JP6299356B2 - 抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 - Google Patents
抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6299356B2 JP6299356B2 JP2014081734A JP2014081734A JP6299356B2 JP 6299356 B2 JP6299356 B2 JP 6299356B2 JP 2014081734 A JP2014081734 A JP 2014081734A JP 2014081734 A JP2014081734 A JP 2014081734A JP 6299356 B2 JP6299356 B2 JP 6299356B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welding
- point
- nugget diameter
- current
- following formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Resistance Welding (AREA)
Description
本発明の第1の態様では、単点溶接の場合における既知のウェルドローブを用いて、電流条件I0、kに対応する、既打点が1点又は2点の場合における溶接点のナゲット径da、kを推定する。複数の電流条件のそれぞれに対応する溶接点のナゲット径を推定することにより、既打点が1点又は2点の場合におけるウェルドローブを推定することが可能である。したがって、このような形態にすることにより、板厚が同じである2枚の被溶接材を抵抗スポット溶接する場合に、既に得られている単点溶接のウェルドローブを用いて、電流の分流の考慮が必要な条件におけるウェルドローブを机上で簡便に予測することが可能な、抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法を提供することができる。
かかる形態にすることにより、溶接点を流れるべき電流が既打点へと分流する場合に、単点溶接の場合と同じナゲット径d0を得るために必要な、電流I0 *を簡便に予測することも可能になる。
図1は、本発明の抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法S10を説明する図である。図1に示した本発明は、ナゲット径推定工程(S1)と、電流推定工程(S2)と、を有している。本発明の構成について後述する(i)〜(v)のうち、(i)〜(iii)がナゲット径推定工程に関する説明であり、(iv)が電流推定工程に関する説明である。また、(v)は、溶接される2枚の被溶接材(鋼板)の板厚が異なる場合に関する説明である。
(i)板厚がtで同材質の2枚の鋼板を重ね、電極間に通電量I0を通じて抵抗スポット溶接する場合、溶接点から距離bの位置に(A)既打点が1点有る場合、および、(B)既打点が2点有る場合、溶接点に流れる電流IaはIa=ka・I0で表わされ、kaは、条件(A)に対しては下記の式(1)で与えられ、条件(B)に対しては下記の式(2)で与えられる。
(iv)電流=I0、通電時間=τeの溶接条件のもと、単点溶接でナゲット径d0が得られたとする。これに対し、既打点に電流が分流する分流溶接においても同じ加圧力および通電時間でナゲット径d0(狙いナゲット径)を得るために必要な電流をI0 *とする。このとき、単点溶接ではN通りの電流条件I0、j(j=1〜N)に対するウェルドローブd0、j(j=1〜N)が実験より既知であるとすると、上記(iii)により、I0、jに対応する分流溶接時のウェルドローブda、j(j=1〜N)も直ちに予測できるから、図2に示すように、da、1≦d0≦da、Nの場合には式(4)から線形補間によりI0 *を求めることができる。
da、j≦d0≦da、j+1 (j=1、2、…、N−1)
である。
ところで、d0>da、Nの場合には、前述のような既知点からの補間でI0 *を求めることはできない。この場合には、単点溶接のウェルドローブを実測結果から関数近似し、高電流域(>I0、N)のd0を補外すればよい。例えば、既知のウェルドローブ(I0、j、d0、j;j=1〜N)が、ある関数fを用いて
本発明で取り扱う同材質同板厚の2枚重ね板組に対し、分流溶接時の通電経路についてモデル化することを考える。図3は、(A)溶接点から距離bの位置に既打点が1点有る場合、および(B)溶接点から距離bの位置に、溶接点を挟んで両側に既打点が2点ある場合に、それぞれ2枚の鋼板を一対の電極で挟持しつつ通電した場合の通電経路を模式的に示した図である。
・板組み、電極形状、加圧力が同じ条件下では、通電面積S(通電部の体積)は等しい(図5)
・通電部の熱拡散(熱伝導)、および通電割合kaの時間変化は無視できる
・通電部の比抵抗ρaは一定かつ一様と見なせる(通電部の温度がキュリー点以上と近似)
・分流の有無に関わらず、ナゲット形状は3次元的に相似である
このとき、単点溶接および分流溶接の通電部における発熱量Q0およびQaは、それぞれ図4を参照すれば以下のように書ける。
表2に示す条件1および条件2について、分流溶接時のウェルドローブを、実験結果と本発明による予測結果とで比較した。具体的には、式(3)のd0には実験より得られた単点溶接のウェルドローブを用い、得られた分流溶接時の予測ウェルドローブda Predを実測のウェルドローブda Expと比較した。条件1についての結果を表3および図6に、条件2についての結果を表4および図7に、それぞれ示す。なお、条件1は、厚さ1.4mmの2枚のJSC270Dを溶接する条件であり、条件2は、厚さ1.0mmの2枚のJSC590Rを溶接する条件である。また、上付き文字「Exp」は実験結果であることを意味し、上付き文字「Pred」は本発明による予測結果であることを意味する。
JSC270DおよびJSC590Rを含む異材同厚(条件3〜条件4)および異材異厚(条件5〜条件6)の4つの板組みを対象に、本発明を用いて分流溶接時のウェルドローブを予測した。ここでは式(3)のd0に2次元有限要素法(2D FEM)解析より得た単点溶接時のナゲット径を用いた。また、本発明による予測結果と比較する分流溶接時のナゲット径daは、実験結果の代わりに3次元有限要素法(3D FEM)解析の結果を用いた。具体的な解析条件を表5および表6に、結果を図8〜図11に、それぞれ示す。なお、条件3は、厚さ1.0mmのJSC270Dと厚さ1.0mmのJSC590Rとを溶接する条件であり、条件4は、厚さ1.4mmのJSC270Dと厚さ1.4mmのJSC590Rとを溶接する条件であり、条件5は、厚さ0.7mmのJSC270Dと厚さ2.3mmのJSC590Rとを溶接する条件であり、条件6は、厚さ0.7mmのJSC590Rと厚さ2.3mmのJSC270Dとを溶接する条件である。
Claims (3)
- 抵抗スポット溶接により溶接すべき溶接点を流れる電流が、前記溶接点から所定の距離の位置に存在する、既に溶接された既打点へと分流することを考慮しつつ、前記溶接点における通電電流とナゲット径との関係であるウェルドローブを単点溶接時の既知のウェルドローブから推定するナゲット径推定工程を有し、
前記ナゲット径推定工程は、
抵抗スポット溶接により溶接される2枚の被溶接材それぞれの厚さをt、
前記2枚の被溶接材を挟む電極間を流れる電流をI0、
前記溶接点を流れる電流をIa、
前記所定の距離をb、
前記既打点が存在しない単点溶接の場合における前記溶接点のナゲット径をd0、
前記単点溶接と同じ溶接条件で溶接した場合における前記溶接点および前記既打点のナゲット径をda、
溶接部の平均的な比抵抗をρa、
分流部の平均的な比抵抗をρb、とするとき、
前記既打点が1点の場合は、Ia=ka・I0のkaが下記式(X)で表され、
前記既打点が2点の場合は、Ia=ka・I0のkaが下記式(Y)で表され、
前記ナゲット径daの関数で表される前記kaをka(da)と表すとき、
前記既打点が1点の場合には、
単点溶接でk通り(kは1より大きい整数)の電流条件I0、kに対してそれぞれ得られたナゲット径d0、kの組み合わせである既知のウェルドローブにおける前記d0、kを下記式(Z)のd0へと代入し、且つ、下記式(X)で表されるkaを下記式(Z)におけるka(da)へと代入することにより、電流条件I0、kに対応する、既打点を有する場合のナゲット径da、kを推定し、
前記既打点が2点の場合には、
単点溶接でk通り(kは1より大きい整数)の電流条件I0、kに対してそれぞれ得られたナゲット径d0、kの組み合わせである既知のウェルドローブにおける前記d0、kを下記式(Z)のd0へと代入し、且つ、下記式(Y)で表されるkaを下記式(Z)におけるka(da)へと代入することにより、電流条件I0、kに対応する、既打点を有する場合のナゲット径da、kを推定する、抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法。
- 抵抗スポット溶接により溶接すべき溶接点を流れる電流が、前記溶接点から所定の距離の位置に存在する、既に溶接された既打点へと分流することを考慮しつつ、前記溶接点における通電電流とナゲット径との関係であるウェルドローブを単点溶接時の既知のウェルドローブから推定するナゲット径推定工程を有し、
前記ナゲット径推定工程は、
抵抗スポット溶接により溶接される第1被溶接材および第2被溶接材の厚さをそれぞれt1およびt2、
前記第1被溶接材および前記第2被溶接材を挟む電極間を流れる電流をI0、
前記溶接点を流れる電流をIa、
前記所定の距離をb、
前記既打点が存在しない単点溶接の場合における前記溶接点のナゲット径をd0、
前記単点溶接と同じ溶接条件で溶接した場合における前記溶接点および前記既打点のナゲット径をda、
溶接部の平均的な比抵抗をρa、
分流部の平均的な比抵抗をρb、
前記第1被溶接材に対するρb/ρaを(ρb/ρa)1、
前記第2被溶接材に対するρb/ρaを(ρb/ρa)2、
前記t1、t2、(ρb/ρa)1、および、(ρb/ρa)2を用いて下記式(W)で表される値をρab、とするとき、
前記既打点が1点の場合は、Ia=ka・I0のkaが下記式(X)’で表され、
前記既打点が2点の場合は、Ia=ka・I0のkaが下記式(Y)’で表され、
前記ナゲット径daの関数で表される前記kaをka(da)と表すとき、
前記既打点が1点の場合には、
単点溶接でk通り(kは1より大きい整数)の電流条件I0、kに対してそれぞれ得られたナゲット径d0、kの組み合わせである既知のウェルドローブにおける前記d0、kを下記式(Z)のd0へと代入し、且つ、下記式(X)’で表されるkaを下記式(Z)におけるka(da)へと代入することにより、電流条件I0、kに対応する、既打点を有する場合のナゲット径da、kを推定し、
前記既打点が2点の場合には、
単点溶接でk通り(kは1より大きい整数)の電流条件I0、kに対してそれぞれ得られたナゲット径d0、kの組み合わせである既知のウェルドローブにおける前記d0、kを下記式(Z)のd0へと代入し、且つ、下記式(Y)’で表されるkaを下記式(Z)におけるka(da)へと代入することにより、電流条件I0、kに対応する、既打点を有する場合のナゲット径da、kを推定する、抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法。
- 前記単点溶接で前記電流I0を流す溶接条件下で前記ナゲット径d0が得られる通電時間をτe、
前記溶接点を流れる電流が前記既打点へと分流する場合に前記溶接条件および前記通電時間τeで前記ナゲット径d0を得るために必要な電流をI0 *、とするとき、
さらに、下記式(V)を用いて、前記電流I0 *を推定する電流推定工程を有する、請求項1又は2に記載の抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014081734A JP6299356B2 (ja) | 2014-04-11 | 2014-04-11 | 抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014081734A JP6299356B2 (ja) | 2014-04-11 | 2014-04-11 | 抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015202499A JP2015202499A (ja) | 2015-11-16 |
JP6299356B2 true JP6299356B2 (ja) | 2018-03-28 |
Family
ID=54596303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014081734A Active JP6299356B2 (ja) | 2014-04-11 | 2014-04-11 | 抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6299356B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6874600B2 (ja) * | 2017-08-25 | 2021-05-19 | 日本製鉄株式会社 | 関数決定方法、関数決定装置、関数決定プログラム及び破断予測プログラム |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2700878B2 (ja) * | 1995-10-02 | 1998-01-21 | ナストーア株式会社 | 抵抗溶接機の溶接電流制御装置 |
JP3396636B2 (ja) * | 1998-10-26 | 2003-04-14 | 松下電器産業株式会社 | 抵抗溶接機の制御方法 |
JP5530912B2 (ja) * | 2010-12-02 | 2014-06-25 | 本田技研工業株式会社 | スポット溶接装置における溶接条件の設定方法 |
-
2014
- 2014-04-11 JP JP2014081734A patent/JP6299356B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015202499A (ja) | 2015-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101974298B1 (ko) | 저항 스폿 용접 방법 | |
JP5127788B2 (ja) | 抵抗溶接方法、抵抗溶接部材、抵抗溶接機、抵抗溶接機の制御方法とその制御プログラムおよびその制御装置並びに抵抗溶接の評価方法とその評価プログラムおよびその評価装置 | |
EP3053693A1 (en) | Resistance spot welding method | |
WO2015099192A1 (ja) | 抵抗スポット溶接方法 | |
KR100857048B1 (ko) | 금속들의 용접시 열영향부의 특성들을 모니터링 및 제어하는 방법 | |
Wang et al. | Development of a new combined heat source model for welding based on a polynomial curve fit of the experimental fusion line | |
Ghosh et al. | Mathematical modeling of moving heat source shape for submerged arc welding process | |
CN103366044A (zh) | 一种基于ansys预测cmt焊缝形状尺寸的方法 | |
JP2017013078A (ja) | シミュレーションプログラム | |
US9868175B2 (en) | Seam welding method and seam welding device | |
JP6299356B2 (ja) | 抵抗スポット溶接のナゲット径の推定方法 | |
Schmalen et al. | Resistance measurement of laser welded dissimilar Al/Cu joints | |
KR20180118821A (ko) | 저항 스폿 용접 방법 및 용접 구조물 | |
JP2000126872A (ja) | 抵抗溶接機の制御方法 | |
Zähr et al. | Numerical and experimental studies of the influence of process gases in TIG welding | |
JP5841626B2 (ja) | 片面抵抗溶接方法 | |
Mahapatra et al. | Three-dimensional finite element analysis to predict the effects of shielded metal arc welding process parameters on temperature distributions and weldment zones in butt and one-sided fillet welds | |
JP5582277B1 (ja) | 抵抗スポット溶接システム | |
Wang et al. | Finite element analysis of clamping form in wire and arc additive manufacturing | |
Deshmukh et al. | Optimization of welding parameters using Taguchi method for submerged arc welding on spiral pipes | |
RU2014105150A (ru) | Способ и устройство защиты от электрохимической коррозии сварной металлоконструкции | |
JP7059665B2 (ja) | 材料特性データ計算方法、材料特性データ計算プログラム、及び、材料特性データ計算装置 | |
Cohal | Some aspects of modelling and simulation of spot welding | |
JP2007075843A (ja) | スポット溶接モニタリング方法 | |
Yadav et al. | Mathematical modelling of heat affected zone width in submerged arc welding process |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170911 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170919 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180212 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6299356 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |