JP2698056B2 - L−グルタミン酸・l−ピログルタミン酸相互変換酵素 - Google Patents

L−グルタミン酸・l−ピログルタミン酸相互変換酵素

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JP2698056B2
JP2698056B2 JP7155988A JP15598895A JP2698056B2 JP 2698056 B2 JP2698056 B2 JP 2698056B2 JP 7155988 A JP7155988 A JP 7155988A JP 15598895 A JP15598895 A JP 15598895A JP 2698056 B2 JP2698056 B2 JP 2698056B2
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glutamic acid
pyroglutamic
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−ピログルタミン酸
と水とからL−グルタミン酸を生成する反応(本明細書
において、L−ピログルタミン酸開環反応と称する場合
がある)、及びその逆反応(本明細書において、L−グ
ルタミン酸閉環反応と称する場合がある)を触媒する酵
素及びその製造方法、並びに該酵素の使用に関する。
【0002】本発明の酵素は、L−ピログルタミン酸か
らのL−グルタミン酸の生成(例えば食品中のL−ピロ
グルタミン酸をL−グルタミン酸に変換することによる
食品の旨味の向上)、L−グルタミン酸からのL−ピロ
グルタミン酸生成、これらの反応を利用したD,L−グ
ルタミン酸からD−及びL−グルタミン酸の単離、試料
中のL−ピログルタミン酸の定量等において有用であ
る。
【0003】
【従来の技術】ピログルタミン酸(5−オキソプロリ
ン)は1882年に発見されて以来(L.Haitinger et a
l, Monatsch Chem., , 228 (1882)) 、さまざまな研
究がされている。ピログルタミン酸は糖蜜や様々な野
菜、ビール、タバコ、尿、血漿、骨等に広く存在が知ら
れている。ピログルタミン酸は非常に毒性が少なく、様
々な分野で利用されている。例えば、化粧品の保湿剤と
して既に実用化されている。また、医学的分野では学習
能力の改善(F.Drago et al, Acta Ther., 13, 587(19
87)) 、アルコールによる記憶の欠落を防止する(E.Sin
foriani et al, Minerva Psichiatr., 26, 339 (1985))
、エタノールから肝臓を保護する (H.Gefforoy et al,
Parfuemerie und Kosmetik, 72, 94 (1991))他50以
上ものさまざまな報告がある。
【0004】また、ピログルタミン酸は有用なカチオン
のキャリアーとしても有用である(Parfumerie und Kos
metik, 72, 94 (1991), Therapie 33 491 (1978))。ピ
ログルタミン酸の製造方法はL−グルタミン酸を酸性条
件下で175℃に加熱脱水すると一部ラセミ化したもの
が得られる。しかしながら、この製造法は加熱温度が1
75℃と非常に高温で、更に酸性条件下であるため危険
が伴う。また、一部ラセミ化してしまうため、純粋なL
体を得るのは困難である。
【0005】ピログルタミン酸を生成する酵素は現在ま
でにD−グルタメイトサイクラーゼ(A.Meister et al,
Biochem.Z 338 217-229 (1963))、グルタミンシンセタ
ーゼ(A.Meister et al,Fed.Proc.21,1013(1962)) 、γ
−グルタミルサイクロトランスフェラーゼ (N.Taniguch
i et al,J.Biol.Chem.,253,1799-1806 (1978)) 、グル
タミル−tRNAサイクロトランスフェラーゼ(M.R.Ber
nfield et al,Biochem.Biophys.Res.Commun.33,843-849
(1968))等が知られているが、上述のL−ピログルタミ
ン酸を工業的に生産する目的には合わない。また、L−
グルタミン酸がさまざまな反応を阻害することも知られ
ている。例えば、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスア
ミナーゼ(GOT)を用いたL−アスパラギン酸の定量
法ではL−グルタミン酸によりGOTに阻害がかかり、
正確な測定が出来ない。
【0006】たんぱく質やペプチド中に含まれるグルタ
ミン酸(呈味成分)やグルタミンは食品の呈味上深く関
与しているアミノ酸である。これらのアミノ酸は味噌、
醤油、酒などの発酵食品の熟成において非酵素的に環化
し、無味のピログルタミン酸に転化される。従来、上述
したような問題を解決するために麹菌のグルタミナーゼ
の力価向上が行われているが、この方法はグルタミンを
グルタミン酸に転換することによりピログルタミン酸の
生成を抑えるものであり、生成してしまったピログルタ
ミン酸には作用しない。
【0007】また、現在までに知られているピログルタ
ミン酸開環酵素としては5−オキソプロリナーゼ(EC
3.5.2.9, J.Biol.Chem., 250, 6686-6692 (1975)) が
あるが、この酵素はいずれもMg,Kなどの金属イオン
やATPに依存しており、ATPの再生などの問題か
ら、食品の旨味を向上させるには困難であるといえるも
のである。また、ピログルタミン酸の測定は従来HPL
Cを用いたものが主流であり、簡便な測定方法がない。
上記の5−オキソプロリナーゼを用いた酵素法(特公昭
59−37947)が発明されたが、未だ実用化には至
っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、L
−ピログルタミン酸を加水分解してL−グルタミン酸に
開環する反応及びL−グルタミン酸を脱水縮合により閉
環してL−ピログルタミン酸を生成せしめる反応(可逆
反応)を触媒する新規な酵素、及びその製造方法、並び
に該酵素の種々の用途を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の酵素は次の性質
を有するL−グルタミン酸・L−ピログルタミン酸相互
変換酵素、すなわち可逆的加水分解酵素である。 (1)作用:L−ピログルタミン酸と水とからL−グル
タミン酸を生成する反応(L−ピログルタミン酸開環反
応)、及びこの逆反応(L−グルタミン酸閉環反応)を
触媒する;
【0010】(2)基質特異性: L−ピログルタミン酸開環反応:L−ピログルタミン酸
に作用し、D−ピログルタミン酸、プロリン及びヒドロ
キシプロリンには作用しない; L−グルタミン酸閉環反応:L−グルタミン酸に作用
し、D−グルタミン酸、L−グルタミン、L−アスパラ
ギン酸、D−アスパラギン酸及びL−アスパラギンには
作用しない;
【0011】(3)至適pH及び安定pH範囲: L−ピログルタミン酸開環反応:至適pHは30℃にて3
0分間の反応においては7.2〜7.4であり、30℃
にて30分間の処理条件ではpH6.5〜10.5の範囲
内で安定である; L−グルタミン酸閉環反応:至適pHは30℃にて30分
間の反応において約8.0であり、30℃にて30分間
の処理条件ではpH6.5〜10.5の範囲内で安定であ
る;
【0012】(4)温度安定性: L−ピログルタミン酸開環反応:pH7.4にて30分間
の条件下では55℃まで安定である; L−グルタミン酸閉環反応:pH8.0にて30分間の条
件下では55℃まで安定である; (5)至適温度: L−ピログルタミン酸開環反応:45℃〜50℃に至適
作用温度を有する; L−グルタミン酸閉環反応:約45℃に至適作用温度を
有する;
【0013】(6)分子量:SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動及びゲル濾過法により測定した分子量約
47,000を有する; (7)等電点:4.8〜5.1である; (8)ATP、及び金属塩、例えばMg,K等に対して
非依存性である。
【0014】本発明の酵素は、アルカリゲネス(Alcalig
enes) 属に属し、前記の酵素を生産する能力を有するも
のであればいずれも使用することができる。アルカリゲ
ネスに属し、容易に入手可能な菌株としては、アルカリ
ゲネス・フェイカリス (Alcaligenes faecalis) IFO
13111、アルカリゲネス sp.IAM1015、アル
カリゲネス・デニトロフィカンス(Alcaligenes denitro
ficons) JCM5490等を挙げることができる。
【0015】本発明において使用する好ましい菌株の1
例として、本発明者らにより土壌から新しく分離された
菌株アルカリゲネス・フェカリス (Alcaligenes faecal
is)N−38Aを挙げることができる。この微生物は、
工業技術院生命工学工学技術研究所にFERM P−1
4919として寄託されている。アルカリゲネス・フェ
カリスN−38Aは次の性質を有する。
【0016】
【表1】
【0017】本菌は表1に示すような特徴、すなわち、
グラム陰性の好気性桿菌、周鞭毛を有し、色素は生産せ
ず、オキシダーゼ陽性、カタラーゼ陽性、亜硝酸を還元
し、各種炭素源の利用パターン等により、BERGEY'S MAN
UAL OF Systematic Bacteriology Vol.1 (1984) ではA.
faecalisと同定される。そこで、A.faecalisの Type st
rain(IFO−13111)と、N−38A株とを比較
検討を行った。その結果を次の表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】その結果、38A株はA.faecalis(IFO
−13111)と同じ性質(5頁)を示したことによ
り、A.faecalisと同定した。本発明の微生物を培養する
場合、培地は炭素源としてはシュークロース、グルコー
ス、可溶性デンプンなどの糖質、酢酸、クエン酸、りん
ご酸などの有機酸、炭化水素などが使用可能であり、窒
素源としては肉エキス、ペプトン、ピログルタミン酸及
び硫安、アンモニアなどの有機及び無機窒素源を用い
る。さらに、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム
などのリン酸塩、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム
等のマグネシウム塩、鉄、マンガン、亜鉛、カルシウム
等の金属イオン及び各々の菌株の生育に必要な微量物質
等を適当量添加したものが使用される。
【0020】培養は振盪培養又は通気撹拌培養等の条件
下で実施される。培養温度は20〜40℃、好ましくは
25〜37℃、pHは5.0〜8.0、好ましくはpH7.
0〜8.0で行う。培養時間は通常12〜48時間であ
る。上記方法で培養した菌体及び培養上清にはL−グル
タミン酸・L−ピログルタミン酸相互変換酵素が生産さ
れている。この酵素の精製は、硫安塩析、イオン交換ク
ロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過
法もしくはそれらを組み合わせに付して分離、採取する
ことにより精製される。
【0021】なお、L−グルタミン酸閉環酵素の活性測
定法ならびに活性表示法は以下の通りである。即ち、
0.12M L−グルタミン酸0.5ml、0.4Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH8.0)、酵素液50μlを混合し、
30℃、30分間放置する。その後、100℃、10分
間熱処理を行い酵素を失活させた後、Shim-pack SCR
−101H(島津製)を用いたHPLCにより生成した
ピログルタミン酸の定量を行った。また、酵素活性の単
位は前述の条件下で1分間に1μmol のピログルタミン
酸を生成するのに要する酵素量を1単位として表示す
る。
【0022】また、ピログルタミン酸開環酵素の活性測
定法ならびに活性表示法は以下の通りである。即ち、タ
イタープレート上で酵素液10μl、0.1Mトリス塩
酸緩衝液(pH7.4)40μl、1.0%L−ピログル
タミン酸(pH7.0)50μlを混合し、30℃、30
分間放置する。反応液に7.5mM NAD、1.2mMI
NT、1.5Uデイアフォラーゼ、1%トリトンX−1
00を含む0.2Mトリエタノールアミン緩衝液(pH
8.6)6Uグルタミン酸脱水素酵素を加え、室温で1
5分放置する。その後、492nmの吸光度を測定するこ
とによって生成したグルタミン酸を定量する。また、酵
素活性の単位は前述の条件下で1分間に1μmol のグル
タミン酸を生成するのに要する酵素量を1単位として表
示する。
【0023】本発明の酵素は、L−ピログルタミン酸か
らL−グルタミン酸を生成するために使用することがで
きる。従って本発明は、本発明の酵素をL−ピログルタ
ミン酸に作用せしめることを特徴とするL−グルタミン
酸の製造又は生成方法を提供する。この方法は、例え
ば、食品中に生成した、又は含まれている、L−ピログ
ルタミン酸をL−グルタミン酸に変換することにより食
品の旨味を改善するために用いることができる。
【0024】L−グルタミン酸を含有する飲食品中で
は、このL−グルタミン酸が環化して、旨味のないL−
ピログルタミン酸に変化している場合がある。この様な
場合には、このL−ピログルタミン酸を本発明の酵素に
よりL−グルタミン酸に変換することにより旨味の回
復、又は増強を行うことができる。この方法は、例えば
飲食物に単に本発明の酵素を添加すればよい。酵素の添
加量は、飲食品の種類、L−ピログルタミン酸の濃度等
により異る。
【0025】上記の方法はまた、L−グルタミン酸製品
の製造のためにも使用することができる。この方法は、
L−ピログルタミン酸を含有する反応媒体に本発明の酵
素を作用させることにより実施される。基質としてのL
−ピログルタミン酸の濃度は0.1%〜20%(w/
v)程度が好ましい。反応媒体としては、本発明の酵素
の反応に悪影響を与えない任意の媒体、例えば水、水性
緩衝液、例えばリン酸緩衝液、Tris−HCl緩衝液
等が使用され、pHは好ましくは7〜8、例えば約7.5
である。反応時間は、例えば0.5〜24時間である。
【0026】本発明の酵素はまた、L−グルタミン酸か
らL−ピログルタミン酸を生成せしめるために使用する
ことができる。従って本発明は、本発明の酵素をL−グ
ルタミン酸に作用せしめることを特徴とする、L−ピロ
グルタミン酸の製造方法を提供する。L−グルタミン酸
を含有する反応媒体に本発明の酵素を作用せしめること
により実施される。反応媒体としては、本発明の酵素の
反応に悪影響を与えない任意の媒体、例えば水、水性緩
衝液、例えばリン酸緩衝液、Tris−HCl緩衝液等
を使用することができる。基質としてのL−グルタミン
酸の濃度は、例えば0.1%〜20%(w/v)程度で
ある。反応媒体のpHはおよそ7〜9、例えば約8であ
り、反応時間は例えば0.5〜24時間である。
【0027】上記の反応は、一例として、グルタミン酸
のラセミ体を分割するために用いることができる。例え
ば、グルタミン酸のラセミ体に本発明の酵素を作用せし
めることにより、L−グルタミン酸のみを特異的にL−
ピログルタミン酸に変換し、D−グルタミン酸とL−ピ
ログルタミン酸とを常法に従って単離し、次にL−ピロ
グルタミン酸をL−グルタミン酸に開環すればよい。他
の方法として、グルタミン酸のラセミ体をピログルタミ
ン酸に変換した後、これに本発明の酵素を作用せしめる
ことによりL−ピログルタミン酸のみを特異的にL−グ
ルタミン酸に開環し、次にD−ピログルタミン酸とL−
グルタミン酸とを分離すればよい。上記の方法によりグ
ルタミン酸のラセミ体からL−グルタミン酸が得られる
のと同様にして、D−グルタミン酸を得ることもでき
る。
【0028】本発明の酵素はまた、種々の分析方法にお
いて使用することができる。その態様の1つとして、本
発明は、ピログルタミン酸を含有すると予想される試料
に本発明の酵素を作用せしめることにより試料中のL−
ピログルタミン酸をL−グルタミン酸に変換し、次にこ
のL−グルタミン酸を常法に従って測定することを特徴
とするL−ピログルタミン酸の測定方法を提供する。L
−グルタミン酸の測定方法は古くから種々知られてい
る。酵素を使用する一例として、例えば試料中のL−グ
ルタミン酸にグルタミン酸オキシダーゼを作用させてα
−ケトグルタール酸、NH3 及びH2 2 を生成せしめ
た後、このH2 2 にN−ヒドロキシスルホプロピル誘
導体(DAOS)と4−アミノアンチピリンの存在下で
パーオキシダーゼを作用せしめることにより発色させる
方法がある。
【0029】本発明によれば、L−ピログルタミン酸を
含有する被験試料に本発明の酵素を作用せしめることに
より該L−ピログルタミン酸をL−グルタミン酸に変換
せしめ、こうして生成したL−グルタミン酸を常法に従
って測定すれば、試料中のL−ピログルタミン酸の量を
知ることができる。この場合、例えばL−グルタミン酸
の測定のために上記の酵素法を用いれば、L−グルタミ
ン酸をグルタミン酸オキシダーゼにより酸化する反応は
不可逆的に進行するから、L−ピログルタミン酸は定量
的にL−グルタミン酸に変換され、試料中のL−ピログ
ルタミン酸を定量測定することができる。上記のL−ピ
ログルタミン酸をL−グルタミン酸に変換する反応は、
例えば、L−グルタミン酸の測定と同じ条件下で行うこ
とができる。
【0030】上記の方法は、例えば、L−グルタミン酸
とL−ピログルタミン酸の両者を含有する被験試料中の
L−グルタミン酸とL−ピログルタミン酸の分別測定、
及び両者の合計量の測定のために応用することができ
る。従って本発明は、L−ピログルタミン酸及びL−グ
ルタミン酸を含有すると予想される試料に本願発明の酵
素を作用せしめることにより該L−ピログルタミン酸を
L−グルタミン酸に変換し、次にL−グルタミン酸の全
量を測定することを特徴とする、L−ピログルタミン酸
とL−グルタミン酸の合計量を測定する方法を提供す
る。
【0031】上記の方法はまた、例えばL−グルタミン
酸とL−ピログルタミン酸の両者を含有する被験試料中
のL−ピログルタミン酸とL−グルタミン酸とを分別測
定するために用いることができる。従って本発明は、L
−ピログルタミン酸及びL−グルタミン酸を含有する被
験試料中のL−グルタミン酸を測定して測定値Aを求
め、次に測定反応系に本発明の酵素を添加することによ
りL−ピログルタミン酸をL−グルタミン酸に変換せし
め、そして再度L−グルタミン酸を測定して測定値Bを
求め、測定値BとAとの差を用いてL−ピログルタミン
酸の測定値を得ることを特徴とする方法を提供する。
【0032】上記いずれの測定法においても、L−グル
タミン酸の測定法としては、任意の常用の測定法を用い
ることができ、測定条件としては、常用のL−グルタミ
ン酸の測定のための条件を用いることができる。本発明
はさらに、L−グルタミン酸の存在により妨害されるお
それのある測定方法の精度の向上のためにも使用するこ
とができる。従って本発明は、L−グルタミン酸の存在
により妨害されるおそれのある測定方法において、測定
反応系に本発明の酵素を添加することによりL−グルタ
ミン酸を消滅又は減少せしめることにより、前記測定の
精度を向上せしめることを特徴とする方法を提供する。
【0033】具体例として、L−アスパラギン酸の測定
方法として、被験対象としてのL−アスパラギン酸とα
−ケトグルタル酸とをグルタミン酸オキザロ酢酸トラン
スアミナーゼ(GOT)により反応せしめてオキザロ酢
酸とL−グルタミン酸とを生成せしめ、次にこのオキザ
ロ酢酸によりNADHをL−リンゴ酸デヒドロゲナーゼ
(L−MDH)の存在下でNAD+ に酸化し、NADH
からNAD+ への変換を吸光度の変化により測定する方
法がある。
【0034】この測定法において、GOTによる反応は
可逆反応であるため、この反応により生成するL−グル
タミン酸がL−アスパラギン酸からオキザロ酢酸への反
応の進行を妨げる結果となり、L−アスパラギン酸の定
量的測定が妨害される。しかしながら、この測定反応系
に本発明の酵素を添加して、生成するL−グルタミン酸
をL−ピログルタミン酸に変換することによりL−グル
タミン酸による妨害が緩和され、L−アスパラギン酸の
定量測定の精度が向上する。
【0035】上記の原理はまた、L−アスパラギン酸を
測定しようとする被験試料中にはじめから高濃度のグル
タミン酸が含まれているために、L−アスパラギン酸の
測定が妨害される場合に、この妨害を除去してL−アス
パラギン酸の定量測定の精度を向上させるためにも応用
できる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例1酵素の製造 種菌としてアルカリゲネス・フェイカリスN−38Aを
使用した。肉エキス3g/L、ポリペプトン10g/
L、NaCl 5g/L及びアデカノール0.15g/
L(pH7.0)を含有する培地8mlを内径22mmの試験
管に入れ、120℃にて15分殺菌した。
【0037】上記培地に前記菌株を1白金耳接種し、3
0℃で16時間振盪した。培養終了後、培養液0.5ml
を上記培地100mlの入った500ml容坂口フラスコ3
本に接種し、30℃、16時間振盪培養した。培養終了
後、培養液の全てを30L容ジャーファーメンター中の
本培養液20Lに接種した。本培養は30℃、200rp
m /分、通気量1L/培地1L・1分間で16時間実施
した。
【0038】培養終了液20Lから酵素を採取するた
め、該液を遠心分離(12,000rpm 連続遠心4℃)
して菌体(湿重量285g)を得、これを0.1Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH8.0)にて洗浄した後、同緩衝液2
Lに懸濁し、ダイノミルにより菌体を破砕した。この破
砕液を遠心分離(9,000rpm 、10分、4℃)し、
無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液に硫酸アンモニ
ウムを添加して40〜80%飽和硫安沈澱画分を得た。
この沈澱を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)1L
に溶解し、0.005Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
に対して透析した。
【0039】透析内液に硫酸アンモニウムを20%飽和
になるように添加し、20%飽和硫酸アンモニウムを含
む0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化さ
せたフェニルトヨパール650Mに吸着させ、同緩衝液
で洗い、20→0%飽和硫酸アンモニウムグラジェント
で溶出させた。活性画分を0.005Mトリス塩酸緩衝
液(pH8.0)に対して透析した。透析内液を0.05
Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したDEAE
トヨパール650Mに吸着させ、同緩衝液で洗い、0→
0.5M NaClグラジェントで溶出させた。活性画
分を0.005Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に対し
て透析した。
【0040】透析内液を0.05Mトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)で平衡化したDEAEトヨパール650M
に吸着させ、同緩衝液で洗い、0→0.3M NaCl
グラジェントで溶出した。活性画分を0.005Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH8.0)に対して透析した。透析内液
を0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化さ
せたブチルトヨパール650Mに吸着させ、同緩衝液で
洗い、20→0%飽和硫酸アンモニウムグラジェントで
溶出させた。活性画分を0.005Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.0)に対して透析した。
【0041】透析内液を0.05Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化させたDEAEトヨパール650
Mに吸着させ、同緩衝液で洗い、0→0.25M Na
Clグラジェントで溶出させた。活性画分を0.005
Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に対して透析した。透
析内液をセファデックスG−100によりゲル濾過を行
った。以上の操作により、SDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(ゲル濃度7.5%、pH8.8)において単
一な酵素標品10.3mgが得られた。活性収率は16.
6%であり、L−ピログルタミン酸開環反応の比活性は
2,150U/mgであった。また、L−グルタミン酸閉
環反応の比活性は40,900U/mgであった。
【0042】実施例2.アルカリゲネス・フェイカリス
N−38Aを内径22mmの試験管中のDL−ピログルタ
ミン酸1%、酵母エキス0.1%、リン酸第一カリウム
0.1%、リン酸第二カリウム0.1%、硫酸マグネシ
ウム7水和物0.05%を含む培地(pH7.0)8mlに
植菌し、30℃で48時間振盪培養し、培養終了後、培
養液を遠心分離して菌体を集め、菌体を破砕し、L−ピ
ログルタミン酸開環反応の力価1.7U/mlの無細胞抽
出液5mlを得た。L−グルタミン酸閉環反応の力価は3
2.3U/mlであった。尚、酵素活性の測定はすでに述
べた方法に従った。
【0043】実施例3.アルカリゲネス・フェイカリス
IFO13111、アルカリゲネス属IAM1015、
アルカリゲネス・デニトロフィカンスJCM5490を
実施例2で述べた培地成分を含む培地8mlに植菌し、実
施例1と同一条件で振盪培養し、それぞれ、L−ピログ
ルタミン酸開環反応の力価0.66U/ml、0.002
5U/ml、及び0.0016U/mlの無細胞抽出液5ml
を得た。L−グルタミン酸閉環反応の力価は、それぞ
れ、12.5U/ml、0.048U/ml、及び0.03
0U/mlであった。
【0044】実施例4.(参考例) シュウドモナス・アルカリゲネスIFO14159、シ
ュウドモナス・メドシナIFO14162、シュウドモ
ナス・シュツゼリIFO14165を実施例1で述べた
培地成分を含む培地8mlに植菌し、実施例2と同一条件
で振盪培養し、それぞれ、L−ピログルタミン酸開環反
応の力価0.012U/ml、0.0043U/ml、及び
0.0077U/mlの無細胞抽出液5mlを得た。L−グ
ルタミン酸閉環反応の力価は、それぞれ、0.228U
/ml、0.082U/ml、及び0.146U/mlであっ
た。
【0045】実施例5.L−グルタミン酸305nmol、
実施例1で得た酵素66ngを含む20mMトリス塩酸緩衝
液(pH8.0)10mlを混合し、30℃で放置し、ピロ
グルタミン酸の製造を行った。その結果、295nmolの
ピログルタミン酸(収率96.7%)が生成した。
【0046】実施例6.本発明の酵素がL−グルタミン
酸閉環反応によりL−グルタミン酸のみを消去すること
を利用して、種々に利用できる1例を示す。L−アスパ
ラギン酸がグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナー
ゼ(GOT)とリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(L−MD
H)の2種類の酵素によって酵素法で測定できることは
既知の事実である(ベーリンガーマンハイム社のカタロ
グ)。その反応式を以下に示す。
【0047】
【化1】
【0048】この2段階の反応の内で、グルタミン酸オ
キザロ酢酸トランスアミナーゼが(a)の反応を右へ進
めるような平衡を有しておらず、また、グルタミン酸の
存在が右への反応を阻害する(生化学実験講座、アミノ
酸代謝と生体アミン(上)、p.160)。そこで、グ
ルタミン酸を消去することによって、正確なL−アスパ
ラギン酸濃度を測定できる。食品などにおける高グルタ
ミン酸含有品はそのグルタミン酸が妨害することで、L
−アスパラギン酸の測定を正確なものにできていないこ
とをこの実施例に示す。
【0049】0.1M Tris−酢酸緩衝液(pH7.
4)中に、0.3mM NADH、1mM α−ケトグルタ
ル酸、0.1mM L−アスパラギン酸、20U/mlリン
ゴ酸デヒドロゲナーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)
1.7μg/mlの本発明の酵素を溶解し、グルタミン酸
濃度を0から10mMまで変化させて添加した。25℃、
10分間放置した後、340nmの吸光度を測定した。そ
の後、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ
(ベーリンガーマンハイム社製)を1.3U/mlの濃度
で添加し、25℃、10分間放置した後、再び、340
nmの吸光度を測定した。
【0050】この2度の340nmの吸光度の差を、NA
DHの分子吸光定数(6220M-1cm-1)から計算して
(6.22で除す)アスパラギン酸濃度を測定した。ま
た、本発明の酵素を添加していないものを対照とした。
その結果を図1に示す。この様に、グルタミン酸の濃度
の上昇は、アスパラギン酸濃度の測定を妨害した。そし
て、本発明の酵素の添加によるグルタミン酸の消去は、
妨害消去に効果的であった。
【0051】実施例7.次に、高濃度グルタミン酸存在
下のアスパラギン酸の本定量法が反応論的に、また、定
量的に進むことを示すために、次の実施例を示す。0.
1M Tris−酢酸緩衝液(pH7.4)中に、0.3
mM NADH、1mM α−ケトグルタル酸、10mMグル
タミン酸、20U/mlリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(ベー
リンガーマンハイム社製)1.7μg/mlの本発明の酵
素を溶解し、アスパラギン酸濃度を0から0.2mMまで
変化させて添加した。25℃、10分間放置した後、3
40nmの吸光度を測定した。
【0052】その後、グルタミン酸オキザロ酢酸トラン
スアミナーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)を1.3
U/mlの濃度で添加し、25℃、10分間放置した後、
再び、340nmの吸光度を測定した。この2度の340
nmの吸光度の差を、NADHの分子吸光定数(6220
-1cm-1)から計算して(6.22で除す)測定アスパ
ラギン酸濃度とした。また、本発明の酵素を添加してい
ないものを対照として示した。その結果を図2に示す。
本発明の酵素を添加して測定した場合は、測定濃度と
実際の添加したアスパラギン酸量を反応論的に正確に、
直線性良く測定できた。一方、本発明の酵素を添加しな
いで測定した対照は、実際のアスパラギン酸添加量に比
べて測定値は低い値を示した。
【0053】実施例8L−グルタミン酸とL−ピログ
ルタミン酸と同時分別測定 グルタミン酸は旨味調味料として非常に有名な物質であ
り、古来、味噌醤油などの発酵食品ではその製造過程で
グルタミン酸の生成があり、味の良さにつながってい
る。しかしながら、グルタミン酸の生成の過程で非酵素
的に環化し、無味のピログルタミン酸が生成した場合、
旨味成分の少ない発酵食品ができあがってしまう。
【0054】そこで、ピログルタミン酸を測定すること
が重要である。現在、L−ピログルタミン酸の測定法と
して、ATPと5−オキソプロリナーゼを利用した報告
(特公昭59−37947)もあるがHPLCによる分
析が一般的である。HPLCに比較して簡便に、多サン
プルの分析が可能である酵素法による分析は非常に有用
であり、また、本ピログルタミン酸開環酵素を利用すれ
ば下記の反応で、グルタミン酸との同時定量も可能であ
る。
【0055】
【化2】
【0056】50mMグッド緩衝液(pH7.1)中に0.
35U/ml L−グルタミン酸オキシダーゼ(生化学工
業社製)、1U/mlパーオキシダーゼ(生化学工業社
製)、0.8mM N−ヒドロキシスルフォプロピル誘導
体(DAOS、生化学工業社製)、0.8mM 4−アミ
ノアンチピリンを溶解した試薬3mlに200μlの50
mg/l L−グルタミン酸とピログルタミン酸量を0か
ら0.678mM間で変化させたサンプルを添加し、25
℃、10分間放置後、600nmの吸光度(A1)を測定
した。
【0057】そして、15μlの本発明の酵素(3.2
9mg/ml)を添加し、25℃、2時間放置した後、60
0nmの吸光度(A2)を測定した。その結果、吸光度
(A1)からL−グルタミン酸量を、吸光度差(A2−
A1)からL−ピログルタミン酸量を測定できた。吸光
度差(A2−A1)とL−ピログルタミン酸量をプロッ
トしたグラフを図3に示す。吸光度差とL−ピログルタ
ミン酸量は良好な直線性を示しており、本酵素でのL−
ピログルタミン酸の定量は十分実用的であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GOTを使用するL−アスパラギン酸
の測定方法において、グルタミン酸の存在がL−アスパ
ラギン酸の定量を妨害すること、及びその妨害が本発明
の酵素の添加によって除去されることを示すグラフであ
る。
【図2】図2は、GOTを用いるL−アスパラギン酸の
測定方法において、グルタミン酸の存在がL−アスパラ
ギン酸の測定値の低下をもたらし、その測定値の低下
が、本発明の酵素の添加により回復することを示すグラ
フである。
【図3】図3は、L−グルタミン酸とL−ピログルタミ
ン酸を含有する試料中のL−ピログルタミン酸を分別定
量した結果を示すグラフである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の性質: (1)作用:L−ピログルタミン酸と水とからL−グル
    タミン酸を生成する反応(L−ピログルタミン酸開環反
    応)、及びこの逆反応(L−グルタミン酸閉環反応)を
    触媒する; (2)基質特異性: L−ピログルタミン酸開環反応:L−ピログルタミン酸
    に作用し、D−ピログルタミン酸、プロリン及びヒドロ
    キシプロリンには作用しない; L−グルタミン酸閉環反応:L−グルタミン酸に作用
    し、D−グルタミン酸、L−グルタミン、L−アスパラ
    ギン酸、D−アスパラギン酸及びL−アスパラギンには
    作用しない; (3)至適pH及び安定pH範囲: L−ピログルタミン酸開環反応:至適pHは30℃にて3
    0分間の反応においては7.2〜7.4であり、30℃
    にて30分間の処理条件ではpH6.5〜10.5の範囲
    内で安定である; L−グルタミン酸閉環反応:至適pHは30℃にて30分
    間の反応において約8.0であり、30℃にて30分間
    の処理条件ではpH6.5〜10.5の範囲内で安定であ
    る; (4)温度安定性: L−ピログルタミン酸開環反応:pH7.4にて30分間
    の条件下では55℃まで安定である; L−グルタミン酸閉環反応:pH8.0にて30分間の条
    件下では55℃まで安定である; (5)至適温度: L−ピログルタミン酸開環反応:45℃〜50℃に至適
    作用温度を有する; L−グルタミン酸閉環反応:約45℃に至適作用温度を
    有する; (6)分子量: SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びゲル濾過
    法により測定した分子量約47,000を有するL−グ
    ルタミン酸・L−ピログルタミン酸相互変換酵素。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のL−グルタミン酸・L
    −ピログルタミン酸相互変換酵素の製造方法において、
    該酵素を生産する能力を有するアルカリゲネス属に属す
    る微生物を培養し、該培養物から該酵素を採取すること
    を特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の酵素をL−ピログルタ
    ミン酸に作用せしめることを特徴とする、L−グルタミ
    ン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の酵素をL−グルタミン
    酸に作用せしめることを特徴とする、L−ピログルタミ
    ン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の酵素を、L−ピログル
    タミン酸を含有すると予想される試料に作用せしめるこ
    とによりL−ピログルタミン酸をL−グルタミン酸に変
    換し、次にこのL−グルタミン酸を測定することを特徴
    とする、L−ピログルタミン酸の測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の酵素を、L−ピログル
    タミン酸及びL−グルタミン酸を含有すると予想される
    試料に作用せしめることにより該L−ピログルタミン酸
    をL−グルタミン酸に変換し、次にL−グルタミン酸を
    測定することを特徴とする、L−ピログルタミン酸とL
    −グルタミン酸の合計量を測定する方法。
  7. 【請求項7】 試料中のL−グルタミン酸を測定して測
    定値Aを求め、次に測定反応系に請求項1に記載のL−
    グルタミン酸・L−ピログルタミン酸相互変換酵素を添
    加することによりL−ピログルタミン酸をL−グルタミ
    ン酸に変換せしめ、そして再度L−グルタミン酸を測定
    して測定値Bを求め、測定値BとAとの差を用いてL−
    ピログルタミン酸の測定値を得ることを特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】 L−グルタミン酸の存在により妨害され
    るおそれのある測定方法において、測定反応系に請求項
    1に記載のL−グルタミン酸・L−ピログルタミン酸相
    互変換酵素を添加することによりL−グルタミン酸を消
    滅又は減少せしめることにより、前記測定の精度を向上
    せしめることを特徴とする方法。
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