JP2698570B2 - グルタミン酸誘導体の製法 - Google Patents

グルタミン酸誘導体の製法

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JP2698570B2 JP8182579A JP18257996A JP2698570B2 JP 2698570 B2 JP2698570 B2 JP 2698570B2 JP 8182579 A JP8182579 A JP 8182579A JP 18257996 A JP18257996 A JP 18257996A JP 2698570 B2 JP2698570 B2 JP 2698570B2
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博行 岩沢
邦彦 入江
秀夫 野草
浩 洲崎
晃徳 権正
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株式会社ディ・ディ・エス研究所
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臓器指向性のある
薬物運搬担体として有用な糖修飾ポリグルタミン酸誘導
体の合成中間体であるグルタミン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリグルタミン酸を薬物運搬担体として
使用する試みは、例えば下記文献に示されるように、主
として抗癌剤の運搬担体として研究されてきた。 1)Goldberg, E.P.ら,Org. Coat Plast. chem. 44, 1
32-136(1981) 2)イスラエル特許第68449/3号 3)Hurwitz, E. ら, J. Appl. Biochem. 2, 25-35(198
0) 4)Morimoto, Y.ら,J. Pharm. Dyn. 7, 688-698(1984) 5)Kato, A.ら, Chem. Pharm. Bull. 30, 2951-2957(1
982) 6)Kato, Y.ら, Cancer Res. 44, 25-30(1984) 7)Rowland, G.F. ら, Nature 255, 487-488(1975) 8)Tsukada, Y. ら, J. Natl. Cancer Institute 73,
721-729(1984)
【0003】上記文献1)〜3)にはドキソルビシンあ
るいはダウノルビシンをポリグルタミン酸に結合させた
例が示され、4)にはメルファランを結合させた例が示
され、5)にはマイトマイシンCを結合させた例が示さ
れ、6)にはアラビノフラノシルシトシンを結合させた
例が示され、7)にはフェニレンジアミンマスタードと
抗リンパ腫イムノグロブリンとを結合させた例が示さ
れ、8)にはダウノルビシンと抗α−フェトプロテイン
抗体とを結合させた例が示されている。
【0004】これらの例におけるように、ポリグルタミ
ン酸に直接あるいは薬物結合のための修飾を加えたポリ
グルタミン酸に抗癌剤あるいは抗腫瘍剤を結合させ、癌
組織や腫瘍細胞への選択的な運搬を可能にする目的で、
これらの組織や細胞を認識する抗体を更に結合させるこ
とが提案されている。したがって、ポリグルタミン酸が
臓器指向性を付与された薬物運搬担体となり得ることは
予測されていた。しかしながら、この予測を実現する具
体的な試みはなく、薬物運搬技術上の解決すべき課題と
して残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術における上記
の実状にかんがみ、本発明者らは種々の検討を行ったと
ころ、ポリグルタミン酸を糖で修飾することにより、臓
器指向性が付与されることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(物質)本発明における最終目的物質は、下記式(I)
で示される糖修飾ポリグルタミン酸誘導体である。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 はOR′またはNHR″を表
し、R′は水素原子、アルカリ金属原子または生理活性
物質をし、R″は水素原子または生理活性物質を表す。
2は、グリコシル基であって、その水酸基又は2位の
アミノ基にアセチル基が置換していてもよい。nは7〜
10の整数を表す。kに対するmのモル比は1〜100
である)
【0009】式(I)は、本発明の糖修飾ポリグルタミ
ン酸誘導体が2種類の異なるグルタミン酸単位から構成
されることを示す。第一の単位(A)は修飾されていな
いグルタミン酸単位であり、第二の単位(B)はスペー
サーとしてのアミノアルキル鎖を介して、糖によって修
飾されたグルタミン酸単位である。更に式(I)は、こ
れら2種類の単位(A)及び(B)が1分子中にそれぞ
れk個、m個含まれていることを意味する。しかし、式
(I)の記述は、各単位(A)及び(B)がランダムに
共重合していることを意味する。
【0010】R2 のグリコシル基としては、マンノピラ
ノシル、ガラクトピラノシル、キシロピラノシル、フコ
ピラノシル、2−アミノ−2−デオキシ−マンノピラノ
シル、2−アミノ−2−デオキシ−フコピラノシル等が
挙げられ、;グリコシル基の水酸基又はアミノ基にアセ
チル基が置換したものとしては、2,3,4,6−テト
ラ−0−アセチル−マンノピラノシル、2−アセタミド
−2−デオキシ−フコピラノシル等が挙げられる。
【0011】生理活性物質は、標的臓器に運搬されて薬
理効果を示す薬物であって、例えばダウノルビシン、ト
リプロリジン、ドキソルビシン、末端にアミノ基を有す
るスペーサーを介したメトトレキサート等が挙げられ
る。
【0012】本発明の糖修飾ポリグルタミン酸誘導体
(I)は、単位(A)及び単位(B)を必須の構成単位
とするものであるが、第三の単位、例えば糖修飾ポリグ
ルタミン酸誘導体(I)を動物実験に供すべくヨードラ
ベル化する場合の便益のために必要な構成単位(C)
【0013】
【化4】
【0014】を含んでいてもよい。
【0015】式(I)の物質が薬物運搬担体として使用
される場合に、薬物は前記第一の単位(A)、すなわち
修飾されていないグルタミン酸単位の中のいくつかに結
合させる。結合は薬物のアミノ基を介して直接に、ある
いはアミノ基を有するスペーサーの該アミノ基を介して
間接に行えばよく、酸アミド結合を形成させる通常の方
法に従って実施すればよい。またエステル結合、酸無水
物結合を介した薬物の結合も可能である。
【0016】式(II)の物質は、式(I)の物質を共重
合法によって合成する場合に有用であり、この目的のた
めの合成中間体である。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R2 及びnは前記と同じ) 式(III) の物質は、式(II)の物質を合成するための有
用な出発物質であり、グルタミン酸のアミノ基の保護に
9−フルオレニルメトキシカルボニル基が特に選択され
ている。この選択により式(II)の物質に至る一連の反
応工程が実現可能となった点に特徴がある。
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R3 は9−フルオレニルメトキシ
カルボニル基を表し、R4 はカルボキシル基の保護基を
表す)。R4 の保護基としては、t−ブチル等があげら
れる。
【0021】式(IV)の物質は、式(II)の物質を合成
するために、あるいはポリグルタミン酸を原料にして式
(I)の物質を合成するために有用である。
【0022】
【化7】
【0023】(製造法)式(IV)の物質を製造するに
は、グリコシドの水酸基を保護した、あるいは更に2位
水酸基をアジド基に換えたグリコシルハライドに、下記
式(V)のN−(ヒドロキシアルキル)フタルイミドを
反応させ、更に必要に応じて脱保護し、あるいは更にア
ジド基を還元してアミノ基とし、更にアミノ基をアセチ
ル化し、次にこれをヒドラジンで処理してフタルイミド
を脱離することにより得られる。反応は−10℃以下の
低温で銀シリケート等の存在下で行われる。
【0024】
【化8】
【0025】(式中、nは前記と同じ) なお、式(V)の物質は、例えば一方の末端OH基を
2,3−ジヒドロピラニル基で保護したアルカンジオー
ルにフタルイミドを反応させ、次に脱保護してOH基を
遊離させることにより得られる。
【0026】式(III) の物質を製造するには、γ−カル
ボキシル基が保護されたグルタミン酸のα−アミノ基
に、9−フルオレニルメトキシカルボン酸の反応性誘導
体、例えば該酸にコハク酸イミドを反応させ、更にα−
カルボキシル基を保護し、次にγ−カルボキシル基の保
護基を脱離することにより得られる。
【0027】式(II)の物質を製造するには、式(III)
で示されるグルタミン酸誘導体に、式(IV)で示される
グリコシルオキシアルキルアミンまたはその塩を反応さ
せ、更にα−カルボキシル基の保護基及びα−アミノ基
の保護基を脱離し、次にビス(トリクロロメチル)カー
ボネートのような炭酸エステルを反応させて、N−カル
ボキシグルタミン酸無水物誘導体が得られる。
【0028】式(I)の糖修飾ポリグルタミン酸誘導体
を製造するには2つの方法がある。第一の方法は、式
(II)で示されるN−カルボキシグルタミン酸無水物誘
導体と、下記式(VI)で示されるN−カルボキシグルタ
ミン酸無水物とを共重合させる方法であり、第二の方法
は、式(VI)のN−カルボキシグルタミン酸無水物を共
重合させ、カルボキシル基の保護基を脱離して得られる
ポリグルタミン酸に、式(IV)で示されるグリコシルオ
キシアルキルアミン又はその塩を反応させる方法であ
る。
【0029】
【化9】
【0030】(式中、R5 はベンジル基のようなカルボ
キシル基の保護基を表す) 第一の共重合法は、共重合の常法に従って行えばよく、
異なる上記式(II)と(VI)の二種のN−カルボキシグ
ルタミン酸無水物を、例えばヘキシルアミンのような縮
合剤の存在下に、ジメチルホルムアミド中で反応させ、
次にカルボキシル基の保護基を脱離し、要すればカルボ
キシル基に生理活性物質を結合させることにより、式
(I)の物質が得られる。
【0031】第二の方法は、ポリグルタミン酸に、グリ
コシルオキシアルキルアミン又はその塩(IV)を、縮合
剤として、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2
−ジヒドロキノリンの存在下に、ジメチルホルムアミド
中で反応させ、要すればγ−カルボキシル基に生理活性
物質を結合させることにより、式(I)の物質が得られ
る。
【0032】また必要があれば、グリコシルオキシアル
キルアミンまたはその塩(IV)と共に、2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミンを加えて同様に反応させ
れば、前記第三の単位(C)を含む式(I)の物質を得
ることができる。
【0033】なお、ポリグルタミン酸を製造するにあた
って、N−カルボキシ−L−グルタミン酸無水物及びN
−カルボキシ−D−グルタミン酸無水物を共重合させれ
ば、L−グルタミン酸及びD−グルタミン酸が不規則に
配列したポリグルタミン酸が得られる。
【0034】
【発明の効果】式(I)の物質の薬物運搬体としての効
力は、後記実験例に示すように、ガラクトースで修飾さ
れた式(I)の物質では、無修飾のポリグルタミン酸に
比較して、腎臓への蓄積が小さく、反対に肝臓への蓄積
が大きいことがわかった。従来から肝臓には特異的なガ
ラクトースを認識するレクチンの存在が知られているの
で、ガラクトースで修飾された式(I)の物質が、該レ
クチンによって認識されたものと推定される。したがっ
て、臓器あるいは癌細胞などが特異的な糖を認識するレ
クチンを有する場合には、式(I)の物質は臓器指向性
のある薬物運搬担体となり得る。
【0035】
【実施例】実施例によって本発明を更に具体的に説明す
る。なお実施例に対応する反応工程を反応式1〜17に
示す。また反応式中の化合物番号は参考例及び実施例中
に記載した化合物番号に対応する。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】参考例1 1,8−オクタンジオール モ
ノテトラヒドロピラニルエーテル(2) 2,3−ジヒドロピラン36ml(392ミリモル)を、
1,8−オクタンジオール(1)50g(342ミリモ
ル)及び濃塩酸0.5ml(6ミリモル)のエチレングリ
コールジメチルエーテル400ml溶液に撹拌しながら加
えた。更に室温で2時間撹拌した後、反応液にトリエチ
ルアミン1mlを加えて中和した。析出したトリエチルア
ミン塩酸塩を濾過して除いた後、濾液を減圧下濃縮乾固
した。得られた残渣を高度真空下で蒸留して精製して、
標記化合物(2)32.1g(41%)を得た。
【0055】2:Bp1.5mmHg 140-150℃ IR(CHCl3)cm-1 : 3400(OH), 1460, 1355, 10151 H-NMR(CDCl3):δ 4.55(1H, m, -OCHO-)
【0056】参考例2 8−フタルイミドオクタノール
テトラヒドロピラニルエーテル(3) 化合物(2)14.9g(64.7ミリモル)、トリフ
ェニルホスフィン18.67g(71.2ミリモル)及
びフタルイミド10.47g(71.2ミリモル)の無
水テトラヒドロフラン300ml溶液に、窒素気流中で、
撹拌しながら室温でジエチルアゾジカルボン酸エステル
11.2ml(71.2ミリモル)をゆっくりと滴下し
た。更に室温で4時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−酢酸エチル=3:1)で精製して、標記
化合物(3)23g(定量的)を得た。
【0057】3:1H-NMR(CDCl3):δ 7.9-7.7(4H, m, aromatic H) 4.58(1H, m, CH)
【0058】参考例3 8−フタルイミドオクタノール
(4) 化合物(3)47g(137ミリモル)を80%酢酸5
00mlに溶解した後、80℃で3時間加熱撹拌した。反
応混合物を減圧下濃縮乾固した後、得られた残渣を水層
と酢酸エチル層とに分配した。有機層を分離し、水、炭
酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した。硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン−酢酸エチル=2:1)で精製して、標記化合物
(4)24.3g(65%)を得た。
【0059】4: m.p. 64.5 - 65°℃ IR(CHCl3)cm-1 : 3630(OH), 1773, 1712, 13901 H-NMR(CDCl3):δ 7.9-7.65(4H, m, aromatic H) 3.8-3.6(4H, m, -CH2N, -CH2O) 1.8-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0060】参考例4 8−フタルイミドオクチル 2
−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α
−D−マンノピラノシド(6) 文献記載の方法(T. OGAWA ら、Tetrahedron, 37, 2779
(1981))で合成した2−O−アセチル−3,4,6−ト
リ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシルクロリド
(5)1.6g(31.58ミリモル)、8−フタルイ
ミドオクタノール(4)8.7g(31.58ミリモ
ル)及び1,1,3,3−テトラメチル尿素17ml(1
26.3ミリモル)をジクロロエタン200mlに溶解し
た後、窒素気流下−40℃に冷却した。この混合物に銀
トリフレート8.93g(34.73ミリモル)を加え
同温度で30分間撹拌した。冷却浴を除いた後、更に室
温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトを用いて
濾過した後、濾液を炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で
順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下
溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=3:1)で精
製して、標記化合物(6)12.3g(52%)を得
た。
【0061】6:シロップ状 〔α〕D 24 + 17.7°(c 0.61, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 1710, 1522, 1477, 14231 H-NMR(CDCl3):δ 7.81(2H, d, J=10Hz, aromatic H) 7.68(2H, d, J=10Hz, aromatic H) 7.4-7.2(15H, m, aromatic H) 5.33(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 4.80(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 3.96(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-3) 3.86(1H, t, J3,4=10Hz, H-4) 2.13(3H, s, OAc) 1.75-1.20(12H, m, -(CH2)6-) 1.45(9H, s, C(CH3)3)
【0062】参考例5 8−フタルイミドオクチル
3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラ
ノシド(7) 化合物(6)12.3g(16.4ミリモル)のメタノ
ール200ml及びテトラヒドロフラン50ml混液に、1
M ナトリウムメトキシド−メタノール溶液4.1mlを加
え室温に4時間放置した。反応液にイオン交換樹脂アン
バーライトIR120B(H+ 型)を加えて中和した
後、樹脂を濾去し、メタノールで洗浄した。濾液及び洗
液を合わせ減圧下で溶媒を留去して、シロップ状残渣1
1.4gを得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製して、
標記化合物(7)8.5g(73.3%)を得た。
【0063】7:シロップ状 〔α〕D 26.5 + 31.4°(c 1.12, CHCl3) IR(film)cm-1 : 3467, 1772, 1712, 1395, 13651 H-NMR(CDCl3):δ 7.83(2H, d, J=10Hz, aromatic H) 7.70(2H, d, J=10Hz, aromatic H) 7.4-7.2(15H, m, aromatic H) 5.33(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 4.87(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1)
【0064】参考例6 8−アミノオクチル 3,4,
6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド
(8) 化合物(7)8.5g(12ミリモル)のエタノール6
0ml溶液に、ヒドラジン・水和物3ml(60ミリモル)
を加えて油浴上で3時間加熱還流した。室温まで冷却し
た後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にトルエンを加
え、減圧下で濃縮乾固して残存するヒドラジンを除去し
て、標記化合物(8)7.1g(定量的)を得た。
【0065】8:無定形粉末 〔α〕D 27 + 37.1°(c 0.21, MeOH) IR(film)cm-1 : 3300, 1496, 1454, 1363, 1103, 10581 H-NMR(CDCl3):δ 7.4-7.1(15H, m, aromatic H) 4.75(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.00(1H, dd J2,3=3.5Hz, H-2) 2.62(2H, t, J=8Hz, -CH2N) 1.6-1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0066】参考例7 8−アミノオクチル α−D−
マンノピラノシド(9) 化合物(8)6.9g(12ミリモル)のメタノール2
00ml溶液に、1M 塩酸12ml及び10%パラジウム−
炭素1gを加えて室温で16時間水素添加した。触媒を
濾去した後、濾液を減圧下に濃縮乾固して、標記化合物
(9)の塩酸塩3.99g(定量的)を得た。
【0067】9(塩酸塩):無定形粉末 〔α〕D 26 + 42.9°(c 1.13, MeOH) IR(Nujol)cm-1 : 3346, 1620, 1506, 1460, 13771 H-NMR(CD3OD):δ 4.72(1H, d, J1,2=2Hz, H-1) 3.81(1H, dd J5,6a=2.5Hz, J6a,6b=11.5Hz, H-6a) 3.76(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-2) 3.59(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 3.51(1H, m, H-5) 2.90(2H, t, J=8Hz, -CH2N) 1.7-1.35(12H, m, -(CH2)6-)
【0068】上記で得た化合物(9)の塩酸塩2.64
gを含水メタノールに溶解して、イオン交換樹脂アンバ
ーライトIRA−400(OH型)50mlのカラムを通
した。カラムを50%含水メタノール500mlで洗浄し
た。溶出液及び洗浄液を合わせて減圧下で濃縮乾固し
て、標記化合物(9)の遊離塩基2.31gを得た。
【0069】9(遊離塩基):無定形粉末 〔α〕D 22 + 51.5°(c 1.02, MeOH)1 H-NMR(CD3OD):δ 4.69(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 3.78(1H, dd J5,6a=2.5Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a) 3.74(1H, dd, J2,3=3Hz, H-2) 3.57(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 3.49(1H, ddd, H-5) 2.59(2H, t, J=7.5Hz, -CH2N) 1.6-1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0070】参考例8 8−フタルイミドオクチル
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−マン
ノピラノシド(11)及び8−フタルイミドオクチル
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシド(12) (i)文献記載の方法(Bull. Soc. Chem. Jpn, 49, 26
39(1976))で合成した2,3,4,6−テトラ−O−ベ
ンジル−α−D−マンノピラノシルクロリド(10)
1.7g(2.89ミリモル)のトルエン10ml溶液を
窒素気流下、撹拌しながら−18℃で8−フタルイミド
オクタノール(4)795mg(2.89ミリモル)、粉
末状モレキュラーシーブ4Aを2g及び銀シリケート2
gのトルエン懸濁液に滴下した。冷却浴を除き更に室温
で18時間撹拌した。反応混合物をセライトを用いて濾
過した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣
をローバーカラム C(ヘキサン−酢酸エチル=4:
1)で精製して、標記化合物(11)1.51g(6
5.4%)及び標記化合物(12)180mg(7.8
%)を得た。
【0071】11:シロップ状 〔α〕D 26 - 39.2°(c 0.13, CHCl3) IR(film)cm-1 : 1770, 1712, 1496, 1467, 1396, 1365,
1105, 10681 H-NMR(CDCl3):δ 7.82(2H, dd, aromatic H) 7.68(2H, dd, aromatic H) 7.5-7.2(20H, m, aromatic H) 3.96(1H, s, H-1) 1.7-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0072】12:シロップ状 〔α〕D 26 + 26.2℃ (c 0.13, CHCl3) IR(film)cm-1 : 1770, 1712, 1496, 1467, 1346, 1365,
1105, 10681 H-NMR(CDCl3):δ 7.82(2H, dd, aromatic H) 7.68(2H, dd, aromatic H) 7.4-7.2(20H, m, aromatic H) 4.62(1H, s, H-1) 3.97(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 3.80(1H, dd, J2,3=3Hz, J3,4=9.5Hz, H-3) 3.31(1H, m, -CH2N) 1.7-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0073】(ii)2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−α−D−マンノピラノシルクロリド(10)8.
9g(14.5ミリモル)の塩化メチレン20ml溶液
を、アルゴン気流下、室温で、8−フタルイミドオクタ
ノール(4)10.0g(36.25ミリモル)、炭酸
銀7.8g(26.1ミリモル)及び硫酸カルシウム
7.8gの塩化メチレン50ml懸濁液に滴下した。反応
混合物をアルミホイルで遮光して、更に室温で19時間
撹拌した。反応混合物をセライトを用いて濾過した後、
濾液を減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=
4:1)で精製して上記と同一の標記化合物(11)
7.49g(65.7%)を得た。
【0074】参考例9 8−アミノオクチル 2,3,
4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノ
シド(13) 化合物(11)1.39g(1.74ミリモル)及びヒ
ドラジン酢酸塩8.0g(87ミリモル)をメタノール
90mlに溶解した後、油浴上で4時間加熱還流した。室
温まで冷却した後、反応混合物を大量の水に注ぎ、析出
した生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離して
水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下で溶
媒を留去した。得られた結晶性残渣にエーテルを加えて
濾取して化合物(13)1.1g(95%)を得た。
【0075】13: m.p. 89-90℃ 〔α〕D 23 - 42.2°(c 0.49, MeOH) IR(film)cm-1 : 1661, 1603, 1497, 1454, 1302, 1113,
10591 H-NMR(CDCl3):δ 7.5-7.1(20H, m, aromatic H) 4.37(1H, s, H-1) 3.90(1H, dd, J2,3=2.5Hz, H-2) 3.85(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 3.50(1H, dd, J2,3=2.5Hz, J3,4=9.5Hz, H-3) 2.66(2H, t, -CH2N) 1.7-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0076】参考例10 8−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノオクチル 2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−α−D−マンノピラノシド(14) 化合物(13)0.29g及びトリエチルアミン0.0
7gのクロロホルム20ml溶液に、室温で撹拌しながら
ベンジルオキシカルボニルクロリド0.044gを加え
た。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を水で洗浄し
た。有機層を分離して硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧下で濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)
で精製して標記化合物(14)0.29g(83%)を
得た。
【0077】14:無定形粉末 〔α〕D 22 - 38.7°(c 1.27, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3):δ 7.16-7.48(25H, m, aromatic H) 4.38(1H, s, H-1) 3.17(2H, m) 1.67-1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0078】参考例11 8−アミノオクチル β−D
−マンノピラノシド(15) 塩酸塩 化合物(13)200mg(0.299ミリモル)のメタ
ノール15ml溶液に、1M 塩酸0.3ml及び10%パラ
ジウム−炭素50mgを加え、室温で8時間水素添加し
た。触媒を濾去後、濾液を減圧下で濃縮乾固して、標記
化合物(15)の塩酸塩153mgを得た。
【0079】15(塩酸塩):無定形粉末 〔α〕D 24 - 10.3°(c 0.62, MeOH) IR(KBr)cm-1 : 3358, 1614, 10741 H-NMR(CD3OD):δ 4.49(1H, s, H-1) 3.44(1H, dd, J5,6b=3.5Hz, H-6b) 3.19(1H, ddd, H-5) 2.90(2H, t, J=7.5Hz, -CH2N) 1.7-1.3(12H, m, -(CH2)6-)
【0080】参考例12 8−アミノオクチル β−D
−マンノピラノシド(15)のp−トルエンスルホン酸
塩 化合物(14)2.64g(3.3ミリモル)及びp−
トルエンスルホン酸0.63g(3.3ミリモル)をメ
タノール20mlに溶解した後、10%パラジウム−炭素
50mgを加え、室温で3時間水素添加した。触媒を濾過
した後、濾液を減圧下で濃縮乾固して、標記化合物(1
5)のp−トルエンスルホン酸塩1.57g(定量的)
を得た。
【0081】15(p−トルエンスルホン酸塩):無定
形粉末 〔α〕D 24 - 10.3°(c 0.62, MeOH) IR(KBr)cm-1 : 3358, 1614, 10741 H-NMR(CD3OD):δ 7.71(2H, d, J=7.8Hz, aromatic H) 7.23(2H, d, J=7.8Hz, aromatic H) 4.49(1H, d, J1,2=0.7Hz, H-1) 3.24(2H, m) 2.90(2H, t, J=7.5Hz, -CH2N) 1.65-1.4(12H, m, -(CH2)6-)
【0082】参考例13 8−アミノオクチル−β−D
−マンノピラノシド(15) 参考例11の方法で合成した8−アミノオクチル β−
D−マンノピラノシド(15)の塩酸塩を含水メタノー
ルに溶解した後、イオン交換樹脂IRC−50(NH4
型)のカラム(4.5cm×40cm)を通した。水800
mlで溶出した後、6%アンモニア水1,700mlで溶出
した。1,000mlの溶出液を流した後の分画を集め
て、減圧下で濃縮乾固して、標記化合物(15)の遊離
塩基1.305g(58%)を得た。
【0083】15(遊離塩基):無定形粉末 〔α〕D 21 - 38.9°(c 1.01, MeOH)1 H-NMR(D2O):δ 4.66(1H, d, J1,2=1.0Hz, H-1) 3.97(1H, d, J2,3=3.0Hz, H-2) 3.92(1H, dd, J5,6a=2.2Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a) 3.87(1H, dd, J=3.2Hz, 10Hz, -CH2O) 3.72(1H, dd, J5,6b=6.6Hz, H-6b) 3.65(1H, m, -CH2O) 3.63(1H, dd, J2,3=3.2, J3,4=9.8Hz, H-3) 3.56(1H, t, J3,4=9.8Hz, H-4) 3.35(1H, ddd, H-5) 2.68(2H, t, J=7.0Hz, -CH2N) 1.60-1.30(12H, m, -(CH2)6-)
【0084】参考例14 8−フタルイミドオクチル
3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デ
オキシ−β−D−マンノピラノシド(17)及び8−フ
タルイミドオクチル 3,4,6−トリ−O−アセチル
−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシ
ド(18)
【0085】文献記載の方法(Carbohydr. Res., 136,
153(1985))で合成した3,4,6−トリ−O−アセチル
−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシ
ルブロミド(16)9.5g(24.1ミリモル)のト
ルエン80ml溶液を、窒素気流下撹拌しながら−15℃
で、8−フタルイミドオクタノール(4)6.63g
(24.09ミリモル)、粉末状モレキュラーシーブ4
Aを10g、銀シリケート10gのトルエン80ml懸濁
液に滴下した。反応混合物を同温度で3時間撹拌した。
冷却浴を除き更に室温で15時間撹拌した。反応混合物
をセライトを用いて濾過した後、濾液を減圧下で濃縮乾
固した。得られた残渣をローバーカラムC(ヘキサン−
酢酸エチル=2:1)で精製して、標記化合物(17)
5.01g(35.6%)及び標記化合物(18)1.
84g(12.4%)を得た。
【0086】17:シロップ状 〔α〕D 23 - 49°(c 0.5, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 2250, 1750, 1715, 1398, 13701 H-NMR(CDCl3):δ 7.82(2H, dd, aromatic H) 7.69(2H, dd, aromatic H) 5.23(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 4.96(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-3) 4.64(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.25(1H, dd, J5,6a=5Hz, J6a,6b=12.5Hz, H-6a) 4.11(1H, dd, J5,6b=2.5Hz, H-6b) 4.07(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-2) 3.89(1H, m, CH2N) 3.65(1H, t, J=7.5Hz, -CH2O) 3.58(1H, ddd, H-5) 3.48(1H, m, -CH2N) 2.09(3H, s, OAc) 2.07(3H, s, OAc) 2.02(3H, s, OAc) 1.7-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0087】18:シロップ状 〔α〕D 23 + 47.7°(c 0.56, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 2250, 1750, 1715, 1398, 13701 H-NMR(CDCl3):δ 7.83(2H, dd, aromatic H) 7.70(2H, dd, aromatic H) 5.38(1H, dd, J2,3=4Hz, J3,4=9.5Hz, H-3) 5.30(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 4.81(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.24(1H, dd, J5,6a=5Hz, J6a,6b=12.5Hz, H-6a) 4.07(1H, dd, J5,6b=2.5Hz, H-6b) 4.00(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-2) 3.72-3.62(3H, m, -CH2O, -CH2N) 3.41(1H, m, -CH2N) 3.58 (1H, ddd, H-5) 2.09 (3H, s, OAc) 2.08 (3H, s, OAc) 2.04 (3H, s, OAc) 1.7-1.2 (12H, m, -(CH2)6-)
【0088】参考例15 8−フタルイミドオクチル
2−アジド−2−デオキシ−β−D−マンノピラノシド
(19) 化合物(17)4.0g(6.795ミリモル)のメタ
ノール55ml溶液に1M ナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液1.7mlを加え室温に16時間放置した。反応
液にイオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(H
+ 型)を加えて中和した後、樹脂を濾去しメタノールで
洗浄した。濾液及び洗液を合わせ減圧下で濃縮乾固し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム−メタノール=10:1)で精製し
て、標記化合物(19)1.82g(58%)を得た。
【0089】19:シロップ状 〔α〕D 28 - 72.5°(c 1.03, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 3500, 2114, 1772, 1711, 1398, 10721 H-NMR(CD3OD):δ 7.77(2H, dd, aromatic H) 7.83(2H, dd, aromatic H) 4.64(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 3.89(1H, m, -CH2N) 3.56(1H, dd, J2,3=3.5Hz, J3,4=9.5Hz, H-3) 3.50(1H, m, -CH2N) 3.39(1H, t, J=9.5Hz, H-4) 3.16(1H, ddd, J5,6a=2.5Hz, J5,6b=6.3Hz, H-5) 1.7-1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0090】参考例16 8−フタルイミドオクチル
2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−マンノピラ
ノシド(20) 化合物(19)1.68g(3.63ミリモル)のエタ
ノール43ml溶液に、塩化ニッケル六水和物380mg
(1.6ミリモル)をエタノール10mlに溶解した液
0.68mlを加えた後、水素化ホウ素ナトリウム412
mg(10.89ミリモル)をエタノール40mlに溶解し
た液を撹拌しながらゆっくりと滴下した。室温で30分
間撹拌した後、反応液に酢酸を加えて中和した。反応混
合物に無水酢酸2mlを加え室温に18時間放置した。反
応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メ
タノール=7:1)で精製して、標記化合物(20)5
87mg(34%)を得た。
【0091】20:無定形粉末 〔α〕D 26.5 - 28.2°(c 1.42, MeOH) IR(KBr)cm-1 : 3425, 1672, 10601 H-NMR(CD3OD):δ 7.7-7.5(4H, m, aromatic H) 4.58(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.36(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-2) 3.48(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 2.00(3H, s, NAc) 1.8-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0092】参考例17 8−アミノオクチル 2−ア
セトアミド−2−デオキシ−β−D−マンノピラノシド
(21) 化合物(20)580g(1.212ミリモル)のエタ
ノール10ml溶液に、ヒドラジン・水和物2mlを加えて
70℃で5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反
応液にトルエンを加えて希釈し、減圧化で溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム−メタノール=7:1)で精製して、
標記化合物(21)140mg(34%)を得た。同時に
化合物(20)121mgを回収した。
【0093】21:無定形粉末 〔α〕D 21 - 35.8°(c 0.45, MeOH) IR(KBr)cm-1 : 3350, 1715, 1660, 1545, 1370, 10701 H-NMR(CD3OD):δ 4.47(1H, s, H-1) 4.56(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 1.98(3H, s, NAc) 1.6-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0094】参考例18 8−フタルイミドオクチル
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラ
クトピラノシド(23) 8−フタルイミドオクタノール(4)2.75g(10
ミリモル)、シアン化第2銀2.53g(10ミリモ
ル)及び無水硫酸カルシウム5gの乾燥ベンゼン50ml
−乾燥ニトロメタン50mlの懸濁液を、アルゴン気流下
室温で30分間撹拌した。この懸濁液に2,3,4,6
−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシル
ブロミド(22)6g(14.6ミリモル)を乾燥ベン
ゼン20mlに溶解した液を室温で撹拌しながら滴下し
た。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物
をセライトを用いて濾過した後、濾液を減圧下で濃縮乾
固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:1)で精製して、
標記化合物(23)5.48g(90.5%)を無色油
状物として得た。
【0095】23:シロップ状 〔α〕D 27 - 1.02°(c 2.25, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 1750, 17101 H-NMR(CDCl3):δ 7.80-7.85(2H, m, aromatic H) 7.65-7.70(2H, m, aromatic H) 5.36(1H, d, J3,4=3.4Hz, H-4) 5.18(1H, dd, J2,3=10.5Hz, J1,2=7.8Hz, H-2) 4.99(1H, dd, J2,3=10.5Hz, J3,4=3.4Hz, H-3) 4.43(1H, d, J1,2=7.8Hz, H-1) 4.05-4.20(2H, m, -CH2O) 3.82-3.90(2H, m, -CH2O) 3.65(2H, t, J=7.6Hz, -CH2N) 3.40-3.50(1H, m, H-5) 2.12(3H, s, OAc) 2.03(6H, s, OAc ×2) 1.96(3H, s, OAc) 1.50-1.70(4H, m, CH2×2) 1.20-1.40(8H, m, CH2×4)
【0096】参考例19 8−フタルイミドオクチル
β−D−ガラクトピラノシド(24) 化合物(23)5.4g(8.9ミリモル)のメタノー
ル100ml溶液に28%ナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液0.5mlを加え、室温で16時間撹拌した。反
応混合物を減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣を水5
0mlに溶解した後、イオン交換樹脂アンバーライトIR
−120B(H+ 型)を加えて中和した。樹脂を濾去し
た後、濾液を減圧下で濃縮乾固して、標記化合物(2
4)1.61g(41.3%)を得た。
【0097】24: m.p. 123-125℃ 〔α〕D 27 - 11.4°(c 1.09, CHCl3)1 H-NMR(CD3OD):δ 7.80-7.90(2H, m, aromatic H) 7.75-7.80(2H, m, aromatic H) 4.16(1H, d, J1,2=7.6Hz, H-1) 3.82-3.88(1H, m) 3.79(1H, d, J=2.7Hz) 3.65-3.75(2H, m) 3.62(2H, t, J=7.3Hz, -CH2O) 3.40-3.52(4H, m) 1.50-1.70(4H, m, CH2×2) FAB−Mass : m/z 460(M+N
a), 438(M+H), 276, 258,
160
【0098】参考例20 8−アミノオクチル β−D
−ガラクトピラノシド(25) 化合物(24)970mg(2.22ミリモル)のエタ
ノール30ml溶液に、ヒドラジン・水和物500mgを加
えて油浴上66時間加熱還流した。室温まで冷却した
後、生じた不溶物を濾去した。濾液を減圧下に濃縮乾固
した。得られた粗生成物を精製水30mlに溶解した後、
濃塩酸を加えて中和した。反応混合物をイオン交換樹脂
IRC−50(NH4 +型)300mlのカラムに通した。
目的物を2Mアンモニア水800mlで溶出した。得られ
た溶出液を減圧下に濃縮乾固して、標記化合物(25)
の440mg(64.6%)を得た。
【0099】25: m.p. 135-142℃(EtOH-イソプロピ
ルエーテル) 〔α〕D 22 - 13.5°(c 0.55, MeOH)1 H-NMR(CD3OD):δ 4.19(1H, d, J1,2=7.6Hz, H-1) 3.85-3.92(1H, m) 3.81(2H, d, J=3.2Hz) 3.42-3.55(4H, m) 3.70-3.76(2H, q) 2.63(2H, t, J=7.1Hz, -CH2N) 1.58-1.65(2H, m, -CH2) 1.42-1.50(2H, m, -CH2) 1.35-1.42(2H, m, -CH2) 1.33(6H, m, -CH2×3) FAB-Mass : m/z 308(M+H)+, 146
【0100】参考例21 8−フタルイミドオクチル
2,3,4−トリ−O−アセチル−α−D−キシロピラ
ノシド(27)、8−フタルイミドオクチル 2,3,
4−トリ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシド
(28)、及び8−フタルイミドオクチル 3,4−ジ
−O−アセチル−α−D−キシロピラノシド(29) 2,3,4−トリ−O−アセチル−α−D−キシロピラ
ノシルブロミド(26)1.85g(5.45ミリモ
ル)のベンゼン30ml溶液に、シアン化第二水銀1.3
8g(5.45ミリモル)、粉末状モレキュラーシーブ
4A(3.5g)及び8−フタルイミドオクタノール
(4)1.50g(5.45ミリモル)を加え、アルゴ
ン気流中室温で18時間撹拌した。反応混合物を濾過し
て不溶物を除いた後、濾液に酢酸エチル40mlを加え
た。反応液を水40mlで洗浄した後、硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られたシロップ
状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエ
ン−酢酸エチル=10:1)で精製して、標記化合物
(27)694mg(23.9%)、化合物(28)31
7mg(10.9%)及び化合物(29)313mg(1
1.7%)を得た。
【0101】27:〔α〕D + 81.5°(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2940, 1760, 1710, 1230, 10501 H-NMR(CDCl3):δ 7.70-7.72(2H, m, aromatic H) 7.83-7.85(2H, m, aromatic H) 5.47(1H, t, J2,3=10.2Hz, H-3) 4.97(1H, d, J1,2=3.7Hz, H-1) 4.9-5.0(1H, m, H-4) 4.78(1H, dd, J2,3=10.2Hz, J1,2=3.7Hz, H-2) 3.76(1H, dd, J=11.0Hz, J=6.1Hz, H-5b) 3.6-3.8(4H, m, H-5a, -CH2O and -CH2N) 3.5-3.6(1H, m, -CH2O) 2.02(3H, s, OAc) 2.03(3H, s, OAc) 2.05(3H, s, OAc) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0102】28:〔α〕 − 22.4°(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2940, 1760, 1710, 1230, 10501 H-NMR(CDCl3):δ 7.83-7.85(2H, m, aromatic H) 7.70-7.72(2H, m, aromatic H) 5.12(1H, t, J=8.6Hz, H-3) 4.9-5.0(1H, m, H-4) 4.90(1H, dd, J2,3=8.6Hz, J1,2=6.8Hz, H-2) 4.45(1H, d, J=6.8Hz, H-1) 4.11(1H, dd, J=11.8Hz, J=5.1Hz, H-5b) 3.7-3.8(1H, m, -CH2O) 3.67(2H, t, J=7.1Hz, -CH2N) 3.4-3.5(1H, m, -CH2O) 3.35(1H, dd, J=11.8Hz, J=8.8Hz, H-5a) 2.03(3H, s, OAc) 2.04(3H, s, OAc) 2.05(3H, s, OAc) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0103】29:〔α〕D + 79.8°(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2940, 1760, 1710, 1230, 10501 H-NMR(CDCl3):δ 7.83-7.85(2H, m, aromatic H) 7.70-7.72(2H, m, aromatic H) 5.22(1H, t, J=9.5Hz, H-3) 4.7-4.8(1H, m, H-4) 3.6-3.8(4H, m, H-5b, -CH2O, -CH2N) 3.5-3.6(2H, m, H-2, H-5a) 4.82(1H, d, J=3.7Hz, H-1) 3.4-3.5(1H, m, -CH2O) 2.03(3H, s, OAc) 2.09(3H, s, OAc) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0104】参考例22 8−アミノオクチル β−D
−キシロピラノシド(30) 化合物(27)680mg(1.27ミリモル)のメタノ
ール10ml溶液に、28%ナトリウムメトキシド−メタ
ノール溶液0.16mlを加え室温で2時間撹拌した。反
応溶液をアンバーライトIR−120B(H+)で中和し
た。樹脂を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。
得られたシロップ状残渣をエタノール1mlに溶解させた
後、ヒドラジン・水和物318mg(6.35ミリモル)
を加え、100℃で2時間加熱還流した。更にヒドラジ
ン・水和物318mg(6.35ミリモル)を加え、2時
間加熱還流した。析出した不溶物を濾去した後、濾液を
減圧下で濃縮乾固した。得られたシロップ状残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタ
ノール−濃アンモニア水=10:10:1)で精製し
た。ニンヒドリン試薬に陽性の分画を集め減圧下で溶媒
を留去した。得られた粉末状物質を水30mlに溶解し、
3M 塩酸を加えて中和した。この溶液をアンバーライト
IRC−50(NH4 +型)100mlのカラムに通過させ
200mlの水で洗浄した。次いで2M アンモニア水で溶
出した。溶出液を集め減圧下で溶媒を留去して、標記化
合物(30)274mg(77.8%)を得た。
【0105】30:〔α〕D + 72.5°(H2O) IR(KBr)cm-1 : 3300, 2940, 1580, 10301 H-NMR(D2O):δ 4.88(1H, d, J1,2=3.4Hz, H-1) 3.5-3.7(7H, m, H-2, H-3, H-4, H-5, -CH2O) 2.98(2H, t, J=7.8Hz, -CH2N) 1.6-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.5(8H, m, -CH2 ×4)
【0106】参考例23 8−フタルイミドオクチル
2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコピラノ
シド(32)及び8−フタルイミドオクチル2,3,4
−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシド(3
3) 2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノ
シルブロミド(31)4.26g(8.57ミリモル)
のベンゼン40ml溶液に、シアン化第二水銀2.17g
(8.57ミリモル)、粉末状モレキュラーシーブ4A
を4.0g及び8−フタルイミドオクタノール(4)
2.36g(8.57ミリモル)を加え、アルゴン気流
中室温で22時間撹拌した。反応混合物を濾過して不溶
物を除いた後、濾液に酢酸エチル30mlを加えた。反応
液を水80mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下で溶媒を留去した。得られたシロップ状残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢
酸エチル=6:1)で精製して、標記化合物(32)
1.83g(30.9%)及び標記化合物(33)84
2mg(14.2%)を得た。
【0107】32:〔α〕D + 4.0 °(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2980, 1770, 1710, 1400, 10691 H-NMR(CDCl3):δ 7.6-7.7(2H, m, aromatic H) 7.8-7.9(2H, m, aromatic H) 7.2-7.4(15H, m, aromatic H) 4.9-5.0(2H, m, -CH2ph) 4.6-4.8(4H, m, -CH2ph) 4.29(1H, d, J1,2=7.6Hz, H-1) 3.78(1H, dd, J2,3=9.8Hz, J1,2=7.6Hz, H-2) 3.65(1H, t, J=7.3Hz, -CH2N) 3.54(1H, d, J3,4=2.9Hz, H-4) 3.50(1H, dd, J2,3=9.8Hz, J3,4=2.9Hz, H-3) 3.4-3.5(2H, m, H-5 and -CH2O) 3.9-4.0(1H, m, -CH2O) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.2-1.4(8H, m, -CH2 ×4) 1.16(3H, d, J=6.4Hz, H-6)
【0108】33:〔α〕D - 35.2°(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2970, 1770, 1400, 11001 H-NMR(CDCl3):δ 7.8-7.9(2H, m, aromatic H) 7.6-7.7(2H, m, aromatic H) 7.2-7.4(15H, m, aromatic H) 4.77(1H, d, J1,2=3.4Hz, H-1) 4.6-5.0(6H, m, -CH2ph ×3) 4.01(1H, dd, J2,3=10.3Hz, J1,2=3.4Hz, H-2) 3.93(1H, dd, J2,3=10.3Hz, J3,4=2.7Hz, H-3) 3.86(1H, q, J=6.4Hz, H-5) 3.6-3.7(3H, m, H-4 and -CH2N) 3.5-3.6(1H, m, -CH2O) 3.4-3.5(1H, m, -CH2O) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4) 1.09(3H, d, J5,6=6.4Hz, H-6)
【0109】参考例24 8−フタルイミドオクチル
β−L−フコピラノシド(34) 化合物(32)1.70g(2.46ミリモル)のエタ
ノール10ml溶液に、酢酸1ml及び10%パラジウム−
炭素1g加え、パールの装置(50psi)で接触還元し
た。触媒を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。
得られたシロップ状残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム−メタノール=40:1)で精
製して、標記化合物(34)894mg(86.2%)を
得た。
【0110】34:〔α〕D + 12.5°(MeOH) IR(KBr)cm-1 : 3510, 2940, 1690, 1400, 10801 H-NMR(CD3OD):δ 7.8-7.9(4H, m, aromatic H) 4.16(1H, d, J1,2=7.6Hz, H-1) 3.8-3.9(1H, m, -CH2O) 3.66(2H, t, J=7.1Hz, -CH2N) 3.5-3.6(2H, m, H-4 and H-5) 3.4-3.5(3H, m, H-2 H-3 and -CH2O) 1.6-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4) 1.25(3H, d, J5,6=6.4Hz, H-6)
【0111】参考例25 8−アミノオクチル β−L
−フコピラノシド(35) 化合物(34)800mg(1.90ミリモル)のエタノ
ール10ml溶液に、ヒドラジン・水和物476mg(9.
50ミリモル)を加え、100℃で2時間加熱還流し
た。更にヒドラジン・水和物476mg(9.50ミリモ
ル)を加え、同温で22時間加熱還流した。析出した不
溶物を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。得ら
れたシロップ状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム−メタノール−濃アンモニア水=2
0:10:1)で精製した。ニンヒドリン試薬陽性分画
を集めて減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を水1
0mlに溶解した後、3M 塩酸を加えて中和した。この溶
液をアンバーライトIRC−50(NH4 +型)50mlの
カラムを通過させた。カラムを水100mlで洗浄した
後、2M アンモニア水で目的物を溶出した。溶出液を減
圧下で濃縮乾固して、標記化合物(35)505mg(9
1.3%)を得た。
【0112】35:〔α〕D + 10.6°(H2O) IR(KBr)cm-1 : 3480, 2980, 1610, 1380, 10801 H-NMR(D2O):δ 4.36(1H, d, J1,2=8.1Hz, H-1) 3.88(1H, dt, J=10.0Hz, J=6.8Hz, -CH2O) 3.78(1H, q, J=6.8Hz, H-5) 3.74(1H, d, J3,4=3.2Hz, H-4) 3.65(1H, dt, J=10.0Hz, J=6.8Hz, -CH2O) 3.63(1H, dd, J2,3=10.0Hz, J3,4=3.2Hz, H-3) 3.45(1H, dd, J1,2=8.1Hz, J2,3=3.2Hz, H-2) 2.98(2H, t, J=7.8Hz, -CH2N) 1.6-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.3-1.4(8H, m, -CH2 ×4) 1.25(3H, d, J5,6=6.4Hz, H-6)
【0113】参考例26 8−フタルイミドオクチル
3,4−ジ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ
−α−L−フコピラノシド(37)及び8−フタルイミ
ドオクチル 3,4−ジ−O−アセチル−2−アジド−
2−デオキシ−β−L−フコピラノシド(38) 文献記載の方法(R.U. Lemieuxら、Canadian. J. Che
m., 57, 1244(1979))で合成した3,4−ジ−O−アセ
チル−2−アジド−2−デオキシ−β−L−フコピラノ
シルブロミド(36)911mg(2.71ミリモル)の
ベンゼン10ml溶液に、シアン化第二水銀685mg
(2.71ミリモル)、粉末状モレキュラーシーブ4A
を1g及び8−フタルイミドオクタノール(4)746
mg(2.71ミリモル)を加え、アルゴン気流中室温で
15時間撹拌した。反応混合物を濾過して不溶物を除い
た後、濾液に酢酸エチル20mlを加えた。反応液を水3
0mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
で濃縮乾固した。得られたシロップ状残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=
4:1)で精製して、標記化合物(37)308mg(2
1.4%)及び標記化合物(38)610mg(42.4
%)を得た。
【0114】37:〔α〕D - 110.4 °(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 2980, 2110, 1750, 12341 H-NMR(CDCl3):δ 7.70(2H, dd, J=5.4Hz, J=2.9Hz, aromatic H) 7.84(2H, dd, J=5.4Hz, J=2.9Hz, aromatic H) 5.36(1H, dd, J2,3=11.2Hz, J3,4=3.2Hz, H-3) 5.30(1H, d, J3,4=3.2Hz, H-4) 4.93(1H, d, J1,2=3.4Hz, H-1) 4.14(1H, q, J=6.6Hz, H-5) 3.6-3.7(3H, m, -CH2N and -CH2O) 3.57(1H, dd, J2,3=11.2Hz, J1,2=3.4Hz, H-2) 3.4-3.5(1H, m, -CH2O) 2.05(3H, s, OAc) 2.16(3H, s, OAc) 1.6-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.13(3H, d, J5,6=6.5Hz, H-6) 1.2-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0115】38:〔α〕D + 9.1 °(CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 3020, 2110, 1750, 12421 H-NMR(CDCl3):δ 7.70(2H, dd, J=5.4Hz, J=2.9Hz, aromatic H) 7.84(2H, dd, J=5.4Hz, J=2.9Hz, aromatic H) 5.17(1H, d, J3,4=3.2Hz, H-4) 4.75(1H, dd, J2,3=10.7Hz, J3,4=3.2Hz, H-3) 4.31(1H, d, J1,2=7.8Hz, H-1) 3.9-4.0(1H, m, -CH2O) 3.73(1H, q, J5,6=6.6Hz, =6.6, H-5) 3.6-3.7(3H, m, H-2 and -CH2N) 3.5-3.6(1H, m, -CH2O) 2.05(3H, s, OAc) 2.16(3H, s, OAc) 1.6-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.20(3H, d, J=6.4Hz, H-6) 1.2-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0116】参考例27 8−アミノオクチル 2−ア
セトアミド−2−デオキシ−α−L−フコピラノシド
(40) 化合物(37)300mg(0.565ミリモル)のメタ
ノール5ml溶液に、28%ナトリウムメトキシド−メタ
ノール溶液0.08mlを加え、室温で24時間撹拌し
た。反応溶液をアンバーライトIR−120B(H+
型)で中和した。樹脂を濾去した後、濾液を減圧下で濃
縮乾固した。得られたシロップ状残渣をエタノール15
mlに溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム64.1mg
(1.70ミリモル)及び塩化ニッケル・六水和物40
mgのエタノール溶液0.5mlを加え、室温で2時間撹拌
した。反応溶液を6M 塩酸で中和した後、沈殿物を濾去
した。濾液を減圧下で濃縮乾固し、得られたシロップ状
残渣をメタノール5mlに溶解した。この溶液に無水酢酸
1mlを加え室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下で
濃縮乾固して得られたシロップ状残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=3
0:1)で精製して、8−フタルイミドオクチル2−ア
セトアミド−2−デオキシ−α−L−フコピラノシド
(39)257mgを得た。化合物(39)257mgをエ
タノール5mlに溶解し、ヒドラジン・水和物141mg
(2.83ミリモル)を加えて100℃で2時間加熱還
流した。更にヒドラジン・水和物141mg(2.83ミ
リモル)を加え、同温で2時間加熱還流した。反応混合
物を濾過して不溶物を除いた後、濾液を減圧下で濃縮乾
固した。得られたシロップ状残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−濃アン
モニア水=30:10:1)で精製し、ニンヒドリン陽
性分画を集めて減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣を
水10mlに溶解し、3M 塩酸で中和した。この溶液をア
ンバーライトIRC−50(NH4 +型)50mlのカラム
を通した。水100mlで洗浄した後、2M アンモニア水
で目的物を溶出した。溶出液を減圧下で濃縮乾固して、
標記化合物(40)41.1mg(23%)を得た。
【0117】40:〔α〕D - 74.8°(H2O) IR(KBr)cm-1 : 3400, 1640, 10301 H-NMR(D2O) : δ 4.1-4.2(2H, m, H-2 and H-5) 3.92(1H, dd, J2,3=11.2Hz, J3,4=3.2Hz, H-3) 3.82(1H, d, J3,4=3.2Hz, H-4) 3.6-3.7(1H, m, -CH2O) 3.4-3.5(1H, m, -CH2O) 3.00(2H, t, J=7.6Hz, -CH2N) 2.05(3H, s, NAc) 1.5-1.7(4H, m, -CH2 ×2) 1.24(3H, d, J5,6=6.6Hz, H-6) 1.2-1.4(8H, m, -CH2 ×4)
【0118】参考例28 ポリ−L−グルタミン酸(4
5) 市販ポリ−L−グルタミン酸 ナトリウム塩(平均分子
量分布(粘度法)=13,300)(41)10g
(0.751ミリモル)の水溶液200mlに、氷冷下、
撹拌しながら1M 塩酸51mlを滴下して溶液のpH値を
約2に調整した。析出した沈殿物を遠心分離により集め
た。沈殿物を十分量の冷水で洗浄した後、精製水に懸濁
させて凍結乾燥してポリ−L−グルタミン酸(45)
6.5gを得た。化合物(45)の物理恒数を表1に示
した。
【0119】
【表1】
【0120】参考例29 ポリ−L−グルタミン酸(4
6)、(47)及び(48) 参考例28の場合と同様にして、市販ポリ−L−グルタ
ミン酸ナトリウム塩(平均分子量分布(粘度法)=3
6,240)(42)、ポリ−L−グルタミン酸ナトリ
ウム塩(平均分子量分布(粘度法)=61,000)
(43)、ポリ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(平均
分子量分布(粘度法)=77,800)(44)を水溶
液中、それぞれ1M 塩酸と処理して遊離酸にして標記化
合物(46)、(47)及び(48)を得た。得られた
化合物の物理恒数を表1に示した。
【0121】参考例30 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グルタミン酸ナ
トリウム塩(49) ポリ−L−グルタミン酸(45)100mg(0.007
51ミリモル)、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ルアミン10mg(0.072ミリモル)及び2−エトキ
シ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリ
ン19mg(0.0768ミリモル)を、N,N−ジメチ
ルホルムアミド3.5mlに溶解し、室温で18時間撹拌
した。反応液0.01M 等張燐酸緩衝液(pH7.4)1
0mlで希釈した後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー
(セファデックスG−100、50cm×2.5cm)にか
け、各分画5mlずつ溶出した。分画No. 15〜27を集
めてスペクトラ/ポア3(分子量カットオフ=約3,5
00)透析膜を用いて、精製水に対して4℃で16時間
透析した。透析内液を取り出し、凍結乾燥して標記化合
物(49)75mgを得た。導入された2−(4−ヒドロ
キシフェニル)エチルアミノ残基量を吸光度275nmを
用いて定量すると、ポリ−L−グルタミン酸1モル当り
5モルの2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ
基が導入されていることが判明した。化合物(49)の
物理恒数を表2に示した。
【0122】
【表2】
【0123】参考例31 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グルタミン酸ナ
トリウム塩(50) ポリ−L−グルタミン酸(46)100mg(0.007
51ミリモル)、O−スルホベンズイミド145mg
(0.791ミリモル)及びN,N′−カルボニルジイ
ミダゾール141mg(0.869ミリモル)を、N,N
−ジメチルホルムアミド3mlに溶解し、室温で1時間3
0分撹拌した。この溶液に2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアミン200mg(1.458ミリモル)及び
1,1,3,3−テトラメチルグアニジン0.19ml
(1.514ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムア
ミド4mlに溶解した液0.07ml(0.025ミリモ
ル)を加え、室温で2日間撹拌した。反応混合物を0.
01M 等張燐酸緩衝液(pH7.4)で希釈した後、スペ
クトラ/ポア1(分子量カットオフ=6,000−8,
000)透析膜を用いて、精製水に対して4℃で48時
間透析した。透析内液を取り出し、凍結乾燥して標記化
合物(50)78mgを得た。導入された2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ残基量を吸光度275nm
を用いて定量すると、ポリ−L−グルタミン酸1モル当
り5モルの2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミ
ノ基が導入されたことが判明した。化合物(50)の物
理恒数を表2に示した。
【0124】参考例32 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グルタミン酸ナ
トリウム塩(51)及び(52) 参考例31の場合と同様にして、ポリ−L−グルタミン
酸(47)及び(48)に、それぞれ10モル当量の2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミンを用いて2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基の導入を
行い、標記化合物(51)及び(52)を得た。導入さ
れた2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基量
(モル比)及び得られた化合物の物理恒数を表2に示し
た。
【0125】参考例33 ポリ−D−グルタミン酸(5
6)、(57)及び(58) 参考例28の場合と同様にして、市販ポリ−D−グルタ
ミン酸ナトリウム塩(平均分子量分布(粘度法)=1
0,600)(53)、ポリ−D−グルタミン酸ナトリ
ウム塩(平均分子量分布(粘度法)=41,000)
(54)、ポリ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(平均
分子量分布(粘度法)=95,100)(55)を水溶
液中、それぞれ1M 塩酸で処理して遊離酸とし、標記化
合物(56)、(57)及び(58)を得た。得られた
化合物の物理恒数を表3に示した。
【0126】
【表3】
【0127】参考例34 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−D−グルタミン酸ナ
トリウム塩(59)、(60)及び(61) 参考例30の場合と同様にして、化合物(56)、(5
7)及び(58)に、それぞれ2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアミノ基の導入を行い、標記化合物(5
9)、(60)及び(61)を得た。導入された2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基量(モル
比)及び得られた化合物の物理恒数を表4に示した。
【0128】
【表4】
【0129】参考例35 ポリ−γ−〔8−(β−D−
ガラクトピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−
〔2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L
−グルタミン酸ナトリウム塩(62) ポリ−L−グルタミン酸(45)75mg(0.0066
ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド1.5
ml溶液に、8−アミノオクチル β−D−ガラクトピラ
ノシド(25)180mg(0.586ミリモル)、2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン7.2mg
(0.0547ミリモル)及びN−ヒドロキシコハク酸
イミド80.5mg(0.7ミリモル)を乾燥N,N−ジ
メチルホルムアミド1.5mlに溶解した液を加えて氷冷
した。この反応混合物に撹拌しながら1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸
塩135mg(0.7ミリモル)、乾燥N,N−ジメチル
ホルムアミド10ml溶液を加えた。冷却浴を除いた後、
室温で一夜撹拌した。反応混合物に精製水30mlを加
え、析出した不溶物を遠心分離して除去した。上澄液を
スペクトラ/ポア3(分子量カットオフ=約3,50
0)透析膜を用いて、精製水に対して4℃で24時間透
析した。透析内液を取り出し、凍結乾燥した。得られた
残渣を0.01M 等張燐酸緩衝液(pH7.4)に溶解し
てゲル濾過カラムクロマトグラフィー(セファデックス
G−100、5cm×30cm)で精製した。溶出された各
分画を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSK−
GEL G3000PWXL、溶出液:0.2M 食塩
水、溶出速度:0.5ml/分、検出:紫外部吸収(28
0nm))でモニターした。ポリ−L−グルタミン酸誘導
体含有分画を集めて再びスペクトラ/ポア3(分子量カ
ットオフ=約3,500)透析膜を用いて、精製水に対
して4℃で48時間透析した。透析内液を取り出し、凍
結乾燥して標記化合物(62)89.2mgを得た。導入
された8−(β−D−ガラクピラノシルオキシ)オクチ
ルアミノ残基含量をフェノール−硫酸法で比色定量する
と、導入量はポリグルタミン酸1モル当り36モルであ
った。また、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルア
ミノ基量を吸光度275nmを用いて定量すると、その導
入量(モル比)は3であった。化合物の糖含量及び2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量を表5
に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示した。
【0130】
【表5】
【0131】
【表6】
【0132】参考例36 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(63) ポリ−L−グルタミン酸(45)50mg(0.0037
ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド2ml溶
液に、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロキノリン152mg(0.615ミリモル)を
加え、室温で1時間撹拌した。この溶液に8−アミノオ
クチル β−D−マンノピラノシド(15)の塩酸塩1
90mg(0.56ミリモル)及びトリエチルアミン0.
48ml(0.56ミリモル)のN,N−ジメチルホルム
アミド2ml溶液を加え、室温で1.5時間撹拌した。次
いで、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン5
mgを加え、更に15.5時間撹拌した。反応液にN,N
−ジメチルホルムアミド0.5mlを加えて希釈した後、
更に25時間撹拌を続けた。反応混合物に0.1M水酸
化ナトリウム水溶液0.5ml及び0.01M 等張燐酸緩
衝液15mlを加えた。析出した不溶物を遠心分離して除
いた後、上澄液をミリポア濾紙を用いて濾過した。濾液
をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(セファデックス
G−100、2.5cm×40cm)で精製した。ポリ−L
−グルタミン酸誘導体含有分画を集め、スペクトラ/ポ
ア3(分子量カットオフ=約3,500)透析膜を用い
て、精製水に対して48時間透析した。透析内液を取り
出し、凍結乾燥すると無色アモルファス状の化合物(6
3)35mgを得た。糖含量をフェノール−硫酸法で比色
定量すると、ポリ−L−グルタミン酸1モル当り7モル
の8−(β−D−マンノピラノシルオキシ)オクチルア
ミノ基が導入されたことが判明した。また、2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基量を吸光度275
nmを用いて定量すると、3モルの2−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチルアミノ基が導入されていることが判明
した。得られた化合物の物理恒数を表6に示した。
【0133】参考例37 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(64) ポリ−L−グルタミン酸(45)50mg(0.0037
ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド100ml溶
液に、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2
−ジヒドロキノリン152mg(0.615ミリモル)を
加え、1時間40分撹拌した。次いで8−アミノオクチ
ル β−D−マンノピラノシド(15)の塩酸塩190
mg(0.56ミリモル)及びトリエチルアミン0.78
ml(0.56ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド50ml溶液ならびに2−(4−ヒドロキシフェニル)
エチルアミン5mgのN,N−ジメチルホルムアミド10
ml溶液を加え、室温で45時間撹拌した。反応混合物を
参考例36に記載した方法と同様の方法で精製して、標
記化合物(64)を得た。化合物の2−(4−ヒドロキ
シフェニル)エチルアミノ基含量ならびに糖含量を表5
に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示した。
【0134】参考例38 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(65) ポリ−L−グルタミン酸(45)100mg(0.075
1ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド3.
5ml溶液に、O−スルホベンズイミド96mg(0.52
4ミリモル)、N,N´−カルボニルジイミダゾール9
3mg(0.573ミリモル)を加え、室温で1.5時間
撹拌した。この混合物に2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアミン20mg(0.146ミリモル)及び
1,1,3,3−テトラメチルグアニジン0.19ml
(1.514ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミ
ド4mlに溶解した液2.0ml及び8−アミノオクチル
β−D−マンノピラノシド(15)の塩酸塩153mg
(0.461ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド1ml溶液を加えて、室温で24時間撹拌した。反応混
合物を参考例36に記載した方法と同様にして精製し
て、標記化合物(65)を得た。化合物の糖含量ならび
に2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量
を表5に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示し
た。
【0135】参考例39 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(66) 参考例35に記載した方法と同様にして、ポリ−L−グ
ルタミン酸(45)に、8−アミノオクチル α−D−
マンノピラノシド(9)及び2−(4−ヒドロキシフェ
ニル)エチルアミンを用いて、8−(β−D−マンノピ
ラノシルオキシ)オクチルアミノ基及び2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ基の導入を行い、標記化
合物(66)を得た。得られた化合物の糖含量及び2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量を表5
に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示した。
【0136】参考例40 ポリ−γ−〔8−(α−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(67) ポリ−L−グルタミン酸(45)75mg(0.0056
ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド10ml
溶液に、撹拌しながら8−アミノオクチル α−D−マ
ンノピラノシド(9)180mg(0.611ミリモ
ル)、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン
7.5mg(0.00546ミリモル)及び1−エトキシ
カルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン
98mg(0.0396ミリモル)の乾燥N,N−ジメチ
ルホルムアミド3ml溶液を加え、室温で16時間撹拌し
た。反応混合物を0.01M 等張燐酸緩衝液30mlで希
釈した後、スペクトラ/ポア3(分子量カットオフ=約
3,500)透析膜を用いて、精製水に対して4℃で2
4時間透析した。透析内液を取り出し、凍結乾燥した。
得られた残渣を0.01M 等張燐酸緩衝液(pH7.4)
に溶解してゲル濾過カラムクロマトグラフィー(セファ
デックスG100、5cm×30cm)で精製した。溶出さ
れた各分画を高速液体クロマトグラフィー(カラム:T
SK−GEL G3000PWXL、溶出液:0.2M
食塩水、溶出速度:0.5ml/min.、検出:紫外部吸収
(280nm))でモニターした。ポリ−L−グルタミン
酸誘導体含有分画を集めて、再びスペクトラ/ポア3
(分子量カットオフ=約3,500)透析膜を用いて、
精製水に対して4℃で48時間透析した。透析内液を取
り出し、凍結乾燥して標記化合物(67)80mgを得
た。得られた化合物の糖含量及び2−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチルアミノ基含量を表5に示した。また、
化合物の物理恒数を表6に示した。
【0137】参考例41 ポリ−γ−〔8−(α−D−
キシロピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(68) 参考例37に記載した方法と同様にして、ポリ−L−グ
ルタミン酸(45)に、8−アミノオクチル α−D−
キシロピラノシド(30)及び2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアミンを用いて、8−(α−D−キシロ
ピラノシルオキシ)オクチルアミノ基及び2−(4−ヒ
ドロキシフェニル)エチルアミノ基の導入を行い、標記
化合物(68)を得た。化合物の2−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチルアミノ基含量ならびに糖含量を表5に
示した。また、化合物の物理恒数を表6に示した。
【0138】参考例42 ポリ−γ−〔8−(β−L−
フコピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グル
タミン酸ナトリウム塩(69) 参考例37に記載した方法と同様にして、ポリ−L−グ
ルタミン酸(45)に、化合物(34)及び2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミンを用いて、8−(β
−L−フコピラノシルオキシ)オクチルアミノ基及び2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基の導入を
行い、標記化合物(69)を得た。化合物の2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量ならびに糖含
量を表5に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示
した。
【0139】参考例43 ポリ−γ−〔8−(2−アセ
タミド−2−デオキシ−α−L−フコピラノシルオキ
シ)オクチルアミノ〕−γ−〔2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアミノ〕−L−グルタミン酸ナトリウム
塩(70) 参考例37に記載した方法と同様にして、ポリ−L−グ
ルタミン酸(45)に、化合物(40)及び2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミンを用いて、8−(2
−アセタミド−2−デオキシ−α−L−フコピラノシル
オキシ)オクチルアミノ基及び2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアミノ基の導入を行い、標記化合物(7
0)を得た。化合物(70)の糖含量を求めるために、
4M 塩酸と100℃で4時間加熱撹拌して加水分解し
た。得られた加水分解生成物をElson-Morgan法で比色定
量すると、8−(2−アセタミド−2−デオキシ−α−
L−フコピラノシルオキシ)オクチルアミノ基含量は、
ポリ−L−グルタミン酸1モル当り3モルであった。化
合物の2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基
含量ならびに糖含量を表5に示した。また、化合物の物
理恒数を表6に示した。
【0140】参考例44 ポリ−γ−〔8−(2−アセ
タミド−2−デオキシ−β−D−マンノピラノシルオキ
シ)オクチルアミノ〕−γ−〔2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアミノ〕−L−グルタミン酸ナトリウム
塩(71) 参考例35に記載した方法と同様にして、ポリ−L−グ
ルタミン酸(45)に、化合物(21)及び2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミンを用いて、8−(2
−アセタミド−2−デオキシ−β−D−マンノピラノシ
ルオキシ)オクチルアミノ基及び2−(4−ヒドロキシ
フェニル)エチルアミノ基の導入を行い、標記化合物
(71)を得た。化合物(71)の糖含量を参考例43
に記載した方法と同様の方法により、4M 塩酸で加水分
解後、Elson-Morgan法で比色定量した。化合物の糖含量
及び2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含
量を表5に示した。また、化合物の物理恒数を表6に示
した。
【0141】参考例45 ポリ−L−グルタミン酸ナト
リウム塩(73) 文献記載の方法(J. Am. Chem. Soc., 78, 941(1956))
で合成したγ−ベンジル−N,O−カルボニル−L−グ
ルタメ−ト(72)2.63g(10.0ミリモル)を
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド10mlに窒素気流下
で撹拌しながら溶解した。この溶解にヘキシルアミン
6.6μl を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド100
μl に溶解した溶液を加え、窒素気流下室温で24時間
撹拌した。反応混合物をイソプロピルエーテル500ml
に撹拌しながら注ぎ、析出した沈殿物を濾取した。沈殿
物をエタノールでよく洗浄した後、減圧下で乾燥した。
得られた沈殿物を、トリフルオロ酢酸17mlとアニソー
ル3mlの混合液に溶解した後、窒素気流下でメタンスル
ホン酸17mlを加えた。反応混合物を氷冷下で20分撹
拌した。冷却浴を除き、更に室温で30分撹拌した。反
応液をイソプロピルエーテル300mlに撹拌しながら注
ぎ、析出した沈殿物を濾取した。沈殿物をイソプロピル
エーテルで洗浄した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
20mlに添加して、室温で30分間撹拌した。得られた
溶液をスペクトラ/ポア透析膜を用いて、精製水に対し
て4℃で2日間透析した。透析内液を取り出し、凍結乾
燥して、標記化合物(73)1.1gを得た。標準物質
としてポリエチレングリコールを用いたゲルパーミエイ
ションクロマトグラフィー法(カラム:TSK−GEL
G4000PWXL+G3000PWXL、溶出液:
0.2M 食塩水、溶出速度:0.5ml/分)で求めた重
量平均分子量(Mw)は22,000であった。得られ
た化合物の物理恒数を表7に示した。
【0142】
【表7】
【0143】参考例46 ポリ−L−グルタミン酸(7
4) 参考例45の場合と同様にして、γ−ベンジル−N,O
−カルボニル−L−グルタメ−ト(72)を用いてN,
N−ジメチルホルムアミド中、重合開始剤としてトリエ
チルアミンを用いて重合させた。生成物を参考例45の
場合と同様にしてトリフルオロ酢酸、アニソールおよび
メタンスルホン酸で脱ベンジル化した後、精製して、標
記化合物(74)を得た。化合物(74)の重量平均分
子量(Mw)を、標準物質としてポリエチレングリコー
ルを用いたゲルパーミエイションクロマトグラフィー法
(カラム:TSK−GEL G4000PWXL+G3
000PWXL、溶出液:0.2M 食塩水、溶出速度:
0.5ml/分)で求めると、57,200であった。得
られた化合物の物理恒数を表7に示した。
【0144】参考例47 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(75) 参考例45で合成した化合物(73)を用いて、参考例
28の場合と同様にして1M 塩酸で処理して得た化合物
(73)の遊離酸129.0mgのN,N−ジメチルホル
ムアミド1.0ml溶液にN,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド51.6mg(0.25ミリモル)及びN−
ヒドロキシコハク酸イミド35.5mg(0.31ミリモ
ル)をN,N−ジメチルホルムアミド0.5mlに溶解し
た液を加えて、4℃で2時間撹拌した。この溶液に2−
(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミン6.8mg
(0.05ミリモル)、8−アミノオクチル β−D−
マンノピラノシド(15)p−トルエンスルホン酸塩9
6.0mg(0.20ミリモル)及びトリエチルアミン2
8μl をN,N−ジメチルホルムアミド0.5mlに溶解
した液を加えて4℃で2時間撹拌した。冷却浴を除き、
更に室温で2時間撹拌した。反応混合物に5%炭酸水素
ナトリウム水溶液5mlを加え、析出した不溶物を遠心分
離して除去した。得られた上澄液をミリポア濾紙を用い
て濾過した。濾液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー
(セファデックスG−100、2.5cm×20cm)で精
製した。ポリ−L−グルタミン酸誘導体を含む分画を集
め、スペクトラ/ポア透析膜を用いて精製水に対して4
℃で2日間透析した。透析内液を取り出して、凍結乾燥
して、標記化合物(75)127.5mgを得た。化合物
(75)の糖含量はフェノール−硫酸法で比色定量し
た。2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含
量は吸光度275nmを用いて定量した。得られた結果を
表8に示した。また、化合物の物理恒数を表9に示し
た。
【0145】
【表8】
【0146】
【表9】
【0147】参考例48 ポリ−γ−〔8−(β−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−L−グ
ルタミン酸ナトリウム塩(76) 参考例47の場合と同様にして、化合物(74)の遊離
酸に化合物(15)のp−トルエンスルホン酸塩及び2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミンを用いて8
−(β−D−マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ
基及び2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基
の導入を行い、標記化合物(76)を得た。化合物(7
6)の糖含量及び2−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ルアミノ基含量を表8に示した。また、化合物の物理恒
数を表9に示した。
【0148】参考例49 γ−ベンジル−D−グルタメ
ート(78) 市販D−グルタミン酸(77)100g(680ミリモ
ル)の60%硫酸溶液75mlに、氷冷下でベンジルアル
コール75.0g(694ミリモル)を加えた。反応混
合物を70℃で1時間撹拌した後、生成した水を減圧下
で留去した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム120g
を冷水400mlに溶解した液に撹拌しながら注いだ。更
に冷水200mlを加えてしばらく放置した。析出した結
晶を濾取し、冷水でよく洗浄した。生成物を熱水より2
回再結晶し、結晶を濾取した。結晶をエタノール100
ml及びエーテル100mlで洗浄した後、減圧下で乾燥し
て、標記化合物(78)52.1g(32%)を得た。
【0149】78:m.p. 164-164.5 ℃ 〔α〕D 25 - 19.4°(c 1.29, AcOH) IR(KBr)cm-1 : 3000, 1724, 1582, 1517, 1173
【0150】参考例50 γ−ベンジル−N,O−カル
ボニル−D−グルタメート(79) 化合物(78)24g(101ミリモル)の無水テトラ
ヒドロフラン150ml懸濁液に、窒素気流下、撹拌しな
がらビス(トリクロロメチルカーボネート)11g(3
7.1ミリモル)の無水テトラヒドロフラン40ml溶液
を5分間かけて滴下した。反応混合物を室温で15分間
撹拌した後、加熱を開始して内温40−50℃で4時間
撹拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去し
た。得られた結晶性残渣にヘキサン150mlを加えて結
晶を濾取した。ヘキサン−酢酸エチル混液から再結晶し
て、標記化合物(79)17.7g(66%)を得た。
【0151】79:m.p. 84-85 ℃ 〔α〕D 25 + 16.7°(c 1.05, AcOEt) IR(KBr)cm-1 : 1867, 1716, 1704, 1258, 9281 H-NMR(CDCl3):δ 7.4(5H, m, aromatic H) 6.18(1H, s, NH) 5.14(2H, s, CH2ph) 4.36(1H, t, J=5.5Hz,α-CH) 2.60(2H, m, -CH2CO) 2.28(1H, m, Glu-CH2) 2.10(1H, m, Glu-CH2)
【0152】参考例51 L−グルタミン酸とD−グル
タミン酸の不規則共重合体(80) γ−ベンジル−N,O−カルボニル−L−グルタメ−ト
(72)2.37g(90ミリモル)及びγ−ベンジル
−N,O−カルボニル−D−グルタメ−ト(79)26
0mg(10ミリモル)を、窒素気流下、撹拌しながら乾
燥N,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解した。こ
の溶液に、ヘキシルアミン13.2μlを乾燥N,N−
ジメチルホルムアミド100μl に溶解した溶液を加
え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を撹拌しなが
らイソプロピルエーテル500mlに注いだ。析出した沈
殿物を濾取した後、エタノールで洗浄し、減圧下で乾燥
した。得られた沈殿物を、トリフルオロ酢酸17ml及び
アニソール3mlの混液に氷冷しながら溶解した。次いで
メタンスルホン酸17mlを加え、同温度で20分間撹拌
した。冷却浴を除き、更に室温で30分間撹拌した。反
応混合物を撹拌しながらイソプロピルエーテル300ml
に注ぎ、析出した沈殿物を濾取した。得られた沈殿物を
5%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlに加え、室温で3
0分間撹拌した。得られた溶液をスペクトラ/ポア透析
膜を用いて、精製水に対して4℃で2日間透析した。透
析内液を取り出し、凍結乾燥して、標記化合物(80)
1.10gを得た。化合物(80)の平均分子量を、標
準物質としてポリエチレングリコールを用いたゲルパー
ミエイションクロマトグラフィーで求めると、重量平均
分子量(Mw)は13,000であった。得られた化合
物の物理恒数を表10に示した。
【0153】
【表10】
【0154】参考例52 L−グルタミン酸とD−グル
タミン酸の不規則共重合体(81)及び(82) 参考例51の場合と同様にして、N,N−ジメチルホル
ムアミド中、γ−ベンジル−N,O−カルボニル−L−
グルタメ−ト(72)及びγ−ベンジル−N,O−カル
ボニル−D−グルタメ−ト(79)の重合反応の際のモ
ル比を1:1及び1:9にして重合反応させた後、脱ベ
ンジル化すると、それぞれ標記化合物(81)及び(8
2)を得た。得られた化合物の重量平均分子量を、参考
例51の場合と同様にして求めると、いずれの化合物も
13,000であった。得られた化合物の物理恒数を表
10に示した。
【0155】参考例53 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−D,L−グルタミン
酸ナトリウム塩(83) 化合物(80)38.7mg(0.003ミリモル)の
N,N−ジメチルホルムアミド0.5ml溶液、N,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.85mg(0.0
0009ミリモル)、N−ヒドロキシコハク酸イミド
1.73mg(0.00015ミリモル)及び2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミン2.06mg(0.0
0015ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド
0.5mlに溶解した液を加えて室温で20時間撹拌し
た。反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液5mlを
加えた。析出した不溶物を遠心分離して除いた後、上澄
液をミリポア濾紙を用いて濾過した。濾液をゲル濾過カ
ラムクロマトグラフィー(セファデックスG−100、
2.5cm×20cm)で精製した。ポリグルタミン酸誘導
体含有分画を集め、スペクトラ/ポア透析膜を用いて精
製水に対して4℃で2日間透析した。透析内液を取り出
して、凍結乾燥して、標記化合物(83)を得た。化合
物(83)の2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルア
ミノ基含量は吸光度275nmを用いて定量した。得られ
た2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量
及び物理恒数を表11に示した。
【0156】
【表11】
【0157】参考例54 ポリ−γ−〔2−(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルアミノ〕−D,L−グルタミン
酸 ナトリウム塩(84)及び(85) 参考例53に記載した方法と同様にして、化合物(8
1)及び(82)に、2−(4−ヒドロキシフェニル)
エチルアミノ基の導入を行い、それぞれ標記化合物(8
4)及び(85)を得た。得られた化合物の2−(4−
ヒドロキシフェニル)エチルアミノ基含量及び物理恒数
を表11に示した。
【0158】参考例55 γ−ベンジル−N−(9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル)−L−グルタメート
(87) 文献記載の方法(E.R. BLOUT AND R.H. KARTSON, J. A
m. Chem. Soc., 78, 941(1956))で合成したγ−ベンジ
ル−L−グルタメ−ト(86)6.0g(25.28ミ
リモル)及び炭酸ナトリウム2.68g(25.28ミ
リモル)を、水120ml及びアセトニトリル60mlの混
液に溶解した後、氷冷した。ついでN−(9−フルオレ
ニルメトキシカルボニルオキシ)コハク酸イミド8.5
3g(25.28ミリモル)をアセトニトリル36mlに
溶解した液を撹拌しながら滴下した。冷却浴を除いた
後、室温で更に2時間撹拌した。反応液を少量まで濃縮
した後、大量の水を加え析出した不溶物を濾去した。濾
液を希塩酸で酸性にした後、析出した生成物を酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を水洗した後、硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧下で溶媒を留去して残渣12.3gを得
た。残渣に酢酸エチル−ヘキサン混液を加えて洗浄し、
生成物を集め、標記化合物(87)9.4g(81%)
を得た。
【0159】87:無定形粉末 〔α〕D 24 + 9.3 °(c 0.92, CHCl3) IR(KBr)cm-1 : 1728, 1688, 15121 H-NMR(CDCl3-CD3OD):δ 7.8-7.2(13H, m, aromatic H) 5.06(2H, s, CH2ph) 4.37(1H, dd, J=7.5Hz, Fmoc-CH2) 4.34(1H, dd, J=7.5Hz, 10Hz, Fmoc-CH2) 4.26(1H, t, J=10.5Hz, Fmoc-CH2) 4.01(1H, m, Glu-CH) 2.44(2H, m, -CH2COO-) 2.19(1H, m, Glu-CH2) 1.95(1H, m, Glu−CH
【0160】参考例56 γ−ベンジル−α−tert
−ブチル−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル)−L−グルタメート(88) 化合物(87)18g(39.17ミリモル)を塩化メ
チレン375mlに溶解した後、窒素気流下で−18℃に
冷却した。この溶液に濃硫酸1.95ml(36.58ミ
リモル)を加えた後、撹拌しながらイソブテンガス約6
0mlを吹き込んだ。反応容器を密栓した後、室温に16
時間放置した。反応混合物にトリエチルアミン5.1ml
を加えて中和した後、減圧下で溶媒を留去した。得られ
た残渣を水層と酢酸エチル層とに分配した。有機層を分
離して水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄
した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を
留去した。得られたシロップ状残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)
で精製して、標記化合物(88)18.1g(89%)
を得た。
【0161】88:シロップ状 〔α〕D 24 + 50.7°(c 1.34, CHCl3) IR(film)cm-1 : 1732, 1516, 14501 H-NMR(CDCl3):δ 7.8-7.2(13H, m, aromatic H) 5.11(2H, s, CH2ph) 4.37(2H, dd, J=7Hz, Fmoc-CH2) 4.32(1H, m, Glu-CH2) 4.20(1H, t, J=7Hz, Fmoc-CH) 2.42(2H, m, -CH2COO-) 2.22(1H, m, Glu-CH2) 1.97(1H, m, Glu-CH2) 1.45(9H, s, C(CH3)3)
【0162】実施例1 α−tert−ブチル−N−(9−
フルオレニルメトキシカルボニル)−L−グルタメート
(89) 化合物(88)15g(29.09ミリモル)のメタノ
ール156ml及びテトラヒドロフラン156ml混液に、
10%パラジウム−炭素、5.63gを加え、窒素気流
下、10℃に冷却した。次いでギ酸アンモニウム5.6
3g(89.28ミリモル)を加え、同温度で2時間激
しく撹拌した。触媒を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮
乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム−メタノール=10:1)で精
製して、標記化合物(89)8.9g(75%)を得
た。
【0163】89:m.p. 94.5-95.5 ℃ 〔α〕D 24 + 0.4 °(c 1.34, CHCl3) IR(film)cm-1 : 1728, 1688, 15121 H-NMR(CDCl3):δ 7.8-7.2(13H, m, aromatic H) 4.38(2H, dd, J=6Hz, Fmoc-CH2) 4.35(2H, dd, J=6Hz, Fmoc-CH2) 4.28(1H, m, Glu-CH) 4.18(1H, t, J=7Hz, Fmoc-CH) 2.45(1H, br.signal, OH) 2.40(2H, m, -CH2COO-) 2.17(1H, m, Glu-CH2) 1.91(1H, m, Glu-CH2) 1.45(9H, s, C(CH3)3)
【0164】参考例57 8−〔α−tert−ブチル−N
−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−グル
タミド〕オクチル α−D−マンノピラノシド(90) α−tert−ブチル−N−(9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル)−L−グルタメート(89)1.42g
(3.344ミリモル)及びN−ヒドロキシコハク酸イ
ミド385mg(3.344ミリモル)のN,N−ジメチ
ルホルムアミド8ml溶液に、N,N′−ジシクロロヘキ
シルカルボジイミド690mg(3.344ミリモル)を
加え、室温で2時間撹拌した。析出した不溶物を濾去し
た後、濾液を8−アミノオクチル α−D−マンノピラ
ノシド(9)895mg(3.04ミリモル)のN,N−
ジメチルホルムアミド5ml溶液に加え、室温で16時間
撹拌した。析出した不溶物を濾去した後、濾液を減圧下
で濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム−メタノール=10:
1)で精製して、標記化合物(90)1.56g(73
%)を得た。
【0165】90:無定形粉末 〔α〕D 28 + 21.0°(c 0.79, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 1716, 16601 H-NMR(CD3OD):δ 7.9-7.3(8H, m, aromatic H) 4.69(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.39(1H, dd, J=7Hz, Fmoc-CH2) 4.29(1H, dd, J=7Hz, Fmoc-CH2) 4.21(1H, t, J=7Hz, Fmoc-CH) 4.03(1H, dd, J=4.5Hz, Glu-CH) 3.80(1H, dd, J5,6a=2.5Hz, J6a,6b=12.5Hz, H-6a) 3.76(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 3.59(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4) 3.50(1H, ddd, H-5) 2.30(2H, m, -CH2COO-) 2.10(1H, m, Glu-CH2) 1.90(1H, m, Glu-CH2) 1.45(9H, s, C(CH3)3)
【0166】参考例58 8−〔α−tert−ブチル−N
−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−グル
タミド〕オクチル 2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−マンノピラノシド(91) 化合物(90)1.77g(2.52ミリモル)のピリ
ジン15ml溶液に、無水酢酸5mlを加え、室温に16時
間放置した。反応混合物を大量の水に注いだ後、析出し
た生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、炭
酸水素ナトリウム溶液及び水で順次洗浄した。硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して、標記
化合物(91)2.06g(94%)を得た。
【0167】91:無定形粉末 〔α〕D 22.5 + 19.2°(c 0.5, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 1744, 1664, 1514, 1450, 13711 H-NMR(CDCl3):δ 7.8-7.2(8H, m, aromatic H) 5.98(1H, s, NH) 5.62(1H, d, J=7.5Hz, NH) 5.34(1H, dd, J2,3=3.5Hz, J3,4=10Hz, H-3) 5.27(1H, t, J3,4=10Hz, H-4) 5.22(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 4.78(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-1) 4.39(2H, m, Fmoc-CH2) 4.26(1H, dd, J5,6a=5.5Hz, J6a,6b=12.5Hz, H-6a) 4.21(2H, t, J=7Hz, Fmoc-CH Glu-CH) 4.10(1H, dd, J5,6b=2.5Hz, H-6b) 3.97(1H, ddd, H-5) 3.65(1H, m, -CH2O) 3.42(1H, m, -CH2O) 3.23(2H, m, -CH2N) 2.20(2H, m, -CH2COO-) 2.15(3H, s, OAc) 2.09(3H, s, OAc) 2.04(3H, s, OAc) 1.98(3H, s, OAc) 1.47(9H, s, C(CH3)3) 1.7-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0168】参考例59 8−〔N−(9−フルオレニ
ルメトキシカルボニル)−L−グルタミド〕オクチル
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マン
ノピラノシド(92) 化合物(91)2.0g(2.29ミリモル)を85%
ギ酸−メタノール溶液57mlに溶解し、室温に16時間
放置した。反応混合物をトルエンで希釈した後、減圧下
で濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム−メタノール=7:1)
で精製して、標記化合物(92)1.90g(定量的)
を得た。
【0169】92:無定形粉末 〔α〕D 26.5 + 26.2°(c 0.5, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 3400, 1745, 1371, 1084, 10511 H-NMR(CDCl3):δ 7.8-7.2(8H, m, aromatic H) 6.18(1H, s, NH) 6.03(1H, d, J=7.5Hz, NH) 5.32(1H, dd, J2,3=3.5Hz, J3,4=10Hz, H-3) 5.26(1H, t, J3,4=10Hz, H-4) 5.21(1H, dd, J1,2=1.5Hz, J2,3=3.5Hz, H-2) 4.33(3H, m, Fmoc-CH2, Glu-CH) 4.25(1H, dd, J5,6a=5.5Hz, J6a,6b=12.5Hz, H-6a) 4.20(1H, t, J=7Hz, Fmoc-CH) 4.10(1H, dd, J5,6b=2.5Hz, H-6b) 3.88(1H, ddd, H-5) 3.66(1H, m, -CH2O) 3.42(1H, m, -CH2O) 3.27(2H, m, -CH2N) 2.56(1H, m, Glu-CH2) 2.45(1H, m, Glu-CH2) 2.14(3H, s, OAc) 2.09(3H, s, OAc) 2.03(3H, s, OAc) 1.98(3H, s, OAc) 1.85(1H, br.s, OH) 1.6-1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0170】参考例60 8−〔γ−L−グルタミド〕
オクチル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α
−D−マンノピラノシド(93) 化合物(92)1.9g(2.341ミリモル)をモル
ホリン20mlに溶解した後、室温に40分間放置した。
反応混合物をトルエンで希釈した後、減圧下で濃縮乾固
した。残渣にトルエンを加えて濃縮乾固することを繰り
返して、残存するモルホリンを完全に除去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム−メタノール=5:1)で精製して、標記化合物
(93)590mg(43%)を得た。
【0171】93:無定形粉末 IR(KBr)cm-1 : 3000, 1750, 1640, 1595, 1530, 1323,1
226, 1136, 1089, 1047
【0172】参考例61 8−〔γ−(N,O−ジカル
ボニル)−L−グルタミド〕オクチル2,3,4,6−
テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(9
4) 化合物(93)490mg(0.828ミリモル)の無水
テトラヒドロフラン20ml溶液に、ビス(トリクロロメ
チルカーボネート)86mg(0.29ミリモル)を加
え、窒素気流下、60℃で3時間加熱撹拌した。室温ま
で冷却した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にトルエ
ンを加えて濃縮乾固することを繰り返して、生成した塩
化水素を完全に除き、標記化合物(94)500mg(9
8%)を得た。
【0173】94:無定形粉末 IR(KBr)cm-1 : 1857, 1787, 1747, 1659, 1369, 10881 H-NMR(CDCl3) : δ 4.76(1H, s, H-1) 2.12(3H, s, OAc) 2.06(3H, s, OAc) 2.01(3H, s, OAc) 0.96(3H, s, OAc)
【0174】参考例62 ポリ−γ−〔8−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノ
シルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−ベンジル−L−グ
ルタメート(95) 化合物(94)500mg(0.828ミリモル)及び文
献記載の方法(J. Am.Chem. Soc., 78, 941(1956))で
合成したγ−ベンジル−(N,O−カルボニル)−L−
グルタメート(72)220mg(0.828ミリモル)
の無水N,N−ジメチルホルムアミド10mlに、n−ヘ
キシルアミン296mg(2.92ミリモル)を無水N,
N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解した液0.02
8ml(0.0082ミリモル)を加えて、室温で24時
間撹拌した。反応混合物をエタノール150mlに注ぎ、
析出した沈殿物を遠心分離して集めた。沈殿物をエタノ
ールでよく洗浄した後、減圧下、50℃で4時間加熱乾
燥して、標記化合物(95)140mgを得た。
【0175】参考例63 ポリ−γ−〔8−(α−D−
マンノピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−L−グル
タミン酸ナトリウム塩(96) 参考例62で得た化合物(95)140mgを無水テトラ
ヒドロフラン30mlに溶解した後、1M ナトリウムメト
キシド−メタノール溶液1mlを加えて室温で3時間撹拌
した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、得られた
残渣に氷冷下、アニソール0.6mlを含むトリフルオロ
酢酸4mlを加えて溶解した。この溶液にメタンスルホン
酸4mlを加え、同温度で1時間撹拌した。反応混合物を
撹拌しながらイソプロピルエーテル200mlに注いだ
後、析出した沈殿物を遠心分離して集めた。沈殿物を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlに溶解した後、スペ
クトラ/ポア3(分子量カットオフ=約3,500)透
析膜を用いて、精製水に対して48時間透析した。透析
内液を取り出し、凍結乾燥して、標記化合物(96)6
0mgを得た。化合物(96)の平均分子量分布をゲルパ
ーミエイションクロマトグラフィー(カラム:TSK−
GEL G4000PWXL+G3000PWXL、溶
出液:0.2M 食塩水、溶出速度:0.5ml/分)によ
り、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて測
定すると数平均分子量(Mn)=10,368、重量平
均分子量(Mw)=11,320、分子量分布(Mw/
Mn)=1.09であることが判明した。また、化合物
(96)のマンノース含量をフェノール−硫酸法で比色
定量するとその含量は1重量%であることが判明した。
【0176】96:無定形粉末 〔α〕D 24 - 61.1°(c 0.35, 0.01MPBS) IR(KBr)cm-1 : 3300, 1720, 1655, 1549, 1410, 1258
【0177】参考例64 ポリ−γ−〔8−(α−D−
キシロピラノシルオキシ)オクチルアミノ〕−γ−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ〕−ドキソ
ルビシン−L−グルタミン酸ナトリウム塩(97) 参考例41で得た化合物(68)13.0mgを水5mlに
溶解し、ドキソルビシン塩酸塩5.0mgの水溶液3mlを
加えて、1N 塩酸でpHを7.0に調製した。得られた溶
液に塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド10mgを加えて、室温で15時間撹
拌した。反応混合物をスペクトラポア/ポア3(分子量
カットオフ=約3,500)透析膜を用いて、0.01
M リン酸緩衝液(pH7.0)及び水に対してそれぞれ4
℃で24時間透析した。反応内液を取り出し、凍結乾燥
した。得られたドキソルビシン量を吸光度490nmを用
いて定量すると、1モルのドキソルビシンが導入されて
いることが判明した。
【0178】実験例 1.試料 参考例35で得たポリグルタミン酸(分子量13,30
0)にガラクトース36個を修飾したものを検体試料と
した。対照試料としては無修飾のポリグルタミン酸(分
子量13,300)を用いた。
【0179】2.方法 動物実験に先立ち検体の 125I標識化を行った。 125
標識化はクロラミンT法により、常法通り行った。反応
液をセファデックスG−25カラムでゲル濾過し、高分
子フラクションを得た。このフラクションにウシ血清ア
ルブミン1%及び非ラベル体を加え1mg/ml の投与液を
調整し、以下の動物実験に用いた。ラット(SD系雄
性、7週令)の大腿静脈内に 125I標識した検体試料あ
るいは対照試料を1mg/kg で投与し、投与後1、2及び
3分後に頚動脈より採血し、5分後には腹部大動脈より
全採血し致死せしめ、主要な11の臓器を摘出した。血
液は遠心分離後の血漿を、摘出臓器はそのまま秤量後、
ガンマカウンターにより放射活性を測定し、血漿中濃度
及び各臓器中濃度を算出した。また、同様に検体試料あ
るいは対照試料を投与した後、1時間及び4時間後の主
要臓器中の濃度も上記と同様に測定した。各動物実験
は、1群3匹で行った。
【0180】3.結果と考察 投与後5分までの血中濃度の結果を図1に示した。検体
は対照と比較して速やかに血中から消失することがわか
った。また投与5分後に臓器分布(図2)では対照が腎
臓に集積していたのに比較して、検体では腎臓の集積が
減り肝臓への集積が確認された。更に、その他の各臓器
中濃度においても、検体では対照より少なくなっている
ことより、ガラクトース修飾によりポリグルタミン酸は
肝臓への指向性が増大したことが明らかとなった。
【0181】投与5分、1時間、4時間後の肝臓及び腎
臓中の検体及び対照の濃度の時間に対する推移を示した
のが図3及び図4である。腎臓では検体のAUC(曲線
下面積)は対照と比較して小さいが、肝臓では逆に検体
のAUCは非常に大きく、検体は肝臓に蓄積する傾向が
認められた。
【0182】従来から肝臓には特異的なガラクトースを
認識するレクチンの存在が知られており、ガラクトース
修飾ポリグルタミン酸は、このレクチンに認識されて肝
臓に集積すると考えられた。したがって、本発明物質は
肝臓への薬物送達系(DDS)の担体として非常に有用
であることが示唆される。また本発明中のそのほかの糖
修飾ポリグルタミン酸においても、ある臓器あるいは癌
細胞などに特異的な糖を認識するレクチンが存在するな
らば、臓器指向性のあるDDS担体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】静脈投与後の血中推移を示すグラフ。
【図2】投与5分後の各臓器内濃度を示すグラフ。
【図3】腎臓内の濃度推移を示すグラフ。
【図4】肝臓内の濃度推移を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 洲崎 浩 東京都調布市染地3丁目1−166 多摩 川住宅 ホ−8−106 (72)発明者 権正 晃徳 千葉県柏市千代田3丁目8−7 ヴィヌ ス柏203 (56)参考文献 特表 平2−500749(JP,A) 欧州特許出願公開482260(EP,A) SYNTHESIS,1990,(7), 571−572

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−カルボキシル基が保護されたグルタ
    ミン酸に、9−フルオレニルメトキシカルボン酸の反応
    性誘導体を反応させ、更にα−カルボキシル基をt−ブ
    チルエステルとして保護し、次にγ−カルボキシル基の
    保護基をパラジウム−炭素で還元して脱離することを特
    徴とする式(III) 【化2】 (式中、R3 は9−フルオレニルメトキシカルボニル基
    を表し、R4 はt−ブチル基を表す)で示されるグルタ
    ミン酸誘導体の製法。
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