JPH0741467A - 新規n−カルボキシアミノ酸無水物 - Google Patents

新規n−カルボキシアミノ酸無水物

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JPH0741467A
JPH0741467A JP5186085A JP18608593A JPH0741467A JP H0741467 A JPH0741467 A JP H0741467A JP 5186085 A JP5186085 A JP 5186085A JP 18608593 A JP18608593 A JP 18608593A JP H0741467 A JPH0741467 A JP H0741467A
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JP
Japan
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cysteine
phenylcarbamoyl
group
anhydride
nca
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JP5186085A
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English (en)
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Makoto Iwatsuki
誠 岩月
Yasuko Iizuka
靖子 飯塚
Masanao Oya
正尚 大屋
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 S−フェニルカルバモイル−N−カルボキシ
システイン無水物自体及びこれを単量体として単独縮重
合又は他のN−カルボキシアミノ酸無水物との共縮重合
に付することを特徴とするシステインを含む高分子量ポ
リペプチドの製造法。 【効果】 システインの単独重合体又は共重合体を一般
的な化学反応装置と技術とによりしかも安価に工業的に
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規物質であるS−フ
ェニルカルバモイル−N−カルボキシシステイン無水物
自体及びこれを単独縮重合反応又は他のN−カルボキシ
−α−アミノ酸無水物との共縮重合反応に付することを
特徴とするシステインを含む高分子量ポリペプチドの製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】側鎖に官能基を有するアミノ酸残基を含
むペプチドを合成する場合、アミノ酸の側鎖の官能基を
保護しておいてそのN−カルボキシ無水物(NCA)と
し、これを縮重合反応に付してペプチド結合を形成し、
目的とするアミノ酸残基を全部導入し終わった段階で保
護基を除去する方法が一般に行なわれている。
【0003】システインの場合、そのスルフヒドリル基
(SH)の保護基としてはベンジル基(Bzl)及びカ
ルボベンゾキシ基(Z)が最もよく用いられている。従
って、従来システインを含む高分子量ポリペプチドを合
成する方法としては、システインの側鎖のスルフヒドリ
ル基をベンジル基またはカルボベンゾキシ基で保護して
おいてそのN−カルボン酸無水物を合成し、これを単独
縮重合または共縮重合した後に弗化水素または液体アン
モニア/金属ナトリウム中で保護基を除去している。
【0004】しかしながら、このような方法における諸
反応は危険な反応であるためにいずれも特殊な装置を必
要とし、その操作には熟練と高い技術が必要となるため
に製品は高価なものとならざるを得ない。
【0005】これらの課題を解決するために、本発明者
は、さきに、エチルカルバモイル基によりシステインの
SH基を温和な条件で保護し、常法によりNCAを合成
し、これを単独重縮合または共重縮合させたのち、その
側鎖のSH保護基をナトリウムエチラートで除去できる
ことを見い出し、この知見に基づくシステインを含む高
分子量ポリペプチドの製造法を発明した(特開平5−4
3560)。
【0006】しかしながら、このような製造法によって
もなお、システインをエチルカルバモイル基で保護する
ためにエチルイソシアネートとシステインを反応させる
が、エチルイソシアネートは工業的に製造されておら
ず、容易に入手できない;更に保護基を外し、システイ
ン単独重合体または共重合体とする場合、脱保護反応の
確認を元素分析を主体に行うため、製造工程管理が繁雑
である;といった問題が残り、更なる改良法が望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な欠点を免れた、システインを含む高分子量ポリペプチ
ド(システインの高分子量ホモポリマー又はコポリマ
ー)の合成法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
の解決を求めて鋭意研究の結果、システインのSH基は
エチルイソシアネートによらなくても、その代りに工業
的に安価に入手できるフェニルイソシアネートによって
も極めて温和な条件で保護することができること、及び
このような保護基でSH基を保護したシステインを、常
法により、そのNCAに変えた後に重合反応に付して得
られるSH保護ポリペプチドはその側鎖からそのような
ような保護基を極めて温和な条件で定量的に除去できる
こと、しかも保護基のフェニル基は紫外線および赤外光
の吸収で特異な吸収波長を示すので分析が容易となるこ
と、を見出し、このような知見に基いて本発明を完成し
た。
【0009】本発明の方法は、保護基の導入及びその除
去が温和な条件で行ない得る点などにおいてシステイン
を含む高分子量ポリペプチドの工業的製造法として極め
て優れている。
【0010】以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明の第1は、S−フェニルカルバモイ
ル−N−カルボキシシステイン無水物に関する。この化
合物は、式(1) の構造を有し、前述のように新規物質で
ある。
【0012】
【化1】
【0013】S−フェニルカルバモイルシステイン(H
OOC(H2 N)HCCH2 SCONHC6 5 )は、
システイン(HOOC(H2 N)HCCH2 SH)とフ
ェニルイソシアネート(OCNC6 5 )から比較的簡
単に合成可能で、さらに酸性下で極めて安定なことから
安価に入手できる。
【0014】本発明に係わる新規物質S−フェニルカル
バモイル−N−カルボキシシステイン無水物は、例え
ば、アミノ酸をジオキサン、テトラヒドロフランなどの
不活性溶媒に懸濁してホスゲン(COCl2 )を作用さ
せるというN−カルボキシアミノ酸無水物(NCA)の
一般的製法に従って上記S−フェニルカルバモイルシス
テインにホスゲンを作用させることによって製造するこ
とができる。
【0015】本発明の第2は、S−フェニルカルバモイ
ル−N−カルボキシシステイン無水物(S−フェニルカ
ルバモイルシステインNCA)を単量体としてこれのみ
で縮重合反応に付する(単独縮重合)か又はこれと他の
N−カルボキシ−α−アミノ酸無水物(他のアミノ酸の
NCA)とを縮重合に付する(共縮重合)ことを特徴と
するシステインを含む高分子量ポリペプチドの製造法に
関する。
【0016】一般にNCAは、ベンゼン、トルエン、ク
ロルベンゼン、ジクロルエタン、ピリジン、ジオキサン
などの不活性溶媒中で、微量の水、アルコール、アミ
ン、水酸化アルカリなどの重合開始剤の存在下に加温す
ると、二酸化炭素(CO2 )を放出して縮重合すること
は知られている。又、重合度はアミノ酸の種類、溶媒、
重合開始剤によって異なるが、一般的に無水物の濃度が
低いほど、又反応温度の低いほど高分子量のポリアミノ
酸が得られることも知られている。以上、化学大辞典編
集委員会編「化学大辞典2」 575頁(共立出版(株)19
60年発行)参照。
【0017】本発明のS−フェニルカルバモイルシステ
インNCAの縮重合も上述の一般法に準じて行なわれ
る。
【0018】すなわち、重合溶媒としては、1,2−ジ
クロルエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼンなど
の芳香族炭化水素、ピリジンなどの複素環式化合物、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ア
セトニトリルなどのニトリル類及び酢酸エチルなどのエ
ステル等の非プロトン系有機溶媒が挙げられる。この使
用量は、無水物1g当り5〜100ml 、好ましくは10〜40
mlの割合いが実用的である。
【0019】重合開始剤としては、アミン類及びナトリ
ウムアルコラート類等のアルカリが挙げられる。この使
用量は、無水物1モル当り1/10〜1/400 モル、好ましく
は1/50〜1/250 モルである。
【0020】S−フェニルカルバモイルシステインNC
Aを溶媒に溶解し、これに重合開始剤を加えた混合物を
0〜50℃に数時間乃至数日間保持することにより単独縮
重合が生起し、高収率でポリ−S−フェニルカルバモイ
ルシステインが得られる。
【0021】S−フェニルカルバモイルシステインNC
Aと共縮重合させるべき他のアミノ酸のNCAには特別
の制限はなく、共重合体の用途に応じて適宜選択すると
よい。原料の単量体N−カルボキシアミノ酸無水物(N
CA)として、S−フェニルカルバモイルシステインN
CA単独ではなく、これと他のアミノ酸のNCAとを併
用すること以外は、溶媒、重合開始剤、反応条件等単独
縮重合の場合と同様でよい。
【0022】縮重合反応系からの生成ポリペプチド(ポ
リマー)の分離にも特別の制限はなく、反応系をそのま
ま濾過してポリマーを濾取するとか、ポリマーの非溶媒
を加えてポリマーを沈殿させるとか等適宜公知の方法に
よるとよい。分離したポリマーは、必要により、例えば
減圧で十分乾燥する。
【0023】本発明において高分子量ポリペプチドとい
う場合の高分子量とは粘度法により測定される粘度平均
重合度50以上を意味する。
【0024】本発明の方法により得られる、フェニルカ
ルバモイル基をSHの保護基として側鎖に持つポリペプ
チド(ホモポリマー又はコポリマー)から保護基を外す
ことは極めて温和な条件で行なうことができ、一般的な
化学反応装置と技術により取扱え、例えば、ポリマーを
安価な低級アルコールに分散し、これに安価なナトリウ
ム低級アルコラートの低級アルコール溶液を加えて単に
室温で放置することなどの安価な塩基性溶液中室温で行
なうことができる。
【0025】このような脱保護法によれば、従来の弗化
水素による場合と異なり、SH基の強い酸化によるスル
ホキシド化は起らないが、ポリマー中システイン成分が
多い場合はSH基の弱い酸化により分子間架橋が起り、
ポリマーは水にもその他の溶剤にも不溶化することがあ
る。
【0026】上のようにして、脱保護したシステインを
含む高分子量ポリペプチド(システインのホモポリマー
及びコポリマー)は、例えば、生体内ゲル、毛髪保護剤
の原材料となる。
【0027】本発明におけるアミノ酸は光学活性体であ
ってもラセミ体であってもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0029】実施例1(S−フェニルカルバモイル−L
−システインの合成) Cys塩酸塩15.8g(0.1mol)をジメチルホ
ルムアミド(DMF)1500mlに溶解し、これに0
℃にてフェニルイソシアネート(C6 5 NCO)1
3.10g(0.11mol)を滴下した後、20℃に
て70時間放置した。
【0030】溶媒であるDMFを減圧留去し、粘性の残
留物を傾斜によりエーテル100mlで数回洗浄を繰り
返した。さらにエーテル100mlを加えて−8℃に一
晩放置した。傾斜によりエーテルを除去し、減圧乾固し
た後、水160mlに溶解した。アンモニア水でpH
6.5に調節すると沈殿物が生じ、再び4℃にて一晩放
置した。析出した沈殿物を濾別し、冷水、アルコール/
エーテル混合溶液にて洗浄し後、減圧乾固してS−フェ
ニルカルバモイル−L−システイン(Cys(Pc))
を収量17.05g、収率72%で得た。
【0031】そのIRスペクトル(KBr−disk)
は図1に示す通りで、690cm-1にフェニル基による
吸収を確認できる。
【0032】実施例2(S−フェニルカルバモイル−L
−システインNCAの合成) 実施例1で得られたS−フェニルカルバモイル−L−シ
ステイン10g(42mmol)をテトラヒドロフラン(T
HF)400mlに分散し、40〜45℃で撹拌下トリ
クロルメチルクロロフォーメート(TCF)の分解によ
って得られたホスゲン(COCl2 )を通じた。分散物
が溶解した時点を反応終了とし、減圧にて溶媒を留去し
た。
【0033】n−ヘキサンを残留物が浸る程度加え、0
℃にて一晩放置した。傾斜によりn−ヘキサンを除去
し、減圧乾固した。この残留物に酢酸エチル100ml
を加えて溶解し、不純物を濾別し、濾液に過剰のn−ヘ
キサンを加えて結晶を析出させた。この結晶は粗NCA
であり、酢酸エチル/n−ヘキサンにより再結晶を繰り
返して精製を行った。得られたS−フェニルカルバモイ
ル−L−システインNCA(Cys(Pc)NCA)は
収量8.0gで、収率71%であった。
【0034】再結晶により得られたNCAの元素分析の
結果は、次の通りであった。すなわち、S−フェニルカ
ルバモイル−N−カルバモイル−L−システイン無水物
11104 2 Sとしての計算値:C、49.62;
H、3.79;N、10.52(%)、及び実測値:
C、49.42;H、3.81;N、10.48(%)
であった。また、m.p.157.0℃(分解)であった。
IRスペクトルにてNCAの5員環の2個のカルボニル
基の特性吸収は、1853及び1840cm-1にみられ
(図2)、これにより、S−フェニルカルバモイル−L
−システインNCAができていることを確認した。
【0035】実施例3(S−フェニルカルバモイル−L
−システインNCAの単独縮重合) S−フェニルカルバモイル−N−カルボキシ−L−シス
テイン無水物0.92g(3.5mmol)はジクロルエタ
ン(EDC)17mlに溶解し、これに開始剤としてn
−ブチルアミン1.3mg(0.018mmol、無水物に
対して1/200倍モル)を加えた混合溶液を30℃で3
07時間放置した。
【0036】縮重合反応液をエーテル中に加えて生成ポ
リマーを析出させた。固液分離して得た固相をエーテル
で洗浄し、減圧乾固した。ポリ−S−フェニルカルバモ
イル−L−システインを収量0.57g、収率73%で
得た。
【0037】元素分析の結果は、次の通りであった。す
なわち、得られたポリマーの計算値:C、54.04;
H、4.53;N、12.60(%)、及び実測値:
C、52.98;H、4.50;N、12.55(%)
であった。このホモポリマーの粘度平均重合度は120
であった。IRスペクトルにおいて、ポリマーの特性吸
収を示すアミドIとIIの領域である1655及び15
25cm-1に吸収がみられ、またフェニル基の吸収も6
90cm-1にみられた(図3)。
【0038】実施例4(S−フェニルカルバモイル−L
−システインNCAの共重縮合) S−フェニルカルバモイル−L−システインNCA
0.067g(0.25mmol)、L−アラニンNCA
0.138g(1.2mmol)及びβ−メチル−L−アス
パラギン酸NCA 0.614g(3.55mmol)をア
セトニトリル(ACN)37.5mlに溶解し、さらに
開始剤であるn−ブチルアミン1.8mg(0.025
mmol、無水物に対して1/200 モル)を加えた混合溶液
を30℃で336時間放置した。
【0039】縮重合反応により得られた沈殿物を濾過に
より単離し、少量のACN及びエーテルで洗浄し、減圧
乾固してコポリマーを収量0.5g、収率83%で得
た。
【0040】元素分析の結果は、次の通りであった。す
なわち、得られたポリマーの計算値:C、47.81;
H、5.61;N、12.27(%)、及び実測値:
C、46.23;H、5.54;N、12.27(%)
であった。IRスペクトルにおいて、ポリマーの特性吸
収を示すアミドIとIIの領域である1650及び15
30cm-1に吸収がみられ、エステル基が付いているカ
ルボニル基の特性吸収も1738cm-1にみられた(図
4)。また、NMRスペクトルから、3成分のアミノ酸
の吸収がそれぞれ確認できた(図5)ことからも、この
高分子量ポリペプチドは3成分から成ることを確認し
た。
【0041】実施例5(S−フェニルカルバモイル基の
除去(その1)) 実施例3で得られたS−フェニルカルバモイル基を側鎖
に持つポリ(S−フェニルカルバモイル−L−システイ
ン0.4gを0.5Nナトリウムエチラートのエチルア
ルコール溶液34mlに懸濁させ、室温にて15分間放
置した。酢酸で中和後、さらにエチルアルコール30m
lを加えて析出した沈殿物を濾過により単離し、アルコ
ール/水で洗浄し、減圧固化して目的生成物を得た。
【0042】得られたポリマーの元素分析値は、計算
値:C、34.93;H、4.89;N、31.09
(%)、及び実測値:C、34.53;H、4.93;
N、31.05(%)であった。IRスペクトルにおい
て、ポリマーの特性吸収を示すアミドIとIIの領域で
ある1648及び1520cm-1に吸収がみられたが、
690cm-1にみられるフェニル基の特性吸収が消失し
ていた(図6)。このように主鎖を切断することなくシ
ステインの単独重合体を得ることができた。
【0043】実施例6(S−フェニルカルバモイル基の
除去(その2)) 実施例4で得られたS−フェニルカルバモイル基を側鎖
に持つコポリマー0.25gを0.5N水酸化ナトリウ
ム水溶液20mlに懸濁させ、室温にて80分間放置し
た。酢酸で中和後、得られた溶液を3日間透析(分子量
1000以下のものを除去できるMw1000cut透
析膜使用)した後、凍結乾燥して目的生成物0.19g
(収率83%)を得た。
【0044】得られたポリマーの元素分析値は、計算
値:C、42.88;H、4.85;N、13.48
(%)、及び実測値:C、42.53;H、4.90;
N、13.43(%)であった。このもののIRスペク
トルにおいて、ポリマーの特性吸収を示すアミドIとI
Iの領域である1652及び1530cm-1に吸収がみ
られたが、690cm-1にみられるフェニル基の特性吸
収および1738cm-1にみられるエステル基が付いて
いるカルボニル基の特性吸収が消失していた(図7)。
NMRスペクトル(図8)からも、この操作により同時
に2種類の保護基(OMe基及びPc基)を切断できた
ことを確認できた。このように主鎖を切断することなく
システインの共重合体を得ることができた。
【0045】総じて、この処理により、L−システイン
残基からフェニルカルバモイル基の外れたL−システイ
ン、L−アラニン及びL−アスパラギン酸を成分とする
コポリマーが得られたことは、元素分析、IRスペクト
ルおよびNMRスペクトルから確認できた。
【0046】
【発明の効果】本発明によりSH基をフェニルカルバモ
イル基で保護したシステインのNCAを原料単量体とし
て採用することにより、最終的にシステインの単独重合
体又は共重合体を一般的な化学反応装置と技術とにより
しかも安価に工業的に製造できるところとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図2】実施例2で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図3】実施例3で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図4】実施例4で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図5】実施例4で得られた化合物のNMRスペクトル
を示す。
【図6】実施例5で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図7】実施例6で得られた化合物のIRスペクトルを
示す。
【図8】実施例6で得られた化合物のNMRスペクトル
を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 S−フェニルカルバモイル−N−カルボ
    キシシステイン無水物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無水物を単独縮重合又は
    他のN−カルボキシ−α−アミノ酸無水物と共縮重合さ
    せることを特徴とするシステインを含む高分子量ポリペ
    プチドの製造法。
JP5186085A 1993-07-28 1993-07-28 新規n−カルボキシアミノ酸無水物 Pending JPH0741467A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2776510A1 (fr) * 1998-03-31 1999-10-01 Oreal Derives de polyamino-acides et leur utilisation dans des compositions de traitement des fibres keratiniques
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US6762277B2 (en) * 2001-04-27 2004-07-13 Jsr Corporation Method of manufacturing N-carboxyamino acid anhydride and polyamino acid

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