JP2690094B2 - エアゾール用組成物 - Google Patents

エアゾール用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エアゾール用組成物に関し、さらに詳しく
は、簡単にゲル状吐出することができ、べたつき感が少
なく、皮膚刺激のない化粧品、医薬部外品、医薬品用に
好適なエアゾール用組成物に関する。 〔従来の技術〕 近年、従来の商品と差別化するために五感特に視感に
訴える商品が多くなってきた。化粧品などにおいては透
明感のあるゲル状物質をプラスチックチューブに入れて
販売されている。また、エアゾール製品では原液と噴射
剤を隔離させた二重容器システムを利用したゲル状吐出
エアゾール製品が販売されている。通常ゲル状原液とす
るにはガム質または水溶性高分子化合物などの増粘剤が
使用されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、それらゲル状原液を皮膚などに塗布し
た場合べたつき感が残るという欠点を有し、特に医薬品
などにおいては不適であった。また、常法により噴射剤
としての液化ガスを充填すると、有効成分などを可溶化
するために可溶化剤などを使用している場合が多く、こ
の場合、液化ガスが原液中に分散するのでゲル状吐出で
はなく泡状吐出になる場合が多い。そのような場合、原
液と噴射剤としての液化ガスを隔離した二重容器システ
ムを利用すると良いが、容器のコスト,噴射剤としての
液化ガスの透過等種々の問題が残っている。 〔問題を解決するための手段〕 本発明者らは、簡単にゲル状吐出することができ、べ
たつき感が少ないエアゾール用原液について研究を重ね
た結果、肌の衰えを防止し、素肌にハリとうるおいを与
える目的で化粧品原料として使用されている水分保持性
の優れた生体内高分子を使用すると、少量で原液粘度が
増大し、しかもべたつき感がないことを見い出すととも
に、エアゾール用原液としては水分保持性の優れた生体
内高分子,水,アルコールを主成分としているので噴射
剤が分離するので二重容器システムを使用しなくともゲ
ル状吐出することができることを見い出した。本発明は
前記新知見に基づいて鋭意研究を重ねた結果完成したも
のであって、その要旨は、 「コラーゲン、ゼラチンおよびケラチンからなる群か
ら選ばれる高分子と水またはアルコール水溶液とを主成
分とし、これに所望の有効成分を添加してなるゲル状の
エアゾール用原液と噴射剤とからなり、両者が分離状態
にあることを特徴とするエアゾール用組成物。」 にある。 水分保持性の優れた生体内高分子の配合量は0.001〜1
0重量部であるが、好ましくは0.01〜5重量部である。
すなわち、0.001重量部未満では、原液粘度が増大せ
ず、ゲル状吐出が困難となり、又、10重量部を越える
と、原液がゼリー状になり、吐出困難となり、いずれも
好ましくない。 好ましい水分保持性の優れた生体内高分子としては、
コラーゲン,ゼラチンがあるが、それ以外に、例えば、
エラスチン,ケラチン,絹フィブロイン,スポンジン,
ゴルゴニン,ミオーゲン,ロイコシン,血清アルブミ
ン,ラクトアルブミン,卵白アルブミン等を挙げること
ができる。 アルコールは、有効成分の可溶化剤もしくは分散剤と
して用いるものである。使用するアルコールとしては、
エタノールが沸点が低く気化しやすく、かつ、速乾性を
有し清涼感を与えるので好ましい。また、イソプロピル
アルコールを用いてもよい。 アルコールの水溶液中の配合量は、エアゾール原液と
噴射剤がほぼ分離状態を保持する範囲で適宜選択するこ
とができ、具体的には0〜50重量部、好ましくは0〜30
重量部の範囲である。 エアゾール用原液に添加する有効成分としては、アフ
ターシェーブローション有効成分、ハンドローション有
効成分、スキンローション有効成分、アストリンゼント
有効成分、アクネ用ローション有効成分、サンタンロー
ション有効成分、ボディーコロン有効成分、忌避剤有効
成分、制汗剤有効成分、消臭剤有効成分、かゆみ止め有
効成分、消炎鎮痛剤有効成分、殺菌剤有効成分、清拭剤
有効成分、水虫薬有効成分などを挙げることができる。 噴射剤としては、一般に使用されている液化石油ガス
(プロパン、ノルマルブタン、イソブタンの主成分より
なる)、ジクロロジフルオロメタン(F12)、ジクロロ
テトラフルオロエタン(F114)、ジメチルエーテル等の
液化ガス及び、CO2,N2等の圧縮ガスを用いることができ
るが、好ましくは水溶性原液と混じりあわない噴射剤と
して前記のうち液化石油ガス(LPG)、F12、F114、N2
るいはこれらの混合物等が使用される。前記した噴射剤
は水に対してほとんど不溶であるが若干は水に溶解す
る。本願発明においてはアルコールを用いる場合には水
単独の場合よりも原液中に溶解する噴射剤は少し多くな
る場合があるがこのような場合でもほとんどの噴射剤が
分離状態にある。ごく少量の噴射剤が原液中に溶解して
いても吐出した時にゲル状で吐出できればよく発泡しな
い範囲で原液中に噴射剤が溶解していてもなんらさしつ
かえない。その使用量は0.01〜25重量%の範囲で使用す
る。0.01重量%以下では内容物を全量吐出することがむ
つかしく25重量%以上であると内容物(原液)を全量吐
出した状態で噴射剤だけが残るのでまずい。 好ましくは0.1〜15重量%である。 以下に実施例と比較例を説明する。 〔実施例〕 実施例1(スキンケアローション) エアゾール原液組成 2%コラーゲン水溶液 10重量部 (商品名:ニッピコラーゲンSCL)(株)ニッピ製 精 製 水 90重量部 上記原液97重量部と25℃の圧力が3.0kg/cm2であるLPG
3重量部を用いてエアゾール組成物を常法により作成し
た。 実施例2(清拭剤) エアゾール原液組成 1%コラーゲン水溶液 10 重量部 (商品名:コラゾール)クローダジャパン(株)製 アズレン 0.1重量部 精 製 水 89.9 〃 上記原液95重量部と25℃の圧力が3.8kg/cm2であるLPG
5重量部を用いてエアゾール組成物を常法により作成し
た。 実施例3(制汗剤) エアゾール原液組成 ゼラチン 0.5重量部 クロルヒドロキシアルミニウム 1 〃 イルガサンDP−300 0.1 〃 95%変性アルコール 12 〃 精 製 水 86.4 〃 上記原液90重量部とF12とF114の混合割合が50:50重量
部の液化ガス10重量部を用いてエアゾール組成物を常法
により作成した。 実施例4 実施例1と同じ 原液を容器に充填し30容量%のヘッドスペースにN2
スを常法により充填し製品内圧が25℃で6kg/cm2となる
ようにエアゾール組成物を常法により作成した。 比較例1(清拭剤) メチルセルロース 5 重量部 アズレン 0.1 〃 精 製 水 94.9 〃 噴射剤としては実施例2と同じLPGを同じ量用いた。 比較例2(制汗剤) ヒドロキシプロピルセルロース 4 重量部 クロルヒドロキシアルミニウム 1 〃 イルガサンDP−300 0.1 〃 95%変性アルコール 12 〃 精 製 水 82.9 〃 噴射剤としては実施例3と同じ液化ガスを同じ量用い
た。 上記実施例1〜4及び比較例1,2の配合によるエアゾ
ール用原液と噴射剤を用いてエアゾール製品を得、これ
ら各サンプルを20人のパネラーの腕に吐出し、べたつき
感、吐出状態、展着性について官能試験を行った結果を
第1表に示す。 〔発明の効果〕 本発明のエアゾール用組成物は、水分保持性の優れた
生体内高分子を配合しているので、少量で原液粘度が増
大し、製品を使用するときべたつき感がなく、しかも、
噴射剤としての液化ガスを分離させておくだけでよく二
重容器システムを使用しなくともゲル状吐出することが
できるという実用的に優れた効果を有するものである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.コラーゲン、ゼラチンおよびケラチンからなる群か
    ら選ばれる高分子と水またはアルコール水溶液とを主成
    分とし、これに所望の有効成分を添加してなるゲル状の
    エアゾール用原液と噴射剤とからなり、両者が分離状態
    にあることを特徴とするエアゾール用組成物。 2.高分子がコラーゲンおよび/またはゼラチンであ
    る、特許請求の範囲第1項記載のエアゾール用組成物。 3.アルコール水溶液がエタノール乃至イソプロピルア
    ルコールの水溶液であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項又は第2項記載のエアゾール用組成物。 4.コラーゲン、ゼラチンおよびケラチンからなる群か
    ら選ばれる高分子0.001〜10重量部とアルコール0〜50
    重量部水溶液90〜99.000重量部とを主成分とし、これに
    所望の有効成分を添加してなるゲル状のエアゾール用原
    液75〜99.99重量部と噴射剤0.01〜25重量部とからな
    り、両者が分離状態にあることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載のエアゾール用組成物。
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