JP2700791B2 - 粉体塗料用グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents
粉体塗料用グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は粉体塗料用ポリエステル樹脂に関し、更に詳
細には、顔料分散性に極めて優れた熱硬化型粉体塗料用
グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法に関するもの
である。 (従来の技術) 従来より熱硬化型粉体塗料用バインダーとして、ポリ
エステル樹脂がその優れた機械的強度、塗膜物性の点で
広く用いられている。しかしながら、その顔料分散性に
ついては完全なものがなく、その結果、使用される顔料
の配合量は、塗膜の美観を損なわない程度の量に限定さ
れるため、表面硬度、隠ペイ性などの性能改良には限界
がある。また、固体状態から熱熔融し、さらに熱硬化す
る粉体塗料において、上述の顔料分散性は熱熔融時の流
動性を支配し、良好な塗膜外観を提供する上で極めて重
要なる特性である。 (発明が解決しようとする問題点) ポリエステル樹脂をバインダーとする粉体塗料の顔料
分散性は、一般的にアクリル樹脂やエポキシ樹脂をバイ
ンダーとするそれよりも優れているものの前述したよう
にまだ不十分で、満足できるものが得られていないのが
現状である。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記した従来技術における顔料分散性
を改良し、それによって塗膜外観、表面硬度等の性能を
改良すべく鋭意研究した結果、ポリエステル樹脂に対し
て、窒素原子含有ビニルモノマーを、特定の割合で以
て、グラフト(化)反応〔グラフト共重合ともいう。〕
せしめることによって、とりわけ、顔料分散性が著しく
改善された塗膜を与えることを見出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。 すなわち、本発明を概説することにすれば、まず、本
発明は、エステル樹脂に、窒素原子含有ビニルモノマー
を、0.01〜5.0重量%という割合で以て、つまり、前者
樹脂に対して、後者モノマーが、0.01〜5.0重量%とな
るような割合で以て、グラフト(化)反応せしめること
から成る、とりわけ、顔料分散性などに優れる、極めて
実用性の高い、粉体塗料用グラフト変性ポリエステル樹
脂の製造方法を提供しようとするものである。 以下、本発明の構成について詳しく説明する。 本発明で使用するグラフトベースであるポリエステル
樹脂成分は、後述する窒素原子含有ビニルモノマー成分
とグラフト共重合する不飽和点を有するものであればい
ずれも使用することができ、特に制限されるものではな
い。 そして、当該ポリエステル樹脂の調製方法については
特に制限はなく、周知慣用の方法がそのまま適用され得
るし、また酸成分およびアルコール成分としては、それ
ぞれ周知慣用の二塩基酸および/または多塩基酸ならび
に二価アルコール(グリコール類)および/または多価
アルコールがそのまま使用し得るが、そのうちでも、酸
成分として代表的なものには、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸およびそれらの無水物あるいはアジ
ピン酸、セバシン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル
酸、テトラヒドロフタル酸、メチル−テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル−ヘキサヒドロフ
タル酸およびそれらの無水物などがあるし、他方、アル
コール成分として代表的なものには、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、イソペンチルグリコール、ビスヒドロ
キシエチルテレフタレート、水添ビスフェノールA、水
添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトールおよび2,2,4−トリメチルペ
ンタン−1,3−ジオールなどがあるが、モノエポキシ化
合物も本発明におけるグリコール類の一つとして使用す
ることができる。 本発明において用いるポリエステル樹脂成分は、後述
する窒素原子含有ビニルモノマー成分とのグラフト反応
に供する不飽和点を有するものが望ましく、その確保は
以下の方法が代表的なものである。 (i)マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和
ジカルボン酸を予めポリエステル樹脂製造時の原料とし
て用いて縮合反応させるか、あるいはポリエステル樹脂
の水酸基に無水ジカルボン酸を反応させて不飽和基を導
入する方法。 この方法は、本発明の目的である顔料分散性の点から
みて最も好ましいもので、その際の不飽和ジカルボン酸
の使用料は0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重
量%である。0.01重量%未満では効果が期待しがたく、
また5重量%以上になると著しく高粘度の樹脂となり、
塗膜の平滑性を損なう原因となる。 (ii)一般式 (R1:水素原子またはメチル基、 R2:C1〜C5のアルキル基) で示されるイソシアネート基を含むビニルモノマーをポ
リエステル樹脂の残存水酸基に付加させる方法。 (iii)グリシジル(メタ)アクリレートをポリエステ
ル樹脂の残存カルボキシ基に付加する方法。 以上はポリエステル樹脂に不飽和基を導入する代表的
な例示であり、これによりポリエステル樹脂成分は後述
の窒素原子含有ビニルモノマーとグラフト共重合するこ
とが可能となるが、本発明は不飽和基導入方法として前
記したものに限定されないことは言うまでもないことで
ある。 次に、本発明の必須条件であるポリエステル樹脂成分
にグラフト反応させる窒素原子含有ビニルモノマー成分
について説明する。かかる窒素原子含有ビニルモノマー
成分としては、例えばN,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアル
キル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、アクリロイル、モルホリン、N−アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリド
ン、アクリロニトリル、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ルマレイミド、ビニルイミダゾールなど、及びこれらの
誘導体が用いられる。その使用量は0.01〜5重量%で、
より好ましくは0.05〜3重量%である。0.01重量%未満
では、その効果が期しえず、また5重量%を越えては塗
料の保存安定性に問題をきたすので好ましくない。 ポリエステル樹脂に、前記窒素原子含有ビニルモノマ
ーをグラフト反応させるには、通常のグラフト反応に従
って行なえばよい。最も簡便にはグラフト反応にあづか
る不飽和基を有するポリエステル樹脂の存在下で、前記
窒素原子含有ビニルモノマーをラジカル重合開始剤の存
在下、あるいは非存在下でグラフト反応させれば良い。 本発明において、グラフト共重合時に、前記窒素含有
ビニルモノマー成分以外に他のビニル系モノマーを使用
することができる。例えばスチレン、P−ターシャリー
ブチルスチレン等のスチレン及びその誘導体;メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート
等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキ
ルメタクリレート;アクリル酸、メタクリ酸等の酸モノ
マー;2ヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
(メタ)アクリレート等を併用することができる。 また、本発明のグラフト共重合に際してアゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルパーベンゾエート、ターシャリーブチルハイ
ドロオキサイド、ジターシャリーブチルハイドロオキサ
イド、クメンハイドロオキシドなどの重合開始剤を使用
することが出来る。 また、グラフト共重合反応はポリエステル樹脂を有機
溶剤で希釈しないで反応させる事も出来るが、一般には
有機溶剤で希釈した溶液中においてグラフト共重合反応
を行なう。使用される有機溶剤としてはキシレン、トル
エン、スワゾール1000、スワゾール1500(コスモ石油社
製)の如く芳香族系のもの;酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテートの如くエステル系のもの;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンの如くケトン系
のもの;1−ブタノール、2−ブタノールセロソルブの如
くアルコール系のもの;ミネラルスピリット、スワゾー
ル310の如く芳香族、脂肪族、脂環族混合系のものを単
独又は混合して使用する事が出来る。 溶液中でグラフト共重合反応させて得た樹脂溶液を粉
体塗料用に供するには、常圧あるいは減圧下において当
該樹脂溶液より溶剤を留去せしめると良い。 かくして得られた本発明のグラフト変性ポリエステル
樹脂は、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネー
ト、アミノ樹脂、エポキシ樹脂などの架橋剤成分を含有
させて熱硬化型粉体塗料として使用することができる。
また、本発明のグラフト変性ポリエステル樹脂は公知慣
用の塗料用添加剤あるいは前記架橋剤成分に対して有効
な硬化促進剤をも添加して使用することが出来ることは
言うまでもない。 かくして得られる本発明のグラフト変性ポリエステル
樹脂を用いて粉体塗料を調製するには、周知のいずれの
方法によっても可能である。 得られた粉体塗料を静電スプレー法または流動浸漬法
などの如き周知の方法で塗布し、次いで焼き付けること
により、すぐれた性能の塗膜を得ることができる。 (実施例等) 次に、本発明を合成例、実施例および比較例により具
体的に説明するが、部および%は特に断りのない限り、
すべて重量基準であるものとする。 合成例1.〔グラフト変性用ベースポリエステル樹脂(A
−1)の合成〕 エチレングリコールの83部、ネオペンチルグリコール
の327部、ジメチルテレフタレートの435部および酢酸亜
鉛の0.4部からなる混合物を、生成するメタノールを反
応系外に除去しながら、徐々に210℃まで昇温させて行
き、その後も同温度に2時間保持させてアルコール交換
反応を続行せしめた。次いで、ここにトリメチロールプ
ロパン6部、テレフタル酸130部、イソフタル酸224部、
マレイン酸13部およびジ−n−ブチル錫オキサイド0.5
部を加え、8時間を要して240℃まで昇温し、さらに同
温度で脱水縮合せしめて、水酸基価40かつ酸価7なるポ
リエステル(A−1)を得た。 合成例2.〔同(A−2)の合成〕 マレイン酸13部をイタコン酸15部に変更する以外は合
成例1と同様にして、水酸基価30かつ酸価9なるポリエ
ステル(A−2)を得た。 合成例3.〔比較対照用ベースポリエステル樹脂(R−
1)の合成〕 テレフタル酸130部を135部とし、マレイン酸の使用を
欠如した以外は合成例1と同様にして水酸基価40、酸価
7なるポリエステルを得た。これをポリエステル(R−
1)とする。 合成例4.〔グラフト変性用ベースポリエステル樹脂(A
−3)の合成〕 合成例3で得られたポリエステル(R−1)1000部を
200℃に保ち、無水マレイン酸3.5部を加えて2時間反応
させ、水酸基価38かつ酸価9なるポリエステル(A−
3)を得た。 合成例5.〔同(A−4)の合成〕 エチレングリコールの使用を欠如し、ネオペンチルグ
リコール450部、ジメチルテレフタレート420部、トリメ
チロールプロパン20部、テレフタル酸150部、イソフタ
ル酸242部、及びマレイン酸15部と変更する以外は合成
例1と同様にして水酸基価5かつ酸価35なるポリエステ
ル(A−4)を得た。 合成例6.〔同(A−5)の合成〕 合成例1で得られたポリエステル(A−1)1000部を
200℃に保温し、無水トリメリット酸124部を加えて2時
間反応せしめ、酸価70、水酸基価8のポリエステル(A
−5)を得た。 合成例7.〔比較対照用ベースポリエステル樹脂(R−
2)の合成〕 マレイン酸13部を1部に変更した以外は合成例1と同
様にして水酸基価43、酸価5のポリエステル(R−2)
を得た。 合成例8.〔同(R−3)の合成〕 マレイン酸13部を60部に、イソフタル酸224部を140部
に変更した以外は合成例1と同様にして水酸基価40、酸
価6のポリエステル(R−3)を得た。 合成例9.〔同(R−4)の合成〕 合成例3で得られたポリエステル(R−1)1000部を
200℃に保温し、無水トリメリット酸124部を加えて2時
間反応せしめ、酸価70、水酸基価8のポリエステル(R
−4)を得た。 合成例10.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)
の合成〕 ポリエステル(A−1)500部にキシレン300部及び酢
酸ブチル100部を加えて120℃に昇温し、溶解させた。つ
いで、キシレン100部、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート0.15部及びアゾビスイソブチロニトリル3部の混
合物を1時間を要して該ポリエステル溶液に滴下し、同
温度で8時間さらにグラフト反応させた。次いで、グラ
フト反応の終了した樹脂溶液から15mmHgの減圧下にキシ
レンと酢酸ブチルを留去せしめ、水酸基価39、酸価7、
軟化点(環球法)108℃なるグラフト変性ポリエステル
(GP−1)を得た。 合成例11.〔同(GP−2)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレート0.15部をビニル
イミダゾール0.15部に変更した以外は合成例10と同様に
して、水酸基価40、酸価7、軟化点109℃のグラフト変
性ポリエステル(GP−2)を得た。 合成例12.〔同(GP−3)の合成〕 スチレン15部を使用し、ジメチルアミノエチルメタク
リレート0.15部を15部に変更した以外は、合成例10と同
様にして、水酸基価39、酸価6、軟化点112℃なるグラ
フト変性ポリエステル(GP−3)を得た。 合成例13.〔同(GP−4)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−2)に
変更した以外は、合成例12と同様にして水酸基価28、酸
価8、軟化点118℃なるグラフト変性ポリエステル(GP
−4)を得た。 合成例14.〔同(GP−5)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−3)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価39、
酸価8、軟化点108℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−5)を得た。 合成例15.〔同(GP−6)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−4)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価4、
酸価33、軟化点120℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−6)を得た。 合成例16.〔同(GP−7)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−5)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価7、
酸価66、軟化点115℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−7)を得た。 合成例17〜20.〔比較対照用ポリエステル樹脂(P−
1)〜(P−4)の合成〕 ポリエステル(A−1)を、ポリエステル(R−
1)、(R−2)、(R−3)または(R−4)に、そ
れぞれ、変更した以外は、合成例12と同様にして、比較
対照用ポリエステル樹脂(P−1)、(P−2)、(P
−3)および(P−4)を得た。 合成例21.〔同(P−5)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、0.
04部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
7で、水酸基価が39で、かつ、軟化点が108℃なる、比
較対照用ポリエステル樹脂(P−5)を得た。 合成例22.〔同(P−6)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、30
部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が6
で、水酸基価が38で、かつ、軟化点が109℃なる、比較
対照用ポリエステル樹脂(P−6)を得た。 次いで、各合成例で得られた、それぞれの樹脂につい
て、諸性能の評価判定試験を行なうために、実施例1〜
8ならびに比較例1〜8なる、種々の粉体塗料を調製し
た。 合成例23.〔同(P−7)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、0.
75部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
0.5で、水酸基価が37で、かつ、軟化点が98℃なる、茶
褐色を呈する、比較対照用のポリエステル樹脂(P−
7)を得た。 合成例24.〔同(P−8)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、45
0部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
0.1で、水酸基価が36で、かつ、軟化点が70℃なる、茶
色を呈する、比較対照用のポリエステル樹脂(P−8)
を得た。 これらの合成例23および24で得られた、それぞれの樹
脂について、諸性能の評価判定試験を行なうために、実
施例1〜8ならびに比較例1〜8におけると同様の、種
々の粉体塗料を調製した。 合成例25.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−8)
の合成〕 合成例3で得られたベースポリエステル樹脂(R−
1)の500部に、キシレンの300部および酢酸n−ブチル
の100部を加え、撹拌溶解しながら、80℃にまで昇温し
た。 次いで、これに、メタクリロイルオキシエチルイソシ
アネートの0.5部を加えて、同温度に、1時間のあいだ
保持した処、この時点での、ポリエステル樹脂の水酸基
価は38となっていた。 以後は、合成例10と同様にして、酸価が7で、水酸基
価が38で、かつ、軟化点が108℃なる、イソシアネート
基含有ビニルモノマーを、ポリエステル樹脂の残存水酸
基に対して付加せしめた形のグラフト変性ポリエステル
樹脂(GR−8)を得た。 合成例26.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−9)
の合成〕 合成例9で得られたベースポリエステル樹脂(R−
4)の500部に、キシレンの300部および酢酸n−ブチル
の100部を加え、撹拌溶解しながら、135℃にまで昇温し
た。 次いで、これに、グリシジルメタクリレートの0.5部
を加えて、同温度に、1時間のあいだ保持した処、この
時点での、ポリエステル樹脂の酸価は68となっていた。 以後は、120℃にまで降温してから、合成例10と同様
にして、酸価が68で、水酸基価が8で、かつ、軟化点が
112℃なる、グリシジル基含有ビニルモノマーを、ポリ
エステル樹脂の残存カルボキシル基に対して付加せしめ
た形のグラフト変性ポリエステル樹脂(GR−9)を得
た。 これらの合成例25および26で得られた、それぞれの樹
脂について、諸性能の評価判定試験を行なうために、実
施例1〜8ならびに比較例1〜8におけると同様の、種
々の粉体塗料を調製した。 実施例1. グラフト変性ポリエステル(GP−1)80部と「クレラ
ンUI」(バイエル社製ブロックイソシアネート)20部
に、酸化チタン100部および「モダフロー」(モンサン
ト社製、流動調整剤)1部を加えてこれらを混合したの
ち、押出機で混練し、冷却後粉砕して粉体塗料を得た。 実施例2〜5. グラフト変性ポリエステル(GP−1)をグラフト変性
ポリエステル(GP−2)〜(GP−5)にそれぞれ変更し
た以外は実施例1と同様にして粉体塗料を得た。 実施例6. グラフト変性ポリエステル(GP−6)70部と「エピク
ロン3050」(大日本インキ化学工業社製、エポキシ樹
脂)30部とに、酸化チタン100部および「モダフロー」
1部を加え、実施例1と同様の方法で粉体塗料を得た。 実施例7. グラフト変性ポリエステル(GP−6)70部をグラフト
変性ポリエステル(GP−7)50部に変更し、かつ「エピ
クロン3050」30部を50部に変更した以外は、実施例6と
同様にして粉体塗料を得た。 実施例8. 酸化チタン100部を沈降性硫酸バリウム10部に変更
し、さらに「MA−100」(三菱カーボン社製、カーボン
ブラック)5部を加える以外は実施例1と同様にして、
粉体塗料を得た。 比較例1〜3. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
ポリエステル(P−1)〜(P−3)にそれぞれ変更し
た以外は、実施例1と同様にして粉体塗料を得た。 比較例4. グラフト変性ポリエステル(GP−7)を比較対照用ポ
リエステル(P−4)に変更した以外は、実施例7と同
様にして粉体塗料を得た。 比較例5および6 グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のポリエステル(P−5)または(P−6)に、それぞ
れ、変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対照
用の、各種の粉体塗料を調製した。 比較例7. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のポリエステル(P−1)に変更した以外は、実施例8
と同様にして、比較対照用の粉体塗料を調製した。 比較例8. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のベースポリエステル(R−1)に変更した以外は、実
施例1と同様にして、比較対照用の粉体塗料を調製し
た。 以上の実施例1〜8ならびに比較例1〜8で得られ
た、各種の粉体塗料を、厚さが0.8mmなる燐酸亜鉛処理
鋼板上に、膜厚が50〜60マイクロ・メートルないしはミ
クロン(μm)となるように、各別に、静電スプレー法
により塗布せしめ、次いで、200℃において、20分間の
あいだ焼き付けを行なって、硬化塗膜たる、種々の試験
片を得た。 以後は、それぞれの試験片について、塗膜諸性能の評
価判定の試験を行なった。それらの結果は、まとめて、
表−1に示す。 此の表−1からも明らかなように、各比較例において
得られた、それぞれの粉体塗料は、総じて、保存安定性
の上で、本発明に係る粉体塗料用グラフト変性ポリエス
テル樹脂を用いて得られる、それぞれの粉体塗料に比し
て、格段に劣っていることが、無理なく、知り得よう。 比較例9. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、比較対照用のポリエステル樹脂(P−7)を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対
照用の粉体塗料を調製した。 比較例10. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、比較対照用のポリエステル樹脂(P−8)を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対
照用の粉体塗料を調製した。 実施例9. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、合成例25で得られたグラフト変性ポリエステル樹脂
(GP−8)を用いるように変更した以外は、実施例1と
同様にして、目的とする粉体塗料を調製した。 実施例10. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、合成例26で得られたグラフト変性ポリエステル樹脂
(GP−9)を用いるように変更した以外は、実施例1と
同様にして、目的とする粉体塗料を調製した。 実施例9および10ならびに比較例9および10で得られ
た、それぞれの粉体塗料を、厚さが0.8mmなる燐酸亜鉛
処理鋼板上に、膜厚が50〜60μmとなるように、各別
に、静電スプレー法により塗布せしめ、次いで、200℃
において、20分間のあいだ焼き付けを行なって、硬化塗
膜たる、種々の試験片を得た。 以後は、それぞれの試験片について、塗膜諸性能の評
価判定の試験を行なった。それらの結果は、まとめて、
表−2ならびに表−3に示す。 (発明の効果) 実施例より明らかな如く、本発明により、機械的強度
はもちろんのこと、顔料分散性に極めて優れ塗膜外観と
表面硬度に優れた塗膜を形成する粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂が得られる。
細には、顔料分散性に極めて優れた熱硬化型粉体塗料用
グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法に関するもの
である。 (従来の技術) 従来より熱硬化型粉体塗料用バインダーとして、ポリ
エステル樹脂がその優れた機械的強度、塗膜物性の点で
広く用いられている。しかしながら、その顔料分散性に
ついては完全なものがなく、その結果、使用される顔料
の配合量は、塗膜の美観を損なわない程度の量に限定さ
れるため、表面硬度、隠ペイ性などの性能改良には限界
がある。また、固体状態から熱熔融し、さらに熱硬化す
る粉体塗料において、上述の顔料分散性は熱熔融時の流
動性を支配し、良好な塗膜外観を提供する上で極めて重
要なる特性である。 (発明が解決しようとする問題点) ポリエステル樹脂をバインダーとする粉体塗料の顔料
分散性は、一般的にアクリル樹脂やエポキシ樹脂をバイ
ンダーとするそれよりも優れているものの前述したよう
にまだ不十分で、満足できるものが得られていないのが
現状である。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記した従来技術における顔料分散性
を改良し、それによって塗膜外観、表面硬度等の性能を
改良すべく鋭意研究した結果、ポリエステル樹脂に対し
て、窒素原子含有ビニルモノマーを、特定の割合で以
て、グラフト(化)反応〔グラフト共重合ともいう。〕
せしめることによって、とりわけ、顔料分散性が著しく
改善された塗膜を与えることを見出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。 すなわち、本発明を概説することにすれば、まず、本
発明は、エステル樹脂に、窒素原子含有ビニルモノマー
を、0.01〜5.0重量%という割合で以て、つまり、前者
樹脂に対して、後者モノマーが、0.01〜5.0重量%とな
るような割合で以て、グラフト(化)反応せしめること
から成る、とりわけ、顔料分散性などに優れる、極めて
実用性の高い、粉体塗料用グラフト変性ポリエステル樹
脂の製造方法を提供しようとするものである。 以下、本発明の構成について詳しく説明する。 本発明で使用するグラフトベースであるポリエステル
樹脂成分は、後述する窒素原子含有ビニルモノマー成分
とグラフト共重合する不飽和点を有するものであればい
ずれも使用することができ、特に制限されるものではな
い。 そして、当該ポリエステル樹脂の調製方法については
特に制限はなく、周知慣用の方法がそのまま適用され得
るし、また酸成分およびアルコール成分としては、それ
ぞれ周知慣用の二塩基酸および/または多塩基酸ならび
に二価アルコール(グリコール類)および/または多価
アルコールがそのまま使用し得るが、そのうちでも、酸
成分として代表的なものには、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸およびそれらの無水物あるいはアジ
ピン酸、セバシン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル
酸、テトラヒドロフタル酸、メチル−テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル−ヘキサヒドロフ
タル酸およびそれらの無水物などがあるし、他方、アル
コール成分として代表的なものには、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、イソペンチルグリコール、ビスヒドロ
キシエチルテレフタレート、水添ビスフェノールA、水
添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトールおよび2,2,4−トリメチルペ
ンタン−1,3−ジオールなどがあるが、モノエポキシ化
合物も本発明におけるグリコール類の一つとして使用す
ることができる。 本発明において用いるポリエステル樹脂成分は、後述
する窒素原子含有ビニルモノマー成分とのグラフト反応
に供する不飽和点を有するものが望ましく、その確保は
以下の方法が代表的なものである。 (i)マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和
ジカルボン酸を予めポリエステル樹脂製造時の原料とし
て用いて縮合反応させるか、あるいはポリエステル樹脂
の水酸基に無水ジカルボン酸を反応させて不飽和基を導
入する方法。 この方法は、本発明の目的である顔料分散性の点から
みて最も好ましいもので、その際の不飽和ジカルボン酸
の使用料は0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重
量%である。0.01重量%未満では効果が期待しがたく、
また5重量%以上になると著しく高粘度の樹脂となり、
塗膜の平滑性を損なう原因となる。 (ii)一般式 (R1:水素原子またはメチル基、 R2:C1〜C5のアルキル基) で示されるイソシアネート基を含むビニルモノマーをポ
リエステル樹脂の残存水酸基に付加させる方法。 (iii)グリシジル(メタ)アクリレートをポリエステ
ル樹脂の残存カルボキシ基に付加する方法。 以上はポリエステル樹脂に不飽和基を導入する代表的
な例示であり、これによりポリエステル樹脂成分は後述
の窒素原子含有ビニルモノマーとグラフト共重合するこ
とが可能となるが、本発明は不飽和基導入方法として前
記したものに限定されないことは言うまでもないことで
ある。 次に、本発明の必須条件であるポリエステル樹脂成分
にグラフト反応させる窒素原子含有ビニルモノマー成分
について説明する。かかる窒素原子含有ビニルモノマー
成分としては、例えばN,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアル
キル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、アクリロイル、モルホリン、N−アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリド
ン、アクリロニトリル、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ルマレイミド、ビニルイミダゾールなど、及びこれらの
誘導体が用いられる。その使用量は0.01〜5重量%で、
より好ましくは0.05〜3重量%である。0.01重量%未満
では、その効果が期しえず、また5重量%を越えては塗
料の保存安定性に問題をきたすので好ましくない。 ポリエステル樹脂に、前記窒素原子含有ビニルモノマ
ーをグラフト反応させるには、通常のグラフト反応に従
って行なえばよい。最も簡便にはグラフト反応にあづか
る不飽和基を有するポリエステル樹脂の存在下で、前記
窒素原子含有ビニルモノマーをラジカル重合開始剤の存
在下、あるいは非存在下でグラフト反応させれば良い。 本発明において、グラフト共重合時に、前記窒素含有
ビニルモノマー成分以外に他のビニル系モノマーを使用
することができる。例えばスチレン、P−ターシャリー
ブチルスチレン等のスチレン及びその誘導体;メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート
等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキ
ルメタクリレート;アクリル酸、メタクリ酸等の酸モノ
マー;2ヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
(メタ)アクリレート等を併用することができる。 また、本発明のグラフト共重合に際してアゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルパーベンゾエート、ターシャリーブチルハイ
ドロオキサイド、ジターシャリーブチルハイドロオキサ
イド、クメンハイドロオキシドなどの重合開始剤を使用
することが出来る。 また、グラフト共重合反応はポリエステル樹脂を有機
溶剤で希釈しないで反応させる事も出来るが、一般には
有機溶剤で希釈した溶液中においてグラフト共重合反応
を行なう。使用される有機溶剤としてはキシレン、トル
エン、スワゾール1000、スワゾール1500(コスモ石油社
製)の如く芳香族系のもの;酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテートの如くエステル系のもの;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンの如くケトン系
のもの;1−ブタノール、2−ブタノールセロソルブの如
くアルコール系のもの;ミネラルスピリット、スワゾー
ル310の如く芳香族、脂肪族、脂環族混合系のものを単
独又は混合して使用する事が出来る。 溶液中でグラフト共重合反応させて得た樹脂溶液を粉
体塗料用に供するには、常圧あるいは減圧下において当
該樹脂溶液より溶剤を留去せしめると良い。 かくして得られた本発明のグラフト変性ポリエステル
樹脂は、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネー
ト、アミノ樹脂、エポキシ樹脂などの架橋剤成分を含有
させて熱硬化型粉体塗料として使用することができる。
また、本発明のグラフト変性ポリエステル樹脂は公知慣
用の塗料用添加剤あるいは前記架橋剤成分に対して有効
な硬化促進剤をも添加して使用することが出来ることは
言うまでもない。 かくして得られる本発明のグラフト変性ポリエステル
樹脂を用いて粉体塗料を調製するには、周知のいずれの
方法によっても可能である。 得られた粉体塗料を静電スプレー法または流動浸漬法
などの如き周知の方法で塗布し、次いで焼き付けること
により、すぐれた性能の塗膜を得ることができる。 (実施例等) 次に、本発明を合成例、実施例および比較例により具
体的に説明するが、部および%は特に断りのない限り、
すべて重量基準であるものとする。 合成例1.〔グラフト変性用ベースポリエステル樹脂(A
−1)の合成〕 エチレングリコールの83部、ネオペンチルグリコール
の327部、ジメチルテレフタレートの435部および酢酸亜
鉛の0.4部からなる混合物を、生成するメタノールを反
応系外に除去しながら、徐々に210℃まで昇温させて行
き、その後も同温度に2時間保持させてアルコール交換
反応を続行せしめた。次いで、ここにトリメチロールプ
ロパン6部、テレフタル酸130部、イソフタル酸224部、
マレイン酸13部およびジ−n−ブチル錫オキサイド0.5
部を加え、8時間を要して240℃まで昇温し、さらに同
温度で脱水縮合せしめて、水酸基価40かつ酸価7なるポ
リエステル(A−1)を得た。 合成例2.〔同(A−2)の合成〕 マレイン酸13部をイタコン酸15部に変更する以外は合
成例1と同様にして、水酸基価30かつ酸価9なるポリエ
ステル(A−2)を得た。 合成例3.〔比較対照用ベースポリエステル樹脂(R−
1)の合成〕 テレフタル酸130部を135部とし、マレイン酸の使用を
欠如した以外は合成例1と同様にして水酸基価40、酸価
7なるポリエステルを得た。これをポリエステル(R−
1)とする。 合成例4.〔グラフト変性用ベースポリエステル樹脂(A
−3)の合成〕 合成例3で得られたポリエステル(R−1)1000部を
200℃に保ち、無水マレイン酸3.5部を加えて2時間反応
させ、水酸基価38かつ酸価9なるポリエステル(A−
3)を得た。 合成例5.〔同(A−4)の合成〕 エチレングリコールの使用を欠如し、ネオペンチルグ
リコール450部、ジメチルテレフタレート420部、トリメ
チロールプロパン20部、テレフタル酸150部、イソフタ
ル酸242部、及びマレイン酸15部と変更する以外は合成
例1と同様にして水酸基価5かつ酸価35なるポリエステ
ル(A−4)を得た。 合成例6.〔同(A−5)の合成〕 合成例1で得られたポリエステル(A−1)1000部を
200℃に保温し、無水トリメリット酸124部を加えて2時
間反応せしめ、酸価70、水酸基価8のポリエステル(A
−5)を得た。 合成例7.〔比較対照用ベースポリエステル樹脂(R−
2)の合成〕 マレイン酸13部を1部に変更した以外は合成例1と同
様にして水酸基価43、酸価5のポリエステル(R−2)
を得た。 合成例8.〔同(R−3)の合成〕 マレイン酸13部を60部に、イソフタル酸224部を140部
に変更した以外は合成例1と同様にして水酸基価40、酸
価6のポリエステル(R−3)を得た。 合成例9.〔同(R−4)の合成〕 合成例3で得られたポリエステル(R−1)1000部を
200℃に保温し、無水トリメリット酸124部を加えて2時
間反応せしめ、酸価70、水酸基価8のポリエステル(R
−4)を得た。 合成例10.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)
の合成〕 ポリエステル(A−1)500部にキシレン300部及び酢
酸ブチル100部を加えて120℃に昇温し、溶解させた。つ
いで、キシレン100部、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート0.15部及びアゾビスイソブチロニトリル3部の混
合物を1時間を要して該ポリエステル溶液に滴下し、同
温度で8時間さらにグラフト反応させた。次いで、グラ
フト反応の終了した樹脂溶液から15mmHgの減圧下にキシ
レンと酢酸ブチルを留去せしめ、水酸基価39、酸価7、
軟化点(環球法)108℃なるグラフト変性ポリエステル
(GP−1)を得た。 合成例11.〔同(GP−2)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレート0.15部をビニル
イミダゾール0.15部に変更した以外は合成例10と同様に
して、水酸基価40、酸価7、軟化点109℃のグラフト変
性ポリエステル(GP−2)を得た。 合成例12.〔同(GP−3)の合成〕 スチレン15部を使用し、ジメチルアミノエチルメタク
リレート0.15部を15部に変更した以外は、合成例10と同
様にして、水酸基価39、酸価6、軟化点112℃なるグラ
フト変性ポリエステル(GP−3)を得た。 合成例13.〔同(GP−4)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−2)に
変更した以外は、合成例12と同様にして水酸基価28、酸
価8、軟化点118℃なるグラフト変性ポリエステル(GP
−4)を得た。 合成例14.〔同(GP−5)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−3)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価39、
酸価8、軟化点108℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−5)を得た。 合成例15.〔同(GP−6)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−4)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価4、
酸価33、軟化点120℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−6)を得た。 合成例16.〔同(GP−7)の合成〕 ポリエステル(A−1)をポリエステル(A−5)に
変更した以外は、合成例12と同様にして、水酸基価7、
酸価66、軟化点115℃なるグラフト変性ポリエステル(G
P−7)を得た。 合成例17〜20.〔比較対照用ポリエステル樹脂(P−
1)〜(P−4)の合成〕 ポリエステル(A−1)を、ポリエステル(R−
1)、(R−2)、(R−3)または(R−4)に、そ
れぞれ、変更した以外は、合成例12と同様にして、比較
対照用ポリエステル樹脂(P−1)、(P−2)、(P
−3)および(P−4)を得た。 合成例21.〔同(P−5)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、0.
04部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
7で、水酸基価が39で、かつ、軟化点が108℃なる、比
較対照用ポリエステル樹脂(P−5)を得た。 合成例22.〔同(P−6)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、30
部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が6
で、水酸基価が38で、かつ、軟化点が109℃なる、比較
対照用ポリエステル樹脂(P−6)を得た。 次いで、各合成例で得られた、それぞれの樹脂につい
て、諸性能の評価判定試験を行なうために、実施例1〜
8ならびに比較例1〜8なる、種々の粉体塗料を調製し
た。 合成例23.〔同(P−7)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、0.
75部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
0.5で、水酸基価が37で、かつ、軟化点が98℃なる、茶
褐色を呈する、比較対照用のポリエステル樹脂(P−
7)を得た。 合成例24.〔同(P−8)の合成〕 ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.15部を、45
0部に変更した以外は、合成例10と同様にして、酸価が
0.1で、水酸基価が36で、かつ、軟化点が70℃なる、茶
色を呈する、比較対照用のポリエステル樹脂(P−8)
を得た。 これらの合成例23および24で得られた、それぞれの樹
脂について、諸性能の評価判定試験を行なうために、実
施例1〜8ならびに比較例1〜8におけると同様の、種
々の粉体塗料を調製した。 合成例25.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−8)
の合成〕 合成例3で得られたベースポリエステル樹脂(R−
1)の500部に、キシレンの300部および酢酸n−ブチル
の100部を加え、撹拌溶解しながら、80℃にまで昇温し
た。 次いで、これに、メタクリロイルオキシエチルイソシ
アネートの0.5部を加えて、同温度に、1時間のあいだ
保持した処、この時点での、ポリエステル樹脂の水酸基
価は38となっていた。 以後は、合成例10と同様にして、酸価が7で、水酸基
価が38で、かつ、軟化点が108℃なる、イソシアネート
基含有ビニルモノマーを、ポリエステル樹脂の残存水酸
基に対して付加せしめた形のグラフト変性ポリエステル
樹脂(GR−8)を得た。 合成例26.〔グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−9)
の合成〕 合成例9で得られたベースポリエステル樹脂(R−
4)の500部に、キシレンの300部および酢酸n−ブチル
の100部を加え、撹拌溶解しながら、135℃にまで昇温し
た。 次いで、これに、グリシジルメタクリレートの0.5部
を加えて、同温度に、1時間のあいだ保持した処、この
時点での、ポリエステル樹脂の酸価は68となっていた。 以後は、120℃にまで降温してから、合成例10と同様
にして、酸価が68で、水酸基価が8で、かつ、軟化点が
112℃なる、グリシジル基含有ビニルモノマーを、ポリ
エステル樹脂の残存カルボキシル基に対して付加せしめ
た形のグラフト変性ポリエステル樹脂(GR−9)を得
た。 これらの合成例25および26で得られた、それぞれの樹
脂について、諸性能の評価判定試験を行なうために、実
施例1〜8ならびに比較例1〜8におけると同様の、種
々の粉体塗料を調製した。 実施例1. グラフト変性ポリエステル(GP−1)80部と「クレラ
ンUI」(バイエル社製ブロックイソシアネート)20部
に、酸化チタン100部および「モダフロー」(モンサン
ト社製、流動調整剤)1部を加えてこれらを混合したの
ち、押出機で混練し、冷却後粉砕して粉体塗料を得た。 実施例2〜5. グラフト変性ポリエステル(GP−1)をグラフト変性
ポリエステル(GP−2)〜(GP−5)にそれぞれ変更し
た以外は実施例1と同様にして粉体塗料を得た。 実施例6. グラフト変性ポリエステル(GP−6)70部と「エピク
ロン3050」(大日本インキ化学工業社製、エポキシ樹
脂)30部とに、酸化チタン100部および「モダフロー」
1部を加え、実施例1と同様の方法で粉体塗料を得た。 実施例7. グラフト変性ポリエステル(GP−6)70部をグラフト
変性ポリエステル(GP−7)50部に変更し、かつ「エピ
クロン3050」30部を50部に変更した以外は、実施例6と
同様にして粉体塗料を得た。 実施例8. 酸化チタン100部を沈降性硫酸バリウム10部に変更
し、さらに「MA−100」(三菱カーボン社製、カーボン
ブラック)5部を加える以外は実施例1と同様にして、
粉体塗料を得た。 比較例1〜3. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
ポリエステル(P−1)〜(P−3)にそれぞれ変更し
た以外は、実施例1と同様にして粉体塗料を得た。 比較例4. グラフト変性ポリエステル(GP−7)を比較対照用ポ
リエステル(P−4)に変更した以外は、実施例7と同
様にして粉体塗料を得た。 比較例5および6 グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のポリエステル(P−5)または(P−6)に、それぞ
れ、変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対照
用の、各種の粉体塗料を調製した。 比較例7. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のポリエステル(P−1)に変更した以外は、実施例8
と同様にして、比較対照用の粉体塗料を調製した。 比較例8. グラフト変性ポリエステル(GP−1)を、比較対照用
のベースポリエステル(R−1)に変更した以外は、実
施例1と同様にして、比較対照用の粉体塗料を調製し
た。 以上の実施例1〜8ならびに比較例1〜8で得られ
た、各種の粉体塗料を、厚さが0.8mmなる燐酸亜鉛処理
鋼板上に、膜厚が50〜60マイクロ・メートルないしはミ
クロン(μm)となるように、各別に、静電スプレー法
により塗布せしめ、次いで、200℃において、20分間の
あいだ焼き付けを行なって、硬化塗膜たる、種々の試験
片を得た。 以後は、それぞれの試験片について、塗膜諸性能の評
価判定の試験を行なった。それらの結果は、まとめて、
表−1に示す。 此の表−1からも明らかなように、各比較例において
得られた、それぞれの粉体塗料は、総じて、保存安定性
の上で、本発明に係る粉体塗料用グラフト変性ポリエス
テル樹脂を用いて得られる、それぞれの粉体塗料に比し
て、格段に劣っていることが、無理なく、知り得よう。 比較例9. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、比較対照用のポリエステル樹脂(P−7)を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対
照用の粉体塗料を調製した。 比較例10. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、比較対照用のポリエステル樹脂(P−8)を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較対
照用の粉体塗料を調製した。 実施例9. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、合成例25で得られたグラフト変性ポリエステル樹脂
(GP−8)を用いるように変更した以外は、実施例1と
同様にして、目的とする粉体塗料を調製した。 実施例10. グラフト変性ポリエステル樹脂(GP−1)の代わり
に、合成例26で得られたグラフト変性ポリエステル樹脂
(GP−9)を用いるように変更した以外は、実施例1と
同様にして、目的とする粉体塗料を調製した。 実施例9および10ならびに比較例9および10で得られ
た、それぞれの粉体塗料を、厚さが0.8mmなる燐酸亜鉛
処理鋼板上に、膜厚が50〜60μmとなるように、各別
に、静電スプレー法により塗布せしめ、次いで、200℃
において、20分間のあいだ焼き付けを行なって、硬化塗
膜たる、種々の試験片を得た。 以後は、それぞれの試験片について、塗膜諸性能の評
価判定の試験を行なった。それらの結果は、まとめて、
表−2ならびに表−3に示す。 (発明の効果) 実施例より明らかな如く、本発明により、機械的強度
はもちろんのこと、顔料分散性に極めて優れ塗膜外観と
表面硬度に優れた塗膜を形成する粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂が得られる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.不飽和ジカルボン酸を使用し、あるいは使用せずに
得られる、不飽和基を有するポリエステル樹脂に、窒素
原子含有ビニルモノマーを、0.01〜5.00重量%なる割合
で以て、グラフト化反応せしめることを特徴とする、粉
体塗料用グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP62092974A JP2700791B2 (ja) | 1987-04-17 | 1987-04-17 | 粉体塗料用グラフト変性ポリエステル樹脂の製造方法 |
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JP2700791B2 true JP2700791B2 (ja) | 1998-01-21 |
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JPS5824467B2 (ja) * | 1974-09-09 | 1983-05-21 | 大日本インキ化学工業株式会社 | フンタイトリヨウヨウネツコウカセイジユシソセイブツ |
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