JP2691902B2 - グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤及びう蝕予防口腔用組成物 - Google Patents

グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤及びう蝕予防口腔用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はう蝕予防口腔用組成物、すなわち練歯磨、マ
ウスウオッシュ、トローチなどの口腔用組成物等に添加
して、う蝕の原因となる歯垢形成を阻害する効果を付与
する事ができるグルコシルトランスフェラーゼ阻害活性
物質及びその製造法、並びに該グルコシルトランスフェ
ラーゼ阻害活性物質を有効成分とする各種のグルコシル
トランスフェラーゼ阻害剤に関する。
〔発明の背景〕
歯垢は、いわば歯牙表面に付着した細菌叢である。う
蝕原因歯であるストレプトコッカス.ミュータンス(St
reptococcus mutans)は、菌体外にグルコシルトランス
フェラーゼを分泌し、ショ糖から生成する水不溶性粘着
性のグルカンを合成する。更にこのグルカンを介して細
菌が有機酸を生産してう蝕歯の原因となる。従って、歯
垢形成の原因となる粘着性グルカンの生成を抑制する事
がう蝕の予防上重要な手段となる。そこでグルコシルト
ランスフェラーゼを阻害すればグルカンは生成しないと
考えられており、従来からグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害剤について種々の研究がなされてきた。しかしな
がら、未だ満足すべき効果を有するグルコシルトランス
フェラーゼ阻害剤は見出されていない。
従来のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤として
は、例えば特開昭58−121218号公報はグルコシルトラン
スフェラーゼ阻害作用を有する生薬エキスを必須成分と
するう触予防剤(特許請求の範囲第1項)を開示してお
り、生薬として具体的には、ウイキョウ、勺薬、ゲンチ
アナ、センソ、白朮、龍胆、黄連、センブリ及び黄今を
挙げている。またその他のグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害剤としては、特開昭59−152313号公報に開示され
ているモクマオウ、及びオオバヤシャブシからの抽出物
や、特開昭59−152311号公報に開示されている縮合型タ
ンニン等を挙げる事ができる。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、新規なグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害物質、特に歯垢の生成を効果的に抑制することが
できるグルコシルトランスフェラーゼ阻害活性物質及び
その製造法、並びにグルコシルトランスフェラーゼ阻害
剤及びう蝕予防口腔用組成物を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明者は、グルコシルトランスフェラーゼを効果的
に阻害する物質を見出すべく鋭意研究を行った結果、あ
る種の海藻の抽出物がグルコシルトランスフェラーゼの
阻害に極めて有効であることを発見し、本発明を完成す
るに至った。
本発明は、紅藻類植物の水抽出物及び褐藻類植物の水
抽出物からなる群より選ばれるグルコシルトランスフェ
ラーゼ阻害活性物質を提供するものである。
また本発明は、紅藻類植物及び褐藻類植物からなる群
より選ばれる少なくとも1種を次亜塩素酸を用いて処理
した後、水抽出することを特徴とする該グルコシルトラ
ンスフェラーゼ阻害活性物質の製造法を提供するもので
ある。
また本発明は、紅藻類植物及び褐藻類植物からなる群
より選ばれる少なくとも1種を次亜塩素酸水溶液を用い
て水抽出することを特徴とする該グルコシルトランスフ
ェラーゼ阻害活性物質の製造法を提供するものである。
更に本発明は、該グルコシルトランスフェラーゼ阻害
活性物質の少なくとも1種を有効成分とするグルコシル
トランスフェラーゼ阻害剤を提供するものである。
更に本発明は、該グルコシルトランスフェラーゼ阻害
活性物質の少なくとも1種を有効成分とするう蝕予防口
腔用組成物を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
i)原 料 本発明のグルコシルトランスフェラーゼ阻害物質の抽
出原料となりうるものは、紅藻類植物及び褐藻類植物か
らなる群より選ばれる少なくとも1種である。以下にこ
れらの具体例を列挙する。
紅藻類植物 紅藻類植物としては、原始紅藻類のイデユコゴメ目、
チノリモ目、ベニミドロ目、ウシケノリ目、オオイシソ
ウ目、真正紅藻類のウミゾウメン目、テングサ目、カク
レイト目、スギノリ目等に属する植物を挙げることがで
きる。
これらの中で、ホオノオ、ヒカゲノイト、ベニスナ
ゴ、ススカケベニ、オオムラグサ、ミリン、トサカノ
リ、ユカリ、イバラノリ、アツバノリ、イソダンツウ、
オゴノリ、イタニグサ、スギノリ、アカバギンナンソ
ウ、ツノマタ等のスギノリ目の植物が好ましく、特にオ
ゴノリは経済性及び効果の面から好ましい。
褐藻類植物 褐藻類植物としては、シオミドロ目、ナガマツモ目、
ウイキョウモ目、カヤモノリ目、ムチモ目、ケヤリモ
目、ウルシグサ目、コンブ目、チロプテリス目、クロガ
シラ目、アミジグサ目、ヒバマタ目等に属する植物を挙
げることができる。
これらの中で、ヒバマタ、エゾイシゲ、ヤバネモク、
ジョロモク、ラッパモク、ヒジキ、ホンダワラ等のヒバ
マタ目の植物が好ましく、特にヒジキは経済性及び効果
の面から好ましい。
更に、ツルモ、スジメ、アナメ、キクイシコンブ、ネ
コアシコンブ、トロロコンブ、マコンブ、アントクメ、
アラメ、カジメ、チガイソ、ワカメ等のコンブ目の植物
も好ましく、特にアラメは経済性及び効果の面から好ま
しい。
本発明で上記の植物を抽出の原料として用いる場合
は、抽出しやすいように乾燥品状態でない物を用いる事
が好ましい。また乾燥品でも粉末状のものは、たやすく
水を吸収し、抽出処理も迅速に行うことができるので好
ましい。
ii)次亜塩素酸による前処理 本発明においては、上記原料の水抽出を行うに先立っ
て原料を次亜塩素酸で処理することが好ましい。他の脱
色剤で処理した場合や前処理を全く行わなかった場合に
比べて、この次亜塩素酸による前処理を行った場合に
は、本発明の阻害活性物質のグルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害効果は飛躍的に向上する。
この次亜塩素酸による前処理は、一般に次亜塩素酸を
含む溶液中に原料を好ましくは1〜10時間浸漬し、脱色
することによって行うことが出来る。その際の温度は室
温でよく、次亜塩素酸の濃度は、0.01〜1.0%が好まし
い。次亜塩素酸を含む溶液は、水に次亜塩素酸のアルカ
リ金属塩等を溶解することによって製造される。好まし
くは次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウムを用い
ることができる。
iii)水抽出処理 上記の前処理を行った後、原料を水に浸漬して抽出を
行うと、本発明の水抽出物を得ることができる。
本発明において水抽出に用いる水とは、純水に限らず
各種の水溶性物質を溶解した水を含む。水溶性物質とし
ては、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質が好ましい
が、酸性物質でも良い。但し効果及び経済性の面から考
えると単なる水を用いることが最も好ましい。また、こ
こで水として次亜塩素酸を含む水溶液を用いることを考
えれば、前処理と水抽出処理を2工程に分割する必要は
なく、次亜塩素酸処理と水抽出処理を同時に1工程で行
うことにより効率よく本発明の阻害活性物質を製造する
ことができる。
水抽出処理に附する際には、原料を細かく切り刻むこ
とが好ましい。処理に要する時間は、原料の種類や大き
さにもよるが、通常1時間以上あれば十分と考えられ
る。温度は室温でよい。
iv)阻害活性物質製造法の一例 本発明の阻害活性物質は、水溶性の高分子酸性化合物
であり、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性によっ
て特徴付けられるので、これらの阻害活性を指標として
水による抽出、遠心分離や濾過などによって、適当な精
製手段を適用して精製する事ができる。これらの方法は
必要に応じて単独あるいは任意の順序に組合せ、また反
復して適用できる。本発明の阻害活性物質の製造法の一
例を次に説明する。
イ)流水を用いて室温で原料の洗浄、塩ぬきをする。
ロ)次亜塩素酸ナトリウム溶液に原料を4時間浸し脱色
をする。この操作により抽出の際の抽出効率の向上を得
る。
ハ)脱色した原料を更に流水に浸し、次亜塩素酸ナトリ
ウムを十分洗い流す。
ニ)次いで水を脱色された原料に加え、ホモジナイザー
を用いて400〜2000rpm程度で約10分間の破砕抽出を数度
行う。この時氷中下で行うが、通常は室温にて抽出を行
っても、活性成分が得られる。
ホ)得られた破砕抽出液を遠心分離機で6000rpm程度で
約30分間遠心分離して、これを濾過する。更に濾過液に
再度同様の遠心分離を行い、上澄み液を得る。
ヘ)この得られた上澄み液を、凍結乾燥して水分を除去
し、粗抽出物を得る。
ト)粗抽出物をクロマトグラフィーに付し、活性画分を
分離する。かかる分離法も特に限定するものでないが、
ゲル濾過法が好ましい。例えばセファデックスG−150
を用い、0.01Mトリス塩酸バッファー(pH8.0)で溶出し
て相対溶出容量1.1から2.6の分画中に活性成分が溶出さ
れる。この画分を水に対して透析する。透析内液を凍結
乾燥し白色綿状の活性成分を得る。本抽出操作は、原料
海藻の香、色を除去し、目的とする阻害活性物質を得る
方法として最適である。工程ヘ)で得られる粗抽出物で
も十分な活性を有しているため、繁雑なゲル濾過クロマ
トグラフィーの分離過程ト)は省いてもよい。
次に上記のイ)〜ヘ)の工程によって後述の実施例1
と同様の方法で製造されたオゴノリ、ヒジキ及びアラメ
の粗抽出物の理化学的性質を示す。
(1) オゴノリの水抽出物は下記の理化学的性質を有
する。
(i)形状:白色又は淡黄色綿状 (ii)融点:明瞭な融点、分解点を示さない (iii)元素分析:炭素 35.3% 水素 6.3% 酸素 49.8% 窒素 1.0% 硫黄 2.0% 灰分 5.6%以下 (iv)アミノ酸分析:試料100g中の各アミノ酸含量
(g) アスパラギン酸 0.43 スレオニン 0.14 セリン 0.14 グルタミン酸 0.35 プロリン 0.29 グリシン 0.31 アラニン 0.35 バリン 0.39 イソロイシン 0.39 ロイシン 0.44 フェニルアラニン 0.40 リジン 0.17 アルギニン 0.02 (v)分子量:100万以上(分画分子量100万の限外濾過
膜による) (vi)赤外吸収スペクトル(第1図) (vii)紫外線吸収スペクトル(第2図) 特異的な吸収バンドはない。
(viii)呈色反応:アセトヒドロキサム酸の鉄塩として
のスルホン酸の検出反応 陽性 亜硫酸の生成によるスルホン酸の検出反応 陽性 フェノール−硫酸反応 陽性 Elson−Morgan反応 陽性 アントロン−硫酸反応 陽性 硫酸−カルバゾール反応 陽性 過ヨウ素酸−チオバルビツール酸反応 陰性 (ix)溶解性:水に可溶、ヘキサン、エーテル、酢酸エ
チル、クロロホルム、メタノールに不溶 (x)安定性:通常の状態では安定 (2) ヒジキの水抽出物は下記の理化学的性質を有す
る。
(i)形状:淡褐色綿状 (ii)融点:明瞭な融点、分解点を示さない (iii)赤外吸収スペクトル(第3図) (iv)紫外吸収スペクトル(第4図) 水中 (v)呈色反応 フェノール−硫酸反応 陽性 Elson−Morgan反応 陽性 アントロン−硫酸反応 陽性 硫酸−カルバゾール反応 陽性 過ヨウ素酸−チオバルビツール酸反応 陰性 (vi)溶解性:水に可溶、ヘキサン、エーテル、酢酸エ
チル、クロロホルム、メタノールに不溶 (vii)安定性:通常の状態では安定 (3) アラメの水抽出物は下記の理化学的性質を有す
る。
(i)形状:淡褐色綿状 (ii)融点:明瞭な融点、分解点を示さない (iii)赤外吸収スペクトル(第5図) (iv)紫外吸収スペクトル(第6図) 水中 (v)呈色反応 フェノール−硫酸反応 陽性 Elson−Morgan反応 陽性 アントロン−硫酸反応 陽性 硫酸−カルバゾール反応 陽性 過ヨウ素酸−チオバルビツール酸反応 陰性 (vi)溶解性:水に可溶、ヘキサン、エーテル、酢酸エ
チル、クロロホルム、メタノールに不溶 (vii)安定性:通常の状態では安定 v)う蝕予防口腔用組成物 本発明のう蝕予防口腔用組成物は、本発明の阻害活性
物質を、公知の方法で口腔用組成物に添加したものであ
り、これを用いることによってう蝕を予防することがで
きる。
口腔用組成物としては、次のようなものを挙げること
ができる。
練り歯磨き、粉歯磨き、マウスウォッシュ、あめ類、
チューインガム、各種の甘味菓子類、その他のう蝕の原
因となるあらゆる飲料及び食品類。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明す
る。各実施例におけるグルコシルトランスフェラーゼ活
性及び阻害率の測定方法並びに菌体付着量及び相対付着
率の測定方法は下記の通りである。
I.グルコシルトランスフェラーゼ活性の測定方法 i)グルコシルトランスフェラーゼの調製 ストレプトコッカス・ミュータンス(以下、S.ミュー
タンスという)6715株をブレインハートインフュージョ
ン(BHI)培地で24時間、37℃で静置培養し、培養濾液
を6000rpmで15分間遠心分離して培養上澄を得た。氷中
下、この上澄に硫酸アンモニウムを50%飽和になるまで
添加して塩析し、6000rpmで15分間遠心分離をして沈殿
物を集めた。この沈殿物を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)
に溶解し、同一の緩衝液に対して4℃で一晩透析し、グ
ルコシルトランスフェラーゼ酵素標品液とした。これを
酵素活性の測定に用いた。
ii)グルコシルトランスフェラーゼ活性の測定50mMリン
酸緩衝液(pH6.5)、1%ショ糖及び0.2%アジ化ナトリ
ウムからなる反応液を調製し、酵素及び試料を加えガラ
ス試験官中で37℃、18時間酵素反応させる。この際、酵
素量は上記反応系で550nmの吸光度が0.5になるように調
製する。
生成した不溶性グルカンを超音波破砕し、550nmの吸
光度を測定した。
iii)グルコシルトランスフェラーゼ阻害率 オゴノリ抽出物の代りに、蒸留水を用いて同様の操作
を行ってコントロールとし、以下の式からグルコシルト
ランスフェラーゼ阻害率を計算した。
II.S.ミュータンス増殖菌体の金属線に対する付着の測
定 i)菌体付着量 S.ミュータンス 6715株(g型)を、37℃で一晩BHI
培地で培養した。
次いで5%シュークロース添加BHI培地を6ml含む培養
試験官に0.1mlの一晩培養菌液を加え、サンプラチナ線
(0.8×100mm、三金工業)を刺したゴム線で密閉した。
その後37℃で2日間培養し、サンプラチナ線を取り出
し、線上に付着した菌塊を6mlの蒸留水に浸し、軽く振
って洗った。
次にサンプラチナ線を3mlの蒸留水に入れ、超音波破
砕し、菌魂をはずし、均一な浮遊液とした。この浮遊液
の吸光度を550nmで測定した。
ii)相対付着率 S.ミュータンス 6715株(g型)に対する菌体付着率
低下効果について、抽出物を加えない場合の付着率を10
0%とし、相対付着率を算出した。
実施例1〜5 (各種の抽出溶媒による効果の差異) (1)方 法 オゴノリ250.0gを水道水(流水中)に1時間さらし、
水洗及び脱塩を行った。
次に、軽く水気を切りイオン交換水をかけた後、0.3
%次亜塩素酸ナトリウム溶液〔和光純薬:食品添加物用
次亜塩素酸ソーダ溶液:有効塩素約10%を使用〕750m
l中に4時間浸漬し、脱色した。
定刻後、次亜塩素酸ナトリウム溶液よりこれを引上
げ、水道水(流水中)にて1.5時間さらし、水洗し脱色
オゴノリを得る。その後約0.5〜1cmの長さに切刻ざむ。
この脱色オゴノリ20.0gに対して溶液を80ml用いてホ
モジナイザー(1200rpm、10分間)にかけ、成分の抽出
を行った。ただし、この際5種類の異なる溶液を用い
た。
各成分抽出溶媒は、残渣と共に遠心分離(6000rpm、6
0分間×1回)にかけ、上澄のみを得て(ろ紙にてろ過
後)、透析(3日間)した後凍結乾燥し、その一部を効
力検定に用いた。
(2)結 果 結果を表1に示す。酸性溶媒を用いたものより、アル
カリ性溶媒を用いたものの方が効果が高いことがわか
る。
実施例6 (次亜塩素酸処理と水抽出処理を同時に1工程で行う場
合) (1)方 法 実施例1〜5の脱色工程で用いた、「オゴノリを脱色
するために、オゴノリを4時間浸漬していた0.3%次亜
塩素酸ナトリウム溶液(以下、浸漬液とする。)_200ml
を透析チューブを用いて5日間、水道水(流水中)にて
透析した。その後凍結乾燥し、その一部を効力検定に用
いた。
(2)結 果 浸漬液200mlを凍結乾燥後、89.5mgの乾燥物を得た。
この物の阻害率は、50.2%であった。
実施例7〜11 (次亜塩素酸処理を行わない場合の各種抽出溶媒による
差異) (1) 方 法 はじめに、オゴノリ250.0gを水道水(流水中)に1時
間さらし、水洗及び脱塩を行った。
次に、軽く水気を切りイオン交換水をかけた後、約0.
5〜1cmの長さに切刻んだものを原料として使用した。
この原料20.0gに対して溶液を80ml用いてホモジナイ
ザー(1200rpm、10分間)にかけ、成分の抽出を行っ
た。ただし、この際5種類の異なる溶液を用いた。
各成分抽出液は、残渣と共に遠心分離(6000rpm、60
分間×1回)にかけて、上澄のみを得て(ろ紙にてろ過
後)、透析(3日間)したのち凍結乾燥し、その一部を
効力検定に用いた。
(2)結 果 結果を表2に示す。次亜塩素酸処理を行わない場合、
効果が著しく低下することがわかる。
実施例12 (次亜塩素酸処理を、水抽出の後に行った場合) (1)方 法 実施例7で水を用いて抽出、遠心分離した後、得られ
た凍結乾燥品20.5mgのうちの10.0mgをサンプルとした。
実施例1〜5で調製した0.3%次亜塩素酸ナトリウム溶
液10mlにこのサンプルを溶解し、4時間放置後、2日間
透析して、凍結乾燥しその一部を効力検定に用いた。
(2)結 果 サンプル10.0mgが、凍結乾燥後5.9mgとなり、その阻
害率は、12.9%であった。この結果より、次亜塩素酸処
理を水抽出物処理の後に行うと、本発明の効果が著しく
低下することがわかる。
実施例13〜15 (次亜塩素酸の代わりに亜硫酸を用いた場合) (1)方 法 はじめに、オゴノリ200.0gを水道水(流水中)に1時
間さらし、水洗及び脱塩を行った。
次に、軽く水気を切りイオン交換水をかけた後、約0.
5〜1cmの長さに細切し原料として使用した。
この原料を0.5%、1.0%、2.0%の3種類のNaHSO3
液100mlずつに各々約25gを浸漬し、4時間脱色した。
4時間後、各々のガーゼにとり、水道水(流水中)に
て1時間さらし、水洗して軽く水気を切りイオン交換水
をかけた後、再度水気を切った。各々20.0gずつ秤量
し、水80mlにて、ホモジナイザー(1200rpm,10分間)抽
出し、残渣と共にこれを遠心分離(6000rpm,60分間×1
回)にかけて、上澄のみを得て(ろ紙にてろ過後)、凍
結乾燥し、その一部を効力検定に用いた。
(2)結 果 結果を表3に示す。次亜塩素酸処理を行った場合に比
べて著しく効果が低下することがわかる。
実施例16〜18 (次亜塩素酸の代わりに過酸化水素を用いた場合) (1)方 法 実施例13〜15で水洗し、切刻んだものを原料として使
用した。
この原料を0.5%、1.0%、2.0%の3種類のH2O2溶液1
00mlずつに各々約25gを浸漬し、4時間脱色した。
定刻後、各々をガーゼにとり、水道水(流水中)にて
1時間さらし、水洗した。軽く水気を切り、イオン交換
水をかけた後、再度水気を切った。各々20.0gずつ計量
し、水80mlにて、ホモジナイザー(1200rpm、10分間)
抽出し、残渣と共に、これを遠心分離(6000rpm、60分
間×1回)にかけて、上澄のみを得て(ろ紙にてろ過
後)、凍結乾燥し、その一部を効力検定に用いた。
(2)結 果 結果を表4に示す。次亜塩素酸を用いた場合に比し、
著しく効果が低下することがわかる。
実施例19〜22 (次亜塩素酸処理の代わりにマセロザイム処理を行った
場合) (1)方 法 はじめに、オゴノリ100gを水道水(流水中)に1時間
さらし、水洗及び脱塩を行った。
次に、軽く水気を切りイオン交換水をかけた後、1.0
%マセロザイム溶液〔50mM pH6.0トリス−塩酸 バッ
ファーに溶解〕中に4時間浸漬し、処理した。
定刻後、これを軽く水洗し、イオン交換水をかけた
後、約0.5〜1cmの長さに細切してサンプルとして使用し
た。
このサンプル20.0gに対して溶液を80ml用いてホモジ
ナイザー(1200rpm、10分間)にかけ、成分の抽出を行
った。ただし、この際4種類の異なる溶液を用いた。
各成分抽出液は、残渣と共に遠心分離(6000rpm、60
分間×1回)にかけて、上澄のみを得てろ紙にてろ過
後)、透析(4日間)したのち凍結乾燥し、その一部を
効力検定に用いた。
(2)結 果 結果を表5に示す。次亜塩素酸処理を行った場合に比
べて著しく効果が低下することがわかる。
実施例23 ヒジキ(2.0g乾燥重量)に水(50ml)を加えホモジナ
イザー(1500rpm、10分間)で破砕抽出を行った。その
後、破砕液を遠心分離機を用い6000rpmで10分間遠心分
離を行い上澄を得、それを凍結乾燥し抽出物(240mg)
を得た。抽出物の一部を用い効力検定した結果、阻害率
48%(100μg/ml)を示した。
実施例24 アラメ(2.0g乾燥重量)に水(50ml)を加えホモジナ
イザー(1500rpm、10分間)で破砕抽出を行った。その
後、破砕液を遠心分離機を用い6000rpmで10分間遠心分
離を行い上澄を得、それを凍結乾燥し抽出物(513mg)
を得た。抽出物の一部を用い効力検定した結果、阻害率
20%(100μg/ml)を示した。
実施例25 オゴノリ100gを次亜塩素酸ナトリウムで4時間脱色し
た後、水洗した。その脱色されたオゴノリに水を100ml
加えて、ホモジナイザーで氷中下、1200rpmで10分間破
砕抽出を行った。破砕抽出終了後5000rpmで10分間の遠
心分離を2回行い抽出液を得た。この抽出液を凍結乾燥
し0.8gの抽出物を得た。
この抽出物についてグルコシルトランスフェラーゼ阻
害効果およびS.ミュータンスの金属線に対する付着率抑
制効果をみた。結果を表6及び表7に示す。
実施例26 常法に従い、つぎの処方の練歯磨を製造した。オゴノ
リ抽出物は、実施例25で用いたものと同様の凍結乾燥品
を用いた。
成 分 重量% 第二リン酸カルシウム 45.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 香 料 1.0 サッカリンナトリウム 0.15 オゴノリ抽出物 0.5 水 100%に調節 練歯磨の活性及び経時変化での活性を測定比較した。
20gに分注した練歯磨きを完全に密封して放置し、下記
の経時毎に阻害活性を測定した。
活性測定方法は、練歯磨1gに蒸留水10mlを加え懸濁液
とした後、遠心分離(7000rpm、30分間)し、上澄を水
に対して透析した。透析内液を凍結乾燥し、活性測定用
の試料とした。グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性
の結果は表8の通りであった。
実施例27 次の配合により原料を計量した。
成 分 重量 % 粉 糖 86.5 α化澱粉 3.3 バレーショ澱粉 6.7 酸味料 0.5 アスコルビン酸 1.3 香 料 0.2 植物性ガム 0.2 水 1.3 次に植物性ガムを少量の水で溶解し、酸味料、香料、
アスコルビン酸を配合する。次にミキサー中に粉糖、α
化澱粉、バレーショ澱粉及び植物性ガム、酸味料、香
料、アスコルビン酸の混合物を入れた後、少量の水を加
え混合し、更に練り上げた。得られた生地を乾燥し、乾
燥した生地を、ミルにて破砕した。ここで成型された物
に、抽出物を1%含量で混合し、1錠2.0gで打錠した。
この打錠菓子2.0gを4mlの蒸留水で溶解し遠心分離(5
000rpm、10分間)し、抽出液を得た。更に同様の操作を
行い抽出した後、先の抽出液と合わせ、メスフラスコに
入れ蒸留水で10mlとした。これを阻害活性測定用の試料
とした。グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の結果
は、次の通りであった。
【図面の簡単な説明】
第1図はオゴノリ水抽出物の赤外線吸収スペクトルを示
す。 第2図はオゴノリ水抽出物の紫外線吸収スペクトルを示
す。 第3図はヒジキ水抽出物の赤外線吸収スペクトルを示
す。 第4図はヒジキ水抽出物の紫外線吸収スペクトルを示
す。 第5図はアラメ水抽出物の赤外線吸収スペクトルを示
す。 第6図はアラメ水抽出物の紫外線吸収スペクトルを示
す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紅藻類植物の水抽出物及び褐藻類植物の水
    抽出物からなる群より選ばれるグルコシルトランスフェ
    ラーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】抽出物が脱色した紅藻類植物又は褐藻類植
    物から抽出したものである、特許請求の範囲第(1)項
    記載のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】紅藻類植物がオゴノリであり、褐藻類植物
    がヒジキ又はアラメである、特許請求の範囲第(1)項
    又は第(2)項記載のグルコシルトランスフェラーゼ阻
    害剤。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第(1)項〜第(3)項の
    いずれか1項記載のグルコシルトランスフェラーゼ阻害
    剤を含有するう蝕予防口腔用組成物。
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