JP2697311B2 - 分散型液晶表示素子 - Google Patents

分散型液晶表示素子

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JP2697311B2
JP2697311B2 JP41312690A JP41312690A JP2697311B2 JP 2697311 B2 JP2697311 B2 JP 2697311B2 JP 41312690 A JP41312690 A JP 41312690A JP 41312690 A JP41312690 A JP 41312690A JP 2697311 B2 JP2697311 B2 JP 2697311B2
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隆治 五十嵐
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Nippon Seiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶をマトリクス中に
小球状に分散させて保持した分散型液晶表示素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶をマトリクス中に分散保持せしめた
分散型液晶表示素子(以下、素子と称する)は、素子に
入射する光の散乱と透過を電界効果で制御でき、しかも
基板間に液晶を封入した液晶セル型表示素子に比して大
面積化が容易であるため、ディスプレイ用としては勿論
のこと窓の採光調整等の調光用としても利用できる等そ
の応用範囲が広く、現在注目されている。
【0003】前記素子に用いられる液晶としては、主に
ネマティック液晶(他にコレステリック液晶,スメクテ
ィック液晶も可)であり、この液晶を高分子マトリクス
中に分散保持せしめた構造となっており、その具体的構
造は、マトリクスや液晶の材料、並びに、素子の作成条
件等によって定まり、現在種々にものが知られている。
【0004】例えば、特表昭58−501631号公報
に示されているように、水酸基を有する高分子であるポ
リビニルアルコール(PVA)をマトリクスに用い、ネ
マチック液晶(Δε>)を、水を分散媒として乳化し、
エマルジョンとなすことによってPVA中に液晶を小球
状に分散させて保持せしめる手段が知られており、特開
昭60−252687号公報には、マトリクスとしてラ
テックスを用い、液晶を水中でラテックスと乳化するこ
とによってエマルジョンとなし、その結果ラテックス取
り込み液晶を得る手段が示されている。更に、特表昭6
1−502128号公報には、マトリクスとしてエポキ
シ樹脂を用い、相分離方式によって液晶微小滴を分散保
持する手段が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、素子の実用
化に際して、素子の耐熱性,耐湿性,耐久性等の耐環境
性が重要な因子となる。耐熱性向上のためには、一般に
マトリクスとして軟化点の高い高分子の使用やマトリク
スの架橋が考えられ、耐湿性に対しては一般にマトリク
スとして疎水性高分子の使用が考えられる。但し、疎水
性高分子を用いた場合、素子の作成手段として相分離法
が採用されるが、多色性染料を添加した素子の作成が困
難で、且つ、残存モノマーの影響等が認められる。
【0006】そこで、マトリクスとして用いる高分子を
架橋することが耐環境性の向上に貢献することに注目
し、前記した従来技術についてみると、PVAをマトリ
クスとして用いたものは、架橋剤として例えばメモビニ
ールユーテル/無水マイレン酸共重合体が使用され、こ
の架橋によって小球状に形成された液晶に強度耐久性や
不溶性を与えると考えられ、結果的に素子の寿命を改善
すると認められる。しかし、前記の架橋反応には加熱を
必要とし、その加熱温度が液晶の等方点以上であると、
液晶構造が崩れてしまう恐れがある。
【0007】また、ラテックス取り込み液晶による手段
においても、架橋剤を用いると架橋が達成されるが、効
率的な架橋反応を行うため加熱や酸触媒、場合によって
は光(紫外線)を必要とし、架橋条件によっては素子の
劣化が生じる。
【0008】そこで、本発明は、マトリクスとして水酸
基を有する高分子を用いたエマルジョン方式による素子
の作成において架橋を行うと共に、架橋に際して外部要
因を排除した素子を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る素子は、マ
トリクス中に液晶を分散保持するものにおいて、マトリ
クスとして水酸基を有する高分子と架橋剤として金属ア
ルコキシドとを用い、マトリクスが架橋を有するものと
したことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】水酸基を有する高分子と金属アルコキシドとの
ゾル・ゲル反応によってマトリクスが架橋構造を有する
こととなり、このためマトリクスの水溶性をなくして、
マトリクスの軟化点を高くしたもので、素子の耐環境性
も向上する。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0012】まず、マトリクスの安定性を観察するた
め、液晶を用いないマトリクスそのものを膜体として製
作した。
【0013】マトリクスとして用意した水酸基を有する
高分子である25wt%ポリビニールアルコール(クラ
レ製:PVA203)140重量部に、架橋剤として用
意した金属アルコキシドであるテトラエトキシシラン
〔Si(OC2H5)4〕10重量部と、相溶性を高め
る溶剤として用意したジメテルヌルホキシド20重量部
及びエチルアルコール5重量部を混合して均一溶液を調
整し、この溶液に触媒として酢酸0.1重量部を加えて
ホモジナイザーで撹拌し、アルミ基板上にドクターブレ
ードを用いてコーティングし、25℃50%RH雰囲気
中で6時間乾燥し、更に60℃で1時間乾燥し、実施例
の膜体Aを形成した。なお、比較例として、前記実施例
と同じPVA203をアルミ基板上に同一条件でコーテ
ィング及び乾燥させて、比較例の膜体Bを形成した。
【0014】前記膜体A,BのDSC(示差走査熱量測
定)曲線を図1に示しているが、軟点温度53.9℃で
185℃付近に触媒ピークを有する膜体Bに対して、膜
体Aは軟点温度が70.6℃へ上昇し、しかも、触媒ピ
ークが消失した。また、膜体A,Bを各々水中に浸し、
25℃で24時間放置したところ、膜体Bは水に完全に
溶解してしまったが、膜体Aは溶解しなかった。
【0015】以上のことから、膜体Aにおいて、テトラ
エトキシシランとのゾル・ゲル反応によりポリビニール
アルコールが架橋され、耐環境性の向上が実現できたこ
とが分かった。
【0016】前記実施例の膜体Aを用いた素子を形成す
るには、図2で示すように、マトリクス(PVA20
3)に対して1/4重量部の液晶(ネマティック液晶:
メルク製:ZLI−2061)3をマトリクス2と架橋
剤とを同時に混入し、ホモジナイザーで撹拌乳化し、得
られたエマルジョンを、予め用意したフィルム状の透明
電極板1に、ドクターブレードを用いて後述する乾燥膜
厚15μmとなるように塗布し、50%RH,25℃の
雰囲気内で24時間乾燥し、更に60℃で1時間乾燥
し、乾燥塗膜上に前記と同様のフィルム状透明基板1a
をラミネートして素子を作成した。勿論、乾燥塗膜は、
マトリクス2内に直径1〜10μmの小球状にまとまっ
た液晶3が多数分散保持されるものである。
【0017】前記したマトリクス2は、テトラエトキシ
シランのケイ素Siが架橋剤として働いてポリビニール
アルコールを架橋するもので、架橋反応はエマルジョン
から乾燥段階においてゾル・ゲル変換によりゲル化する
際に進行するものである。
【0018】この素子は、電界オフ状態でマトリクス2
と液晶3との界面での屈折率の差異のため光散乱により
不透明となるが、電界オン状態では液晶3が配列し、マ
トリクス2と液晶3との屈折率の一致によって透明とな
り、素子として使用できる。
【0019】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、使用される液晶3の種類も正の誘電異方性を有
するネマティック液晶で、マトリクス2と相容性のない
ものであれば、前記ZLI−2061以外にも、ZLI
−2344,ZLI−2392,ZLI−3238,Z
LI−3497−050(以上メルク製)やE−7,E
−11,E−63(以上BDH製)等が使用できる。
【0020】また、マトリクス2として用いる高分子と
しては、架橋反応が可能な水酸基を有するものであれば
良く、セルロースでも良い。また、金属アルコキシドと
しては、ジメチルジエトキシシランでも良い。また、相
溶性を高める溶剤は、金属アルコキシドが少ない場合に
は必ずしも要せず、触媒は、省略しても良い。
【0021】なお、マトリクス2と液晶3の混合比率
も、乾燥状態での液晶の量が40〜80重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0022】勿論、組成液であるエマルジョン形成に
は、前記ホモジナイザーの他に、コロイドミル,高速デ
ィスパーサ等他の機器を使用しても良いことは言うまで
もない。
【0023】また、本発明において、架橋反応を安定に
促進せしめるための触媒を適宜選択して添加しても良い
し、更には、マトリクスと液晶とのエマルジョンを生成
させ、且つ、安定させるため、界面活性剤、又は、保護
コロイド、若しくは、場合によって両者をエマルジョン
組成液に混入しても良く、特に界面活性剤は非イオン界
面活性剤が好ましく、エマルジョンの安定化、及び、透
明電極基板への良好な塗布性のため最適なHLB指数を
有する界面活性剤を選択すると良い。
【0024】また、保護コロイドは、マトリクスの架橋
反応を阻害しないものが好ましいが、阻害する場合でも
必要最少量の添加で用いることができる。使用される保
護コロイドは、ポリビニルエチレンオキシド,ポリアク
リル酸等が挙げられ、その混入量はマトリクスポリマー
中0.1〜50重量%である。
【0025】更に、本発明において、エマルジョン組成
液の液晶中に染料を添加しても良く、染料としては、イ
ンドクェのノールブルー,スーダンブラックB,スーダ
ン2,スーダン3,D−37,Dー43,D−53(以
上メルク製)の他、等方性染料やクトロシアニン銅等を
通常の方法に従って使用し、乳化の前に液晶に溶解させ
る。前記染料は、典型的には液晶物質に対して0.5〜
6重量%用いる。
【0026】本発明においては、更に他の添加剤を使用
しても良く、添加剤としては、湿油剤,レベリング剤,
紫外線安定剤,酸化防止剤,熱安定剤,PH安定剤,接
着促進剤,組成物の屈折率並びに電気的性質を変成せし
める剤の内の一個又は複数個を用いることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上の通りマトリクスとして
用いる高分子として、水酸基を有するものを採用し、金
属アルコキシドを加えて架橋し、そのマトリクス中に液
晶を分散保持せしめた素子で、低温で架橋の付与を行っ
て高分子の水溶性を無くし、且つ、高分子の軟化点を高
くし、素子の耐環境性を向上せしめたものであると共
に、架橋密度を架橋剤の添加量でコントロールでき、更
には、ケン化度や重量度の異なる高分子をも架橋するこ
とができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の膜体Aと比較例の膜体Bとの
DSC曲線を示す特性図。
【図2】同上実施例の素子の要部断面図。
【符号の説明】
1,1a 透明電極フィルム 2 マトリクス 3 液晶

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有する高分子に、金属アルコキ
    シドを加え、前記高分子と前記金属アルコキシドとのゾ
    ル・ゲル反応によって、前記金属アルコキシドを橋かけ
    役とした架橋を有するマトリクスを形成すると共に、こ
    のマトリクス中に液晶を分散保持したことを特徴とする
    分散型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高分子としてポリビニル
    アルコールを用い、金属アルコキシドとしてテトラエト
    キシシランを用いたことを特徴とする分散型液晶表示素
    子。
JP41312690A 1990-12-20 1990-12-20 分散型液晶表示素子 Expired - Lifetime JP2697311B2 (ja)

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