JP2690320B2 - 浚渫汚泥の固液分離方法及び浚渫液性汚泥の脱水方法並びに浚渫汚泥の処理方法 - Google Patents

浚渫汚泥の固液分離方法及び浚渫液性汚泥の脱水方法並びに浚渫汚泥の処理方法

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JP2690320B2 JP63071421A JP7142188A JP2690320B2 JP 2690320 B2 JP2690320 B2 JP 2690320B2 JP 63071421 A JP63071421 A JP 63071421A JP 7142188 A JP7142188 A JP 7142188A JP 2690320 B2 JP2690320 B2 JP 2690320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、浚渫汚泥の固液分離方法と、浚渫液性汚
泥の脱水方法と、これらの方法を組み合わせてなる浚渫
汚泥の処理方法に関する。
〔従来の技術〕
河川、湖沼等の浚渫作業において水底から揚上された
土砂、ヘドロ等の浚渫汚泥は、含水比が高いために脱水
処理を施さなければトラック自動車等により輸送するこ
とができないし、この輸送が可能であるとしても、多量
の水分を輸送することになるため輸送効率は低下する
し、輸送先での汚泥処理に手間どることになる。このた
め、従来は浚渫汚泥を脱水する方法として特開昭60−25
3627号公報その他に記載されるような方法が提案されて
いる。
即ち、前記公報記載の方法は、浚渫用の台船に搭載さ
れて下端が水底に到達する円筒ケーシング内でスクリュ
ーを回転させることにより、水底の汚泥を円筒ケーシン
グ下端から抄い上げるとともに、円筒ケーシングの上部
において円筒ケーシングの一部を回転させることにより
浚渫汚泥を滞留させて、浚渫汚泥内の比重の相違による
固液分離作用により液状分を流下させて脱水する方法で
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、浚渫汚泥は、水底構成状況の相違により必
ずしも全てが脱水処理をしなければならないものではな
い。例えば、水底での汚泥等の堆積状態を見ると、通常
1500cm程度の浚渫深度のうち、通常50cm程度の上層部を
形成するヘドロ槽は150〜300%の含水比であるため浚渫
後の脱水処理が不可欠であるが、それより下層部にある
土砂,シルト層等の含水比は50〜70%程度であって脱水
処理を必要としない。
しかしながら、前記従来の技術によれば、浚渫した汚
泥を、含水比の多少を問わず全て脱水させる方法となっ
ているために、本来必要のない脱水処理をも行っている
結果、浚渫効率に難があるという問題点がある。
この発明は、このような従来技術の問題点に着目して
なされたものであって、浚渫した汚泥を脱水の必要のな
い固形性汚泥と脱水の必要のある液性汚泥とに分離する
固液分離方法を提供することを目的としている。
また、この発明は、分離された液性汚泥を脱水するに
際して、遠心脱水のみでなく液性汚泥の圧縮による凝縮
脱水も施して効果的な脱水を行う浚渫液性汚泥の脱水方
法も併せて提供することを目的とし、さらにこの発明
は、前記固液分離方法と脱水方法とを組み合わせて効率
の高い浚渫汚泥の処理方法を提供することを目的として
いる。
〔課題を解決するための手段〕
この発明にかかる浚渫汚泥の固液分離方法は、開閉可
能で且つ閉じ状態にある簀子上に浚渫汚泥を投下して、
この簀子から液性汚泥を流下させるとともに固形性汚泥
を簀子上に残留させて固液分離し、次いで前記簀子を開
いて固形性汚泥を落下させ、前記簀子から下方向への落
下通路では、前記簀子の開閉状態に対応して仕分け板を
操作することより前記固液分離された両汚泥の行き先き
を仕分けるものである。
この固液分離方法において、前記簀子上への浚渫汚泥
の投下高さを選択して簀子に対する衝撃の大きさを調節
することにより固形性汚泥の含水比を調節することがで
きる。
また、前記簀子は、平行な回転軸と、各回転軸の軸方
向に一定間隔且つ相互に平行に固定された多数の掻き取
り羽根とからなり、両回転軸間では夫々に固定された掻
き取り羽根が相互に噛合するように各掻き取り羽根間に
入り込む配置とし、各掻き取り羽根間に残留して目詰ま
りする固形性汚泥を、両回転軸を回転させて、相互に他
方の回転軸の掻き取り羽根により除去してもよい。
さらに、前記仕分け板は、落下通路の閉鎖位置と、下
方へ旋回して開放位置との間で開閉可能になっており、
液性汚泥の流下時には仕分け板が閉鎖位置になるように
操作してこれにより液性汚泥を受け止め且つ液性汚泥通
路に案内し、固形性汚泥の落下時には仕分け板を開放位
置になるように操作してこれにより固形性汚泥を固形性
汚泥通路に落下させることが好適である。
また、浚渫液性汚泥の脱水方法は、浚渫して得られた
液性汚泥を、前部に開閉可能な固形分排出口を有する円
筒ケーシング内にスクリューコンベヤを備えた遠心分離
機に供給して、円筒ケーシングを回転させることにより
液性汚泥に遠心力を与えて脱水するとともに脱水された
固形分をスクリューコンベヤの回転により前記排出口に
向けて前進させ、さらに前記固形分排出口の開閉調節に
より固形分の移動を抑制してこれを圧縮することにより
固形分を凝縮させてさらに脱水させるものである。
前記浚渫汚泥の固液分離方法と、前記浚渫液性汚泥の
脱水方法とを組み合わせてなる浚渫汚泥の処理方法は、
開閉可能で且つ閉じ状態にある簀子上に浚渫汚泥を投下
して、この簀子から液性汚泥を流下させるとともに固形
性汚泥を簀子上に残留させて固液分離し、次いで前記簀
子を開いて固形性汚泥を落下させ、前記簀子から下方向
への落下通路では、前記簀子の開閉状態に対応して仕分
け板とを操作することにより液性汚泥と固形性汚泥の各
行き先を仕分けて、前記液性汚泥は遠心分離機に供給す
るとともに前記固形性汚泥は排出コンベヤに供給し、前
記遠心分離機では、前部に開閉可能な固形分排出口を有
する円筒ケーシング内で、この円筒ケーシングの回転に
より液性汚泥に遠心力を与えて脱水するとともに脱水さ
れた固形分をスクリューコンベヤの回転により前記排出
口に向けて前進させ、さらに前記固形分排出口の開閉に
より固形分の移動を抑制してこれを圧縮することにより
固形分を凝縮させてさらに脱水させた後、固形分を前記
排出コンベヤに供給する方法である。
さらに、この処理方法において排出コンベヤに供給さ
れた固形分をトラック自動車等の輸送手段により投棄現
場に輸送し、液状分は浚渫水域に還流させることもでき
る。
〔作用〕
浚渫汚泥の固液分離方法は、浚渫汚泥を簀子上に投下
するだけで固液分離できる。分離された液性汚泥は仕分
け板により仕分けて次の処理工程に供給し、固形性汚泥
は別の工程に供給される。固形性汚泥は前記分離により
再度脱水する必要がなく、液性汚泥のみを次工程で脱水
すればよいから浚渫汚泥の処理の効率が高くなる。簀子
上への浚渫汚泥の投下高さを選択して簀子に対する落下
衝撃の大きさを調節することにより、分離される固形性
汚泥の含水比を調節することができる。
前記簀子を構成する回転軸を回転させて掻き取り羽根
を旋回させれば、掻き取り羽根に付着して残留する固形
性汚泥を相互に他方の回転軸の掻き取り羽根により除去
するから簀子の目詰まりを防止することができる。
前記仕分け板は、落下通路の閉鎖位置で、流下する液
性汚泥を液性汚泥通路に案内して次の処理工程に供給
し、開放位置で、固形性汚泥を固形性汚泥通路に落下さ
せる。
また、この発明の浚渫液性汚泥の脱水方法は、浚渫し
て得られた液性汚泥を、遠心力による脱水と、圧縮に基
づく固形分凝縮による脱水とに供するから効率的な脱水
が可能となる。必要によっては脱水した固形分にさらに
この脱水を繰り返すことも可能である。
前記浚渫汚泥の固液分離方法と、前記浚渫液性汚泥の
脱水方法とを組み合わせてなる浚渫汚泥の処理方法で
は、前記固液分離されて脱水が必要な汚泥、即ち液性汚
泥のみを脱水し、脱水の必要のない固形性汚泥は脱水し
ないために作業に無駄がなくて処理効率が高い。しかも
その脱水は遠心力による脱水と、凝縮による脱水とを併
せて行うために脱水能率が高い。また、この処理方法に
おいて排出コンベヤに供給された固形分をトラック自動
車等の輸送手段により投棄現場に輸送し、液状分は浚渫
水域にそのまま還流させることもできる。
〔実施例〕
第1図は、浚渫汚泥の固液分離方法と浚渫液性汚泥の
脱水方法とを組み合わせてなる浚渫汚泥の処理方法を示
す説明図である。第2〜4図は浚渫汚泥の固液分離方法
の実施に直接使用する装置の説明図であり、第1図にお
いて図示されたものの詳細が説明されている。第5図は
浚渫液性汚泥の脱水方法の実施に直接使用する装置の説
明図であり、これも第1図において図示されたものの詳
細が説明されている。
而して、浚渫汚泥の処理方法を説明すれば、浚渫汚泥
の固液分離方法と浚渫液性汚泥の脱水方法との両者も説
明することになるので、以下に浚渫汚泥の処理方法につ
いて説明する。
第1図に示す浚渫船1は、浚渫するための水域に図示
しないスパッド装置を用いて係留されており、水底の汚
泥を、ブーム2先端に吊った公知の密閉式バケット3に
より浚渫し、この浚渫汚泥を浚渫船1に後述するように
設置された簀子4上に投下する。
簀子4について説明すると、浚渫船1に構築された枠
体5の上部5a内にホッパ6が設置され、これの下部に連
続して半筒状の一対のケーシング7が対向して水平に固
定されていて、第2〜4図に示すように、このケーシン
グ7の各曲率中心に2本の水平且つ相互に平行な回転軸
8が回転自在に架設され、各回転軸8には、多数の掻き
取り羽根9が、各回転軸8の軸方向に一定間隔且つ相互
に平行に固定されており、両回転軸8の各掻き取り羽根
9は回転軸8間で相互に噛合するように、各掻き取り羽
根9間に入り込んでいる。かかる回転軸8と掻き取り羽
根9とで前記簀子4を構成している。
両回転軸8には、相互に噛合する歯車10が固定されて
相互に反対方向に一体回転するようになっていて、一方
の歯車10に駆動モータ11の出力軸に固定された駆動歯車
12が噛合して、これにより簀子4が開閉するようになっ
ている。簀子4の開閉は、第2〜4図に示すように、各
掻き取り羽根9が水平状態にある閉じ状態と、掻き取り
羽根9が前記状態より内側に90度程度旋回した開き状態
との間でなされ、また回転軸8の複数回の回転により、
掻き取り羽根9に残留して簀子4の目詰まりを起こして
いる固形性汚泥を、他方の掻き取り羽根9により除去す
る。簀子4の開き状態は、前記90度程度の旋回により行
うのではなく、掻き取り羽根9の前記複数回の回転時を
開き状態としてもよい。その結果、この複数回転によっ
て、固形性汚泥の落下と目詰まりの除去とを同時になす
ことができる。
かかる簀子4に密閉式バケット3から浚渫汚泥を投下
すると、汚泥は簀子4上に落下し、この落下により固形
性汚泥が簀子4上に残留する一方、液性汚泥が簀子4か
ら流下して、浚渫汚泥が固液分離される。前記投下に際
しては、投下高さを適宜選択することによって簀子4上
に残留する固形性汚泥の含水比を調節することができ
る。即ち、投下高さに応じて、浚渫汚泥の簀子4への落
下速度が変化するために、浚渫汚泥の簀子4への衝撃力
が変化する。この衝撃力の変化を利用して浚渫汚泥の簀
子4への落下時に振り切られる液性汚泥の量を調節する
ことができる。なお、密閉式バケット3から投下する前
に、予め密閉式バケット3を少し開いて浚渫汚泥のうち
液性汚泥の一部を密閉式バケット3から流下させておく
と、予備的に固液分離がなされるために簀子4による固
液分離効果を向上させることができる。
簀子4から流下した液性汚泥は、簀子4下方の空間に
形成された落下通路13を流下して、仕分け板14により液
性汚泥通路15に案内される。この液性汚泥通路15は液性
汚泥を次工程に移動させるためのものであればその構造
は問わない。第1図においては液性汚泥通路15としてス
クリューコンベヤを使用しているが、傾斜した流路を使
用する等の他の手段を採用することもできる。
仕分け板14は、特に第4図に示されるように落下通路
13の両側にあり相互に平行且つ水平な一対の回転軸16に
固定されて、落下通路13を閉鎖する実線の閉鎖位置と、
落下通路13を開放する鎖線の開放位置との間で上下に旋
回自在に構成される。この旋回は、回転軸16に固定され
たアーム17の先端にシリンダ装置18が連結されていて、
このシリンダ装置18の伸縮により行われるが、仕分け板
14の旋回は他の公知の手段により行われるものであって
もよい。シリンダ装置18の後端は枠体5に支持されてい
る。
簀子4からの液性汚泥の流下時には仕分け板14を先端
を若干上方に傾斜させた閉鎖位置にして、この仕分け板
14により液性汚泥を受け止め、且つこれを液性汚泥通路
15に案内する。第1図においては一方の仕分け板14にの
み液性汚泥通路15が連続するように表示されているもの
の、実際には第4図における両仕分け板14に液性汚泥通
路15が連続している。また仕分け板14の後端には金網等
からなるフィルタ19を配置してこれを通過した液性汚泥
のみが液性汚泥通路15に案内されるものとし、またこの
フィルタ19にはバイブレータ19aを設置して、フィルタ1
9による濾過を円滑ならしめるとともにその目詰まりを
防止する。フィルタ19では流下した前記液性汚泥を濾過
する一方、これに混入された固形性汚泥を分離し溜めて
おく。
簀子4上に残留した固形性汚泥は、簀子4を前記開き
状態にして落下通路13に落下させる。このときは、シリ
ンダ装置18の伸長により仕分け板14を開放位置として、
固形性汚泥をそのまま落下通路13を落下させ、第1図に
示される、仕分け板14の下方に位置する排出コンベヤ20
に供給する。この排出コンベヤ20は固形性汚泥の排出通
路をなす。仕分け板14の開放位置への前記旋回により、
フィルタ19において分離され貯留されていた固形性汚泥
は、仕分け板14上面を滑って落下されて排出コンベヤ20
に供給される。
前記固液分離されて液性汚泥通路15に供給された液性
汚泥は、一旦タンク21に溜められてから脱水装置22に供
給される。この脱水装置22への液性汚泥の供給はタンク
21から自然流下されるようにしてもよいし、また図示し
ないポンプその他の手段により行ってもよいが、いずれ
にしても時間当たりにして定量の液性汚泥が脱水装置22
に供給されるものとする。
脱水装置22としては、第5図に示される遠心分離機が
用いられる。これは、後端が軸受23を介して浚渫船1上
の受台24に回転自在に支持され、前端が軸受25を介して
浚渫船1上の受台26に回転自在に支持される円筒ケーシ
ング27内に、スクリューコンベヤ28を回転自在に装着し
てなるものであり、円筒ケーシング27の回転力はプーリ
29を介して入力され、スクリューコンベヤ28はモータ30
aにより回転される。円筒ケーシング27とスクリューコ
ンベヤ28とは同一方向に且つスクリューコンベヤ28が円
筒ケーシング27よりも回転数を大にして回転される。
スクリューコンベヤ28のドラム30内に後端開口31から
前記液性汚泥が供給され、これが、ドラム30周面の孔32
から円筒ケーシング27内に導入される。すると、この液
性汚泥円筒ケーシング27の遠心力によって円筒ケーシン
グ27内壁に押し付けられて脱水され、この脱水された固
形分が前記内壁に付着する。そして、円筒ケーシング27
内壁に付着した固形分はスクリューコンベヤ28によって
円筒ケーシング27内を前方(第5図において右方)の固
形分排出口34に向けて移動する。円筒ケーシング27は中
途部が先細のテーパをなし、前部が小径となっていて、
この小径部に向けて前記固形分が移動される。また前記
脱水により生じた液状分にも遠心力が与えられかつこれ
は流体であるため、この液状分は小径部に移動すること
ができずに円筒ケーシング27の大径部である後部の排液
孔33から排出される。
前記固形分排出口34は、軸方向に進退する漏斗状円板
35により開閉されて、これによりスクリューコンベヤ28
による前記固形分の移動を円筒ケーシング27前端におい
て抑制する。即ち、漏斗状円板35をスクリューコンベヤ
28側に前進させることにより固形分排出口34を閉鎖する
と固形分の排出が不能になり、また漏斗状円板35をスク
リューコンベヤ28から離れる側に後退させることにより
固形分排出口34を開放すると固形分がここから排出され
る。漏斗状円板35の前記進退は図示しない進退駆動装置
によりなされる。この進退駆動装置は物体を進退させる
ための公知の機構を用いればよいし、また固形分排出口
34を開閉する部材としては前記漏斗状円板35以外の構造
をもつものであってもよい。
固形分排出口34が閉鎖されると固形分が円筒ケーシン
グ27内で前端から順次後端側に順次溜り、スクリューコ
ンベヤ28の押圧力によって圧縮されるために、この固形
分は凝縮されてここでも脱水される。これを詳細に説明
すると、固形分は遠心力によって円筒ケーシング27内壁
に強く押しつけられているため摩擦力が高くなってお
り、これを移送するスクリューコンベヤ28の押圧力は、
固形分排出口34の閉鎖時には単に固形分を移送する押圧
力よりも相当大きなものであり、かかる大きな押圧力が
漏斗状円板35によって停滞されている固形分に加えられ
るため、固形分は移動することができず、前記押圧力に
よって凝縮されることになって脱水される。次いで固形
分排出口34が開放されると、前記脱水された固形分はこ
こから排出されて、延長されている前記排出コンベヤ20
に供給される。また凝縮により脱水された液状分は前記
遠心力により生じた液状分とともに排液孔33から排出さ
れる。前記固形分排出口34の開閉の時間及びタイミング
は経験により決定されるものとし、前記操作の繰り返し
によって液性汚泥を脱水する。
円筒ケーシング27後端の排液孔33から排出された液状
分は、必要により第1図に示す脱水装置36によって固形
分と液状分とにさらに分離される。この脱水装置36は前
記脱水装置22と同一の装置とし、両者を連結して配置し
ておくものとする。ここでは固形分は排出コンベヤ20に
供給し、液状分は浚渫水域に還流される。
1台の脱水装置22のみで排出液状分が所定成分になる
場合には、脱水装置36を省略して脱水装置22から排出さ
れた液状分を浚渫水域に還流してもよい。かくして、排
出コンベヤ20では、簀子4で分離された固形性汚泥と、
仕分け板14のフィルタ19で捕捉された固形性汚泥と、脱
水装置22で脱水された固形分と、脱水装置36で脱水され
た固形分とが移送される。これを公知の手段によりトラ
ック自動車等に搭載して処理場所に輸送すればよい。
以上の液状分と固形分の移動について、第1図におい
ては、浚渫汚泥のうち固形分の移動方向については鎖線
の矢印で示され、液状分の移動方向については破線の矢
印で示される。
なお、浚渫汚泥を簀子4に投下する手段としては、前
記密閉式バケット3に代えて他の公知手段を採用するこ
ともできる。例えばラダー浚渫船に採用される、無端状
にバケットを多数連続してなる浚渫方法も適用可能であ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば次の効果を有
する。
即ち、浚渫汚泥の固液分離方法によれば、浚渫汚泥を
簀子上に投下するだけで固液分離できるから、分離され
た固形性汚泥に関しては脱水する必要がないし、従って
分離された液性汚泥についてのみ脱水すれば足りるか
ら、浚渫汚泥の処理効率が高い。また、簀子上への浚渫
汚泥の投下高さを選択して簀子に対する落下衝撃の大き
さを調節することにより、分離される固形性汚泥の含水
比を調節することができるから、固形性汚泥の輸送や投
棄の条件に対応した含水比とすることができる。また、
前記簀子を構成する回転軸を回転させて掻き取り羽根を
旋回させれば、掻き取り羽根に付着して残留する固形性
汚泥を相互に他方の回転軸の掻き取り羽根により除去す
るから簀子の目詰まりを防止することができる。さら
に、前記仕分け板は、液性汚泥と固形性汚泥とを仕分け
てこれらの移送先を区分するから、固形性汚泥に余分な
脱水処理等を加えるおそれはなくなる。
また、この発明の浚渫性汚泥の脱水方法は、スクリュ
ーコンベヤを固形分の移送と圧縮とに用いることによっ
て、液性汚泥を遠心力による脱水と、圧縮に基づく固形
分凝縮による脱水とに供するから2種類の脱水をして充
分に脱水することができる。
さらに、前記浚渫汚泥の固液分離方法と、前記浚渫液
性汚泥の脱水方法とを組み合わせてなる浚渫汚泥の処理
方法では、前記固液分離されて脱水が必要な汚泥、即ち
液性汚泥のみを遠心分離機によって脱水し、脱水の必要
のない固形性汚泥は脱水しないために作業に無駄がなく
て処理効率が高い。しかも遠心分離機による脱水は遠心
力による脱水と、凝縮による脱水とを併せて二重の脱水
を行うために脱水能率が高く、充分な脱水がなされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、浚渫汚泥の固液分離方法と浚渫液性汚泥の脱
水方法とを組み合わせてなる浚渫汚泥の処理方法を示す
説明図である。第2図は浚渫汚泥の固液分離方法の実施
に直接使用する装置の平面図、第3図は同正面図、第4
図は同要部断面拡大図、第5図は浚渫液性汚泥の脱水方
法の実施に直接使用する装置の断面図である。 1……浚渫船、3……密閉式バケット、4……簀子、6
……ホッパ、7……ケーシング、8……回転軸、9……
掻き取り羽根、13……落下通路、14……仕分け板、15…
…液性汚泥通路、20……排出コンベヤ、22……脱水装
置、27……円筒ケーシング、28……スクリューコンベ
ヤ、34……固形分排出口、35……漏斗状円板。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉可能で且つ閉じ状態にある簀子上に浚
    渫汚泥を投下して、この簀子から液性汚泥を流下させる
    とともに固形性汚泥を簀子上に残留させて固液分離し、
    次いで前記簀子を開いて固形性汚泥を落下させ、前記簀
    子から下方向への落下通路では、前記簀子の開閉状態に
    対応して仕分け板を操作することより前記固液分離され
    た両汚泥の行き先きを仕分けることを特徴とする浚渫汚
    泥の固液分離方法。
  2. 【請求項2】前記簀子上への浚渫汚泥の投下高さを選択
    して固形性汚泥の含水比を調節することを特徴とする第
    1請求項記載の浚渫汚泥の固液分離方法。
  3. 【請求項3】前記簀子は、平行な回転軸と、各回転軸の
    軸方向に一定間隔且つ相互に平行に固定された多数の掻
    き取り羽根とからなり、両回転軸間では夫々に固定され
    た掻き取り羽根が相互に噛合するように各掻き取り羽根
    間に入り込む配置とし、各掻き取り羽根間に残留して目
    詰まりする固形性汚泥を、両回転軸を回転させて、相互
    に他方の回転軸の掻き取り羽根により除去することを特
    徴とする第1又は第2請求項記載の浚渫汚泥の固液分離
    方法。
  4. 【請求項4】前記仕分け板は、落下通路の閉鎖位置と、
    下方へ旋回しての開放位置との間で開閉可能になってお
    り、液性汚泥の流下時には仕分け板が閉鎖位置になるよ
    うに操作してこれにより液性汚泥を受け止め且つ液性汚
    泥通路に案内し、固形性汚泥の落下時には仕分け板を開
    放位置になるように操作してこれにより固形性汚泥を固
    形性汚泥通路に落下させることを特徴とする第1ないし
    第3請求項のいずれかに記載の浚渫汚泥の固液分離方
    法。
  5. 【請求項5】浚渫して得られた液性汚泥を、前部に開閉
    可能な固形分排出口を有する円筒ケーシング内にスクリ
    ューコンベヤを備えた遠心分離機に供給して、円筒ケー
    シングを回転させることにより液性汚泥に遠心力を与え
    て脱水するとともに脱水された固形分をスクリューコン
    ベヤの回転により前記排出口に向けて前進させ、さらに
    前記固形分排出口の開閉調節により固形分の移動を抑制
    してこれを圧縮することにより固形分を凝縮させてさら
    に脱水させることを特徴とする浚渫液性汚泥の脱水方
    法。
  6. 【請求項6】開閉可能で且つ閉じ状態にある簀子上に浚
    渫汚泥を投下して、この簀子から液性汚泥を流下させる
    とともに固形性汚泥を簀子上に残留させて固液分離し、
    次いで前記簀子を開いて固形性汚泥を落下させ、前記簀
    子から下方向への落下通路では、前記簀子の開閉状態に
    対応して仕分け板を操作することより液性汚泥と固形性
    汚泥の各行き先を仕分けて、前記液性汚泥は遠心分離機
    に供給するとともに前記固形性汚泥は排出コンベヤに供
    給し、前記遠心分離機では、前部に開閉可能な固形分排
    出口を有する円筒ケーシング内で、この円筒ケーシング
    の回転により液性汚泥に遠心力を与えて脱水するととも
    に脱水された固形分をスクリューコンベヤの回転により
    前記排出口に向けて前進させ、さらに前記固形分排出口
    の開閉により固形分の移動を抑制してこれを圧縮するこ
    とにより固形分を凝縮させてさらに脱水させた後、固形
    分を前記排出コンベヤに供給することを特徴とする浚渫
    汚泥の処理方法。
  7. 【請求項7】排出コンベヤに供給された固形分をトラッ
    ク自動車等の輸送手段により投棄現場に輸送し、液状分
    を浚渫水域に還流させることを特徴とする第6請求項記
    載の浚渫汚泥の処理方法。
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