JP2022142436A - 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物 - Google Patents

多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物 Download PDF

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昌己 大村
Masami Omura
健 廣田
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Abstract

【課題】耐熱性、高熱伝導性、低熱膨張性等に優れた硬化物を得ることができ、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ樹脂を提供することにある。【解決手段】下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂であって、エポキシ当量が180~230g/eq、軟化点が60~120℃の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂。TIFF2022142436000008.tif35154(ここで、nは0~20の数を示し、R1は水素原子またはOG基を示し、Gはグリシジル基を示し、R2は水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基を示す。R1の少なくとも一部はOG基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、及びエポキシ樹脂硬化物に関し、詳しくは、半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子部品用絶縁材料に有用な常温で固形としての取扱性、成形時の低粘度性、溶剤溶解性に優れた多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、及びそれらを硬化させて得られる耐熱性、熱分解安定性、熱伝導性に優れるエポキシ樹脂硬化物に関する。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。この様な中で、近年開発が進められているパワーデバイスにおいては、デバイスのパワー密度の更なる向上が求められており、その結果、動作時のチップ表面の温度は200℃以上となることから、その温度に耐え得る封止材料の開発が望まれている。
このような中、特許文献1にはビフェノール‐ビフェニルアラルキル構造を有するエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物が開示されており、耐熱性、耐湿性、及び熱伝導性に優れることが示されている。 特許文献2にもビフェノール‐ビフェニルアラルキル構造を有するエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物の製造方法、及び半導体装置が開示されており、耐熱性、熱分解安定性に優れる硬化物が得られることが示されている。しかしながら、その取扱い性は100℃以上の融点を示す結晶性のエポキシ樹脂であることから、硬化剤等との混合処理を行う場合には高温での溶融混練が必要であった。高温では、エポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応が急速に進みゲル化時間が短くなるため、混合処理は厳しく制限されていた。さらに、強い結晶性を示すことから溶剤溶解性に課題があり、積層板への適用が困難であった。
特許文献3にビフェノール‐ビフェニルアラルキル構造を有するエポキシ樹脂の結晶成分を除去することで結晶性を低減する提案があるが、溶剤溶解性が不十分であり、実用性に課題があった。また、成形性および溶剤溶解性の向上のために別のエポキシ樹脂を混合する場合、樹脂の融点が低下して均一混合しやすくなる一方、その硬化物の物性である耐熱性、熱分解安定性、機械強度、熱伝導率を維持することが困難となる。特許文献4では、物性を維持可能な組成物が提案されているが、結晶性が強いために溶融混練は困難であり、溶剤溶解性も積層板用途への実用性には不十分であった。また、溶剤溶解性の向上が期待できる構造として、特許文献5にビフェニルアラルキル樹脂に炭化水素基が変性された構造が開示されているが、耐熱性が不十分であり、熱伝導率に関しては触れられていない。
WO2011/074517号公報 WO2014/065152号公報 特開2017-95524号公報 特開2015-160893号公報 特開平11-124428号公報
本発明の目的は、積層、成形、注型、接着等の用途において、溶融混練性、溶剤溶解性に優れるとともに、耐熱性、熱分解安定性、熱伝導性にも優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物を提供すること、及びその硬化物を提供することにある。また、他の目的はこのエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂の中間体として適する多価ヒドロキシ樹脂を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討し、特定の構造を有するエポキシ樹脂が、上記の課題を解決することが期待されること、そしてその硬化物が耐熱性、熱分解安定性、熱伝導性に効果を発現することを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂であって、エポキシ当量が180~210g/eqであり、軟化点が60~120℃の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂である。
Figure 2022142436000001
(ここで、nは0~20の数を示し、Rは独立に水素原子またはOG基を示し、少なくとも一部はOG基である。Rは独立に水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基を示す。Gはグリシジル基を示す。)
上記Rは水素原子またはOG基であるが、R中に水素原子が占める割合が1~20モル%であることが適する。また、OG基であるRを有するビフェニル環は、4,4’において2つのOG基と結合することが好ましい。
また、本発明は4,4’-ジヒドロキシビフェニルと、ヒドロキシビフェニルを含む混合物と、ビフェニル構造を有する芳香族架橋剤とを反応させて多価ヒドロキシ樹脂とした後、エピクロルヒドリンを反応して得られることを特徴とする上記のエポキシ樹脂の製造方法である。
上記芳香族架橋剤としては、4,4’-ビスクロロメチルビフェニルが挙げられる。
更に本発明は、下記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂であって、OH当量が130~160g/eqの範囲である多価ヒドロキシ樹脂である。
Figure 2022142436000002
(ここで、nは0~20の数を示し、Rは水素原子またはOH基を示し、Rは水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基を示す。Rの少なくとも一部はOH基である。)
また、本発明は、上記のエポキシ樹脂、及び硬化剤を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。更に本発明は、このエポキシ樹脂硬化物を硬化させたことを特徴とするエポキシ樹脂硬化物である。
本発明のエポキシ樹脂は、100℃以下での溶融混練性が良好であり、溶剤溶解性に優れるので、積層、成形、注型、接着等の用途に使用されるエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に適する。そして、この硬化物は耐熱性、熱分解安定性、熱伝導性にも優れたものとなるので、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に好適である。
実施例2で得られたエポキシ樹脂のGPCチャート
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表され、エポキシ当量(g/eq)は180~210である。nは繰り返し数(数平均)であり、0~20の数を示し、Gはグリシジル基である。好ましくは、nの値が異なる成分の混合物である。
一般式(1)において、Rは水素原子またはOG基を示し、Rの少なくとも一部はOG基である。Rは水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基である。
は水素原子またはOG基であるので、Rを有するビフェニル環は、OG基を2つ有するビフェニル環と、OG基を1つ有するビフェニル環があることになる。
OG基を2つ有するビフェニル環は、4,4’体(4,4’位でOG基と結合する構造を有する単位)が好ましい。Rが水素原子であるOG基を1つ有するビフェニル環は、Rを有するビフェニル環の全体の1~20モル%であることが好ましく、5~15モル%であることが更に好ましい。また、OG基を2つ有するビフェニル環は、Rを有するビフェニル環の全体の80~99モル%であることが好ましく、85~95モル%であることが更に好ましい。OG基を1つ有するビフェニル環が20モル%より多い場合、硬化物の架橋密度が低下することから耐熱性の低下が懸念される。また、OG基を1つ有するビフェニル環を含むことで、流動性に優れ、溶剤溶解性の改善が期待される。
本発明のエポキシ樹脂の軟化点は、60~120℃の範囲である。軟化点が60℃より低いと液状もしくは半固形状のエポキシ樹脂となるために取扱性が困難となり、120℃よりも高いと溶融混練性が低下し、結晶性を有する場合はさらに溶剤溶解性も低下してしまう。
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒドリンを反応させることにより製造することができる。一般式(2)において、Rは水素原子またはOH基を示し、少なくとも一部はOH基である。Rは一般式(1)と同意である。
この多価ヒドロキシ樹脂は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂でもあり、Rを有するビフェニル環には、OH基を2つ有するビフェニル環と1つ有するビフェニル環を含む。Rの好ましい存在量は上記エポキシ樹脂におけるRの存在量と同様である。
そして、この多価ヒドロキシ樹脂は、ビフェノール類と下記式(3)で表されるビフェニル構造を有する芳香族系縮合剤とを反応させることにより製造することができる。
Figure 2022142436000003
(ここで、Xは水酸基、ハロゲン原子又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。)
多価ヒドロキシ樹脂の合成原料のビフェノール類は、ジヒドロキシビフェニル類とヒドロキシビフェニル類の混合物である。ジヒドロキシビフェニルとしては、例えば4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類が挙げられる。4,4’-ジヒドロキシビフェニルは、上記4,4’体を与え、2,2’-ジヒドロキシビフェニルは、2,2’体を与える。4,4’-ジヒドロキシビフェニルのみを用いた場合には結晶性が高くなる。硬化物の耐熱性、熱伝導性の向上の観点からは4,4’-ジヒドロキシビフェニルが好ましい。一方、溶剤溶解性の観点からは、2,2’-ジヒドロキシビフェニルが好ましい。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルと、2,2’-ジヒドロキシビフェニルを併用する場合は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル30~90重量%と、2,2’-ジヒドロキシビフェニルを10~70重量%を含むジヒドロキシビフェニルの混合物を使用することがよい。好ましくは4,4’-ジヒドロキシビフェニル50~90重量%と2,2’-ジヒドロキシビフェニルを10~50重量%を含むジヒドロキシビフェニルの混合物を使用することがよい。ジヒドロキシビフェニルの混合物には上記以外のジヒドロキシビフェニルを含むことができるが、10~50重量%以下が好ましい。
ヒドロキシビフェニル類としては、例えば2-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、3-ベンジル‐1,1’‐ビフェニル‐2‐オール、3-ベンジル‐1,1’‐ビフェニル‐4‐オール、3-フェニルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール等が挙げられる。反応性、供給性の点で、2-フェニルフェノール、4-フェニルフェノールが好ましい。
ヒドロキシビフェニル類は、置換基Rを有するが、Rは水素原子又はアルキル基又はアラルキル基であることが好ましく、アルキル基としてはメチル基又はエチル基が好ましく、アラルキル基としてはベンジル基が好ましい。
また、R又はRがOG基又はOH基以外の場合は、水素原子である。
原料におけるジヒドロキシビフェニル類とヒドロキシビフェニル類の混合比率は、ジヒドロキシビフェニル類とヒドロキシビフェニル類の合計に対して、ヒドロキシビフェニル類が1~20モル%であることが好ましく、5~15モル%であることが更に好ましい。ヒドロキシビフェニル類の比率が全体20モル%より多い場合、硬化物の架橋密度が低下することから耐熱性の低下が懸念される。また、ヒドロキシビフェニル環を含むことで、流動性に優れ、溶剤溶解性の改善が期待される。重量比率としては、ジヒドロキシビフェニル類とヒドロキシビフェニル類の重量合計に対して、ヒドロキシビフェニル類が1~30重量%が好ましく、更に好ましくは、3~15重量%が好ましい。
上記式(3)において、Xは水酸基、ハロゲン原子又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。芳香族系縮合剤として、具体的には、4,4’-ビスヒドロキシメチルビフェニル、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル、4,4’-ビスブロモメチルビフェニル、4,4’-ビスメトキシメチルビフェニル、4,4’-ビスエトキシメチルビフェニルが挙げられる。反応性の観点からは、4,4’-ビスヒドロキシメチルビフェニル、又は4,4’-ビスクロロメチルビフェニルが好ましく、イオン性不純分低減の観点からは、4,4’-ビスヒドロキシメチルビフェニル、又は4,4’-ビスメトキシメチルビフェニルが好ましい。
ビフェノール類と芳香族系縮合剤とを反応させる際のモル比は、一般的にはビフェノール類1モルに対して、芳香族系縮合剤0.1~0.5モルの範囲であり、より好ましくは0.2~0.4モルの範囲である。0.1モルより少ないと得られる多価ヒドロキシ樹脂のn=0体の比率が高くなり、結晶性を示すなど溶解性の低下が懸念される。一方、0.5モルよりも多いと高分子量化することで軟化点および溶融粘度が高くなり、取扱い作業性、成形性に支障をきたす。
ビフェノール類と芳香族系縮合剤との反応は、無触媒、又は無機酸、有機酸等の酸触媒の存在下に行うことができる。4,4’-ビスクロロメチルビフェニルを用いる際には、無触媒下で反応させることもできるが、一般的に、クロロメチル基と水酸基が反応してエーテル結合が生じるなどの副反応を抑えるために、酸性触媒の存在下に行うことがよい。この酸性触媒としては、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、メタスルホン酸、トリフルオロメタスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸、あるいは固体酸等が挙げられる。
通常、この反応は100~250℃で1~20時間行う。好ましくは100~180℃で、より好ましくは140~180℃で行うとよい。反応温度が低いと反応性が乏しく時間を要してしまい、反応温度が高いと樹脂の分解の恐れがある。
反応の際に溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリグライム等のアルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物などを使用することがよく、これらの中でエチルセロソルブ、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリグライムなどが特に好ましい。反応終了後、得られた多価ヒドロキシ樹脂は、減圧留去、水洗又は貧溶剤中での再沈殿等の方法により溶剤を除去してもよいが、溶剤を残したままエポキシ化反応の原料として用いてもよい。
このようにして得られた多価ヒドロキシ樹脂は、エポキシ樹脂の原料として用いられる以外に、エポキシ樹脂硬化剤としても使用することができる。また、さらにヘキサミン等の硬化剤と組み合わせることにより、フェノール樹脂成形材料としても応用できる。
上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂とエピクロルヒドリンとの反応による本発明のエポキシ樹脂の製造方法について説明する。この反応は周知のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、上記多価ヒドロキシ樹脂を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に50~150℃、好ましくは60~120℃の範囲で1~10時間反応させる方法が挙げられる。この際のエピクロルヒドリンの使用量は、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して0.8~2モル、好ましくは0.9~1.2モルの範囲である。反応終了後過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶媒を留去することにより前記一般式(1)で表される目的のエポキシ樹脂を得ることができる。エポキシ化反応を行う際に、四級アンモニウム塩等の触媒を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、適用する電子部品の信頼性向上の観点より少ない方がよい。特に限定するものではないが、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N-KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N-AgNO水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤を含み、エポキシ樹脂成分として上記一般式(1)のエポキシ樹脂を含む。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成分として使用される一般式(1)のエポキシ樹脂以外に、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常の他のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルケトン、フルオレンビスフェノール、4,4'-ビフェノール、3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、2,2'-ビフェノール、レゾルシン、カテコール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,4-ジヒドロキシナフタレン、2,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、2,8-ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o-クレゾールノボラック、m-クレゾールノボラック、p-クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ-p-ヒドロキシスチレン、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t-ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4-ベンゼントリオール、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分の50wt%以上含むことが望ましい。さらに好ましくは、全エポキシ樹脂の70wt%以上、より好ましくは80wt%以上である。使用割合がこれより少ないとエポキシ樹脂組成物としての成形性が悪化するとともに、硬化物とした際の耐熱性、熱伝導性等の向上効果が小さい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用でき、ジシアンジアミド、酸無水物類、多価フェノール類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。これらの中でも、半導体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、多価フェノール類を硬化剤として用いることが好ましい。以下に、硬化剤の具体例を示す。
多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。
酸無水物硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
アミン系硬化剤としては、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
上記エポキシ樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8~1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基が残留し、封止機能に関しての信頼性が低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデン樹脂、インデン・クマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等として適宜配合してもよい。添加量は、通常、樹脂成分の合計100重量部に対して、1~30重量部の範囲である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合できる。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ等が挙げられ、半導体封止材に用いる場合の好ましい配合量は70重量%以上であり、更に好ましくは80重量%以上である。
顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、樹脂成分の合計100重量部に対して、0.01から5重量部の範囲である。
更に必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を溶解させたワニス状態とした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布、等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、プリプレグとすることができる。また、場合により銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより積層物とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、本発明の樹脂硬化物とすることができる。この硬化物は、エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工して得ることができる。この際の温度は通常、120~220℃の範囲である。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断りがない限り、「部」は重量部を表し、「%」は重量%を表す。また、測定方法はそれぞれ以下の方法により測定した。
1)エポキシ当量の測定
電位差滴定装置を用い、溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、臭素化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加え、電位差滴定装置にて0.1mol/L過塩素酸-酢酸溶液を用いて測定した。
2)OH当量の測定
電位差滴定装置を用い、1,4-ジオキサンを溶媒に用い、1.5mol/L塩化アセチルでアセチル化を行い、過剰の塩化アセチルを水で分解して0.5mol/L-水酸化カリウムを使用して滴定した。
3)溶融粘度
BROOKFIELD製、CAP2000H型回転粘度計を用いて、150℃にて測定した。
4)軟化点
JIS-K-2207に従い環球法にて測定した。
5)GPC測定
本体(東ソー株式会社製、HLC-8220GPC)にカラム(東ソー株式会社製、TSKgelG4000HXL、TSKgelG3000HXL、TSKgelG2000HXL)を直列に備えたものを使用し、カラム温度は40℃にした。また、溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用し、1mL/分の流速とし、検出器は示差屈折率検出器を使用した。測定試料はサンプル0.1gを10mLのTHFに溶解し、マイクロフィルターで濾過したものを50μL使用した。データ処理は、東ソー株式会社製GPC-8020モデルIIバージョン6.00を使用した。
6)ガラス転移点(Tg)
熱機械測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 EXSTAR6000TMA/6100)により、昇温速度10℃/分の条件でTgを求めた。
7)5%重量減少温度(Td5)、残炭率
熱重量/示差熱分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 EXSTAR6000TG/DTA6200、)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件において、5%重量減少温度(Td5)を測定した。また、700℃における重量減少を測定し、残炭率として算出した。
8)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製LFA447型熱伝導率計を用いて非定常熱線法により測定した。
実施例1
1000mlの4口フラスコに、2-フェニルフェノール3.0g、4,4’-ジヒドロキシビフェニル62.0g、ジエチレングリコールジメチルエーテル100.2g、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル35.2gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら170℃まで昇温して3時間反応させて、OH当量136g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成させた。反応終了後、ジエチレングリコールジメチルエーテルを43.3g回収し、エピクロルヒドリン379.7gを加え、減圧下(約130Torr)62℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液58.2gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを留去し、トルエンを加えた後、水洗、濾過を行ない、減圧留去し、エポキシ樹脂115gを得た(エポキシ樹脂A)。このエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は200g/eq、軟化点は110℃、溶融粘度0.19Pa・s、加水分解性塩素は65ppmであった。
実施例2
1000mlの4口フラスコに、2-フェニルフェノール6.3g、4,4’-ジヒドロキシビフェニル62.0g、ジエチレングリコールジメチルエーテル105.5g、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル37.2gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら170℃まで昇温して3時間反応させて、OH当量133g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成させた。反応終了後、ジエチレングリコールジメチルエーテルを46.7g回収し、エピクロルヒドリン389.8gを加え、減圧下(約130Torr)62℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液59.7gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続し、エポキシ化した。その後、エピクロルヒドリンを留去し、トルエンを加えた後、水洗、濾過を行ない、減圧留去し、エポキシ樹脂121gを得た(エポキシ樹脂B)。このエポキシ樹脂Bのエポキシ当量は198g/eq、軟化点は92℃、溶融粘度0.18Pa・s、加水分解性塩素は57ppmであった。得られた樹脂のGPCチャートを図1に示す。
実施例3
2-フェニルフェノールの代わりに4-フェニルフェノールを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行い、OH当量138g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成後、エポキシ化してエポキシ樹脂120gを得た(エポキシ樹脂C)。このエポキシ樹脂Cのエポキシ当量は199g/eq、軟化点は98℃、溶融粘度0.19Pa・s、加水分解性塩素は68ppmであった。
実施例4
2-フェニルフェノールの代わりに3-ベンジル‐1,1’‐ビフェニル‐2‐オール4.6gを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、OH当量143g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成後、エポキシ化してエポキシ樹脂114gを得た(エポキシ樹脂D)。このエポキシ樹脂Dのエポキシ当量は203g/eq、軟化点は115℃、溶融粘度0.19Pa・s、加水分解性塩素は82ppmであった。
比較例1
1000mlの4口フラスコに、2-フェニルフェノール24.3g、4,4’-ジヒドロキシビフェニル62.0g、ジエチレングリコールジメチルエーテル134.1g、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル47.8gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら170℃まで昇温して3時間反応させて、OH当量163g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成させた。反応終了後、ジエチレングリコールジメチルエーテルを66.6g回収し、エピクロルヒドリン448.7gを加え、減圧下(約130Torr)62℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液68.7gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを留去し、トルエンを加えた後、水洗、濾過を行ない、減圧留去し、エポキシ樹脂130gを得た(エポキシ樹脂E)。このエポキシ樹脂Eのエポキシ当量は226g/eq、軟化点は78℃、溶融粘度0.16Pa・s、加水分解性塩素は90ppmであった。
比較例2
1000mlの4口フラスコに、4,4’-ジヒド口キシビフェニル77.5g、ジエチレングリコールジメチルエーテル119.3g、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル、41.8gを仕込み、窒素気流下、揖梓しながら160℃まで昇温して20時間反応させ、OH当量135g/eqの多価ヒドロキシ樹脂を生成させた。反応終了後、ジエチレングリコールジメチルエーテルを45.6g回収し、エピクロルヒドリン455.1gを加え、減圧下(約130Torr)62℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液70.5gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトンを加えた後、水洗により塩を除いた後、濾過、水洗を行ない、次にメチルイソブチルケトンを減圧留去し、エポキシ樹脂129gを得た(エポキシ樹脂F)。このエポキシ樹脂Fのエポキシ当量は200g/eq、軟化点は125℃、溶融粘度0.21Pa・s、加水分解性塩素は230ppmであった。
溶剤溶解性
溶剤溶解性の判定は、溶剤(メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン)5gに実施例1~4で得たエポキシ樹脂A~D、および比較例1、2で得たエポキシ樹脂E、Fを固形分濃度(エポキシ樹脂g/溶剤100g)で10重量%となるように投入し、室温下で十分に撹拌した後、不溶分を目視で確認した。不溶分がある場合を×、ない場合を〇とした。また、不溶分が確認されたが、60℃に加熱した際に不溶分の溶解が確認されたものを△とした。結果を表1に示す。
Figure 2022142436000004
実施例5~8および比較例3~5
エポキシ樹脂成分として、実施例1~4で得たエポキシ樹脂A~D、比較例1、2で得たエポキシ樹脂E、F、さらにエポキシ樹脂Gとして、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル製YDCN-700-3、エポキシ当量200g/eq、全塩素1600ppm)を用い、硬化剤としてトリフェノールメタン型多価ヒドロキシ樹脂(群栄化学工業株式会社製TPM-100、OH当量 98g/eq、軟化点 105℃)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、表2に示す配合でエポキシ樹脂組成物を得た。表中の数値は配合における重量部を示す。溶融混練温度は均一な成型物を得るために、実施例5~8および比較例3は100℃、比較例4は150℃で実施した。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて5時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。
Figure 2022142436000005
これらの結果から明らかなとおり、実施例で得られるエポキシ樹脂は溶剤溶解性に優れ、低粘度、低軟化点であることから成型性も良好であり、溶融混練により均一な硬化物を得ることができる。また、その硬化物は耐熱性、熱安定性、熱伝導性に優れ、低吸水率であることから基板、封止材料等の電子材料用途に適する。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂であって、エポキシ当量が180~210g/eqであり、軟化点が60~120℃の範囲であることを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 2022142436000006
    (ここで、nは0~20の数を示し、Rは独立に水素原子またはOG基を示し、少なくとも一部はOG基である。Rは独立に水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基を示す。Gはグリシジル基を示す。)
  2. が水素原子である割合が1~20モル%であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. OG基であるRを有するビフェニル環が4,4’体である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 4,4’-ジヒドロキシビフェニルと、ヒドロキシビフェニルを含む混合物と、ビフェニル構造を有する芳香族架橋剤とを反応させて多価ヒドロキシ樹脂とした後、エピクロルヒドリンを反応して得られることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  5. 芳香族架橋剤が4,4’-ビスクロロメチルビフェニルである請求項4に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  6. 下記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂であって、OH当量が130~160g/eqの範囲である多価ヒドロキシ樹脂。
    Figure 2022142436000007
    (ここで、nは0~20の数を示し、Rは水素原子またはOH基を示し、少なくとも一部はOH基である。Rは水素原子または炭素数1~10の一価の炭化水素基を示す。)
  7. 請求項1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂、及び硬化剤を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載のエポキシ樹脂硬化物を硬化させたことを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
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