JP2700812B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2700812B2
JP2700812B2 JP63295472A JP29547288A JP2700812B2 JP 2700812 B2 JP2700812 B2 JP 2700812B2 JP 63295472 A JP63295472 A JP 63295472A JP 29547288 A JP29547288 A JP 29547288A JP 2700812 B2 JP2700812 B2 JP 2700812B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、トレッドパターンを改良した空気入りタ
イヤに関する。
従来の技術 従来、空気入りタイヤが発生する騒音を低減させるた
めに種々の提案がなされており、例えば、トレッドパタ
ーンのピッチを周方向に変化させたものが知られてい
る。このものは、空気入りタイヤのトレッド部に設けら
れた複数本の周方向リブを、複数種類、例えばA、B、
C3種類のピッチ群を周方向に一定順序で配置して構成し
たものであり、各ピッチ群を同一ピッチ長さである少な
くとも1個のピッチ要素、例えばブロックから構成した
ものである。そして、このようにトレッドパターンのピ
ッチを周方向に変化させると、打撃音の次数ピーク周波
数成分が分散し、これによりパターン騒音が相当程度低
減されるとともにホワイトノイズ化するのである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような空気入りタイヤにあって
は、走行時に種類の異なるピッチ要素が一定順序で繰返
し路面を叩くため、空気入りタイヤに対する入力の大き
さが時間とともに変化し、しかも、いずれかの種類のピ
ッチ要素から生じた打撃音の次数周波数成分と空気入り
タイヤの固有振動数とが合致するような場合には、この
周波数成分が共振増幅されるが、このような増幅は前記
種類のピッチ要素が路面を叩く毎に繰返し行なわれるた
め、騒音に振動変動(うなり)が生じていたのである。
しかも、このような空気入りタイヤからの騒音は各種の
騒音が混じり合ったものであるため、耳ざわりで不快感
を与えるものでしかなかったのである。
課題を解決するための手段 このような課題は、トレッド部に、基本ピッチ要素を
周方向に多数個配列して構成した基本リブと、前記基本
ピッチ要素とピッチ長さの異なる和音ピッチ要素を周方
向に多数個配列して構成した少なくとも1本の和音リブ
と、を備えた空気入りタイヤであって、各和音リブの和
音ピッチ要素の総数を、2n/12のnに1から24までのい
ずれかの正の整数を代入して得た値に基本ピッチ要素の
総数を乗じて積を求め、この積を切り上げまたは切り下
げることにより求められた整数値とし、かつ、前記基本
リブからのパターン音を12音階のいずれかの音に対応さ
せたとき、該基本リブからのパターン音と、前記基本リ
ブからのパターン音より12音階において略n度だけ高い
和音リブからのパターン音とが協和音関係になるよう構
成することにより解決することができる。
また、前述のような空気入りタイヤにおいて、基本、
和音ピッチ要素を周方向に等距離離れた多数個の横溝に
より画成されたブロックから構成し、かつ、各ブロック
の幅Wとし、各ブロックの周方向ピッチをPとし、その
接地形状の踏み込み側前縁とブロックの幅方向中央との
交点における前記踏み込み側前縁に対する接線とタイヤ
赤道面に対する直交直線との交差角をBとしたとき、前
記各横溝の直交直線に対する傾斜角Aを式 tan-1(sP/W±tanB) で求められる値となすとよい。
作用 この発明においては、空気入りタイヤのトレッド部
に、基本ピッチ要素を周方向に多数個配列して構成した
基本リブと、前記基本ピッチ要素とピッチ長さの異なる
和音ピッチ要素を周方向に多数個配列して構成した少な
くとも1本の和音リブと、を設け、各和音リブの和音ピ
ッチ要素の総数を、2n/12のnに1から24までのいずれ
かの正の整数を代入して得た値に基本ピッチ要素の総数
を乗じて積を求め、この積を切り上げまたは切り下げる
ことにより求められた整数値としている。このように基
本リブを同一種類の基本ピッチ要素複数個から構成し、
また、和音リブも同一種類の和音ピッチ要素複数個から
構成しているため、走行時、基本リブおよび和音リブか
らはそれぞれ特定のピーク周波数を持つ異なった高さの
パターン音が生じ、しかも、該ピーク周波数は各リブの
ピッチ要素の総数に比例する。ここで、基本リブの基本
ピッチ要素の総数と和音リブの和音ピッチ要素の総数と
の関係を前述のようにした、即ち12音階中のいずれかの
音の周波数とこの音よりn度だけ高い音の周波数との関
係に近似させたので、前記基本リブからのパターン音を
12音階のいずれかの音に対応させたとき、和音リブから
のパターン音は前記基本リブのパターン音より12音階に
おいて略n度だけ高い音になる。さらに、この発明で
は、前記基本、和音リブからのパターン音が協和音関係
になるよう構成しているため、各リブから発生した音は
混じり合って協和音となり、タイヤからのパターン音が
騒音から楽音へと変質して、聞く人に心地良い感じを与
える。しかも、前述のように、各リブは同一種類のピッ
チ要素から構成されているので、タイヤに対する入力の
変化、共振による増幅の繰返しは発生せず、パターン音
の振幅変動を防止することもできる。
また、請求項2に記載のように、各ピッチ要素をブロ
ックから構成するとともに、これらブロックを画成する
横溝の傾斜角Aを式 tan-1(sP/W±tanB) で求められる値となせば、ブロックのある一部分が路面
を打撃する時期と他の一部分が路面を打撃する時期と
が、これら双方の打撃音を互いに干渉させて打消し合う
のに合致したタイミングとなり、パターン音の音圧レベ
ルが低下する。
実施例 以下、この発明の第1実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図において、1は空気入りタイヤであり、この空
気入りタイヤ1のトレッド部2には周方向に延びる複数
本(この実施例では4本)の縦溝3が形成され、これに
より、前記トレッド部2には複数本(この実施例では5
本)の周方向に延びるリブ4が画成される。このリブ4
のうち左側から2番目のリブ4が基本リブ4aであり、こ
の基本リブ4aには周方向に等距離離れた多数(この実施
例では46個)の横溝5が形成され、これにより、基本リ
ブ4aには周方向ピッチPaが同一である多数の基本ピッチ
要素6a、即ちブロックが画成される。このように前記基
本リブ4aは同一種類の基本ピッチ要素6aを周方向に多数
個(46個)配置して構成されているのである。ここで、
周方向ピッチPとは、任意のピッチ要素の基準点から、
該ピッチ要素に隣接するピッチ要素の前記基準点に対応
する点までの距離をいう。また、リブ4のうち中央のリ
ブ4が第1和音リブ4bであり、また右側から2番目のリ
ブ4が第2和音リブ4cである。これら第1、第2和音リ
ブ4b、4cにも前述と同様に多数の横溝7、8がそれぞれ
形成され、これにより、第1和音リブ4bにはピッチ長さ
Pbが同一である多数の第1和音ピッチ要素6bが、また、
第2和音リブ4cにはピッチ長さPcが同一である多数の第
2和音ピッチ要素6cが画成される。このように、前記第
1、第2和音リブ4b、4cは同一種類の第1、第2和音ピ
ッチ要素6b、6cを周方向に多数個配列してそれぞれ構成
されている。ここで、第1和音リブ4bにおける第1和音
ピッチ要素6bの総数および第2和音リブ4cにおける第2
和音ピッチ要素6cの総数は共に、前記基本リブ4aにおけ
る基本ピッチ要素6aの総数に対して以下のような処理を
行って求めた値である。即ち、まず2n/12のnに1から
24までのいずれかの正の整数を代入して得た値に基本ピ
ッチ要素6aの総数を乗じて積を求める。ここで、2n/12
のnに1から24までの数値を順次代入して得た値を列記
すると、1.06、1.12、1.19、1.26、1.33、1.41、1.50、
1.59、1.68、1.78、1.89、2.00、2.19、2.22、2.38、2.
52、2.67、2.83、3.00、3.17、3.37、3.56、3.78、4.00
となり、これらの値は12音階中のいずれかの音を基本と
したとき、該基本音から12音階において1度ずつ高い音
の周波数を、該基本音の周波数で除した値と等しいので
ある。即ちn番目の値は、基本音よりn度高い音の周波
数と基本音の周波数との比と等しいのである。したがっ
て、例えば値1.00を12音階のCの音と仮定すると、前述
した値は順次12音階のC、D、D、E、F、F
G、G、A、A、Bにそれぞれ該当する。この実施
例においては、第1和音ピッチ要素6bの総数を求めるた
め、後述する理由からnを4とし、この4をnに代入し
た得た値、即ち1.26に基本ピッチ要素6aの総数(46個)
を乗じて積(57.96個)を求め、一方、第2和音ピッチ
要素6cの総数を求めるため、同様にnを7とし、この7
をnに代入して得た値、即ち1.50に基本ピッチ要素6aの
総数(46個)を乗じて積(69個)を求めている。なお、
前述したnに24以下の正の整数を代入するようにしたの
は、nの値が25以上の正の整数であると、和音リブの和
音ピッチ要素の総数が著しく多くなり、換言すれば各和
音ピッチ要素のピッチ長さが著しく短かくなり、偏摩耗
等の悪影響が発生するからである。次に、前記積を切り
上げまたは切り下げて整数値を求めるが、この整数値の
値が各和音リブにおける和音ピッチ要素の総数となる。
この実施例では、第1和音ピッチ要素6bの総数は積(5
7.96個)を切り上げて整数値である58個とし、一方、第
2和音ピッチ要素6cの総数は積(69個)が整数値である
ため69個のままとする。ここで、前述のように積を切り
上げまたは切り下げるのは、ピッチ要素の数が少数点以
下というのはあり得ず、正の整数でなければならないか
らである。このように、基本ピッチ要素6aの総数と第
1、第2和音ピッチ要素6b、6cの総数との比を、ほぼ1.
00:1.26:1.50としたので、走行時に基本リブ4a、第1和
音リブ4b、第2和音リブ4cから生じるパターン音のピー
ク周波数もこの比となる。このことは、基本リブ4aの音
のピーク周波数が12音階のうちのいずれかの音に該当し
ているとすると、第1和音リブ4bからの音は12音階にお
いて前記音よりn=4度だけ高い音に近似し、また、第
2和音リブ4cからの音は12音階において前記音よりn=
7度だけ高い音に該当するということである。そして、
前述したnに代入する値を決定する場合には、基本リブ
4a、第1和音リブ4bおよび第2和音リブ4cからの音が協
和音関係となるようにする。この実施例では前述のよう
に第1和音リブ4bに関してはnに4の値を、第2和音リ
ブ4cに関してはnに7の値を代入したが、例えば基本リ
ブ4aからの音が12音階のCに該当しているとすると、第
1和音リブ4bからの音はCよりn=4度だけ高いEに近
似し、第2和音リブ4cからの音はCよりn=7度だけ高
いGに該当し、これら3つのパターン音は和音コードが
Cメジャーの協和音を構成する。この結果、トレッド部
2に前述のような基本リブ4a、第1和音リブ4b、第2和
音リブ4cを有する空気入りタイヤ1は、走行時のパター
ン音が全体としてCメジャーの和音となり、聞く人に心
地良い感じを与える。なお、トレッド部2の最左側に位
置する左側リブ4dおよび最右側に位置する右側リブ4eに
もピッチ要素が配列されているが、これらピッチ要素は
どのようなものでもよく、例えば前述した基本ピッチ要
素6a、第1和音ピッチ要素6b、第2和音ピッチ要素6cと
同一のものでもよい。このような協和音関係には前記実
施例のものの他に種々のものがあり、例えば別表1
(a)(b)には2本のリブ、即ち基本リブと和音リブ
とが協和音関係になっている場合が示されている。ここ
では基本リブからの音を12音階のCを仮定しており、
(a)に関しては基本リブと和音リブとの間に12音階に
おいてn=9度の差が、(b)に関してはn=5度の差
が存在している。そして、これら基本、和音リブはタイ
ヤ赤道面の両側のトレッド部にそれぞれ配置したり、あ
るいはトレッド部に3本以上のリブを設け、そのリブの
うちの1本を基本リブに、残りのいずれかのリブを和音
リブにすればよい。また、別表2(a)(b)には3本
のリブ、即ち基本リブと第1、第2和音リブとが協和音
関係(和音コードでCm、Csus4)になっている場合が示
されている。ここでも基本リブからの音を12音階のCと
仮定しており、(a)に関しては基本リブと第1和音リ
ブとの間に12音階においてn=3度の差が、第2和音リ
ブとの間にn=7度の差が存在し、(b)に関しては基
本リブと第1和音リブとの間にn=5度の差が、第2和
音リブとの間にn=7度の差が存在している。そして、
この場合には、トレッド部に3本以上のリブを設け、そ
のリブのうちの1本を基本リブに、残りのいずれかのリ
ブを第1、第2和音リブにすればよい。さらに、別表3
(a)(b)には4本のリブ、即ち基本リブと第1、第
2、第3和音リブとが協和音関係(和音コードでCm7、C
9)になっている場合が示されている。ここでも基本リ
ブからの音を12音階のCと仮定しており、(a)に関し
ては基本リブと第1和音リブとの間に12音階においてn
=3度の差が、第2和音リブとの間にn=7度の差が、
第3和音リブとの間にn=10度の差が存在し、(b)に
関しては基本リブと第1和音リブとの間にn=4度の差
が、第2和音リブとの間にn=7度の差が、第3和音リ
ブとの間にn=14度の差が存在している。そして、この
場合には、トレッド部に4本以上のリブを設け、そのリ
ブのうちの1本を基本リブに、残りのいずれかのリブを
第1、第2、第3和音リブにすればよい。なお、協和音
関係には前述した以外にも種々のものがあり、例えば
A、D、F、G、Am、Dm、A7、G7、Am7、Dm7、Cdim、Ca
ug、CM7がある。
前述したような空気入りタイヤ1を走行させると、基
本リブ4aからはピーク周波数が例えば12音階のCに該当
するパターン音が、また、第1和音リブ4bからはEに近
似するパターン音が、さらに、第2和音リブ4cからはG
に該当するパターン音が発生するが、これらのパターン
音は混じり合ってCメジャーの和音となる。このため、
パターン音が楽音となり、聞く人に心地良い感じを与え
る。このとき、基本、第1和音、第2和音リブ4a、4b、
4cはそれぞれ同一種類の基本、第1和音、第2和音ピッ
チ要素6a、6b、6cから構成されているので、常に均一の
入力が空気入りタイヤ1に与えられ、また、周期的な共
振増幅が生じることもなく、この結果、振幅変動(うな
り)が生じることもない。
次に、試験例1を説明する。この試験においては、前
記第1実施例で説明した第1図に示すパターンの供試タ
イヤ1と、第2図に示すようなパターンの比較タイヤ
と、別表2(a)に示すリブがトレッド部に設けられた
第3図に示すような供試タイヤ2と、を準備したが、各
タイヤのサイズは205/60R15であった。ここで、供試タ
イヤ1、2および比較例タイヤの最左側および最右側の
リブには横溝が設けられておらず、この結果、これらの
リブにはピッチ要素(ブロック)は存在しない。また、
比較タイヤは中央寄りの3本のリブに、前記基本ピッチ
要素6a、第1和音ピッチ要素6b、第2和音ピッチ要素6c
と同一のピッチ要素を前記順序で繰返し配列したもので
ある。次に、このような各タイヤが100Km/時で走行した
ときのパターン音をシミュレーションによって発生さ
せ、これらの音同士を聞き比べた。その結果は供試タイ
ヤ1、2ではパターン音は極めて安定しており、どちら
かといえば音楽のように聞こえた。これに対し、比較タ
イヤでは騒々しい雑音という感じであった。また、この
ような各タイヤをドラム上において100Km/時で回転さ
せ、各タイヤが発生するパターン音を聞き比べたが、前
述と同様の感じであった。なお、このようなことは第
4、5および6図に示す供試タイヤ1、比較タイヤおよ
び供試タイヤ2のパターン音の周波数分析結果からも明
らかである。即ち、第4および6図においては、0.7KHz
から1KHz付近に3つのピークが存在するが、これらのピ
ークの周波数の比は第4図のものでは略1.00:1.26:1.50
であり、第6図のものでは略1.00:1.19:1.50であり、こ
れらのピーク音同士は協和音を構成しているのである。
これに対し、比較タイヤでは、第5図に示すように前記
周成数の範囲内では音圧レベルがほぼ等しく、雑音とし
て聞こえるのである。また、比較タイヤおよび供試タイ
ヤ1のシミュレーション音の時間波形を第7図および第
8図にそれぞれ示す。第7、8図から明らかなように、
比較タイヤでは前記3種類のピッチ要素の繰返しに対応
して音圧レベル、即ち振幅が大幅に変動しているが、供
試タイヤ1では振幅の変動は小さく、音圧レベルも全体
的に低くなっている。
第9図は、この発明の第2実施例を示す図である。こ
の実施例においては、空気入りタイヤ11のトレッド部12
に周方向に延びる6本の縦溝13を形成し、これにより、
トレッド部12にブロック列としての7本のリブ14を形成
している。これらのリブ14のうち、左側から2番目のリ
ブ14を基本リブ14aと、また、4番、6番目のリブ14を
第1、第2和音リブ14b、14cとするとともに、これらの
リブ14a、14b、14cに周方向に等距離離れた多数の横溝1
5a、15b、15cをそれぞれ形成し、これにより、基本リブ
14aに複数個の基本ピッチ要素、即ち基本ブロック16a
を、また、第1、第2和音リブ14b、14cに複数個の和音
ピッチ要素、即ち第1、第2和音ブロック16b、16cをそ
れぞれ画成している。ここで、基本リブ14aを構成する
基本ブロック16aの個数は第1実施例と同様に46個であ
り、各基本ブロック16aの幅Waは24mm、周方向ピッチPa
は42.6mmである。一方、第1和音リブ14bを構成する第
1和音ブロック16bの個数は、前記nに4を代入して求
めた値1.26と基本ブロック16aの個数との積にほぼ等し
い58個であり、その幅Wbは24mm、周方向ピッチPbは33.8
mmである。さらに、第2和音リブ14cを構成する第2和
音ブロック16cの個数は、前記nに7を代入して求めた
値1.50と基本ブロック16aの個数との積に等しい69個で
あり、その幅Wcは24mm、周方向ピッチPcは28.4mmであ
る。これにより、第1、第2和音リブ14b、14cから生じ
るパターン音のピークは、基本リブ14aから生じるパタ
ーン音のピークより12音階においてほぼn=4度および
n=7度だけ高い音となる。ここで基本リブ14aからの
音が12音階のCに該当しているとすると、第1、第2和
音リブ14b、14cからの音は12音階のE、Gにほぼ該当
し、前記第1実施例と同様にCメジャーの協和音を構成
する。また、前記各リブ14a、14b、14cにおける横溝15
a、15b、15cの、タイヤ赤道面17に直交する直線L、即
ちタイヤ軸方向に対する傾斜角をそれぞれAa、Ab、Acと
すると、これら傾斜角Aa、Ab、Acはそれぞれ以下の式 tan-1(sP/W±tanB) で求められる値と等しい。この式において、Wは各ブロ
ック16a、16b、16cの幅であり、基本、第1和音、第2
和音ブロック16a、16b、16cにおいて全て同一で24mmで
ある。また、Pは各ブロック16a、16b、16cの周方向ピ
ッチであり、基本ブロック16aについては前述のようにP
a=42.6mm、第1和音ブロック16bについてはPb=33.8m
m、第2和音ブロック16cについてはPc=28.4mmである。
さらに、Sは3以下の正の整数のいずれかであり、ここ
ではs=1である。なお、前記sの値を3以下としたの
は、4以上であると、前記傾斜角Aが90度近くになって
走行時の駆動力、制動力が著しく低下し、実用上使用で
きなくなるからである。また、前記式において、Bは第
10図に示すように、空気入りタイヤ11の接地形状の踏み
込み側前縁21と任意のブロック16a、16b、16c(ここで
は、基本ブロック16aを例にとる)の幅方向中央22との
交点23における、前記踏み込み側前縁21に対する接線24
とタイヤ赤道面17に対する直交直線Lとの交差角であ
り、この実施例では、接地形状が略矩形であるためB=
0度である。そして、前記±tanBは、一般に空気入りタ
イヤ11の接地形状におけるその踏み込み側前縁21が湾曲
してるため、このような踏み込み側前縁21の湾曲の影響
を考慮して前記式内に挿入したもので、この±tanBによ
り各ブロック16の幅方向一端と幅方向他端との踏み込み
時期のずれが補正される。そして、前記値を式に代入し
て横溝15a、15b、15cの傾斜角Aa、Ab、Acを求めると、
それぞれ60.6度、54.6度、49.8度となる。なお、前記横
溝15a、15b、15cの傾斜方向は基本リブ14a、第2和音リ
ブ14cにおいて同一で、第1和音リブ14bにおいて逆方向
となっている。
そして、前述のような空気入りタイヤ11を走行させる
と、該空気入りタイヤ11の各リブ14a、14b、14cから生
じるパターン音が全体としてCメジャーの和音となり、
聞く人に心地良い感じを与えるとともに、各ブロック16
a、16b、16cのある一部分が路面を打撃する時期と他の
一部分が路面と打撃する時期とが、これら双方の打撃音
を互いに干渉させて打消し合うのに合致したタイミング
となり、パターン音全体の音圧レベルが低下するのであ
る。
次に、試験例2を説明する。この試験においては、前
記第2実施例で説明した第9図に示すパターンの供試タ
イヤ3と、第11図に示すようなパターンの供試タイヤ4
と、を準備したが、これら各タイヤのサイズは共に205/
60R15であり、その周長は1960mmであった。ここで、供
試タイヤ4は、横溝15a、15b、15cの傾斜角Aを一律に3
0度とした以外は前記供試タイヤ3と同一である。な
お、この傾斜角A=30度は前記式を用いて求めた値と異
なっている。次に、このような供試タイヤ3、4をドラ
ム上で走行させ、その発生騒音の音圧レベルを各速度で
測定した。その結果を第12図に示すが、この第12図から
明らかなように、供試タイヤ3の方が供試タイヤ4より
全速度域(40Km/時〜100Km/時)で音圧レベルが低下し
ている。しかも、全速度域における音圧レベルの総平均
値は供試タイヤ3では73.8dBであり、一方、供試タイヤ
4では75.9dBであり、供試タイヤ3の方が2.1dBだけ音
圧レベルを低減することができた。また、このような供
試タイヤ3、4を乗用車に装着した後、良路を50Km/時
で走行してドライバーによる騒音のフィーリング試験を
行なったところ、供試タイヤ4を指数100とすると、供
試タイヤ3では指数110となり、フィーリングに関して
も供試タイヤ3が良好であった。そして、このようなフ
ィーリングに関しては60Km/時以下の速度において特に
良好であった。
なお、前述の実施例においては、基本、和音リブを1
本のリブにより構成していたが、この発明においては、
隣接する2本または3本のリブをまとめて1本の基本、
和音リブを構成してもよい。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、パターン音
を騒音から楽音へと変質させることができ、また、パタ
ーン音の振幅変動を減少させることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例を示すトレッド部の一部
展開図、第2図は試験1に使用した比較タイヤのトレッ
ド部の一部展開図、第3図は試験1に使用した供試タイ
ヤ2のトレッド部の一部展開図、第4図は供試タイヤ1
からのパターン音の周波数分析結果を示すグラフ、第5
図は比較タイヤからのパターン音の周波数分析結果を示
すグラフ、第6図は供試タイヤ2からのパターン音の周
波数分析結果を示すグラフ、第7図は比較タイヤからの
シミュレーション音の時間波形を示すグラフ、第8図は
供試タイヤ1からのシミュレーション音の時間波形を示
すグラフ、第9図はこの発明の第2実施例を示すトレッ
ド部の一部展開図、第10図は傾斜角Aを説明するために
用いたトレッド部の接地形状を示す説明図、第11図は試
験2に使用した供試タイヤ4のトレッド部の一部展開
図、第12図は供試タイヤ3、4の騒音音圧レベルの測定
結果を示すグラフである。 1、11……空気入りタイヤ 2、12……トレッド部 4a、14a……基本リブ(ブロック列) 4b、4c、14b、14c……和音リブ(ブロック列) 6a、16a……基本ピッチ要素(ブロック) 6b、6c、16b、16c……和音ピッチ要素(ブロック) 15a、15b、15c……横溝 17……タイヤ赤道面、21……踏み込み側前縁 22……幅方向中央、23……交点 24……接線、L……直交直線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部に、基本ピッチ要素を周方向に
    多数個配列して構成した基本リブと、前記基本ピッチ要
    素とピッチ長さの異なる和音ピッチ要素を周方向に多数
    個配列して構成した少なくとも1本の和音リブと、を備
    えた空気入りタイヤであって、各和音リブの和音ピッチ
    要素の総数を、2n/12のnに1から24までのいずれかの
    正の整数を代入して得た値に基本ピッチ要素の総数を乗
    じて積を求め、この積を切り上げまたは切り下げること
    により求められた整数値とし、かつ、前記基本リブから
    のパターン音を12音階のいずれかの音に対応させたと
    き、該基本リブからのパターン音と、前記基本リブから
    のパターン音より12音階において略n度だけ高い和音リ
    ブからのパターン音とが協和音関係になるよう構成した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記基本、和音ピッチ要素を周方向に等距
    離離れた多数個の横溝により画成されたブロックから構
    成し、かつ、各ブロックの幅をWとし、各ブロックの周
    方向ピッチをPとし、3以下の正の整数をsとし、その
    接地形状の踏み込む側前端とブロックの幅方向中央との
    交点における前記踏み込み側前縁に対する接線とタイヤ
    赤道面に対する直交直線との交差角をBとしたとき、前
    記各横溝の直交直線に対する傾斜角Aを式 tan-1(sP/W±tanB) で求められる値となした請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
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