JP2691283B2 - 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素ウイスカー及びその製造方法

Info

Publication number
JP2691283B2
JP2691283B2 JP21732288A JP21732288A JP2691283B2 JP 2691283 B2 JP2691283 B2 JP 2691283B2 JP 21732288 A JP21732288 A JP 21732288A JP 21732288 A JP21732288 A JP 21732288A JP 2691283 B2 JP2691283 B2 JP 2691283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
whiskers
peak intensity
whisker
stacking faults
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21732288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0269396A (ja
Inventor
祥二 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP21732288A priority Critical patent/JP2691283B2/ja
Publication of JPH0269396A publication Critical patent/JPH0269396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2691283B2 publication Critical patent/JP2691283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は積層欠陥の少ない炭化珪素ウイスカーに関
し、特に各種の複合材料の補強材として有用な炭化珪素
ウイスカー及びその製造方法に関する。
〔従来技術〕
炭化珪素の単結晶体から成るウイスカーは、機械的強
度、耐熱性、化学的安定性に優れることから、金属やセ
ラミックスあるいはプラスチック等への複合補強材とし
て有望視され、各種の応用が研究、開発されている。
通常、炭化珪素ウイスカーの製造方法としては、SiO2
を還元する方法と、気相での反応を利用する方法に大別
される。前者の方法としては、イネ科植物の灰化残さと
カーボンブラックを混合し、非酸化性雰囲気で高温熱処
理し、直接反応で製造する方法(特開昭57−209813号)
や、Journal.of Materials Science 20 p1160−1166(1
985)に記載されるようにVLS機構で生成させる方法等が
あり、後者としてはSiCl4+CCl4,CH3SiCl3などを水素
気流中で熱分解することによって生成させる方法等が知
られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし乍ら、従来法によって得られる炭化珪素ウイス
カーを用いて複合体を作製した場合、ウイスカー添加に
よる効果として靱性等の機械的強度の向上が顕著でな
く、ウイスカー本来の添加効果が不充分である可能性が
あるとして、原因を追求した結果、その1つの原因が第
2図(b)の電子顕微鏡写真からも明らかなように、ウ
イスカー自体に多くの積層欠陥が存在しているためであ
ることをつきとめた。
即ち、複合化に際し、上記欠陥に基づき理論強度とず
れが生じることに起因し、炭化珪素ウイスカー本来の特
性が引出されず、顕著な特性向上が得られていないのが
現状であった。
〔発明の目的〕
本発明は、上記問題点を解決することを主たる目的と
するもので具体的には積層欠陥の少ない新規な炭化珪素
ウイスカーを提供するにある。他の目的は、積層欠陥の
少ない新規炭化珪素ウイスカーを簡略に製造するための
方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は上記問題点に対し研究を重ねた結果、積層
欠陥の存在する炭化珪素ウイスカーに対して、カーボン
源の共存下で1800〜2300℃で熱処理することによって積
層欠陥が少なく、具体的には、X線回折曲線において2H
タイプの(100)のピーク強度をh1、3Cタイプの(200)
のピーク強度をh2とした時、h1/h2で表わされるピーク
強度比が0.2以下の特性の炭化珪素ウイスカーを得るこ
とができることを知見した。
以下、本発明を第1図を参照しつつ詳細に説明する。
第1図は従来法による炭化珪素ウイスカー(A,B)及
び本発明による炭化珪素ウイスカー(C)のCu−Kα線
によるX線回折パターンを示す図である。
第1図からも明らかなように従来の炭化珪素ウイスカ
ーのX線回折パターンには、2θ=34(deg.)付近に六
方晶である2HタイプのSiCの(100)ピークと、2θ=36
(deg)付近に2H(002)と3C(101)の合成ピークと、
2θ=41.5(deg.)付近に立方晶である3CタイプのSiC
(200)ピークが顕著に観察される。
本発明における炭化珪素ウイスカーの特徴は前述のX
線回折パターンにおいて、2Hタイプの(100)のピーク
強度をh1,3Cタイプ(200)のピーク強度をh2とした時、
h1/h2で表わされる強度比が0.2以下であり、且つその
アスペクト比が2以上である点にある。
このピーク強度比はその値が小さい程積層欠陥が少な
いことを意味するもので、ピーク強度比が0.2を超える
と積層欠陥が多いことに起因してウイスカーの強度が低
下し、セラミック等との複合体を作製した際、ウイスカ
ー添加による効果が十分に引き出せない。また、アスペ
クト比が2より小さいと複合体においてウイスカーとし
てのクラックの偏向、及びウイスカーの引き抜き効果が
少なくなる。
本発明において、上述した炭化珪素ウイスカーを製造
する方法としては、周知の方法で得られた積層欠陥を有
する炭化珪素ウイスカーに対し、1800〜2300℃の非酸化
性雰囲気で熱処理を行う。この熱処理によってウイスカ
ーの積層欠陥を少なくすることができる。熱処理温度が
1800℃より低いと積層欠陥を減少させる効果が少なく23
00℃を超えると炭化珪素の昇華が生じ、好ましくない。
また、この熱処理では、積層欠陥を減少させるという
効果を有する反面、ウイスカーのアスペクト比が小さく
なるという現象が生じる。この現象は処理温度が高い程
顕著である。そこで、熱処理に際し、カーボンを共存さ
せることによって、アスペクト比の減少を抑制すること
ができると共に積層欠陥の制御を行うことができる。
カーボンの供給は、カーボンブラック等のカーボン粉
末やフェノール樹脂等の熱分解でカーボンを生成する有
機化合物を添加するか、或いは熱処理時、カーボンるつ
ぼ等を用いることによるカーボン雰囲気を使用すること
によって行われるが、アスペクト比、積層欠陥の制御を
行うためにはカーボン粉末や有機化合物を添加する方法
が望ましい。
熱処理における雰囲気は非酸化性であることが必要で
あるが、特に減圧中もしくはアルゴンガス等の不活性ガ
ス中で行うことが望ましく、また、ガス加圧雰囲気で行
っても良い。但し、窒素ガスはウイスカーの表面が窒化
され、窒化珪素が生成されるため望ましくない。
上述したようにして得られる炭化珪素ウイスカーは、
他の材料との複合化によって、補強材として優れた効果
を奏するが、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、アルミ
ナ、ジルコニア、セメント等のセラミック材料、超硬材
料、金属材料及びプラスチック材料等いずれも公知の材
料との複合化によって優れた機械的特性を有する複合体
を提供することができる。
以下、本発明を次の例で説明する。
〔実施例〕
出発原料として市販の炭化珪素ウイスカーA,Bを用い
た。これらはいずれもアスペクト比200であり、X線回
折における2H(100)と3C(200)の強度比h1/h2は第1
図から明らかなように、Aが14、Bが0.25であった。
この2種の炭化珪素ウイスカーにカーボン源としてカ
ーボンブラックあるいはフェノール樹脂を用いて、真空
中あるいはアルゴンガス中で1600〜2400℃で各1時間の
熱処理を行った。
得られた炭化珪素ウイスカーに対し、Cu−Kα線によ
るX線回折測定から、2H(100)と3C(200)のピーク強
度比h1/h2を算出するとともに、SEM観察によりアスペ
クト比(長軸長/短軸長)を求めた。
熱処理条件及び結果は第1表に示す。
第1表の結果によれば、処理温度が1800℃を下回る場
合No.1,No.5,No.8から明らかなように、積層欠陥を減少
させる効果は若干ながら確認されるが、その効果は特性
の良いウイスカーを得るためには不十分である。また、
2300℃を超える処理温度ではNo.12,17に示すように積層
欠陥の減少効果は十分であるが、カーボンを添加しても
ほとんどウイスカーとしての形状が保たれず、しかも炭
化珪素の昇華が確認された。
処理温度が1800〜2300℃の範囲であっても、カーボン
をまったく添加しないNo.2,5,6ではアスペクト比2以上
のものは得られなかった。これに対し処理温度1800〜23
00℃でカーボン共存下で行ったNo.3,7,9〜11、13〜16は
いずれもアスペクト比2以上、ピーク強度比0.2以下が
達成された。
〔発明の効果〕
以上、詳述した通り、本発明によれば、積層欠陥のあ
る炭化珪素ウイスカーに対し、特定の条件で熱処理を施
すことにより、積層欠陥の少ない良質の炭化珪素ウイス
カーを得ることができる。
このウイスカーは積層欠陥に伴う特性の劣化がほとん
ど皆無であることから、各種のマトリックス材との複合
化に際し補強材として優れた性能を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の炭化珪素ウイスカー(A,B)と本発明の
炭化珪素ウイスカー(C)のX線回折パターンを示す
図、第2図(a)(b)はそれぞれ本発明の炭化珪素ウ
イスカー(a)と、従来の炭化珪素ウイスカー(b)の
結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的にβ−炭化珪素ウイスカーから成
    り、アスペスト比が2以上で、結晶構造がX線回折曲線
    において2Hタイプの(100)のピーク強度をh1,3Cタイプ
    の(200)のピーク強度をh2とした時、h1/h2で表わさ
    れるピーク強度比が0.2以下であることを特徴とする炭
    化珪素ウイスカー。
  2. 【請求項2】β−炭化珪素ウイスカーをカーボン源の共
    存下で1800〜2300℃の非酸化性雰囲気で熱処理すること
    を特徴とする炭化珪素ウイスカーの製造方法。
JP21732288A 1988-08-31 1988-08-31 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2691283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21732288A JP2691283B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21732288A JP2691283B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0269396A JPH0269396A (ja) 1990-03-08
JP2691283B2 true JP2691283B2 (ja) 1997-12-17

Family

ID=16702357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21732288A Expired - Fee Related JP2691283B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2691283B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0337198A (ja) * 1989-07-03 1991-02-18 Tokai Carbon Co Ltd SiCウイスカーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0269396A (ja) 1990-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006031404A1 (en) Metal carbides and process for producing same
JP2010143771A (ja) α型炭化ケイ素粒子の製造方法
Choi et al. Synthesis of mullite whiskers
JPS5918349B2 (ja) 炭窒化チタン−ホウ化金属系セラミツクス材料
JP2691283B2 (ja) 炭化珪素ウイスカー及びその製造方法
JP2005075720A (ja) SiC被覆カーボンナノチューブ、その製造方法とその複合材料
Ha et al. A new process for Al2O3/SiC nanocomposites by polycarbosilane infiltration
CN1026482C (zh) 晶须补强氮化硅复合材料制造方法
JP2652046B2 (ja) 繊維強化型複合焼結体
JPS6212663A (ja) B4c質複合体およびその製造方法
US5192719A (en) Method of producing high-strength β-type silicon carbide sintered bodies
JP3023435B2 (ja) 高純度炭化珪素焼結体及びその製造方法
JP2726694B2 (ja) 導電性炭化珪素焼結体及びその製造方法
JPH02199065A (ja) 高熱伝導性炭化珪素焼結体及びその製造方法
JP2732408B2 (ja) 導電性炭化珪素焼結体及びその製造方法
JPH04149017A (ja) 炭化珪素粉末及びその製造方法
JPH11335170A (ja) 高強度炭化ケイ素複合材料及び製造方法
KR102414539B1 (ko) 탄화규소 분말, 탄화규소 소결체 및 이의 제조방법
JP3218073B2 (ja) 炭化ケイ素複合焼結体
JPH0218310A (ja) ジルコニウム系セラミック粉末の製造方法
JP2764318B2 (ja) 針状粒子を有する炭化チタニウムの製造方法
Ault Raw materials for refractories: SiC and Si3N4
JPH04154664A (ja) 炭化ケイ素複合焼結体とその製造方法
JPH07223866A (ja) 窒化珪素基複合セラミックス及びその製造方法
JPH02102108A (ja) 炭化ケイ素ウイスカーを含む窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス原料の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees