JP2001062570A - シーム溶接装置およびシーム溶接方法 - Google Patents

シーム溶接装置およびシーム溶接方法

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JP2001062570A
JP2001062570A JP24251999A JP24251999A JP2001062570A JP 2001062570 A JP2001062570 A JP 2001062570A JP 24251999 A JP24251999 A JP 24251999A JP 24251999 A JP24251999 A JP 24251999A JP 2001062570 A JP2001062570 A JP 2001062570A
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pressure
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JP24251999A
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English (en)
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Yoshiharu Koyama
義春 小山
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧力が変動しても安定した溶接ができるシ
ーム溶接装置およびシーム溶接方法を提供することを課
題とする。 【解決手段】 被溶接物W1,W2を一対の電極輪2
a,2bで挟み、被溶接物W1,W2に電極輪2a,2
bから加圧力を与えるとともに、通電して溶接するシー
ム溶接装置1において、加圧力を検出する加圧力検出手
段10と、検出した加圧力に基づいて、電極輪2a,2
bに供給する溶接電流を制御する電流制御手段6とを備
えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極輪を回
転させて被溶接物を抵抗溶接するシーム溶接装置および
シーム溶接方法に関し、特に、電極輪から被溶接物に与
えられる加圧力が変動しても安定した溶接ができるシー
ム溶接装置およびシーム溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、気密性、水密性等を必要とする
継手等の抵抗溶接には、シーム溶接が用いられる。シー
ム溶接は、一対の円板状の電極輪の間に重ね合わせた被
溶接物を挟み、電極輪を回転させながら連続的にスポッ
ト溶接を繰り返していく抵抗溶接の一種である。シーム
溶接は、溶接部に大電流を集中し、この大電流によって
生じるジュール熱を熱源として加熱するとともに、電極
輪から溶接部に加圧力を与えて、大電流および加圧下で
金属を溶融接合する。ジュール熱によって発生する熱量
Qを算出する式を数1に示す。
【0003】
【数1】
【0004】シーム溶接は、良好な溶接結果を得るため
に、この熱量Qを一定に維持することが重要である。ま
た、シーム溶接は、式を算出する各要素等の様々な溶
接条件によって、溶接結果に影響が及ぼされる。溶接条
件の中でも、特に、重要な溶接条件の3要素がある。こ
の溶接条件の3要素は、溶接電流、溶接時間および加圧
力である。そのため、シーム溶接では、この3要素を制
御することも重要となる。
【0005】図3に従来のシーム溶接装置の構成図を示
す。シーム溶接装置21は、一対の円板状の電極輪22
a,22bを対向して配設する。電極輪22a,22b
は、重ね合わせた被溶接物W1,W2を挟んだ状態で、
図示しないトラベラにより回転移動自在に軸支される。
また、電極輪22aは、油圧シリンダ等の加圧装置23
によって押圧され、被溶接物W1,W2に加圧力を与え
る。さらに、電極輪22a,22bは、通電装置24か
ら溶接電流が供給され、被溶接物W1,W2間に溶接電
流を流す。通電装置24は、変圧器27の一次側に一次
回路24a、二次側に二次回路24bを有する。一次回
路24aは、交流電源25を備え、逆並列接続されたサ
イリスタを備える電力調整部26で所定の電流値に調整
して、変圧器27に一次電流を供給する。なお、所定の
電流値とは、電極輪22a,22bから一定の溶接電流
を流すために見合う電流値である。そして、変圧器27
で変圧された後、二次回路24bは、二次導体28,2
8を介して二次電流(すなわち、溶接電流)を電極輪2
2a,22b間に供給する。
【0006】前記したようにシーム溶接には、溶接条件
の3要素がある。図3に示すように、被溶接物W1,W
2に流れる溶接電流は、電流設定器30で設定され、一
次回路24a側に配設された電流検出器29で測定され
る。なお、電流検出器29を、二次回路24b側に設け
る場合もある。そして、シーム溶接装置21は、電流設
定器30で設定された設定電流値とこの測定した電流値
との差を信号合成点(演算部)31で演算する。さら
に、シーム溶接装置21は、この差に増幅器32で、所
定のゲインを掛けて得られる信号をゲート信号として、
電力調整部26にフィードバック制御し、溶接電流を一
定値に維持している。また、溶接時間は、電極輪22
a,22bを載置したトラベラの移動速度を制御するこ
とにより、一定値を維持している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、加圧装置23で
ある油圧シリンダのシリンダ圧を一定値に維持すること
により、加圧力を一定値に維持することができると考え
られていた。そのため、シリンダ圧を一定値に維持する
ように制御していた。しかし、溶接電流、溶接時間およ
びシリンダ圧を一定値に制御しているにもかかわらず、
溶接破断等の溶接不良が発生した。そこで、電極輪22
bに荷重計を設置し、荷重(すなわち、加圧力)を測定
しながら、シーム溶接を行った。図4に従来のシーム溶
接装置21における時間経過に伴う(a)シリンダ圧と
(b)加圧力の実測値を表すグラフを示す。このシーム
溶接では、図4(a)に示すように、加圧装置23のシ
リンダ圧を一定値に維持している。しかし、実際には、
図4(b)に示すように、電極輪22bで測定した加圧
力は、変動している。この加圧力の変動が実測されたシ
ーム溶接では、被溶接物が溶けすぎて押しつぶされ、溶
接部が過薄となったり、あるいは溶け込み不足のため
に、溶接不良が発生した。ちなにみ、溶接電流および溶
接時間を一定値に維持していた。
【0008】被溶接物W1,W2が各々先行金属帯板の
テールエンドと後行金属帯板のリーダーエンドである場
合に、加圧力が変動する要因としては、溶接開始時に電
極輪22a,22bが被溶接物W1,W2の端部に当た
った場合、被溶接物W1,W2が湾曲している場合、金
属帯板のテールエンドとリーダーエンドを各々クランプ
する上下のクランプ部材の平行度が不良な場合、剛性不
足による上下のクランプ部材の湾曲している場合または
被溶接物W1,W2の一部が溶接されて溶融し一体化し
た場合等が考えられた。そのため、シリンダ圧を一定値
に維持しても、加圧力を一定値に維持することができな
い。その結果、溶接不良が発生し、さらに溶接不良の程
度が甚だしい場合には溶接部での金属帯板の破断を生
じ、ひいては、金属帯板処理ラインの生産性が低下す
る。
【0009】そこで、本発明の課題は、加圧力が変動し
ても安定した溶接ができるシーム溶接装置およびシーム
溶接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係るシーム溶接装置は、被溶接物を一対の電極輪で
挟み、前記被溶接物に前記電極輪から加圧力を与えると
ともに、通電して溶接するシーム溶接装置において、前
記加圧力を検出する加圧力検出手段と、前記検出した加
圧力に基づいて、前記電極輪に供給する溶接電流を制御
する電流制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】前記課題を解決した本発明に係るシーム溶
接方法は、被溶接物を一対の電極輪で挟み、前記被溶接
物に前記電極輪から加圧力を与えるとともに、通電して
溶接するシーム溶接方法において、前記加圧力を検出す
る加圧力検出工程と、前記検出した加圧力に基づいて、
前記電極輪に供給する溶接電流を制御する電流制御工程
と、を含むことを特徴とする。
【0012】このシーム溶接装置およびシーム溶接方法
によれば、加圧力が変動しても、加圧力の変動に起因す
る電極輪間の抵抗の変化を溶接電流の制御で補う。その
結果、抵抗溶接のジュール熱による熱量を一定値に維持
することができ、安定して良好な溶接結果を得ることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るシーム溶接装置およ
びシーム溶接方法を図面を参照して説明する。図1はシ
ーム溶接装置の構成図、図2はシーム溶接方法による溶
接電流制御のフローチャートである。
【0014】まず、図1を参照して、シーム溶接装置1
の構成について説明する。シーム溶接装置1は、主とし
て、一対の電極輪2a,2b、加圧装置3、通電装置4
および加圧力検出手段10から構成される。通電装置4
は、交流電源5、電流制御手段6、変圧器7および二次
導体8,8からなる。
【0015】電極輪2a,2bは、上下一対の円板形状
の電極であり、従来のシーム溶接装置に使用されている
電極輪に対して特に特徴を有するものでない。電極輪2
a,2bは、加圧装置3によって押圧され、被溶接物W
1,W2に加圧力を加える。また、電極輪2a,2b
は、二次導体8,8に各々接続され、通電装置4から供
給された溶接電流を被溶接物W1,W2に流す。さら
に、電極輪2a,2bは、図示しないトラベラ上に配置
され、被溶接物W1,W2を挟んだ状態で上下一対で駆
動回転もしくは他動(トラベラの移動により)回転しな
がら平行移動(図1の矢印方向)する。
【0016】加圧装置3は、電極輪2aを押圧する装置
であり、従来のシーム溶接装置に使用されている加圧装
置に対して特に特徴を有するものでない。加圧装置3と
しては、例えば、油圧シリンダ、空気圧シリンダ等があ
る。加圧装置3として油圧シリンダを使用する場合、油
圧シリンダ(加圧装置3)で上側電極輪2aを押圧する
とともに、下側電極輪2bを加圧方向の定位置に固定し
て、電極輪2a,2b間に加圧力を与える。なお、加圧
装置3は、シリンダ圧(油圧シリンダや空気圧シリンダ
の場合)が一定となるように制御され、電極輪2aを押
圧する。そして、電極輪2a,2bから被溶接物W1,
W2に加圧力を加える。なお、加圧力は、被溶接物W
1,W2の材質や板厚あるいは溶接速度等に応じて決定
される。
【0017】加圧力は、電極輪2a,2bと被溶接物W
1,W2間および被溶接物W1と被溶接物W2とを接触
させるとともに、溶接と同時に、溶接部をある程度押し
つぶす作用がある。なお、加圧力が増大すると、接触抵
抗が減少する。しかし、前記した理由により、加圧装置
3のシリンダ圧を一定にしても、電極輪2a,2bから
被溶接物W1,W2に加えられる加圧力は、一定でな
い。そのため、接触抵抗が変動する。この接触抵抗の変
動は、式の電極輪間の抵抗Rを変動させる要因とな
る。そのため、電極輪間の抵抗Rが変動すると、他の溶
接条件を一定に維持しても、式のジュール熱の熱量Q
が変動する。その結果、溶接不良が発生する。
【0018】通電装置4は、変圧器7を介して一次側に
一次回路4aと二次側に二次回路4bを有する。一次回
路4aは、交流電源5と電流制御手段6からなり、変圧
器7に一次電流を供給する。変圧器7は、一次回路4a
から供給される一次電圧を降圧するとともに、一次電流
を大電流に変成し、二次回路4bに供給する。二次回路
4bは、変圧器7から供給された二次電流を二次導体
8,8を介して、電極輪2a,2b間に交流の溶接電流
として供給する。なお、交流電源5、変圧器7および二
次導体8,8は、従来のシーム溶接装置に使用されてい
るものに対して特に特徴を有するものでない。また、電
流制御手段6は、変圧器7へ供給する一次電流(ひいて
は、溶接電流)を制御する手段であり、後で詳細に説明
する。
【0019】加圧力検出手段10は、電極輪2a,2b
から被溶接物W1,W2に加えられる加圧力を検出する
手段であり、特に手段を限定しない。例えば、荷重計や
ロードセル等がある。荷重計は、電極輪2bにかかって
いる荷重を計測し、それを加圧力とする。加圧力検出手
段10は、シーム溶接中常時、加圧力を検出し、その値
を信号合成点(演算部)14に送信する。
【0020】信号合成点(演算部)14は、加圧力設定
器15で設定された加圧力設定値と加圧力検出値との差
を演算し、その差を増幅器16に送信する。
【0021】増幅器16は、加圧力設定値と加圧力検出
値との差に所定のゲインを掛けて、電流制御手段6の信
号合成点(演算部)11に送信する。
【0022】電流制御手段6は、電流検出器9、信号合
成点(演算部)11,14、制御用増幅器12、電力調
整部13、加圧力設定器14、増幅器16および電流設
定器17からなる。電流制御手段6は、電流設定器17
からの電流設定に従って、一次電流を変圧器7に供給す
る。通常、電流制御手段6は、電流検出器9で一次電流
を検出し、フィードバック制御により、一次電流(ひい
ては、溶接電流)を一定に維持する。すなわち、電流設
定器17からの電流設定値と電流検出器9からの電流検
出値との差を信号合成点(演算部)11で演算する。そ
して、制御用増幅器12でその差に所定のゲインを掛け
て、ゲート信号として、サイリスタ13a,13bに信
号を送信し、一次電流(一次電力)を制御する。また、
加圧力が変動した場合、電流制御手段6は、加圧力検出
手段10で検出された加圧力と加圧力設定器15で設定
された加圧力との差に対応して、増幅器16から送信さ
れる信号を信号合成点(演算部)11で前記の電流差に
加減算(増幅器16からの信号の正負に応じる)して、
フィードバック制御により、一次電流(ひいては、溶接
電流)を変動させる。なお、電流指令は、変圧器7等の
仕様を考慮して、電極輪2a,2bに供給する溶接電流
に見合う電流値が設定される。
【0023】加圧力が一定の場合、電流制御手段6は、
電流検出器9で検出される一次電流(ひいては、溶接電
流)が一定の値を維持するように、電力調整部13から
の出力電流(すなわち、一次電流)を制御する。他方、
加圧力が変動した場合、前記したように接触抵抗が変動
するため、式のジュール熱の熱量Qが変動する。そこ
で、加圧力の変動に伴う接触抵抗の変動に対応するため
に、式のジュール熱の熱量Qが一定の値を維持するよ
うに溶接電流の値を変動させる。つまり、加圧力検出値
が加圧力設定値より大きくなると、接触抵抗(式の電
極輪間の抵抗R)が所期の値より小さくなるので、溶接
電流を大きくする制御を行う。また、加圧力検出値が加
圧力設定値より小さくなると、接触抵抗(式の電極輪
間の抵抗R)が所期の値より大きくなるので、溶接電流
を小さくする制御を行う。本実施の形態では、溶接電流
を制御するために、電流制御手段6は、加圧力検出手段
10で検出された加圧力の変動に対応して、電力調整部
13からの出力電流(すなわち、一次電流)を変動させ
る。
【0024】電流検出器9は、一次回路4aを流れる一
次電流を検出し、信号合成点(演算部)11にその値を
入力する。
【0025】制御用増幅器12は、信号合成点(演算
部)11からの信号に所定のゲインを掛けて増幅し、電
力調整部13に出力する。
【0026】電力調整部13は、逆並列接続されたサイ
リスタ13a,13bからなり、変圧器7に一次電流を
供給する。電力調整部13のサイリスタ13a,13b
の各ゲートには、制御用増幅器12を介して信号合成点
(演算部)11から目標の溶接電流に見合うゲート信号
が入力される。そして、電力調整部13は、ゲート信号
に従って、変圧器7に供給される一次電流を制御する。
【0027】シーム溶接装置1による加圧力が変動した
場合の溶接電流制御について説明する。まず、作業者
が、溶接電流、加圧力、溶接時間等の溶接条件を決定
し、加圧力設定器15、電流設定器17および図示しな
いトラベラの移動速度設定器等により、シーム溶接装置
1に設定する。そして、シーム溶接が開始されると、加
圧力検出手段10では、電極輪2a,2bから被溶接物
W1,W2に加わる加圧力を検出する。信号合成点(演
算部)14で加圧力設定値と加圧力検出値は、その差が
演算され、増幅器16を介して信号合成点(演算部)1
1に入力される。信号合成点(演算部)11は、電流設
定値と電流検出値との差を演算するとともに、この差に
前記増幅器16を介して送信されてくる信号を加減算し
て、補正値を演算する。
【0028】検出した加圧力が設定した加圧力より大き
くなった場合、接触抵抗(式の電極輪間の抵抗R)が
小さくなるので、式のジュール熱の熱量Qが一定値を
維持するように、溶接電流を大きくする制御を行う。そ
のために、信号合成点(演算部)11は、ジュール熱の
熱量Qが一定値を維持するために必要な溶接電流に見合
う一次電流を供給するために、ゲート信号を補正し、制
御用増幅器12を介して電力調整部13に出力する。す
ると、電力調整部13は、補正されたゲート信号に従っ
て、一次電流を大きくし、変圧器7に供給する。その結
果、変圧器7および二次導体8,8を介して、電極輪2
a,2b間に補正されて大きくなった溶接電流が流れ、
ジュール熱の熱量Qが一定値に維持される。
【0029】他方、検出した加圧力が設定した加圧力よ
り小さくなったと判断された場合、接触抵抗(式の電
極輪間の抵抗R)が大きくなるので、式のジュール熱
の熱量Qが一定値を維持するように、溶接電流を小さく
する制御を行う。そのために、信号合成点(演算部)1
1は、ジュール熱の熱量Qが一定値を維持するための溶
接電流に見合う一次電流を供給するために、ゲート信号
を補正し、制御用増幅器12を介して電力調整部13に
出力する。すると、電力調整部13は、補正されたゲー
ト信号に従って、一次電流を小さくし、変圧器7に供給
する。その結果、変圧器7および二次導体8,8を介し
て、電極輪2a,2b間に補正されて小さくなった溶接
電流が流れ、ジュール熱の熱量Qが一定値に維持され
る。
【0030】加圧力が変動した場合、一次電流(ひいて
は、溶接電流)をどの程度変動させるかは、加圧力と接
触抵抗の関係によって決定する。加圧力と接触抵抗との
関係は、被溶接物W1,W2の材質、板厚等の要因によ
って変わる。例えば、検出した加圧力が設定した加圧力
に対して15%変動した場合、設定した電流値に対して
7%程度変動させる。
【0031】このシーム溶接装置1によれば、加圧力が
変動しても、加圧力の変動に伴う接触抵抗の変動に対し
て溶接電流を調節することにより、シーム溶接によって
発生するジュール熱の熱量を一定値に維持する。そのた
め、被溶接物W1,W2間の溶融が所定の条件に安定
し、溶接不良が発生しない。
【0032】次に、図2を参照して、シーム溶接装置1
に適用した場合のシーム溶接方法を説明する。このシー
ム溶接方法は、シーム溶接中の加圧力の変動に対処する
ために、溶接電流を制御することに特徴を有するため、
その点を詳細に説明する。
【0033】シーム溶接開始前、作業者が、電流制御手
段6の電流設定器17で所定の溶接電流を初期設定する
とともに、加圧装置3にシリンダ圧を初期設定し、さら
に所定の加圧力を加圧力設定器15で初期設定する(S
101)。ちなみに、電流制御手段6は変圧器7の一次
側であるため、所定の溶接電流の初期設定は、変圧器7
等の仕様を考慮して、所定の溶接電流を電極輪2a,2
bに供給するための一次電流を初期設定する。なお、所
定の溶接電流および所定の加圧力は、被溶接物W1,W
2の板厚、板幅、材質、固有抵抗や、電極輪2a,2b
の移動速度等によって決定する。また、溶接電流と加圧
力は、シーム溶接において、お互いに密接に関係するの
で、お互いの初期設定値を関連づけて設定する。シーム
溶接中、ジュール熱の熱量Q(式参照)を一定に維持
するように制御する。
【0034】次に、シーム溶接装置1では、被溶接物W
1,W2を重ね合わせた状態で、電極輪2a,2bの間
に配設される。そして、シーム溶接装置1は、加圧装置
3によって電極輪2a,2bを押圧して、電極輪2a,
2bから被溶接物W1,W2に加圧力を加えるととも
に、通電装置4から供給された溶接電流を電極輪2a,
2bから被溶接物W1,W2に流し、シーム溶接を開始
する(S102)。さらに、電極輪2a,2bを載置し
た図示しないトラベラによって所定速度で移動させて、
連続的にスポット溶接を繰り返していく。
【0035】なお、シーム溶接装置1は、シーム溶接が
終了したか否かが検出される(S103)。そして、シ
ーム溶接中であれば、加圧力の変動に対する溶接電流制
御のS104〜S109の各処理を繰り返し実行する。
【0036】シーム溶接中、常時、シーム溶接装置1
は、加圧力検出手段10によって、電極輪2a,2bか
ら被溶接物W1,W2に加えられる加圧力を検出する
(S104)。そして、この検出された加圧力は、信号
合成点(演算部)14に入力される。信号合成点(演算
部)14は、加圧力設定器15で設定された設定加圧力
と検出加圧力との差を演算し、その差を増幅器16に送
信する。さらに、増幅器16は、設定加圧力と検出加圧
力との差に所定のゲインを掛けて、電流制御手段6の信
号合成点(演算部)11に送信する。
【0037】信号合成点(演算部)11は、この検出加
圧力と設定加圧力を比較し、変動しているか否かを判断
する(S105)。なお、検出加圧力が変動していない
と判断すると、S107に処理が移る。
【0038】検出加圧力が設定加圧力に対して変動して
いると判断すると、検出加圧力と設定加圧力との差に対
応して、増幅器16から送信される信号を信号合成点
(演算部)11で加減算して補正値を演算し、フィード
バック制御により、一次電流(ひいては、溶接電流)を
補正する。さらに、信号合成点(演算部)11は、補正
した溶接電流Iに見合うゲート信号を制御用増幅器12
を介して電力調整部13に送信する。その結果、補正さ
れた溶接電流Iに見合う一次電流が電力調整部13から
変圧器7に供給され、電極輪2a,2b間に補正した溶
接電流Iが流れる(S106)。このように、溶接電流
Iを補正調節することによって、電極輪間の抵抗R(接
触抵抗)の変動を補い、シーム溶接によるジュール熱の
熱量Qを一定値に維持する。ちなみに、溶接電流Iを補
正後、S107に処理が移る。
【0039】さらに、電流検出器9で一次回路4aに流
れる一次電流を測定し、(S107)、信号合成部(演
算部)11にその値を送信する。
【0040】信号合成点(演算部)11は、この検出電
流と設定電流を比較し、変動しているか否かを判断する
(S108)。なお、検出電流が変動していないと判断
すると、S103に処理が移る。
【0041】検出電流が設定電流に対して変動している
と判断すると、電流設定器17からの設定電流と電流検
出器9からの検出電流との差を信号合成点(演算部)1
1で演算する。そして、制御用増幅器12でその差に所
定のゲインを掛けて、ゲート信号として、サイリスタ1
3a,13bに信号を送信し、一次電流(一次電力)を
補正する(S109)。
【0042】このシーム溶接方法によれば、設定した加
圧力に対する検出した加圧力の変動に対応して溶接電流
を制御することによって、シーム溶接によるジュール熱
の熱量を一定値に維持する。そのため、多数の要因によ
って変動する加圧力を一定に維持するという実現困難な
制御を行うことなく、シーム溶接を安定させることがで
きる。
【0043】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、電
流制御手段を一次回路側に設けたが、二次回路側に設け
てもよい。また、電流を逆並列接続されたサイリスタの
ゲートにゲート信号を入力することによって調整した
が、他の回路構成によって電流調整を行ってもよい。例
えば、サイリスタを一個としてもよく、サイリスタの代
わりにイグナイトロン等を用いてもよい。また、加圧力
の変動に対応して一次電流(ひいては、溶接電流)を変
動させたが、加圧力の変動が設定加圧力に対して所定割
合以下の時には、一次電流を変動させない不感帯域を設
けてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るシーム溶接装置およびシー
ム溶接方法によれば、加圧力が変動しても、溶接電流を
補正制御することによってジュール熱の熱量を一定に維
持し、安定したシーム溶接を行うことができる。そのた
め、溶けすぎによる溶接部の過薄や溶け込み不足による
溶接強度不足等の溶接不良が発生せず、帯板連続処理ラ
インにおける先行帯板のテールエンドと後行帯板のリー
ダーエンドとの溶接部の破断等が減少し、生産性が向上
する。ちなみに、板厚0.3〜6.0mmのステンレス
鋼および普通鋼帯板の連続コーティングラインにおける
帯板溶接部の破断率が従来の1/4に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシーム溶接装置の構成図である。
【図2】本発明に係るシーム溶接方法による溶接電流制
御のフローチャートである。
【図3】従来のシーム溶接装置の構成図である。
【図4】従来のシーム溶接装置における加圧力に関する
時間経過に伴うグラフであり、(a)はシリンダ圧、
(b)は加圧力の実測値である。
【符号の説明】
1・・・シーム溶接装置 2・・・電極輪 2a・・・上側電極輪 2b・・・下側電極輪 3・・・加圧装置 4・・・通電装置 5・・・交流電源 6・・・電流制御手段 7・・・変圧器 8・・・二次導体 9・・・電流検出器 10・・・加圧力検出手段 11,14・・・信号合成点(演算部) 12・・・制御用増幅器 13・・・電力調整部 15・・・加圧力設定器 16・・・増幅器 17・・・電流設定器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接物を一対の電極輪で挟み、前記被
    溶接物に前記電極輪から加圧力を与えるとともに、通電
    して溶接するシーム溶接装置において、 前記加圧力を検出する加圧力検出手段と、 前記検出した加圧力に基づいて、前記電極輪に供給する
    溶接電流を制御する電流制御手段と、 を備えることを特徴とするシーム溶接装置。
  2. 【請求項2】 被溶接物を一対の電極輪で挟み、前記被
    溶接物に前記電極輪から加圧力を与えるとともに、通電
    して溶接するシーム溶接方法において、 前記加圧力を検出する加圧力検出工程と、 前記検出した加圧力に基づいて、前記電極輪に供給する
    溶接電流を制御する電流制御工程と、 を含むことを特徴とするシーム溶接方法。
JP24251999A 1999-08-30 1999-08-30 シーム溶接装置およびシーム溶接方法 Withdrawn JP2001062570A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012228720A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Daihen Corp 抵抗溶接制御装置
CN107538118A (zh) * 2016-06-24 2018-01-05 四川艾尔法泰克科技有限公司 滚压焊接机及其机头

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