これにより予め
決定された混合水温度からの混合水温度の偏差がある場
合において、２つの案内円板23,24に対する制御円板25
の制御がすぐなされ、制御素子39により始められる。

本発明による衛生混合弁の図示の実施例において、制
御円板25に面した側で下部案内円板23及び上部案内円板
24は冷水及び温水の一部の流れの為圧力補償室37を有
し、すなわち制御円板25の混合室35に連通しない圧力補
償室37を有する。従って、断面が適当な寸法を有する場
合制御円板25の混合室35に入らない冷水及び温水の一部
の流れに制御円板25の混合室35に入る冷水及び温水の一
部の流れの比を固定し、従って調節特性を決めることが
可能である。その他は、冷水及び温水の全ての一部の流
れは本発明により衛生混合弁の水室38に自然に一緒に入
る。水室38において、全ての供給された水は、それが水
出口11を介して衛生混合弁を出る前に再び混合される。

水は下記の如く本発明による衛生混合弁を通って流れ
る。

水出口11の面での作動素子及び作動レバー12の回動動
作は、混合弁を通って流れる水の量の調整を行い、これ
により、制御ゲージ45により影響される作動レバー12の
制御カム46との摩擦結合により円板パケットは弁座円板
20上で変位される。この行程において、下部案内円板23
の入口溝26,27は、弁座円板20の温水入口ポート21及び
冷水入口ポート22と共に作用し、これにより水の対応す
る量は、弁座円板20に関する円板パケットの位置に依存
する混合弁を通って流れうる。

温度制御は作動素子を回転させ、作動レバー12を回転
させることによりなされ、作動レバー12の回転は、制御
カム46によりシャックル41の直線変位及び案内円板23,2
4に対する制御円板25の直線変位に変換される。案内円
板23及び24に関連する制御円板25の相対的位置は混合水
温度を決める。

冷水及び温水の一部の流れは案内円板23,24に面する
制御円板25の混合室35に入る。混合室35からの混合水は
制御円板25内に位置した温度依存型制御素子の周囲に流
れる。温度依存型制御素子39は、温度の変化に対応する
ピストン40により案内円板23,24に関する制御円板25の
位置を制御する。

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】温度自動調節と、作動素子と、静止弁座円
   板（20）と、流れを制御するよう弁座円板（20）上で変
   位可能な円板パケットと、温度依存型制御素子（39）と
   を備え、該弁座円板（20）は冷水入口ポート（22）及び
   温水入口ポート（21）を有し、該円板パケットは下部案
   内円板（23）と、上部案内円板（24）及び下部案内円板
   （23）及び上部案内円板（24）間に設けられた制御円板
   （25）とからなり、該下部案内円板（23）及び制御円板
   （25）は弁座円板（20）の冷水入口ポート（22）及び温
   水入口ポート（21）と連通する通路（28,29;33,34）を
   有し、該上部案内円板（24）は制御円板（25）の通路
   （33,34）と連通する圧力補償室（36）を有し、該制御
   円板（25）は、作動素子による温度調節の目的の為、案
   内円板（23,24）の面に平行な面内で温度を決める開始
   位置に調整されえ、また温度調節の目的の為、温度依存
   型制御素子（39）により制御されうる衛生混合弁であっ
   て、 制御円板（25）において、下部案内円板（23）の通路
   （28,29）及び／又は上記案内円板（24）の圧力補償室
   （36）に連通する少なくとも一つの混合室（35）が設け
   られ、温度依存型制御素子（39）が、制御円板（25）の
   混合室（35）及び／又は混合室（35）に連通する制御円
   板（25）の空洞（32）に位置される及び冷水及び温水の
   一部の流れは混合室（35）に入り、混合水は制御素子
   （39）の周囲に流れることを特徴とする衛生混合弁。
2. 【請求項２】下部案内円板（23）の通路（28,29）に連
   通する一つの混合室（35）及び上部案内円板（24）の圧
   力補償室（36）に連通する一つの混合室（35）が制御円
   板（25）内に設けられ、該２つの混合室（35）は制御円
   板（25）の空洞（32）に導びかれ、温度依存型制御素子
   （39）は混合室（35）に及び／又は制御円板（25）の空
   洞（32）に位置することを特徴とする請求項１記載の衛
   生混合弁。
3. 【請求項３】繊維材料が混合室（35）内に挿入されるこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載の衛生混合弁。
4. 【請求項４】下部案内円板（23）及び制御円板（25）は
   それぞれ４つの通路（28/29;33/34）を有し、２つの通
   路（28/29）の各グループは弁座円板（20）の温水入口
   ポート（21）及び冷水入口ポート（22）に連通するこ
   と、及び弁座円板（20）に面する側で下部案内円板（2
   3）は、弁座円板（20）の温水入口ポート（21）及び冷
   水入口ポート（22）に関連した入口溝（26,27）を有
   し、各入口溝（26,27）の外端から通路（28,29）が出る
   ことを特徴とする請求項１乃至３のうちいずれか一項記
   載の衛生混合弁。
5. 【請求項５】制御円板（25）に面する側で下部案内円板
   （23）の通路（28,29）は制御円板（25）の混合室（3
   5）に連通する拡長部（30）を有することを特徴とする
   請求項１乃至４のうちいずれか一項記載の衛生混合弁。
6. 【請求項６】制御円板（25）に面する側で上部案内円板
   （24）は、制御円板（25）の４つの通路（33,34）に関
   連した４つの圧力補償室（36）を有することを特徴とす
   る請求項３乃至５のうちいずれか一項記載の衛生混合
   弁。
7. 【請求項７】下部案内円板（23）及び上部案内円板（2
   4）はそれぞれ制御円板（25）に面する側に冷及び温水
   の一部の流れ用の圧力補償室（37）を有し、圧力補償室
   （37）は下部案内円板（23）及び上部案内円板（24）の
   外部仕切り縁に設けられ、外部に開口していることを特
   徴とする請求項１乃至６のうちいずれか一項記載の衛生
   混合弁。
8. 【請求項８】温度依存型制御素子（39）は円筒形状であ
   り、制御円板（25）はＵ字形状であることを特徴とする
   請求項１乃至７のうちいずれか一項記載の衛生混合弁。
9. 【請求項９】下部案内円板（23）及び上部案内円板（2
   4）は介在するスペーサスリーブ（52）を用いて共にク
   ランプされ、スペーサスリーブ（52）の長さは下部案内
   円板（23）及び上部案内円板（24）間の空間を確保し、
   該空間は制御円板（25）の変位可能に必要であることを
   特徴とする請求項１乃至８のうちいずれか一項記載の衛
   生混合弁。
10. 【請求項１０】円板パケットをオーバラップするシャッ
    クル（41）が設けられ、リターンスプリング（44），制
    御円板（25）及び温度依存型制御素子（39）がシャック
    ル（41）の２つのアーム（42,43）間でクランプされ、
    シャックル（41）のアーム（43）は調整ネジを有するこ
    とを特徴とする請求項１乃至９のうちいずれか一項記載
    の衛生混合弁。