JP2701087B2 - 真空成形用金型装置 - Google Patents

真空成形用金型装置

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JP2701087B2
JP2701087B2 JP2251423A JP25142390A JP2701087B2 JP 2701087 B2 JP2701087 B2 JP 2701087B2 JP 2251423 A JP2251423 A JP 2251423A JP 25142390 A JP25142390 A JP 25142390A JP 2701087 B2 JP2701087 B2 JP 2701087B2
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久尚 梶浦
雅也 平田
啓二 東
精造 待田
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Matsushita Electric Works Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は射出成形または射出圧縮成形等の樹脂成形に
おいて、金型キャビティを真空にする真空成形用金型装
置に関する。
(従来の技術) 従来の成形金型は、例えば特開昭57−117936号に示さ
れるように、完全に型締めした後、金型キャビティのエ
アや水分等を短時間で真空排気するための幅広のエアベ
ントを設けて真空排気を行っている。この真空排気を行
ってから、金型キャビティに樹脂を充填する直前に幅広
のエアベントに樹脂が流入しないようにエアベントシャ
ットピンを作動させてエアベントを閉じている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、従来の成形金型では、急速に真空排気を行う
ために幅広のエアベントを必要とし、そのために幅広の
エアベントに樹脂の流入を防止するエアベントシャット
ピンを作動させる装置を必要とした。
従って、ベントシャットピンの周りにまで樹脂が流
れてくるため、熱硬化性樹脂のように、流動しやすい材
料を用いた場合、ピンの摺動部材に材料が流れ込み、シ
ョット数が増えるとピンが作動しなくなる。また、ト
ンネルベントに流出した分の材料がロスになる。更に
トンネルベントに残った材料を除去する必要がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
コンダクタンスの大きい真空排気経路で瞬時に金型キャ
ビティを真空すると共に、金型キャビティから樹脂が真
空排気経路に流出しないように構成した真空成形用金型
装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明の真空成形用金型装置
は、 (1)射出成形または射出圧縮成形用金型において、金
型キャビティへ注入される樹脂の通り道であるランナー
に流出する樹脂の圧力によって作動し、金型キャビティ
に連通する真空排気経路を開閉する作動体を金型キャビ
ティの近傍に設けたことに特徴を有している。
(2)射出成形または射出圧縮成形用金型において、金
型キャビティから真空排気経路へ連通するオーバーフロ
ー部と、前記金型キャビティから流出してくる樹脂を前
記オーバーフロー部を冷却することによって凝固させ、
前記真空排気経路を開閉する冷却体を固定側型板と可動
側型板の対応する位置に対で金型キャビティの近傍に設
けたことに特徴を有している。
(作用) 射出成形または射出圧縮成形用金型において、ランナ
ーに流出する樹脂の圧力によって作動する作動体を金型
キャビティの近傍に設ける。作動体が作動しておらず、
金型キャビティに連通する真空排気経路が開いている時
に金型キャビティの真空排気を行う。次に、溶融した樹
脂が第1スプルー,ランナー,第2スプルーを経て金型
キャビティに注入される。また、第1スプルーからラン
ナーに流入した樹脂は作動体に圧力を加えて作動させ
る。作動体の作動により金型キャビティに連通する真空
排気経路を閉じる。このように、樹脂自体で真空排気経
路の開閉の起動を行うので複雑な開閉機構を必要としな
い。
また、射出成形または射出圧縮成形用金型において、
金型キャビティから真空排気経路へ連通するオーバーフ
ロー部を設ける。真空排気を行った後、溶融した樹脂を
注入し、金型キャビティを充填する。型内に設けた冷却
体はこのオーバーフロー部を冷却し、オーバーフロー部
に流入した樹脂を凝固させてオーバーフロー部を塞ぎ、
真空排気経路を閉じる。このように、樹脂自体で真空排
気経路の開閉を行うので複雑な開閉機構を必要しない。
(実施例1) 第1図(a)は本発明の第1実施例の射出成形または
射出圧縮成形用金型の要部断面図である。この図は真空
排気中の状態を示している。固定側取付板21には固定側
型板22が取付けられおり、固定側取付板21と固定側型板
22には樹脂の注入口である第1スプルー23が設けられて
いる。
上部可動側型板25aには固定側型板22との機密を保持
するためのシール材A26、樹脂の通り道であるランナー2
7、第2スプルー28、バネ29aを有する作動体29が設けら
れている。下部可動側型板25bには上部可動側型板25aと
の気密を保持するためのシール材B30、金型キャビティ2
4、コンダクタンスの大きな排気穴31が設けられてい
る。
この図は、作動体29がバネ29の復元力で上方に位置し
ており、排気穴31は金型キャビティ24と連通し、型内の
エアや水分等は瞬時に排気される状態を示している。
第1図(b)は第1図(a)における作動体が作動し
た状態を示す図である。位置(a)と同一符号を付した
ものはそれぞれ同一の要素を示しており、説明を省略す
る。
固定側取付板21と固定側型板22には第1スプルー23が
設けられており、上部可動側型板25aにはシール材A26、
ランナー27、第2スプルー28、作動体29が設けられてい
る。下部可動側型板25bにはシール材B30、金型キャビテ
ィ24、排気穴31が設けられている。
溶融した樹脂は、第1スプルー23を通り、ランナー27
を満たし、作動体29の傾斜面に圧力を加える。この圧力
が作動体29のバネ29aに勝って作動体29が下降し、排気
穴31を塞ぐ。金型キャビティ24に充満した樹脂は排気穴
31が作動体29によって塞がれているので、金型キャビテ
ィ24の外に流出することがない。
この実施例では、作動体の設置位置により作動のタイ
ミングを変化させることが可能である。
また、効果としては、特別な装置がなくても排気穴31
の開閉を確実に行うことができ、成形サイクルの短縮等
が図られる。
(実施例2) 第2図は本発明の第2実施例の射出成形または射出圧
縮成形用金型の断面図である。図において、固定側取付
板41と固定側型板42にはスプルー43が設けられている。
また、固定側取付板42には上部金型キャビティ44a、上
部冷却体45aが設けられている。可動側型板46にはシー
ル材47、上部金型キャビティ44aに対応する位置に下部
金型キャビティ44b、ランナー48、ゲート53、上部冷却
体45aと対応する位置に下部冷却体45b、真空排気経路と
しての排気穴49が設けられている。また、固定側型板42
と可動側型板46とのパーティング面において、金型キャ
ビティ44a、44bと排気穴49間にコンダクタンスの大きい
オーバーフロー部52が設けられている。スペーサブロッ
ク50は可動側取付板51と可動側型板46間のスペーサであ
る。
金型キャビティ44a、44bはオーバーフロー部52、排気
穴49に連通しており、瞬時に真空排気される。その後、
溶融した樹脂はスプルー43、ランナー48、ゲート53を経
由して金型キャビティ44a、44bを充填する。排気はその
間も継続されるので、樹脂から発生したガスもエアと同
様に排気される。金型キャビティ44a、44bから流出した
樹脂はオーバーフロー部52に達すると、冷却体45a、45b
によって冷却されて瞬時に凝固する。従って、凝固した
樹脂がオーバーフロー部52を塞ぎ外に樹脂が流出するこ
とがない。
この実施例の効果は、溶融した樹脂を金型に注入して
いる時にも排気を行うことができ、溶融した樹脂はオー
バーフロー部52で凝固するので、複雑な開閉機構を必要
としないで真空排気経路の開閉を行うことができ、か
つ、成形サイクルの短縮等が図られる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明では、金型キャビティに連
通するコンダクタンスの大きい真空排気経路を設け、こ
の真空排気経路を開閉自在とする開閉機構を金型キャビ
ティの近傍に設けたので、金型キャビティのエアや水分
等を瞬時に排出することができ、かつ、金型キャビティ
に充填された樹脂が真空排気経路に流出することがな
い。
従って、金型にエアベントや溝を設ける必要がないの
で、エアベントを閉じるためのエアベントシャットピン
やピンの駆動装置も必要としない。また、瞬時に真空排
気できるので形成サイクルの短縮等にも効果がある。
また特に、ランナーに流出する樹脂の圧力によって作
動する作動体を金型キャビティの近傍に設けたので、作
動体を作動させる特別の装置を必要しない効果がある。
また特に、オーバーフロー部と上部冷却体と下部冷却
体を金型キャビティの近傍に設けたので、樹脂自体で真
空排気経路の開閉を行うので複雑な開閉機構を必要しな
い効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の第1実施例の射出成形または射
出圧縮成形用金型の要部断面図、 第1図(b)は第1図(a)における作動体が作動した
状態を示す図、 第2図は本発明の第2実施例の射出成形または射出圧縮
成形用金型の断面図である。 21、41……固定側取付板 22、42……固定側型板 23……第1スプルー 24……金型キャビティ 25a……上部可動側型板 25b……下部可動側型板 26……シール材A 27、48……ランナー 28……第2スプルー 29……作動体 29a……バネ 30……シール材B 31、49……排気穴 43……スプルー 44a……上部金型キャビティ 44b……下部金型キャビティ 45a……上部冷却体 45b……下部冷却体 46……可動側型板 47……シール材 50……スペーサブロック 51……可動側取付板 52……オーバーフロー部 53……ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 待田 精造 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−126458(JP,A) 実開 平1−172448(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形または射出圧縮成形用金型におい
    て、金型キャビティへ注入される樹脂の通り道であるラ
    ンナーに流出する樹脂の圧力によって金型キャビティに
    連通する真空排気経路を開閉する作動体を金型キャビテ
    ィの近傍に設けたことを特徴とする真空成形用金型装
    置。
  2. 【請求項2】射出成形または射出圧縮成形用金型におい
    て、金型キャビティから真空排気経路へ連通するオーバ
    ーフロー部と、前記金型キャビティから流出してくる樹
    脂を前記オーバーフロー部を冷却することによって凝固
    させ、前記真空排気経路を開閉する冷却体を固定側型板
    と可動側型板の対応する位置に対で金型キャビティの近
    傍に設けたことを特徴とする真空成形用金型装置。
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