JP2688829B2 - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

Info

Publication number
JP2688829B2
JP2688829B2 JP63161548A JP16154888A JP2688829B2 JP 2688829 B2 JP2688829 B2 JP 2688829B2 JP 63161548 A JP63161548 A JP 63161548A JP 16154888 A JP16154888 A JP 16154888A JP 2688829 B2 JP2688829 B2 JP 2688829B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chloroform
phosphatidylcholine
vol
methanol
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63161548A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0211516A (ja
Inventor
成 桜井
健一 旭
信孝 高橋
英彦 日比野
信雄 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP63161548A priority Critical patent/JP2688829B2/ja
Publication of JPH0211516A publication Critical patent/JPH0211516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2688829B2 publication Critical patent/JP2688829B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、20:5脂肪酸を有するフォスファチジルコリ
ン及び/又は20:5脂肪酸を有するジグリセリドを有効成
分とする制癌剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、癌化学療法剤として、アルキル化剤(ナイトロ
ジエンマスタード類、エチレンイミン類、スルホン酸エ
ステル類)、代謝拮抗物質(葉酸拮抗剤、プリン拮抗
剤、ピリミジン拮抗剤)、植物性核分裂毒(コルセミ
ド、ビンブラスチン等)、抗生物質(ザルコマイシン、
カルチノフイリン、マイトマイシン等)、ホルモン類
(副腎ステロイド、男性ホルモン、女性ホルモン)及び
ポルフィリン錯塩(マーフイリン、COPP)等が用いられ
ている。しかしながら、その殆んどは、細胞毒型の物質
であり、重大な副作用を呈するため、低毒性で優れた制
癌活性を有する制癌剤の開発が強く望まれている。
本発明者らは、そのような趣旨に鑑み、低毒性で制癌
性を有する物質を探索した結果、先に、ニジマス胚よ
り、奇形腫細胞や赤芽球性白血病細胞に対し強力な分化
誘導活性を示す22:6脂肪酸を有するフォスファチジルコ
リン及びジグリセリドを単離し、その構造解析を行い、
該物質が優れた制癌剤として用いうることを見出した
(特開昭59-46226号公報参照)。
その後、更に研究を進め、該物質の各種誘導体の化学
合成あるいは半合成を行って、その制癌活性(分化誘導
活性)を調べたところ、20:5脂肪酸を有するフォスファ
チジルコリン及びジグリセリドが、優れた制癌活性を示
すことを見出し、本発明を完成した。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、20:5脂肪酸を有するフォスファチジ
ルコリン及び/又はジグリセリドを有効成分とする制癌
剤を提供することにある。
(発明の構成) 本発明の有効成分は一般式(I)で示される化合物で
ある。
(式中、R1は炭素数15の飽和アルキル基又は二重結合
を1コ有する炭素数17の不飽和アルキル基であり、R2
エイコサペンタエノイル基であり、R3はフォスホリルコ
リン又は水酸基である。) 一般式(I)の化合物としては、1−オレオイル−2
−エイコサペンタエノイルジグリセリド(以下OE−DGと
いうことがある)、1−パルミトイル−2−エイコサペ
ンタエノイルジグリセリド(以下PE−DGということがあ
る)、1−オレオイル−2−エイコサペンタエノイル−
3−ホスファチジルコリン(以下OE−PCということがあ
る)、1−パルミトイル−2−エイコサペンタエノイル
−3−ホスファチジルコリン(以下PE−PCということが
ある)を例示できる。
一般式(I)の化合物は、化学的に合成することも、
生体から採取することもできる。以下に合成例を示す。
合成例1 脱水したクロロホルム50ml中に、1−オレオイル−3
−グリセリルホスホリルコリン776mg(1.49ミリモ
ル)、エイコサペンタエン酸無水物960mg(1.64ミリモ
ル)、及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン203mg
(1.66ミリモル)を加え、室温で攪拌しながら24時間反
応させた。
反応終了後、反応混合物中のN,N−ジメチル−4−ア
ミノピリジンを除去するため、酸性陽イオン交換樹脂
(ローム・アンド・ハース社製、登録商標アンバーライ
ト200C)25ml及び塩基性陰イオン交換樹脂(ローム・ア
ンド・ハース社製、登録商標アンバーライトIRC−50及
びアンバーライトIRA−93の等量混合物)50mlを3.0φ×
50cmのガラスカラムに充填した中を、クロロホルムを用
いて流した。
この処理溶液をシリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒はクロロホルム:メタノール:水=65:25:
4、発色はヨウ素)で分析した結果、Rf値0.1〜0.3(N,N
−ジメチル−4−アミノピリジンと酸無水物の複合体を
示す)の紫色の発色が完全に消失した。
クロロホルムを減圧留去し、残留物を20mlのシリカゲ
ルを充填した1.5φ×50cmのガラスカラムを用いて、ク
ロロホルム500mlを用いて溶出したものをフラクション
1(F1)、クロロホルム:メタノール=10:1、500mlを
用いて溶出したものをフラクション2(F2)、クロロホ
ルム:メタノール=5:1、1500mlを用いて溶出したもの
をフラクション3(F3)とした。
F1、F2、F3を、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒はクロロホルム:メタノール:水=65:25:
4、発色はヨウ素)で分析した結果、目的物である1−
オレオイル−2−エイコサペンタエノイル−3−ホスフ
ァチジルコリンはF3中に含まれていた。
F3の溶媒を減圧留去し、1−オレオイル−2−エイコ
サペンタエノイル−3−グリセロホスファチジルコリン
70mgを得た。(収率5.8%) 得られた1−オイオイル−2−エイコサペンタエノイ
ル−3−ホスファチジルコリンに対して、FAB−MSの直
接導入法で分析した結果、1−オレオイル−2−エイコ
サペンタエノイル−3−ホスファチジルコリンの分子イ
オン806(〔M+H〕)が明瞭に認められた。また、
未反応原料である1−オレオイル−3−グリセリルホス
ホリルコリンは認められなかった。
合成例2 合成例1で得られた1−オレオイル−2−エイコサペ
ンタエノイル−3−ホスファチジルコリン70mgを80μl
のメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;クロストリジウム・ペルフリンゲン
ス(Clostridium perfringens)起源)を40uint、0.2M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を0.6ml、0.05M塩化カル
シウムを0.35ml、エチルエーテルを0.4ml加えた。反応
混合物をスクリューキャップ付き2mlの試験管中にテフ
ロンスターラーバーと共に加えて、35℃で1時間激しく
攪拌しながらインキュベーションした。
反応混合物にエチルエーテル1.2mlを加えてから分液
漏斗に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエ
ーテルで抽出された反応混合物中の反応で分離したホス
ファチジルコリンを除去するため、氷冷アセトンを0.1m
l加え、ホスファチジルコリンを沈澱させた。エチルエ
ーテル層を硫酸ナトリウムで脱水し、さらに、窒素気流
下で脱溶媒して目的の1−オレオイル−2−エイコサペ
ンタエノイルグリセロールが59.8mg得られた。
得られた1−オレオイル−2−エイコサペンタエノイ
ルグリセロールは油状であり、クロロホルム、ヘキサン
に可溶で水に不溶であった。
薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/
メタノール/水系(65/25/4,vol/vol/vol))で反応前
後の成分を測定した。
反応後の成分のRf値は、反応前の0.3から0.8に変化
し、ドラーゲンドルフ試薬とディットマー・レスター試
薬に対する発色が陽性から陰性に変化した。さらに、薄
膜クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/アセ
トン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol))で標準体
として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成分を測定
した。
反応後の成分はRf値が0.65で、標準体のSn−1位、2
位ジアシルグリセロール(一般名β−ジアシルグリセロ
ール)の位置に相当していた。本成分は、FAB−MSによ
って分子量640(〔M+Na〕663)が認められた。
合成例3 採卵後ただちに冷凍したニジマスの受精卵300gをクロ
ロホルム/メタノール(2/1,vol/vol)混液1.2lに入
れ、ホモミキサーで30分、高速で剪断抽出した。濾別さ
れた湿ケーキを上記溶媒0.4lで抽出する操作を2回行な
い、全濾液にクロロホルム0.6lと蒸留水0.6lを加え、ク
ロロホルム層を集めて脱溶媒して、20.2gの全脂質を得
た。
得られた全脂質を氷冷アセトン250mlに入れ、攪拌下1
0分間抽出し沈澱を回収した。この操作を4回繰り返し
てリン脂質分画10.4gを得た。
リン脂質全量を4等分してシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(富士ゲルCG−3、水戸化学製、5φ×40cm
カラムに700cc)に付した後、クロロホルム/メタノー
ル(4/1,vol/vol)混液の溶離液系でホスファチジルコ
リン以前に溶出するリン脂質を除去し、さらにクロロホ
ルム/メタノール(3/2,vol/vol)混液の溶離液系で溶
出し、TLC(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水,
65/25/4,vol/vol/vol)でRf値0.20〜0.30(ホスファチ
ジルコリン)に単一スポットが認められる分画を集め
た。同一操作を4回繰り返してホスファチジルコリン2.
7gを得た。
次いで、得られたホスファチジルコリンを1%wt/vol
のメタノール溶液とし、東ソー(株)製の全自動大量分
取液体クロマトグラフィーHLC−837にODS充填カラム
(φ2インチ×60cm)を装着して、溶離液としてメタノ
ールを40ml/min流して、1バッチ当たり5mlの試料溶液
を注入した。溶出時間100分近辺に巨大なメインピーク
が流出し、その前に4本、後に3本のマイナーピークが
検出された。各ピークに相当する分画からは1バッチ当
たり1〜15mg分取された。各分画中のホスファチジルコ
リンの脂肪酸組成を測定した結果、メインピークが流出
する直前のピークがエイコサペンタエン酸を主体とする
成分であることがわかった。本分画は1バッチ当たり5m
gが回収され、FAB−MSによって分子量780(〔M+H〕
)、分子量806(〔M+H〕)が認められ、脂肪酸
組成はエイコサペンタエン酸40.6%、オレイン酸17.3
%、パルミチン酸23.9%であり、ホスホリパーゼA2処理
によるSn−2位のエイコサペンタエン酸量は78.6%であ
った。
原料のメタノール溶液の一部100mlを用い、10バッチ
を行ない該化合物(1−パルミトイル−2−エイコサペ
ンタエノイル−3−ホスファチジルコリン及び1−オレ
オイル−2−エイコサペンタエノイル−3−ホスファチ
ジルコリン)43mgを単離した。
合成例4 脱水したクロロホルム50ml中に、1−パルミトイル−
3−グリセリルホスホリコリン1000mg(2.02ミリモ
ル)、エイコサペンタエン酸無水物2300mg(3.92ミリモ
ル)、及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン500mg
(4.10ミリモル)を加え、室温で攪拌しながら24時間反
応させた。
反応終了後、反応混合物中のN,N−ジメチル−4−ア
ミノピリジンを除去するため、酸性陽イオン交換樹脂
(ローム・アンド・ハース社製、登録商標アンバーライ
ト200C)30ml及び塩基性陰イオン交換樹脂(ローム・ア
ンド・ハース社製、登録商標アンバーライトIRC−50及
びアンバーライトIRA−93の等量混合物)60mlを3.0φ×
50cmのガラスカラムに充填した中を、クロロホルムを用
いて流した。
この処理溶液をシリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶液はクロロホルム:メタノール:水=65:25:
4、発色はヨウ素)で分析した結果、Rf値0.1〜0.3(N,N
−ジメチル−4−アミノピリジンと酸無水物の複合体を
示す)の紫色の発色が完全に消失した。
クロロホルムを減圧留去し、残留物を30mlのシリカゲ
ルを充填した1.5φ×50cmのガラスカラムを用いて、ク
ロロホルム800mlを用いて溶出したものをフラクション
1(F1)、クロロホルム:メタノール=10:1 800mlを
用いて溶出したものをフラクション2(F2)、クロロホ
ルム:メタノール=5:1 2400mlを用いて溶出したもの
をフラクション3(F3)とした。
F1、F2、F3を、シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒はクロロホルム:メタノール:水=65:25:
4、発色はヨウ素)で分析した結果、目的物である1−
パルミトイル−2−エイコサペンタエノイル−3−ホス
ファチジルコリンはF3中に含まれていた。
F3の溶媒を減圧留去し、1−パルミトイル−2−エイ
コサペンタエノイル−3−ホスファチジルコリン563mg
を得た。(収率35.8%) 得られた1−パルミトイル−2−エイコサペンタエノ
イル−3−ホスファチジルコリンに対して、ファースト
・アトム・ボンバード・イオン化マススペクトルの直接
導入法で分析した結果、1−パルミトイル−2−エイコ
サペンタエノイル−3−ホスフォチジルコリンの分子イ
オン780(〔M+H〕)が明瞭に認められた。また、
未反応原料である1−パルミトイル−3−グリセリルホ
スホリルコリンの分子イオン496(〔M+H〕)は認
められなかった。
合成例5 合成例4で得られた1−パルミトイル−2−エイコサ
ペンタエノイル−3−ホスファチジルコリン70mgを80μ
lのメタノールに溶解し、ホスホリパーゼC(シグマ社
製、No.EC3.1.4.3;クロストリジウム・ペルフリンゲン
ス(Clostridium perfringens)起源)を40uint、0.2M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を0.6ml、0.05M塩化カル
シウムを0.35ml、エチルエーテルを0.4ml加えた。反応
混合物をスクリューキャップ付き2mlの試験管中にテフ
ロンスターラーバーと共に加えて、35℃で1時間激しく
攪拌しながらインキュベーションした。
反応混合物にエチルエーテル1.2mlを加えてから分液
漏斗に移し、抽出後、窒素気流下で濃縮した。エチルエ
ーテルで抽出された反応混合物中の未反応のホスファチ
ジルコリンを除去するため、氷冷アセトンを0.1ml加
え、ホスファチジルコリンを沈澱させた。エチルエーテ
ル層を硫酸ナトリウムで脱水し、さらに、窒素気流下で
脱溶媒して目的の1−パルミトイル−2−エイコサペン
タエノイルグリセロールが59.8mg得られた。
得られた1−パルミトイル−2−エイコサペンタエノ
イルグリセロールは油状であり、クロロホルム、ヘキサ
ンに可溶で水に不溶であった。
薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/
メタノール/水系(65/25/4,vol/vol/vol))で反応前
後の成分を測定した。
反応後の成分のRf値は、反応前の0.3から0.8に変化
し、ドラーゲンドルフ試薬とディットマー・レスター試
薬に対する発色が陽性から陰性に変化した。さらに、薄
膜クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム/アセ
トン/メタノール系(90/9/1,vol/vol/vol))で標準体
として未蒸留モノグリセリドと共に反応後の成分を測定
した。
反応後の成分はRf値が0.65で、標準体のSn−1位、2
位ジアシルグリセロール(一般名β−ジアシルグリセロ
ール)の位置に相当していた。本成分は、FAB−MSによ
って分子量614(〔M+Na〕637)が認められた。
本発明の制癌剤は、経口及び非経口投与のいずれも使
用可能であり、経口投与する場合は、軟・硬カプセル剤
又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤として投与され、非経
口投与する場合は、水溶性懸濁液、油性製剤などの皮下
或いは静脈注射剤、点滴剤及び固体状又は懸濁粘稠液状
として持続的な粘膜吸収が維持できるように坐薬のよう
な剤型で投与され得る。
本発明の有効成分の製剤化は、界面活性剤、賦形剤、
滑沢剤、佐剤、及び必要に応じて腸溶性製剤とするため
に医薬的に許容し得る皮膜形成物質、コーティング助剤
等を用いて適宜行うことができ、その具体例を挙げれ
ば、次のとおりである。
本発明の組成物の崩壊、溶出を良好ならしめるため
に、界面活性剤、例えばアルコール、エステル類、ポリ
エチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステ
ル類、硫酸化脂肪アルコール類等の1種又は2種以上を
添加することができる。
また、賦形剤として、例えば蔗糖、乳糖、デンプン、
結晶セルロース、マンニット、軟質無水珪酸、アルミン
酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合
成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム等の1種又は2種以上を組合せて添加す
ることができる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、
タルク、硬化油等を1種又は2種以上添加することがで
き、また矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、
糖、マンニット、オレンジ油カンゾウエキス、クエン
酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸等の
甘味剤、香料、着色剤、保存料等を含有させてもよい。
懸濁剤、潤滑剤の如き佐剤としては、例えばココナッ
ツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳酸カルシウ
ム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含有させることがで
きる。
また被膜形成物質としては、セルロース、糖類等の炭
水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロース(CPA)、
またアクリル酸系共重合体、二塩基酸モノエステル類等
のポリビニル誘導体としてアクリル酸メチル・メタアク
リル酸共重合体、メタアクリル酸メチル・メタアクリル
酸共重合体が挙げられる。
また、上記皮膜形成物質をコーティングするに際し、
通常使用されるコーティング助剤、例えば可塑剤に他、
コーティング操作時の薬剤相互の付着防止のための各種
添加剤を添加することによって皮膜形成剤の性質を改良
したり、コーティング操作をより容易ならしめることが
できる。なお、有効成分を皮膜形成物質を用いてマイク
ロカプセル化してから賦形剤等を混合した剤型としても
良い。
次に代表的な剤型における配合比は下記の通りであ
る。
特に好ましい賦形剤は、乳糖、結晶セルロース、カル
ボキシメチルセルロースカルシウムである。
また、投与量は、対象腫瘍を有効に治療するに十分な
量であり、腫瘍の症状、投与経路、剤型などによって左
右されるが、一般に、経口投与の場合、大人では1日当
り、約0.01〜200mg/kg体重(小人では0.01〜120mg/kg体
重)の範囲で、その上限は好ましくは約50mg/kg体重、
更に好ましくは約10mg/kg体重程度であり、非経口投与
の場合、その上限は約10mg/kg体重程度であり、好まし
くは5mg/kg体重、更に好ましくは2mg/kg体重が適当であ
る。
次に、本発明化合物の制癌活性を確認した制癌性試験
法について述べる。
フレンド白血病細胞(マウス赤芽球性白血病細胞、B8
細胞)に対する試験を行った。HAMのF−12培地(GIBCO
製)に15%の牛胎児血清及び60mg/lのカナマイシンを加
えたものに、2.5×105cell/mlとなるようにB8細胞を接
種し、これに所定量の被験化合物を加える(最終容量5m
l)。
8.0%炭酸ガス中、37℃で7日間培養した後、オルキ
ン(orkin)のベンジジン染色法により染色し、染色さ
れた細胞数、即ち、赤血球への分化によりヘモグロビン
を生成するようになった細胞数を測定し、全細胞に対す
る比率から分化誘導率を求めた。
以下に、本発明を製剤例及び試験例によって具体的に
説明する。
製剤例1(注射・点滴剤) 化合物OE−DG10mgを含有するように粉末ぶどう糖5gを
加えてバイアルに無菌的に分配し、密封した上、窒素、
ヘリウム等の不活性ガスを封入して冷暗所に保存した。
使用前にエタノールに溶解し、0.85%生理的食塩水100m
lを添加して静脈内注射剤とし、1日、10〜100mlを症状
に応じて静脈内注射又は点滴で投与する。
PE−DG、OE−PC及びPE−PCについてもOE−DGと同様に
して静脈内注射剤とする。
製剤例2(注射・点滴剤) 化合物OE−DG2mgを用いて、製剤例1と同様の方法に
より軽症用静脈内注射剤とし、1日、10〜100mlを症状
に応じて静脈内注射又は点滴で投与する。
PE−DG、OE−PC及びPE−PCについてもOE−DGと同様に
して軽症用静脈内注射剤とする。
製剤例3(腸溶性カプセル剤) 化合物OE−DG5g、乳糖2.46g及びヒドロキシプロピル
セルロース0.04gを各々とり、よく混合した後、常法に
従って粒状に成形し、これをよく乾燥して篩別してピ
ン、ヒートシール包装などに適した顆粒剤を製造した。
次に、酢酸フタル酸セルロース0.5g及びヒドロキシプロ
ピルセルロースフタレート0.5gを溶解して被覆基材とな
し、前記顆粒を浮遊流動させつつこの基材を被覆して腸
溶性の顆粒剤とした。この組成物をカプセルに充填して
腸溶性カプセル製剤100個を製造する。
PE−DG、OE−PC及びPE−PCについてもOE−DGと同様に
して腸溶性カプセル剤とする。
試験例(制癌活性試験) 化合物OE−DG、PE−DG、OE−PC及びPE−PCを用い、前
記試験法により、フレンド白血病(B8)細胞の分化誘導
活性を調べた。その結果を表1に示す。
フロントページの続き (72)発明者 福田 信雄 茨城県つくば市梅園2―24―5 (56)参考文献 特開 昭62−77319(JP,A) 特開 昭60−58917(JP,A) 特開 昭59−46226(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で示される化合物の少なくと
    も1種を有効成分とする制癌剤。 (式中、R1は炭素数15の飽和アルキル基又は二重結合を
    1コ有する炭素数17の不飽和アルキル基であり、R2はエ
    イコサペンタエノイル基であり、R3はフォスホリルコリ
    ン又は水酸基である。)
JP63161548A 1988-06-29 1988-06-29 制癌剤 Expired - Lifetime JP2688829B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63161548A JP2688829B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 制癌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63161548A JP2688829B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 制癌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0211516A JPH0211516A (ja) 1990-01-16
JP2688829B2 true JP2688829B2 (ja) 1997-12-10

Family

ID=15737201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63161548A Expired - Lifetime JP2688829B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 制癌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2688829B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6762203B2 (en) 1999-08-03 2004-07-13 Kao Corporation Oil composition
US6956058B2 (en) 2001-04-26 2005-10-18 Kao Corporation Method for improving insulin resistance
AU2003242449B2 (en) 2002-06-19 2007-06-21 Maruha Nichiro Corporation Oral preventing/therapeutic agent for skin damage containing diacylglyceryl ether

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5946226A (ja) * 1982-09-09 1984-03-15 Rikagaku Kenkyusho 新規なコリン含有リン脂質a及びその制癌剤
JPS6058917A (ja) * 1983-09-09 1985-04-05 Rikagaku Kenkyusho 制癌剤
JPH0686377B2 (ja) * 1985-09-30 1994-11-02 日清製粉株式会社 がん転移抑制剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0211516A (ja) 1990-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4782365B2 (ja) ウイルス感染症と癌細胞を二重ターゲッティングする組成物及び方法
EP0609078A1 (en) Formulations containing unsaturated fatty acids
US20050181037A1 (en) Cardiolipin compositions their methods of preparation and use
WO2009043296A1 (fr) Dérivés et analogues de glycoside gambogique, procédé de préparation et utilisation de ceux-ci
US11433085B2 (en) Phospholipid compositions
JPH0367045B2 (ja)
EP0346883B1 (en) Expectorant comprising hydroxy-alkylcysteine derivative
JP2688829B2 (ja) 制癌剤
JPH0617304B2 (ja) 制癌剤
US4725588A (en) Alkyl phospholipid antihypertensive agents in method of lowering blood pressure
JPH027573B2 (ja)
JPH01203331A (ja) 制癌剤
JPS6241209B2 (ja)
MX2007005591A (es) Sintesis de analogos de cardiolipina y usos de los mismos.
EP0114577A1 (en) New pharmaceutical composition
JPS6310685B2 (ja)
JPH01203322A (ja) 制癌剤
JPH07138156A (ja) 免疫抑制剤
JPH01203330A (ja) 制癌剤
JPH064563B2 (ja) トリテルペン化合物及び制癌剤
US3197371A (en) Process for treating hypercholesteralemia
JPS63218619A (ja) 抗アレルギ−薬剤
JPH0367055B2 (ja)
JPH0367050B2 (ja)
JPH0144196B2 (ja)