JP2692805B2 - 差動継電装置 - Google Patents

差動継電装置

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JP2692805B2 JP62143922A JP14392287A JP2692805B2 JP 2692805 B2 JP2692805 B2 JP 2692805B2 JP 62143922 A JP62143922 A JP 62143922A JP 14392287 A JP14392287 A JP 14392287A JP 2692805 B2 JP2692805 B2 JP 2692805B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は発変電所の母線などに用いられるデジタル演
算形の差動継電器に関する。 (従来の技術) 差動継電器では、外部事故時に事故電流の直流分によ
り変流器の鉄心が飽和するため生ずる変流器の誤差が問
題となる。特に母線保護の場合は、母線の多数の端子か
ら流入した事故電流が、1つの端子に集まって流出する
ことが多い。このような場合、流出する端子の電流は大
きな値となり、変流器の飽和が起こり易い。他の流入す
る端子の電流は比較的小さな値であるため、変流器の飽
和が起こりにくく、全く飽和しない場合も多い。この場
合、差動電流(変流器二次電流の和、但し電流の方向は
母線に流入する方向を正とする)が、外部事故にも拘ら
ず大きな値となり誤動作することとなる。 この対策として、変流器の飽和に対する対策を行った
差動継電器がある。すなわち特公昭57−50130号のもの
は各端子電流の絶対値の和(スカラによる総和)に1以
下の定数を乗算した値から差動電流(ベクトル和)の絶
対値を減算した値が正のとき著しく大きな抑制量を発生
するものである。これについて図面を用いて説明する。 第2図(a)は変流器が飽和したときの変流器の一次
電流Ipと二次電流Isの実測波形の例を示す図である。図
のように交流分電流の1週期ごとに、非飽和で二次電流
Isに殆んど誤差を生じない期間と、飽和して二次電流Is
に著しい誤差を生ずる期間とが繰り返される。 外部事故で事故電流が流出する端子の二次電流が図示
の波形Isであり、事故電流が流入する端子の変流器が全
て飽和しなかったとすると、差動電流Idの波形は第2図
(b)のようになる。また、各端子電流の絶対値の和は
同図Irのようになる。 図のように、二次電流Isに誤差の無い期間は、差動電
流Idの値は殆んど零であるのに対し、絶対値の和Irが大
きい特公昭57−50130号のものはこの期間に大きな抑制
量を発生させこれを記憶することにより、差動電流Id
大きな値となっても誤動作を防止し得るようにするもの
である。 しかし、外部事故中に内部事故が発生すると、動作が
著しく遅れる欠点がある。第3図はこの場合の波形の例
を示す図で、電流Iiは母線に流入する電流の和、電流I0
は外部事故中に事故電流が流出する端子の電流、Idは差
動電流であり内部事故点の事故点電流に等しい。Irは端
子電流の絶対値の和である。時刻t1に内部事故が発生
し、それ以前は外部事故である。 内部事故が図の位相で発生すると、事故点電流(=差
動電流Id)は図のように直流分の大きいフルオフセット
波形となる。外部事故が至近距離にあるとすると、内部
事故発生後の電流変化分(Theveninの法則による)の殆
んどは、外部事故点との間で還流する。このため流入電
流和Iiには変化が無く、流出端電流I0は内部事故発生前
の交流分が変化分の交流分で打消されて、直流分のみ残
り図示の波形となる。 このような電流波形のため、端子電流の絶対値の和Ir
は図示の波形となる。直流分により差動電流Idが小さい
期間に絶対値の和Irが大きく、この間に大きな抑制量が
記憶されるため、直流分が減衰するまで動作し得ない。 以上のように特公昭57−50130号のものは変流器に著
しい飽和がある場合にも誤動作しないものであるが、前
記のように外部事故中に内部事故が発生すると、事故電
流波形によっては動作が著しく遅れるという欠点を有す
るものである。母線保護の場合、外部事故中の内部事故
発生は、例えば外部事故遮断の際に遮断器が遮断に失敗
して破損するような際に起こり、必らずしも珍らしいも
のでは無い。 以上のほかに、変流器飽和に対する対策を行なった差
動継電器として、(1)差動電流の瞬時値が著しく小さ
いことが所定期間継続するときは不動作とする。(特公
昭44−9530号、特公昭51−49065号)(2)差動電流の
瞬時値が正波および負波の両波に存在しないときは不動
作とする等の手段がある。 これらの手段は、原理的には外部事故時に変流器飽和
を生じても誤動作する虞れがなく、また外部事故に続い
ての内部事故に際しても速かに動作し得るものである。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、前記の(1)および(2)の手段を適用しよ
うとすると、内部事故時の差動電流Idが第3図のように
大きな直流分を含む場合には瞬時値零の付近にかなりの
期間滞流する、または正または負の半波の一方が著しく
小さい場合がある。このため、瞬時値の大きさが著しく
小さいと判断するか、または瞬時値の値が正または負の
極性にあると判断する基準が微妙となり、適用には十分
な注意が必要となる。 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、内部事故時
に電流瞬時値が著しく小さい値に滞留する場合(即ち、
正または負の極性の一方の極性の大きさが著しく小さい
場合)には抑制量の大きさが十分に小さく、外部事故時
の変流器飽和で差動電流の瞬時値が著しく小さい値に滞
留する場合には抑制量の大きさが十分に大きくなるよう
な、抑制量算出手段を備えた差動継電装置を提供するこ
とを目的としている。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 各端子電流Ij(j=1〜n)を所定時間間隔でサンプ
ルし、これをデジタルデータに変換して得られた各端子
電流データDjを取得し、各端子電流データDjの同一サン
プル時刻のデータより1つまたは複数の抑制データDr
作成する抑制データ作成手段と、前記各端子電流データ
Djを加算し差動電流データDdを作成するか、または各端
子の差動電流Idを所定時間間隔でサンプルし、これをデ
ジタルデータに変換して、差動電流データDdを作成する
差動電流データ作成手段と、サンプル時刻の異なる複数
の所定個数の前記抑制データDrの相互の差を用いて抑制
関数frの値を算出する抑制関数算出手段と、前記差動電
流データDdの値と抑制関数frの値との関係に従い、阻止
信号を出力するかあるいは常時出力状態にある阻止信号
を消失させる比較手段と、前記比較手段の阻止信号によ
り動作を阻止するように制御される差動継電手段とより
なる差動継電装置であって、前記比較手段は阻止信号出
力手段あるいは阻止信号消失手段のいずれか一方からな
り、前記阻止信号出力手段は前記差動電流データDdの値
と前記抑制関数frの値との関係、 |Dd|<K1・fr+K2あるいは|Dd|<max(K1・fr,K2) が所定回数連続して成立したとき阻止信号を出力するも
のであり、前記阻止信号消失手段は、所定期間内で、前
記差動電流データDdの正の値で前記差動電流データDd
値と前記抑制関数frの値との関係、 Dd>K1・fr+K2あるいはDd>max(K1・fr,K2) が成立し、かつ前記差動電流データDdの負の値で前記差
動電流データDdの値と前記抑制関数frの値との関係、 Dd<−[K1・fr+K2]あるいはDd<−max(K1・fr,K2) が成立したとき常時出力状態にある阻止信号を消失させ
るよう構成した。 (作用) まず外部事故について説明する。外部事故で変流器が
飽和しない場合は、差動電流Idは極めて小さい値であ
り、差動電流データDdの大きさも極めて小さい。この
間、各端子を通過する事故電流によって、抑制関数fr
値は大きな値となる。したがって比較手段4によって差
動継電手段5の動作が阻止される。 次に外部事故で変流器が飽和する場合について説明す
る。この場合は後述するように1サイクルに1度は差動
電流データDdの大きさが連続して抑制関数frの値に対し
て著しく小さな値となり、この期間に比較手段4に阻止
出力が得られ、この阻止出力は1サイクル程度以上保持
されるので、差動継電手段5の動作が阻止される。 (実施例) 以下図面を参照して実施例を説明するが、先ず本発明
の基本的な考え方を説明する。本発明は、差動保護を行
なう保護区間各端子より得られた電流に比例した電気量
を、所定サンプル間隔θでサンプルしてデジタルデー
タに変換し、そのデジタルデータを処理した結果により
動作出力を生ずる通常のデジタル演算形継電器をハード
機構として用い、以下に述べるような処理を行なうこと
によって前記した問題点を解決しようとするものであ
る。 その処理内容を図面を用いて説明する。第1図は本発
明の処理の基本構成を示す図である。すなわち、処理1
に示す差動電流データ算出手段で、保護区間各端子電流
より得られたデータDj(j=1〜nでnは各端子電流の
数)の値を加算し、差動電流データDdの値を算出する。
また、処理2の抑制データ算出手段で同一時刻にサンプ
ルされた各端子電流データDjを用いて抑制データDrを算
出し、処理3の抑制関数算出手段でサンプル時刻の異な
る複数の所定個数pの抑制データDrを用いて抑制関数fr
の値を算出する。次いで、処理4の比較手段で差動電流
データDdの値と抑制関数frの値とを比較し、差動電流デ
ータDdの値が抑制関数frの値に対して所定の関係にある
ときこの比較手段に阻止出力(阻止信号S2または阻止関
数f(s)を生じさせる。処理5の差動継電手段は処理
4の比較手段の阻止出力により動作を阻止するように制
御され、阻止出力が無いとき動作し得るようにする。 以上の処理2〜処理5の概要を以下に説明する。 処理2の抑制データ算出手段は同一時刻にサンプルさ
れた各端子電流データDjを用いて抑制データDrを算出す
るもので、その例を以下に示す。 Dr=max(|Djm|) ……(2) 上記(2)式は|Djm|のうちの最大値を意味する。 上記は1つの抑制データDrを算出するものであり、
(1)式は各端子電流データDj(但しDjは各端子電流デ
ータD1,D2…Djの各々を示す)の絶対値の和であり、
(2)式は各端子電流データDjの絶対値の最大値であ
る。 また、抑制データDrを次の例に示すように2つの抑制
データDr1およびDr2とすることができる。 上記(4)式のうちのDr1は(Djのうちの最大値
を、又、Dr2は(Djのうちの最小値を意味する。 但し、(Djは各端子電流データDjのうちの負のも
ののみ値を零に修正したものであり、(Djは正のも
ののみ値を零に修正した各端子電流データDjの値であ
る。ここで値を零に修正するとは、各端子電流データDj
の内例えば、負値のデータを(零に置換)したデータを
(Djとここでは呼んでいる。なお、修正とは置換と
同義で使用している。即ち、(Djのデータは零また
は正数であり、(Djのデータは零または負数とな
る。 上記の(3)式では、Dr1は各端子電流データDjの正
のものの和であり、Dr2は各端子電流データDjの負のも
のの和である。また、(4)式ではDr1は零と各端子電
流データDjの各々の値の最大値であり、DR2は零と各端
子電流データDjの各々の値の最小値(最も負方向にある
値)である。 抑制データDrは更に多いものとすることができ、その
例を以下に示す。 Dr1=D1,Dr2=D2…Drn=Dn ……(5) (5)式は各端子電流データDj(=D1,D2…Dn)の全
てを抑制データDr1,Dr2…Drnとして利用するものであ
る。(5)式を採用した場合には、処理3が不要になる
が、この場合も本発明に含まれるものとする。(6)式
の抑制データDr1,Dr2…Drlは各々複数の端子電流データ
Djを、例えばDr1=D1+D2,Dr2=D3+D4というように加
算した値であり、Dr(l+1),Dr(l+2)……Dr(l+k)は端子電
流データDjをそのまま用いるものである。 (1)〜(6)式の抑制データは、いずれを用いても
目的を達することができる。また、外部事故で保護区間
を通過する電流の値が大きいとき、大きくなる範囲で他
の式とすることも可能である。 処理3の抑制関数算出手段は所定サンプル間隔θ
サンプル時刻の異なる所定個数p(p>2)の抑制デー
タDrの相互の差を用いて、抑制関数frの値を算出するも
のである。抑制関数frの例を先ず抑制データDrが1つの
場合、即ち(1)または(2)式の場合について示す。 fr=|max(Drm,Dr(m-1),…Dr(m-p+2))−min(Drm,D
r(m-1),…Dr(m-p+2))| ……(7) 上記(7)式はサンプル時刻の異なる複数の所定個数
の抑制データDrの最大値と最小値の差の絶対値であるこ
とを示す。 fr=|Srm|+|Sr(m-1)|+…|Sr(m-P+2)| ……(8) fr=max(|Srm|,|Sr(m-1)|,…|Sr(m-P+2)|)……(9) 上記(9)式はサンプル時刻の異なる複数の所定個数
の抑制データDrのサンプル時刻の隣接する2つのデータ
の差の絶対値のうちの最大値であることを示す。 であり、Drm,Dr(m-1)…Dr(m-p+1)は各々、最新、最新よ
り1つ前および最新より(p−1)回前のサンプル時の
抑制データDrの値である。 上記で(7)式は所定個数の抑制データDrの最大値と
最小値の差の絶対値を抑制関数frとするものであり、
(8)および(9)式はサンプル時刻の隣接する抑制デ
ータDrの差の絶対値の各々和または最大値を抑制関数fr
とするものである。これらの(7),(8)および
(9)式は(1)または(2)式の抑制データDrに対し
て、いずれを用いても目的を達し得る。 次に抑制データDrが複数の場合すなわち(3),
(4)(5)または(6)式の場合の抑制関数frの例を
示す。 fr=fr1+fr2+… ……(11) fr=max(fr1,fr2,…) ……(12) 上記(12)式は各々サンプル時刻の異なる第1,第2等
の抑制データより求めた補助関数のうちの最大値を意味
する。 但し、fr1,fr2…は各々サンプル時刻の異なる第1,第
2,…の抑制データDr1,Dr2…より求めた第1,第2…の補
助関数であり、その例を第1の補助関数fr1について示
す。 fr1=|max(Dr1m,Dr1(m-1),…Dr1(m-p+1))−min
(Dr1m,Dr1(m-1),…Dr1(m-p+1))| ……(13) 上記(13)式は複数の抑制データDr1,Dr2,…の各々ご
とのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のエータの最
大値と最小値の差の絶対値を意味する。 Fr1=|Sr1m|+|Sr1(m-1)|+…+|Sr(m-p+2)|……(14) fr1=max(|Sr1m|,|Sr1(m-1)|,…|Sr1(m-p+2)| ……(15) 上記(15)式はサンプル時刻の異なる複数の所定個数
の抑制データDrのサンプル時刻の隣接する2つのデータ
の差の絶対値のうちの最大値であることを意味する。 であり、Dr1m,Dr1(m-1)…Dr(m-p+1)は各々最新、最新よ
り1つ前および最新より(p−1)回前のサンプル時の
抑制データDr1の値であり、第2以下の補助関数fr2…は
各々第2以下の抑制データDr2…を用いて、(13),(1
4)または(15)式と同様の演算を行なう。 処理4の比較手段は差動電流データDdの値と抑制関数
frの値を比較するもので、一般には、後述の手段により
阻止信号S2を生ずるようにする。 即ち、本発明の第1の方式(阻止信号出力手段、以下
同じ)の場合は、次式の条件が複数回連続して成立した
とき、阻止信号S2を生ずる。 |Dd|<K1・fr+K2 ……(17) |Dd|<max(K1・fr,K2) ……(18) 上記(18)式の右辺は、K1・frとK2のうちのいずれか
大きいものを意味する。 但し、K1およびK2は正の定数である。(17)または
(18)式のいずれかを用いて、差動電流Ddの大きさが、
抑制関数frの大きさに対して所定の関係より大きいこと
が検出される。 また、本発明の第2の方式(阻止信号消失手段、以下
同じ)の場合は、次式の条件がともに成立することが認
識されたとき阻止信号S2を消失させる。 Dd>K1・fr+K2(又はmax(K1・fr,K2)) ……(19) (19)式の右辺は、(K1・fr+K2)か、又はK1・fr
K2のうちのいずれか大きいものを意味する。 Dd<−[K1・fr+K2(又はmax(K1・fr,K2))] ……(20) (20)式の右辺は、(K1・fr+K2)か、又はK1・fr
K2のうちのいずれか大きいものを意味する。 上式で、(19)式はデータDdの値が正で且つ大きさが
抑制関数frの大きさに対して大きい状態にあることを検
出するものであり、(20)式はデータDdの値が負で且つ
大きさが抑制関数frの大きさに対して大きい状態にある
ことを検出する。両式が異なる時刻に成立することを検
出することで、前記2つの条件が共に成立することが認
識される。 また阻止出力は前記の阻止信号S2のみでなく、次式の
阻止関数f(s)の値を出力する場合もある。 f(s)=K1・fr−fd ……(21) 但しf(d)は、データDdの関数であり差動関数と称
する。 尚、この阻止出力は1サイクル程度以上の期間保持さ
れる。また、(17)〜(21)式は、前述の抑制関数fr
前述のように全て差の絶対値などで正の値で算出する場
合のものである。もし各関数の値が差そのものであり、
負の値が含まれるときは、各関数の大きさ、即ち絶対値
を用いて(17)〜(21)式を適用するようにする。 処理5の差動継電手段は一般には従来の差動継電器の
差動継電手段と同様のものを使用する。従来の差動継電
手段は差動電流データDdより得られた動作量f(o)が
一定値、または各端子電流データDjより得られた値に比
例的関係にある値の抑制量f(b)より大きくなったと
き動作するものである。その手段は例えば特開昭59−20
4421号などで公知であるので、詳細な説明を省略する。 このような差動継電手段の動作を比較手段の阻止出力
により阻止するように制御する手段は種々あり、その例
を次に示す。 (i) 差動継電手段の動作出力発生を阻止信号S2によ
り禁止する。 (ii) 動作量f(o)の値を阻止信号S2により零また
は動作不能となるような小さな値とする。 (iii) 抑制量f(b)の値を阻止信号S2により動作
不能となるような大きな値とする。 (iv) 阻止関数f(s)の値が正のとき、抑制量f
(b)に阻止関数f(s)による抑制を追加する。 また、本発明の場合は、差動継電手段は従来のように
差動電流データDdを使用するものではなく、(17)また
は(18)式が不成立となってから所定期間(例えば1サ
イクル)経過したことまたは(19)および(20)式がと
もに成立することが認識されたときのみを検出して動作
するようなものとすることもでき、このようにしても目
的を達し得るものである。 上記で抑制関数算出手段の所定サンプル間隔θは原
データの所定サンプル間隔θと必らずしも等しくする
必要は無く、例えばθ=2θd=3θなどとし
て原データをとびとびに使用することが可能である。 (作用) 本発明の第1の方式の作用を阻止信号S2を用いる場合
について図面を用いてまず外部事故について説明する。
外部事故で変流器が飽和しない場合は、差動電流Idは極
めて小さい値であり、差動電流データDdの大きさも極め
て小さい。この間、各端子を通過する事故電流によっ
て、抑制関数frの値は前述の(7)〜(12)式のいずれ
のものを用いても大きな値となる。したがって比較手段
4で(17)または(18)式が成立するかまたは(21)式
の阻止関数f(s)が正の大きな値となって差動継電手
段5の動作が阻止される。 次に外部事故で変流器が飽和する場合について説明す
る。この場合は後述するように1サイクルに1度は差動
電流データDdの大きさが連続して抑制関数frの値に対し
て著しく小さな値となり、この期間に比較手段4に阻止
出力が得られ、この阻止出力は1サイクル程度以上保持
されるので、差動継電手段5の動作が阻止される。この
1サイクルに1度はデータDdの大きさが連続して抑制関
数frの値に対して著しく小さな値となる現象を以下に説
明する。 第4図は外部事故時に事故電流が1つの端子より流出
しその端子の変流器が直流分により苛酷に飽和し、流入
する端子の変流器が飽和しなかった場合の電流波形と本
発明の装置の応動との例を示す図である。図でIi,Io
よびIdは各々流入端子の変流器の二次電流の和、流出端
子の変流器二次電流および差動電流の波形である。電流
Ioは比較の便のため正負の極性を逆にし−Ioで示してあ
る。この電流−Ioは本来ならば電流Iiと等しいものであ
るが、飽和のため図示の波形となっている。この飽和の
ため差動電流Idの波形は図示となるが、1サイクルに1
度は現われる変流器の非飽和期間である時刻t1,t2,t3
よびt4では差動電流Idの大きさは小さい。 図示の電流波形でのデータDdと抑制関数frの例を各々
実線および破線で図示する。この例は所定サンプル間隔
θを電力系統周波数の正弦波形の30゜とし所定サンプ
ル数pを3とし、(以下特記しない限りすべてこの値で
説明する)抑制データDrおよび抑制関数frを各々(1)
式および(7)式とした場合を示すものである。 データDdの値は、図示のように事故開始前には殆んど
零であり、この状態は時刻t1の変流器の非飽和期間末期
まで続く。また、データDdの値は時刻t2,t3およびt4
非飽和期間ごとに著しく小さな値となる。これらの非飽
和期間には図示のように電流Iiおよび−Ioの変化が大き
く、前記の非飽和期間の後期には抑制関数frの値がデー
タDdの大きさに対して著しく大きな値となる。このとき
(17)および(18)式の定数K1の値を適当に選べば(1
7)および(18)式が継続して成立し阻止信号S2が確実
に得られる。 以上のようにして、事故発生前から時刻t1の末期まで
とその後1サイクルに1度は現われる時刻t2,t3およびt
4の変流器の非飽和期間毎に阻止出力が得られる。図に
は定数K1を0.3、定数K2を著しく小さな値とし(17)ま
たは(18)式が3回続いて成立したとき阻止信号S2を生
ずるようにしたときの阻止信号S2の発生状況を示す。 次に抑制関数frを前記と変えた場合の各々の値の様相
および定数K1およびK2を前記と同様とした場合の信号S2
の発生状況を、第4図の時刻t2付近の期間(変流器の非
飽和期間が短く最も阻止出力が生じにくい状態にある)
について第5図〜第9図に示す。各図は抑制データDr
よび抑制関数frを各々下記のようにした場合である。
尚、下記では補助関数についてfr1のみを示したが、fr2
以下の他の補助関数もfr1と同様の演算式としている。 抑制データ 抑制関数 補助関数 Dr fr fr1 第5図 (1)式 (8)式 − 第6図 (1)式 (9)式 − 第7図 (3)式 (11)式 (13)式 第8図 (3)式 (12)式 (13)式 第9図 (5)式 (11)式 (13)式 いずれの場合も、時刻t2にはデータDdの大きさは著し
く小さな値となり、この時抑制関数frの値はデータDd
大きさに対して継続して著しく大きな値となるため、阻
止出力が確実に得られ、これが他の非飽和期間にも繰り
返される。 尚、各図で第5図および第6図は抑制データDrを第4
図と同様としたまま、抑制関数frを(8)または(9)
式に変えた場合を示し、第7図〜第9図は抑制データDr
および抑制関数frを変えたものである。第7図〜第9図
のものの補助関数fr1ほかを(14)または(15)式に変
えても、図示は省略するが同様に阻止出力が確実に得ら
れる。 すなわち、所定個数pが3の場合、(14)式の値は
(13)式の値の1〜2倍の範囲であり、(15)式の値は
(13)式の値の1/2〜1倍の範囲にあり、第7図または
第9図の抑制関数frの値がこの範囲で変化しても定数K1
を0.3程度としておけば確実に阻止出力が得られる。 以上で、抑制データDrを(2),(4)または(6)
式とした場合の抑制関数frの波形の例は図示を省略した
が、これについて説明する。一般の適用の場合、外部事
故で第4図に図示するような変流器の著しい飽和が発生
するのは事故電流が1端子より流出する場合に限定され
る。この場合、流出端子の電流は第4図の電流−Ioの符
号を変えたものと同様となり、各端子電流の絶対値の最
大値は電流−Ioの絶対値より小さくなることはない。こ
こで変流器の非飽和期間たとえば時刻t2に着目すると、
(2)式の各端子電流データDjの絶対値の最大値は
(1)式の各端子電流データDjの絶対値の和の1/2より
小さくなることは無い。したがって、抑制データDr
(2)式とした場合の非飽和期間後期の抑制関数frの値
は抑制データDrを(1)式とした場合の値の1/2より小
さくなることは無い。第4図〜第6図の非飽和期間後期
の抑制関数frの値は電流データDdの値に対して十分大き
な値であり、定数K1を0.3程度としたとき図示の抑制関
数frの値が1/2になっても確実に阻止出力を生ずること
ができ、抑制データDrを(2)式としても十分に阻止出
力を生じ得るものである。 また、抑制データDr1およびDr2を(4)式とした場合
の非飽和期間後期の抑制関数frの値も、抑制データDr1
およびDr2を(3)式とした場合の1/2より小さくなるこ
とは無く、確実に阻止出力を生ずることができる。 (6)式の抑制データDrは各端子電流データDjを一部
の端子のものでは各端子電流データを加算して抑制デー
タDr1〜Drlとして使用し、残りの端子では各端子電流デ
ータをそのまま抑制データDr(l+1)〜Dr(l+k)で使用する
ものであるが、通常データを加算するのは非電源端子
(端子の向う側に電源の無い端子)またはこれに準ずる
端子に限られる。非電源端子の電流はその端子の外部に
事故が無い限り著しく小さな値であるので、加算した端
子の外部に事故が無いときは加算した場合も加算しない
場合も抑制関数frに対する寄与は殆んど無い。また加算
した端子の外部に事故がある場合は、非電源端子の電流
は流出電流以外のものは無視可能であるため加算したデ
ータの波形は個個のデータの波形とほぼ同様である。し
たがって、各端子のデータを加算した後、抑制関数fr
値を求めてもその値は各端子個々のデータから求めた抑
制関数frの値とほぼ同様となる。 このような関係から、非電源端子のデータを加算する
限りに於て、(6)式の抑制データDrを使用しても
(5)式の抑制データDrを使用した第9図の場合も同様
に応動する。 以上のように(1)〜(15)式で述べた抑制データDr
および抑制関数frのいずれを用いても、変流器飽和を伴
なった外部事故で十分阻止出力を生じ得るものである。 次に内部事故時の応動を説明する。第10図〜第13図に
内部事故時の種々の差動電流Idの波形に対する差動電流
データDdと抑制関数frの値の様相を示す。各図は差動電
流Idの波形、抑制データDr、抑制関数frおよび補助関数
fr1を下記のようにした場合である。 Idの波形 抑制データ 抑制関数 補助関数 Dr fr fr1 第10図 図 示 (1)式 (8)式 − 第11図 図 示 (1)式 (8)式 − 第12図 第10図 (3)式 (11)式 (14)式 第13図 第11図 (3)式 (12)式 (14)式 第10図の差動電流Idの波形は、流入端子の変流器がす
べて飽和しない場合の例であり、正弦波形の交流電流に
減衰する直流分が重畳するものとなっている。流入各端
子の電流は各々ほぼ同位相であるため、差動電流Idとほ
ぼ同様の波形であり振巾がIdより小さいものとなってい
る。 第11図の差動電流Idの波形は、事故電流が1端子のみ
より流入しその端子の変流器が著しく飽和した場合の例
である。他の端子よりの事故電流の流入は無い。 第10図〜第11図の抑制関数frは、前記のように全て抑
制データDrを(1)式、抑制関数frを(8)式とした場
合のもので、抑制関数frの値は差動電流データDdの大き
さに対して十分大きくなることが3回続くことは無く、
(17)または(18)式の定数K1の値を0.3程度としてお
けば阻止出力S2を生ずることは無い。 第12図および第13図は各々第10図および第11図に対し
て、抑制データ、抑制関数および補助関数を前記のよう
に変更したものである。いずれの場合も抑制関数frの値
が3回続けて抑制データDdの大きさより十分大きくなる
ことが無く、阻止出力S2を生ずることは無い。 次に、図示を省略した抑制データ、抑制関数および補
正関数の場合について以下に説明する。第12図および第
13図の場合、(14)式の補助関数の値に対して、(13)
式または(15)式の補助関数の値が大きくなることはな
い。また、(11)式の抑制関数の値に対して(12)式の
抑制関数の値が大きくなることはない。従って、(13)
または(15)式の補助関数または(12)式の抑制関数を
用いても、抑制関数frの値が第12図および第13図の場合
より大きくなることはない。 また、補助関数を(14)式、抑制関数を(11)式とし
た場合、抑制データを(3)式としたときの抑制関数fr
の値に対して、抑制データを(4),(5)または
(6)式とした抑制関数frの値が大きくなることはな
い。 したがって(4),(5)または(6)式の抑制デー
タ、(12)式の抑制関数、もしくは(13)または(15)
式の補助関数を用いても、抑制関数frの値は第12図およ
び第13図で図示の値より大きくなることは無く、阻止信
号S2を生ずることは無い。 また、第10図および第11図の場合、(7)式および
(9)式の抑制関数frの値は(8)式の抑制関数frの値
より大きくなることは無く、また(2)式の抑制データ
を用いて算出した(8)の式の抑制関数frの値は、
(1)式の抑制データを用いて算出した(8)式の抑制
関数frの値より大きくなることは無い。したがって、
(7)または(9)式の抑制関数または(2)式の抑制
データを用いても、第10図および第11図で抑制関数fr
値が図示より大きくなることは無く、阻止信号S2を生ず
ることは無い。 最後に外部事故から内部事故に移行した第3図の場合
を説明する。図の場合、差動電流Idは電流IIとIoの和で
あり、電流Ioの変化は僅かであるため、電流のIoの抑制
関数frの値への影響は催かである。したがって抑制関数
frの値は電流Iiによって定まり、電流Idの値が小さい間
は電流Iiの変化は僅かである。このため抑制関数frの値
が差動電流データDdの大きさに対して十分大きいこと
が、阻止信号S2を生ずるような期間継続することは無
く、一般の内部事故と同様に阻止信号S2を生ずることが
無い。 以上のように本発明の第1の方式は、外部事故で変流
器が飽和したときには、差動電流データDdの大きさが小
さいことが継続し、且つこの継続期間には抑制データDr
の変化が大きい現象を利用して、阻止信号S2を生ずるよ
うにし、内部事故で差動電流データDdの大きさが比較的
小さいことが継続するときには、抑制データDrの変化が
小さいことを利用して、阻止信号を生じないようにした
ものである。 次に本発明の第2の方式の作用を説明する。第2の方
式で、(19)および(20)式の定数K1およびK2、ならび
に抑制関数frの値を前述の第1の方式の場合と全く同様
にすると、第4図〜第13図で、(17)または(18)式が
成立する期間は(19)および(20)式がいずれも成立す
ることはなく、他の期間は(19)または(20)式のいず
れか一方のみが成立する。 外部事故の第4図〜第9図の場合は、差動電流データ
Ddの値は正または負の一方のみであり、(19)または
(20)式の一方のみが成立する。従って(19)および
(20)式の条件がともに成立することが認識されること
が無く、阻止信号S2を消失することが無い。 第14図は差動電流データDdおよび抑制関数frの値が第
7図と同様の場合における以上の関係を図示するもの
で、差動電流データDdの大きさが小さいとき、抑制関数
frの値が十分な値であり、(20)式が成立しないための
余裕が十分にある。 差動電流データDdと抑制関数frの値が第12図および第
13図と同様の場合の内部事故に於ける、第2の方式の応
動を各々第15図および第16図に示す。この場合は、差動
電流データDdの値が正および負のピークにあるとき、抑
制関数frの値が十分の値ではなく、(19)式および(2
0)式が前後して成立する。阻止信号S2は両式の成立が
認識された時点で消失する。 以上述べたように本発明の第1の方式は変流器に苛酷
な飽和を生じても外部事故時には確実に阻止出力が得ら
れ、内部事故には確実に阻止出力を生じないものであ
り、これにより内部事故を確実に識別して保護し得るよ
うにするものである。 また、第2の方式は外部事故時には確実に阻止出力を
消失することなく、内部事故時には確実に阻止出力を消
失するようにするものであり、内部事故を確実に保護し
得るものである。 〔第1の実施例〕 第17図は本発明の第1の実施例のハード構成を示すブ
ロック図である。図で、Bは保護される母線、CB1,CB2,
CB3およびCBnは母線の各端子に設けられるしゃ断器、CT
1,CT2,CT3およびCTnは母線の各端子電流Ip1〜Ipnを入力
するための変流器、CV1,CV2,CV3およびCVnは入力変換
器、DAUはデータ取得器、CPUは処理装置、OVは出力装置
である。各変流器CT1〜CTnの二次電流は入力変換器CV1
〜CVnに加えられ、二次電流Is1〜Isnに比例する電気量E
1〜Enを生ずる。データ取得器DAUは電気量E1〜Enを同一
時刻に所定時間間隔でサンプルし、その値をデジタルデ
ータに変換し各端子電流データDj(j=1〜n)を取得
する。処理装置CPUはこの各端子電流データDjを用いて
演算処理し、動作条件にあれば動作信号S1を生ずる。出
力装置OUは動作信号S1があるとき動作出力Eoを生ずる。 第18図は本実施例の処理の構成を示す図である。まず
処理6でデータDjを取り込み最新のサンプルデータDjm
として記憶する。続いて処理7でデータDjmを用いて、
基礎データとして差動電流データDdおよび抑制データDr
の最新のサンプル時のデータDdmおよびDrmを次式により
算出し記憶する。 但し、D1m,D2m,D3mおよびDnmは、データDjmの各端子
ごとのデータである。 これらの基礎データを作成した後に、処理8で抑制関
数frを(7)式に従い算出する。この処理の後、処理9
の比較手段の処理を行ない、さらに処理10の差動継電手
段の処理を行なう。これらの処理の後、処理11でデータ
の書き換えを行ない処理6に戻る。処理11での書き換え
処理の例を、サンプル間隔θおよびθをともに30゜
とした場合について示す。(以下特に付記しない場合は
θ=θ=30゜として説明する。) Djm→X ……(23) Ddm→Dd(m-1),Dd(m-1)→Dd(m-2),…Dd(m-d+1)→Dd(m-d)
Dd(m-d)→X ……(24) Drm→Dr(m-1),Dr(m-1)→Dr(m-2)…Dr(m-r+1)→Dr(m-r)D
r(m-r)→X ……(25) 但し、各式でXはデータを破棄することを意味し、d
およびrは正の整数の定数である。 定数dおよびrの値は処理9および10の処理内容によ
り異なるが、本実施例の場合はd=6,r=12とし、各々
半サイクル分および1サイクル分のデータを記憶する。 処理9の詳細を第19図に示す。先ず処理9−1で(1
7)または(18)式のいずれかの比較を行ない、(17)
または(18)式が成立すれば処理9−1の処理結果Yを
とし成立しないときはNとする。処理9−1の処理結果
がYであれば処理9−2でカウント値Cに1を算出し、
Nであれば処理9−3でカウント値Cを0に修正する。 続いて、処理9−4でカウント値Cの値を調べ、C=
2であれば、処理結果をYとし、2でなければ処理結果
をNとする。この処理結果がYであれば、処理9−5で
カウント値Cから1を減算し、処理9−6で信号S2を1
とする。処理9−4の処理結果がNであれば処理9−7
で信号S2を0とする。以上で処理9を終了する。 処理10の詳細を第20図に示す。まず処理10−1で信号
S2の状態を調べ、S2が0であれば処理10−2でカウント
値Cに1を加算しこの値を新なカウント値Cとする。S2
が1であれば処理10−3でカウント値Cを0に修正す
る。これらの処理の後、処理10−4でカウント値Cを調
べ、その値が12であれば処理10−5でカウント値Cから
1を減算して新なカウント値Cとした後処理10−6に移
る。次いで処理10−6で動作量f(o)を、処理10−7
で抑制量f(b)を算出する。更に処理10−8で動作量
f(o)と抑制量f(b)を比較し、動作条件にあれば
処理結果をYとし、動作条件になければ処理結果をNと
する。処理10−8の処理結果がYであれば処理10−9で
信号S1を1とする。処理10−4でカウント値Cが12でな
い場合および処理10−8で処理結果がNの場合は処理10
−10で信号S1を0とする。信号S1が1の場合には第17図
の出力装置OUに出力Eoを生じしゃ断が指令される。 以上で処理10−6〜10−8の処理は従来の差動継電器
で公知であるが、以下にその例を示す。処理10−6での
動作量f(o)および処理10−7での抑制量f(b)は
各々例えば次式で算出される。 f(b)=Drm,Dr(m-1)…Dr(m-11)の最大値 ……(27) (26)式は過去半サイクル間のデータDdの絶対値の和
であり、(29)式は過去1サイクル間の抑制データDr
最大値である。また、処理10−8では例えば次式の条件
が成立したとき動作条件とする。 f(0)≧K3・f(b)+K4(またはmax(K3・f
(b),K4)) ……(28) 但し、K3およびK4は正の定数である。 本実施例は本発明の第1の方式のもので、抑制データ
Drおよび抑制関数frを各々(1)および(7)式とし、
(17)または(18)式が成立したとき阻止信号S2を生ず
るようにし、阻止信号S2が生じたとき差動継電手段の動
作を禁止して信号S1を生じないようにしたものである。
信号S2は前述のように1サイクルごとにしか生じない
が、信号S2が1になったときは処理10−3でカウント値
Cを0とし、信号S2が0になってもカウント値Cは各サ
ンプルごとに1つずつ増加するのみである。このためカ
ウント値Cが12に達して処理10−4による差動継電手段
の禁止が解けるまでには1サイクルを要するので、外部
事故で差動継電手段が誤動作することは無い。 また、常時運転中は差動電流データDdは零であり、抑
制データDrは負荷電流により若干の値となっている。こ
れにより、(17)または(18)式が成立し、信号S2が1
となり、カウント値Cも0となっている。この状態で内
部事故が発生すると、信号S2は直ちに0となり、カウン
ト値Cが1サイクル後に12となって差動継電手段の動作
禁止が解かれ保護動作が行なわれる。 〔第2の実施例〕 第2の実施例は第1の実施例の処理10のみを変更する
ものであり、第21図に本実施例の処理10を示す。図で第
20図と同一部分は同一記号で示す。処理10−11は動作量
f(o)の値を零とする処理である。 先ず第20図と同様にして処理10−1〜10−4の処理を
行なう。カウント値Cが12の場合の処理10−4以降の処
理は第20図の場合と全く同様である。カウント値Cが12
に達していない場合は処理10−11で動作量f(o)を零
とした後、第20図と同様に処理10−7以後の処理を行な
う。 本実施はカウント値Cが12未満のとき、動作量f
(o)を零にすることによって、処理10−8の処理結果
がNとなるようにして信号S1を0とするものであり、こ
のとき信号S1が0となることは第1の実施例の場合と同
様である。またカウント値Cが12に達したときの処理は
第1の実施例の処理と同様である。したがって本実施例
の信号S1は第1図の実施例と全く同様に応動するもので
ある。 尚、カウント値Cが12のとき動作量f(o)を零とす
るのみでなく、十分小さな値に変更するか、または抑制
量f(b)を十分大きな値に変更することによって、処
理10−8の処理結果をNとなるようにすることも可能で
ある。この手段は、処理10−6の動作量f(o)の算出
値または処理10−7の抑制量f(b)の算出値を、カウ
ント値Cが12のとき変更するような手段を設けることに
よって実現できるので、簡単のため詳細な説明を省略す
る。 〔第3の実施例〕 第3の実施例は第1の実施例の処理10のみを変更する
ものであり、第22図に本実施例の処理を示す。図で第20
図と同一部分は同一記号で示す。 まず、第20図と同様にして処理10−1〜10−4を行な
う。カウント値Cが12のときは処理10−5でカウント値
Cから1を減算して新なカウント値Cとした後、信号S1
を1とする。カウント値Cが12未満のときは信号S1を0
とする。 本実施例の第1の実施例に対する相異はカウント値C
が12のとき、処理10−6〜10−8の処理を行なうことな
く、直接に信号S1を1とする点にある。この点について
説明する。 先に問題点を解決するための手段の項で述べたよう
に、信号S2は内部事故時には連続して0であり、このた
め内部事故発生後1サイクルを経過すればカウント値C
が12に達し、信号S1が1となる。 また、外部事故時には変流器が飽和したとしても信号
S2は1サイクルに1度は1となり、カウント値Cが12に
達することは無い。平常運転時には、差動電流Idは連続
して零であり、各端子電流Ijは負荷による電流となって
いる。この状態は変流器飽和の無い外部事故と同様で、
差関数f(d)の値は零であり、抑制関数frは負荷電流
による若干の値となる。たまたま各端子電流Ijがすべて
零となり抑制関数frの値が零となるようなことがあって
も、このときは差動電流Idも零であり差関数frの値も零
となる。いずれの場合も(17)または(18)式が連続し
て成立し、信号S2は連続して1となるため、カウント値
Cが12となることは無い。 以上のようにカウント値Cは内部事故でのみ12に達す
るので、信号S1は1となる。したがって本実施例は第1
の実施例と同様に適用し得るものである。 尚、本実施例と第1の実施例との中間的なものとして
(28)式を抑制量f(b)を零として適用することも可
能である。このものは第20図で処理10−7を省略して抑
制量f(b)を零として、第1の実施例を適用すれば良
いので、簡単のため詳細な説明を省略する。 〔第4の実施例〕 第4の実施例は第1の実施例の処理9,10および11を変
更するものであり、これについて説明する。 第23図は本実施例の処理9を示す図である。まず、処
理9−8で(21)式により阻止関数f(s)の値を算出
し、この値を処理9−9で最新の阻止関数の値f(s)
として記憶する。次に処理9−10でこのf(s)
値を調べ、もし負ならは処理9−11でf(s)の値を
零に修正し、零または正であれば修正しない。以上によ
り処理9を終了する。 上記の処理9−8で(21)式の差動関数f(d)は、
例えば次式で算出される。 f(d)=|Ddm|+|Dd(m-1)|+|Dd(m-2)| ……(29) (29)式は差動電流データDdの、最新の3個のデータ
の絶対値の和である。 本実施例の処理10を第24図に示す。図で第20図と同一
部分は同一記号で示す。先ず処理10−6および10−7で
動作量f(o)および抑制量f(b)の値を第1の実施
例の場合と同様に算出する。次いで処理10−12で次式に
より阻止量f(t)を算出する。 f(t)=f(s)m,f(s)(m-1),…f(s)(m-11)の最
大値(または和) ……(30) 但し、f(s)(m-1),…f(s)(m-11)は最新のサンプル
時より1…11回前のサンプル時の阻止関数f(s)の値
である。この値は過去1サイクル間の阻止関数f(s)
の値の最大値(または正のものの和)である。 さらに処理10−13の比較処理を行い、次式が成立すれ
ば処理結果をYとし成立しなければ処理結果をNとす
る。 f(o)≧K3f(b),K5f(t)およびK4の和(または
最大値) ……(31) 但し、K5は正の定数である。 処理10−13の処理結果がYであれば、処理10−9で信
号S1を1とし、Nであれば処理10−10で信号S1を0とし
て処理10を終了する。 処理11では阻止関数f(s)m,f(s)(m-1),…f
(s)(m-11)の値に対して他のデータの場合と同様な書
き換えが第1の実施例に追加される。 本実施例は、第1〜第3の実施例が阻止信号S2により
差動継電手段の誤動作を阻止したのに対して阻止関数f
(s)により誤動作を阻止しようとするものである。こ
れを図面を用いて説明する。 第25図は、第4図の波形の外部事故の時刻t2に於け
る、各関数の値の例である。図は差動関数f(d)が
(29)式、抑制関数frが(8)式(抑制データDr
(1)式)、阻止関数f(s)は(21)式で定数K1を0.
5とした場合である。 図で時刻t2には抑制関数frが差動関数f(d)に対し
て十分大きな値となっており、この期間に阻止関数f
(s)が正の値となる。阻止関数f(s)は1サイクル
ごとに正の値となるので、(30)式の阻止量f(t)は
連続して正の値に保たれる。これにより(31)式の定数
K5を十分大きな値としておけば(31)式が成立すること
は無く、処理10−13の処理結果がYとなって信号S1がL
となることは無い。 第26図および第27図は、内部事故で波形が各々第10図
および第11図となった場合の各関数の値の例である。図
は差動関数f(d)および(21)式の定数K1は第25図の
場合と同様に各々(29)式および0.5であるが、抑制関
数frは抑制データDrを(3)式、補助関数fr1を(14)
式として抑制関数frを(11)式としたものである。 各図で、抑制関数frの値が差動関数f(d)の値より
十分に大きくなることは無く、定数K1を0.5とした場
合、阻止関数f(s)は十分の余裕をもって正になるこ
とが無い。このため(31)式の定数K5を十分大きな値と
しても(31)式が成立し、信号S1が1となる。 上記で、第25図で用いた抑制関数frは第26図および第
27図で用いた抑制関数frより大きくなることはない。し
たがって、第25図では抑制関数frを小さ目にしても、抑
制関数frが差動関数f(d)に対して1サイクルに1度
は十分大きな値となることが示され、第26および第27図
では抑制関数frを大き目にしても、抑制関数frが差動関
数f(d)に対して、大分大きな値となることが無いこ
とが示されている。すなわち、両図に用いた、どの抑制
関数frを用いても、外部事故時の変流器飽和で誤動作す
ることなく、内部事故では確実に動作し得る。このよう
に阻止関数f(s)には前述の種々の抑制関係を使用し
得るものである。 差動関数f(d)は前述の(29)式のものに限定され
ず種々変形し得るものである。即ち、(29)式の差動関
数f(d)は、差動電流データDdの大きさが所定期間連
続して小さいとき小さな値となる関数である。したがっ
て(21)式の阻止関数f(s)は差動電流データDdの大
きさが抑制関数frの大きさに対して、十分に小さいこと
が所定期間連続したときのみ正となるものである。した
がって差動関数f(d)は差動電流データDdの大きさが
所定期間連続して小さいとき小さな値となる範囲で種々
変形実施することができる。このような差動関数f
(d)の例を次に示す。 f(d)=|Ddm|,|Dd(m-1)|,|Dd(m-2)|の最大値 ……(31) f(d)=|Ddm|と|Dd(m-1)|の和または最大値 ……(32) これらの差動関数f(d)は抑制関数frを適宜選定す
ることにより、(29)式の差動関数f(d)と同様に使
用し得るものである。 〔第5の実施例〕 第5の実施例は第1の実施例で処理9のみを変更する
ものでありこれについて説明する。 第28図は本実施例の処理9を示す図で、第19図および
第23図と同一部分は同一記号で示される。処理9−8で
第4の実施例と同様にして阻止関数f(s)の値を算出
し、処理9−12で阻止関数f(s)の値が正であれば処
理結果をYとし、正でなければ処理結果をNとする。処
理9−12の処理結果がYであれば、処理9−6で信号S2
を1とし、Nであれば処理9−7で信号S2を0とする。 以上のように本実施例は(21)式の阻止関数f(s)
の値が正のとき阻止信号S2を生じさせるようにしたほか
は第1の実施例と全く同様に実施するものである。第4
の実施例で述べたように、阻止関数f(s)の値は外部
事故では1サイクルに1度は正となり、内部事故の場合
は連続して正とはならない。即ち、本実施例は差動電流
データDdの大きさが所定期間連続して抑制関数frの大き
さに対して十分小さいことを、抑制関数frの値が差動関
数f(d)の値に対して十分に大きいことで検出し、阻
止信号S2を生じさせるものであり、第1の実施例と同様
の作用効果を有するものである。 〔第6の実施例〕 第6の実施例は第1の実施例に対して処理9のみを変
更するものであり、本発明の第2の方式に関する。これ
を説明する。 同29図は本実施の処理9を示す図で、第19図と同一部
分は同一記号で示される。まず処理9−13を行い、(1
9)式が成立すれば処理結果をYとし、成立しなければ
処理結果をNとする。この処理結果がNのときは、処理
9−14を行い(20)式が成立すれば処理結果をYとし、
成立しないときは処理結果をNとする。 処理9−13の処理結果がYのときは、処理9−15でカ
ウント値を7に修正し、更に処理9−16でカウント値
C′が1以上であれば、処理9−19でカウント値C″を
12に修正したうえ、処理9−7で信号S2を1とする。処
理9−14で処理結果がYのときは、処理9−17でカウン
ト値C′を7に修正し、更に処理9−18でカウント値C
が1以上であれば、処理9−19でカウント値C″を12に
修正したうえ、処理9−7で信号S2を1とする。 これらの条件以外の場合はすべて処理9−20を行い、
カウント値C″が1以上であれば処理9−20の処理結果
をYとし、1未満であれば処理9−6で信号S2を0とす
る。処理9−6または9−7のいずれかの後、処理9−
21でカウント値C,C′およびC″の各々より1を減算し
処理9を終了する。 本実施例の作用を説明する。処理9−13で(19)式が
成立した(または処理9−14で(20)式が成立した)
後、カウント値C(またはカウント値C′)が7から0
に減小する前に、(20)式(または(19)式)が成立し
たことで、(19)および(20)式の両式の条件がともに
成立することを認識する。この認識が行なわれると、カ
ウント値C″を12に修正したうえカウント値C″が1に
減小するまでの間、阻止信号S2を0とする。カウント値
C″が0になると阻止信号S2は1となる。 上記で、カウント値CまたはC′が7に修正された後
に遂次減算されて1に減小するまでの期間は、サンプル
間隔θおよびθが30゜であるので、半サイクルであ
る。従って、内部事故で(19)および(20)式の成立が
通常波形のピーク時にのみ検出される場合でも、(19)
または(20)式の一方の成立が検出されてからカウント
値CまたはC′が0に達する前に、(19)または(20)
式の他方の成立が検出され、(19)および(20)式の両
式の条件がともに成立することが認識され、阻止信号S2
が0となる。また、このような認識は1サイクルに2回
行なわれるので、カウント値C″が12から0に減小する
前にその認識が再び行われ、阻止信号S2は第15および第
16図のように0を継続する。外部事故時には第14図のよ
うに、(19)または(20)式の両式が成立することが無
く、阻止信号S2は1のままに保たれる。 〔第7の実施例〕 以上の各実施例は抑制データDrを(1)式、抑制関数
frを(7)式としたもののみについて説明した。これを
他のものとするものは前記の実施例より容易に実施し得
るので簡単のため詳細な説明を省略する。 すなわち、抑制データDrを(2),(3),(4),
(5)または(6)式とするには、各式のデータの算出
を処理7の基礎データ作成処理で行ない、且つこのデー
タを処理11のデータ書換え処理で第1の実施例と同様に
処理すれば良い。また、抑制関数frを(8)または
(9)式とするか、または(13),(14)または(15)
式の補助関数fr1などを用いて(11)または(12)式の
抑制関数frとするには、必要な抑制データDrを前記のよ
うに処理7で算出した後、補助関数fr1などと抑制関数f
rを処理8の関数算出処理で行なうようにすれば良い。 〔第8の実施例〕 第8の実施例は前記の各実施例に対してハード構成と
処理6および処理11を異ならせるものである。第30図に
本実施例のハード構成を示す。図で第17図と同一部分は
同一記号で示す。またCB,CTなどの主文字が同一で4,5,6
などの添字が異なるものは、同様の装置であることを示
す。PTは計器用変圧器、DFは差動回路である。 本実施例の前記までの実施例に対する相異は下記であ
る。 (i) 差動回路DFを構成し、差動電流Idを入力変換器
CVdで電気量Edに変換しデータ取得器DAUに加える。 (ii) 変換器CT5とCT6およびCT7とCT8の二次回路は各
々ごとに並列接続され、二次電流の和が各々入力変換器
CV5およびCV6に加えられて、電気量E5およびE6に変換さ
れデータ取得器DAUに加えられる。 以上の相異により、差動電流データDdは電気量Edより
直接取得される。したがって、前記までの実施例と異な
り、処理6では差動電流データDdの算出が省略される。 第1の実施例に対する処理の相異は以上である。 本実施例に於いては、電気量E1〜E6をデジタルデータ
に変換したデータD1〜D6が各端子電流データDjとして取
得され用いられる。データD5およびD6は各々2つの端子
の電流の和のデータであるが、このように一部の端子の
電流の和のデータを取得する場合も本発明では各端子電
流データと呼称する。 前記のデータD5およびD6のように一部端子の電流の和
のデータを各端子電流データDjとして取得するのは、原
則として非電源端子(またはこれに準ずる端子)の場合
のみに限られる。非電源端子の場合、その端子の外部に
事故が有り事故電流が流出する場合以外の事故時の電流
は他の端子の電流に対して無視可能である。従って事故
電流が流出する場合以外は、抑制関数frに対する寄与は
端子電流の個々のデータを用いても和のデータを用いて
も殆んど差はない。また、事故電流が流出する場合は、
和の電流の波形は個々の電流の波形とほぼ同様であるの
で、和の電流のデータを用いて得られる抑制関数frの値
は個々の電流のデータを用いて得られる抑制関数frの値
とほぼ同様となる。このような関係から、被保護区間の
情況に応じて一部端子の電流の和のデータを各端子電流
データDjとして取得しても、各端子電流データDjを個々
に取得する場合に対してほぼ同様の抑制関数frが得られ
るものであり、同様に適用し得るものである。 また、差動電流データDdを本実施例のように差動電流
Idより直接取得するのは、単に差動電流データDdの取得
手段を変更したのみである。 以上のように、各実施例のハード構成を第30図のよう
にしても第17図のハード構成の場合と全く同様に適用し
得るものである。 〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明は外部事故で変流器の飽和
を生じても誤動作する恐れが無く、内部事故では確実に
動作するものであり、また外部事故中に内部事故が起き
ても、動作の遅れを生ずる恐れが無いものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の基本構成を示す図、第2図は変流器が
飽和したときの電流波形を示す図、第3図は外部事故に
続く内部事故のときの電流波形を示す図、第4図は外部
事故時で変流器が飽和した場合の電流波形と本装置の応
動図、第5図〜第9図は抑制関数及びその他の条件を変
えた場合の応動図、第10図は内部事故で変流器が飽和し
ない場合の本発明の応動を示す図、第11図は内部事故で
事故電流が1端子のみに流れ且つ電流器が飽和した場合
の本発明の応動を示す図、第12図〜第16図は本発明の応
動を示す図、第17図は本発明の第1の実施例のハード構
成を示す図、第18図は本発明の第1の実施例の処理フロ
ーを示す図、第19図は本発明の第1の実施例の処理9の
詳細を示すフロー図、第20図は本発明の第1の実施例の
処理10の詳細を示すフロー図、第21図は本発明の第2の
実施例の処理10の詳細を示すフロー図、第22図は本発明
の第3の実施例の処理10の詳細を示すフロー図、第23図
は本発明の第4の実施例の処理9の詳細を示すフロー
図、第24図は本発明の第4の実施例の処理10の詳細を示
すフロー図、第25図〜第27図は本発明の第4の実施例の
応動を示す図、第28図は本発明の第5の実施例の処理9
の詳細を示すフロー図、第29図は本発明の第6の実施例
の処理9の詳細を示すフロー図、第30図は本発明の第8
の実施例のハード構成を示す図である。 B……母線、CB1〜CBn……遮断器 CT1〜CTn……変流器 CV1〜CVn,CVvおよびCVd……入力変換器 DAU……データ取得器、CPU……処理装置 OU……出力装置

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.各端子電流Ij(j=1〜n)を所定時間間隔でサン
    プルし、これをデジタルデータに変換して得られた各端
    子電流データDjを取得し、各端子電流データDjの同一サ
    ンプル時刻のデータより1つまたは複数の抑制データDr
    を作成する抑制データ作成手段と、前記各端子電流デー
    タDjを加算し差動電流データDdを作成するか、または各
    端子の差動電流Idを所定時間間隔でサンプルし、これを
    デジタルデータに変換して、差動電流データDdを作成す
    る差動電流データ作成手段と、サンプル時刻の異なる複
    数の所定個数の前記抑制データDrの相互の差を用いて抑
    制関数frの値を算出する抑制関数算出手段と、前記差動
    電流データDdの値と抑制関数frの値との関係に従い、阻
    止信号を出力するかあるいは常時出力状態にある阻止信
    号を消失させる比較手段と、前記比較手段の阻止信号に
    より動作を阻止するように制御される差動継電手段とよ
    りなる差動継電装置であって、前記比較手段は阻止信号
    出力手段あるいは阻止信号消失手段のいずれか一方から
    なり、前記阻止信号出力手段は前記差動電流データDd
    値と前記抑制関数frの値との関係、 |Dd|<K1・fr+K2あるいは|Dd|<max(K1・fr,K2) が所定回数連続して成立したとき阻止信号を出力するも
    のであり、前記阻止信号消失手段は、所定期間内で、前
    記差動電流データDdの正の値で前記差動電流データDd
    値と前記抑制関数frの値との関係、 Dd>K1・fr+K2あるいはDd>max(K1・fr,K2) が成立し、かつ前記差動電流データDdの負の値で前記差
    動電流データDdの値と前記抑制関数frの値との関係、 Dd<−[K1・fr+K2]あるいはDd<−max(K1・fr,K2) が成立したとき常時出力状態にある阻止信号を消失させ
    るものであることを特徴とする差動継電装置。 2.抑制データDrが、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、右辺は、各端子電流データDjの絶対値の和である
    ことを示す。 3.抑制データDrが、 Dr=max(|Dj|) であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、右辺は、各端子電流データDjの絶対値の最大値で
    あることを示す。 4.抑制データDrが、 の2つよりなることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の差動継電装置。 なお、Dr1は各端子電流データDjのうちの正のものの和
    である第1の抑制データ、Dr2は前記同様、負のものの
    和である第2の抑制データを示す。 5.抑制データDrが、下記第1の抑制データDr1と第2
    の抑制データDr2の2つよりなることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の差動継電装置。 Dr1=max(Dj Dr2=min(Dj なお、Dr1の右辺は零と各端子電流データDjの各々の値
    の最大値を、Dr2の右辺は零と各端子電流データDjの各
    々の最大値を示す。 6.抑制データDrが、Dr=Dr1,Dr2…Drnの夫々であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差動継電装
    置。 7.抑制データDrが、各端子電流データDjのうちの一部
    の特定端子のデータの加算値である下記l個のデータ
    と、 Dr1,Dr2…Drl 他の端子の個々のデータである下記k個のデータ Dr(l+1),Dr(l+2)…Dr(l+k) よりなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    差動継電装置。 8.抑制関数frが、 fr=|max(Drm,Dr(m-1),…Dr(m-q+1)) −min(Drm,Dr(m-1),…Dr(m-q+1))| であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、サンプル時刻の異なる複数の所定個
    数の抑制データDrの最大値と最小値の差の絶対値である
    ことを示す。 9.抑制関数frが、 fr=|Srm|+|Sr(m-1)|+……|Sr(m-P+2)| 但し、Srm=Drm−Dr(m-1) Sr(m-1)=Dr(m-1)−Dr(m-2) Sr(m-p+2)=Dr(m-p+2)−Dr(m-p+1) であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、サンプル時刻の異なる複数の所定個
    数の抑制データDrのサンプル時刻の隣接する2つのデー
    タの差の絶対値の和であることを示す。 10.抑制関数frが、 fr=max(|Sr1m|,|Sr1(m-1)|,……|Sr1(m-P+2) ) 但し、Sr1m=Dr1m−Dr1(m-1) Sr1(m-1)=Dr1(m-1)−Dr1(m-2) Sr1(m-P+2)=Dr1(m-p+2)−Dr1(m-p+1) であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、サンプル時刻の異なる複数の所定個
    数の抑制データDrのサンプル時刻の隣接する2つのデー
    タの差の絶対値のうちの最大値を示す。 11.抑制関数frが補助関数fr1,fr2…の和、fr=fr1+
    fr2…であり、且つこれらの補助関数frは複数の抑制デ
    ータDr1,Dr2…ごとに、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータの
    最大値と最小値の差の絶対値を示す。 12.制御関数frが補助関数fr1,fr2…の和、fr=fr1+
    fr2…であり、且つこれらの補助関数frは複数の抑制デ
    ータDr1,Dr2…ごとに、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータ中
    のサンプル時刻の隣接する2つのデータの値の差の絶対
    値の和であることを示す。 13.抑制関数frが補助関数fr1,fr2…の和、fr=fr1+
    fr2…であり、且つこれらの補助関数frは複数の前記抑
    制データDr1,Dr2…ごとに、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータ中
    のサンプル時刻の隣接する2つのデータの値の差の絶対
    値のうちの最大値であることを示す。 14.抑制関数frが補助関数fr1,fr2…の最大値、fr=m
    ax(fr1,fr2…)であり、且つこれらの補助関数frは複
    数の抑制データDr1,Dr2…ごとに、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータの
    最大値と最小値の差の絶対値を示す。 15.抑制関数frが補助関数fr1,fr2…の最大値、fr=m
    ax(fr1,fr2…)であり、且つこれらの補助関数frは複
    数の抑制データDr1,Dr2…ごとに、であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータ中
    のサンプル時刻の隣接する2つのデータの値の差の絶対
    値の和であることを示す。 16.抑制関数frが補助関数fr1,fr2…の最大値、fr=m
    ax(fr1,fr2…)であり、且つこれらの補助関数frは複
    数の前記抑制データDr1,Dr2…ごとに、 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の差
    動継電装置。 なお、frの右辺は、複数の抑制データDr1,Dr2…の各々
    ごとのサンプル時刻の異なる複数の所定個数のデータ中
    のサンプル時刻の隣接する2つのデータの値の差の絶対
    値のうちの最大値であることを示す。
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