JP2690085B2 - 蛍光体被膜の形成方法 - Google Patents
蛍光体被膜の形成方法Info
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- JP2690085B2 JP2690085B2 JP62272508A JP27250887A JP2690085B2 JP 2690085 B2 JP2690085 B2 JP 2690085B2 JP 62272508 A JP62272508 A JP 62272508A JP 27250887 A JP27250887 A JP 27250887A JP 2690085 B2 JP2690085 B2 JP 2690085B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass tube
- phosphor
- folded portion
- hot air
- phosphor suspension
- Prior art date
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、蛍光体被膜の形成方法に関するものであ
る。 従来の技術 発光管形状をダブルU形にコンパクト化し、さらに安
定器、点灯管および電球口金の一体化した電球形蛍光ラ
ンプは省電力を志向する代表的な光源である。ダブルU
形のように放電路が折返されてコンパクト化された蛍光
ランプは、小さな曲率半径の曲げ部の機械的強度を確保
するため、通常U形にモールド成形されたガラス管を用
いて製造される。ところが、このような形状のガラス管
では両方の開口端が一側に位置しているので、その内面
に全長にわたって均一な厚さの蛍光体膜を形成すること
がむずかしい。すなわち、かかるガラス管の場合は、乾
燥用エアーを下側開口端からしか吹込むことができな
い。ガラス管の下側から乾燥用エアーを吹込んでもガラ
ス管の下部の開口端付近の膜厚のみが増加し、相対的に
上部の折返し部分がうすくなるという不均衡が発生す
る。極端な場合は単位面積当りの蛍光体付着量の上下比
が30%になることもある。 ダブルU形蛍光ランプにおいては、両開口端部は電極
が封止されているので、放電発光にはあまり寄与しない
のに対し、上部の折返し部は両電極間の放電中央部分に
相当し、この部分からの発光は直接ランプ出力を大きく
左右する。また、この折返し部分の蛍光体付着量が最適
値より少ない場合には、光出力の低下のみならず、放電
中の紫外線による蛍光体の劣化変色が早期に発生し、ラ
ンプ寿命中の光束維持率の低下という大きな原因にもな
っていた。 発明が解決しようとする問題点 折返し部を有するガラス管内面にその全長にわたって
均一で十分な厚さの蛍光体被膜を形成するには、まず折
返し部分に十分な膜厚の蛍光体を付与しなければならな
い。この目的のためにガラス管内にノズルを挿入してエ
アーを吹込み上部の乾燥を速める方法も提案されてい
る。しかし、この方法はバルブ寸法が変わるごとに条件
変更が必要となり、また塗布膜面の周方向に粗密が生じ
るなど、品質上の管理も困難である。 問題点を解決するための手段 本発明の蛍光体被膜の形成方法は、折返し部を有する
ガラス管の内面に蛍光体けん濁液を塗布した後、前記ガ
ラス管をこの開口端が下向きになるように垂直に保持
し、前記ガラス管の折返し部に外方から室温以上の温風
を吹付けて、前記折返し部に付着した前記蛍光体けん濁
液を乾燥させるとともに、前記温風により前記ガラス管
の脚部に付着する前記蛍光体けん濁液の粘性を低下さ
せ、前記温風を吹き付けた後ガラス管を自然状態で放置
して前記蛍光体けん濁液の乾燥を終了するものである。 作用 本発明は、ガラス管の折返し部に外部から温風を吹付
けることにより、この部分にまず十分な膜厚を確保する
と共に、温風によるけん濁液の温度上昇によりけん濁液
の粘性を低下させ、この粘性の低下を利用してガラス管
の脚部の付着量を従来に比べ減少させ、ガラス管の下側
開口端から乾燥エアーを吹き込むことなく、ガラス管全
体にわたって実質的に均一な蛍光体膜厚を得ることがで
きる。 実施例 以下、本発明の実施例について図面を用いて説明す
る。 第1図A,Bは、本発明の蛍光体被膜形成方法を説明す
るための図であって、1は折返し部2を有するU形ガラ
ス管、3は温風発生装置、4は温風を示している。 なお、第1図A,B中、5はガラス管1をつり下げるた
めの支持棒を示す。 U形ガラス管1の外径は15.5mm,長さLは183mmでこの
内面に蛍光体けん濁液を塗布した後、第1図に示すよう
に、ガラス管1の開口端が下向きになるように垂直に保
持し、80℃の温風4をガラス管1の折返し部2の上方35
mmから水柱10mmの圧力で約30秒間吹付け、その後約5分
間自然状態で放置して乾燥を終了した。このガラス管内
面への蛍光体の付着状態を調べるため、第2図に示す如
くガラス管全体を5等分に区切り単位面積当りの付着量
を測定し、ガラス管の上部と下部で従来の温風を用いな
い場合と比較した。その結果を第1表に示す。 すなわち、カラス管全体に付着した蛍光体の総量を一
定とした場合、上部L/5に付着した量は従来のそれに比
べ45%増加し上部/下部(上/下)比も満足できる値を
示した。 蛍光体として、ユーロピウム付活二酸化イットリウム
とテルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウムの
混合蛍光体を用い、本発明の方法でガラス管内面に蛍光
体被膜を形成した後、ガラス管の両端に電極を封止して
電極間距離280mmを有するダブルU形蛍光ランプを完成
した。なお、ガラス管内部には400Paのアルゴンと6mgの
水銀を封入し、さらに高温状態での水銀蒸気圧の過上昇
を抑えるためにビスマス・インジウム合金200mgを封入
した。これを発光管として安定器,点灯管と共に電球口
金に一体化して密封外管内に定格電流300mAの電球形蛍
光ランプとして組込み、初特性を測定し寿命テストを行
ったところ、第2表に示す通りの結果となった。 第2表から明らかなように、本発明にかかるランプは
従来に比して約4%の光出力が増加した。また、本発明
にかかるランプは平均時間6000時間点灯後も折返し部分
に蛍光体の劣化による着色は全く認められなかった。 発明の効果 以上説明したように、本発明の方法は、蛍光体けん濁
液を折返し部を有するガラス管の内面に塗布した後、そ
の開口端が下向きになるよう垂直に保持し、ガラス管の
折返し部分に外方から室温以上の温風を吹付けて、前記
折返し部に付着した前記蛍光体けん濁液を乾燥させると
ともに、前記温風により前記ガラス管の脚部に付着する
前記蛍光体けん濁液の粘性を低下させることにより、ガ
ラス管の下側開口端から乾燥エアーを吹き込むことな
く、ガラス管の全長にわたってほぼ均一な厚さの蛍光体
被膜を極めて容易に得ることができる。電球形蛍光ラン
プの発光管として用いる場合、放電の中央部に相当する
ガラス管の折返し部の膜厚が改善されるので、ランプの
初光束,働程特性共に向上し、その改良効果は大きい。
る。 従来の技術 発光管形状をダブルU形にコンパクト化し、さらに安
定器、点灯管および電球口金の一体化した電球形蛍光ラ
ンプは省電力を志向する代表的な光源である。ダブルU
形のように放電路が折返されてコンパクト化された蛍光
ランプは、小さな曲率半径の曲げ部の機械的強度を確保
するため、通常U形にモールド成形されたガラス管を用
いて製造される。ところが、このような形状のガラス管
では両方の開口端が一側に位置しているので、その内面
に全長にわたって均一な厚さの蛍光体膜を形成すること
がむずかしい。すなわち、かかるガラス管の場合は、乾
燥用エアーを下側開口端からしか吹込むことができな
い。ガラス管の下側から乾燥用エアーを吹込んでもガラ
ス管の下部の開口端付近の膜厚のみが増加し、相対的に
上部の折返し部分がうすくなるという不均衡が発生す
る。極端な場合は単位面積当りの蛍光体付着量の上下比
が30%になることもある。 ダブルU形蛍光ランプにおいては、両開口端部は電極
が封止されているので、放電発光にはあまり寄与しない
のに対し、上部の折返し部は両電極間の放電中央部分に
相当し、この部分からの発光は直接ランプ出力を大きく
左右する。また、この折返し部分の蛍光体付着量が最適
値より少ない場合には、光出力の低下のみならず、放電
中の紫外線による蛍光体の劣化変色が早期に発生し、ラ
ンプ寿命中の光束維持率の低下という大きな原因にもな
っていた。 発明が解決しようとする問題点 折返し部を有するガラス管内面にその全長にわたって
均一で十分な厚さの蛍光体被膜を形成するには、まず折
返し部分に十分な膜厚の蛍光体を付与しなければならな
い。この目的のためにガラス管内にノズルを挿入してエ
アーを吹込み上部の乾燥を速める方法も提案されてい
る。しかし、この方法はバルブ寸法が変わるごとに条件
変更が必要となり、また塗布膜面の周方向に粗密が生じ
るなど、品質上の管理も困難である。 問題点を解決するための手段 本発明の蛍光体被膜の形成方法は、折返し部を有する
ガラス管の内面に蛍光体けん濁液を塗布した後、前記ガ
ラス管をこの開口端が下向きになるように垂直に保持
し、前記ガラス管の折返し部に外方から室温以上の温風
を吹付けて、前記折返し部に付着した前記蛍光体けん濁
液を乾燥させるとともに、前記温風により前記ガラス管
の脚部に付着する前記蛍光体けん濁液の粘性を低下さ
せ、前記温風を吹き付けた後ガラス管を自然状態で放置
して前記蛍光体けん濁液の乾燥を終了するものである。 作用 本発明は、ガラス管の折返し部に外部から温風を吹付
けることにより、この部分にまず十分な膜厚を確保する
と共に、温風によるけん濁液の温度上昇によりけん濁液
の粘性を低下させ、この粘性の低下を利用してガラス管
の脚部の付着量を従来に比べ減少させ、ガラス管の下側
開口端から乾燥エアーを吹き込むことなく、ガラス管全
体にわたって実質的に均一な蛍光体膜厚を得ることがで
きる。 実施例 以下、本発明の実施例について図面を用いて説明す
る。 第1図A,Bは、本発明の蛍光体被膜形成方法を説明す
るための図であって、1は折返し部2を有するU形ガラ
ス管、3は温風発生装置、4は温風を示している。 なお、第1図A,B中、5はガラス管1をつり下げるた
めの支持棒を示す。 U形ガラス管1の外径は15.5mm,長さLは183mmでこの
内面に蛍光体けん濁液を塗布した後、第1図に示すよう
に、ガラス管1の開口端が下向きになるように垂直に保
持し、80℃の温風4をガラス管1の折返し部2の上方35
mmから水柱10mmの圧力で約30秒間吹付け、その後約5分
間自然状態で放置して乾燥を終了した。このガラス管内
面への蛍光体の付着状態を調べるため、第2図に示す如
くガラス管全体を5等分に区切り単位面積当りの付着量
を測定し、ガラス管の上部と下部で従来の温風を用いな
い場合と比較した。その結果を第1表に示す。 すなわち、カラス管全体に付着した蛍光体の総量を一
定とした場合、上部L/5に付着した量は従来のそれに比
べ45%増加し上部/下部(上/下)比も満足できる値を
示した。 蛍光体として、ユーロピウム付活二酸化イットリウム
とテルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウムの
混合蛍光体を用い、本発明の方法でガラス管内面に蛍光
体被膜を形成した後、ガラス管の両端に電極を封止して
電極間距離280mmを有するダブルU形蛍光ランプを完成
した。なお、ガラス管内部には400Paのアルゴンと6mgの
水銀を封入し、さらに高温状態での水銀蒸気圧の過上昇
を抑えるためにビスマス・インジウム合金200mgを封入
した。これを発光管として安定器,点灯管と共に電球口
金に一体化して密封外管内に定格電流300mAの電球形蛍
光ランプとして組込み、初特性を測定し寿命テストを行
ったところ、第2表に示す通りの結果となった。 第2表から明らかなように、本発明にかかるランプは
従来に比して約4%の光出力が増加した。また、本発明
にかかるランプは平均時間6000時間点灯後も折返し部分
に蛍光体の劣化による着色は全く認められなかった。 発明の効果 以上説明したように、本発明の方法は、蛍光体けん濁
液を折返し部を有するガラス管の内面に塗布した後、そ
の開口端が下向きになるよう垂直に保持し、ガラス管の
折返し部分に外方から室温以上の温風を吹付けて、前記
折返し部に付着した前記蛍光体けん濁液を乾燥させると
ともに、前記温風により前記ガラス管の脚部に付着する
前記蛍光体けん濁液の粘性を低下させることにより、ガ
ラス管の下側開口端から乾燥エアーを吹き込むことな
く、ガラス管の全長にわたってほぼ均一な厚さの蛍光体
被膜を極めて容易に得ることができる。電球形蛍光ラン
プの発光管として用いる場合、放電の中央部に相当する
ガラス管の折返し部の膜厚が改善されるので、ランプの
初光束,働程特性共に向上し、その改良効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図A,Bは本発明の蛍光体被膜の形成方法を説明する
ための正面図および側面図、第2図はU形ガラス管の各
部分を説明するための図である。 1……ガラス管、2……折返し部、3……温風発生装
置、4……温風、5……支持棒。
ための正面図および側面図、第2図はU形ガラス管の各
部分を説明するための図である。 1……ガラス管、2……折返し部、3……温風発生装
置、4……温風、5……支持棒。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.折返し部を有するガラス管の内面に蛍光体けん濁液
を塗布した後、前記ガラス管をこの開口端が下向きにな
るように垂直に保持し、前記ガラス管の折返し部に外方
から室温以上の温風を吹付けて、前記折返し部に付着し
た前記蛍光体けん濁液を乾燥させるとともに、前記温風
により前記ガラス管の脚部に付着する前記蛍光体けん濁
液の粘性を低下させ、前記温風を吹き付けた後ガラス管
を自然状態で放置して前記蛍光体けん濁液の乾燥を終了
することを特徴とする蛍光体被膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62272508A JP2690085B2 (ja) | 1987-10-28 | 1987-10-28 | 蛍光体被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62272508A JP2690085B2 (ja) | 1987-10-28 | 1987-10-28 | 蛍光体被膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01115031A JPH01115031A (ja) | 1989-05-08 |
JP2690085B2 true JP2690085B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=17514878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62272508A Expired - Lifetime JP2690085B2 (ja) | 1987-10-28 | 1987-10-28 | 蛍光体被膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2690085B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5688229A (en) * | 1979-12-19 | 1981-07-17 | Matsushita Electronics Corp | Forming method of fluorescent material film |
-
1987
- 1987-10-28 JP JP62272508A patent/JP2690085B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01115031A (ja) | 1989-05-08 |
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Legal Events
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