JP2699393C - - Google Patents

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JP2699393C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は螢光表示管、特にそれぞれ複数個の螢光表示管を水平及び垂直方向に
配列して全体として大画面表示を行うようにした表示装置に用いられて好適な螢
光表示管に関わる。 〔発明の概要〕 本発明は、各色の蛍光体セグメントが配列されてなる螢光面と、これに対向し
て配され各蛍光体セグメントに対して電子ビームを衝撃させる電子ビーム制御機
構を有する螢光表示管において、そのグリッドの少なくとも1の色の螢光体セグ
メントに対応する電子ビーム透過孔のメッシュの粗さ単位面積当りの電子ビーム
透過率を他の色の蛍光体セグメントに対応する電子ビーム透過孔のメッシュの粗
さと変えることによってホワイトバランスが得られるようにする。 〔従来の技術〕 大画面表示、例えばカラー大画面表示を行う表示装置において、例えば図4に その正面図を示すように、それぞれ例えば赤,緑及び青の各螢光体セグメントR
,G及びBを1組、すなわち1トリオとして例えば2ライン(行)8列に16ト
リオ、したがって48の蛍光体セグメントR,G,Bが配列された螢光面を有す
る螢光表示管1を、行及び列方向(すなわち垂直方向Y及び水平方向X)にそれ
ぞれ複数本配列して表示情報に応じて各蛍光体セグメントの発光をなして全体と
して大画面のカラー画像表示を行うようにした表示装置が提案されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 このような表示装置に用いられる螢光表示管においては、各蛍光体セグメント
R,G及びBにそれぞれ電子ビームの衝撃を行って発光させるものであるが、こ
の場合、各蛍光体セグメントR,G及びBを構成する蛍光体の発光効率が異なる
ことから、各蛍光体セグメントR,G及びBへの電子ビームを制御するグリッド
電圧を変えることによって蛍光体セグメントR,G及びBの電流比を選定する(
以下、第1の方法という)とか、各蛍光体セグメントR,G及びBの幅(面積)
比を選定する(以下、第2の方法という)ことによってホワイトバランスをとる
。 ところが上述した第1の方法では、駆動回路の定数を各色によって調整する必
要があり、回路構成が煩雑になる上に、各電子ビーム通路の電界が異ることから
、各色の蛍光体セグメント上でのビームスポットが異ってしまって、全ての条件
について最適化できないという課題がある。 また、第2の方法によるときは、各電極の全てを蛍光体セグメントR,G及び
Bの幅に対応して電子ビーム透過孔の幅を変えるなど対応させる必要がありホワ
イトバランスの概略調整はできるものの微調整が難しい。 本発明は、上述した課題の解決をはかり、ホワイトバランスの調整の自由度、
したがって高精度微調整を可能にした螢光表示管を提供する。 〔課題を解決するための手段〕 本発明においては、第1図にその断面を示すように、光透過性の第1のパネル
11とこれに対向する第2のパネル12と周側壁13とによって囲まれその内部
が高真空度に保持された平面型容器15、すなわち管体を有する。 第1のパネル11の内面には赤,緑及び青の各螢光体セグメントR,G及びB が配列されてなる螢光面16が形成され、この螢光面16に対向して各螢光体セ
グメントR,G,Bに対してそれぞれ電子ビームを衝撃させる電子ビーム制御機
構17が配置される。この電子ビーム制御機構17は、カソードKとグリッド群
、例えば第1〜第3グリッドG1〜G3とを有して成る。カソードKは螢光体セグ
メントの複数毎例えば1トリオ毎に共通に配された線状カソードより成る。 本発明は、グリッド電極群のうちの少くとも1のグリッド、例えば第2グリッ
ドG2の各螢光体セグメントR,G,Bに対応するメッシュ状電子ビーム透過孔
2R,H2G,H2Bの単位面積当りの電子ビーム透過率、すなわち、メッシュの粗
さを異ならしめる。 〔作用〕 上述の構成によれば、グリッド、例えば第2グリッドG2の各色の螢光体セグ
メントR,G,Bに対する電子ビーム透過孔の電子ビーム透過率を変えたことに
より、各螢光体セグメントR,G,Bの明るさの調整を行うことができるので、
これによって、また或場合はこの構成と共に、電子ビーム透過孔の面積、例えば
幅をも変えることによってホワイトバランス調整を大なる自由度をもって、した
がって正確に選定することができる。また本発明によれば電子ビーム透過率、す
なわち各螢光体セグメントR,G,Bに関しての電流密度を変化させることがで
きることから、例えば各セグメントR,G,Bの螢光体について個々に長寿命使
用に、或いは発光効率等最適使用状態の電流密度範囲での動作を行わせしめるこ
とができ、画質の向上,長寿命化等の改善も図り得る。 〔実施例〕 第1図〜第3図を参照して本発明の一実施例を説明する。 例えばそれぞれ長方形をなす第1及び第2のガラスパネル11及び12間に4
側壁を構成する例えば同様にガラス壁よりなる周側壁13を配して3者間をフリ
ット13によって封着して平面型容器15を構成する。 第1のパネル11の内面には、例えば赤,緑及び青の各螢光体セグメントR,
G,Bよりなる螢光体トリオが複数組例えば2行8列に、したがって48セグメ
ントが配列され、また各セグメントR,G,B間にはカーボン塗膜等の光吸収層
20が被着され全面的にAl蒸着膜等のメタルバック層(図示せず)が形成され て、螢光面16が被着形成される。 そして、この螢光面16の前方には各螢光体セグメントR,G,B間の前方空
間を区分し、各螢光体セグメントR,G,Bへの電子ビームの相互の干渉を回避
する区画壁19Aを有するセパレータ電極19が配置される。このセパレータ電
極19はその周壁から取付け片21が突設され、これが例えばガラスフリット5
0によってパネル11にフリット付けされて支持される。 螢光面16に対向して設けられる電子ビーム制御機構17は、第2図にその要
部の一部を切り欠いた斜視図を示し、第3図にその分解斜視図を示すように、カ
ソードKと第1グリッドG1と第2グリッドG2と第3グリッドG3が順次平面的
に螢光面16側に向って配列された構成をとる。 第3グリッドG3は、例えば金属板より成る第3グリッドフレームF3と、金属
薄板よりなる第3グリッド本体M3とが重ね合わせられてなる。フレームF3は螢
光面16の赤,緑及び青の螢光体セグメントR,G,Bのトリオに対して共通の
透孔HF3が穿設される。また、第3グリッド本体M3は、フレームF3の各透孔H
F3に対向する位置にそれぞれ各螢光体セグメントR,G,Bに対向してメッシュ
状の電子ビーム透過光H3R,H3G及びH3Bがフォトリソグラフィ等によって穿設
されてなる。この第3グリッド本体M3は、第3グリッドフレームF3にその透過
孔H3R,H3G及びH3Bが対応する透孔HF3に合致するように載せられ、さらにこ
れの上に例えば隣り合う2列4組のトリオに対して共通のセラミック等の第1の
絶縁スペーサS1が重ねられて配置される。この第1の絶縁スペーサS1はフレー
ムF3の各透孔HF3に対応する透孔HS1が穿設され、共通の列すなわち垂直方向
Y上の透孔(図示の例では対の透孔)HS1間に2本の突条231,232がそれぞ
れ垂直方向Yに延在して形成される。 そして、第3グリッド本体M3上にそれぞれスペーサS1を介して第2グリッド
2が配置される。第2グリッドG2は第3グリッド本体M3の各メッシュ状電子
ビーム透過孔H3R,H3G,H3Bの共通の列上に対して共通に帯状の電極24R,
24G,24Bが平行配列され、各帯状電極24R,24G,24Bに、フレー
ムF3のY方向の共通の列上の各対の透過孔H3R,H3G,H3Bに対応してそれぞ
れ各2個のメッシュ状電子ビーム透過孔H2R,H2G,H2Bが、フォトリソグ ラフィ等によって形成される。そして、ここに各電子ビーム透過孔H2R,H2G
2Bは、例えばH2Bのメッシュを最も密にして単位面積当りの電子ビームの透過
率を低め、次にH2Rを粗にし、H2Gを最も粗にして電子ビーム透過率を高める。
そして、帯状電極24R,24G,24Bの両端は、それぞれリード24Lとな
り、これらがその外端において枠部24Fによって連結されて組立前の状態では
リードフレームが構成される。このリードフレームは、フォトリソグラフィ等に
よって形成される。このリードフレームは、各帯状電極24R,24G,24B
間にスペーサS1の突条231,232が入り込むように各スペーサS1を介在させ
て第3グリッドG3の本体M3上に載置され、電子ビーム制御機構17の組立後に
その枠部24Fが取り去られて各電極24R,24G,24Bが電気的に分離さ
れる。 そして、この第2グリッドG2のリードフレーム上には、同様にセラミック等
の絶縁材よりなるカソード支持体を兼ねる第2の絶縁スペーサS2を介して第1
グリッドG1を配置する。 この第2の絶縁スペーサS2は、第1の絶縁スペーサS1と同様に例えば隣り合
う2行2列4組の螢光体トリオに対してそれぞれ共通に配置され、第3のグリッ
ドG3のフレームF3の各透孔HF3に対応する透孔HS2が設けられ、各透孔HS2
両側に水平方向Xに関する両側に垂直方向Yに沿って延在する各対の突条251
及び252が一体に突設されてなり、各突条251及び252には、カソードK側
の端面に開放する透孔ないしは溝よりなるカソードの支持嵌合部26が形成され
てなる。 第1グリッドG1は、第1グリッド本体M1とシールド板SH1と第1グリッドフ
レームF1とが順次積層されてなる。第1グリッド本体M1は、第3グリッドG3
及び第2グリッドG2の各メッシュ状透孔H3R,H3G及びH2R,H2G,H2Bに対
向して同様の例えばメッシュ状透孔H1R,H1G,H1Bが例えばフォトリソグラフ
ィによって穿設されて成る。第1グリッドG1のシールドSH1は、例えばメッシ
ュ状透孔H1R,H1G,H1Bを1組とする4組のトリオすなわち隣り合う2行2列
の4組のトリオに対して共通にそれぞれ例えば金属板の打ち抜き、折り曲げ加工
によって形成され、各シールド板SH1には各第1グリッド本体M1のメ ッシュ状透孔H1R,H1G,H1Bと対向する位置に透孔HSH1R,HSH1G,HSH1B
穿設されてなる。そして、これら透孔HSH1R,HSH1G,HSH1Bのトリオの水平方
向X方向に関する両側に垂直方向Yに沿って延長する側壁271及び272を折り
起こして形成するとともに、これら外端間に同様に側壁273を折り起こして形
成する。第1グリッドのフレームF1は、複数のシールド板SH1に対して共通に
同様に金属板の打ち抜き,折り曲げ加工によって形成し得る。 これら第1グリッドG1を構成する第1グリッド本体M1,シールド板SH1及び
フレームF1は、順次第2の絶縁スペーサS2上に重ね合わせられて各透孔のトリ
オ間に、そのスペーサS2の突条251及び252が突出するようになされて配置
される。そして、このスペーサS2の各突条251及び252の各嵌合部26にカ
ソードの取着に供する金属片28が例えば、互いに隣り合う他の透孔HS2の突条
251及び252の端面上に跨るように嵌入配置される。 一方、カソードKは、例えば直線状に延びるスパイラル状ヒータ上に、カソー
ド材が吹き付け等によって被着された構成をとり、その両端が金属片28に直接
溶接されるか、あるいは例えば予めカソード保持体29に架張してカソード材の
吹き付けがなされた状態でこのカソード保持体29のカソードヒータの両端にお
いて金属片28に溶接し、その後カソード保持体29をその各カソードKの両端
間において切断して各カソードKについて両端間の電気的分離を行う。 これら第3グリッドG3を構成するフレームF3,第3グリッド本体M3,第1
の絶縁スペーサS1,グリッドG2を構成するリードフレームF2,第2の絶縁ス
ペーサS2,第1のグリッドG1を構成する第1グリッド本体M1,シールド板SH
1,フレームF1は順次重ね合わせられてこれらに穿設した各透孔を通じて互いに
金属のはとめ(図示せず)によってかしめつけて合体する。この場合、そのかし
めつけのはとめの挿通孔は、第1グリッドG1と第3グリッドG3で交互に大にな
るようにすることによって金属はとめによって各グリッドG1〜G3が電気的に連
結することがないようにする。 このようにしてカソードK,第1〜第3グリッドG1〜G3が一体化されてなる
電子ビーム制御機構17を、その第2グリッドG2のリード24Lをパネル12
と周側壁13との間のフリット付け部を通じて外部に導出することによって機 械的に支持すると共に、容器15外へのリード導出を行う。 尚、この場合第3図に示すように、第2グリッドG2を構成するリードフレー
ムには、カソードKの端子、また第3及び第1グリッドG1に連結するリード3
1が枠部24F内に突設して設けられ、電子ビーム制御機構17の組立てに当っ
て、これを各対応する電極G1,G3あるいはカソード保持体29ないしは金属片
28に電気的に連結するように溶接されてそれぞれの容器15外にそのフリット
付け部を通じてリード24Lと共に端子導出を行うようになされる。 また、第2のパネル12の内面には、背面電極32が例えばカーボン塗膜等に
よって形成され、これに電子ビーム制御機構17の例えば第1グリッドG1に取
着された金属弾性片33が弾性的に接触して背面電極32と第1グリッドG1
電気的に連結されるようにする。 一方、平面型容器15の例えば中央には高電圧リード34が貫通されて、これ
の内端がセパレータ電極19に電気的に連結するようになされて端子導出がなさ
れる。 このような構成において、高電圧リード34を介して螢光面16及びセパレー
タ電極19に高圧の例えば5KVが印加される。また第1グリッドG1と背面電
極32には、リード31を通じて例えば10Vが、また第3グリッドG3には、
0Vが与えられる。また、第2グリッドG2にはオン状態で15V、オフ状態で
−2Vがリード24Lを通じて選択的に与えられ、これら第2グリッドG2の帯
状電極24R,24G,24Bへのオン,オフの電圧の切換えと、カソードKへ
の印加電圧の選択によって各螢光体セグメントR,G,Bに向う各電子ビームの
変調を行って例えばライン順次に各螢光体セグメントの発光を行う。 このような本発明による螢光表示管は、第4図で説明したように多数平面的に
配列することによって全体として大画面のカラー表示を行うことができる。 尚、第2図及び第3図に示す例では、螢光体セグメントR,G,Bの幅を、セ
グメントRの幅を最も小さく、次にセグメントGを大に、セグメントBを最も大
にした場合に適用した例を示し、これに対応してメッシュ状透過孔H1R,H1G
1B,H2R,H2G,H2B,H3R,H3G,H3Bと透孔HSH1R,HSH1G,HSH1Bの幅
を異らしめた場合を示したものである。 また、上述の例では、第2グリッドG2ドライブ方式をとった場合で、この第
2グリッドG2の電子ビーム透過孔の電子ビーム透過率を各色に対応して変えた
場合であるが、他のグリッドの電子ビーム透過孔について行うこともできる。 更にまた、上述した例では、平面型容器15が、第1及び第2のパネル11及
び12と周側壁13との3者のフリット付けによって構成した場合であるが、周
側壁13を例えば第1のパネル11と一体構成とするなど種々の変形変更を行う
ことができる。 〔発明の効果〕 上述の構成によれば、グリッド、例えば第2グリッドG2の各色の螢光体セグ
メントR,G,Bに対する電子ビーム透過孔の電子ビーム透過率を変えたことに
より、各螢光体セグメントR,G,Bの明るさの調整を行うことができるので、
これによって、また或場合はこの構成と共に、電子ビーム透過孔の面積、例えば
幅をも変えることによってホワイトバランス調整を大なる自由度をもって、した
がって正確に選定することができる。また本発明によれば電子ビーム透過率、す
なわち各螢光体セグメントR,G,Bに関しての電流密度を変化させることがで
きることから、例えば各セグメントR,G,Bの螢光体について個々に長寿命使
用に、或いは発光効率等最適使用状態の電流密度範囲での動作、更に諸条件から
選ばれた各色の螢光体セグメントの最適幅で、相互の明るさの選定、したがって
例えばホワイトバランスをとることができるので画質の向上,長寿命化等の改善
も図り得る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明による螢光表示管の要部を断面とした側面図、第2図はその電
子ビーム制御機構の要部を断面とする斜視図、第3図はその電子ビーム制御機構
の分解斜視図、第4図は大面積表示装置の正面図である。 11及び12は第1及び第2のパネル、13は周側壁、16は螢光面、17は
電子ビーム制御機構、Kはカソード、H1R,H1G,H1B,H2R,H2G,H2B,H
3R,H3G,H3Bは電子ビーム透過孔である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 パネルを有する容器内に、 上記パネル内面に、赤、緑及び青の各色を発光する蛍光体セグメントによるト
    リオが複数配列され、上記赤の蛍光体セグメントの幅が、他の色の蛍光体セグメ
    ントの幅に比し小さく選定された蛍光面を有し、 該蛍光面に対向して、上記各蛍光体セグメントに対してそれぞれ電子ビームを
    衝撃させる電子ビーム制御機構が配置されて成り、 該電子ビーム制御機構は、カソードとグリッド群とを有して成り、 上記カソードは、上記蛍光体セグメントの複数毎に配置され、 上記グリッド群は、該グリッド群を構成する少なくとも1のグリッドの電子ビ
    ーム透過孔がメッシュ状透孔とされ、その電子ビーム透過率が、上記各色の蛍光
    体セグメントに対して異なる電子ビーム透過率に選定されたことを特徴とする蛍
    光表示管。

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