JP2696932B2 - 炭素材原料の製造方法 - Google Patents

炭素材原料の製造方法

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JP2696932B2 JP63140048A JP14004888A JP2696932B2 JP 2696932 B2 JP2696932 B2 JP 2696932B2 JP 63140048 A JP63140048 A JP 63140048A JP 14004888 A JP14004888 A JP 14004888A JP 2696932 B2 JP2696932 B2 JP 2696932B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、重質油から高密度炭素材の原料を効率よく
製造する方法に関する。
〔従来の技術〕 一般に重質油は300〜550℃で加熱保持すると反射型偏
光顕微鏡下で異方性を示す球状の結晶、すなわち球晶が
発生し、さらに加熱を続けるとこの球晶は成長、合体
し、ほぼ100%異方性のコークス状物を生成することが
知られている。これらの球晶および成長、合体を起こし
た異方性を示す物質はメソフェーズと呼ばれ、このメソ
フェーズはバインダーピッチを加えずに成形、焼成する
ことにより高密度炭素材となるため、放電加工用電極
材、半導体製造用治具、耐熱機械部品等の等方性特殊炭
素材の原料として注目されている。
従来、このメソフェーズの生成、回収方法として、例
えば(1)特開昭56−5310号公報においては、重質油を
加熱し球晶を生成し、この球晶を含む重質油に溶剤を加
えて加熱、加圧濾過して球晶を取出す方法が提案されて
いる。また、「石油学会誌」、第20巻第4号(1977)に
は、重質油を加熱しコーカー内で熱重合するとメソフェ
ーズの固化物である生コークスが得られるが、この生コ
ークスは極めて硬いため、高圧水を用いて固化した生コ
ークスを掘削して取り出す方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記各方法には次の難点がある。
上記(1)の方法においては、球晶の発生量を増加す
るためには加熱温度を上昇しなければならないが、加熱
温度を上昇すると球晶の成長、合体が進み過ぎ重質油の
粘度上昇が起こり、球晶の濾過分離が難しくなる。ま
た、濾過により回収した球晶には原料の重質油成分が付
着しているため、この成分の洗浄による除去あるいは再
熱処理が必要となり、それに要するコスト増が著しい。
上記(2)の方法においては、固化メソフェーズが硬
いため取出しに長時間を要し、さらに水圧掘削によりメ
ソフェーズが水に濡れるため乾燥工程が必要になる。
そこで本発明の主たる目的は、メソフェーズを短時間
で高濃度で発生させ、かつ熱間での固化メソフェーズの
反応容器からの取出しを容易にすることにより、炭素材
原料としての高品質メソフェーズを高収率かつ効率的に
製造する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するための本発明は、コールタール等
の重質油を300〜550℃の温度範囲内で加熱し、この加熱
過程で油分を除去することにより炭素材原料を製造する
方法において; 重質油温度が400℃以上の温度で、かつ重質油の粘
度が10ポイズ〜1×107ポイズの範囲内の条件下で反応
容器内を減圧する工程と、 上記工程で固化したメソフェーズを非酸化性雰囲気
下で熱間粉砕して反応容器から取出す工程を含むことを
特徴とするものである。
〔作 用〕
本発明に従って、重質油を加熱しメソフェーズを発生
する時の粘度上昇の過程で減圧させると、メソフェーズ
の急激な成長、合体を起こし、かつメソフェーズが発生
ガスにより著しく発泡する。この発泡メソフェーズは後
述する実施例に示すように、強度が極めて低いために発
泡メソフェーズに回転羽根を押し当てるか、あるいは棒
で突く等のごく簡単な方法により粉砕できる。粉化した
メソフェーズは熱間で容易に取出すことができる。
さらに、メソフェーズの発泡の起こる粘度領域でのみ
減圧、加熱を行うと、メソフェーズの収率低下を防止で
きる。
〔発明の具体的構成〕
以下本発明をさらに具体的に説明する。
本発明は前述の如く、重質油温度が400℃以上の温度
でかつ重質油の粘度が10ポイズ〜1×107ポイズの条件
下において、減圧させてメソフェーズを成長固化させる
とともに発泡させる工程とその発泡メソフェーズを非酸
化性雰囲気下で熱間粉砕する工程を用いることを基本構
成としている。
上記重質油とは、石炭乾留時に産出するコールタール
や、石油成分のアルファルト、原油熱分解で生成する重
質油、エチレンボトム油、あるいはこれらを例えば重合
促進剤に硝酸を使用し分解重合処理した重質油および炭
素粉を含有する重質油等を用いることができる。
次にメソフェーズを発生させるための加熱温度は300
〜550℃の範囲で行う。300℃未満の加熱では熱重合が不
十分でメソフェーズの発生に長時間を要し、生産性が極
めて悪く不適当である。また550℃を超えるとメソフェ
ーズの発生は容易であるが、粘度の上昇温度が早すぎる
ため、減圧処理によるメソフェーズの発泡が十分起こら
ず、固化メソフェーズの取出しが困難となる。上記減圧
とは、メソフェーズの成長、合体、および発泡を促進す
るに十分な圧力をいい、通常300mmHg以下が好ましい。
十分減圧を行わないと当然の事ながらメソフェーズの発
泡が不十分で固化メソフェーズが硬化し取出しが困難と
なるからである。また減圧を行う時の原料油の粘度は10
ポイスから1×107ポイズの範囲が適する。10ポイズ未
満の粘度における減圧は、重質油を沸騰させるが、発泡
固化には寄与しないだけでなく、重質油分の蒸発を促進
するためメソフェーズ収率の低下を招く一方、1×107
ポイズを超える粘度ではメソフェーズは固化直前の状態
であり、減圧硬化はない。
次に、以上のようにして得られる発泡メソフェーズの
取出しは、熱間でのメソフェーズの酸化を防止するた
め、チッ素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気下で、加熱処
理直後の300〜550℃の熱間で行う。
メソフェーズを取出すための粉砕方法は、回転させた
羽根を発泡メソフェーズに押し当てるか、棒で突き壊す
方法等があり、特に限定しない。本発明に係る発泡メソ
フェーズは圧縮強度が0.5〜40kg/cm2と極めて低いた
め、いずれの方法でも容易に粉砕、取出しが可能であ
る。
このようにして得られたメソフェーズを好ましくは、
10〜40μmに微粉砕したものは、ピッチ類やフェノール
レジン等のバインダー成分を使用することなく成形が可
能であり、また成形手段も通常の型込めプレスあるいは
ゴム型に入れて水中等方加圧成形を行うか、熱間成形等
のいずれの方法も採用できる。得られる成形体は不活性
ガスあるいは粉コークス中で千数百℃で炭化後2千数百
℃で黒鉛加して炭素材を製造することができる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明の効果を明らかにする。
石炭の高温乾留で得られるコールタールを、チッ素雰
囲気下で10℃/minの昇温速度で加熱し、第1表の条件で
熱処理を行った。この熱処理物の性質を同じく第1表に
示した。同表中、メソフェーズ含有率は、反射型偏光顕
微鏡下でメソフェーズの面積比率を測定し求めた。また
発泡の程度を示す嵩密度は熱処理物を30×30×30mmの角
形に切り出し、その体積と重量より求めた。さらに、熱
間取出しの難易を示す圧縮強度は、嵩密度測定後の試料
について測定した。
実施例1〜5に示すように、本発明の方法で熱処理を
行うと短時間に高収率で均質なメソフェーズが得られ、
しかも発泡性が良好で強度が低いため、熱間取出しの容
易なメソフェーズとなることがわかった。
具体的には、例えば実施例1,2と比較例1,2を比べる
と、本発明ではメソフェーズ含有率が高く、熱間取出し
の容易なメソフェーズが得られることがわかる。また実
施例3,5と比較例3,4を比べると、本発明の減圧熱処理の
方が高回収率でメソフェーズが得られることがわかる。
さらに、全実施例と比較例5とを比べると、加熱温度が
高過ぎる場合はメソフェーズの発泡が不十分で強度が増
加することがわかり、したがって比較例5のような場合
には、高圧水による掘削あるいは、先端部が超硬のドリ
ルでメソフェーズに穴をあけて切り出す等の方法を採ら
ないと取出せない。
次に、直径500mmで深さ800mmの反応容器を用い、実施
例3の条件でメソフェーズを製造し、400℃の熱間でチ
ッ素雰囲気下で取出した場合と、約2日かけ室温で冷却
した場合について、反応容器内の品質分布を揮発分の測
定により調べた結果を第2表の示す。
第2表から明らかなように、熱間取出しの場合は反応
容器内の揮発分はほぼ一定て、品質分布の生じないこと
がわかった。他方、冷却した場合は反応容器中心部の揮
発分が低い。これは冷却が容器壁から起こり、中心部は
長時間高温にされされるためである。このように、熱間
取出しはメソフェーズの均質化に極めて有効なことが明
らかとなった。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、重質油を原料とし、メ
ソフェーズを短時間で高回収率で得ることができ、かつ
熱間でのメソフェーズの反応容器からの取出しが容易に
なるため、炭素材原料としての高品質メソフェーズを効
率的に製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コールタール等の重質油を300〜550℃の温
    度範囲内で加熱し、この加熱過程で油分を除去すること
    により炭素材原料を製造する方法において; 重質油温度が400℃以上の温度で、かつ重質油の粘
    度が10ポイズ〜1×107ポイズの範囲内の条件下で反応
    容器内を減圧する工程と、 上記工程で固化したメソフェーズを非酸化性雰囲気
    下で熱間粉砕して反応容器から取出す工程を含むことを
    特徴とする炭素材原料の製造方法。
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