JP2701411B2 - 3―フェノキシシクロペンテン誘導体、その製造法および該化合物からシクロペンタ[b]ベンゾフラン誘導体を製造する方法 - Google Patents

3―フェノキシシクロペンテン誘導体、その製造法および該化合物からシクロペンタ[b]ベンゾフラン誘導体を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は一般式(I) 〔式中、X、Yは水素またはハロゲンを表わす〕 で示される3−フェノキシシクロペンテン誘導体および
その製造法に関する。更に、本発明は一般式(I)で示
される化合物から一般式(III) 〔式中、X、Yは前定義に同じ〕 で示されるシクロペンタ〔b〕ベンゾフラン誘導体を製
造する方法に関する。
[従来の技術] 一般式(I)の化合物から合成される一般式(III)
の化合物は医薬品、特に抗血栓剤、抗潰瘍剤、抗動脈硬
化剤として有用な一般式(IV)のm−フェニレン型PGI2
(特開昭56−3647号公報、特開昭58−124778号公報他) の合成中間体として有用な化合物(特開昭57−144277号
公報他)である。
一般式(III)のシクロペンタ〔b〕ベンゾフランの
従来の製造法としては、反応式(1)の式(V)で示さ
れる3−(2−ヒドロキシフェニル)シクロペンテンに
塩化パラジウムを作用させる方法(S.Murahashi et.al.
J.Org.Chem.,43,2752(1978))と、 反応式(2)に示すように、3,5−シス−ジブロモシク
ロペンテン(VII)を原料として3,5−シス−ビスフェノ
キシシクロペンテン類(VIII)を経て、(IX)のハロゲ
ンを有機金属試薬で交換した後、昇温することにより直
接環化するか、または銅触媒を用いて環化する方法(特
開昭57−144277号公報) 〔Mはナトリウムあるいはカリウム、X、Yは前定義
に同じ〕 とが知られている。
[発明が解決しようとする課題] 製造法(1)は、生成物がオレフィンの異性体混合物
となり、しかも目的とするシクロペンタ〔b〕ベンゾフ
ラン(III)(X、Yは水素を表わす。)の生成比の方
が低いこと、製造法(2)は原料であるジブロモシクロ
ペンテンの入手に若干の困難を伴なうこと、また特に
X、Yがハロゲンの場合、環化反応の際、有機金属試薬
の最適等量幅が非常に狭いため反応の再現性が期待でき
ないこと、更にX、Yが水素の場合は金属交換にアルキ
ルリチウムを低温(−78℃)で使用する必要があり、工
業的大量製造には不適当であることなどの欠点を有して
いる。
[課題を解決するための手段] 我々は、上記課題を克服した新しいシクロペンタ
〔b〕ベンゾフラン誘導体(III)の製造法について鋭
意検討した結果、一般式(I)で示される新規な3−フ
ェノキシシクロペンテン類に、適当なリン配位子と塩基
の共存下にパラジウム錯体を作用させることにより、オ
レフィンの異性化がほとんど起きず、環化が高収率で進
行する反応を見い出し本発明に至った。
すなわち本発明は、一般式(I)で示される3−フェ
ノキシシクロペンテン誘導体およびその製造法である。
更に本発明は、一般式(I)の化合物から一般式(II
I)の化合物を製造する方法である。
本発明化合物である一般式(I)で示される3−フェ
ノキシシクロペンテン類は、容易に製造可能な3−クロ
ロペンテン(R.B.Moffett,Org.Syn.coll.vol.IV.,228)
(X)にフェノール誘導体(II)を反応させて高収率で
得られる。
〔M、X、Yは前定義に同じ〕 本発明の(I)の製造は、具体的には通常下記のよう
な条件下に行なう。
本発明に必要な3−フェノキシシクロペンテン類
(I)はフェノール誘導体(II)を溶媒に溶かして相関
移動触媒を加え、3−クロロシクロペンテン(X)と反
応させることにより得られる。
使用するフェノール誘導体(II)としては、2−ヨー
ドフェノール、2,4−ジクロロ−6−ヨードフェノー
ル、2,4−ジブロモ−6−ヨードフェノール、2,4,6−ト
リヨードフェノール、2−クロロ−6−ヨードフェノー
ル、2−ブロモ−6−ヨードフェノール、4−クロロ−
2−ヨードフェノール、4−ブロモ−4−ヨードフェノ
ール、4−ブロモ−2−クロロ−6−ヨードフェノー
ル、2−ブロモ−4−クロロ−6−ヨードフェノール等
があげられるが、これらに限られるものではない。溶媒
としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒
か、またはトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶
媒、更にはジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の
非プロトン性極性溶媒が用いられるが、中でもジメチル
ホルムアミドが好ましい。相関移動触媒としては、文献
(W.P.Weber,G.W.Cokel,田伏岩夫、西谷孝子共訳、相関
移動触媒、p309、化学同人)に記載されたものがあげら
れるが、中でも臭化テトラブチルアンモニウム、18−ク
ラウン−6等が用いられ、通常18−クラウン−6が用い
られる。しかも、これらに限られるものではない。
反応温度としては−78゜〜50℃が好ましく、特に−30
℃〜30℃が好ましい。反応時間は1〜60時間が用いら
れ、通常は2〜40時間で実施される。化合物(I)は、
再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで
純品を得ることができる。
このようにして得られる本発明化合物(I)の3−フ
ェノキシシクロペンテン類としては、3−(2−ヨード
フェノキシ)シクロペンテン、3−(2,4−ジクロロ−
6−ヨードフェノキシ)シクロペンテン、3−(2,4−
ジブロモ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテン、3
−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)シクロペンテン、
3−(2−クロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロペン
テン、3−(2−ブロモ−6−ヨードフェノキシ)シク
ロペンテン、3−(4−クロロ−2−ヨードフェノキ
シ)シクロペンテン、3−(4−ブロモ−2−ヨードフ
ェノキシ)シクロペンテン、3−(4−ブロモ−2−ク
ロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテン、3−
(2−ブロモ−4−クロロ−6−ヨードフェノキシ)シ
クロペンテン等があげられるが、これらに限られるもの
ではない。
次に、シクロペンタ〔b〕ベンゾフラン誘導体(II
I)を製造するには、3−フェノキシシクロペンテン類
(I)をパラジウム錯体、リン配位子、適当な塩基と共
に溶媒に懸濁して充分な撹拌下に反応させる。
溶媒としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン等のアミン類、エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、トル
エン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒が用
いられるが、アセトニトリルが好ましい。パラジウム錯
体としては、文献(R.F.Heck,“Palladium Reagents in
Organic Synthesys";Acad.Press;New.York(1985))
に記載されたものがあげられるが、中でもテトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウムや、ビスジベンジリデ
ンアセトンパラジウム等の0価錯体や、酢酸パラジウ
ム、塩化パラジウム等の2価錯体を用いることができ、
通常は酢酸パラジウムが用いられる。しかし、これらに
限られるものではない。リン配位子としては、トリメチ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン等の単座アルキル
ホスフィン類やトリフェニルホスフィン、トリス−o−
トルホスフィン等の単座アリールホスフィン類、またビ
ス−(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス−(ジフェニ
ルホスフィノ)プロパン等の2座ホスフィン類、更には
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の
ホスファイト類が用いられる。通常はトリフェニルホス
フィンが用いられる。共存塩基としては、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類や、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸銀等の塩基性酢酸
塩、炭酸水素ナトリウムや炭酸銀等の塩基性炭酸塩が用
いられるが、中でも炭酸銀が好ましい。しかし、これら
に限られるものではない。
反応温度としては−78℃〜150℃が用いられ、通常は
−30゜〜120℃が用いられる。反応時間は1〜100時間が
用いられ、通常は4〜50時間で実施される。反応終了後
パラジウムを別し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーを行なうことによって、シクロペンタ〔b〕ベンゾ
フラン誘導体(III)を得ることができる。
一般式(III)の化合物から、例えば特開昭56−36477
号公報、特開昭57−144277号公報、特開昭58−124778号
公報等に記載の方法により、医薬品として有用な一般式
(IV)の5,6,7−トリノル−4,8−インタ−m−フェニレ
ンPGI2誘導体を製造することができる。
[実 施 例] 以下、実施例をあげ本発明を更に詳細に説明するが、
もちろん本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
実施例1 3−(2,4−ジブロモ−6−ヨードフェノキシ)シクロ
ペンテン 2,4−ジブロモ−6−ヨードフェノール48.5g(128mmo
l)を、エタノール100mlに溶かし0℃に氷冷した。水酸
化カリウムのエタノール溶液(1.12M)115ml(128mmo
l)を滴下し、カリウム塩とした後、溶媒を留去、減圧
下加熱乾燥(0.5mmHg、60℃、16h)した。このもの53.2
g(128mmol)をジメチルホルムアミド150mlに溶かし18
−クラウン−6、0.68g(2.6mmol)を加えた。3−クロ
ロシクロペンテン11.8g(115mmol)を滴下ロートを用い
てゆっくりと滴下し、室温(20℃)で2.5時間撹拌し
た。反応混合物を、酢酸エチル300mlと1M水酸化ナトリ
ウム水溶液100mlを入れた分液ロートにあけ、得られた
有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液100mlと飽和食塩水1
50mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、触媒を留去
して得た固形物をエタノールから再結晶して、3−(2,
4−ジブロモ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテン4
1.6g(105mmol、82%)が得られた。
mp 57〜58゜ IR(KBr)νcm-1: 2900、1520、1425、1360、1105、1020、990、930、91
0、880、810、780、710 NMR(400MHz、CDCl3)δ: 2.1〜2.8(4H、m),5.4〜5.6(1H、m),5.7〜60(1
H、m)、6.0〜6.3(1H、m)、7.68(1H、d、J=2.3
Hz)、7.87(1H、d、J=2.3Hz) MS(CI)459(M++NH3) 同様にして、2,4−ジブロモ−6−ヨードフェノール
のかわりに、2−ブロモ−6−ヨードフェノールを用い
ると3−(2−ブロモ−6−ヨードフェノキシ)シクロ
ペンテンが得られ、4−ブロモ−2−ヨードフェノール
を用いると3−(4−ブロモ−6−ヨードフェノキシ)
シクロペンテンが得られ、2−ブロモ−4−クロロ−6
−ヨードフェノールを用いると3−(2−ブロモ−4−
クロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテンが得ら
れ、4−ブロモ−2−クロロ−6−ヨードフェノールを
用いると3−(4−ブロモ−2−クロロ−6−ヨードフ
ェノキシ)シクロペンテンが得られ、2,4,6−トリヨー
ドフェノールを用いると3−(2,4,6−トリヨードフェ
ノキシ)シクロペンテンが得られる。
実施例2 3−(2,4−ジクロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロ
ペンテン 2,4−ジクロロ−6−ヨードフェノール6.3g(21.8mmo
l)を、メタノール20mlに溶かし0℃に氷冷した。水酸
化カリウムのメタノール溶液(3.33M)6.5ml(21.8mmo
l)を滴下し、カリウム塩とした後、溶媒を留去、減圧
下加熱乾燥(0.5mmHg、60℃、6h)した。得られた固体
を、ジメチルホルムアミド30mlに溶かし18−クラウン−
6、0.12g(0.45mmol)を加えた。3−クロロシクロペ
ンテン2.2g(19.6mmol)をDMF7.5mlに溶かし、滴下ロー
トを用いてゆっくりと滴下し、室温(20℃)で14時間撹
拌した。反応混合物を、エーテル20mlと1M水酸化ナトリ
ウム水溶液30mlを入れた分液ロートにあけ、得られた有
機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(20ml×2)と飽和食
塩水20mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
留去して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して、3−(2,4−ジクロロ−6−ヨードフ
ェノキシ)シクロペンテン5.4g(15.3mmol、70%)が得
られた。
IR(KBr)νcm-1: 2910、1525、1435、1360、1100、1010、1000、995、93
0、925、890、800、780、715 NMR(400MHz、CDCl3)δ: 2.2〜2.8(1H、m)、5.4〜5.6(1H、m)、5.9〜6.1
(1H、m)、6.1〜6.3(1H、m)、7.41(1H、d、J=
2.5Hz)、7.74(1H、d、J=2.5Hz) MS(CI)371(M++NH3) 同様にして、2,4−ジクロロ−6−ヨードフェノール
のかわりに、2−ヨードフェノールを用いると3−(2
−ヨードフェノキシ)シクロペンテンが得られ、2−ク
ロロ−6−ヨードフェノールを用いると3−(2−クロ
ロ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテンが得られ、
4−クロロ−2−ヨードフェノールを用いると3−(4
−クロロ−2−ヨードフェノキシ)シクロペンテンが得
られる。
実施例3 3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5,7−ジブロモシクロペン
タ〔b〕ベンゾフラン シュレンク型反応管に3−(2,4−ジブロモ−ヨード
フェノキシ)シクロペンテン300.5mg(0.67mmol)、酢
酸パラジウム7.8mg(0.035mmol)、トリフェニルホスフ
ィン22.2mg(0.089mmol)、炭酸銀102.5mg(0.37mmol)
を入れ、アセトニトリル5mlに懸濁した。アルゴン雰囲
気下25℃で20時間反応させた。セライトを通して過
し、酢酸エチルで洗い込み、溶媒を留去した。フタル酸
ジn−プロピルを内部標準としてガスクロマトグラフィ
ーにて分析したところ、化学収率は70%、オレフィン異
性体比は30:1であった。シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー〔シクロヘキサン:酢酸エチル(50:1)〕で分離
すると3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5,7−ジブロモシク
ロペンタ〔b〕ベンゾフランが得られた。
IR(KBr)νcm-1: 3070、2970、2920、1570、1450、1245、1220、1150、10
00、950、860、830、805、740、710 NMR(400MHz、CDCl3)δ: 2.85〜2.95(2H、m)、4.46(1H、d、J=7.3Hz)、
5.53〜5.60(1H、m)、5.69〜5.73(1H、m)、5.80〜
5.85(1H、m)、7.23(1H、dd、J=2.1、0.6Hz)、7.
38(1H、d、J=1.8Hz) MS(EI)314(M+) 同様にして、3−(2,4−ジブロモ−6−ヨードフェ
ノキシ)シクロペンテンのかわりに、3−(2−ブロモ
−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテンを用いると3
a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5−ブロモシクロペンタ
〔b〕ベンゾフランが得られ、3−(4−ブロモ−2−
ヨードフェノキシ)シクロペンテンを用いると3a,8b−
シス−ジヒドロ−3H−7−ブロモシクロペンタ〔b〕ベ
ンゾフランが得られ、3−(2−ブロモ−4−クロロ−
6−ヨードフェノキシ)シクロペンテンを用いると3a,8
b−シス−ジヒドロ−3H−5−ブロモ−7−クロロシク
ロペンタ〔b〕ベンゾフランが得られ、3−(4−ブロ
モ−2−クロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロペンテ
ンを用いると、3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−7−ブロ
モ−5−クロロシクロペンタ〔b〕ベンゾフランが得ら
れ、3−(2,4,6−トリヨードフェノキシ)シクロペン
テンを用いると3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5,7−ジヨ
ードシクロペンタ〔b〕ベンゾフランが得られる。
実施例4 3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5,7−ジクロロシクロペン
タ〔b〕ベンゾフラン シュレンク型反応管に3−(2,4−ジクロロ−6−ヨ
ードフェノキシ)シクロペンテン228.7mg(0.68mmo
l)、酢酸パラジウム7.6mg(0.035mmol)、トリフェニ
ルホスフィン35.4mg(0.135mmol)、炭酸銀102.3mg(0.
37mmol)を入れ、アセトニトリル5mlに懸濁した。アル
ゴン雰囲気下25℃で20時間反応させた。セライトを通し
て過し、酢酸エチルで洗い込み、溶媒を留去した。フ
タル酸ジn−プロピルを内部標準として400MHz1HNMRで
分析したところ、化学収率は68%であった。また、ガス
クロマトグラフィーの分析によると異性体比は25:1であ
った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔シクロヘ
キサン:酢酸エチル(30:1)〕で分離すると3a,8b−シ
ス−ジヒドロ−3H−5,7−ジクロロシクロペンタ〔b〕
ベンゾフランが得られた。
IR(KBr)νcm-1: 2980、2920、1575、1435、1240、1235、1220、1140、10
50、985、940、855、830、805、740、710 NMR(400MHz、CDCl3)δ: 2.88〜2.92(2H、m)、4.43(1H、d、J=7.1Hz)、
5.56〜5.60(1H、m)、5.68〜5.72(1H、m)、5.80〜
5.82(1H、m)、7.08(1H、d、J=2.0Hz)、7.14(1
H、d、J=2.0Hz) MS(EI)226(M+) 同様にして3−(2,4−ジクロロ−6−ヨードフェノ
キシ)シクロペンテンのかわりに、3−(2−ヨードフ
ェノキシ)シクロペンテンを用いると3a,8b−シス−ジ
ヒドロ−3H−シクロペンタ〔b〕ベンゾフランが得ら
れ、3−(2−クロロ−6−ヨードフェノキシ)シクロ
ペンテンを用いると3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−5−
クロロシクロペンタ〔b〕ベンゾフランが得られ、3−
(4−クロロ−2−ヨードフェノキシ)シクロペンテン
を用いると3a,8b−シス−ジヒドロ−3H−7−クロロシ
クロペンタ〔b〕ベンゾフランが得られる。
[発明の効果] 一般式(I)の化合物は、高収率で再現性よく一般式
(III)の化合物を製造することができるため、非常に
有用な化合物である。また、一般式(III)を製造する
本発明方法も、有機金属試薬低温条件を必要とせず、し
かも、パラジウム触媒によるオレフィンの異性化も実用
可能範囲にまで克服されており、更に、パラジウムは触
媒量で使用できるため安価に利用でき、工業的製造法と
して従来法の欠点をすべて克服した優れた方法である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、X、Yは水素またはハロゲンを表わす〕 で示される3−フェノキシシクロペンテン誘導体。
  2. 【請求項2】3−クロロシクロペンテンに一般式(II) 〔式中、X、Yは水素またはハロゲンを、Mはナトリウ
    ムまたはカリウムを表わす〕 で示されるフェノール誘導体を反応させることを特徴と
    する請求項(1)記載の一般式(I)で示される3−フ
    ェノキシシクロペンテン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の一般式(I)で示され
    る3−フェノキシシクロペンテン誘導体に、リン配位子
    および塩基の共存下パラジウム錯体を作用させることを
    特徴とする一般式(III) 〔式中、X、Yは水素またはハロゲンを表わす〕 で示されるシクロペンタ〔b〕ベンゾフラン誘導体の製
    造法。
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EP0985669A4 (en) * 1998-03-18 2003-03-05 Toray Industries PROCESS FOR PRODUCING CYCLOALKYL b] BENZOFURANES

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JPH02200652A (ja) 1990-08-08

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