JPH10120522A - 海藻抽出物の精製方法及び化粧料 - Google Patents

海藻抽出物の精製方法及び化粧料

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JPH10120522A
JPH10120522A JP8297814A JP29781496A JPH10120522A JP H10120522 A JPH10120522 A JP H10120522A JP 8297814 A JP8297814 A JP 8297814A JP 29781496 A JP29781496 A JP 29781496A JP H10120522 A JPH10120522 A JP H10120522A
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activated carbon
seaweed extract
extract
seaweed
granular
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JP8297814A
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Yatsuhiro Takita
八広 滝田
Shinya Ebata
真也 江端
Tsuneo Miyahara
恒雄 宮原
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海藻抽出物をその生理活性効果を損なうこと
なく、高収率かつ短時間で、脱色、脱臭することができ
る精製方法を開発する。また、海藻抽出物由来の優れた
生理活性能を有する上、使用感に優れた化粧料を得る。 【解決手段】 海藻抽出物を粒状木質系活性炭を充填し
たカラムと粒状椰子殻系活性炭を充填したカラムとの2
種類のカラム中に流通させ、吸着処理する。上記の精製
方法により得られる海藻抽出精製物を化粧料に配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻抽出物を高収
率かつ短時間で、しかも抽出物の生理活性を損なわず脱
色、脱臭して精製することができる海藻抽出物の精製方
法及びこの方法により得られる海藻抽出精製物を含有す
る化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】海藻類
は、多くのミネラル類、クロロフィル、アミノ酸、多糖
類を含有することから、保湿剤、抗炎症剤、抗男性ホル
モン剤、抗菌剤、老化防止剤、美白剤、増粘剤、乳化安
定剤等として、医療、化粧料、食品分野で広く利用され
ている。例えば特公平3−52445号公報には、紫外
線遮蔽能を付与することを目的として海藻類抽出物を添
加した化粧料、特公平7−14850号公報には、保湿
と優れた使用感を得ることを目的として褐藻類のフコイ
ダンを添加した化粧料が報告されている。
【0003】また、海藻の抽出物は、皮膚のヒアルロン
酸加水分解を阻害し、生体ヒアルロン酸量を維持し、皮
膚賦活、保湿作用に寄与する成分が含まれている(特願
平7−156448号記載)。
【0004】上記ヒアルロン酸は皮膚、靭帯、関節液、
眼の硝子体など生体に広く分布し、例えば皮膚において
は細胞の保護、栄養の運搬、組織水分の保持、柔軟性の
維持等に、また、関節液として組織構造、機能の維持、
潤滑性の保持等に重要な役割を果たしている。
【0005】また、皮膚や関節における生体ヒアルロン
酸量は、老化又は病的状態により減少することが知られ
ており、その結果、皮膚の乾燥、肌荒れ、ハリ、弾力性
の低下、シミ、シワの増加、あるいは関節の湿潤性悪化
による関節痛等を引き起こす。このような状態に対し
て、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、ヒアルロン酸の分解を
抑制することにより生体ヒアルロン酸量の維持に寄与す
ると考えられる。
【0006】更に、褐藻類であるダービリア科ダービリ
ア属に属する海藻より得られる水抽出物が、高いヒアル
ロン酸合成促進効果を有する(特願平7−341705
号記載)。
【0007】上記特願平7−156448号及び特願平
7−341705号には、水/低級アルコール溶媒を用
いて海藻抽出物を得る方法が提案されているが、この方
法により得られる抽出物は、海藻色、海藻臭が残留する
ため、医薬品、化粧料に配合する上で使用感や保存安定
性を更に向上することが望まれる。
【0008】一方、植物抽出物の脱色、脱臭法として、
活性炭のバッチ式濾過が特開昭60−214313号公
報に提案されている。しかし、この方法は、活性炭をバ
ッチ式で使用しているため、海藻抽出物のようなコロイ
ド溶液の場合、抽出物との競合によりフィルターを通っ
てしまう、いわゆる炭漏れを生じ、かえって着色してし
まうなどの問題がある。また、粘性の高い抽出液のた
め、活性炭の低減を目的に抽出物の濃縮を行うと、フィ
ルターの目づまりに依る抽出効率の低下が生じるなどの
問題もあり、この方法を海藻抽出物に応用することは困
難であった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ヒアルロン酸生合成等の生理活性に優れた海藻抽出
物をその生理活性効果を損なうことなく、高収率で短時
間に脱色、脱臭して精製でき、使用感上問題がない海藻
抽出物を作業性良く製造することができる海藻抽出物の
精製方法及びこの方法により得られる海藻抽出精製物を
配合した化粧料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、海藻抽出物を粒状木質系活性炭を充填したカラムと
粒状椰子殻系活性炭を充填したカラムとの2種類のカラ
ム中に流通させ、吸着処理することにより、海藻抽出物
をその生理活性効果を損なうことなく、高収率かつ短時
間で、脱色、脱臭して精製することができ、得られた海
藻抽出物の精製物を配合した化粧料は、ヒアルロン酸生
合成等の優れた生理活性能を有する上、かかる成分の保
存安定性が非常に高く、良好な使用感を有することを見
出した。
【0011】即ち、本発明の精製方法は、粘性の高い海
藻抽出物、特にダービリア属の海藻抽出物を精製するに
は、粒状木質系活性炭と粒状椰子殻系活性炭とを各々充
填した2種類のカラムでカラム式吸着処理すること、と
りわけ粒状木質系活性炭を脱色用、粒状椰子殻系活性炭
を脱臭用としてそれぞれ別のカラムに入れ、或いは両活
性炭の同じ一つのカラムに入れて使用することにより、
従来よりも短時間で高品質の生理活性を有し、かつ十分
脱色、脱臭され、高い処理効率を有し、使用感の良好な
抽出物を得ることができるものである。
【0012】この場合、従来の方法は、海藻抽出液に対
してバッチ式により活性炭を使用し、そのため海藻抽出
溶液(コロイド溶液)中に取り込まれた活性炭がフィル
ターを通過するいわゆる炭漏れが生じるものであるが、
本発明の精製方法では、カラム式により処理することに
より、海藻抽出溶液中に取り込まれた活性炭がカラムに
吸着され、炭漏れが防止されると推定され、また、活性
炭処理を特定の活性炭を用い、特に2回に分けて処理す
ることにより、活性炭の再生が容易になる上、任意の種
類、量を選択することも可能になり、それ故、優れた脱
色、脱臭作用を発揮し得、しかも抽出効率の高い抽出物
を工業的に得ることができることを知見し、本発明をな
すに至ったものである。
【0013】従って、本発明は、海藻抽出物を粒状木質
系活性炭を充填したカラムと粒状椰子殻系活性炭を充填
したカラムとの2種類のカラム中に流通させ、吸着処理
することを特徴とする海藻抽出物の精製方法、及び、こ
の精製方法により得られる海藻抽出精製物を含有してな
ることを特徴とする化粧料を提供する。
【0014】以下、本発明につき以下に詳しく説明する
と、本発明の海藻抽出物の精製方法は、粘性の高い海藻
抽出物に全てに適用でき、具体的には緑藻類のヒトエグ
サ属、アオサ属、アオノリ属、ハネモ属、イワヅタ属、
ミル属、褐藻類のマツモ属、オキナワモヅク属、モヅク
属、コンブ属、カジメ属、アラメ属、ワカメ属、レッソ
ニア属、マクロシスティス属、ヒバマタ属、アスコフィ
ラム属、ヒジキ属、ダービリア属、紅藻類のオゴノリ
属、アマノリ属、マクサ属、ヒラクサ属、オバクサ属、
フノリ属、キリンサイ属、スギノリ属、Iridaea
属、ツノマタ属、ダルス属、イギス属に属する海藻等を
例示することができる。これらの中では、特にダービリ
ア属であるDurvillea antarctic
a、Durvillea potatorum、Dur
villea willana、ヒジキ属であるオキナ
ワモズク、フノリ属であるフクロフノリからの生理活性
物質の精製に対し好適に使用できる。
【0015】本発明では、これらの海藻の藻体を乾燥
後、粉砕したものを抽出原料として使用することが望ま
しいが、適当な長さにカット又はプレスするなどの加工
品を抽出原料として使用しても差し支えない。
【0016】更に、上記抽出原料を抽出する方法に制限
はなく、通常の抽出法が採用され、例えば水、親水性有
機溶媒、含水親水性有機溶媒、その他の有機溶媒等を使
用して上記した海藻抽出原料から抽出される。
【0017】ここで、親水性有機溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級ア
ルコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニト
リル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等
が挙げられ、含水親水性有機溶媒としては、これらの親
水性有機溶媒と水との混合溶媒を挙げることができる。
これらの中では、特に水又は水とメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコールとの混合溶媒
を用いて抽出することが好ましい。その場合の水と低級
アルコールとの混合比率は、水/低級アルコールが10
0/0〜30/70(V/V、体積比)であることが高
収率で抽出物を得られる点で好ましい。
【0018】更に、海藻原体と抽出溶媒との比率は、海
藻原体(乾燥物)/溶媒比が重量比として1/50〜1
/2の範囲が好ましい。1/50未満では溶媒を多量に
使用するために経済性が悪くなる場合があり、1/2を
超えると抽出液の粘度が高いため、フィルターの目詰ま
りを生じ、極端に濾過速度が低下する場合がある。
【0019】その他の抽出条件は、適宜調整することが
できるが、好ましくは5〜80℃の範囲で1〜24時
間、撹拌しながら行うのが好ましい。なお、抽出pH
は、極端な酸性、アルカリ性に傾かなければ特に制限は
ないが、pH4.5〜8.0の範囲であることが好まし
い。
【0020】本発明では、このようにして得られた海藻
抽出液に対して、粒状木質系活性炭を充填したカラムと
粒状椰子殻系活性炭を充填したカラムとの2種類のカラ
ムに流通して吸着処理を行うものである。この場合、こ
れら両活性炭をそれぞれ1本のカラムに充填したものに
流通して吸着処理を行うことができる。
【0021】上記方法において、海藻抽出液を粒状木質
系活性炭を充填したカラムを用いた流通処理は、海藻抽
出液の脱色を主に目的として行うものであり、脱色に適
する細孔構造を有する意味で粒状の木質系活性炭を使用
する。
【0022】ここで使用する粒状木質系活性炭として
は、平均粒径0.1〜5mm、特に0.5〜2.38m
mの粒状形状のものが好ましく、0.1mm未満の粒径
では、フィルターの目詰まりを生じ、極端に処理時間が
長くなる場合があり、5mmを超える粒径では、脱色及
び脱臭性能が著しく低下する場合がある。
【0023】また、上記活性炭の平均細孔径は、20〜
30オングストロームが好適であり、20オングストロ
ームに満たないと十分な脱色性能が発揮されない場合が
ある。
【0024】この場合、脱色、脱臭性能は活性炭の細孔
径に左右され、臭い成分のような比較的分子量の小さい
ものは平均細孔径が数〜10オングストローム、着色成
分のような比較的分子量の大きいものは平均細孔径が2
0〜30オングストロームの活性炭が効率よく吸着する
ことから、脱色には木質系、脱臭にはヤシ殻系活性炭を
用いるものである。
【0025】なお、石炭系活性炭は、平均細孔径が通常
10〜20オングストロームであり、かつ強熱残分(不
純物)量が多いため、脱臭、脱色性能が劣る。
【0026】粒状木質系活性炭の使用量は、海藻乾燥物
に対し、2〜50重量%、特に10〜25重量%の割合
で使用するのが好ましく、2重量%に満たないと満足な
脱色性能が発揮されない場合がある。
【0027】一方、粒状椰子殻系活性炭を充填したカラ
ム流通処理は、海藻抽出液の脱臭を主に目的として行う
ものであり、脱臭に適する細孔構造を有する意味で椰子
殻系活性炭を使用する。
【0028】この場合、上記粒状椰子殻系活性炭の平均
粒径は、上記の粒状木質系活性炭と同様の範囲が好まし
い。また、平均細孔径は10オングストローム以下であ
ることが好ましい。
【0029】また、粒状椰子殻系活性炭の使用量は、海
藻乾燥物に対して30〜100重量%、特に50〜10
0重量%の割合で使用するのが好ましく、30重量%に
満たないと満足な脱臭性が得られない場合がある。
【0030】本発明では、このように活性炭処理をカラ
ム式にし、2法に分割し、かつ特定の活性炭を使用する
ことにより、製造時の作業性を高め、具体的には処理時
間を著しく短縮でき、しかも生理活性作用及び使用感に
優れた生理活性物質を得ることができるものであるが、
この脱色、脱臭の2工程の順序についてはどちらを先に
しても特に問題はなく、原料の海藻抽出物に対して上記
した粒状木質系活性炭を充填したカラムによる処理を先
に行った後、得られた濾液を粒状椰子殻系活性炭を充填
したカラムにより処理しても、あるいは粒状椰子殻系活
性炭を充填したカラムによる処理を行った後、得られた
濾液を粒状木質系活性炭を充填したカラムにより処理し
てもよい。
【0031】また、1本のカラムに粒状木質系活性炭と
粒状椰子殻系活性炭とを充填して処理する場合、両活性
炭を混合して充填しても、1本のカラムの入口側に一方
の活性炭、出口側に他方の活性炭を充填するようにして
もよい。
【0032】なお、カラムの流通時間は特に制限されな
いが、海藻乾燥物1kgに対し脱色用活性炭として25
0g、脱臭用活性炭として1kgを用いることにより3
0分〜1時間程度で処理することが好ましい。
【0033】吸着処理後は、得られた濾液をそのまま利
用しても、希釈したり、濃縮エキスとしてもよく、更に
濾液を減圧濃縮、真空乾燥するなどして固形状、粉末状
としてもよい。
【0034】このように精製処理された海藻抽出物は、
種々の用途に使用することができるが、化粧料、特に皮
膚用化粧料(なお、本発明の皮膚用化粧料は皮膚外用剤
を含む)に配合して用いることが好適である。
【0035】この場合、本発明の化粧料は、種々の剤型
に調製することができ、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、内服液、細粒剤等の内服剤や、リニメント剤、スプ
レー剤、ローション剤、軟膏等の外皮用に調製すること
ができ、上記精製方法により得られる海藻抽出液の精製
物を有効成分として配合してなるもので、この海藻抽出
精製物は、生体ヒアルロン酸合成促進剤として作用す
る。
【0036】ここで、上記海藻抽出精製物は、抽出精製
液をそのまま用いても、あるいは希釈液としたり、濃縮
エキスとしてもよく、また、凍結乾燥などにより乾燥粉
末物としたり、ペースト状に調製してもよい。
【0037】乾燥粉末に調製した場合には、水又は水を
含むメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低
級アルコールに予め溶解して用いるか、あるいは水を含
む外用組成物中で可溶化して用いるのが好ましい。
【0038】海藻抽出精製物の配合量は、適宜選定さ
れ、例えば皮膚用化粧料として用いる場合には、通常、
各種皮膚外用剤中に海藻抽出物として0.01〜30%
(重量%、以下同じ)、特に0.1〜10%の範囲で配
合するのがよい。配合量が0.01%に満たないと生理
活性が得られず、30%を超えると配合安定性が失われ
る。
【0039】本発明の化粧料は、剤型などに応じてその
他の任意成分を添加することができ、具体的には、皮膚
用クリームの場合、本発明の海藻抽出物の0.1〜10
%、油分20〜70%、界面活性剤2〜7%、保湿剤1
〜10%、防腐剤微量、香料微量、精製水(バランス)
を含有することができ、乳液の場合には、本発明の海藻
抽出物0.1〜10%、油分10〜40%、アルコール
類0〜15%、界面活性剤1〜5%、保湿剤1〜10
%、増粘剤0〜2%、防腐剤微量、香料微量、精製水
(バランス)を含有することができる。また、化粧水、
美容液の場合には、本発明の海藻抽出物0.1〜10
%、アルコール類5〜20%、界面活性剤0〜2%、保
湿剤2〜8%、増粘剤0〜2%、酸化防止剤0〜0.5
%、キレート剤0〜0.1%、pH調整剤0〜0.2
%、防腐剤微量、色素0〜微量、香料微量、精製水(バ
ランス)を含有することができ、パック剤の場合には、
本発明の海藻抽出物0.1〜10%、アルコール類2〜
10%、保湿剤2〜10%、無機粉体0〜20%、造膜
剤10〜20%、防腐剤微量、香料微量、精製水(バラ
ンス)を含有することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の海藻抽出物の精製方法により得
られる海藻抽出精製物は、処理効率がよく、十分脱色、
脱臭されており、しかもその海藻抽出精製物由来の生理
活性作用は高い活性で維持されるため、医薬品、医薬部
外品、化粧品分野の使用に耐え得るものである。更に、
本発明の化粧料は、海藻抽出物由来のヒアルロニダーゼ
生合成等の生理活性に優れている上、使用性に優れたも
ので、幅広く使用することができる。
【0041】
【実施例】以下、参考例、製造例、実施例及び比較例を
挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施
例に限定されるものではない。
【0042】〔参考例〕ダービリア乾燥藻体1kgをミ
キサーにて破砕し、5分〜7分純水で洗浄し、脱水後、
純水を20リットル(藻体の20倍量)加え、室温で3
時間撹拌した。これを布フィルター(20メッシュ)で
濾過したところ、海藻抽出物として黄褐色濾液が得られ
た。
【0043】〔製造例1〕上記参考例で得られた濾液を
8/32メッシュ(粒径0.5〜2.38mm)の粒状
活性炭カラム(250g:木質系:平均細孔径25Å)
で濾過し、更に第2回目に同型の粒状活性炭カラム(1
kg:椰子殻系)で濾過し、透明な濾液14リットルを
得た。この濾液を精密濾過(0.4ミクロン)し、減圧
濃縮(内温60℃)、真空乾燥(50℃)後、得られた
白色固形物を粉砕したところ、白色粉末122g(本発
明海藻抽出精製物)が得られた。
【0044】〔比較製造例1〕(濾過→乾燥) 上記参考例で得られた濾液を精密濾過(0.4ミクロ
ン)し、更に減圧濃縮(内温60℃)、真空乾燥(50
℃)後、得られた固形物を粉砕し、黄色粉末126gを
得た。
【0045】〔比較製造例2〕(バッチ→乾燥) 上記参考例で得られた濾液に8/32メッシュ(粒径
0.5〜2.3mm)の粒状活性炭(250g:木質
系:平均細孔径25Å)を加え、室温で1時間撹拌、次
いで、濾過を行い、得られた濾液に更に第2回目として
同型の粒状活性炭(1kg:椰子殻系)を加え、室温で
1時間撹拌した。その後、濾過し、その濾液を製造例1
と同様に処理し、灰色粉末110gを得た。
【0046】〔比較製造例3〕上記参考例で得られた濾
液を8/32メッシュ(粒径0.5〜2.3mm)の粒
状活性炭カラム(250g:木質系:平均細孔径25
Å)で濾過し、次いで、第2回目に同型の粒状活性炭カ
ラム(1kg:木質系)で濾過し、透明な濾液14リッ
トルを得た。この濾液を精密濾過(0.4ミクロン)
し、更に減圧濃縮(内温60℃)、真空乾燥(50℃)
後、得られた白色固形物を粉砕し、白色粉末122g
(本発明生理活性物質)を得た。
【0047】〔比較製造例4〕上記参考例で得られた濾
液を粒子径0.1〜2.5mmの粒状活性炭カラム(2
50g:椰子殻系:平均細孔径12Å)で濾過し、次い
で、第2回目を粒子径0.1〜2.5mm粉状活性炭カ
ラム(1kg:椰子殻系:平均細孔径12Å)で濾過
し、褐色透明な濾液10リットルを得た。その濾液を製
造例1と同様に処理し、褐色粉末120gを得た。
【0048】〔比較製造例5〕上記参考例で得られた濾
液を8/32メッシュ(粒径0.5〜2.3mm)の粒
状活性炭カラム(250g:石炭系:平均細孔径18
Å)で濾過し、次いで第2回目として同型の粒状活性炭
カラム(1kg:石炭系)で濾過し、褐色透明な濾液1
0リットルを得た。その濾液を製造例1と同様に処理
し、褐色粉末120gを得た。
【0049】〔比較製造例6〕濾液に粒径0.3mmの
イオン交換樹脂(ダイヤイオンHP20)1リットルを
加え室温で1時間撹拌し、次いで、濾過を行い、得られ
た濾液を製造例1と同様に処理し、褐色粉末115gを
得た。
【0050】上記製造例及び比較製造例で得られた海藻
抽出物について、臭い(官能試験)、色調、抽出率を下
記方法で測定した。結果を表1に示す。 臭いの官能試験法:各抽出物を基材に溶かし、5人によ
る5段階絶対評価により臭い適合性を下記基準で評価し
た。評価点 5:無臭 4:若干臭いがあるが製品として問題がない。 3:臭いがあり、製品として使用できる許容限界であ
る。 2:臭いがあり、製品として問題がある。 1:臭いがあり製品として使用不可である。 色調の評価方法:色差計により各抽出物の明度(L
*値)、赤化度(a*値)、黄化度(b*値)を測定した
(L***表色系:JISZ 8729)。(L*値≧
75、a*値≦1.0、b*値≦5:好適) 表1の結果より、本発明法により得られた海藻抽出精製
物(製造例1)は、生理活性物質が脱色、脱臭が十分に
なされ、かつ抽出効率がよいことがことが認められた。
【0051】
【表1】
【0052】次に、上記製造例1及び比較製造例1の海
藻抽出精製物について、下記方法でヒアルロン酸合成促
進試験を行い、評価した。結果を表2に示す。 ラットケラチノサイトに対するヒアルロン酸合成促進試
験方法:新生児(3日令)ラットの皮膚からトリプシン
処理によりケラチノサイトを分離し、増殖用培地で培養
した後、分化用培地で2日間培養した。
【0053】次に、この細胞に製造例1及び比較製造例
1の単純水抽出物により得られた海藻抽出物を500μ
g/mlの濃度で72時間作用させ、それぞれの培地中
に放出されてきたヒアルロン酸の濃度をヒアルロン酸バ
インディングプロテインアッセイ法により測定した。下
記式に従って、コントロール(海藻抽出精製物無添加)
を1とした時の培地中のヒアルロン酸量を算出した。結
果を表2に示した。 ヒアルロン酸合成促進能(倍率)=A/B A:各海藻抽出精製物を添加したときの培地中のヒアル
ロン酸濃度(ng/ml) B:無添加のときの培地中のヒアルロン酸濃度(ng/
ml)
【0054】表2の結果より、本発明方法により得られ
た海藻抽出精製物(製造例1)は、単純水抽出物(比較
製造例1)と同様に、ヒアルロン酸合成を促進すること
がわかり、この結果より、本発明の精製方法によって生
理活性物質は損なわれていないことがわかった。
【0055】
【表2】
【0056】〔実施例1、比較例1,2〕表3に示すよ
うに親水軟膏組成中に本発明品の海藻抽出精製物(製造
例1)、単純水抽出物(比較製造例1)を別々に添加し
て各種クリームを調製し、荒れ肌改善効果、臭い適合
性、保存安定性を下記方法で調べた。結果を表3に示
す。 荒れ肌改善度の評価方法:10%ラウリル硫酸ナトリウ
ム(SDS)溶液を用いて人工的に作製した人荒れ肌に
親水軟膏を1日2回塗布した。塗布3日後の荒れ肌改善
度を角層水分量の変化を指標として下記式により求め
た。その結果を下記基準で判定した。 荒れ肌改善度(%)=(塗布3日後の角層水分量/10
%SDS処理後の角層水分量液)×100 ◎:荒れ肌改善度 130以上 △:荒れ肌改善度 110〜130 ×:荒れ肌改善度 110以下 臭い適合性の評価方法:前述の試験例と同様の官能試験
方法により評価し、下記基準で判定した。 ◎:評価点 4〜5点:使用上問題ない △:評価点 2〜3点:使用許容 ×:評価点 1 :使用不可 保存安定性 40℃3ヶ月間の恒温槽保存期間中における各クリーム
の色調、臭い、荒れ肌改善効果について下記基準で評価
した。 ◎:保存期間中に各評価値に変化が認められない。 △:保存期間中に各評価値に若干の変化が認められな
い。 ×:保存期間中、各評価値に著しい変化(20%以上の
減少乃至変化)が見られる。
【0057】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海藻抽出物を粒状木質系活性炭を充填し
    たカラムと粒状椰子殻系活性炭を充填したカラムとの2
    種類のカラム中に流通させ、吸着処理することを特徴と
    する海藻抽出物の精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の精製方法により得られる
    海藻抽出精製物を含有してなることを特徴とする化粧
    料。
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