JP2699443B2 - 金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 - Google Patents
金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法Info
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Description
及びその製造方法に関する。
う)は、軽量、高強度であり、耐熱、耐食性に優れてい
るという特徴を有する。このため、ロケットノズル、ノ
ーズコーン、航空機のディスクブレーキなどの航空宇宙
材料、発熱体、ホットプレス鋳型、その他の機械部品、
原子炉用部材等に用いられている。
ピッチ系等の長繊維もしくは短繊維の炭素繊維にフェノ
ール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂又はピッチ等の
熱可塑性樹脂等のマトリックス物質を含浸又は混合し
て、加熱成形したものを不活性ガス等の非酸化性雰囲気
において、600〜1000℃程度の焼成、さらにピッチ、樹
脂を含浸した後炭化焼成するか、化学蒸着法を用いる方
法、あるいはこれらを組合わせる方法を用いて緻密化し
た後、必要に応じて黒鉛化することにより製造されてい
る。
すなわち厚み方向に熱を有効に伝導又は除去する用途に
使う必要がある場合には、必ずしも満足すべきものとは
いえず、実用に供するには問題があった。
C複合材を得るべく、種々検討を行ない、一方向の熱伝
導率を大きくし、かつそれと直角方向の強度をも併せて
向上したC/C複合材を得、本発明に到達した。
料であって、(ii)該炭素複合材料は、炭素繊維が実質
的に厚み方向に配向しており、厚み方向に直角の方向の
熱伝導率に対する厚み方向の熱伝導率の比率が2以上で
あり、かつ厚み方向の熱伝導率が3W/cm・℃以上であ
り、かつ(iii)金属は、該炭素複合材料の厚み方向と
実質的に直角をなす片面に接合されてなる、ことを特徴
とする金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料、及び (2) 炭素繊維の長繊維を熱硬化性樹脂に含浸し、こ
れを加熱して繊維/樹脂の複合体を得、この複合体を目
的とする複合材料の厚みより長く切断し、互いに実質的
に平行となるように一方向に揃えて、その繊維の長さ方
向に直角の方向に圧力を加え、成形して樹脂を硬化し、
ついで炭化し、さらにこれをピッチ又は熱硬化性樹脂に
含浸した後、炭化、必要に応じて黒鉛化し、炭素繊維強
化炭素複合材料を得、ついで該炭素複合材料の厚み方向
と実質的に直角をなす片面に、金属を接合することを特
徴とする金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料の製
法にある。
(PAN)系、ピッチ系炭素繊維あるいは気相成長法炭素
繊維等、いずれの種類でもよいが、特に繊維軸方向の熱
伝導率が高い高特性のピッチ系炭素繊維が好適である。
炭素繊維を用いて得られ、炭素繊維が実質的に厚み方向
に配向しており、厚み方向に直角の方向の熱伝導率に対
する厚み方向の熱伝導率の比率が2以上であり、かつ厚
み方向の熱伝導率が3W/cm・℃以上であるC/C複合材の厚
み方向と実質的に直角をなす片面に金属を接合してなる
ことを特徴とする。
よって得られる。
れを加熱して半硬化させる。
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙
げられるが、フェノール樹脂特にレゾール型のフェノー
ル樹脂が好適に使用できる。これらの熱硬化性樹脂は通
常エタノールのようなアルコール類、ヘキサンのような
炭化水素あるいはアセトンといった溶剤で溶解希釈して
用いる。
好ましくは2.0〜60wt%の範囲のものを使用する。
のは硬化剤も溶液中に添加されるがその量はそれぞれの
樹脂に適した量が添加される。
る方法としては、溶液中に炭素繊維を浸漬するといった
簡単な方法で良いが、長繊維ロービングであれば溶液の
満たされた槽内を連続的に走行させる方法が処理の効率
の点から好ましい。また、この際に溶液の満された槽に
10〜50KHz程度の超音波を作用させておくと各単繊維
間、織目間の気泡等による処理むらの影響を防ぐことが
できるので好ましい。
ーを通すなどして余分な溶液を除去し、次いで加熱処理
を施される。
熱処理の条件は使用する熱硬化性樹脂の種類によってそ
れぞれ適正条件は異なるが通常50〜300℃、好ましくは8
0〜200℃の温度で0.2〜5時間、好ましくは0.2〜2時間
加熱処理される。この際、炭素繊維に塗布された熱硬化
性樹脂溶液からの急激な溶剤の脱離を避るため所定の温
度への昇温を徐々に行なわれることが望ましい。また、
加熱処理は炭素繊維を連続的に加熱炉内を走行させる方
法で行なうのが処理の効率の点から好ましい。
C複合材の厚み方向より長く切断する。
範囲から選定され、たとえば15〜100mmから選ばれる。
切断された複合体は、互いに実質的に平行となるように
一方向に揃えられ、その繊維の長さ方向に直角の方向に
圧力を加え、加熱、成型する。
共給することにより金型内に実質的に平行になるように
揃え、樹脂の硬化のために必要な温度の加熱下に、繊維
の長さ方向に直角の方向に圧力を加えて樹脂を硬化させ
ることにより成型体を得る。
ーズで取囲むような形とした後、容器を電気炉に入れ、
必要に応じてN2ガス流通下で1000℃程度まで昇温して炭
化する。
気下で2000℃以上の温度まで熱処理する。
石炭系ピッチあるいはフェノール樹脂、フラン樹脂等の
熱硬化性樹脂に含浸した後、また、熱硬化性樹脂を用い
た場合には樹脂を硬化させて後炭化させる。
ントラセン油等の溶媒に溶解して適当な粘度に調整した
ものを使用するのが一般的である。
される。
を低圧反応容器(オートクレーブ)内に入れ真空中で加
熱してピッチを溶解し、炭化物もしくは黒鉛化物がピッ
チの溶融液の中に浸漬した状態となった後、N2ガスを導
入して低圧で550〜600℃程度に昇温する。
を取出し、前述と同様の方法でこれを1000℃程度まで炭
化し、必要に応じて黒鉛化する。
より比重1.6以上の高緻密のC/C複合材を得る。
分であったり、炭化、黒鉛化の際の昇温速度が大きすぎ
ると繊維の長さ方向に直角の方向の強度が小さくなり、
場合によっては破壊に至るので適切な条件を選ぶ必要が
ある。また、黒鉛化温度を高くしたほうが高い熱伝導率
が得られやすい。
伝導率を有する。
向と実質的に直角をなす片面に金属を接合する。
ものを用いることができるが、たとえばTi、Cu、Fe、N
i、Cr等あるいはこれらを主体とする合金等から選ぶの
か一般的である。耐熱性等を要求される場合にはTiもし
くはTi合金系が好適である。合金系としては、たとえば
Tiの場合、Al,V等を含むものが好適に使用される。これ
らの金属は、通常5mm程度以下、好ましくは0.1〜1mmの
薄板として用いられ、接合は、真空ろう付、拡散接合、
HIP(ホット・アイソスタティック・プレス)等の常法
によることができる。
気伝導が一方向に高いものであり、熱を有効に除去した
り伝達したりしうる。また、厚み方向と直角の方向の耐
熱衝撃性を高く、高温炉での使用に耐えるものである。
は10以上であり、かつ、厚み方向 の熱伝導率が3W/cm・℃以上であり、たとえば、その一
方の面に高温度に加熱された物質を置いても厚み方向の
熱伝導率が高いため、他方の面に熱が伝わりやすく、こ
の他方の面に冷却水を流した部分を接触させることによ
り、この加熱した物質を有効に冷却することができる。
すなわち、熱交換により、物質を冷却する場合に有効に
使用しうる。
いピッチ系、特に石炭ピッチ系の高特性の炭素繊維を用
いると、その効果がより大きくなるので好適である。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
ド”、4,000フィラメント、繊維径10μ)の長繊維を、
フェノール樹脂のエタノール溶液に浸漬し、ついでこれ
を乾燥器に入れ70℃でエタノールを除去した後、100℃
以上に昇温してフェノール樹脂を半硬化させた。得られ
た繊維/樹脂の複合体(トウプリプレグ)(炭素繊維:
樹脂56:44、重量比)を長さ40mmに切断した。このもの
は、繊維が樹脂で固められ、棒状で剛直であった。この
切断した複合体を互いに平行になるように金型内に一方
向に揃えて並べ、目的とするC/C複合材の寸法より大き
くなるような形状に充填した。
温し、250℃で1時間保持し、成型、硬化した。
の中に入れコークスブリーズでおおった状態で、約50時
間かけて1000℃まで昇温し樹脂の炭化を行なった。
クレーブに入れ、減圧状態のまま250℃まで昇温し、つ
いでN2を入れることにより雰囲気を陽圧とした後、昇温
し8時間で500℃まで到達させた後、500℃で4時間保持
した。
を使って一定に保持した。
炭化と同様の方法で1000℃まで炭化した。上記のオート
クレーブ処理とその後の炭化処理を合計3回行なった
後、これを黒鉛化炉に入れアルゴン雰囲気中、2800℃ま
で昇温した後、冷却し、C/C複合材を得た。
(繊維軸と同一方向)とそれに直角の方向の熱伝導率を
レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(真空理工製)で
測定した。
の方向の熱伝導率は0.31W/cm・℃であり、その比率は1
2.0であった。
速に入れても破壊せず、耐熱衝撃性にも優れていた。
質的に直角をなす片面に純Ti板を接合した。
にCuろうを置き、さらにその上に上記C/C複合材を置い
て約1kgの重しをかけ、真空炉中で1約時間かけて昇温
して約1050℃で5分間保持し、目的とするTi接合したC/
C複合材を得た。
ても、補強効果を十分に有していた。
したこと及びオートクレーブ処理とその後の炭化処理を
合計4回行なったことのほかは、実施例1と同様にして
C/C複合材を得た。
み方向の熱伝導率は3.61、厚み方向に直角の方向の熱伝
導率は0.51であり、その比率は7.08であった。
速に入れても破壊せず、耐熱衝撃性にもすぐれていた。
方法により、片面に純Ti板を接合した。得られたC/C複
合材は、厚み方向に直角の方向についても、補強効果を
十分に有していた。
伝導率、電気伝導率を有し、かつそれと直角方向にも補
強効果を有するため、特に一方向の熱もしくは電気の伝
導を必要とする場合に使用すると有効であり、たとえば
熱除去、熱伝達をするような熱交換の材料あるいはスイ
ッチ材料などに使用しうる。
Claims (2)
- 【請求項1】(i)金属を接合した炭素繊維強化炭素複
合材料であって、 (ii)該炭素複合材料は、炭素繊維が実質的に厚み方向
に配向しており、厚み方向に直角の方向の熱伝導率に対
する厚み方向の熱伝導率の比率が2以上であり、かつ厚
み方向の熱伝導率が3W/cm・℃以上であり、かつ (iii)金属は、該炭素複合材料の厚み方向と実質的に
直角をなす片面に接合されてなる、 ことを特徴とする金属と接合した炭素繊維強化炭素複合
材料。 - 【請求項2】炭素繊維の長繊維を熱硬化性樹脂に含浸
し、これを加熱して繊維/樹脂の複合体を得、この複合
体を目的とする複合材料の厚みより長く切断し、互いに
実質的に平行となるように一方向に揃えて、その繊維の
長さ方向に直角の方向に圧力を加え、成形して樹脂を硬
化し、ついで炭化し、さらにこれをピッチ又は熱硬化性
樹脂に含浸した後、炭化、必要に応じて黒鉛化し、炭素
繊維強化炭素複合材料を得、ついで該炭素複合材料の厚
み方向と実質的に直角をなす片面に金属を接合すること
を特徴とする金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料
の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63223787A JP2699443B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-09-07 | 金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
DE68929046T DE68929046T2 (de) | 1988-04-28 | 1989-04-26 | Kohlenstofffaserverstärkte Kohlenstoff-Verbundwerkstoffe, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung als Innenwände von Kernfusionsreaktoren |
DE68923901T DE68923901T2 (de) | 1988-04-28 | 1989-04-26 | Kohlenstoffaserverstärkte Kohlenstoff-Verbundwerkstoffe, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung als Innenwände von Kernfusionsreaktoren. |
EP94112521A EP0630875B1 (en) | 1988-04-28 | 1989-04-26 | Carbon fiber-reinforced carbon composite materials, processes for their production, and first walls of nuclear fusion reactors employing them |
EP89107551A EP0339606B1 (en) | 1988-04-28 | 1989-04-26 | Carbon fiber-reinforced carbon composite materials, processes for their production, and first walls of nuclear fusion reactors employing them |
US07/873,683 US5390217A (en) | 1988-04-28 | 1992-04-24 | Carbon fiber-reinforced carbon composite materials processes for their production, and first walls of nuclear fusion reactors employing them |
US08/450,640 US5586152A (en) | 1988-04-28 | 1995-05-25 | Carbon fiber-reinforced carbon composite materials, processes for their production, and first walls of nuclear fusion reactors employing them |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10615488 | 1988-04-28 | ||
JP63-106154 | 1988-04-28 | ||
JP63223787A JP2699443B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-09-07 | 金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0230664A JPH0230664A (ja) | 1990-02-01 |
JP2699443B2 true JP2699443B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=26446318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63223787A Expired - Lifetime JP2699443B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-09-07 | 金属と接合した炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2699443B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-07 JP JP63223787A patent/JP2699443B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0230664A (ja) | 1990-02-01 |
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