JP2694775B2 - ショ糖脂肪酸エステルの精製方法 - Google Patents
ショ糖脂肪酸エステルの精製方法Info
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Description
精製方法に関する。詳しくは、ショ糖脂肪酸エステルの
精製において、脂肪酸アルコールエステルを除去するシ
ョ糖脂肪酸エステルの精製方法に関する。
の方法があるが、いずれの合成反応で得られた粗エステ
ル中にも、目的のショ糖脂肪酸エステルの他、過剰の原
料脂肪酸アルコールエステル及び石けんが含まれるた
め、これらの夾雑物を除去する操作が必要である。
を含んだ水を用いて、粗エステルから抽出して比較的容
易に除去することが可能である。しかし、未反応の脂肪
酸アルコールエステルは、水によって抽出されないので
除くことが難しい。
−9036による分子蒸留処理方法がある。該方法で
は、温度を150℃以上に上げるとショ糖エステルの分
解が進み、精製物は褐色ないし濃赤色に着色するので好
ましくないとして、分子蒸留処理温度を60〜150
℃、好ましくは、120℃以下で実施するとしている。
しかし、該方法では処理温度が低いため、ショ糖エステ
ルの分解が起こりにくいとしても、一方では低い処理温
度のために単位時間当りの分子蒸留処理量が極めて少な
い量に制限されることとなり、また、脂肪酸炭素数の長
い脂肪酸アルコールエステルの除去が難しいなどの問題
点を抱えている。
酸エステル反応物中に残存する原料脂肪酸アルコールエ
ステルを分子蒸留処理法で除去し、高純度のショ糖脂肪
酸エステルを工業的有利に製造する方法を提供するもの
である。
点を解決するため鋭意検討した結果、従来は分解のため
不適当とされていた160℃以上のような高い温度の下
でもあらかじめ脂肪酸アルコールエステルの含有量を
0.1〜10重量という低レベルに調節しておき、短時
間での分子蒸留処理を行えばショ糖脂肪酸エステルの精
製が可能であり、かつ多量処理が可能であり、効率的で
あることを見い出し、本発明に到達した。
エステルの含有量が0.1〜10重量%のショ糖脂肪酸
エステル反応物を、温度155〜220℃、仕込み流量
60〜500リットル/m2 ・hrの条件下において、分
子蒸留処理し、脂肪酸アルコールエステルを除去するこ
とを特徴とするショ糖脂肪酸エステルの精製方法に存す
る。
対象とするショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸と
のエステルであり、1分子中の脂肪酸置換数(置換度)
には特定に限定されない。但し、平均置換度が4〜7の
高置換度ショ糖脂肪酸エステルでは、一般に、反応原料
として、より過剰の脂肪酸アルコールエステルが必要と
なることから、該高置換度ショ糖脂肪酸エステルの精製
に本発明は特に有用である。
としては、特に限定はないが、沸点範囲の関係により、
通常、炭素数6〜30、好ましくは12〜22の飽和ま
たは不飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸、リノール酸、オレイ
ン酸、リノレイン酸、エルカ酸、リシノール酸などの不
飽和脂肪酸と、通常、炭素数1〜6のアルコール、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどとのエステルが挙げられる。また、かかるアルコ
ールエステルは、2種以上の混合物として用いてもよ
い。
ル反応物とは、ショ糖脂肪酸エステルの一般的な合成方
法により反応を行なった後、溶媒、石けん等を除去した
粗ショ糖脂肪酸エステルである。また、該反応物中の脂
肪酸アルコールエステルの含有量は0.1〜10重量%
の範囲のものが用いられる。脂肪酸アルコールエステル
の含有量がこの範囲を越える場合は、分子蒸留での精製
回数を甚だしく多くする必要があるので本発明では用い
られない。
は特に限定されないが、好ましくは、溶媒法である。溶
媒法とは、ショ糖と脂肪酸アルコールエステルのいずれ
をも溶解させる溶媒、たとえば、ジメチルスルホキシド
(以下「DMSO」という)、ジメチルホルムアミドな
どを用いて、均一反応させる方法である。該方法は、他
のショ糖脂肪酸エステルの合成法、例えば、無溶媒法、
ミクロエマルジョン法などと比較して、原料の脂肪酸ア
ルコールエステルの量が少なくて済む。従って、特に高
置換度のショ糖脂肪酸エステルを製造する際でも、脂肪
酸アルコールエステルの含有量が0.1〜10重量%の
エステル反応物を容易に得ることができる。
遠心式と流下膜式のいずれの方法も使用できる。通常1
mmHg以下、好ましくは10-1〜10-4mmHgの減圧下で行
なわれる。分子蒸留の温度は、155〜220℃であ
る。かかる温度は、通常、仕込液が分子蒸留装置内で形
成する薄膜の近傍に温度センサーを設置することにより
精密測定される。また、分子蒸留機への反応物の仕込み
流量は、分子蒸留機の加熱面積に対して60〜500リ
ットル/m2 ・hr、好ましくは100〜400リットル
/m2 ・hrから選択される。分子蒸留の温度が155℃
に満たない場合は、上述の仕込み流量の範囲では、分離
効率が著しく低下するので、処理量が制限されるので好
ましくない。一方、220℃を越えるとショ糖脂肪酸エ
ステルの熱分解も無視しえなくなり不都合である。
その要旨を超えない限りこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
gとDMSOを6346g仕込み、23mmHgの減圧下で
沸騰させながら溶媒を還流させた。20分後にDMSO
を留出させ脱水した。留出量が1000gに達したとこ
ろで留出を止め、系内の水分を測定したところ、残存水
分は0.06重量%であった。次に、無水炭酸カリウム
63gとステアリン酸メチル6615gを仕込み、23
mmHgで沸騰させながら、溶媒は還流し、生成したメタノ
ールは系外に留出させた。
の留去を開始し、温度を110℃まで上げ、7mmHgまで
減圧し、一定に保持した。反応開始後、10時間で反応
を止め、得られた反応液を中和、温水にて洗浄したとこ
ろ、未反応のステアリン酸メチルの含有量は4.26重
量%、平均置換度(以下「EV値」と略す)5.3、色
価(以下「CV値」と略す)0.5の粗ショ糖脂肪酸エ
ステル7170gが得られた。なお、CV値は下式で定
義されるものである。
420mμを選定した。色価は低い方が黄色味が少なく
望ましい。
20kgを日本車輌製造株式会社製の遠心式分子蒸留処理
装置(MS−380型)に仕込んだ。温度100℃、仕
込み流量265リットル/m2 ・hrおよび10-1mmHgの
減圧下で脱気操作を行った後、温度165℃、仕込み流
量195リットル/m2 ・hrおよび10-3mmHgの減圧下
で第1回目の分子蒸留処理を行った。
て第2回目の分子蒸留処理を温度170℃、仕込み流量
265リットル/m2 ・hrおよび10-3mmHgの条件で行
った。第3回目の分子蒸留処理は第2回目の分子蒸留処
理品を使用して温度180℃、仕込み流量265リット
ル/m2 ・hrおよび10-3mmHgの条件で行った。以上の
結果を表1に示す。CV値およびEV値とも特に変化は
認められなかった。
以外は、参考例と同様な方法で各種のショ糖脂肪酸エス
テルを合成した。これらについて、実施例1に準じた方
法で分子蒸留処理(圧力はいずれも10-3mmHg)を行っ
た結果を表1および表2に示す。
ステルを、圧力10-3mmHg、仕込み流量150リットル
/m2 ・hrとし、温度を各々180℃、140℃、12
0℃に設定して分子蒸留処理を2回行った結果を表3に
示す。
ステル中に残存する脂肪酸アルコールエステルを効率よ
く分離・除去することができるので、極めて高純度のシ
ョ糖脂肪酸エステルを経済的に製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 脂肪酸アルコールエステルの含有量が
0.1〜10重量%のショ糖脂肪酸エステル反応物を、
温度155〜220℃、仕込み流量60〜500リット
ル/m2 ・hrの条件下において分子蒸留処理し、脂肪酸
アルコールエステルを除去することを特徴とするショ糖
脂肪酸エステルの精製方法。 - 【請求項2】 ショ糖脂肪酸エステル反応物が、溶媒法
で製造されたものである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ショ糖脂肪酸エステルが置換度4〜7の
ショ糖脂肪酸エステルである請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 脂肪酸アルコールエステルを構成する脂
肪酸の炭素数が12〜22である請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP282091A JP2694775B2 (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | ショ糖脂肪酸エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP282091A JP2694775B2 (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | ショ糖脂肪酸エステルの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04321697A JPH04321697A (ja) | 1992-11-11 |
JP2694775B2 true JP2694775B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
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-
1991
- 1991-01-14 JP JP282091A patent/JP2694775B2/ja not_active Expired - Fee Related
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