JP2689812B2 - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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JP2689812B2
JP2689812B2 JP4103941A JP10394192A JP2689812B2 JP 2689812 B2 JP2689812 B2 JP 2689812B2 JP 4103941 A JP4103941 A JP 4103941A JP 10394192 A JP10394192 A JP 10394192A JP 2689812 B2 JP2689812 B2 JP 2689812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子楽器等において
使用される自動演奏装置に関し、特に、自動演奏テンポ
設定操作に際して付加されるクロススティック音等の設
定テンポ報知機能を制御できるようにしたことに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子楽器において使用される自動演奏装
置においては、メモリに記憶した演奏情報を所望のテン
ポクロックに従って順次再生読出しすることにより、演
奏音を自動演奏するようにしている。この自動演奏のテ
ンポは、基本的には、演奏者がテンポ操作子等によって
可変設定するテンポ設定値に従って、テンポクロック周
波数を制御することにより制御されるようになってい
る。その場合に、演奏者の直感的テンポ感覚に合った自
動演奏テンポを実現できるよう、演奏者が行うタップ操
作(拍子取りを行うためスイッチ、パッドなどを叩く操
作のことである)の時間間隔に従ってテンポクロックの
周波数つまり自動演奏のテンポを制御するようにした機
能があることが知られている。この場合、設定するテン
ポを聴覚的に確認しながらタップ操作できるよう、各タ
ップ操作毎にタップ報知音(例えば、ドラム演奏におけ
るクロススティック音のような音)を発生するようにし
ている。
【0003】他方、外部の電子楽器の演奏テンポに同期
した自動演奏を行えるよう、例えばMIDI規格に従っ
て前記外部の電子楽器からテンポクロック信号を導入
し、こうして外部から導入したテンポクロック信号に同
期して自動演奏のテンポを設定・制御する機能も知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動演奏装置で
は、外部から導入したテンポクロック信号に従って自動
演奏のテンポを設定・制御するモードとした場合であっ
ても、タップの操作自体が可能であるので、演奏者がタ
ップ操作によるテンポ制御が無効であるにもかかわらず
有効なモードであると誤解してタップ操作を行なってし
まうことがあった。しかし、そのような誤解に基づくタ
ップ操作が行なわれた場合であっても、従来の装置で
は、タップ報知音が発音されてしまい、タップ操作が有
効であるかのような混乱を生じさせ、テンポ制御上様々
な混乱や不都合があった。
【0005】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、タップ操作等に応じて内部でテンポを制御する機能
と、外部からのテンポクロック信号に同期して自動演奏
のテンポを制御する機能とを兼備した自動演奏装置にお
いて、混乱のない制御を行なうことができるようにした
自動演奏装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動演奏
装置は、演奏者の操作に応じて第1のテンポ制御データ
を発生する発生手段と、前記第1のテンポ制御データに
基づき、演奏者の操作に応じて制御されたテンポを報知
する報知手段と、外部から第2のテンポ制御データを入
力する入力手段と、前記第1のテンポ制御データ及び第
2のテンポ制御データの一方を有効にし、有効にしたテ
ンポ制御データに従って自動演奏のテンポを設定するテ
ンポ設定手段と、前記テンポ設定手段により前記第2の
テンポ制御データが有効にされているときには、前記報
知手段による報知を禁止する報知禁止手段とを具備した
ものである。
【0007】
【作用】発生手段は、演奏者がタップ操作等によりテン
ポ設定操作を行うのに応じて第1のテンポ制御データを
発生する。報知手段では、前記第1のテンポ制御データ
に基づき、例えばクロススティック音を発生して、演奏
者の操作に応じて制御されたテンポを報知する。入力手
段は、外部から第2のテンポ制御データを入力する。テ
ンポ設定手段は、前記第1のテンポ制御データ及び第2
のテンポ制御データの一方を選択的に有効にするもので
あり、有効にした方のテンポ制御データに従って自動演
奏のテンポを設定する。テンポ設定手段により前記第2
のテンポ制御データが有効にされているときには、報知
禁止手段では、前記報知手段による報知を禁止する。こ
れにより、第2のテンポ制御データが有効にされている
ときに、演奏者が自分のテンポ設定操作が有効であると
誤解して操作を行なうことによる混乱の発生が防止され
る。
【0008】
【実施例】添付図面を参照してこの発明を詳細に説明す
る。以下、説明の便宜上、テンポ操作子やタップ操作
(単に“タップ”ということとする)などによって自動
演奏のテンポを制御するモードを“内部制御モード”と
いうことにし、外部から導入したテンポクロック信号に
同期して自動演奏のテンポを制御するモードを“外部制
御モード”ということにする。図1はこの発明に係る自
動演奏装置を適用した電子楽器の一実施例を示すハード
構成ブロック図である。この電子楽器全体の制御は、C
PU1、プログラムROM2ならびにデータおよびワー
キングRAM3を含むマイクロコンピュータMCによっ
て行われるようになっている。このマイクロコンピュー
タMCには、バスBUSを介して、MIDIインターフ
ェイス4、鍵盤回路5、スイッチ回路6、表示回路7、
パッド回路8および音源回路9等が接続されている。
【0009】この実施例で行う基本的な自動演奏機能の
一例を説明すると、伴奏音の演奏データをそれぞれ任意
のパターンでメモリに記憶しておく。自動演奏を行なう
際には、自動演奏の走行をスタートするための専用のス
イッチのオン操作に呼応して、前記メモリから演奏デー
タを読み出して自動演奏をスタートできる、また一方、
鍵盤での押鍵(つまり音高指定および発音指示)操作に
呼応しても、演奏情報を読み出して自動演奏をスタート
できるようになっている。後者のように、自動演奏スタ
ート専用のスイッチに関わらず、鍵盤での音高指定操作
に呼応して自動演奏を自動的にスタートできる機能を
“シンクロ”という。また、メモリから読み出した伴奏
音の演奏データに対しては、鍵盤の左鍵域での和音指定
に従う音高変換がなされて発音されることとなる。
【0010】前記演奏データを記憶するために、伴奏パ
ターンメモリPMが設けられている。すなわち、伴奏パ
ターンメモリPMは、複数の自動伴奏スタイルのそれぞ
れに係る演奏データを、各演奏パートごとに任意のパタ
ーンで記憶したもので、ROMからなるものである。な
お、以下、個々の自動伴奏スタイルに関し各演奏パート
ごとに記憶された演奏データを集合的に“伴奏パター
ン”ということとする。前記複数の自動伴奏スタイル
は、ロック、カントリーミュージック、ワルツ、ボサノ
バなどの音楽スタイルにそれぞれ対応しており、それぞ
れに固有のスタイル番号が割り当てられている。
【0011】MIDIインターフェイス4は、外部の電
子楽器の演奏テンポに同期した自動演奏を行うことが所
望の場合、該外部の電子楽器のテンポクロック信号をM
IDI規格に従って導入するためのものである。
【0012】鍵盤回路5は、鍵盤KBにおいて発生すべ
き楽音の音高を指定するための複数の鍵にそれぞれ対応
したキースイッチによって構成されている。鍵盤回路5
は、鍵盤KBの離鍵から押鍵への変化に応じてキーオン
イベント信号を出力し、押鍵から離鍵への変化を検出し
てキーオフイベント信号を出力し、同時に、それぞれの
前記キーイベントに係る鍵を示すキーコードを出力する
ものである。
【0013】スイッチ回路6は、操作パネルOPにおい
て、発生すべき楽音の音色、音量、音高、効果を選択、
設定、制御するための各種スイッチ(ホイール、ジョイ
スティック等を含む)にそれぞれ対応して設けられてい
る。操作パネルOPの各種スイッチは、通常演奏用のス
イッチグループと、自動演奏用のスイッチグループとに
大別されるが、簡略化のため、通常演奏用のスイッチグ
ループは図示せず、テンポ設定スイッチ10、スタート
スイッチ11、ストップスイッチ12、シンクロスター
トスイッチ13、モード設定スイッチ14およびスタイ
ル選択スイッチ15を図示している。また、この操作パ
ネルOPには、表示器16、および、演奏者が手でタッ
プ操作を行うためのタップパッド18が設けられてい
る。
【0014】テンポ設定スイッチ10は、演奏者が希望
するテンポを可変設定するものであり、例えばロータリ
スイッチからなる。スタートスイッチ11およびストッ
プスイッチ12は、それぞれ、自動演奏のスタートおよ
びストップを指示するための専用のスイッチである。モ
ード設定スイッチ14は、外部制御モードおよび内部制
御モードのいずれかを選択的に設定するためのものであ
り、このスイッチ14を1回押すごとに外部制御モード
と内部制御モードとが交互に切り替わるようになってい
る。このモード設定スイッチ14により内部制御モード
が設定されているときには、テンポ設定スイッチ10に
よるテンポ設定、および、タップパッド16のタップに
応じたテンポ制御を行うことが可能になる。一方、モー
ド設定スイッチ14により外部制御モードが設定されて
いるときには、外部の電子楽器からMIDIインターフ
ェイス4を介して導入されるテンポクロック信号に同期
したテンポ制御を行うことが可能になる。
【0015】シンクロスタートスイッチ13は、鍵盤K
Bでの押鍵操作に呼応して伴奏音の自動演奏をスタート
するシンクロの実行を指示するためのスイッチである。
このシンクロスタートスイッチ13を1回押すごとに、
シンクロの実行指示と自動演奏停止指示とが交互に切り
替わるようになっている。また、複数のスタイル選択ス
イッチ15は、自動演奏すべき伴奏スタイルを、そのス
タイル番号を指定することによって選択するためのスイ
ッチである。
【0016】スイッチ回路6は、操作パネルOPのそれ
ぞれのスイッチの操作に応じた操作データを出力する。
また、表示回路7は、表示器16に対応して設けられて
おり、それぞれのスイッチの操作状況等を表示器16に
表示する。さらに、タップ回路8は、タップパッド18
に対応して設けられており、タップパッド18での各タ
ップのタイミングを示すタップデータTDを出力する。
この実施例では、タップパッド18でのタップは、前記
内部制御モードが設定されているときにおいて、1)自
動演奏が行われていないとき(つまり、自動演奏の
前)、および、2)シンクロスタートスイッチ12の操
作によりシンクロの実行が指示されていて、鍵盤KBで
の押鍵操作を待っているとき(つまり、シンクロスター
ト待機状態)にのみ有効になり、外部制御モードが設定
されているとき、または、自動演奏中には無効にされ
る。タップが有効であるときには、タップ回路8からタ
ップデータTDの時間間隔に従うテンポ制御が行われる
こととなる。より詳しくは、演奏者がスタイル選択スイ
ッチ15によって選択した伴奏スタイルの拍子の拍数
(例えば4拍子の伴奏スタイルの場合には4拍、5拍子
の伴奏スタイルの場合には5拍、以下、これをスタイル
拍数という)に相当する回数だけタップを行うと、最後
の2回のタップタイミングの間隔を1拍とするテンポが
設定され、しかる後、前記スタイル拍数分のタップの次
に期待される1拍目(つまり、4拍子の伴奏スタイルの
場合には、1拍、2拍、3拍、4拍とタップされた直後
の次の1拍目)のタイミングに、前記設定されたテンポ
で、前記選択された伴奏スタイルの自動演奏がスタート
するようになっている。
【0017】テンポクロック発生器22は、例えば四分
音符について24個のクロックパルスを発生するもので
あり、該テンポクロック発生器22によって発生される
テンポクロックパルスの周波数は、テンポ設定スイッチ
10によって設定されるテンポ設定値、および、前述の
如く最後の2回のタップタイミングの間隔に従って制御
されるようになっている。このテンポクロック発生器2
2から発生するテンポクロックパルスは、CPU1に対
して割込みクロック信号として与えられる。周知のよう
に、このテンポクロックパルスに従って、自動演奏のテ
ンポ歩進タイミングが順次歩進され、伴奏パターンメモ
リPMに記憶されたパターンデータが順次読み出される
こととなる。
【0018】タイマ24は、例えば常時1msec単位でカ
ウントアップするものであり、タップタイミングの間隔
を計数するために使用される。
【0019】音源回路9は、複数の楽音発生チャンネル
を具備しており、各チャンネルに割り当てられた音の楽
音信号を、バスBUSを介して入力するキーイベント信
号、キーコードおよびその他各種のデータに基き、それ
ぞれに対応して設定された音色、音量、効果等を付与し
て発生する。また、この実施例では、音源回路9は、伴
奏パターンメモリPMに記憶された伴奏パターンに基づ
く楽音信号の発生も行う。さらに、音源回路9では、マ
イクロコンピュータMCの制御の下に、各タップの報知
音をクロススティック音等の予め設定された音色で発生
するようになっている。このように音源回路9で発生し
た楽音信号は、D/A変換後、サウンドシステムSSを
介して音響的に発音される。
【0020】なお、データおよびワーキングRAM3の
所定領域には、後述する各種処理で使用される次のよう
なレジスタが用意されている。 走行状態フラグRUN:“2”により、自動演奏が走行
している状態を示し、“0”により、伴奏音の自動演奏
がストップしている状態を示す。また、“1”により、
シンクロスタート待機状態を示し、さらに、“−1”に
より、選択された伴奏スタイルのスタイル拍数分のタッ
プがなされた後、次の1拍目のタイミングの到来を待っ
ている状態を示す。
【0021】スタイル番号レジスタSTYL:選択され
た伴奏スタイルのスタイル番号を記憶する。 根音レジスタRT:鍵盤KBで指定された和音の根音を
記憶する。 和音タイプレジスタTP:鍵盤KBで指定された和音の
種類を記憶する。 発音タイミングカウンタTMC:伴奏パターンにおける
発音タイミングをカウントする。
【0022】制御モードフラグEXT:“1”により、
外部制御モードが設定されている状態を示し、“0”に
より、内部制御モードが設定されている状態を示す。 タップ回数カウンタTAPCT:タップの回数をカウン
トする。 タップ間隔レジスタTAPIN:スタイル拍数分のタッ
プのうち最後の2回のタップタイミングの時間間隔を記
憶する。 クロック間隔レジスタINTVL:前記最後の2回のタ
ップタイミングの時間間隔を24分割した値を記憶す
る。
【0023】スタイル拍数レジスタSB(STYL):
選択された伴奏スタイルのスタイル拍数を記憶する。 待ち時間カウンタWT:スタイル拍数分のタップがなさ
れた後、次の1拍目のタイミングが到来するまでの待ち
時間をカウントダウンする。
【0024】以下、マイクロコンピュータ1によって実
行される各種処理の一例を、図2から図9に示すフロー
チャートを参照して説明する。図2はメインルーチンの
一例を示しており、このメインルーチンでは、先ず所定
の初期設定を行った後、それぞれのイベントに応じた処
理を行う動作フローを繰り返す。すなわち、鍵盤回路5
をスキャンしてキーオンイベントを検出したときには、
図4に示すキーイベント処理を行う。また、パッド回路
8にアクセスした結果タップパッド18のオンイベント
を検出したときには、図5に例示すタップイベント処理
を行う。スイッチ回路6をスキャンした結果スタートス
イッチ11のオンイベントを検出したときには、図3に
示すスタート処理を行う。
【0025】前記スタート処理では、走行状態フラグR
UNを2にし、発音タイミングカウンタTMCを0にク
リアする。このスタート処理により、図8のインタラプ
ト処理において伴奏パターンの再生が行われることとな
る。
【0026】ストップスイッチ12のオンイベントを検
出したときには、走行状態フラグRUNを0にする。さ
らに、シンクロスタートスイッチ13のオンイベントを
検出したときには、走行状態フラグRUNが1(RUN
=1)か否か、すなわち、シンクロスタート待機状態で
あるかを調べ、YESの場合には走行状態フラグRUN
を0にし、NOの場合には走行状態フラグRUNを1に
する。つまり、シンクロスタート待機状態ではないとき
にシンクロスタートスイッチ13がオンされた場合に
は、走行状態フラグRUNを1にして、シンクロスター
ト待機状態とする。一方、シンクロスタート待機状態に
シンクロスタートスイッチ13がオンされた場合には、
自動演奏を停止する。また、モード設定スイッチ14の
オンイベントを検出したときには、内部制御モードと外
部制御モードとの間の切り替えを行うため、制御モード
フラグEXTを反転する。そして、スタイル選択スイッ
チ15のオンイベントを検出したときには、そのスタイ
ル選択スイッチ15によって選択された伴奏スタイルの
番号をスタイルレジスタSTYLに格納する。さらに、
MIDIインターフェイス4にアクセスした結果、MI
DIインターフェイス4に外部からのテンポクロック信
号が入力しているときには、図6に示すMIDI入力処
理を行う。
【0027】図4に示すキーイベント処理において、先
ず、キーオンイベントが有るのが鍵盤KBの右鍵域であ
るか否かを調べる(ステップ40)。右鍵域でメロディ
音の演奏が行われたときには、ステップ40の結果はY
ESとなり、この場合、鍵盤回路5から出力されたキー
コードに対応する音高の楽音を、予め設定された音色を
付与して発音し、消音するための処理を行い(ステップ
41)、次のステップ42に進む。ステップ42では、
走行状態フラグRUNが1または−1であるか否かを調
べる。シンクロスタート待機状態にあるとき、または、
タップパッド18によりスタイル拍数分のタップがなさ
れた直後に次の1拍目のタイミングの到来を待っている
状態にあるときには、ステップ42の結果はYESとな
り、次のステップ43において図3のスタート処理を行
う。一方、ステップ40の結果がNO、すなわち、キー
オンイベントが有るのが鍵盤KBの左鍵域であるときに
は、鍵盤回路5から出力されたキーコードと和音テーブ
ルとを照合することなどにより、所定の和音検出処理を
行い(ステップ44)、和音が検出されたか否かを調べ
る(ステップ45)。和音が検出されたときには、検出
された和音の根音を根音レジスタRTに、検出された和
音の種類(メジャー、マイナー、マイナーセブンスなど
の種類)を和音タイプレジスタTPに格納し(ステップ
46)、しかる後、上記ステップ42および43を行な
う。また、ステップ45において和音が検出されなかっ
たという結果が得られたときには、ステップ46を行な
うことなく、ステップ42および43を行なう。上記の
ようなキーイベント処理により、鍵盤KBの右鍵域また
は左鍵域での押鍵操作に呼応して、伴奏音の自動演奏が
スタートすることとなる。
【0028】図5に示すタップイベント処理において、
先ず、制御モードフラグEXTが0か否かを調べる(ス
テップ47)。外部制御モードが設定されているときに
タップが行なわれたときには、ステップ47の結果はN
Oとなり、この場合、操作パネルOPに設けられたエラ
ー表示ランプ(図示せず)を数秒間点灯することによ
り、タップエラー(タップが無効である旨)を表示し
(ステップ48)、その他の処理を行うことなくメイン
ルーチンにリターンする。このようにして、外部制御モ
ードが設定されているときにおいては、タップに応じた
テンポ制御処理が行われず、クロススティック音の発生
もなされない。
【0029】一方、内部制御モードが設定されていると
きにタップが行なわれたときには、ステップ47の結果
はYESとなり、この場合、次のステップ49において
RUNが2であるか否かを調べる。伴奏パターンの演奏
中にタップが行なわれたときには、このステップ49の
結果はYESとなり、この場合にも、その他の処理を行
なうことなくリターンする。
【0030】内部制御モードが設定されているときにお
いて、自動演奏中でないときにタップが行なわれたとき
には、ステップ49の結果はNOとなり、この場合、タ
ップカウンタTAPCTに1を加え(ステップ50)、
次ぎのステップ51に進む。ステップ51においては、
タップカウンタTAPCTの値がスタイル拍子数レジス
タSB(STYL)の値に等しいかを調べる。タップさ
れた回数が選択されている伴奏スタイルのスタイル拍数
に未だ達していないときには、ステップ51の結果はN
Oとなり、この場合、音源回路9により当該タップに対
応するクロススティック音を発生し(ステップ52)、
タップ間隔カウンタTIMEを0にして(ステップ5
3)、リターンする。例えば、4拍子の伴奏スタイルの
場合、1回目から3回目までのタップについては、上記
のステップ51からステップ52、53の処理のみを行
なうこととなる。
【0031】タップされた回数が選択されている伴奏ス
タイルのスタイル拍数に達したときには、ステップ51
の結果はYESとなり、この場合、タップ間隔カウンタ
TIMEの値、つまり、タイマ24により計時された最
後のタップタイミングとその前のタップタイミングとの
間の時間間隔が所定の範囲内であるか否かを調べる(ス
テップ54)。ステップ54の結果がYESのときに
は、極端に短かくも長くもない所定の間隔で最後の2回
のタップがなされたこととなり、この場合、タップ間隔
カウンタTIMEの値を24分割した値をクロック間隔
レジスタINTVLに格納し(ステップ55)し、次
に、クロック間隔レジスタINTVLの値をテンポクロ
ック発生器22にセットする(ステップ56)。これに
より、テンポクロック発生器22では、クロック間隔レ
ジスタINTVLが示す間隔でテンポクロックパルスを
発生することとなる。従って、最後の2回のタップの間
隔に応じたテンポが設定されたこととなる。その後、走
行状態フラグRUNを−1にし(ステップ57)、待ち
時間カウンタWTにクロック間隔レジスタINTVLの
値を24倍した値(INTVL×24)をセットする
(ステップ58)。こうして、待ち時間カウンタWTで
は、最後のタップ直後の1拍目タイミングの到来が期待
される時点までの時間をカウントダウンすることとな
る。ステップ58の処理が終ると、前述したステップ5
2およびステップ53の処理を行ってリターンする。な
お、ステップ54においてNO、すなわち、最後の2つ
のタップタイミングの間の時間間隔が所定の範囲内では
ないという結果が得られたときには、ステップ55〜5
8の処理を行なうことなく、ステップ52およびステッ
プ53の処理のみを行ってリターンする。
【0032】このようなタップイベント処理により、選
択された伴奏スタイルのスタイル拍子数分のタップがな
された後に期待される次の1拍目のタイミングに、自動
演奏がスタートすることとなる。
【0033】図6に示したMIDI入力処理において
は、制御モードフラグEXTが1か否かを調べる(ステ
ップ59)。その結果がNO、すなわち、現在のモード
が内部制御モードであるときには、すぐにメインルーチ
ンにリターンする。ステップ59の結果がYES、すな
わち、現在のモードが外部制御モードであるときには、
MIDIインターフェイス4に入力しているのがスター
ト信号であるか否かを調べる(ステップ60)。スター
ト信号であるときには、図3のスタート処理を行い(ス
テップ61)、リターンする。また、ステップ60の結
果がNOのときには、、MIDIインターフェイス4に
入力しているのがストップ信号であるか否かを調べる
(ステップ62)。ストップ信号であるときには、走行
状態フラグRUNを0にして自動伴奏演奏を停止し(ス
テップ63)、リターンする。ステップ62の結果がN
Oのときには、さらに、MIDIインターフェイス4に
入力しているのがテンポクロック信号であるか否かを調
べる(ステップ64)。入力しているのがスタート信
号、ストップ信号またはテンポクロック信号でもないそ
の他の信号であるときには、ステップ64の結果はNO
となり、この場合、前記その他の信号に応じたその他の
処理を行い(ステップ66)、リターンする。
【0034】一方、ステップ64において入力したのが
テンポクロック信号であるという結果が得られたときに
は、走行状態フラグRUNが2か否か、すなわち、自動
演奏が走行中であるか否かを調べる(ステップ67)。
自動演奏が走行中でないときには、その他の処理を行う
ことなくリターンする。一方、自動演奏が走行中である
ときには、図7の再生サブルーチンを行う(ステップ6
8)。
【0035】この再生サブルーチンでは、伴奏パターン
メモリPMから、スタイル番号レジスタSTYLによっ
て示される伴奏スタイルに対応する各伴奏パターンのパ
ターンデータを、発音タイミングカウンタTMCに従う
タイミングで読み出す(ステップ69)。そして、次の
ステップ70において、読み出したパターンデータに従
って所定の発音、消音処理を行う。この際、伴奏パター
ンにおけるベース・コード音のデータについては、根音
レジスタRTに格納されている根音、および、和音タイ
プレジスタTPに格納された和音の種類に応じて音高変
換を行って発音する。ステップ70の処理が終わると、
テンポクロック信号に応じた次回の再生処理のために、
発音タイミングカウンタTMCを1進めておく(ステッ
プ71)。このようにして、自動演奏が走行中であると
きには、外部からMIDIインーフェイス4にテンポク
ロック信号が入力する度に、伴奏パターンの再生処理が
行われる。
【0036】メインルーチンの実行中において、テンポ
クロック発生器22からテンポクロック信号が与えられ
る毎に、図8に示すインタラプト処理が行われる。この
インタラプト処理では、制御モードレジスタEXTが0
か否か、すなわち、現在設定されているのが内部制御モ
ードか否かを調べる(ステップ72)。内部制御モード
でないときには、なんらの処理を行うことなくリターン
する。また、内部制御モードであるときには、ステップ
73において、走行状態フラグRUNが2か否かを調べ
る。自動演奏が走行しているときには、ステップ73の
結果はYESとなり、この場合、図7の再生サブルーチ
ンを行う(ステップ74)。
【0037】一方、自動演奏が走行していないときに
は、ステップ73の結果はNOとなり、ステップ75に
おいて、走行状態フラグRUNが−1か否か、すなわ
ち、選択された伴奏スタイルのスタイル拍数がタップさ
れた後、次の1拍目のタイミングの到来を待っている状
態であるか否かを調べる。走行状態フラグRUNが−1
ではないときには、その他の処理を行うことなくリター
ンする。また、走行状態フラグRUNが−1のときに
は、次の1拍目のタイミングの到来までの待ち時間をカ
ウントダウンするため、待ち時間カウンタWTから1を
マイナスする(ステップ76)。そして、次のステップ
77において、待ち時間カウンタWTの値が0になった
か否かを調べる。未だ次の1拍目のタイミングになって
いないとき(つまり、最後のタップタイミング後、この
インタラプト処理が24回行われていないとき)、ステ
ップ77の結果はNOとなり、この場合、その他の処理
を行うことなくリターンする。待ち時間カウンタWTの
値が0になると、走行状態フラグRUNを2にし(ステ
ップ78)、しかる後、図7の再生サブルーチンを行う
(ステップ74)。このようなインタラプト処理によ
り、選択された伴奏スタイルのスタイル拍数がタップさ
れた後、次の1拍目のタイミングに、各伴奏パターンの
再生処理がスタートすることとなる。
【0038】図9はタイマ24によりタップタイミング
の間隔をカウントするためのタイマ処理を示し、このタ
イマ処理では、1msec毎にタップ間隔レジスタTA
PINの値に1プラスする処理を行う。
【0039】以上のように、この実施例によると、外部
制御モードが設定されているときにタップが行われた場
合には、図5のステップ47および48の処理により、
タップに応じたテンポ制御機能は無効にされ、クロスス
ティック音の発生もなされない。また、内部制御モード
が設定されているときであっても、自動演奏中にタップ
が行われた場合、図5のステップ49の処理により、同
様に、タップに応じたテンポ制御機能は無効にされ、ク
ロススティック音の発生もなされない。従って、演奏者
が内部制御モードであると誤解することがなく、外部の
テンポクロック信号に同期した自動演奏のテンポ制御が
なんらの混乱なく行なわれることとなる。
【0040】なお、上記の実施例では、タップによって
テンポ制御データを発生するようにしたが、タップに限
らず、そのテンポ設定操作によってテンポ制御データを
発生するようにしてもよい。さらに、テンポ設定操作を
報知する手段は、クロススティック音に限らず、クリッ
ク音その他の報知音であってもよい。また、音に限ら
ず、LEDの点滅等によって、テンポ設定操作を報知し
てもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のにように、この発明は、外部から
のテンポ制御データが有効にされているときには、演奏
者のテンポ設定操作の報知を禁止するものであり、これ
により、混乱のないテンポ制御を行なうことができると
いう、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動演奏装置を適用した電子
楽器の一実施例のハード構成を示すブロック図。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るメインルーチンの一例を示すフローチャート図。
【図3】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るスタート処理の一例を示すフローチャート図。
【図4】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るキーイベント処理の一例を示すフローチャート図。
【図5】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るタップイベント処理の一例を示すフローチャート図。
【図6】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るMIDI入力処理の一例を示すフローチャート図。
【図7】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
る再生サブルーチンの一例を示すフローチャート図。
【図8】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るインタラプト処理の一例を示すフローチャート図。
【図9】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るタイマ処理の一例を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1…CPU、2…プログラムROM、3…データおよび
ワーキングRAM、4…MIDIインターフェイス、8
…パッド回路、14…モード設定スイッチ、18…タッ
プパッド、22…テンポクロック発生器、24…タイマ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏者の操作に応じて第1のテンポ制御
    データを発生する発生手段と、 前記第1のテンポ制御データに基づき、演奏者の操作に
    応じて制御されたテンポを報知する報知手段と、 外部から第2のテンポ制御データを入力する入力手段
    と、 前記第1のテンポ制御データ及び第2のテンポ制御デー
    タの一方を有効にし、有効にしたテンポ制御データに従
    って自動演奏のテンポを設定するテンポ設定手段と、 前記テンポ設定手段により前記第2のテンポ制御データ
    が有効にされているときには、前記報知手段による報知
    を禁止する報知禁止手段とを具備した自動演奏装置。
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