JP2690783B2 - 印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗被紙の製造方法

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JP2690783B2 JP15704789A JP15704789A JP2690783B2 JP 2690783 B2 JP2690783 B2 JP 2690783B2 JP 15704789 A JP15704789 A JP 15704789A JP 15704789 A JP15704789 A JP 15704789A JP 2690783 B2 JP2690783 B2 JP 2690783B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、耐環境条件の優れた印刷用塗被紙の製造方
法に関し、得に印刷された塗被紙が瓶或いは缶等に貼付
された後、長期の保存や冷却等を目的として過酷な環境
条件下に置かれた場合でも、塗被面のコート層の劣化や
剥離等による印刷効果の劣化を生じない耐環境適性の優
れたラベル及び包装用等の印刷用塗被紙の製造方法に関
する。
「従来の技術」 ラベル用印刷用塗被紙は、所謂ラベルや包装用として
酒、ビール、ワイン、ウイスキー、清涼飲料水、醤油、
瓶詰め、缶詰等のラベル用紙、包煙用紙、菓子類の包装
用の他、化粧品や薬品等の包装箱類用及び屋外のポスタ
ー等の用途に、通常片面に塗被層を設け、該塗被層面に
印刷されて広く用いられている(以後、これらを片面塗
被紙と称する)。
これ等の片面塗被紙は、印刷後小断ちされ、瓶や缶等
に貼付けされた後、商品として倉庫に保管されたり、店
頭に陳列されたりした後、一般消費者に渡り、家庭等で
は冷水に漬けられたり、紫外線殺菌灯付の冷蔵庫に保管
されることもある。また汚れた手で触れられたりして用
途、目的を達することになる。
さらに、包装用やポスター等の用途では紫外線や風雨
に曝されることがしばしばある。この様に片面塗被紙は
印刷後、紫外線、温度、湿度、水、油等種々な条件が複
合した環境下で使用されることになる。このために、基
本的に原紙上に顔料及び接着剤を含む水性塗被液が塗
被、乾燥されてなる片面塗被紙は印刷や必要な加工を施
された後、上記の如きラベルや包装紙として利用される
ことになるが、製品の保存、陳列、或いはその目的に応
じた使用中に印刷された塗被層の一部が劣化した状態と
なって印刷面の一部が剥がれ落ち、商品価値を著しく損
なう問題がしばしば発生している。
従って、各種の環境条件下でも常に安定した印刷効果
を維持できる片面塗被紙、所謂耐環境適性の優れた片面
塗被紙が強く望まれている(以下耐環境適性と呼ぶ)。
しかしながら、これ等の用途での保存、陳列或いは使用
される環境が一定ではなく、複雑に重なった条件の場合
に問題が発生する為、原因が掴み難く、その完全な対策
が無いのが現状である。
「発明が解決しようとする課題」 上記の如き事情から、本発明者等は片面塗被紙、特に
過酷な環境条件下での耐久性と印刷効果を保持すること
のできる優れた片面塗被紙を得る方法について鋭意検
討、研究を行った結果、特定の動的濡れ値を有する原紙
と水性塗被組成物の接着剤として特定の共重合体ラテッ
クスを用いることによって、印刷適性及び耐環境適性の
極めて優れた塗被紙が得られることを見出したのであ
る。
「課題を解決するための手段」 本発明は、原紙の片面又は両面に顔料及び接着剤を主
成分とする水性塗被組成物を塗被乾燥後、表面仕上げを
行う印刷用塗被紙の製造方法において、該原紙の動的濡
れ値が−0.32g〜0.15gであり、且つ接着剤として下記単
量体組成、 (a)共役ジエン 35〜50重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル
1〜 5重量% (c)ビニルシアン化合物 0〜30重量% (d)芳香族ビニル化合物 15〜35重量% (e)エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル 5
〜40重量% (f)エチレン系不飽和カルボン酸 1〜10重量% から成る平均粒子径が1000〜1800Å、及びゲル含有量が
75〜95重量%である共重合体ラテックスであって、さら
に下記条件、 (i)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを40℃の温
水に5時間浸漬した後のフィルムの乾燥重量の減少率が
5%以下であり、 且つ (ii)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを50℃で24
時間紫外線照射を行った後、温度140℃、荷重160Kg/c
m2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長さ)の条件下に
測定したQ値と紫外線照射前の同じフィルムを用いて同
一条件で測定したQ値に対する比が0.05以上、 を満足する共重合体ラテックスを顔料100重量部当り3
〜35重量部使用することを特徴とする印刷用塗被紙の製
造方法である。
「作用」 本発明者等は、ラベル用塗被紙等の耐環境適性につい
て数多くの実験を行い、鋭意研究、検討を重ねることに
よって塗被層の耐紫外線性、耐水性、耐温度性、接着強
度等の改良を試みてきた。しかし、塗被層の改良だけで
は満足すべき充分な耐環境適性を得ることができなかっ
た。他方、塗被層に極端な耐水性や耐紫外線性等を付与
する対策を講じると印刷適性(オフセット湿し水適性,
インキ受理性、インキ乾燥性等)不良やラベル用塗被紙
の重要な品質特性である印刷後の小断ちカール適性、即
ちラベル用紙を商品(例えば酒瓶、ウイスキー瓶等或い
は缶詰等)に貼付したり、或いは包装紙として高速自動
瓶貼り機や自動包装機にかける際にカール不良により機
械通過適性が著しく低下することが判った。このため、
更に研究を続け、断層写真等による解析結果から片面塗
被紙の耐環境適性不良が、主として原紙層と塗被層の境
界面の劣化に基因していることを突きとめ、塗被層のみ
ならず、広く原紙層と塗被層との関係に迄検討を加え
た。その結果、原紙と塗被層とに特定条件を設定し、そ
れらを組合わせることにより初めて印刷適性に優れ、且
つ耐環境適性の著しく改良されたラベル用塗被紙(片面
塗被紙)が得られることを見出し本発明を完成するに至
った。
本発明の方法は、使用される原紙の動的濡れ値を特定
し且つその特定原紙の片面に特定の重合体ラテックスを
特定量配合せしめた水性塗被組成物を塗被、乾燥後、表
面仕上げを行う片面塗被紙の製造方法である。
而して、本発明の方法で用いられる原紙の動的濡れ値
としては−0.32〜0.15g、より好ましくは−0.30〜0.05g
の範囲にある時に極めて有効に所望の効果を得ることが
できるものである。因みに、−0.32g未満では耐環境適
性が劣り、且つ前記のラベル用塗被紙に要望される小断
ちカール適性が損なわれる。また、0.15gを越えると所
望の耐環境適性が得られない。
ここに、原紙の動的濡れ値とは、動的濡れ性試験器
(WET−3000/レスカ(株)製)を用いて、原紙の水に対
する濡れ易さを時間的に測定した値である。即ち、上記
試験器を用いて2×5cmの試験片(紙)を16mm/秒の速さ
で水中12mmの深さに10秒間浸漬した時の時間的濡れの大
きさ(付着力)を測定するものであり、濡れの大きさ
(以後、動的濡れ値と呼称する)は値が小さい程濡れ難
く、大きくなる程濡れ易いことを示すものである。この
濡れ値について、さらに研究した結果、この試験器で測
定される時間的な濡れ値として水浸漬後2秒後の濡れ値
が本発明の方法における耐環境適性に極めて大きな影響
を及ぼすことが判った。従って、本発明でいう動的濡れ
値とは水浸漬後2秒後の測定値を指すものである。
また、原紙の動的濡れ値のコントロールは、パルプ組
成、叩解条件、填料の種類と添加量、紙力剤、内添サイ
ズ剤、pH、表面サイズ剤、表面処理剤、及び抄紙時のリ
テンションや乾燥条件等を個々の抄紙機及び抄紙条件に
より適宜調整して決定されるものであり、一概に特定で
きるものではない。なお、本発明の方法で特定して原紙
の動的濡れ値と耐環境適性との間に見られた明瞭な相関
関係は、従来の原紙の性質として一般に測定されている
コブ吸水度、ステキヒトサイズ度等の値との間には見出
せなかった。
さらに、本発明の方法で用いられる原紙としては、既
に述べたように特定の動的濡れ値を有することが必須で
あるが、少なくとも水性塗被組成物が塗被される面が澱
粉類等の水性液で予め処理されている原紙を用いると、
より優れた印刷斑点解消効果を得ることができる。即
ち、原紙の抄造時又は塗被組成物を塗被する前にサイズ
プレス、ビルブレードコーター、ゲートロールコータ
ー、ブレードコーター等で澱粉類の水性液を塗被或いは
含浸した場合には、原紙表面の強度が改良されて、より
良い耐環境適性が付与されるものである。
次に、本発明の方法で用いられる水性塗被組成物の特
定成分である重合体ラテックス(接着剤)について詳述
する。
本発明の方法で使用される特定の共重合体ラテックス
は公知の方法、即ち、水性媒体中で乳化剤、重合開始
剤、重合連鎖移動剤等を用いる乳化重合法により製造す
ることのできるものである。
共重合体ラテックスの単量体組成については、既に述
べた通り下記の如き構成からなることを特徴とするもの
である。即ち、 (a)共役ジエン 35〜50重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル
1〜 5重量% (c)ビニルシアン化合物 0〜30重量% (d)芳香族ビニル化合物 15〜35重量% (e)エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル 5
〜40重量% (f)エチレン系不飽和カルボン酸 1〜10重量% から成る平均粒子径が1000〜1800Å、且つゲル含有量が
75〜95重量%である共重合体ラテックスであって、さら
に下記条件、 (i)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを40℃の温
水に5時間浸漬した後のフィルムの乾燥重量の減少率が
5%以下であり、 且つ (ii)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを50℃で24
時間紫外線照射を行った後、温度140℃、荷重160Kg/c
m2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長さ)の条件下に
測定したQ値と紫外線照射前の同じフィルムを用いて同
一条件で測定したQ値に対する比が0.05以上、 を満足する共重合体ラテックスである。
先ず、(a)共役ジエンとしては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等が挙
げられる。これらの単量体は共重合体に適度な弾性及び
膜の硬さを与えるために35〜50重量%の範囲であること
が必要である。因みに、35重量%未満の場合は、充分な
接着強度が得られず、他方50重量%を越えると柔らかく
なり過ぎ、耐水性に劣るようになる。
(b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等の一塩基性不飽和カルボン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸等の二塩基性不飽和カルボン酸のモノ又はジグリシ
ジルエステル、2−メチルグリシジルエステル類、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール類のモノグリシジルエーテルモノアクリレートも
しくはモノメタクリレート類、又はこれらのグリコール
類のモノグリシジルエステルモノアクリレート又はモノ
メタクリレート類が使用できる。配合量を1〜5重量%
に特定するものであるが、因みに1重量%未満の場合は
本発明の所望する耐環境適性効果が得られず、一方5重
量%を越えると重合安定性が悪化するようになる。
(c)ビニルシアン化合物としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等を例示できる。これらは印刷
光沢を向上させる作用がある。配合量としては0〜30重
量%であり、30重量%を越えると接着強度が低下する。
(d)芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン等があり、15〜35
重量%の間で配合される。15重量%未満では耐水性が低
下し、一方35重量%を越えると耐環境適性効果が得られ
ない。
(e)エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステルと
しては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレー
ト又はエチレン系不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキ
ルエステル等が挙げられる。
アルキルアクリレートとしては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等が
あり、アルキルメタクリレートとしてはメチルメタアク
リレート、エチルメタクリレート等があり、またエチレ
ン系不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルと
しては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒド
ロキシメタクリレート等の単独或いは二種以上が混合し
て用いられる。配合量は5〜40重量%であり、5重量%
未満の場合は重合安定性が低下し、40重量%を越えると
耐水性が劣るようになる。
また、(f)エチレン系不飽和カルボン酸としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸等のモノ又はジカルボン酸を使
用することができるが、ジカルボン酸無水物も使用する
ことが可能である。配合量は1〜10重量%であり、1重
量%未満の場合は接着力、機械的安定性が低下し、10重
量%を越えるとラテックスの粘度が高くなり過ぎ、ハン
ドリングが難しくなる。
上記の如き組成から構成される共重合体ラテックスの
平均粒子径は1000〜1800Åの範囲内にあることが必要で
あり、1000Å未満ではラテックスの粘度が高くなり過
ぎ、ハンドリングが難しくなる。また、1800Åを越える
と耐水性が低下する。
さらに、本発明で用いられる共重合体ラテックス中の
共重合体のゲル含有量は75〜95重量%であり、ゲル含有
率が75重量%未満或いは95重量%を越える量のいずれで
あっても本発明の所望とする耐環境適性効果を得ること
ができない。
また、本発明で用いられる共重合体ラテックスは、該
ラテックスを温度25℃、相対湿度65%の室内で自然乾燥
させて得たフィルム状固形物を試料として、 (i)該フィルム状固形物を40℃の温水に5時間浸漬し
た後、50℃で8時間真空乾燥し、その重量を測定したと
き、浸漬前ののフィルムに対する重量減少率が5%以下
であり、 且つ (ii)該フィルム紫外線ロングライフ・フェードメータ
ー(FAL−5H−B型/スガ試験機(株)製)を用いて50
℃で24時間カーボンアーク光源により紫外線を照射した
後、温度140℃、荷重160Kg/cm2、ノズルサイズ1mm(内
径)×1mm(長さ)の条件下で測定したQ値と、紫外線
照射前のフィルムを用いて、同一条件で測定したQ値に
対する比が0.05以上、 でなければならない。
ここに、Q値とは下記の方法で測定した値である。即
ち、 共重合体ラテックスを温度25℃、相対湿度65%の室内
で自然乾燥させ、フィルム状固形物を得る。この固形分
を試料とし、高化式フローテスター(島津製作所製CFT
−500型)を用い、温度140℃、荷重160Kg/cm2の条件下
にノズルサイズを1mm(内径)×1mm(長さ)として、そ
の流動性を測定し、得られた値をQ値とする(単位;ml/
sec)、 (i)、(ii)はそれぞれラベル適性に不可欠な耐水
強度の指標及び耐光性の指標となるものであり、これら
2つの条件が共に満足されることが重要である。
これらの条件は共に、共重合体ラテックスの単量体組
成、ゲル含有量、平均粒子径の他に、単量体の添加方
法、重合温度等の製造条件を適宜選択することによっ
て、上記範囲内の所望値に調整することができる。
因みに、上記(i)、(ii)のいずれか一方でも満足
しない場合は、本発明の方法によって得られる塗被紙に
所望される耐環境適性効果を付与することができない。
なお、本発明における共重合体ラテックスの平均粒子
径はオスミウム酸処理後のラテックスを電子顕微鏡で観
察して得られた粒子500個の粒子径の平均値である。
また、本発明における共重合体ラテックスのゲル含有
量は下記の方法によって測定したものである。
即ち、共重合体ラテックスをpH8に調整し、ラテック
ス中の共重合体をイソプロパノールで凝固した後、得ら
れた固形分を洗浄後、乾燥した。次いで、この乾燥固形
分を約0.3g(精秤固形分量Ag)をトルエン100mlに室温
状態で20時間浸漬後、No.2定性濾紙を用いて濾過した。
濾液の一部(Cml)を精確に採取して、蒸発乾固させ、
得られた残存固形分(Bg/トルエン可溶分)を秤量し、
下記の計算式によってゲル含有量を決定した。
本発明の方法によって得られる優れた耐環境適性の改
良効果は、本発明で規定した原紙と塗被層の接着剤成分
であるラテックスの特定条件とを組合わせたことによる
相乗効果によって初めて得られるものであり、どちらか
一方がその条件を満足しない場合は、所望の効果を得る
ことが出来ない。
本発明の方法において、塗被層を形成するために用い
られる顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化
アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バ
リウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、
タルク、プラスチックピグメント等の如き通常の塗被紙
用顔料の一種以上が適宜選択して使用される。
接着剤としては、上記特定のラテックスが使用される
が、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質
類;スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エ
ステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテ
ックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重
合体ラテックス、或いはこれらの各種重合体ラテックス
をカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアル
カリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合体ラテック
ス;ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン
酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;陽性化澱
粉、酸化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体
等の如き通常の塗被紙等接着剤の一種以上も適宜選択し
て使用することができる。
なお、一般に接着剤は顔料100重量部に対して5〜50
重量部程度使用されるが、特に本発明では上記特定の共
重合体ラテックスを顔料100重量部に対して3〜35重量
部配合する必要がある。
また、塗被液中には必要に応じて消泡剤、着色剤、離
型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合されるが、塗
被層の固化を促進する助剤として、例えばアミン、アミ
ド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、アルミニウム、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウム等の多価金属塩を顔料
100重量部に対して0.1〜10重量部程度添加してもよい。
塗被液は、一般の塗被紙製造に用いられる、例えばブ
レードコーター、エヤーナイフコーター、ロールコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター、カーテン
コーター、ダイスロットコーター、グラビヤコーター、
チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター等の
塗被装置を設けたオンマシン又はオフマシンコーターに
よって原紙上に一層或いは多層に分けて塗被される。
その際の塗被液の固形分濃度は一般に40〜75重量%程
度であるが、操業性を考慮すると45〜70重量%の範囲が
好ましい。かかる塗被液の原紙への塗被量は乾燥重量で
片面当たり5〜35g/m2、より好ましくは10〜25g/m2の範
囲で適宜調節される。
また、湿潤塗被層を乾燥する方法としては、従来から
知られている蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、
電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、
レーザー加熱、電子線加熱等の各種方式が適宜採用でき
る。
かくして、得られた塗被紙は従来から一般に用いられ
ている塗被紙用仕上げキャレンダーに通紙して表面仕上
げをするものであるが、キャレンダーとしては、例えば
スーパーキャレンダー、グロスキャレンダー(特開昭40
−132305号、公表特許公報63−500188号)、ソフトコン
パクトキャレンダー(紙パルプ技術タイムス、昭和62年
8月号、31〜36頁;PPI、1987年11月号、45〜47頁;WFP、
1985年、22、873〜877頁)等の各種キャレンダーがオン
マシンやオフマシンの形態で使用される。なお、金属ロ
ール表面は硬質クロムメッキ等によって鏡面処理しても
よい。
キャレンダーのニップに入る前の塗被紙の水分は3〜
10%程度が好ましく、キャレンダーの仕上速度は紙の米
坪、品種等によって大きく異なるが、100〜1300m/分程
度の範囲が好ましい。また、表面処理後の塗被紙の調
湿、加湿のためにロールによる水塗り装置、静電加湿装
置、蒸気加湿装置等を設置したり、従来から塗被紙製造
分野で知られている各種技術を適宜組合わせて使用する
ことは勿論可能である。
なお、原紙としては、一般の印刷用塗被紙に用いられ
る米坪30〜300g/m2程度のペーパーベースやボードベー
スの原紙が用いられるが、抄紙方法については特に限定
されず、酸性抄紙、アルカリ性抄紙のいずれであっても
よいが、アルカリ性抄紙の場合がとりわけ好ましい。勿
論、高歩留パルプを含む中質原紙も適宜使用できる。ま
た、サイズプレス、ビルブレード等で予備塗工した原紙
も使用可能である。
片面塗被紙は、その使用的から、主として片面のみに
印刷して使用され、裏面にはカール防止対策として、通
常水或は澱粉、CMC、グリセリン、尿素系樹脂、或いは
無機塩類等の水性液が塗被、乾燥される。しかし、着色
瓶等に貼付されるラベル用紙や薄物塗被紙等では不透明
対策としてその裏面にも通常の印刷用塗被組成物が塗被
されて使用される場合もある。この場合には、裏面用の
塗被組成物も本発明の塗被組成物を適用することが好ま
しい。
「実施例」 以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
るが、勿論その範囲に限定されるものではない。また例
中の「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ
「重量部」及び「重量%」を示す。なお、得られた片面
塗被紙については以下の方法で品質評価を行った。
〔接着強度〕
RI印刷機(明製作所)を使用して印刷を行い、塗被紙
の印刷表面強度を目視判定した。
○:印刷時の接着強度に優れている。
△:印刷時に紙面にコート層ピックが一部発生す
る。
×:接着強度不足で紙面むけが発生し、実用的でな
い。
〔耐環境適性〕
塗被紙の塗被層表面に大日本インキ(株)製のNew Ch
ampionインキ(F−グロス85 Black)0.4ccを用いてRI
印刷機によりベタ刷り印刷を行った。次いで、裏面(反
対面)にポリビニルアルコール液、澱粉糊、両面テープ
等を用いて、幅6.5×長さ14.5cm、肉厚1.5mmの透明ガラ
ス板上に印刷を施した紙サンプル幅5×長さ14.5cmを貼
り付ける。次に、デューサイクルサンシャインウェザー
メーター用ホルダーに上記テスト紙サンプルを貼ったガ
ラス板をセットし、キセノンランプによるUV光の印刷面
への照射(点燈)を60分間行う。この時の温・湿度条件
は63℃−50%RHである。その後、キセノンランプを消燈
し、60分間暗黒状態とした後、紙サンプルを貼った面と
相反するガラス板表面上に12分間冷水がスプレーされ
る。この時の温・湿度は30℃−98%RHとなる。この際、
紙サンプル印刷部表面は、結露状態となる。このような
状態、即ち、キセノンランプの消燈・点燈各60分間の状
態を7サイクル繰り返すことにより、結露−乾燥の繰り
返しを行うものである。
本方法は、瓶ラベルの冷蔵庫出し入れによるコート層
劣化を再現する方法として考案され、冷蔵庫出し入れに
留まらず、包装用やポスター等の用途、印刷後紫外線、
温度、湿度、水、油等種々複合した環境条件下のコート
層劣化を良く再現する方法である。評価は塗被層表面の
劣化状態を目視で判定した。
○:塗被層の剥離が認められず、良好 ×:塗被層の一部が脱落し、不良 実施例1 晒 NKP60部、晒 LKP40部のパルプ紙料にロジンサイズ
剤1.5部、カチオン澱粉0.5部、タルク10部、硫酸バンド
3部を添加して調製したパルプスラリーを長網抄紙機で
速度550m/分で抄紙し、サイズプレスで酸化澱粉を乾燥
固形分が両面で2.6g/m2となるようにサイズプレスコー
ティングを行ない、乾燥して米坪65g/m2の原紙を得た。
このときの原紙の動的濡れ値は−0.25gであった。別
に、カオリン(商品名;UW−90/EMC社製)70部、微粒化
重質炭酸カルシウム(商品名;カービタル90/富士カオ
リン社製)部、サチンホワイト分散液(商品名;サチン
ホワイト/白石工業社製)10部(各固形分)とを配合し
ポリアクリル酸ソーダ0.2部を加えてコーレス分散機に
て分散し、固形分濃度66%の顔料スラリーを調製した。
このスラリーに燐酸変性澱粉2部(固形分)、及び本発
明(下記)のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
15部(固形分)を加え、更に水を加えて固形分濃度が60
%の塗被液を調整した、このようにして得た塗被液を前
記の原紙に、乾燥重量が15g/m2となるように片面塗被を
行ない、120℃のドライヤーで乾燥した後、続いて2本
ロールのキスロールコーターを使用して裏面に水を15g/
m2塗被し、エヤーホイル乾燥機で乾燥後、紙水分が6.5
%の片面塗被紙を得た。このようにして得た塗被紙を14
段のスーパーキャレンダーで仕上げた。
なお、本実施例で使用した共重合体ラテックスは以下
のようにして調製したものである。即ち、 オートクレーブ中に水200部、ブタジエン40部、スチ
レン24部、メチルメタクリレート15部、アクリロニトリ
ル15部、グリシジルメタクリレート3部、イタコン酸3
部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ0.5部、過硫
酸カリウム1.0部、四塩化炭素4部を添加し、60℃にて1
3時間反応させ、重合転化率98%の共重合体ラテックス
を得た。このラテックスを(A)とする。このようにし
て得たラテックスの平均粒子径、ゲル含有量、フィルム
の温水浸漬処理による重量減少率及びフィルムの紫外線
照射処理によるQ値の低下度合いを表−1に示した。ま
た、原紙の動的濡れ値及び得られた片面塗被紙の品質評
価結果を表−1に示した。
実施例2 原紙の動的濡れ値が0.10gとなるように条件設定後、
ツインワイヤー抄紙機により抄紙速度700m/分で抄紙し
た以外は実施例1と同様の原紙を得た。さらに表−1に
示す単量体組成を用いて実施例1と同様にして乳化重合
を行い共重合体ラテックス(B)を得た。次いで、上記
の如くして得た原紙上に実施例1と同様の塗被液を塗
被、乾燥後、同様にして片面塗被紙を得た。得られた塗
被紙の品質評価結果等を表−1に示した。
実施例3 晒 NKP20部、晒 LKP80部のパルプ紙料に、カチオン性
ポリアミドエピクロルピドリン樹脂0.06部、サイズ剤ア
コーペル0.3部、内添用炭酸カルシウム20部、カチオン
澱粉0.2部を添加してパルプスラリーを調製し、長網抄
紙機により原紙を抄紙し、次いでゲートロールコーター
を用いてリン酸エステル化澱粉を乾燥重量が3g/m2とな
るように塗布し、米坪105g/m2の原紙を得た。このとき
の原紙の動的濡れ値は−0.20gであった。別に、カオリ
ン(商品名;UW−90/EMC社製)50部、微粒化重質炭酸カ
ルシウム(商品名;カービタル90/富士カオリン社製)5
0部、さらにポリアクリル酸ソーダ0.2部を加えてコーレ
ス分散機にて分散し、固形分濃度70%の顔料スラリーを
調製した。このスラリーに酸化澱粉6部(固形分)、及
び表−1に示すような単量体組成を用いて実施例1と同
様にして乳化重合を行って得られたスチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックス(C)12部(固形分)を加え、さ
らに水を加えて固形分濃度が62%の塗被液を調製した。
このようにして得た塗被液を前記原紙の片面にブレード
コーターを用いて乾燥重量が10g/m2になるように塗被、
乾燥を行った後、裏面にベント・ブレードコーターでカ
ルボキシメチルセルローズナトリウム塩0.3%を含む水
性液10g/m2を塗被、乾燥して、紙水分が6.0%の片面塗
被紙を得た。
得られた塗被紙を金属ロールの表面温度85℃、2ニッ
プ、線圧250Kg/cm、通紙速度450m/分でソフトキャレン
ダー機に通紙し表面仕上げを行った。得られた塗被紙の
品質評価結果等を表−1に示した。
比較例1〜9 表−1に示すような単量体組成から成る系を実施例1
と同様にして乳化重合し、共重合体ラテックス(イ)〜
(リ)を得た。これらのラテックスを用いた以外は実施
例1と同様にして片面塗被紙を得た。得られた塗被紙の
品質評価結果等を表−1に示した。
比較例10〜11 原紙の動的濡れ値がそれぞれ−0.34g、0.20gとなるよ
うに抄紙した原紙を用いた以外は実施例1と同様にして
片面塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質評価結果等を
表−1に示した。
「効果」 表−1の結果から明らかなように、本発明の方法によ
る実施例で得られた片面塗被紙は過酷な環境条件下にお
いても、塗被層の剥がれ落ちや印刷効果が損なわれない
耐環境適性の優れた塗被紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山脇 一公 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 佐藤 信雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の片面又は両面に顔料及び接着剤を主
    成分とする水性塗被組成物を塗被乾燥後、表面仕上げを
    行う印刷用塗被紙の製造方法において、該原紙の動的濡
    れ値が−0.32g〜0.15gであり、且つ接着剤として下記単
    量体組成、 (a)共役ジエン 35〜50重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエステル
    1〜 5重量% (c)ビニルシアン化合物 0〜30重量% (d)芳香族ビニル化合物 15〜35重量% (e)エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル 5
    〜40重量% (f)エチレン系不飽和カルボン酸 1〜10重量% から成る平均粒子径が1000〜1800Å、及びゲル含有量が
    75〜95重量%である共重合体ラテックスであって、さら
    に下記条件、 (i)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを40℃の温
    水に5時間浸漬した後のフィルムの乾燥重量の減少率が
    5%以下であり、 且つ (ii)該共重合体ラテックスの乾燥フィルムを50℃で24
    時間紫外線照射を行った後、温度140℃、荷重160Kg/c
    m2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長さ)の条件下に
    測定したQ値と紫外線照射前の同じフィルムを用いて同
    一条件で測定したQ値に対する比が0.05以上、 を満足する共重合体ラテックスを顔料100重量部当り3
    〜35重量部使用することを特徴とする印刷用塗被紙の製
    造方法。
  2. 【請求項2】原紙の動的濡れ値が−0.30〜0.05gである
    請求項(1)記載の印刷用塗被紙の製造方法。
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