JP2692806B2 - 差動継電装置 - Google Patents

差動継電装置

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JP2692806B2 JP62143923A JP14392387A JP2692806B2 JP 2692806 B2 JP2692806 B2 JP 2692806B2 JP 62143923 A JP62143923 A JP 62143923A JP 14392387 A JP14392387 A JP 14392387A JP 2692806 B2 JP2692806 B2 JP 2692806B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は発変電所の母線などに用いられるデジタル演
算形の差動継電装置の動作時間の高速化に関する。 (従来の技術) 差動継電装置では、外部事故時に事故電流の直流分に
より変流器の鉄心が飽和するため生ずる変流器の誤差が
問題となる。特に母線保護では、母線の多数の端子から
流入した事故電流が、1つの端子に集って流出すること
が多い。このような場合、流出する端子の電流は大きな
値となり、変流器の飽和が起こり易い。他の流入する端
子の電流は比較的小さな値であるため、変流器の飽和が
起こりにくく、全く飽和しない場合も多い。この場合、
差動電流(電流の方向を母線に流入する方向としたとき
の変流器二次電流の和)が、外部事故にも拘らず大きな
値となり誤動作することとなる。 この対策として、変流器の飽和に対する対策を行なっ
た差動継電装置がある。例えば特公昭57−50130号(以
下参考例1という)のものは各端子電流の絶対値の和
(スカラによる総和)に1以下の定数を乗算した値から
差動電流(ベクトル和)の絶対値を減算した値が正のと
き著しく大きな抑制量を発生するようにし、この抑制量
が差動電流より得られた動作量より大きいとき動作を阻
止するようにするものである。この原理を説明する。 第2図(a)は変流器が飽和したときの変流器の一次
電流Ipと二次電流Isの実測波形の例を示す図である。図
のように電流の交流分の1サイクルごとに、非飽和で二
次電流Isに殆んど誤差を生じない期間と、飽和して二次
電流Isに著しい誤差を生ずる期間とが繰り返される。 外部事故で事故電流が流出する端子の二次電流が図示
の波形Isであり、事故電流が流入する端子の変流器が全
て飽和しなかったとすると、差動電流Idの波形は第2図
(b)のようになる。また、各端子電流の絶対値の和は
同図Irのようになる。 図のように二次電流Isに誤差の無い期間は、差動電流
Idの値は殆んど零であるのに対し、絶対値Irが大きい。
参考例1のものはこの期間に大きな抑制量を発生させこ
れを1サイクル程度以上の期間記憶することにより、差
動電流Idが大きな値となっても誤動作を防止するように
するものである。 参考例1のものをディジタル演算形で構成した場合
を、本発明の用語を用いて説明する。各端子電流データ
Djの絶対値の和が抑制関数frとして求められ、差動電流
の絶対値の和として得られる。差動電流データDdの絶対
値が差動関数f(d)として求められ、差動電流の絶対
値が得られる。抑制関数frに1以下の定数を乗じて差動
関数f(d)を減算した値が正のとき、この減算値が阻
止出力Pl(参考例1の抑制量)として用いられ、この阻
止出力Plは所定期間(1サイクル程度以上)記憶され
る。この阻止出力Plは抑制関数frの値が差動関数f
(d)の値に対して所定の関係より大きいとき生ずる。
差動継電手段では別途差動電流データDdより得られた動
作出力と阻止出力Plが比較され、阻止出力Plが動作出力
より大きいとき動作が阻止される。すなわち阻止出力Pl
により動作を阻止するように制御される。 また、既出願の特願昭61−135840号(参考例2とい
う)は次の構成である。まず、各端子電流データDj
り、データDjの絶対値の最大値または和を求めるなどし
て、抑制データDrを作成し、この抑制データDrのサンプ
ル時刻の異なるものの相互の差を用いて抑制関数frを算
出する。また、サンプル時刻の異なる差動電流データDd
の相互の差より差動関数(参考例2では差関数)f
(d)を算出する。さらに抑制関数frが差動関数f
(d)に対して所定の関係より大きいとき阻止出力Pl
生ずる。この阻止出力Plは所定期間(1サイクル程度)
記憶され、また差動継電手段の動作を阻止する。 参考例2の原理を説明する。第2図(b)の外部事故
では変流器の非飽和期間には差動電流Idの変化は小さく
差動関数f(d)も小さい。一方、各端子電流の変化は
大きく、抑制関数frは大きい。この期間に阻止出力Pl
生じ、これを所定期間記憶することによって誤動作を防
止する。 以上のように、変流器の非飽和期間に、阻止出力Pl
得、これを所定期間(1サイクル程度以上)記憶するこ
とによって誤動作を防止する種々の差動継電装置があ
る。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、前記の阻止出力Plは事故発生前にも生ずる。
すなわち、常時運転中では、保護区間各端子には負荷電
流が流れており且つ差動電流は零である。このため、差
動関数f(d)は殆んど零であり抑制関数frはかなりの
大きさとなり、阻止出力Plを生ずる。この阻止出力Pl
内部事故発生後も所定期間(1サイクル程度以上)記憶
され、内部事故発生時の動作が遅れる。 母線事故では該母線を通過する全電力の送電が断たれ
る。このため、電力系統安定度に対する影響が大きく、
事故遮断が遅れることは1サイクル程度であっても好ま
しくない。 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、前記の阻止
出力Plの記憶を少くとも事故発生直後には無効であるよ
うにし、高速動作が得られるような差動継電装置を提供
することを目的としている。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 保護区間の各端子電流Ij(j=1〜n)を所定時間間
隔でサンプルし、これをデジタルデータに変換して得ら
れた各端子電流データDjを用いて、抑制関数frの値を算
出する抑制関数算出手段と、前記各端子電流データDj
加算して(または差動電流Idを所定時間間隔でサンプル
し、これをデジタルデータに変換して、)差動電流デー
タDdを作成し、このデータより差動関数f(d)の値を
算出する差動関数算出手段と、前記抑制関数frの値が差
動関数f(d)の値に対して所定の関係より大きいこと
を条件に阻止出力Plを発生する阻止出力発生手段と、こ
の阻止出力Plにより動作を阻止するように制御される差
動継電手段と、前記各端子電流データDjを用いて、各端
子電流データDjの値が大きいとき大きな値となる事故検
出関数f(f)を算出する事故検出関数算出手段と、事
故検出関数f(f)の値が所定値以上の大きさのとき
(または所定値以上の変化があったとき)、事故検出信
号Sfを発生させる事故検出手段とよりなり、前記阻止出
力発生手段は、少くとも事故検出信号Sfの発生時には阻
止出力Plを所定期間記憶するように且つ事故検出信号Sf
の発生前のデータによる阻止出力Plを生じないように制
御するように構成した。 (作用) 本発明では事故検出信号Sfの発生時には、この信号Sf
の発生前のデータによる阻止出力Plを生じないようにす
ると共に、信号Sfの発生中のデータによる阻止出力Pl
所定期間記憶するようにすることによって、外部事故の
場合では変流器の飽和を伴なっても阻止出力Plの記憶に
よって誤動作することがなく、また内部事故時には阻止
出力Plがないため、高速動作が可能となる。 (実施例) 以下図面を参照して実施例を説明する。先ず本発明の
基本的な考え方を説明する。本発明は、差動保護を行う
保護区間各端子より得られた電流に比例した電気量を、
所定サンプル間隔θでサンプルしてデジタルデータに
変換し、そのデジタルデータを処理した結果により動作
出力を生ずる通常のデジタル演算形継電器をハード機構
として用い、以下に述べるような処理を行うことによっ
て前記の問題点を解決しようとするものである。 その処理内容を図面を用いて説明する。第1図は本発
明の処理の基本構成を示す図である。すなわち、処理1
の抑制関数算出手段で保護区間各端子の電流より得られ
たデータDj(j=1〜nでnは各端子電流の数)を用い
て抑制関数frの値を算出する。また、処理2の差動関数
算出手段で、差動電流データDd(差動電流Idをサンプル
して得られたデータまたは各端子電流データDjの和)を
用いて差動関数f(d)を算出する。更に処理3の事故
検出関数算出手段で各端子電流データDjを用いて事故検
出関数f(f)の値を算出し、処理4の事故検出手段で
事故検出関数f(f)の値が所定値以上の大きさのと
き、または所定値以上の変化を生じたとき事故検出信号
Sfを発生させる。処理5の阻止出力発生手段は、処理1
で得られた抑制関数frの値が処理2で得られた差動関数
f(d)の値に対して所定の関係より大きいとき阻止出
力Plを生じ、これを事故検出信号Sfの制御に応じて記憶
する。処理5で得られまた記憶された阻止出力Plによ
り、処理6の差動継電手段の動作が阻止される。処理6
では差動電流データDdおよび各端子電流データDjを用い
る場合もあり、また用いない場合もある。 以上の各処理の概要を説明する。処理1の抑制関数算
出手段では、抑制関数frは例えば次式のいずれかで算出
される。fr=max|Djm| ……(2) 但し、Djm,Dj(m-1)およびDj(m-2)は各々最新、最新よ
り1つ前および最新より2つ前のサンプル時におけるデ
ータDjである。 以上の(1)式および(2)式はデータDjが大きいと
き抑制関数frの値が大きくなるものであり、(3)式は
データDjの変化が大きいとき抑制関数frの値が大きくな
るものである。このような性格を持った種々の抑制関数
frが、上記の例と同様に使用される。 処理2の差動関数算出手段では、差動関数f(d)は
例えば次式のいずれかで算出される。 f(d)=|Ddm| ……(4) f(d)=|Ddm|+|Dd(m-1)| ……(5) f(d)=|Ddm−Dd(m-1|+|Dd(m-1)−Dd(m-2)| ……(6) 但し、Ddm,Dd(m-1)およびDd(m-2)は各々最新、最新よ
り1つ前、および最新より2つ前のサンプル時に於ける
データDdである。以上の(4)〜(6)式はデータDd
大きいときまたはデータDdの変化が大きいとき、差動関
数f(d)の値が大きくなるものである。 処理3の事故検出関数算出手段では、事故検出関数f
(f)は例えば次式のいずれかで算出される。 f(f)=|Djm|の最大値 ……(8) 但しDjpmおよびDjnmは各々データDjの負および正の値
を零に修正したデータである これらの(7)〜(9)式の例はデータDjが大きいと
き、事故検出関数f(f)の値が大きくなるものであ
る。 処理4の事故検出手段では例えば次式のうちのいずれ
かが成立したとき事故検出信号Sfを発生させ、必要に応
じて所定期間記憶させる。 f(f)>K1 ……(10) f(f)>K2・(所定時間前の所定期間中のf(f)の
値の最大値)+K1 または f(f)>max(K2・(所定時間前の所定期間中のf
(f)の値の最大値),K1) ……(11) f(f)または|f(f)|>K2・(整数/2倍周期のf
(f)の値)+K1 または f(f)または|f(f)|>max(K2・(整数/2倍周期
のf(f)の値),K1) ……(12) 但しK1およびK2は正の定数で、K2は通常1以上の値と
する。 以上で(10)式では事故検出関数f(f)の値が一定
値より大きいとき、(11)および(12)式では事故検出
関数f(f)の値が事前の事故検出関数(f)fの関数
に対して大きいときまたは変化があったとき、事故検出
信号Sfを発生させる。 処理5の阻止出力発生手段の阻止出力Plには2つの種
類がある。1つは阻止出力Plを阻止信号Slとするもので
あり、他は阻止関数f(l)の記憶値とするものであ
る。 阻止信号Slとするものでは、阻止信号Slは例えば次式
の条件で発生する。 0>fr−{(K3・fd+K4)またはmax(K3・fd,K4)} ……(13) 但しK3は正、K4は正または負の定数 すなわち、抑制関数frの値が差動関数f(d)の値に
対して所定の関数より大きいとき、阻止信号Slを阻止出
力Plとして発生させる。この阻止信号Slは処理6の差動
継電手段の動作を禁止するのに用いられる。 阻止関数f(l)の記憶値とするものでは、例えば次
式の阻止関数f(l)の値を求める。 f(l)=fr−{(K3・fd+K4)またはmax(K3・fd,
K4)} ……(14) この阻止関数f(l)の記憶値が、阻止出力Plとして
発生し、差動継電手段の抑制量として用いられる。 少なくとも事故検出信号Sfの発生時には、事故検出後
の動作に対して事故検出前の影響が残らない期間だけの
記憶とする。即ち、事故検出信号Sfの発生前のデータに
より有効な阻止出力Plが得られるようなことのないよう
に制御される。以下に示す記憶は前記同様である。この
ような制御手段の例を示す。 (i) 第1の制御手段は、事故検出信号Sfの発生瞬時
には事前の記憶を解消するが、それに続く期間は阻止出
力Plを記憶するように制御するものである。この手段で
は阻止出力Plは事故検出信号Sfの有無に関せず所定条件
で発生し記憶されるが、信号Sfの発生前のものは発生後
に持ち越されない。 (ii) 第2の制御手段は、事故検出信号Sfの発生時の
み阻止出力Plを記憶するように制御するものである。こ
の手段では事故検出信号Sfの有無に関せず、所定条件で
阻止出力Plを生じ、この出力Plは事故検出信号Sfの発生
時のみ記憶される。 (iii) 第3の制御手段は事故検出信号Sfの発生時の
み、それを原因として阻止出力を生じ、且つこれを記憶
するように制御するものである。この手段では事故検出
信号Sfの無いときは阻止出力を生じない。 以上のどの手段でも少くとも事故検出信号Sfの発生時
には阻止出力は、抑制関数frの値が差動関数f(d)の
値に対して所定の関係より大きい条件で、事故検出信号
Sfの発生時に発生し記憶され、また事故検出信号Sfの発
生前のデータにより事故検出信号Sfの発生時に阻止出力
Plを生ずることが無い。 処理6の差動継電手段の例を次に示す。 (i) 第1の差動継電手段は、阻止出力Plのみで動作
を禁止され、阻止出力Plが記憶されていない条件だけで
動作するものである。この手段では内部事故以外の場合
には常に阻止出力Plが記憶されている必要がある。この
ため処理5の阻止出力発生手段は、第13式または第14式
の定数K4を負の値とするなどして、全端子の電流が零で
も抑制出力Plが得られるようにするか、または事故検出
信号Sfの発生時のみ動作するようにする必要がある。 (ii) 第2の差動継電手段は、公知の差動継電手段を
用いるものである。この種段では阻止出力Plが無い場合
には、公知の差動継電手段と同様に次式に応動する。 Mo>Mr ……(15) 但し、Moは動作量で差動電流データDdを用いて算出す
る。Mrは抑制量で一定値とするかまたは差動電流データ
Djを用いデータDjが大きいとき抑制量Mrの値が大きくな
るようにする場合もある。阻止出力Plが有る場合には、
阻止信号Slが阻止出力Plとして出力されるものでは、こ
の阻止信号Slにより動作量Moと抑制量Mrの関係には無関
係に動作を禁止するようにする。また阻止関数f(l)
が阻止出力Plとして出力されるものでは、この阻止関数
f(l)を抑制量Mrに参加させ、動作を阻止するように
制御する。 この手段では、阻止出力Plによる誤動作防止は外部事
故時にのみ必要であるので、処理5において第13または
14式の定数K4を特に負とする必要は無く、また、第1〜
第3の制御手段のいずれを用いることもできる。 以上のどの手段でも、差動継電手段は阻止出力Plによ
り動作を阻止するように制御される。 (作用) 本発明の作用を図面を用いて説明する。第3図は内部
事故時の応動を示す波形図である。(a)図は電流波形
を示すもので、Iiは電源側より母線に流入する電流、Io
は母線より負荷側に流出する電流の各々変流器二次電流
を示す、時刻t0より前は通常の負荷状態であり、事刻t1
に内部事故が発生して電流Iiが大きな値となり、電流Io
は流れなくなる。(b)図は差動電流Idと抑制関数fr
(1)式としたときの抑制電流Irの波形である。この抑
制電流Irをサンプルした値が抑制関数frに対応する。内
部事故発生前(時刻t1より前)は差動電流Idが零であ
り、抑制電流Irのみ存在する。しかし内部事故発生後は
差動電流Idと抑制電流Irが等しくなる。 (c)図は抑制関数frを(1)式、差動関数f(d)
を(4)式とし且つ(14)式の定数K3を1、K4を無視可
能とした場合の阻止関数f(l)と、(7)式の事故検
出関数f(f)とを、サンプル間隔θが電気角30℃で
あるとして示すものである。この場合、内部事故発生前
は両関数f(f)とf(l)は等しいが、内部事故発生
後は電流IdとIrの絶対値の差に対応する阻止関数f
(l)が零となるのに対し、電流Irの絶対値に対応する
事故検出関数f(f)は大きな値となる。 (d)図は(10)式を用いた場合の事故検出信号Sf
示す。事故検出関数f(f)の値が内部事故により大き
くなると、(10)式が成立し、事故検出信号Sfが1とな
る。破線は(10)式が成立しない期間を示すが、1サイ
クル程度の記憶により事故検出信号Sfは実線のように連
続する。 (e)図の実線は阻止出力Plを阻止関数f(l)の記
憶値とし、阻止出力の制御手段を前記第1の制御手段と
したときの阻止出力Plの波形である。この制御手段では
事故検出信号Sfの発生瞬時を除く期間、阻止出力が記憶
される。このため内部事故発生前には、阻止出力Plは、
阻止関数f(l)のピーク値と等しい。しかし、事故検
出信号Sfの発生と同時にこの記憶は失なわれ、且つ阻止
関数f(l)も零であるので、阻止出力が零となり、差
動継電手段(処理6)が高速度に動作する。もし、この
記憶喪失を行なわなかったとすると阻止出力Plは図示の
破線波形となり、動作が遅れる。 第4図は第3図で説明したシステムについて、変流器
飽和を伴なった外部事故時の応動を示す図である。
(a)図で電流Ioを供給する変流器が飽和しており、こ
の電流Ioは電流Iiとの比較の便のため負符号で示す。ま
た、第3図と同一部分は同一記号で示す。 (b)図で差動電流Idは変流器の飽和期間のみ流れ、
非飽和期間は零である。このため、差動電流Idの立ち上
りは事故発生時刻t0より遅れ、また1サイクルに一度、
差動電流Idが零の期間がある。これに対して抑制電流Ir
は事故発生と同時に立ち上り且つ、差動電流Idが零の期
間も大きな値である。 (c)図で、阻止関数f(l)は差動電流Idが零の期
間には大きな値であり、この現象は事故発生後も1サイ
クルに1度は繰り返される。事故検出関数f(f)は事
故発生と同時に立ち上り大きな値となる。これにより事
故検出信号Sfが図示のように発生する。 第3図の場合と同様に事故検出信号Sfの発生瞬時に
は、それ以前の阻止関数f(l)の記憶は失われる。し
かし、この時阻止関数f(l)は大きな値となってお
り、阻止出力Plは十分大きな値であり、この事故検出後
の阻止関数f(l)の値は記憶されるので阻止出力Pl
(d)図のように十分に大きな値に維持される。この阻
止出力Plにより差動継電手段は該動作することが無い。 以上は本発明の代表例に対する説明であるが、他の例
に対しても同様に作用する。これについて、まず次のよ
うな変更を行なった場合を説明する。 (i) 差動関数f(d)を(5)または(6)式とす
る。 (ii) 抑制関数frを(2)または(3)式とする。 (iii) (14)式の阻止関数f(l)を阻止出力Pl
する代わりに、(13)式の条件で生ずる阻止信号Sfを阻
止出力Plとして用いる。 (iv) (13)式および(14)式の定数K3を1より大き
な値たとえば3とする。 上記の場合、事故発生前の通常負荷状態および外部事
故の変流器非飽和期間で差動電流Idが零の期間にサンプ
ルされたデータを用いるものでは、どの式を用いるもの
でも差動関数f(d)の値は零であり、抑制関数frの値
は十分な大きさである。この状態では、定数K3を1より
大きい値たとえば3としても、(13)式が成立して阻止
信号Sfを生ずるか、または(14)式の阻止関数f(l)
の値が正の十分の大きさになる。これらの阻止信号Sf
たは阻止関数f(l)の値が記憶され、阻止出力Plとし
て出力されれば、外部事故では変流器飽和があっても差
動継電手段(処理6)の動作が阻止され誤動作を防止す
るが、内部事故時にも記憶が残れば動作が遅れる。 また、差動関数f(d)と抑制関数frを適宜組み合わ
せ、且つ定数K3を適宜選択すれば、内部事故時に(13)
式が成立するかまたは(14)式の阻止関数f(l)の値
が正となることは無く、内部事故時にサンプルされたデ
ータにより阻止出力Plを生ずることは無い。これらの組
合せにより確実に応動する継電装置を得る手段は、参考
例1のほか、昭和62年電気学会全国大会1336および1337
でも公知であり、また参考例2などで既に提案されてい
るので、内部事故時に阻止出力Plを生ずることの無いこ
との詳細な説明は簡単のため省略する。 次に事故検出関数f(f)に(7),(8)または
(9)式のいずれを用いても内部事故発生と同時に起こ
る事故電流の増加により事故検出関数f(f)の値が大
きくなる。したがって(7)〜(9)式のいずれかを事
故検出関数f(f)とし、(10),(11)または(12)
式のいずれかを検出条件とすれば、高速度に事故発生を
検出し、事故検出信号Sfを発生させる。なお、(11)お
よび(12)式はそのままでは外部事故中に長期間成立し
なくなり、事故検出信号Sfを長限時復帰にしないと、外
部事故中に事故検出信号Sfが消失する。この方法が好ま
しくない場合は別途対策される。 阻止出力Plに対する制御手段として、前記第2の制御
手段を用いる場合を図面を用いて説明する。第5図およ
び第6図は各々第3図および第4図と同一条件で、制御
手段のみを第2の制御手段に変えた場合の応動を示す図
である。第5図および第6図で各々第3図および第4図
と同一部分は同一記号で示し、また簡単のため(a)お
よび(b)図は省略して示してある。 第5図の内部事故では、事故発生(時刻t0)前は
(c)図のように阻止関数f(l)が十分大きな値とな
っているが、事故検出信号Sfが発生していないので、阻
止出力Plは阻止関数f(l)の値がそのまま出力されて
いるのみで、阻止関数f(l)の値を記憶したものとな
らない。したがって内部事故発生により阻止関数f
(l)の値が零になれば、阻止出力Plも直ちに零となり
高速度の動作が可能となる。 第6図の外部事故では、事故発生前の阻止出力Plは第
5図の場合と等しい。事故発生後は、阻止出力Plは事故
電流瞬時値の増大に伴っての阻止関数f(l)の増大と
ともに増加するので、事故検出信号Sfの発生前の期間の
阻止出力Plは第4図の場合より小さい。しかし、この期
間は変流器の飽和は発生せず、したがって差動電流Id
零であり、差動継電手段として(15)式に応動する第2
の手段を用いるか、または事故検出信号Sfの発生時のみ
動作し得るようにした第1の手段を用いれば誤動作する
恐れは全く無い。 阻止出力Plに対する制御手段として前記第3の制御手
段を用いる場合について説明する。この場合、第5図お
よび第6図との相異は事故検出信号Sfの発生前に阻止出
力Plを生じない点である。この場合、内部事故での高速
動作には支障が無く、外部事故では差動継電手段を事故
検出信号Sfの発生または(15)式を動作条件とするもの
とすれば、事故検出信号Sfの発生前に阻止出力Plが無く
ても誤動作する恐れは全く無い。 以上述べたように本発明の手段は、少なくとも事故検
出信号Sfの発生時には、信号Sfの発生前のデータによる
阻止出力Plを生じないようにするとともに、信号Sfの発
生中のデータによる阻止出力Plを所定期間記憶するよう
にすることによって、外部事故では変流器の飽和を伴っ
ても阻止出力Plの記憶によって誤動作の恐れが無く、内
部事故時には阻止出力Plが無く確実に動作する継電器
が、内部事故初期には事故前の阻止出力Plの記憶によっ
て遅い動作時間となるのを、内部事故時に高速動作させ
るものである。 〔第1の実施例〕 第7図は本発明の第1の実施例のハードウェアの構成
を示す図である。図で、Bは保護される母線、CB1,CB2,
CB3およびCBnは母線の各端子に設けられる遮断器、CT1,
CT2,CT3およびCTnは母線の各端子電流Ip1〜Ipnを入力す
るための変流器、CV1,CV2,CV3およびCVnは入力変換器、
DAUはデータ取得器、CPUは処理装置、OUは出力装置であ
る。各変流器CT1〜CTnの二次電流は入力変換器CV1〜CVn
に加えられ、二次電流Is1〜Isnに比例する電気量E1〜En
を生ずる。データ取得器DAUは電気量E1〜Enを同一時刻
に所定時間間隔でサンプルし、その値をデジタルデータ
に変換し、各端子電流データDj(j=1〜n)を取得す
る。処理装置CPUはこの各端子電流Djを用いて演算処理
し、動作条件にあれば動作信号S1を生ずる。出力装置OU
は動作信号S1があるとき動作出力Eoを生ずる。 第8図は本実施例の処理の構成を示すフロー図であ
る。第1図と同一部分は同一記号で示す。まず処理7で
データDjを取り込み最新のサンプルデータDjmとして記
憶する。続いて処理8で基礎データとして差動電流デー
タDdの最新のサンプル時のデータDdmを次式により算出
し記憶する。 続いて、処理9で抑制関数f(r)を(1)式、差動
関数f(d)を(4)式、事故検出関数f(f)を
(7)式により算出する。(この場合、(1)式と
(7)式の右辺は等しいので、(7)式では(1)式の
値が流用される。) この処理の後、処理4で事故検出処理、処理5で阻止
出力発生処理、処理6で差動継電処理を行ない、さらに
処理10でデータ書換え処理を行い処理7に戻る。以上の
処理で、処理9は第1図の処理1,2および3の全てに対
応する。 処理10での書換え処理の例をサンプル間隔θを30゜
とした場合について以下に示す。(以下、特記しない場
合はθ=30゜として説明する。 Ddm→Dd(m-1),Dd(m-1)→Dd(m-2),……Dd(m-11)→D
d(m-12),Dd(m-12)→X……(17) Djm→Dj(m-1),Dj(m-1)→Dj(m-2)……Dj(m-11)→D
j(m-12),Dj(m-12)→X……(18) 但し、各式でXはデータを破棄することを意味する。 各式は差動電流データDdおよび各端子電流データDj
逐次更新され且つ1サイクル分のデータが記憶されてい
ることを示す。 処理4の詳細を第9図に示す。処理4が始まると、先
ず処理4−1で事故検出関数f(f)の値で(10)式が
成立するか否かを調べ、(10)式が成立すれば処理結果
をYとし、成立しなければ処理結果をNとする。この処
理結果がYであれば処理4−2でカウント値Cfを13と
し、Nであれば処理4−3でカウント値Cfより1を減算
する。続いて処理4−4でカウント値Cfの値を調べ、1
以上であれば処理4−5で事故検出信号Sfを1とし(信
号発生)、1未満であれば処理4−6でカウント値Cf
1とするとともに処理4−7で事故検出信号Sfを0とす
る。以上で処理4を終わり次の処理に移る。事故検出信
号Sfは(10)式が1サイクルに1度成立すれば、連続し
て1となる。 処理5の詳細を第10図に示す。処理5が始まると、ま
ず処理5−1で、事故検出信号Sfを調べ、Sf=1であれ
ば(処理結果Y)処理5−2でカウント値Cl′を調べ
る。Cl′=0であれば(処理結果Y)処理5−3でカウ
ント値Cl′を1に修正し、更に処理5−4でカウント値
Clを1に修正して処理5−6に移る。処理5−1でSf
1のときは、処理5−5でカウント値Cl′を0に修正す
る。この場合、および処理5−2でカウント値Cl′≠0
のときは、処理5−3および5−4が行なわれることな
く処理5−6へ移る。 処理5−6で(13)式が成立すれば、処理結果をYと
して処理5−7でカウント値Clを13に修正する。(13)
式が成立しなければ処理結果をNとし、処理5−8でカ
ウント値Clより1を減算する。いずれの場合も処理5−
9でカウント値Clを調べ、Cl≧1であれば(処理結果
Y)処理5−10で阻止信号Slを1とし(信号発生)処理
5を終了する。処理5−9でCl≧1でなければ、処理5
−11で阻止信号Slを0とし、処理5−12でカウント値Cl
を1に修正して処理5を終了する。 上記で処理5−6で(13)式が成立すればカウンタ値
Clは13とされる。このカウント値は処理5−4が行なわ
れない限り、(13)式が成立しなくなっても処理5−8
で逐次減算され、12回の処理でカウント値Clが1に達す
る。この間処理5−10で阻止信号Slが1となり、1サイ
クルの間阻止信号Slが記憶される。 処理5−4が行なわれるのは、事故検出信号SfがSf
0からSf=1に変わった最初の処理のときのみである。
このときカウント値Cl′はCl′=0であり処理5−4で
カウント値Clの事前に値に関せずCl=1となる。次の処
理のときは処理5−3でカウント値Cl′が1に修正され
るので、処理5−4に於けるカウント値Clの1への修正
は行なわれない。 処理5−4でカウント値Clが1に修正されたとき、処
理5−6の処理結果がYであればカウント値Clが13に修
正され、阻止信号Slが記憶される。処理5−6の処理結
果がNであれば、処理5−8でカウント値Clが零とな
り、阻止信号Slは直ちに零となる。 このように、第10図の処理5では(13)式が成立すれ
ば阻止信号Slが12サンプル間記憶されるが、事故検出信
号Sfの発生瞬時のみ事前に記憶された阻止信号Slの記憶
が解除される。 第11図に処理6の詳細を示す。まず処理6−1で阻止
信号Slを調べ、Sl=0(処理結果Y)であれば処理6−
2で動作信号S1を1(動作)とし、Sl=1であれば処理
6−3で動作信号S1を0(不動作)とし、処理6を終了
する。この処理では阻止信号Slが消失した条件のみで動
作信号S1を発生させる。 以上のように本実施例は抑制関数frを(1)式、差動
関数f(d)を(4)式、事故検出関数f(f)を
(7)式として、(13)式により阻止信号Slを発生さ
せ、この阻止信号Slを(13)式が不成立になった後も12
サンプルの期間(1サイクル間)記憶するようにする
が、事故検出関数f(f)で(10)式が成立すれば事故
検出信号をSfを発生させ、この阻止信号Sfを(10)式が
不成立になっても12サンプルの期間記憶するようにした
うえ、この阻止信号Sfの発生瞬時のみ阻止信号Slの事前
の記憶を解消するように制御する(問題点を解決するた
めの手段で述べた第1の制御手段)ようにするととも
に、阻止信号Slの消失により動作信号S1を発生させるよ
うにすることによって目的を達成するものである。 〔第2の実施例〕 第2の実施例を図面を用いて説明する。この実施例は
第1の実施例の処理5および処理6のみを以下のように
変更するものである。第12図は本実施例の処理5の詳細
を示すフロー図であり、第10図と同一部分は同一記号で
示す。 処理5が開始されると、先ず処理5−6を行ない、そ
の処理結果に応じて処理5−7または5−8を行なう。
更に処理5−9を行ない、その処理結果に応じて処理5
−10または5−11を行なう。この間の処理は第10図の同
一記号部分と同様である。 処理5−9でカウント値ClがCl≧1(処理結果Y)の
場合は、処理5−10に続いて処理5−1を行ない、阻止
信号Sfが1(処理結果Y)であればそのまま処理5を終
了する。処理5−1で阻止信号Sfが0(処理結果N)で
あれば、また処理5−9でカウント値Clが1以上でなけ
れば処理5−11に引続いて処理5−12を行ない、カウン
ト値Clを1に修正して処理5を終了する。 以上の処理では、処理5−6で(13)式が成立すれ
ば、カウント値Clを13に修正し(13)式が成立しなくな
っても12サンプルの期間カウント値Clを1以上に保ち阻
止信号Slが1の状態を記憶しようとするが、この記憶は
事故検出信号Sfが1の状態のときのみに限られる。事故
検出信号Sfが0であれば、(13)式が成立したとき阻止
信号Slは1とはなるが、処理5−12でカウント値Clが1
に修正される。このため次のサンプル時に(13)式が成
立しなければカウント値Clが処理5−8で零に修正さ
れ、阻止信号Slが1とならず阻止信号Slは記憶されな
い。 第13図は本実施例の処理6の詳細を示すフロー図であ
る。図で第11図と同一部分は同一記号で示す。第11図の
場合と同様に処理6−1を行ない、阻止信号Slが0でな
ければ(処理結果N)処理6−3で動作信号S1を0(不
動作)とし処理6を終了する。阻止信号Slが0(処理結
果Y)のときは処理6−4および6−5で各々動作量Mo
および抑制量Mrを算出したうえ、処理6−6を行なう。
処理6−6で(15)式が成立(処理結果Y)すれば処理
6−2で動作信号S1を1(動作)とし、(15)式が成立
しなければ(処理結果N)処理6−3で動作信号S1を0
(不動作)として処理6を終了する。この処理では阻止
信号が発生していないときのみ、公知の差動継電手段を
動作可能とする。なお、動作量Moおよび抑制量Mrは例え
ば次式のようにして算出される。 Mo=|Ddm|+|Dd(m-1)|+…+|Dd(m-5)| ……(19) 但し、K5,K6は正の定数 以上のように本実施例は、阻止信号Slは事故検出に関
せず生ずるが、その記憶は事故検出状態でのみ行なわれ
るようにし、更に阻止信号Slが発生していないときのみ
公知の差動継電手段を動作可能にすることによって目的
を達するものである。 〔第3の実施例〕 第3の実施例を図面を用いて説明する。この実施例は
第1の実施例の処理5および処理6のみを変更するもの
である。第14図は本実施例の処理5の詳細を示すフロー
図で第10図と同一部分は同一記号で示す。処理5が開始
されると、先ず処理5−1を行い、事故検出信号Sfが1
で処理結果がYであれば、処理5−6〜5−12を第1の
実施例(第10図)の場合と全く同様に行なう。処理5−
1で、事故検出信号Sfが0で処理結果がNであれば、処
理5−11で阻止信号Slを0とし、更に処理5−12でカウ
ント値Clを1とし処理5を終了する。 この実施例では、事故検出信号Sfの発生時のみ(13)
式の条件により阻止信号Slが発生し記憶される。事故検
出信号Sfが発生していないときは阻止信号Slは消失し且
つカウント値Slが1に修正されるので、カウント値の記
憶も失なわれる。 第15図は本実施例の処理6の詳細を示すフロー図であ
る。図で第11図と同一部分は同一記号で示す。処理6が
始まると処理6−7で事故検出信号Sfを調べる。Sf=1
(処理結果Y)であれば第1の実施例と全く同様に処理
6−1,6−2および6−3を行ない、処理6を終了す
る。処理6−7でSf=0(処理結果N)であれば、処理
6−3で動作信号S1を0(不動作)とし処理6を終了す
る。 以上のように本実施例は、事故検出信号Sfの発生時の
み、阻止信号Slを発生し且つ記憶するようにするととも
に、事故検出信号Sfが発生し且つ阻止信号Slが発生して
いないとき動作信号S1を発生するようにして目的を達成
するものである。 〔第4の実施例〕 第4の実施例を図面を用いて説明する。この実施例は
第1の実施例の処理9、処理5および処理6を変更する
ものである。処理9では抑制関数f(r)および差動関
数f(d)の算出は行なわず、事故検出関数f(f)の
みを(7)式により算出する。 第16図は本実施例の処理5の詳細を示すフロー図であ
る。処理5−1で事故検出信号Sfを調べ、Sf=1(処理
結果Y)であれば処理5−13で最新の差動電流データD
dmをデータD′dmとして記憶し、更に処理5−14で最新
の各端子データDjmをデータD′jmとして記憶する。処
理5−1でSf=0(処理結果N)であれば、処理5−15
および5−16で各々データD′dmおよびD′jmの値を零
とする。 これらの処理の後、処理5−17で差動関数f(d)の
最新の値f(d)を、処理5−18で抑制関数f(r)
の最新の値f(r)を、処理5−19で阻止関数f
(l)の最新の値f(l)を、処理5−20で阻止量Ml
を算出したうえ、処理5−21でデータ書換え処理を行っ
て処理5を終了する。 処理5−17〜5−21の詳細を、まず処理5−21につい
て説明する。処理5−21では次のデータ書換えが行なわ
れる。 D′dm→D′d(m-1),D′d(m-1)→D′d(m-2),D′d(m-2)
→X ……(21) D′jm→D′j(m-1),D′j(m-1)→D′j(m-2),D′j(m-2)
→X ……(22) f(l)→f(l)(m-1),f(l)(m-1)→f(l)
(m-2)……f(l)(m-11)→f(l)(m-12),f(l)
(m-12)→X ……(23) すなわち、データD′d,データD′および阻止関数
f(l)の値が逐次更新され、データD′およびD′
では2サンプル分が、阻止関数f(l)では1サイク
ル分が記憶される。 処理5−17および5−18では各々差動関数f(d)
および抑制関数f(r)の値を各々次式により算出す
る。 f(d)=|D′dm−D′d(m-1)|+|D′d(m-1)−D′
d(m-2)| ……(24) f(r)=f(rp)+f(rn) ……(25) 但し、D′jpm,D′jp(m-1)およびD′jp(m-2)は各各
データD′jm,D′j(m-1)およびD′j(m-2)の負のものの
値を零に修正したデータ、D′jnm,D′jn(m-1)および
D′jn(m-2)は各々データD′jm,D′j(m-1)およびD′
j(m-2)の正のものの値を零に修正した値である。 (24)式はデータD′の最新の3つのデータの隣り
のものの差の絶対値の和である。また および は各々データD′jmの正のものの和および負のものの和
であり、各々について最新の3つのデータの隣りのもの
の差の絶対値を、各々f(rp)およびf(rn)とし
て求め、両者の和を抑制関数の最新の値f(r)とす
る。 処理5−19では阻止関数f(l)の最新の値f(l)
を次式により算出する。 f(l)=f(r)−K3f(d) ……(28) (28)式は(14)式を定数K4を零とし、各関数の最新
の値に対して適用したものである。 処理5−20では阻止量Mlを次式により算出する。 Ml=f(l)m,f(l)m-1…f(1)m-12の最大値 ……(29) 阻止量Mlは阻止関数f(l)の最新の13サンプル(1
サイクル+1サンプル)の最大値であり、阻止関数f
(l)の値が13サンプル間記憶されたものとなる。この
阻止量Mlが阻止出力Plとして用いられる。 第17図は本実施例の処理6の詳細を示す図で第13図と
同一部分を同一記号で示す。先ず処理6−4および6−
5で動作量Moおよび抑制量Mrを例えば各々(19)式およ
び(20)式を用いて算出する。 続いて処理6−8の比較処理を行い、例えば次式が成
立すれば処理結果をYとし、成立しなければ処理結果を
Nとする。 Mo>MrとK7Mlの最大値 ……(30) 但し、K7は正の定数である。 処理6−8の処理結果がYであれば、処理6−2で動
作信号S1を1とし(動作)、処理結果がNであれば処理
6−3で動作信号S1を0(不動作)として処理6を終了
する。 以上のように本実施例は阻止量Mlは阻止関数f(l)
の13サンプル中の最大値を用いることによって13サンプ
ル間記憶するようにするが、その算出に用いられる差動
電流データD′および各端子電流データD′を事故
検出信号Sfが発生していないときは零に修正することに
より、事故検出信号Sfの発生前のデータで阻止量Mlが正
の値となることの無いようにしている。この阻止量Ml
阻止出力Plとして用い、処理6で(30)式の例のように
通常の差動継電手段の抑制量Mrに参加させるものであ
る。 これにより事故検出信号Sfの発生前のデータにより阻
止出力Plが生ずることが無く、内部事故では阻止出力Pl
が発生することなく高速度に動作し、外部事故では変流
器の非飽和期間中のデータにより阻止出力Plが生じ且つ
記憶され、この阻止出力Plが差動継電手段の抑制力とし
て用いられて変流器飽和による誤動作を防止する。 なお、本実施例のように事故検出信号Sfに応じてデー
タを修正し、事故検出信号発生前のデータによる阻止出
力Plを生じないようにする手段は、本実施例のように阻
止量Mlを阻止出力Plとして生ずるようにするもののみで
なく、第1〜第3の実施例のように阻止信号Sfを阻止出
力Plとして発生させるものにも適用できる。この場合
は、本実施例の処理5−19で算出された阻止関数f
(l)が正のとき阻止信号Sfを生ずるようにし、且つ
これを所定期間記憶するようにすればよいので簡単のた
め詳細な説明を省略する。 〔第5の実施例〕 第5の実施例を図面を用いて説明する。第18図は本実
施例のハードウエアの構成を示す図で、第7図と同一部
分は同一記号で示す。また、CB,CT,CVなどの主文字が同
一で、4,5,6などの添字が異なるものは同様の装置であ
ることを示す。PTは計器用変圧器、DFは差動回路であ
る。 第18図の第7図に対する相異は下記である。 (i) 差動回路DFを構成し、差動電流Idを入力変換器
CVdで電気量Edに変換しデータ取得器DAUに加える。 (ii) 計器用変圧器PTを経て母線Bの電圧を入力変換
器CVvに加えて電気量Evに変換し、データ取得器DAUに加
える。 (iii) 変流器CT5とCT6およびCT7とCT8の二次回路は
各々ごとに並列接続され、二次電流の和が各々入力変換
器CV5およびCV6で電気量E5およびE6に変換されてデータ
取得器DAUに加えられる。 以上の構成により、データ取得器では各端子電流デー
タDjのほかに差動電流データDdおよび電圧データDvが取
得される。また、電気量E5およびE6より取得されるデー
タD5およびD6(Djのjを5および6としたもの)は各端
子の個々の電流には対応しないが、本発明ではこのデー
タも各端子電流データと呼称する。 次に本実施例の処理を説明する。本実施例の処理は第
1の実施例に対して第8図の処理8が省略され、処理
7、処理4および処理10が異なる。この異なる部分を説
明する。 処理7ではデータDj,DdおよびDvを取り込み最新のデ
ータDjm,DdmおよびDvmとして記憶する。処理10では(1
7)および(18)式の書換え処理のほか、データDvに対
する(17)式と同様の書換え処理が行なわれる。 処理4の詳細を第19図に示す。図で、第9図と同一部
分は同一記号で示す。まず処理4−8でデータDvを用い
て不足電圧検出処理を行い、不足電圧状態が検出されれ
ば処理結果をYとし、検出されなければ処理結果をNと
する。処理結果がYのときは処理4−9でカウント値Cf
を1に修正した後、処理4−5で事故検出信号Sfを1と
し処理4を終了する。 処理4−8の処理結果がNのときは処理4−10で(1
1)式((12)式を用いても良い)が成立するか否かを
検出し、(11)式が成立すれば処理結果をYとし、成立
しなければ処理結果をNとする。この処理結果に応じて
処理4−2〜4−7の処理が行なわれるが、これらの処
理は第1の実施例(第9図)の場合と全く同様であるの
で詳細な説明を省略する。 処理4−8は公知のディジタル形不足電圧継電器の処
理と同様に行なわれるが、例えば次式が成立したとき不
足電圧状態を検出する。 本実施例では処理9では(11)式(または(12)式)
により、外部事故により保護区間を通過する電流が大き
くなれば直ちに事故発生を検出する。この検出は常時負
荷状態に対する変化を用いているので(10)式を用いる
場合より高感度ではあるが、事故継続中の継続動作また
は周期的動作を期待し得ない。このため処理4−10の処
理結果Yを1サイクル程度記憶するのみでは、変流器飽
和の恐れのある外部事故期間中の事故検出信号Sfの継続
発生を保証し得ない。 処理4−8の不足電圧検出処理は、動作は若干遅れる
が遠方の外部事故の場合を除いて事故継続期間中は継続
動作し、事故検出信号Sfを継続発生するようにすること
ができる。なお、特に母線から電源を見たインピーダン
スが著しく小さい場合は、変流器飽和の恐れのある遠方
外部事故で、不足電圧検出が行なわれない恐れがある。
このような場合は差動継電手段(処理6)の動作信号S1
の発生の条件に不足電圧検出が行なわれたことを加える
ことにより誤動作を防止し得る。 以上のように処理4−8は処理4−10の周期的(また
は連続)動作の困難を補うものであるので、この範囲で
種々変形実施し得るものである。 以上の実施例は本発明のほんの数例を示すものに過ぎ
ず、種々変形実施し得るものである。 〔発明の効果〕 以上のように本発明は外部事故で変流器が飽和する場
合に、飽和期間と非飽和期間が周期的に繰返され、非飽
和期間には差動電流Idの瞬時値(またはその変化)が小
さく、各端子電流の瞬時値(またはその変化)が十分大
きいことを利用して、非飽和期間中のデータにより得ら
れた阻止出力Plを記憶することによって、変流器飽和を
伴なった外部事故での誤動作を防止するようにした差動
継電器が、内部事故に際して事故前のデータによる阻止
出力Plを記憶するため遅れた動作となるのを、少くとも
事故検出後には事故検出前のデータによる阻止出力Pl
記憶されないようにすることによって、内部事故時に高
速度に動作し得るようにするものである。 この事故検出には各端子電流データDjが大きいとき大
きくなるような事故検出関数f(f)((7)〜(9)
式など)を用いたので、事故検出関数f(f)は外部事
故時の保護区間を通過する電流の増大に際して遅れなく
大きくなり、第2図(a)のように事故発生直後に変流
器の飽和が始まり、事故発生直後の非飽和期間がごく短
時間の場合も、非飽和期間中に確実に事故検出を行ない
事故発生後のデータによる阻止出力Plを発生し得る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の基本構成を示す図、第2図は変流器が
飽和したときの電流波形を示す図、第3図および第4図
は本発明の一制御手段を用いた場合の各々内部事故およ
び外部事故時の応動を示す図、第5図および第6図は本
発明の他の制御手段を用いた場合の各々内部事故および
外部事故時の応動を示す図、第7図および第8図は本発
明の第1〜第4の実施例の各々ハードウエア構成および
処理フローを示す図、第9図は本発明の第1〜第4の実
施例の処理4の詳細を示すフロー図、第10図および第11
図は本発明の第1の実施例の各々処理5および処理6の
詳細を示すフロー図、第12図および第13図は本発明の第
2の実施例の各々処理5および処理6の詳細を示すフロ
ー図、第14図および第15図は本発明の第3の実施例の各
々処理5および処理6の詳細を示すフロー図、第16図お
よび第17図は本発明の第4の実施例の処理5および処理
6の詳細を示すフロー図、第18図は本発明の第5の実施
例のハードウエア構成を示す図、第19図は本発明の第5
の実施例の処理4の詳細を示すフロー図である。 B……母線、CB1〜CBn……遮断器、 CT1〜CTn……変流器、PT……計器用変圧器、 CV1〜CVn,CVvおよびCVd……入力変換器、 DAU……データ取得器、CPU……処理装置、 OU……出力装置。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.保護区間の各端子電流Ij(j=1〜n)を所定時間
    間隔でサンプルし、これをデジタルデータに変換して得
    られた各端子電流データDjを用いて、抑制関数frの値を
    算出する抑制関数算出手段と、前記各端子電流データDj
    を加算し差動電流データDdを作成するか、または各端子
    の作動電流Idを所定時間間隔でサンプルし、これをデジ
    タルデータに変換し差動電流データDdを作成して、この
    差動電流データDdより差動関数fdの値を算出する差動関
    数算出手段と、前記差動関数fdの値と前記抑制関数fr
    値との関係、 fr>K3・fr+K4あるいは fr>max(K3・fr,K4) が成立したとき阻止出力Plを発生する阻止出力発生手段
    と、前記阻止出力発生手段の阻止出力Plにより動作を阻
    止するように制御される差動継電手段と、前記各端子電
    流データDjを用いて、各端子電流データDjが大きいとき
    大きな値となる事故検出関数f(f)を算出する事故検出関
    数算出手段と、前記事故検出関数f(f)の値が所定値以上
    のときあるいは前記事故検出関数f(f)の変化量が所定値
    以上のとき事故検出信号Sfを発生し、事故検出信号Sf
    生時のデータによる前記阻止出力発生手段の阻止出力Pl
    を有効に確保できるだけの期間記憶させる事故検出手段
    とを具備することを特徴とする差動継電装置。 2.前記阻止出力発生手段は、阻止出力Plを事故検出信
    号Sfが前回判定の不成立から今回判定の成立により新た
    に出力発生したときそれ以前の記憶を解消し、それ以外
    の期間は阻止出力Plを記憶するように制御されることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 3.前記阻止出力発生手段が、前記事故検出信号Sfの発
    生時のみ所定条件にて発生した阻止出力を記憶するよう
    に制御されるものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の差動継電装置。 4.前記阻止出力発生手段が、前記事故検出信号Sfの発
    生時のみこれを原因として阻止出力Plを生じ且つこれを
    記憶するように制御されるものであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 5.前記事故検出関数は、下記式で示されることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 f(f)=max|Djm| なお、上記式f(f)において、Djは各端子電流データを示
    し、これの右辺の意味は、各端子電流データDjのすべて
    (または特定の一部)のものの絶対値の最大値である。 6.前記事故検出関数f(f)が、下記式で示されることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 なお、上記式f(f)において、Djは各端子電流データを示
    し、これの右辺の意味は、各端子電流データDjのすべて
    (または特定の一部)のものの絶対値の和である。 7.前記事故検出関数f(f)が、下記式で示されることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 なお、上記式f(f)において、Djは各端子電流データを示
    し、これの右辺の意味は、各端子電流データDjのすべて
    (または特定の一部)のもののうちで、値が正のものの
    和と負のものの和の絶対値の最大値である。 8.前記事故検出関数f(f)の値の所定値が一定値である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電
    装置。 9.前記事故検出関数f(f)の値の所定値が、事前の事故
    検出関数f(f)の関数であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の差動継電装置。
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