JP2695121B2 - アンチモン及び錫を含有する化合物及びその製造方法 - Google Patents

アンチモン及び錫を含有する化合物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンチモン及び錫を含有
する化合物及びその製造方法に関する。また、炭化水
素、特に混入金属が含有される重炭化水素の流動接触分
解(FCC;fluid catalytic cracking)に関し、このよ
うな混入金属を不活性化するための化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】流動接触分解法は、重炭化水素原料をよ
り軽く有用な炭化水素、特にガソリンに転化するクラッ
キングプロセスにしばしば用いられる。
【0003】このようなプロセスには多種の触媒が用い
られ、天然ゼオライトや合成ゼオライト系の触媒も用い
られている。ゼオライト触媒は結晶珪酸アルミニウム構
造にその特徴があり、この構造は、所望のクラッキング
活性や生成物を提供するためのモレキュラーシーブや活
性化合物としてはたらく。
【0004】しかし、ある種の混入金属が原料に含まれ
ている場合、ゼオライト触媒の有効度は著しく低くなっ
てしまう。特に活性を低くする混入金属としては、ニッ
ケル、バナジウム、鉄、銅及びクロムが挙げられる。こ
れらの金属はクラッキングを行うと触媒上に堆積し、所
望のクラッキング生成物を得るための触媒能が非常に阻
害されてしまう。
【0005】不活性化処理は原料中の混入金属の阻害作
用を抑えるための処理である。この技術には、反応物質
を混入金属と相互作用する原料または触媒に導入し、同
時にこのような混入物の阻害作用から触媒を保護するた
めに不活性化させる処理がある。
【0006】アンチモンとスズは阻害物質の不活性化剤
(passivating agents)として知られており、それぞれ
ニッケルとバナジウムの不活性化に有用である。
【0007】米国特許第4,321,129号には、ア
ンチモン及びスズを用いて使用済みの触媒を再活性化さ
せる技術が開示されている。これによれば、使用済みの
流動接触分解触媒(FCC触媒)をアンチモン化合物で
処理し、その後にスズ化合物で処理することで混入金属
が不活性化される。触媒にはそれぞれ各化合物が順次含
浸される。更に、イオウやリン等の他の混入物を含有す
るアンチモン化合物やスズ化合物を使用する方法も開示
されている。
【0008】また、米国特許第4,466,884号に
も、混入金属を不活性化するためにアンチモンとスズを
用いる技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記米国特許
第4,321,129号では、アンチモンとスズはそれ
ぞれ別々の化合物として用いられ、それぞれスズやリン
等の添加混入物を含有している。
【0010】また、米国特許第4,466,884で
は、チタン、アルミニウム、酸化カルシウムを含有する
化合物をスズやアンチモンの希釈剤として用いている。
しかし、チタン、アルミニウム及び酸化カルシウムは、
例えば米国特許第4,816,135号、第4,70
4,375号、第4,432,890号では不活性化剤
としてとして記述されている。
【0011】従って、米国特許第4,466,884号
で得られる効果は、少なくとも部分的には、追加した不
活性化剤(チタン、アルミニウム、酸化カルシウム)に
起因するものであることは確かである。
【0012】本発明の主目的は、アンチモンとスズの双
方を含有する単一の化合物を提供し、この化合物を原料
に添加するか、または触媒に含浸させることによって、
原料中の混入金属の不活性化を可能とすることである。
【0013】本発明の他の目的は、イオウ、リン及び他
の望ましくない混入物が実質的に存在しない化合物及び
プロセスを提供することである。
【0014】本発明の更なる目的は、流動接触分解法に
用いられる原料内の混入金属の不活性化に、アンチモン
とスズを含有する化合物が用いられるプロセスを提供す
ることを目的とする。
【0015】本発明の他の目的及び利点は以下の記述に
より明らかにされる。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために、本発明は、炭化水素に含有されて前記炭化
水素の流動接触分解時に触媒がさらされる混入金属の不
活性化に用いられる、アンチモン及び錫を含有する化合
物であって、一般式
【0017】
【化3】(R+)xSb(OSn(R++)3)n (R+、R++は炭素原子を6〜13有するアリール化合
物、nは1、2又は3であり、n=1のときx=4、n
=2のときx=3、n=3のときx=0)で示される組
成を有することを特徴とするアンチモン及び錫を含有す
る化合物を提供する。
【0018】また、炭化水素に含有されてこの炭化水素
の流動接触分解時に触媒がさらされる混入金属の不活性
化に用いられる、アンチモン及び錫を含有する化合物の
製造方法であって、アンチモン含有化合物をアルキルア
ミン触媒の存在下で水酸化トリアリール錫化合物と反応
させて、前記アンチモン及び錫を含有する化合物が含ま
れる反応混合物を得るステップと、前記反応混合物から
前記アンチモン及び錫を含有する化合物を結晶化するス
テップと、を有することを特徴とするアンチモン及び錫
を含有する化合物の製造方法も提供される。
【0019】更に、炭化水素原料の流動接触分解に用い
られるクラッキング触媒に対して、前記炭化水素原料内
の混入金属を不活性化させる方法であって、一般式
【0020】
【化4】(R+)xSb(OSn(R++)3)n (R+、R++は炭素原子を6〜13有するアリール化合
物、nは1、2又は3であり、n=1のときx=4、n
=2のときx=3、n=3のときx=0)で表される組
成を有するアンチモン及び錫を含有する化合物を用意す
るステップと、流動接触分解触媒を用意するステップ
と、混入金属が含有される炭化水素原料を用意するステ
ップと、前記アンチモン及び錫を含有する化合物の存在
下で、前記原料を前記触媒によって処理するステップ
と、前記混入金属に対するアンチモンと錫のモル比を約
0.01〜約10.0に維持するステップと、を有することを特
徴とする方法も提供される。
【0021】このように、本発明はアンチモンとスズを
含有する化合物に関し、この化合物は流動接触分解法
(FCC)で用いられる炭化水素原料に含有される混入
金属の不活性化に有用である。
【0022】この化合物は混入金属、特にニッケル及び
バナジウムを不活性化する。ニッケルとバナジウムは、
不活性化されない場合には、触媒の選択能に重大な影響
を与え、また、炭化水素原料を効率的にクラッキングし
て所望の種々の生成物を得るという触媒作用にも大きな
影響を与える。
【0023】本発明によれば、アンチモンとスズを含有
する化合物は以下のような組成を有する。
【0024】
【化5】(R+)xSb(OSn(R++)3)n ただしR+、R++は炭素原子を6〜13、好ましくは6
〜11、更に好ましくは6〜10有するアリール化合物
であり、nは1、2又は3である。また、n=1のとき
x=4、n=2のときx=3、n=3のときx=0であ
る。
【0025】本発明によれば、このようなアンチモン及
びスズを含有する化合物を調製する方法では、アンチモ
ンを含有する化合物(好ましくはモノハロゲン−テトラ
アリール−アンチモン、ジハロゲン−トリアリール−ア
ンチモン、及びトリハロゲンアンチモンのいずれか)
を、水酸化トリアリール錫化合物とアルキルアミン触媒
の存在下で反応させる。
【0026】これにより前記アンチモン及びスズを含有
する化合物が含まれる反応混合物を得る。その後に所望
のアンチモンとスズを含有する化合物を上記反応混合物
から結晶化させる。
【0027】上記結晶化プロセスは、好ましくは、上記
アンチモンを含有する化合物を水酸化トリアリール錫化
合物と反応させるステップで得られた反応混合物を濾過
するステップと、前記濾過された混合物を濃縮してオイ
ル(oil)を得て、このオイルを加熱した溶媒に溶解さ
せ、更にこのオイルが溶解している溶液を冷却して、上
記アンチモンと錫とを有する化合物の結晶質の沈殿物を
得るという各ステップを有する。
【0028】上記ろ過、濃縮、溶解及び冷却の各ステッ
プは一般法で用いられる通常の条件下で行われる。この
ステップで用いられた実際の条件及び/または処理は特
別に好ましいというものではなく、また本発明の一部を
なすものでもない。
【0029】本発明に係る化合物は、好ましくはFCC
法に用いられる。
【0030】具体的には、一般式
【0031】
【化6】(R+)xSb(OSn(R++)3)n (R+、R++は炭素原子を6〜13有するアリール化合
物、nは1、2又は3であり、n=1のときx=4、n
=2のときx=3、n=3のときx=0)で表される組
成を有するアンチモン及び錫を含有する化合物を用意す
るステップと、流動接触分解触媒を用意するステップ
と、混入金属が含有される炭化水素原料を用意するステ
ップと、前記アンチモン及び錫を含有する化合物の存在
下で、前記原料を前記触媒によって処理するステップ
と、前記混入金属に対するアンチモンと錫のモル比を約
0.01〜約10.0に維持するステップと、を有するFCC法
に用いられる。
【0032】アンチモン及び錫を含有する化合物の使用
量は、混入金属に対する金属(アンチモンと錫)の所望
のモル比によって選択される。
【0033】混入金属に対するアンチモンのモル比は、
好ましくは0.1〜2.0程度であり、また、好ましくは0.1
〜1.0程度とする。
【0034】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0035】本発明は重炭化水素の流動接触分解に関す
る。このような重炭化水素にはしばしばニッケル、バナ
ジウム、鉄、銅、クロム及びこれらが混合物等の混入金
属が存在する、これらの混入金属は流動接触分解プロセ
スに用いられる触媒の作用を阻害する傾向があり、全生
成物に対する所望の生成物の比率が低くなってしまう。
【0036】上記混入金属は触媒と反応するか、触媒上
に堆積して触媒のモレキュラーシーブ作用を阻害または
抑制し、これによってガソリンの生成量が減少し、更に
コークやドライガス(C1,C2)のような望ましくない
生成物の全生成物に対する比が大きくなる。
【0037】本発明によれば、アンチモンとスズを含有
する化合物が得られ、この化合物は原料に添加されて流
動接触分解触媒(FCC触媒)と処理されるか、または
触媒に含浸され、原料中に含有される混入金属を不活性
化する。これにより、FCC触媒によって得られるガソ
リン等のような所望の生成物の全生成物に対する比率が
高くなる。
【0038】本発明によれば、アンチモンとスズを含有
する化合物は以下のような組成となっている。
【0039】
【化7】(R+)xSb(OSn(R++)3)n ただしR+、R++は炭素原子を6〜13、好ましくは6
〜11、更に好ましくは6〜10有するアリール化合物
である。
【0040】R+とR++は同じ化合物とすることもでき
るが、互いに異なる化合物としてもよい。好ましくはR
+とR++をフェニルとする。上記条件において、nは
1、2又は3である。また、n=1のときx=4、n=
2のときx=3、n=3のときx=0である。
【0041】本発明に係る化合物は、アンチモンを含有
する化合物と水酸化トリアリール錫化合物とを、触媒と
なるアルキルアミンの存在下で反応させる。
【0042】アンチモンを含有する化合物は、好ましく
はモノハロゲン-テトラアリール-アンチモン、ジハロゲ
ン-トリアリール-アンチモン、及びトリハロゲン-アン
チモンのいずれかである。
【0043】ハロゲンとしては、臭素、塩素、フッ素
等、ハロゲン族のどの元素を単独または混合で用いても
よい。アリール基としては、好ましくはフェニル基(C
6;炭素数6)を用いるが、上述したように炭素数は1
3まで大きくしてよく、好ましくは11以下、より好ま
しくは10以下とする。
【0044】アンチモンを含有する化合物の出発物質
は、好ましくは所望の最終生成物に対応して選択され
る。アンチモンを含有する化合物におけるアリール基の
数は、最終生成物におけるxの値に影響するからであ
る。
【0045】従って、xを4とするには、モノハロゲン
−テトラアリール−アンチモンを用いることが好まし
い。xを3とするには、ジハロゲン−トリアリール−ア
ンチモンを用いることが好ましい。xを0とするには、
トリハロゲン−アンチモンが適切である。
【0046】水酸化トリアリール錫化合物には、上記ア
リール基を含んでもよく、炭素原子の数は6〜13、好
ましくは11まで、より好ましくは10までとする。好
ましい化合物は水酸化トリフェニル錫である。
【0047】アルキルアミン触媒は、勿論触媒作用を有
するものであればどれを用いてもよい。好ましい触媒は
トリエチルアミンであり、これを少量添加することによ
って、それぞれ錫及びアンチモンを含有する各出発物質
相互の反応を促進し、その結果所望のアンチモン−錫化
合物が得られる。
【0048】反応ステップでは、好ましくは、有機溶媒
中にアンチモン含有化合物を溶解した溶液と有機溶媒中
に水酸化トリアリール錫を溶解した溶液とをそれぞれ調
製し、これら溶液を混合し、アルキルアミン触媒をこの
混合溶液に添加し、更に反応を進行させる間これら溶液
と触媒との混合物を静置し、これにより本発明に係るア
ンチモン−錫化合物を含有する反応混合物を得る。
【0049】この反応混合物を更に処理し、好ましくは
結晶化処理することによって所望の結晶質化合物を得る
ことができる。
【0050】尚、アンチモン含有化合物を溶解させる有
機溶剤、及び水酸化トリアリール錫を溶解させる有機溶
剤は特に制限はないが、好ましくは四塩化炭素、無水エ
ーテル、メチレンクロライド、及びこれらの混合物から
有機溶剤を選択する。
【0051】本発明に係るアンチモンと錫を含有する化
合物の望ましい形態は、上記反応により得られる反応混
合物をろ過してろ液を分離することで得ることもでき
る。
【0052】このろ過ステップによって上記反応でのア
ルキルアミン及びハロゲン生成物が除去される。生成さ
れたろ液は、その後、好ましくはオイルを得るために濃
縮され、得られたオイルは加熱した溶媒に溶解される。
【0053】その後、所望のアンチモン及び錫を含有す
る化合物の結晶質の沈殿を得るために、オイルと溶媒と
の溶液は冷却される。本発明に係る化合物の融点は約7
0〜180(℃)程度である。
【0054】本発明に係るアンチモンと錫を含有する化
合物は、原料中の混入金属を不活性化するために用いら
れ、この化合物をFCC法に先立って炭化水素原料と混
合するか、またはこの化合物をFCC触媒に含浸して用
いられる。この際、この化合物中のアンチモンと錫の総
量は、原料中の混入金属に対して0.01〜10.0程度のモル
比とする。
【0055】混入金属に対するアンチモンのモル比は好
ましくは0.1〜2.0程度としてもよく、混入金属に対する
錫のモル比は好ましくは0.1〜1.0程度としてもよい。
【0056】これらの比率は、好ましくは、炭化水素原
料内のニッケル及び/またはバナジウムの含有量によっ
て成分量を制御することで調整される。
【0057】この化合物は混入金属、例えばニッケル、
バナジウム、鉄、銅、クロム及びこれらの混合物等の不
活性化剤として有効であり、好ましくはニッケルとバナ
ジウムの不活性化に用いられる。
【0058】混入金属の殆どがニッケルとバナジウムで
ある場合、好ましくは、上記化合物の配合比は、ニッケ
ルに対するアンチモンの比は0.1〜2.0程度、好ましくは
0.2〜2.0程度であり、バナジウムに対する錫の比は0.1
〜1.0程度、好ましくは0.2〜0.9程度、最も好ましくは
0.3〜0.8程度とする。
【0059】上記した各比率は、原料中のニッケル及び
/またはバナジウムによって化合物の添加量を変動させ
ることで適宜調整してよい。上記適切な比率は、主だっ
た混入金属に基づいて選択される。
【0060】本発明に係る化合物は、原料中の混入金属
が0.1〜50(ppm)程度である場合に効果的に用いることが
できる。
【0061】FCC触媒は好ましくはゼオライトタイプ
の触媒であり、天然または合成ゼオライトを用いる。例
えばよく知られているZSMタイプ、X及びYタイプの
合成ホージャサイト(faujasite)、βゼオライト等を用
いる。
【0062】本発明に係る化合物を用いるにあたって
は、好ましくはFCC触媒に含浸させるか、または原料
に直接混合する。どちらの場合でも、化合物は、好まし
くは有機溶媒に化合物を混合して溶液化した後に用いら
れる。
【0063】有機溶媒に特に制限はないが、好ましくは
ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、フラン(furan
s)、キシレン(xylenes)、及びこれらの混合物を用い
る。
【0064】本発明の変形実施例では、アンチモンを含
有する出発化合物はハロゲン化合物ではなく、例えばメ
トキシ基のようなアルコキシド基が用いられる。この実
施例で用いられるアンチモンを含有する化合物は、アル
コキシ−テトラアリール−アンチモン(alkoxy-tetraar
yl-antimony)、ジアルコキシ−トリアリール−アンチ
モン(dialkoxy-triaryl-antimony)、及びトリアルコキ
シ−アンチモン(trialkoxy-antimony)のうちから選択さ
れる。
【0065】前述の実施例では、選択されたアンチモン
含有化合物は得られる生成物に影響を与える。xを4と
する場合にはアルコキシ−テトラアリール−アンチモン
が用いられ、xを3とする場合にはジアルコキシ−トリ
アリール−アンチモンが用いられ、xを0とする場合に
はトリアルコキシ−アンチモンが用いられる。
【0066】ジメトキシ−トリフェニル−アンチモン
(dimethoxy-triphenyl-antimony)が用いられる場合
(x=3)、この実施例に係る反応は以下のようになる。
【0067】
【化8】(C65)3Sb(OCH3)2+2(C65)3SnOH
→(C65)3Sb[OSn(C65)3]2+2CH3OH このような変形プロセスでは、最終生成物にハロゲン残
余物が残ることがない、という利点がある。
【0068】
【実施例】本発明に係るアンチモンと錫を含有する化合
物の調製及び使用方法を以下の試験例を用いて示す。
【0069】実施例1 この実施例では、本発明に係るアンチモンと錫を含有す
る合成化合物において、n=2かつx=3の例を説明す
る。
【0070】この実施例で用いる化合物はトリフェニル
−ビス−(トリフェニルスタノキシ)アンチモン[trip
henyl-bis-(triphenyl stanoxi)antimony]であり、そ
の構造式は(C65)3Sb[OSn(C65)3]2である。
【0071】まず、0.053Mのジブロモトリフェニ
アンチモン(dibromotriphenyl a
ntimony)の無水カーボンテトラクロライド(a
nhydrous carbon tetrachlo
ride)溶液30mlを、0.031Mの水酸化トリ
フェニル錫の無水カーボンテトラクロライド溶液100
mlと混合する。
【0072】これにトリエチルアミン(Et3N)8滴を
加えて反応を48時間進める。その後、この反応混合物
をろ過し、ろ液を濃縮してオイルを得た。更にオイルを
加熱したベンゼンに溶解して室温にまで冷却し沈殿物を
形成させる。
【0073】この結晶質の沈殿物は白色を呈し、その融
点は115〜150(℃)程度である。このように得られ
た生成物は、核磁気樹脂、分光分析、化学分析によって
以下の特性が確認された。
【0074】
【化9】 CDCl3中のNMR分光線(Spectral lines NMR in CDCl3) δ=7.3 - 7.9 (ppm) C54H45SbSn2O2の理論重量比[Analysis for C54H45SbSn
2O2(CALCULATED) (%W)] C=59.77; H=4.18; O=2.95; Sn=21.88; Sb=11.22 分析結果(重量比) C=59.69; H=4.18; Sb=13.14/13.29 Sn=20.77/20.96; O=2.04 (by difference) 上記理論値と実測値を比較した結果、この化合物は(C6H
5)3 Sb[OSn(C6H5)3]2であることが実際に確認された。
【0075】実施例2 この実施例では、実施例1と同じ化合物(n=2かつx
=3)の合成例を説明する。
【0076】50gのジクロライド(dichloride)を100m
lのメチレンクロライド溶媒に溶解させ、ジクロライド
−トリフェニル−アンチモン(dichloride-triphenyl-an
timony)の1.18M溶液を得た。
【0077】また、86.6gの水酸化物(水酸化トリフェ
ニル錫)を750mlのメチレンクロライド溶媒に溶解さ
せ、0.31Mの水酸化トリフェニル錫のメチレンクロライ
ド溶液を調製した。
【0078】このジクロライド溶液は水酸化物溶液に添
加され、更に0.236モルのトリエチルアミンが添加され
る。この混合物は48時間還流された。還流後の反応混
合物は濁った状態となった。その後、反応混合物はろ過
されてトリエチルアミンヒドロクロライドが除去され、
液体のろ液は粘りけのあるオイルが現れるまで濃縮され
た。
【0079】このオイルを400mlの加熱したベンゼン
に溶解し、1時間還流を行った。このベンゼン溶液は濾
過され、更に約176mlに濃縮されて12時間以上室温
にて沈殿が行われた。
【0080】これにより得られた結晶をろ過し、ベンゼ
ンで洗浄した後にアブデルハルデン(Abderhalden)装
置によって乾燥された。このように得られた結晶質の生
成物の融点は120〜132(℃)程度であった。
【0081】実施例3 この実施例では、本発明に係るアンチモンと錫を含有す
る化合物の上記各実施例とは異なる合成例を示し、n=
1かつx=4の例を説明する。この合成化合物は(C6
5)4Sb[OSn(C65)3]である。
【0082】0.0096Mのテトラフェニルアンチモンクロ
ライド(tetraphenyl antimony chloride)の無水エーテ
ル溶液(anhydrous ether solution)を調製した。この溶
液は、1.0gの上記(テトラフェニルアンチモンクロライ
ド)塩を225mlの無水エーテルに溶解させて得た。
【0083】また、0.0086Mのトリフェニル錫の無水エ
ーテル溶液を調製した。この溶液は、0.8gの水酸化物
(水酸化トリフェニル錫)を250mlの溶媒(無水エーテ
ル)に溶解させて得た。
【0084】これら各溶液を混合し、この混合液にトリ
エチルアミン5滴を加えて24時間室温で沈殿させた。
【0085】24時間経過後、この混合物をろ過し、ろ
液を濃縮してオイルを得た。更にこのオイルを、加熱し
たベンゼンに溶解して室温にまで冷却し温度が下がるに
つれて沈殿物を得た。
【0086】この結晶質の生成物の融点は69〜72
(℃)程度である。CDCl3中のNMR分光線[NMR(CDCl3)]を測
定したところ、δ=7.3 - 7.9 (ppm)[7.4で最大]とい
う結果が得られた。
【0087】この反応は以下のように表されると信じら
れる。
【0088】
【化10】 (C65)4SbCl+(C65)3SnOH+Et3N→(C
65)4Sb[OSn(C65)3]+Et3NH+Cl- 実施例4 この実施例では、本発明に係るアンチモンと錫を含有す
る化合物の上記各実施例とは異なる合成例を示し、n=
3かつx=0の例を説明する。この合成化合物はSb[O
Sn(C65)3]3である。
【0089】まず、0.438Mのトリクロロ−アンチモン
の無水エーテル溶液を調製した。この溶液は5ml溶媒に
0.5gの化合物(トリクロロ−アンチモン)を溶解させ
ることで得た。
【0090】この溶液を0.22Mの水酸化トリフェニル錫
の無水エーテル溶液300mlに加えた。この混合物を30
時間撹拌し、灰色の沈殿物が生成された。この混合物は
ろ過され、0.0065モルのトリエチルアミンをエーテル性
の(etheric)ろ液に添加し、更に30時間撹拌した。
沈殿が形成された後に、混合物をろ過した。このろ液を
室温で蒸発させて白い針状の結晶を得た。
【0091】この生成物をクロロホルムに再溶解させ、
この溶液を水で数回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウ
ムを用いてこのクロロホルム溶液を乾燥(drying)させ
た。このクロロホルム溶液をろ過し、ろ液を室温で蒸発
させて白色の固体を得た。
【0092】この固体をベンゼンペトロリウムエーテル
(benzene petroleum ether)溶液から再結晶させ、室温
で乾燥させた。このように得られた結晶の融点は101
〜106(℃)程度であった。また、分光分析を行ったと
ころ、NMR 1H(CDCl3) δ 7.53 ppm, δ 7.74 ppm and
δ 7.90ppmという結果が得られた。
【0093】この反応を以下に示す。
【0094】
【化11】SbCl3+3(C65)4SnOH+3(Et3)3
→Sb(OSn(C6H5 )3)3+3(Et3)3NH+Cl- 実施例5 この実施例では、バナジウム及びニッケルがそれぞれ炭
化水素原料中に高濃度で存在するという条件下で、本発
明に係る不活性化剤がFCC触媒に与える効果を示す。
【0095】数種の触媒の活性試験を行い、ニッケル及
びバナジウムの濃度をそれぞれ1000(ppm)及び4000(ppm)
の一定値とし、各触媒において金属に対する不活性化剤
のモル比を変えて測定を行った。
【0096】触媒としては、従来のFCC触媒を用い
た。この触媒は以下の表1に示される特性を有する。
【0097】
【表1】 Al23 37(wt%) SiO2 59(wt%) Re23 3(wt%) 表面積 205(m2/g) まず、1.3gのナフテン酸バナジウム(vanadium naphthe
nate)[バナジウム3.09(wt%)]及び0.22gのナフテン酸
ニッケル(nickel naphthenate)[ニッケル4.66(wt
%)]を5.5mlのキシレンに溶解し、混入金属溶液を調製
した。
【0098】また、実施例1で調製された不活性化剤化
合物を一定量(a amount of)3mlのキシレンに溶解
し、不活性化剤化合物の溶液を調製した。
【0099】この化合物溶液及び混入物溶液を混合し、
バナジウムに対する錫のモル比が0.2、0.4、0.6、0.8で
ある溶液をそれぞれ調製した。
【0100】各溶液はFCC触媒の所定量を含浸させる
ために用いられた。これら触媒は以下のように含浸され
た。
【0101】10gの未使用触媒試料を4つ調製した。
これら未使用触媒は、予め400(℃)で4時間か焼し、
乾燥雰囲気で室温にまで冷却して得たものである。各調
製された溶液は触媒試料に速やかに所定量添加され、均
一に分布するように混合した。
【0102】含浸後に、各触媒試料は70(℃)で乾燥さ
れ、その後に450(℃)で3時間か焼し、更に温度を5
50(℃)に上昇させ、3時間にわたって間断なく空気を
流通させた。含浸された触媒は、その後、100%の蒸
気によって760(℃)で4時間蒸気にさらされた。
【0103】この工程は各試料ごとに行われた。また、
FCC法における従来の触媒再生プロセスも試験(simu
late)した。
【0104】対照試料も調製した。1つは混入金属及び
不活性化剤ともに含有しない試料(A)であり、もう一
方は混入金属のみ有し、不活性化剤は含有しない試料
(B)である。
【0105】また、各試料に対し、ASTM(American
society of Testing Materials)規格D−3907に準
拠したマイクロアクティビティーテスト(MAT)を行
った。このテストに用いられて原料の特性及び組成を表
2に示す。
【0106】
【表2】 比重(Gravity) 25.2(°API) 残留炭素(Carbon Conradson) 0.043(wt%) 動粘性率 1.67(cp) 飽和炭化水素(Saturated) 57.3(wt%) 芳香族 40.1(wt%) 硫黄 1.2(wt%) ニッケル 0.1(ppm) バナジウム 0.4(ppm) アニリン点(Aniline) 172.5(°F) 上記分析結果を表3に示す。
【0107】
【表3】
【0108】表3は金属が混入して蒸気により不活性化
された触媒の活性及びガソリン収率を示すものである。
この表に示されるように、混入金属を含むが不活性化剤
は含有されていない触媒Bは、転化率及びガソリン収率
が最も低い。触媒Aは混入金属も不活性化剤も含有して
おらず、転化率及びガソリン収率が最も高い。
【0109】触媒C,D,E及びFはこの順に不活性化
剤の濃度が高くなっており、ニッケル及びバナジウムの
濃度はそれぞれ1000(ppm)及び4000(ppm)という一定値と
している。
【0110】表3の結果から、比較的高い濃度のニッケ
ル及びバナジウムが存在するにもかかわらず、本発明に
係る不活性化剤の濃度が高くなるにつれて転化率及びガ
ソリン収率が上昇していることが示される。
【0111】本発明に係る化合物が存在することによっ
て、混入金属が触媒に与える望ましからざる影響が小さ
くなり、これにより、ニッケルやバナジウムのような混
入金属が高い濃度で存在する場合でも、通常のFCC条
件においてガソリンを高い収率で得ることが可能となっ
た。
【0112】つまり、化合物中に錫とアンチモンが共に
存在することで、混入金属がFCC触媒に与える影響を
抑えるという相乗効果が生じると考えられる。
【0113】尚、従来のように錫とアンチモンとを含有
する化合物をそれぞれ用意して錫による処理及びアンチ
モンによる処理を別々に行う場合に比較して、処理工程
及び処理設備が簡素なものですむとともに、処理時間も
短縮される。
【0114】また、錫及びアンチモンが共存することに
よる相乗効果は、従来法では得られないが、本発明によ
ればこのような相乗効果が得られ、ガソリン収率や転化
率が高くなる。
【0115】本発明はここに示し説明した実施例に限定
されるものではない。本発明の趣旨および範囲を逸脱す
ることなく種々の変形や修正が可能であることはいうま
でもない。
【0116】また、本実施例は好適実施態様を示すもの
であって、本発明を限定するものではない。本発明の範
囲を逸脱することのない種々の変形、修正等は本発明に
包含されるものである。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンチモンとスズの双方を含有する単一の化合物が提供
され、この化合物を原料に添加するか、または触媒に含
浸させることによって原料中の混入金属が不活性化され
る。
【0118】また、イオウ、リン及び他の望ましくない
混入物が実質的に存在しないような、アンチモン及び錫
を含有する化合物及びそのプロセスが提供される。
【0119】更に、流動接触分解法に用いられる原料内
の混入金属の不活性化に、アンチモンとスズを含有する
化合物が用いられるプロセスが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 596004196 Valle de Sarteneja s,Baruta,Edo.Miran da,Venezuela (72)発明者 ネルソン マルチネス ヴェネズエラ,エド.ミランダ,ディス タト ロス サリアス,パルセラ エム −14,カレ 1 コン カレ 8,ユー アールビー.パルケ エル レティロ (番地なし) (72)発明者 フアン ルファーノ ヴェネズエラ,エド.ミランダ,ロス テケス 1201,アプト.5−ビー,5 ピソ,レス.ロス ピノス,ユーアール ビー.クエンダ (番地なし) (72)発明者 ニーヴェス アルヴァレス ヴェネズエラ,カラカス,コリナス ベ ロ モンテ,エイピーティー.26,6 ピソ,イーディーエフ.トレスメン,エ イヴィー.カロニ (番地なし) (72)発明者 ファケク ルービンコウスキー ヴェネズエラ,カラカス,エル シガー ラル,カレ プリンシパル,レス.ロス ファーディネス,トーレ ビー,アプ ト.62ビー (番地なし) (72)発明者 ウィリアム マックウェン アメリカ合衆国,マサチューセッツ,ア マースト,ベッドフォード コート 5

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素に含有されて前記炭化水素の流
    動接触分解時に触媒がさらされる混入金属の不活性化に
    用いられる、アンチモン及び錫を含有する化合物であっ
    て、一般式 【化1】(RSb(OSn(R++ (R、R++は炭素原子を6〜13有するアリール
    、nは1、2又は3であり、n=1のときx=4、n
    =2のときx=3、n=3のときx=0)で示される組
    成を有することを特徴とするアンチモン及び錫を含有す
    る化合物。
  2. 【請求項2】 前記R+、R++における炭素原子数は6
    〜11であることを特徴とする請求項1記載のアンチモ
    ン及び錫を含有する化合物。
  3. 【請求項3】 前記R+、R++における炭素原子数は6
    〜10であることを特徴とする請求項1記載のアンチモ
    ン及び錫を含有する化合物。
  4. 【請求項4】 前記R+、R++はフェニル基であること
    を特徴とする請求項1記載のアンチモン及び錫を含有す
    る化合物。
  5. 【請求項5】 前記アンチモン及び錫を含有する化合物
    は約70〜約180(℃)の間に融点を有することを特徴
    とする請求項2記載のアンチモン及び錫含有化合物。
  6. 【請求項6】 炭化水素に含有されてこの炭化水素の流
    動接触分解時に触媒がさらされる混入金属の不活性化に
    用いられる、アンチモン及び錫を含有する化合物の製造
    方法であって、該アンチモン及び錫を含有する化合物の
    一般式は、(R Sb(OSn(R ++
    (ただし、R 、R ++ は炭素原子を6〜13有する
    アリール基、nは1、2又は3であり、n=1のときx
    =4、n=2のときx=3、n=3のときx=0)で表
    されるとともに、 水酸化トリアリール錫化合物に対して反応性を有する
    ンチモン含有化合物を、アルキルアミン触媒の存在下で
    水酸化トリアリール錫化合物と反応させて、前記アンチ
    モン及び錫を含有する化合物が含まれる反応混合物を得
    るステップと、前記反応混合物から前記アンチモン及び
    錫を含有する化合物を結晶化するステップと、を有する
    ことを特徴とするアンチモン及び錫を含有する化合物の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アンチモン含有化合物は、モノハロ
    ゲンテトラアリールアンチモン、ジハロゲントリアリー
    ルアンチモン、トリハロゲンアンチモンから選択される
    ことを特徴とする請求項6記載のアンチモン及び錫を含
    有する化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アンチモン含有化合物のハロゲン
    は、臭素、塩素、フッ素、及びこれらの混合物から選択
    されることを特徴とする請求項6記載のアンチモン及び
    錫を含有する化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水酸化トリアリール錫は水酸化トリ
    フェニル錫であることを特徴とする請求項6記載のアン
    チモン及び錫を含有する化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記アルキルアミン触媒はトリエチル
    アミンであることを特徴とする請求項6記載のアンチモ
    ン及び錫を含有する化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アンチモン及び錫を含有する化合
    物を結晶化するステップは、 前記反応混合物をろ過して前記アンチモン及び錫を含有
    する化合物が含まれるろ液を得るステップと、 前記ろ液を濃縮してオイルを得るステップと、 前記オイルを加熱した溶媒に溶解させてオイルと溶媒と
    の溶液を得るステップと、 前記オイルと溶媒との溶液を冷却して前記アンチモン及
    び錫を含有する化合物の沈殿を得るステップと、を有す
    ることを特徴とする請求項6記載のアンチモン及び錫を
    含有する化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アンチモン含有化合物と前記水酸
    化トリアリール錫化合物とをそれぞれ有機溶媒に溶解さ
    せて各化合物の溶液を得て、前記反応ステップに先立っ
    てこれらの溶液と前記アルキルアミン触媒とを混合する
    ことを特徴とする請求項6記載のアンチモン及び錫を含
    有する化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記有機溶剤は、四塩化炭素、無水エ
    ーテル、メチレンクロライド、及びこれらの混合物から
    選択されることを特徴とする請求項12記載のアンチモ
    ン及び錫を含有する化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記アンチモン含有化合物は、アルコ
    キシ−テトラアリール−アンチモン、ジアルコキシ−ト
    リアリール−アンチモン、及びトリアルコキシ−アンチ
    モンから選択されることを特徴とする請求項6記載のア
    ンチモン及び錫を含有する化合物の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記アンチモン含有化合物は、ジメト
    キシ−トリフェニルアンチモンであることを特徴とする
    請求項14記載のアンチモン及び錫を含有する化合物の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 炭化水素原料の流動接触分解に用いら
    れるクラッキング触媒に対して、前記炭化水素原料内の
    混入金属を不活性化させる方法であって、一般式 【化2】(RSb(OSn(R++ (R、R++は炭素原子を6〜13有するアリール
    、nは1、2又は3であり、n=1のときx=4、n
    =2のときx=3、n=3のときx=0)で表される組
    成を有するアンチモン及び錫を含有する化合物を用意す
    るステップと、 流動接触分解触媒を用意するステップと、 混入金属が含有される炭化水素原料を用意するステップ
    と、 前記アンチモン及び錫を含有する化合物の存在下で、前
    記原料を前記触媒によって処理するステップと、 前記混入金属に対するアンチモンと錫のモル比を約0.
    01〜約10.0に維持するステップと、を有すること
    を特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 前記混入金属は、ニッケル、バナジウ
    ム、鉄、銅、クロム、及びこれらの混合物のいずれかで
    あることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記混入金属は、ニッケル及びバナジ
    ウムであることを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 ニッケルに対するアンチモンのモル比
    を約0.1〜約2.0に維持するステップを有することを特徴
    とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 ニッケルに対するアンチモンのモル比
    を約0.2〜約2.0に維持するステップを有することを特徴
    とする請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 バナジウムに対する錫のモル比を約0.
    1〜約1.0に維持するステップを有することを特徴とする
    請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 バナジウムに対する錫のモル比を約0.
    2〜約0.9に維持するステップを有することを特徴とする
    請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 バナジウムに対する錫のモル比を約0.
    3〜約0.8に維持するステップを有することを特徴とする
    請求項18記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記触媒はゼオライトタイプの触媒で
    あることを特徴とする請求項16記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記原料を前記触媒によって処理する
    処理ステップに先立って、前記アンチモン及び錫を含有
    する化合物を有機溶媒に溶解させるステップを有するこ
    とを特徴とする請求項16記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエ
    ン、シクロヘキサン、フラン、キシレン、及びこれらの
    混合物から選択されることを特徴とする請求項25記載
    の方法。
  27. 【請求項27】 前記アンチモン及び錫を含有する化合
    物は、前記原料と混合されることを特徴とする請求項1
    6記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記触媒は、前記アンチモン及び錫を
    含有する化合物によって含浸されることを特徴とする請
    求項16記載の方法。
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