JP2700878B2 - 抵抗溶接機の溶接電流制御装置 - Google Patents
抵抗溶接機の溶接電流制御装置Info
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Description
(無効分流)の有無を考慮して溶接箇所に一定の溶接電
流が流れるようにした抵抗溶接機の溶接電流制御装置に
関するものである。
接しようとしている近傍に、抵抗またはアーク溶接箇所
や機械的な接合部が存在すると、周知のように溶接箇所
以外の既溶接箇所等の部分に無効電流(無効分流)が流
れる。
これから溶接しようとしている点に流れる溶接電流が不
足し、強度不足などの溶接欠陥となる。そして、上記分
流の有無にかかわりなく、この分流分を考慮した溶接電
流で施工した場合には、分流がない場合には溶接電流が
オーバーして、焼けや歪み、打痕が大きくなり、後工程
の仕上げに多くの作業時間を必要として、そのため、大
きな費用が必要となる。また、分流がある場合でも、そ
の大きさが異なるため、溶接電流がオーバーし、上記の
ような不具合が発生する。
序が決まっているため、分流分を予め想定した溶接条件
の設定が可能である。しかし、この場合でも溶接箇所毎
に最適な溶接電流を流すようにすることは難しい。ま
た、作業者が手動操作で溶接を行なう場合には、作業者
が目視により分流分を想定して、溶接電流を調整するこ
とは、不正確となりがちで、さらに作業性が悪いという
問題がある。
であって、常に最適条件に設定された溶接電流を流すこ
とにより、溶接品質を安定させ、条件設定を容易とし、
さらには作業性を向上させることを目的とした抵抗溶接
機の溶接電流制御装置を提供するものである。
機の溶接電流制御装置においては、電極2,2’による
被溶接物1,1’への溶接点を加圧し、溶接電流Iを通
電して抵抗スポット溶接を行なう抵抗溶接機において、
溶接点を加圧して溶接電流Iを通電する前に、予め抵抗
値R 0 が既知な溶接箇所にパイロット電流を流して全体
の抵抗値を算出し、その算出した抵抗値と溶接箇所の抵
抗値R 0 とで溶接箇所以外の抵抗値R 1 を求め、これに
より既溶接箇所3などへの分流の割合を測定する手段1
2と、この手段12からの信号により無効電流I 1 の分
だけ増加させた電流を溶接電流Iとして設定する設定手
段13とを備えていることを特徴としている。
を参照して説明する。まず、図2により抵抗スポット溶
接における分流について説明する。2つの被溶接物1,
1’の両側から一対の電極2,2’が加圧され、所定の
溶接電流でもって所定の時間通電されて溶接が行なわれ
る。図中3は、既に溶接し終わった既溶接箇所を示し、
この既溶接箇所3が無い場合には、溶接電流は実線4に
示すように電極2,2’間の最短距離を流れ、全て有効
な電流となる。
3が有る場合には、溶接電流は実線4に示す以外に、電
極2→被溶接物1→既溶接箇所3→被溶接物1’→電極
2’を介して一点鎖線5に示す電流が流れる。この一点
鎖線5に示す電流が無効電流(無効分流)と呼ばれるも
のであり、溶接しようとする箇所以外に流れるために無
効な電流となり、溶接に必要な電流が不足することにな
る。なお、被溶接物1,1’間に既溶接箇所3がなく
て、機械的な接合部が存在する場合にも、その接合部を
介して無効電流が流れる。そのため、既溶接箇所3があ
る場合と同様に溶接に必要な電流が不足することにな
る。
既溶接箇所3や機械的な接合部の存在の有無に関わら
ず、溶接しようとする箇所に要求される最適の(過不足
のない)溶接電流を流すようにしたものである。図3は
溶接しようとする箇所の溶接電流を最適に設定するため
の説明図を示し、図中R1 は既溶接箇所3や機械的な接
合部の抵抗値を示し、R0 は溶接しようとしている溶接
箇所の抵抗値を示している。また、Iは電極2,2’間
に流れる全体の溶接電流を、I1 は既溶接箇所3や機械
的な接合部に流れる無効電流を、またI0 は溶接箇所に
流れる有効電流である。
物1,1’の材質、板厚、表面状況などでほぼ一定な既
知な値である。しかし、既溶接箇所3や機械的な接合部
(以下、既溶接箇所3等で表現する)の抵抗値R1 は、
これらの条件(被溶接物1,1’の材質、板厚、表面状
況)が同一であっても、既溶接箇所3の数や溶接しよう
としている点からの距離などによって変化するものであ
る。
知な値であるR0 との合成値として演算されて求めるこ
とができる。そして、溶接箇所の抵抗値R0 は既知であ
るので、R1 とR0 とに流れる電流の分流比を容易に知
ることができる。したがって、所望の電流I0 も予め決
まっているので、I=I0 +I1 の式から満足する溶接
電流Iを決定する。しかしながら、実際の抵抗溶接で
は、通電中に通電による温度上昇があり、抵抗値R0 と
R1 は増加する。この抵抗値R0 とR1 の増加は一定で
は無く、抵抗値R0 がはるかに大きく、静的な抵抗値の
測定結果に、この温度上昇による抵抗値の増加を考慮し
て、電極2,2’間に流す溶接電流Iの設定を行なう。
構成図を示し、10は抵抗溶接機本体側に設けられ全体
の制御を行なう制御装置10である。この制御装置10
は、トランジスタインバータ等からなるパワー出力部1
1と、既溶接箇所3等の抵抗値を算出する比較演算部1
2と、この比較演算部12からの信号により上記溶接電
流Iを設定する溶接電流設定部13と、これらの各部の
制御を行ないCPU等からなる制御部14等で構成され
ている。また、溶接トランス20の1次側は制御装置1
0のパワー出力部11の出力端と接続されており、溶接
トランス20の2次側は整流装置(図示せず)を介して
上記電極2,2’にそれぞれ接続されている。
る場合の制御動作について説明する。まず、被溶接物
1,1’の溶接を行なう箇所に電極2,2’を加圧して
接触させ、制御装置10の制御部14にてパワー出力部
11を駆動して、溶接箇所にパイロット電流を流す。こ
のパイロット電流は、これから溶接しようとする点と、
これ以外の箇所に流れる電流の割合を調べるものであ
り、通電による温度上昇が抵抗値に変化を与えない程度
の大きさの電流である。このパイロット電流を流すこと
により、これから溶接しようとする点と、これ以外の箇
所に流れる電流の割合を知ることができる。すなわち、
パイロット電流を流すことで全体の抵抗値を算出するこ
とができ、これから溶接しようとする点の抵抗値R0 は
既知なので、その全体の抵抗値Rと既知の抵抗値R0 を
比較演算部12で演算を行なうことで、既溶接箇所3等
の抵抗値R1 (図3参照)を求める。
の抵抗値R0 と、それ以外の既溶接箇所3等の抵抗値R
1 とは並列的な接続となっているので、抵抗値R0 と抵
抗値R1 とに流れる電流の分流比を容易に求めることが
できる。そして、溶接箇所に流す必要な電流I0 から分
流比により決まる無効電流I1を加えた電流を溶接電流
Iとして溶接電流設定部13にて設定する。すなわち、
溶接箇所毎にパイロット電流を流し、全体の抵抗値を算
出し、その算出した抵抗値と溶接箇所の抵抗値とで、溶
接箇所以外の抵抗値を求め、これにより溶接電流Iの分
流比を求め、無効電流の分だけ増加させた電流を溶接電
流Iとして自動的に設定しているものである。この設定
された溶接電流Iになるように制御部14がパワー出力
部11を駆動制御し、被溶接物1,1’を電極2,2’
で所定の圧力でもって加圧し、所望の溶接電流Iを所定
の時間被溶接物1,1’間に流すことになる。これによ
り溶接箇所に過不足なく最適の溶接電流を流すことがで
き、最良の溶接品質を得ることができる。
い場合には、パイロット電流を流しても分流は生じず、
測定時における全体の抵抗値と、溶接箇所の既知の抵抗
値とは同じになるので、この場合の溶接電流Iは、無効
電流分の増加が無いので、I=I0 (図3参照)とな
る。
設定された最適の溶接電流Iを流すことができ、そのた
め、溶接品質を安定させることができる。また、条件設
定が容易となり、作業性を向上させることができる。
によれば、通常の通電前に電極間にパイロット電流を流
して既溶接箇所や機械的な接合部への分流の割合を調
べ、既溶接箇所などへ分流する電流を増加させた値を溶
接電流として設定し、この設定した溶接電流を流すこと
で、分流の有無に関わらず、常に最適条件に設定された
溶接電流を流すことができ、それにより、溶接品質を安
定させ、条件設定を容易とし、さらには作業性を向上さ
せることができる。したがって、溶接点に流れる溶接電
流は所定の電流値となり、従来生じていた溶接電流が不
足による強度不足などの溶接欠陥の発生を防止できる。
また溶接点に流す溶接電流は常に一定となり、従来とは
異なり溶接電流がオーバーすることがなく、そのため、
過度の溶接電流による焼けや歪みを防止すると共に、打
痕の大きさも適度となり、後工程の仕上げが不要とな
り、作業性が向上して低コスト化を図ることができる。
ク構成図である。
場合の説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 電極(2)(2’)による被溶接物
(1)(1’)への溶接点を加圧し、溶接電流(I)を
通電して抵抗スポット溶接を行なう抵抗溶接機におい
て、溶接点を加圧して溶接電流(I)を通電する前に、
予め抵抗値(R 0 )が既知な溶接箇所にパイロット電流
を流して全体の抵抗値を算出し、その算出した抵抗値と
溶接箇所の抵抗値(R 0 )とで溶接箇所以外の抵抗値
(R 1 )を求め、これにより既溶接箇所(3)などへの
分流の割合を測定する手段(12)と、この手段(1
2)からの信号により無効電流(I 1 )の分だけ増加さ
せた電流を溶接電流(I)として設定する設定手段(1
3)とを備えていることを特徴とする抵抗溶接機の溶接
電流制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7279649A JP2700878B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 抵抗溶接機の溶接電流制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7279649A JP2700878B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 抵抗溶接機の溶接電流制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0999379A JPH0999379A (ja) | 1997-04-15 |
JP2700878B2 true JP2700878B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=17613930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7279649A Expired - Lifetime JP2700878B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 抵抗溶接機の溶接電流制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2700878B2 (ja) |
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JP7245591B2 (ja) * | 2019-01-28 | 2023-03-24 | ダイハツ工業株式会社 | インダイレクトスポット溶接方法 |
JP2021079417A (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 株式会社豊田中央研究所 | スポット溶接方法、スポット溶接の制御装置および制御プログラム |
Family Cites Families (1)
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-
1995
- 1995-10-02 JP JP7279649A patent/JP2700878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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奥田滝夫 「溶接の入門シリーズ6 スポット溶接入門」 重版 (平6−1−20) 産報出版株式会社 P.154−156 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0999379A (ja) | 1997-04-15 |
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