JP2702228B2 - 耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物

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JP2702228B2
JP2702228B2 JP13518689A JP13518689A JP2702228B2 JP 2702228 B2 JP2702228 B2 JP 2702228B2 JP 13518689 A JP13518689 A JP 13518689A JP 13518689 A JP13518689 A JP 13518689A JP 2702228 B2 JP2702228 B2 JP 2702228B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はエポキシ樹脂組成物に関し、より詳細には特
定の多官能エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹
脂の混合物とハロゲン化ビスフェノール類とを反応させ
て得られるハロゲン含有エポキシ樹脂に、低ハロゲン化
ビスフェノール型エポキシ樹脂、高ハロゲン化ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹
脂を単独あるいは一緒に添加混合して得られるエポキシ
樹脂組成物で、作業性、加工性が良くかつ硬化物が優れ
た耐熱性および難燃性を有するエポキシ樹脂組成物に関
する。
<従来の技術> エポキシ樹脂に芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミ
ン、ポリアミドアミン、アミンアダクト、ジシアンジア
ミド、酸無水物、フェノールノポラック樹脂系などの各
種硬化剤を配合したものが、接着剤、塗料、成形材料、
注型材料などとして用いられており、またかかる配合物
を溶剤でワニス化し、これを補強用基材に含浸、塗布さ
せ、積層板成形用として用いられることも従来から周知
である。
ところで、近年特に電気・電子分野における小型化、
精密化に伴ない、電子部品の接着剤、絶縁塗料、封止
材、積層板などの用途においては、高温使用時の信頼性
を高めるために、耐熱性の向上が強く求められている。
即ち、従来市販されているビスフェノールA型エポキシ
樹脂を用いて調製された接着剤、塗料、封止材、積層板
などは、熱変形温度もしくは電気絶縁性が概して低く、
その結果として信頼性に欠けるという問題がみられた。
また、これら電気・電子分野で使用される材料には、
さらに高い難燃性が要求され、例えば、積層板(例えば
ガラスクロスとエポキシ樹脂とを積層させたプリント回
路基板)の材料として使用される難燃性エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、例えばエポ
キシ当量190程度の液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂とテトラプロムビスフェノールAとを反応して得られ
る直鎖状のエポキシ樹脂が知られている。この直鎖状エ
ポキシ樹脂を例えば積層成形に使用されている汎用性の
高い硬化剤であるジシアンジアミドを使用して硬化した
場合、硬化物(ブロム含量20〜22重量%)のガラス転移
温度(Tg)は120〜130℃と低いものである。この硬化物
の耐熱性を高めるために、上記エポキシ樹脂にオルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂等の多官能性エポキシ樹脂を多量に
添加すると、難燃性が低下すると共に成形性が不良にな
り、これら多官能性エポキシ樹脂の添加量が制限される
という欠点がある。
このように従来公知のエポキシ樹脂組成物において
は、耐熱性と、難燃性とは相反する傾向にあり、耐熱性
と難燃性とが共に優れたエポキシ樹脂組成物は知られて
いない。高性能化が要求される電子分野において、高温
時における硬化物の信頼性を高めるために、耐熱性と難
燃性とが共に優れているエポキシ樹脂組成物が強く要望
されている。
さらに、上記オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能
性エポキシ樹脂からの硬化物は、弾性率が高いので硬く
て脆く、ヒートショックによるクラックが発生し易いな
どのように機械的特性が劣るものである。
特開昭63−3015号公報、特開昭63−264623号公報には
これらの性能を改良する樹脂として、特定の3官能性エ
ポキシ樹脂と、この樹脂とハロゲン化ビスフェノール類
とを反応させることによって得られるエポキシ樹脂組成
物の開示がある。しかしこれらの樹脂および組成物の場
合、十分な難燃性を付与しようとすれば樹脂および組成
物の粘度が高くなる。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者は、特定の構造を有する多官能性エポキシ樹
脂が優れた耐熱性と機械特性を有していることをすでに
発見しており(特開昭63−3015号公報)、この優れた特
性を減ずることなく作業性、加工性が優れていてかつ十
分な難燃性を付与した樹脂組成物を見い出した。
すなわち本発明者は、特定の多官能エポキシ樹脂とビ
スフェノール型エポキシ樹脂の混合物とハロゲン化ビス
フェノール類とを反応させて得られるハロゲン含有エポ
キシ樹脂に、低ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹
脂、高ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂及びビ
スフェノール型エポキシ樹脂を単独あるいは2以上添加
混合して得られるエポキシ樹脂組成物が、作業性、加工
性が良くかつ、優れた耐熱性と難燃性を兼ね備えている
ことを見い出した。
本発明の目的は低粘度で作業性、加工性が良く、かつ
硬化することによって耐熱性と難燃性とに共に優れてい
る絶縁塗料、封止材、成形品を製造することのできる新
規なエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、低粘度でかつ高分子量分子種を
ほとんど含まず、補強用基材例えばガラスクロス等への
含浸性が良く、かつ硬化物が、耐熱性と難燃性とに共に
優れており、高温時において機械的強度、電気絶縁性等
の信頼性が向上した積層物を製造することのできる新規
なエポキシ樹脂組成物を提供することである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、(A)下記一般式[1] 式中R1,R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭
素数4以下のアルキル基であり、nは0または1の数で
あり、 Yは一般式[1b] または一般式[1c] ここで、R4,R5,R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子
または炭素数4以下のアルキル基である、 で表わされるトリスフェノール化合物とエピハロヒド
リンまたはβ−メチルエピハロヒドリンとの縮合によっ
て得られた多官能性エポキシ樹脂と、 (B)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ
−メチルエピハロヒドリンとの縮合によって得られたビ
スフェノール型エポキシ樹脂との混合物を、 (C)ハロゲン化ビスフェノール類と触媒の存在下で
反応させて得られたハロゲン含有エポキシ樹脂と、 下記(B)、(D)および(E)からなる群より選ば
れる少なくとも1つを含有する耐熱難燃性エポキシ樹脂
組成物である。
(B)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ
−メチルエチルエピハロヒドリンとの縮合によって得ら
れたビスフェノール型エポキシ樹脂、 (D)ハロゲン化ビスフェノール類とエピハロヒドリ
ンまたはβ−メチルエピハロヒドリンとの縮合により得
られた高ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂、お
よび (E)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ
−メチルエピハロヒドリンとの縮合によって得られたビ
スフェノール型エポキシ樹脂とハロゲン化ビスフェノー
ル類との反応によって得られた低ハロゲン化ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂。
また本発明は、200〜700好ましくは250〜450のエポキ
シ当量と、10〜30、好ましくは15〜20重量%のハロゲン
含有量を有するエポキシ樹脂組成物から成る耐熱難燃性
エポキシ樹脂組成物である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記式[I]で表わ
されるトリスフェノール化合物から誘導される(A)多
官能エポキシ樹脂と、ビスフェノール類から誘導される
(B)ビスフェノール型エポキシ樹脂との混合物を
(C)ハロゲン化ビスフェノール類と反応させることに
より得られたハロゲン含有エポキシ樹脂と、(B)ビス
フェノール型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール
類から誘導される(D)高ハロゲン化ビスフェノール型
樹脂、および(E)低ハロゲン化ビスフェノール型樹脂
を単独あるいは2以上含有する耐熱難燃性エポキシ樹脂
組成物である。
本発明に用いられるトリスフェノール化合物は下記一
般式[I]で表わされる。
式中R1,R2およびR3のそれぞれは独立に水素原子または
炭素数4以下のアルキル基であり、同一であっても異な
っていてもよく、nは0又は1の数であり、 Yは一般式[1b] または一般式[1c] ここでR4,R5,R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子また
は炭素数4以下のアルキル基であり、同一でも異なって
いてもよい。R1〜R7がすべて水素原子の場合が特に好ま
しい。
上記一般式[I]で表わされるトリスフェノール化合
物として特に好ましい物質は、例えば1−[α−メチル
−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−
[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−三級ブチルフェニル)ブタン、1−[α−
メチル−α−(3′,5′−ジメチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)エチル]−4′−[α′,α′−ビス
(3″,5″−ジメチル−4″−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼンなどである。
これらのトリスフェノール化合物と、エピハロヒドリ
ンまたはβ−メチルエピハロヒドリン好ましくはエピク
ロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリンとを
適当なエーテル化触媒の存在下にエーテル化し、次いで
脱ハロゲン化水素する等従来公知の反応によって多官能
性エポキシ樹脂が得ることがてきる。本発明に用いる
(A)多官能性エポキシ樹脂は、室温において半固形か
ら固形であり、軟化点が130℃以下、好ましくは80℃以
下、エポキシ当量が154〜380、好ましくは190〜230のも
のである。また、加水分解性塩素0.03wt%以下である。
本発明に用いられる(B)ビスフェノール型エポキシ
樹脂としては、ビスフェノール類とエピハロヒドリンま
たはβ−メチルエピハロヒドリン、好ましくはエピクロ
ルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリンから誘
導されるものであり、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,1−ビス(ヒ
ドロキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂等の2官能性
エポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノール型エポキ
シ樹脂が好ましい。150〜300、特に160〜230のエポキシ
当量を有するものが好ましい。
本発明に用いられる(C)ハロゲン化ビスフェノール
類としては、ブロム化ビスフェノール類が好ましく、特
にテトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフ
ェノールF、1,1−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキ
シフェニルエタンが好ましい。
本発明において多官能性エポキシ樹脂とビスフェノー
ル型エポキシ樹脂の混合物とハロゲン化ビスフェノール
類との反応は、無溶媒下或いは必要に応じトルエン、キ
シレン等の如き芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケ
トンの如きケトン類等の溶媒を使用し、触媒の存在下で
行なわれる。
上記触媒としては、エポキシ基とフェノール性水酸基
との重付加反応に使用されるそれ自体公知の触媒のいず
れをも使用することができる。このような触媒として
は、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの
塩基性触媒、テトラアルキルアンモニウムハライド、ア
ラキルトリアルキルアンモニウムハライドなどの第4級
アンモニウム塩触媒、トリフェニルホスフィン、エチル
トリフェニルホスホニウムハライドなどのリン系触媒等
を挙げることができる。触媒は、使用されるエポキシ樹
脂に対し、10〜400ppm程度使用することが好ましい。
上記反応は、約120〜200℃の温度で通常常圧下に約3
〜20時間、溶融状態〜溶液状態で撹拌下に行うことがで
きる。
上記反応において(C)ハロゲン化ビスフェノール類
の使用量が多い場合には分子量が大きくなり粘度も高く
なる。
従って上記反応において上記混合物とハロゲン化ビス
フェノール類との反応量割合は、反応生成エポキシ樹脂
組成物中の所望のハロゲン含有量に応じて適宜選定する
ことができるが、本発明の目的を達成するためには、一
般に反応生成物である(C)ハロゲン含有エポキシ樹脂
中のハロゲン含有量が5〜30重量%、特に6〜20重量%
になるように選定することが好ましい。
また、上記反応においてビスフェノール型エポキシ樹
脂の使用量を多くすると粘度は低下するが、硬化物のガ
ラス転移温度も低下する。
このため本発明の目的のためには、多官能性エポキシ
樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂が90:10〜20:80の
重量比、特に好ましくは80:20〜50:50の重量比で用いら
れる。
本発明に用いる(E)低ハロゲン化ビスフェノール型
エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、1,1−ビス(グリシド
キシフェニル)エタン等のビスフェノール類とエピハロ
ヒドリンまたはβ−メチルエピハロヒドリンとの縮合に
よって得られたビスフェノール型エポキシ樹脂と、前記
ハロゲン化ビスフェノール類とを触媒の存在下で反応さ
せた樹脂で、250〜600、好ましくは400〜500のエポキシ
当量を有し、5〜30、好ましくは15〜25重量%のハロゲ
ン含有量を有するものである。
ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ハロゲン化ビスフ
ェノール類との反応は、すでに述べたように前記(A)
多官能エポキシ樹脂と(B)ビスフェノール型エポキシ
樹脂との混合物を(C)ハロゲン化ビスフェノール類と
反応させる際と同様である。
本発明に用いられる(D)高ハロゲン化ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂としては、ハロゲン化ビスフェノール
類と、エピハロヒドリンまたはβ−メチルエピハロヒド
リン、好ましくはエピクロヒドリン、又はβ−メチルエ
ピクロルヒドリンとを公知の適切なエーテル化触媒の存
在下にエーテル化し、次いで脱ハロゲン化水素すること
によって得られる高ハロゲン化ビスフェノール型エポキ
シ樹脂であり、テトラブロム化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、テトラブロム化ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、1,1−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン型エポキシ樹脂が好ましく、300〜500、特
に300〜400のエポキシ当量を有し、40〜50、特に47〜50
重量%のブロム含有量を有するものが好ましい。
以上説明したように、本発明の組成物は、(C)ハロ
ゲン含有エポキシ樹脂に、前述の(B)ビスフェノール
型エポキシ樹脂、(D)高ハロゲン化ビスフェノール型
エポキシ樹脂および(E)低ハロゲン化ビスフェノール
型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つ
を含有する。
本発明の組成物は、成分(C)に成分(B)、成分
(D)、成分(E)の少なくとも1つをバランスよく用
いることにより、エポキシ当量、溶液粘度、難燃性、お
よび耐熱性(ガラス転位温度)を各々独立にコントロー
ルすることができる。
成分(B)、成分(D)、または成分(E)の割合
は、特に限定されるものではないが、好ましい例は下記
の通りである。
(C)ハロゲン含有エポキシ樹脂100重量部に対し
(B)ビスフェノール型エポキシ樹脂と(D)高ハロゲ
ン化ビスフェノール型エポキシ樹脂が0〜20重量部:5〜
55重量部である。
また、(C)ハロゲン含有エポキシ樹脂100重量部に
対し(E)低ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂
と(D)高ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂
が、20〜50重量部:0〜50重量部である。
(C)ハロゲン含有エポキシ樹脂に、(B)ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、(E)低ハロゲン化ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、及び(D)高ハロゲン化ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂を同時に添加混合しても良い。
(C)ハロゲン含有エポキシ樹脂に、少なくとも1つ
の(B)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(E)低ハロ
ゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂または(D)高ハ
ロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂を添加混合する
方法は、従来公知の方法を用いるこができ、溶液中で行
うこともできるし、加熱溶融して行うこともできる。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物
は、200〜700、好ましくは250〜450のエポキシ当量を有
し、10〜30、好ましくは15〜20重量%のハロゲン含有量
を有しているものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて本発明
の目的を損なわない範囲において、それ自体公知の他の
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等と併用す
ることができる。使用に際しては、一般に通常のエポキ
シ樹脂用硬化剤として知られている脂肪族アミン系、芳
香族アミン系、アミンアダクト、ジジアンジアミド、フ
ェノールノボラック樹脂、オルトクレゾールノボラック
樹脂、酸無水物等の硬化剤を配合した組成物の形で、電
気絶縁塗料、成形材料、封止材、積層板等の製造に用い
ることができる。
用いられる硬化剤の使用量は、硬化剤の種類によって
も異なるが、例えばポリアミン類を用いる場合には、エ
ポキシ当量と活性水素当量との比を基準とする。また、
硬化促進剤も必要に応じて使用できる。
塗料として用いられる場合には、汎用の着色剤(顔
料)、充填剤、溶剤、消泡剤等を配合して調製され、成
形材料の封止材の場合には種々の充填材を使用すること
が出来る。積層板用エポキシ樹脂組成物として用いられ
る場合には、一般にはトルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプチルケトンなどのケトン類などの溶剤を用いてワニ
スの形に調製される。調製されたエポキシ樹脂組成物
は、これをガラスクロス、カーボンファイバー、グラス
ファイバー、紙、石綿、ポリエステル繊維、芳香族ポリ
アミド繊維(商標名ケプラー)などの補強用基材に含浸
させ、これをプリプレグとした後、プレスで加熱加圧し
て積層板に成形される。
<実施例> 以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 1−[α−メチル−α(4′−ヒドロキシフェニル)
エチル]−4−[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシ
フェニル)エチル]ベンゼンの多官能性エポキシ樹脂化
合物(エポキシ当量209)1500g、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量188)100g、テトラブロムビ
スフェノールA944gおよびキシレン300gを5セパラブ
ルフラスコに仕込み、これにテトラメチルアンモニウム
クロライドの10wt%水溶液を1.4ml添加した。この溶液
を窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら加熱し、130℃にな
ったら反応系を減圧にし、140℃まで昇温しながらキシ
レンと水を除去した。反応系を常圧に戻し、その後窒素
ガス雰囲気下150℃で6時間加熱を継続した。
その後温度を下げながらテトラブロムビスフェノール
Aエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、エポキシ当量35
6、登録商標ETBA100)を347g添加混合した。
更に温度を下げ75℃になった所でメチルエチルケトン
を1264g加えて溶解した。
その結果、エポキシ当量513(固形で387)ブロム含量
14.3(固形で19.0)粘度710cps/25℃、固形分75.4wt%
のエポキシ樹脂メチルエチルケトン溶液が得られた。
この溶液(固形分として100重量部)とエチレングリ
コールモノメチルエーテル15重量部、ジメチルホルムア
ミド15重量部、ジシアンジアミド(活性水素基/エポキ
シ基=0.65/1、相当量)、および2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール0.2重量部を混合し、ワニスを作った。
このワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製WE−18
K−BZ2)に含浸させて150℃で5分間加熱し、半硬化し
たプリプレグを得た。
このプリプレグを9枚重ねて180℃、10kgf/cm2、60分
間の成形条件下でガラスクロス積層板を作成した。成形
された積層板はガラス転移温度(Tg)が189℃(示差走
査熱量計測定)で難燃性は94v−O(UL法)であった。
結果を表1に示した。
(実施例2〜9) 実施例1と同様にして、ただし表1に示した量の原材
料を用いて、ガラスクロス積層板を作成した。実施例1
と同様の測定を行い結果を表1に示した。
(比較例1〜2) 実施例1と同様にして、ただし表1に示す原材料の種
類および量を用いてガラスクロス積層板を作成した。実
施例1と同様の測定を行い結果を表1に示した。
<発明の効果> 本発明のエポキシ樹脂は、特定のトリスフェノール類
とエピハロヒドリン類から誘導される多官能性エポキシ
樹脂と、ビスフェノール類とエピハロヒドリンから誘導
されるビスフェノール型エポキシ樹脂の組合せと、ハロ
ゲン化ビスフェノール類とを触媒の存在下で反応させて
得られたハロゲン含有エポキシ樹脂に、低ハロゲン化ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、高ハロゲン化ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、及び低分子量のビスフェノール型
エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つを
添加混合してなるエポキシ樹脂組成物であるため、難燃
性に必要なハロゲン含有量を全てハロゲン化ビスフェノ
ール類で賄う必要がないため比較的低分子量のエポキシ
樹脂ができる。
このため本発明によれば、特定のトリスフェノール類
から誘導される多官能性エポキシ樹脂を主成分とし、2
官能性エポキシ樹脂等を添加混合しても、多官能性エポ
キシ樹脂量を適量使用することにより十分な耐熱性を持
つエポキシ樹脂組成物が得られる。
さらに実施例および比較例から明らかなように従来公
知の耐熱性、難燃性エポキシ樹脂に比して、作業性、加
工性が良く、かつ耐熱性、難燃性も十分に優れた硬化物
を与えることができる。
従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は、ガラスクロ
ス等の補強材への含浸性が良く、また積層成形した硬化
物は、耐熱性、難燃性が共に優れ、高温時における信頼
性の向上した、特に電子部品として有用な積層板を得る
ことができる。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物は、トリスフェノー
ル類から誘導された多官能エポキシ樹脂を主成分として
いるにもかかわらず、メチルエチルケトン等の有機溶媒
に完全に溶解するなど実質上線状で、ゲルを含まない構
造となっており、種々の用途に使用する場合にも、作業
性、加工性に優れているという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 勇雄 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−313519(JP,A) 特開 平1−308422(JP,A) 特開 昭63−264623(JP,A) 特開 昭63−152613(JP,A) 特開 昭62−74923(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式[1] 式中R1,R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭
    素数4以下のアルキル基であり、nは0または1の数で
    あり、 Yは一般式[1b] または一般式[1c] ここで、R4,R5,R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子
    または炭素数4以下のアルキル基である、 で表わされるトリスフェノール化合物とエピハロヒドリ
    ンまたはβ−メチルエピハロヒドリンとの縮合によって
    得られた多官能性エポキシ樹脂と、 (B)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ−
    メチルエピハロヒドリンとの縮合によって得られたビス
    フェノール型エポキシ樹脂との混合物を、 (C)ハロゲン化ビスフェノール類と触媒の存在下で反
    応させて得られたハロゲン含有エポキシ樹脂と、 下記(B)、(D)および(E)からなる群より選ばれ
    る少なくとも1つを含有することを特徴とする耐熱難燃
    性エポキシ樹脂組成物。 (B)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ−
    メチルエピハロヒドリンとの縮合によって得られたビス
    フェノール型エポキシ樹脂、 (D)ハロゲン化ビスフェノール類とエピハロヒドリン
    またはβ−メチルエピハロヒドリンとの縮合により得ら
    れた高ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂、およ
    び (E)ビスフェノール類とエピハロヒドリンまたはβ−
    メチルエピハロヒドリンとの縮合によって得られたビス
    フェノール型エポキシ樹脂とハロゲン化ビスフェノール
    類との反応によって得られた低ハロゲン化ビスフェノー
    ル型エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】前記ハロゲン含有エポキシ樹脂が、300〜1
    000のエポキシ当量およびハロゲン含有量5〜30重量%
    を有するものである請求項1に記載の耐熱難燃性エポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ハロゲン含有エポキシ樹脂において、
    前記多官能エポキシ樹脂と前記ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂の重量比が、90:10〜20:80である請求項1または
    2に記載の耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記ハロゲン含有エポキシ樹脂100重量部
    に対し、前記(B)ビスフェノール型エポキシ樹脂の含
    有量が0〜20重量部で、 (D)高ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂の含
    有量が5〜55重量部である請求項1〜3のいずれかに記
    載の耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物が、20
    0〜700のエポキシ当量を有し、10〜30重量%のハロゲン
    含有量を有するものである請求項1〜4のいずれかに記
    載の耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記ハロゲン化ビスフェノール類がテトラ
    ブロム化ビスフェノールA、テトラブロム化ビスフェノ
    ールB、テトラブロム化ビスフェノールF、又は1,1−
    ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)エタ
    ンの何れかである請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱
    難燃性エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記トリスフェノール化合物が1−[α−
    メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニルエチル]−4
    −[α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エ
    チル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(3′,5′−
    ジメチル−4′−ヒドロキシフェニル)エチル]−4′
    −[α′,α′−ビス(3″,5″−ジメチル−4″ヒド
    ロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,1,3−トリス
    (2−メチル−4−ヒドロキシ−5−三級ブチルフェニ
    ル)ブタンのいずれかである請求項1〜6のいずれかに
    記載の耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記ビスフェノール類が、ビスフェノール
    A、ビスフェノールB、ビスフェノールFおよび1,1−
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンよりなる群から
    送ばれる少なくとも1つである請求項1〜7のいずれか
    に記載の耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物。
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