JP2688210B2 - N−保護アスパラギン酸無水物の製造法 - Google Patents

N−保護アスパラギン酸無水物の製造法

Info

Publication number
JP2688210B2
JP2688210B2 JP11040388A JP11040388A JP2688210B2 JP 2688210 B2 JP2688210 B2 JP 2688210B2 JP 11040388 A JP11040388 A JP 11040388A JP 11040388 A JP11040388 A JP 11040388A JP 2688210 B2 JP2688210 B2 JP 2688210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anhydride
phosgene
protected aspartic
reaction
protected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11040388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01283282A (ja
Inventor
正伸 味岡
剛 大浦
長二郎 樋口
敏雄 加藤
彰宏 山口
Original Assignee
三井東圧化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井東圧化学株式会社 filed Critical 三井東圧化学株式会社
Priority to JP11040388A priority Critical patent/JP2688210B2/ja
Priority to AT89104832T priority patent/ATE110740T1/de
Priority to CA000593914A priority patent/CA1339658C/en
Priority to DE68917762T priority patent/DE68917762T2/de
Priority to EP89104832A priority patent/EP0334236B1/en
Priority to BR898901324A priority patent/BR8901324A/pt
Priority to NO89891243A priority patent/NO891243L/no
Priority to DK141289A priority patent/DK141289A/da
Priority to AU31620/89A priority patent/AU605968B2/en
Priority to KR1019890003589A priority patent/KR910006287B1/ko
Publication of JPH01283282A publication Critical patent/JPH01283282A/ja
Priority to US07/823,538 priority patent/US5302743A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2688210B2 publication Critical patent/JP2688210B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、N−保護アスパラギン酸をホスゲンと反応
させてN−保護アスパラギン酸無水物を製造する方法に
関するものである。
本発明の目的物であるN−保護アスパラギン酸無水物
は、アミノ酸エステルの中間体として、またペプチド合
成の中間体としてよく知られており、最近ではジペプチ
ド系甘味料アスパルテームの原料として注目されている
ものである。
〔従来の技術〕 従来、N−保護アスパラギン酸無水物を合成する方法
としては、N−保護アスパラギン酸に無水酢酸を作用さ
せる方法が公知である(ジャーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティ,81,167,1959年)。また、N
−保護基がホルミル基の場合は、ギ酸中でL−アスパラ
ギン酸に無水酢酸を作用させることにより、N−ホルミ
ル化と無水物化を同時に行う方法もよく知られている
(特開昭46−1370)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらの方法ではN−保護アスパラギン酸無
水物の収率を上げるために、過剰の無水酢酸を使用する
必要があった。また、このようにして得られたN−保護
アスパラギン酸無水物は、そのまま溶液として次の工程
に用いることが工業的には有利であるが、反応液中に残
存する無水酢酸が次の工程で副反応を起こすことが多
い。例えば、上記の方法で得られたN−ホルミル−L−
アスパラギン酸無水物溶液に、L−フェニルアラニンメ
チルエステルを作用させてN−ホルミル−α−L−アス
パルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルを製造
する場合には溶液中に残存した無水酢酸によるL−フェ
ニルアラニンメチルエステルのアセチル化が起こり好ま
しくない。
N−保護アスパラギン酸無水物を単離して用いること
も行われる(特公昭53−36446)が、過剰の無水酢酸や
生成した酢酸を除くのが容易でない上に、高温でこの操
作を行うとアスパラギン酸のラセミ化をまねく恐れがあ
った。
この発明は上記の従来法の欠点を除去したN−保護ア
スパラギン酸無水物の製造方法を提供することを目的と
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、無水酢酸を使わないN−保護アスパラ
ギン酸無水物の製造方法を鋭意検討した結果、不活性有
機溶媒中でN−保護アスパラギン酸にホスゲンを作用さ
せることにより、N−保護アスパラギン酸無水物がほぼ
定量的収率で得られることを見出し、本発明を完成し
た。
通常用いられるN−保護基は、酸性条件で脱保護基が
起こるものも有るため、N−保護アスパラギン酸とホス
ゲンとの反応で副生する塩化水素の作用で、脱保護基し
た副生物が生成することが予想されたが、意外にも本発
明の反応条件下ではそのような副反応がほとんど起きな
いことが判明した。
本発明に使用されるN−保護基は、ホルミル基、アセ
チル基、トリフロロアセチル基、フタリル基、トシル基
等のアシル型保護基、ベンジルオキシカルボニル基、第
三ブトキシカルボニル基等のウレタン型保護基、トリチ
ル基、ベンジル基等のアルキル型保護基が挙げられる。
本発明に使用する有機溶媒は反応に不活性であり、特
に、ホスゲンに対して不活性なものが用いられる。代表
的なものとしてはエチルエーテル、ブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロル
エタン、1,1,2−トリクロルエタン、クロルベンゼン等
のハロゲン化炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素、酢酸エチル、酢
酸ブチル等のエステル類が挙げられる。
反応はN−保護アスパラギン酸を上記有機溶媒に溶
解、あるいは懸濁させ、必要により撹拌しながらホスゲ
ンを加えることにより行われる。ホスゲンは反応で生成
する塩化水素と炭酸ガスを系外に除くため、通常当モル
より過剰に用いられる。
本発明方法における反応温度は、−10〜80℃が好まし
く、特に10〜60℃が好ましい。温度が高すぎるとラセミ
化や脱保護基等の副反応を起こす恐れがある。また低す
ぎると反応時間が長くなり実用的でない。
反応後は、過剰のホスゲン基を除き、目的物の結晶が
析出している場合はそのまま濾過、乾燥することによ
り、また溶解している場合は濃縮するだけで容易にN−
保護アスパラギン酸無水物が得られる。また、反応液の
ままホスゲンを除くだけで次の工程に使用することがで
きる。
〔作用および効果〕
本発明の方法によれば、脱水剤として加えたホスゲン
を反応後容易に除くことができるため、従来法に比較し
て簡単な操作でしかも高収率で、N−保護アスパラギン
酸無水物を得ることができる。
〔実施例〕
以下実施例により説明する。
実施例1 N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸
26.7g(0.1モル)をテトラヒドロフラン240gに溶解し、
ホスゲン5g/Hrを吹き込みながら55℃で5時間反応させ
る。反応後、乾燥窒素を吹き込みホスゲンを除き、続い
て減圧下にテトラヒドロフランを除く。減圧下、室温で
乾燥することにより26.0gの結晶を得た。この結晶の赤
外吸収スペクトルは、N−ベンジルオキシカルボニル−
L−アスパラギン酸無水物のものと一致した。また高速
液体クロマトグラフィーによる分析の結果、純度93.0%
であった。収率97.0%。
実施例2 N−ホルミル−L−アスパラギン酸16.1g(0.1モル)
をトルエン240gに懸濁し、ホスゲン5g/Hrを吹き込みな
がら50℃で10時間反応させる。反応後、乾燥窒素を吹き
込むことによりホスゲンを除き、析出している結晶を濾
過、乾燥することにより13.1gの結晶を得た。この結晶
の赤外吸収スペクトルは、N−ホルミル−L−アスパラ
ギン酸無水物のものと一致し、また高速液体クロマトグ
ラフィーによる分析の結果、純度96.0%であった。収率
87.9%。
実施例3 N−第三ブトキシカルボニル−L−アスパラギン酸2
3.3g(0.1モル)をテトラヒドロフラン240gに溶解し、
ホスゲン5g/Hrを吹き込みながら10℃で10時間反応させ
る。反応後、実施例1と同様の操作により23.0gの結晶
を得た。この結晶の赤外吸収スペクトルは、N−第三ブ
トキシカルボニル−L−アスパラギン酸無水物のものと
一致し、また高速液体クロマトグラフィーによる分析の
結果、純度91.5%であった。収率97.9%。
実施例4 N−トリチル−L−アスパラギン酸37.5g(0.1モル)
をテトラヒドロフラン240gに溶解し、ホスゲン5g/Hrを
吹き込みながら10℃で5時間反応させる。反応後、乾燥
窒素でホスゲンを除き、減圧下、酢酸を除く。減圧下、
室温で乾燥することにより36.7gの結晶を得た。高速液
体クロマトグラフィーによる分析の結果、純度96.3%で
あった。収率99.0%。
実施例5〜7 N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸
26.7g(0.1モル)を表1に示した各有機溶媒240gに溶
解、あるいは懸濁し、実施例1と同様の操作で反応、単
離を行った。結果を表1に示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−保護アスパラギン酸を不活性有機溶媒
    中でホスゲンと反応させることによるN−保護アスパラ
    ギン酸無水物の製造方法。
JP11040388A 1988-03-22 1988-05-09 N−保護アスパラギン酸無水物の製造法 Expired - Lifetime JP2688210B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11040388A JP2688210B2 (ja) 1988-05-09 1988-05-09 N−保護アスパラギン酸無水物の製造法
CA000593914A CA1339658C (en) 1988-03-22 1989-03-16 Preparation of n-protected .alpha.-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester
DE68917762T DE68917762T2 (de) 1988-03-22 1989-03-16 Herstellung von alpha-1-Aspartyl-1-phenylalanin-methylester mit geschütztem Stickstoffatom.
EP89104832A EP0334236B1 (en) 1988-03-22 1989-03-16 Preparation of n-protected alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester
AT89104832T ATE110740T1 (de) 1988-03-22 1989-03-16 Herstellung von alpha-1-aspartyl-1-phenylalanin- methylester mit geschütztem stickstoffatom.
NO89891243A NO891243L (no) 1988-03-22 1989-03-21 Fremgangsmaate ved fremstilling av en n-beskyttet alfa-l-aspartyl-l-fenylalaninmethylester.
BR898901324A BR8901324A (pt) 1988-03-22 1989-03-21 Processos para a preparacao de um metil ester de alfa-l-aspartil-l-fenilalanina com n protegido,para a preparacao de um anidrido aspartico com n protegido e para a preparacao de anidrido n-benziloxicarbonil-l-aspartico
DK141289A DK141289A (da) 1988-03-22 1989-03-22 Fremgangsmaade til fremstilling af en n-beskyttet alfa-l-asparagyl-l-phenylalaninmethylester
AU31620/89A AU605968B2 (en) 1988-03-22 1989-03-22 Preparation of n-protected alpha-l-aspartyl-l-phenylanla- nine methyl ester
KR1019890003589A KR910006287B1 (ko) 1988-03-22 1989-03-22 N-보호기-α-L-아스파르틸-L-페닐알라닌메틸에스테르의 제조방법
US07/823,538 US5302743A (en) 1988-03-22 1992-01-21 Preparation of N-protected α-L-aspartyl-L-phenylalanine methyl ester

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11040388A JP2688210B2 (ja) 1988-05-09 1988-05-09 N−保護アスパラギン酸無水物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01283282A JPH01283282A (ja) 1989-11-14
JP2688210B2 true JP2688210B2 (ja) 1997-12-08

Family

ID=14534914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11040388A Expired - Lifetime JP2688210B2 (ja) 1988-03-22 1988-05-09 N−保護アスパラギン酸無水物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2688210B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01283282A (ja) 1989-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2875834B2 (ja) ウレタン保護アミノ酸‐n‐カルボキシ無水物
JP2003055396A (ja) ペプチドの高速溶液合成方法
JPH0357118B2 (ja)
EP0098865A4 (en) PEPTID SYNTHESIS AND AMINO ACID BLOCKING AGENTS.
JP2688210B2 (ja) N−保護アスパラギン酸無水物の製造法
JP3577756B2 (ja) N−保護グルタミン酸γ−誘導体の選択的製造法
US4764594A (en) Resin support for solid phase peptide synthesis
JP2698372B2 (ja) N−保護アスパラギン酸無水物の製造方法
HU208838B (en) Method for producing peptones containing aza aminoacides by means of solid-phase synthesis
US5028693A (en) Urethane-protected amino acid-N-carboxyanhydrides
US4764595A (en) Resin support for solid phase peptide synthesis
US20040101864A1 (en) Chemical process
JPH01221358A (ja) ベンズヒドリルアミン誘導体及びその製法
US3948971A (en) N-protected-α-amino acid compounds
JPH04316571A (ja) N−保護アスパラギン酸無水物の製造方法
JP2928564B2 (ja) アミノ酸メチルエステル鉱酸塩の製造法
CA2236117C (en) Process for producing optically active cyanohydrins
JP2748897B2 (ja) 新規なアルギニン誘導体およびこれを用いるペプチドの製造方法
JPH03112953A (ja) グルタミンの新規製法
JP2736567B2 (ja) ポリグルタミン酸の製造法
JPH04316570A (ja) N−保護アスパラギン酸無水物の製造法
WO1998046629A1 (en) Hexahydroaspartame amides and method for the preparation thereof
KR970002911B1 (ko) 팔라듐 촉매를 사용한 아스파탐의 제조방법
JPH0741467A (ja) 新規n−カルボキシアミノ酸無水物
JPS6028988A (ja) ペプチドの製造方法