JP2701621B2 - 耐熱光ファイバ - Google Patents

耐熱光ファイバ

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JP2701621B2
JP2701621B2 JP3286422A JP28642291A JP2701621B2 JP 2701621 B2 JP2701621 B2 JP 2701621B2 JP 3286422 A JP3286422 A JP 3286422A JP 28642291 A JP28642291 A JP 28642291A JP 2701621 B2 JP2701621 B2 JP 2701621B2
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thermosetting resin
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豪 大窪
利秀 徳永
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  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石英ガラスや多成分ガラ
スから成る光ファイバに耐熱性被覆を施した耐熱光ファ
イバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを高温域で使用する場合、環
境や被覆材料等に含まれている微量の水素が光ファイバ
の損失増加をもたらすことがある。そのため、光ファイ
バ表面にアモルファスカーボン層をコーティング処理し
ておくことにより、耐水性、耐水素性の向上を図ること
ができ、これにより高温での損失増加を防ぐことができ
る。また、耐熱光ファイバとしては、ポリチタノカルボ
シランを主成分とする熱硬化性樹脂を光ファイバのガラ
ス表面に被覆(被覆厚約10μm)したものが一般に知
られている。上記熱硬化性樹脂を被覆する際には、塗膜
の高強度化を図る目的で、フィラとして無機系の物質を
重量比1:1で混合させている。この無機系の物質には
酸化チタン、マグネシア、ジルコニア、石英等が用いら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリチタノカ
ルボシランを主成分とする熱硬化性樹脂を光ファイバの
ガラス表面に直接被覆した耐熱光ファイバは、熱硬化性
樹脂の塗膜形成時に、樹脂に混入された上記無機系の物
質がファイバ表面を加傷してしまうため、初期強度(引
張り強度)が2〜3gと低強度であり、またばらつきも
大きく、実線路へ布設するときや高温域での使用時に断
線する虞があった。そこでガラス光ファイバの表面にア
モルファスカーボン層をコーティングし、このアモルフ
ァスカーボン層の外周に直接ポリチタノカルボシランを
主成分とする熱硬化性樹脂からなる被覆を施すことも考
えられるが、アモルファスカーボン層を厚く形成するこ
とは困難なため、通常形成できるアモルファスカーボン
層(厚さ約300オングストローム)ではポリチタノカ
ルボシラン中に含まれるフィラがファイバ表面に傷をつ
けることを避けられず、なお高強度が得られない。
【0004】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、高強度な耐熱光ファイバを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の耐熱光ファイバにおいては、ガラス光ファ
イバの表面にアモルファスカーボン層が形成されてお
り、その外周に、ポリイミドから成り被覆厚が60μm
未満である被覆と、フィラとしてジルコニアを配合した
ポリチタノカルボシランを主成分とする熱硬化性樹脂か
ら成る被覆とが順に施されている。
【0006】
【作用】ガラス光ファイバの表面にアモルファスカーボ
ン層がコーティングされた光ファイバの外周にポリイミ
ドから成る被覆を施した後、ポリチタノカルボシランを
主成分とする熱硬化性樹脂から成る被覆を施すことによ
り、高温域での耐水性、耐水素性を維持しつつ、熱硬化
性樹脂の塗膜形成時に、樹脂に混入されている上記無機
系の物質によってファイバ表面が加傷されるのを防止
し、耐熱光ファイバの初期強度向上、高温域での強度向
上を図ることができる。
【0007】なお、ポリイミドの被覆厚は60μm未満
とする。ポリイミドはヤング率が200kg/mm2
上と高く、被覆厚が60μmを越えると伝達損失が急激
に増加するためである。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図1により
明する。
【0009】線引炉で外径125μmに線引きした1.
3μm帯SM型ファイバ2の表面に、アモルファスカー
ボン層10が形成されており、この外周にはダイにてポ
リイミドを塗布した後、焼付乾燥炉で焼付硬化を行うこ
とにより、ポリイミドから成る被覆8が形成されてい
る。この外側にさらにポリチタノカルボシランを主成分
とする熱硬化性樹脂の被覆材を塗布し、焼付乾燥炉で焼
付硬化を行うことにより被覆9を形成し、ファイバ外径
を150μmとした。なお、ポリチタノカルボシランを
主成分とする被覆材にはフィラとしてジルコニアを配合
した。
【0010】上記ファイバの初期強度をゲージ長5m,
サンプル数n=30で引張試験により評価したところ、
本発明品の平均強度は5.9kgfと従来品に比べ3〜
4kgf向上していることがわかった。また、初期伝達
損失は、0.36db/kmであった。さらに、600
℃の不活性雰囲気中に30分放置後、曲げ試験により強
度を調べたところ、強度劣化はまったく見られなかっ
た。
【0011】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、耐熱光フ
ァイバの初期強度並びに高温域での強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 光ファイバ 8 ポリイミドから成る被覆 9 ポリチタノカルボシランを主成分とする熱硬化性樹
脂から成る被覆 10 アモルファスカーボン層
フロントページの続き (72)発明者 黒沢 芳宣 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社オプトロシステム研究所 内 (56)参考文献 特開 平1−173006(JP,A) 特開 平1−196009(JP,A) 特開 平3−110508(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス光ファイバの表面にアモルファスカ
    ーボン層が形成されており、その外周に、ポリイミドか
    ら成り被覆厚が60μm未満である被覆と、フィラとし
    てジルコニアを配合したポリチタノカルボシランを主成
    分とする熱硬化性樹脂から成る被覆とが順に施されてい
    ることを特徴とする耐熱光ファイバ。
JP3286422A 1991-10-31 1991-10-31 耐熱光ファイバ Expired - Fee Related JP2701621B2 (ja)

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